2024.03.15

私の読書論182-渡瀬謙『一生使える「雑談」の技術』から-楽しい読書362号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書 (まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

2024(令和6)年3月15日号(No.362)
「私の読書論182-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『一生使える「雑談」の技術』から」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年3月15日号(No.362)
「私の読書論182-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『一生使える「雑談」の技術』から」
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 いつも新刊が出ると本を贈っていただいている、
 友人で左利き仲間の渡瀬謙さんの新刊を取り上げます。

 彼の著作を取り上げるのは、昨年の6月と8月の二度ありました。

 「営業のノウハウを処世術として人生に活かす」という趣向でした。

 今回は「雑談術」を扱ったもので、
 必ずしも「営業のための」、というものではありません。

 近所付き合いでも職場での付き合いでも、またお友達付き合いでも、
 その他色々な場面で応用できるかなあ、ということでご紹介します。

 

・2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」
・『レフティやすおのお茶でっせ』2023.6.15
私の読書論171-渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
から-楽しい読書344号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-929a0f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/59ae185f3daf8eebaec62cad6639e4f4

*渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
日本実業出版社 2023/5/26
(Amazonで見る)

 

2023(令和5)年8月15日号(No.348)
「私の読書論173-友人・渡瀬謙の新刊・
 静かな人のための『静かな営業』を読んでみた」
2023.8.15
私の読書論173-友人の新刊・静かな人のための『静かな営業』を
読んでみた-楽しい読書348号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/08/post-a3c1f9.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/18d2f67eff14d96378e59e618cd888a3

*渡瀬謙『静かな営業 「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる
 30の戦略』PHP研究所 2023/7/20
(Amazonで見る)

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◆ 平常心――「常にまわりが見える」観察の力で… ◆

  ~ 営業のノウハウを処世術として人生に活かす(3) ~

 渡瀬謙『一生使える「雑談」の技術』(大和出版)から

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 ●『一生使える「雑談」の技術』全体の概要

『どんな場面でも会話が途切れない 一生使える「雑談」の技術』
渡瀬謙/著 大和出版/2024/2/16
(Amazonで見る)

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目次

 序章 発想さえ変えれば、誰もが“雑談上手”になれる!
 第1章 これだけは押さえておきたい! 雑談の基本&大原則
 第2章 最初が肝心! 話のきっかけづくりと話題の見つけ方
 第3章 ストレスがかからない! 不自然にならない雑談の進め方
 第4章 会話がどんどん弾む! 話の上手な広げ方・掘り下げ方
 第5章 もう、あわてない! 話につまったときの切り抜け方
 第6章 こんなとき、どうする? [シーン別]困った状況での雑談術 
 終章 雑談の技術をマスターできれば、人生が大きく変わる!

 

(出版社の紹介文)
--
ムリに話さなくてもOK!
生来の口下手人間が試行錯誤の末につかんだ
「話のきっかけづくりと見つけ方」「話の広げ方と掘り下げ方」
「困った状況の切り抜け方」etc.を事例とともに初公開。
「雑談が苦手な人」ほど効果がある決定版!
--
カギは「相手ファーストの雑談」にある!
 ◎雑談には5つの目的と効果がある
 ◎「相手ファーストの雑談」の構造は、じつにシンプル
 ◎話題に迷ったときの「新鮮なネタ」の選び方
 ◎オンラインでの雑談にはコツがある
 ◎相手がもち出した話題はこうフォローしよう
 ◎雑談で話が広がらない人の3つの特徴
 ◎自然と距離が縮まる「教えてもらう雑談」
 ◎雑談での沈黙には、この3つで対応しよう 他、全49項
--

 

 ●著者・渡瀬謙さんからの言葉

次に、渡瀬謙さんのメールにあった文章を紹介しましょう。

--
この本の特徴は、読んだ翌日からすぐに使える即効性にあります。

・雑談が苦手な人でも翌日からすぐに使える!
・練習不要!難しいセリフを憶える必要がない!
・相手からの信頼度がグンと上がる!
・人付き合いが一気にラクになる!

そもそも雑談力がゼロだった私がこの方法を実践したとたん、
「雑談が得意」と言えるようになりました。
いまでは、雑談を教える講師もやっています。

もちろん、売れない営業にもおススメです。
--

 

 ●雑談の秘訣は「相手ファースト」

 序章 発想さえ変えれば、誰もが“雑談上手”になれる!
 第1章 これだけは押さえておきたい! 雑談の基本&大原則

ここまでで、「雑談」とは何か、何のために行う行為か、
という大前提について語り、どのような「雑談」が正解かを説きます。

くわしい内容については本書をご覧いただくとして、
正解は「相手ファーストの雑談」。

それは、
 《がんばって自分がしゃべるのではなく、
  いかに相手に気持ちよくしゃべってもらうかに集中する――。》p.56
というもの。

第2章以降が、「相手ファーストの雑談」の具体的な方法の解説です。

第2章以降第6章までの35項目で、それぞれ、
雑談のきっかけや話題作りから、その後の雑談のすすめ方、
話題の広げ方、つまったときの切り抜け方、
困った状況でのシーン別対処法などの具体的な説明が続きます。

ここでも詳しい内容は本書をお読みいただくとして、
その中からいくつか気になった項目を見ておきましょう。

 

 ●「天気」の話題はなぜNGなの?

「第2章 01 雑談で「天気」の話をするのはNG」とあります。

私は雑談の第一歩は「天気」の話題だろうと考えています。

雑談の話題としては、
(1)誰もが知っていること・感じていること・興味があること
(2)相手がよく知っていること・感じていること・興味があること
(3)話者本人がよく知っていること・感じていること・興味があること
(4)本人と相手だけが知っていること・感じていること・興味があること
といったことでしょう。

「天気」の話題は最もポピュラーなもので、
いつでもどこでも可能なもので、一番手っ取り早いものです。
これを利用しない方法はありません。

これは、軽い立ち話で終わる日常的な挨拶の次の雑談の話題として、
最適かつ有効な話題です。

ところが、この本書に於いては、
必ずしもそういう「軽い雑談」について論じているわけではないので、
ここでは「NG」だというわけでしょう。

「天気」の話題が有効なのは「異常気象」の時だ(p.72)というのです。
そういうときこそ、誰もが話したくなるものですからね。

 

 ●「平常心」が良いパフォーマンスを生む

次に大いに気になった項目は、同じ第2章の
「09 まわりを観察するために必要なのは“平常心”」です。

渡瀬流の雑談のポイントは、この「平常心」をいかに保つか、です。

雑談のきっかけとなる話題を見つける上で大切なことで、
それは、広い視野でまわりを見られるかどうか、
そうして、いかに相手にふさわしい内容の話題を見つけられるかどうか、
という面で。
さらに、実際に雑談に入ってからのパフォーマンスにおいても重要です。
雑談が緊張したものでは、何のための雑談か分からず、
そのあとに続く本題の商談への逆効果となり、本末転倒です。

 《「自分が平常心でいられるときに、
  最も高いパフォーマンスを発揮できる」》p.98

からです。

昔読んだ松井秀喜さんの本
(『不動心』新潮新書 2007/2/16)
(Amazonで見る)

の中で、「平常心」について書いておられたと記憶しています。

メジャリーガーとしてワールド・シリーズでMVPとなった、
あの松井秀喜さんの言葉です。

自分がチャンスに強いのではなく、相手の方が負けているだけ。
相手がピンチだと思って、勝手に追い込まれていて、
平常心を保てずにふだんの実力を発揮できないでいる。
一方、自分は平常心で、普段通りの実力を発揮できている、
その差が出るのだろう、と言った内容の言葉でした。

どんなときも動じない、平常心でいられる『不動心』が大事なのだ、
といったお話でした。

 

このお話を渡瀬さんにしますと、
イチローさんも同じような話をしているとのこと。

名選手、天才、偉大な才人等々と呼ばれる人たちはみな、
チャンスに実力を発揮できるように、
どんなときも平常心を心掛けて実践している、ということなのでしょう。

 

 ●「営業に雑談は不要」と考える人もいる

実は、私は「営業に雑談は不要」と考える人間です。
よく「会話が途切れない雑談のコツ」等の文字が並ぶ
『雑談術』の本があります。

あれっ、この本の副題? にも
「どんな場面でも会話が途切れない」とありましたね。

私は「会話が途切れて何が悪い」とも考えています。

が、それはさておき、まずは「雑談不要論」について――。

私は昔、下請けの町工場で「工場長兼雑用係」のような立場でした。
仕事の最中に飛び込みで営業に来る人がいますと、
甚だうっとしいものでした。
こちらは一個組み立てて工賃がいくらといった仕事をしています。
時間=工賃、すなわち「時は金なり」の仕事です。

時間泥棒はお金泥棒です。
営業なら、雑談する閑があるのならさっさと商談を始めなさい、
というわけです。

もちろん、すべての雑談を排除する気はありません。

ルートセールスのような、すでに取引関係がある場合なら、
新商品の紹介とか、偶然近くに来たので挨拶に、とか、
関係を維持するための潤滑剤としての訪問ならば、
相手のようすを伺ったうえで、余裕がありそうなら、
ちょっとした雑談をはさむというのは、有効です。

あくまでも人間関係の潤滑剤が雑談です。

で、大いに感心したのが、
「第3章 06 こんな人には雑談は禁物」p.118 という項目です。

雑談をしていけない場面を説明しています。
忙しい人には雑談をしない、というわけです。

ほかの著者が書いた雑談術の本を読んだことはないのですが、
当たり前と言えば当たり前のことですが、
こういう雑談は禁物発言は、意外と書かれていないような気がします。

 

 ●しゃべりが止まらない人

次にその逆? で、
しゃべりすぎる人を相手にしたときの対処法が次の項目です。

「第3章 07 しゃべりが止まらない人への対処法」p.120
詳しくは本書をご覧ください。

一言言えば、私はこんな言葉を知っています。

 《誰かと会話をはじめる時は、
  まずその相手がこっちの話を聞く性質の人か、
  それともこっちがそのお喋りを聞くほかない人か、
  見きわめることが大切だ。 ――リチャード・スチール――》
    加島祥造『会話を楽しむ』岩波新書 2004/10/20
(Amazonで見る)

(加島さんは、英米文学者で、
 晩年は信州に住み「伊那の老子」と呼ばれた詩人でした。
 現代語の自由詩訳の『老子』で有名です。)

この『会話を楽しむ』では、
会話というものは、二つの基本認識が必要だ、と言います。
対等観と心を開くこと。

この対等観とは、福沢諭吉の有名な『学問のすすめ』の冒頭の、
「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」という時の
「人間としての平等」としての対等な関係という意味です。

目上とか年上とか上役であるとかの形式とは別の意味でのこと。

たかが雑談といえども、本格的な会話と同じことだと思っています。
一人の人間として対応して相手の考えをつかみ、自分の考えを伝える。
それが大事だといいます。

雑談でも、技術的な雑談ではなく、
心のこもった雑談であって欲しいなあ、と私は思いますね。

 

 ●沈黙を恐れるな

次に沈黙について。

「第5章 01 雑談での沈黙には、この3つで対応しよう」

沈黙には、「いい沈黙」と「悪い沈黙」と、
さらには「必要な沈黙」がある、といいます。

私も、沈黙を恐れるな、と言いたいですね。
特に「考えている間」というものは絶対必要です。
お互いに考えなしにダラダラ話し合っても意味はありません。

さきほども言いましたように、会話とは互いの考えを披露し合うもので、
理解し合う手段です。

当然、相手の言葉に対しても、考える時間も必要になります。
考えている間の沈黙は、必要な沈黙となります。

 

 ●自分で動く

「第6章 05 大勢の飲み会で孤立しそうなとき」の中にあった言葉が、
ガーンときています。

それは、
 《孤立するのがイヤだったら、自分で動くこと。》p.191

ここでは、パーティーなどでの対応を述べています。
しかし、人生に置き換えてもいいかもしれません。

私は<左利きライフ研究家>を自称しています。
もう34年ほどになります。
その間、はじめの頃も今も、ほぼ一人で動いてきました。

残念ながら、思うほどには同志は得られませんでしたが、
それは動き方が足りなかったからか、と思われます。

動いた分だけ、何かを得たことは事実です。
もう一度、動いてみたほうがいいのかなあ、という反省はあります。

 

 ●「自信」があれば何でもできる

最後に、「おわりに」にあった言葉「自信」について。

まあ、何事もそうなのですが、人間にとって一番大事なのはこの「自信」。

どんなときも「平常心」でいられるというのも同じで、
これも「自信」にもつながることです。

自分は今までこれだけのことをしてきたのだから――といった意識が、
そのまま自信につながっていて、それがそのまま自分の力になっている。

自信があるので、常に平常心でいられ、何事にも積極的に挑んでいける。

 

雑談に於いても、
本人の精神状態というものが如実に現れてしまうものなのですね。

「平常心」とか「自信」とかは、いきなり身につくものではありません。
色々と経験を積むことで、自然と生まれてくるものなのでしょうけれど、
意識的に極めることはできると思います。

渡瀬さんは、雑談によって人生にこんな変化が生まれた、
といくつかの嬉しい成果を上げています。

しかし、これを見て打算的に雑談の腕を上げようとするのではなく、
人間としてのグレードを一段階上げるのだという、
真摯な気持ちで取り組んでほしいと思います。

この本を読んで各項目の内、一つでも納得のいくことがあれば、
それを実践してゆく。

その結果、何かしら一つでも身につける事ができれば、
それでいいのではないでしょうか。

雑談に関して、その方法論を書いた本でした。

 ・・・

えっと、私から最後に一言――

私は、日々きちんと状況に応じた「挨拶」ができるならば、
その延長として、「雑談」もクリアできるように思いますけれど、ね。

「挨拶から始めよう!」って。

*参照:「コラム4 “あいさつ言葉”はありがたい」p.124

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本誌では、「私の読書論182-渡瀬謙のビジネス書の新刊『一生使える「雑談」の技術』から 」と題して、今回も全文転載紹介です。

本文でも書いていますが、私は基本的に「雑談」というのが嫌いです。
なんとなく「雑な談話」みたいで。

本当の意味は、雑誌の「雑」で、いろんなジャンルのものといった意味なのでしょう。
でもね。

できるなら、意味のある「会話」、もしくは「対話」にしたいものです。

とはいえ、雑談は「挨拶」同様、「人間関係の潤滑剤」なのでしょう。

有効な雑談術を身につけましょう。
おしまい。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2023.12.31

私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(前編)-楽しい読書357号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

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2023(令和5)年12月31日号(No.357)
「私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(前編)」

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2023年もおしまいです。
今年も一年本当にご愛顧ありがとうございました。

コロナ禍以降、色々とあちこち体調不良が出ていますが、
終わってみると、思いのほか頑張れているので、
来年も精一杯頑張って続けてゆく所存です。
よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年12月31日号(No.357)
「私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(前編)」
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 今年も早一年の最終日となりました。
 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」を。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 まずは、「リアル系」から。

   ・・・

 長くなりすぎましたので、途中で半分に分けることになりました。
 というわけで、今回は「前編」です。

  ・・・

 「リアル系」とは、いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、を言います。

 それに対して、小説や詩等の文芸作品は「フィクション系」。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 でも「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルのようになってしまうので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

 エッセイの中には、フィクションと見まがうような、
 ホラ話的な内容の境界線上の作品もありますけれど。

 まあ、ここでは、論文に準ずるような著作とお考えください。
 言わんとすることは分かりますよね。

 ――と、これは毎度の台詞でした。

 

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 - メルマガの為に読んだ本ばかり? -

  ~ 私の年間ベスト3・2023年〈リアル系〉(前編) ~

  ニーチェ「血でもって書く」→ 私「汗をかく」
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 ●2023年の傾向

ここ数年コロナ禍の影響で読書量が減り、少しずつ回復してきましたが、
2020年同様で、特にリアル系の読書が減ってしまっています。

そこで、例年なら二回に分けて発表してきましたこのリアル系でしたが、
今回は一回で終了です。(予定では……。ウソ書きました。二回になってしまいました!)

15冊程度しか読んでいないうえ、
そのほとんどを私の二つのメルマガ用に読んできたものでした。

例年通り内訳をみておきましょう。

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強本―中国漢詩、読書、左利き関連

◆メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』向け――

・『中国の隠遁思想 陶淵明の心の軌跡』小尾郊一 中公新書902 1988/12/1

198812chuugoku

2023(令和5)年10月31日号(No.353 xNo.352)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(25)陶淵明(2)
「飲酒二十首」から「序」と代表作「其の五」」
2023.10.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(25)陶淵明(2)「飲酒二十首 其の五」-楽しい読書353号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-7e3a1c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/fb0ed419e609fae5ca4d419eb039fc2a

 

・『文学のレッスン』丸谷才一 聞き手・湯川豊 新潮文庫 2013/9/28

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2023(令和5)年3月15日号(No.338)
「私の読書論168-丸谷才一『文学のレッスン』から(1)」
2023.3.15
私の読書論168-丸谷才一『文学のレッスン』から(1)-楽しい読書338号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/03/post-a5ffed.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/aeb4fbdcc4586cd16650027aa268dc7a

2023(令和5)年5月15日号(No.342)
「私の読書論170-丸谷才一『文学のレッスン』から(2)」
2023.5.15
私の読書論170-丸谷才一『文学のレッスン』から(2)-楽しい読書342号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/05/post-484913.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/73a80988fd042284cb712d8a510cdc80

 

・『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』渡瀬謙 日本実業出版社 2023/5/26

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2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」
2023.6.15
私の読書論171-渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から-楽しい読書344号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-929a0f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/59ae185f3daf8eebaec62cad6639e4f4

 

・『静かな営業 「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる30の戦略』渡瀬謙 PHP研究所 2023/7/20

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2023(令和5)年8月15日号(No.348)
「私の読書論173-友人・渡瀬謙の新刊・
 静かな人のための『静かな営業』を読んでみた」
2023.8.15
私の読書論173-友人の新刊・
静かな人のための『静かな営業』を読んでみた-楽しい読書348号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/08/post-a3c1f9.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/18d2f67eff14d96378e59e618cd888a3

 

・『図説 本の歴史(新装版)』樺山紘一/編 河出書房新社 ふくろうの本/世界の文化 2022/4/23

・『世界の美しい本屋さん』清水玲奈 エクスナレッジ 2015/4/18

・『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29

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2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ―
『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55

2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607

2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1

 

◆メルマガ『週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書』コラボ企画――

・『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ 新潮文庫 2021/6/24

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2023(令和5)年7月15日号(No.346)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
 新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(1)新潮文庫
 左利きライフ研究家が読む――ブレイディみかこ
 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』」
2023.7.15
[新潮・角川・集英社]<夏の文庫>フェア2022から(1)新潮文庫
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』-楽しい読書346号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/07/post-e456f6.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0b8a7ee570ee5e37305515ff046faddc

 

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第646号(No.646) 2023/7/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
 新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(1)新潮文庫
 左利きライフ研究家が読む――ブレイディみかこ
 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』」
2023.7.15
左利きライフ研究家が読む――ブレイディみかこ『ぼくはイエローで…』
-週刊ヒッキイ第646号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/07/post-e456f6.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bef4ad5a52cfa242388eb430fbc39b3f

 

◆メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』向け――

・『初心者のためのキーボード講座 ゼロから始められるあんしん入門書』自由現代社 2022.8.30 

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第643号(No.643) 2023/6/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い」
2023.6.3
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い
-週刊ヒッキイ第643号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-5691ca.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/12dd668304395546320d2e53f4c38893

 

・『鍵盤ハーモニカの本』南川朱生(ピアノニマス)春秋社 2023/4/19

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第648号(No.648) 2023/9/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(15)
 左利きの知らない 鍵盤ハーモニカの世界」
2023.9.2
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(15)鍵盤ハーモニカの世界(1)
-週刊ヒッキイ第648号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-e4540c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b48069538edf0c84d684ff6fd4aa2b8a

 

・『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著
PHP新書 2023/9/16

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第654号(No.654) 2023/12/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(17)
 大路直哉著『左利きの言い分』の音楽家たちについて」
2023.12.2
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(17)『左利きの言い分』の音楽家
-週刊ヒッキイ第654号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-ae5d74.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/be026931242af6380336a9c53468744f

 

 

 ●(2)その他の古典系のお勉強本

・『ツァラトゥストラはこう言った』フリードリヒ・ニーチェ
森 一郎/訳 講談社学術文庫 2023/6/12

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以前、光文社古典新訳文庫版の丘沢 静也さんの訳本
『ツァラトゥストラ〈上〉〈下〉』の二巻本で読み、大いに読みやすく、
哲学書というよりは文学書という感じで、楽しめた作品でした。
ただ、二巻本というのは、やはり扱いにくく感じます。
通しで読むだけなら問題はないのですが、何か調べたり、
ペラペラ読みするときは、一巻本の方が便利で扱いやすく思います。

で、改めて新訳本が出たので買いました。
通しではまだ読んでいませんが、ペラペラめくりながら、その都度、
気になるところを読んでいます。
一冊手元にあると、何かと楽しめる良い作品です。

私も以前、『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』で
一部を引用しています。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第649号(No.649) 2023/9/16
「創刊18周年記念号――明日のために」
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.16
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii創刊18周年記念号-第649号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-11afb6.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c423b47b3f2aa28f44fd87f1e3193b92
--
 ●最後に――明日のために、今書くこと

 《およそ書かれたもののなかで、私が愛するのは、
  血をもって書かれたものだけだ。血をもって書け。
  そうすれば君は、
  血こそ精神だということが身に沁みて分かるだろう。》
  『ツァラトゥストラはこう言った』フリードリヒ・ニーチェ
    森一郎訳 講談社学術文庫 2023/6/12
   「第一部 ツァラトゥストラは語る」<読むことと書くこと>p.66

「血でもって書く」とまでは行かないかもしれませんが、
「汗で書く」―「汗をかく」ぐらいなら私にもできそうです。

それぐらいの意気込みで無理せず続けていきたいと思っています。
--

(3)小説や左利き本等の著作のためのお勉強本

特になし。

 ・・・

以上、(前編)でした。
(後編)は、来年第一発になります。ご了承ください。 

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本誌では、「私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(前編)」と題して、今回も全文転載紹介です。

長くなりすぎましたので、途中で半分に分けることになりました。
というわけで、今回は「前編」です。

今回は、まだ読んだ本を全部紹介し切れていないのですが、本文でも「メルマガの為に読んだ本ばかり?」と書きましたように、今年の場合は、本自体数を読んでいないため、メルマガを書くために読んだ本が大半になっています。
そのため、改めて<ベスト3>に上げるのはどうかと思い、ちょっと気が引けるという感じで、選びにくい状況でした。

次号の(後編)では、「●(4)個人的な趣味、仏教や空海・弘法大師に関する本」を紹介し、その後、いよいよ
「●私の2023年〈リアル系〉ベスト3候補」、「●私の年間ベスト―2023年〈リアル系〉」を紹介します。

お楽しみに!

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

--
※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2023.08.15

私の読書論173-友人・渡瀬謙の新刊・静かな人のための『静かな営業』を読んでみた-楽しい読書348号

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』【別冊 編集後記】

2023(令和5)年8月15日号(No.348)
「私の読書論173-友人・渡瀬謙の新刊・
 静かな人のための『静かな営業』を読んでみた」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年8月15日号(No.348)
「私の読書論173-友人・渡瀬謙の新刊・
 静かな人のための『静かな営業』を読んでみた」
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 本来ですと、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から」の
 三回目「集英社文庫 ナツイチ2023 この夏、一冊分おおきくなろう。」
 からの一冊を紹介する予定でしたが、
 大阪も連日35度を超え、時に37度、38度といった猛暑の日々、
 予定していた、東野圭吾『白夜行』が読み切れず――
 文庫本860ページ、十年ほど前に一度読んでいるので大丈夫、
 と軽く見ていたのですが、メモ取りしながら読むと……。
 で、時間切れとなり、予定を変更することにしました。

 今月初めに本を贈っていただいていた、
 友人で左利き仲間の渡瀬謙さんの新刊を取り上げます。

 彼の著作を取り上げるのは、6月に一度ありました。

2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」
2023.6.15
私の読書論171-渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から-楽しい読書344号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-929a0f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/59ae185f3daf8eebaec62cad6639e4f4

*渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
日本実業出版社 2023/5/26

 

 今回は正味営業の本をその面から読みますが、
 そこは私流の読書論ですので、
 前回同様、単なる営業本の紹介とは限りません。

 では――。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 「静かな人」の生き方とは、自己アピールとは -

  ~ 営業のノウハウを処世術として人生に活かす(2) ~

  渡瀬謙『静かな営業
  「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる30の戦略』
(PHP研究所 2023/7/20)から

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●本書『静かな営業』について

渡瀬謙『静かな営業 「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる
 30の戦略』PHP研究所 2023/7/20

 

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(画像:献本いただいた書状と共に)

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(画像:帯を外した本書『静かな営業』)

出版社の紹介文――

《「内向的な人」「無口な人」「控えめな人」でも売れる
 ではなく
 「内向的な人」「無口な人」「控えめな人」
 だからこそ、売れる!
 悩める2000人以上の営業パーソンを救ってきた、
 常識を覆すメソッドを紹介!》

<目次>
第1章 時代は「静かな売り手」を求めている
第2章 「相手がイヤがること」など、何もしなくていい
第3章 「自分の弱点」を活かす工夫をすればいい
第4章 「繊細な人」が最小のコミュニケーションで
     最大の効果を出す方法
第5章 生真面目すぎるあなただから、信頼される
第6章 「静かに売る」ことだけを考えれば、売れる
(コラム)

 

 ●タイトル『静かな営業』に納得!

まず初めに、この本のことを知ったのは、渡瀬さんのメルマガでした。

まず『静かな営業』というタイトルに納得しました。

なるほどなあ、という感じでした。

以前から渡瀬さんは、従来の「元気な」「明るい」
「ハイテンション」な営業に疑問を抱いておられました。

そういう方法は、高度経済成長時代の営業手法で、
現代では嫌われる最たるものだ、と。

では現代において実績を上げているのは、どういうものかといいますと、
意外なことに、
内向型で無口で口下手で、気の弱い押しの弱い営業パーソンが
売上を出すのだ、と。

それは、内向型の人の控えめな売り方が好意を持たれるからだ。
なぜそれが有効かというと、
相手のことを思い、相手にフォーカスした相手本位の対応だから。

要は、売ることよりも、相手の信頼を得ることを重視した、
対等のWINWINの関係を築こうとする姿勢が好感されるからだ、と。

で、こういう押しつけにならない、うるさすぎない営業を、
そのものズバリと「静かな営業」と呼んだわけです。

従来は、(この本の前著ともいうべきPHP研究所の著作では)
『しゃべらない営業』とされていました。

営業の方法の基本は全く変わりません。
一部、時代に合わせて変更されている程度(例:ファックス→メール)。
呼び名が変わっただけ。
よりスマートな名前になっただけですね。

内向的な「静かな人」による、落ち着いた「静かな営業」。

とても気に入りました。

この本は、そういう「静かな人」たちのための、
営業のマインド的なものを教える本です。

 

 ●タイトルを付ける難しさ

渡瀬さんの個人メルマガ

2023/07/27「サイレントセールスのススメ」
[959号]新刊『静かな営業』の裏解説

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渡瀬 謙の独自配信メルマガ
◆無料メルマガ「サイレントセールスのすすめ」
 https://i-magazine.jp/bm/p/f/tf.php?id=watasemail
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に掲載されていた、この「裏解説」にあったのですが――

「内向型」という言葉を使ったタイトルゆえに、
手に取りにくいと感じる読者がいた、というお話です。

ご自分の本は、ネットでよく売れている、といい、
その理由の一つが、この「内向型」という言葉にあるのではないか、
という疑問。

 

これは理解できます。

私自身は左利きで、「左利き用」と銘打たれた商品を手に取るとき、
ちょっと躊躇します。

レジに持っていくときに、何かしら恥ずかしさがあります。
昔は左利きといえば、○○のように考えられていたものでした。
そこで、自ら左利きとカミングアウトするのははばかられるものでした。

商品を手に取り、レジに運ぶというのは、
その言葉(およびそれ自体)にコンプレックスのある人には、
ちょっとキツいものがあります。

私は今でも正直考えてしまって、
手を出さないまま終わるケースがあります。

左利きの本をネットで購入したりするのは、
単に近くの本屋さんに置いていないから、だけではありません。

 

私の「左利き」コンプレックス同様に、
「内向型」等の言葉も、どちらかといえばマイナスイメージの言葉で、
それがネックになり、読んでみたいのに手に取れない、
というもどかしさを感じる人がいてもおかしくはありません。

そういう意味で、「静かな人」向けの「静かな営業」という発想は、
マイナスのイメージが払拭されていて、
正当に評価できる機会を与えるものとなっているでしょう。

 

 ●自己アピールとしての営業行動

この本は営業の本ですけれど、
営業といっても、「相手との信頼関係を築け」という内容で、
そのための自己アピールの方法を解説している本でもあります。

 

営業という行為は、商品を売るときに行うものだけではない、でしょう。
自分をアピールするというのも、営業の一つと考えられます。

生きてゆく上で、自分を知ってもらうということは重要です。

リタイア組であっても、新たな人間関係を築く必要が出てきます。

逆に言えば、リタイア組こそ、
自分を「売ってゆく」必要があるかもしれません。

リタイア組となりますと、
どうしても友人知人との交際範囲がどんどん縮小してゆきます。
自然と縁が切れる人、亡くなる人もでてきます。

そんななか、一人寂しく孤立してしまうこともあるかもしれません。

一方で、スマホにしろ、マイナンバーカードもそうですが、
次々とIT関係など、色々わかりにくいことがでてきます。

ちょっと人に聞けばわかることでも、
聞く相手がいないというケースも出てきます。

自分の便利のために他人を利用するというのではないのですが、
何事であれ、ちょっと話を聞いてもらえる人がいるのは、
助かるものです。

若い人と話せば、若いエキスを吸収できるものです。
肉体は若返らないけれど、心は若返ります。
元気がもらえます。

賢いお年寄りと近づきになれば、いろんな経験を教えてもらえます。

年をとるということは、
日々未知の領域に足を踏み込むことでもあります。
先を行く経験者の知恵は役に立ちます。 

老後も長くなってきた昨今ですので、積極的といわなくても、
少しは自分をアピールして、交友範囲を拡大するように心掛ける方が、
楽しい時間を過ごせます。

 

 ●自己紹介は特徴をより具体的に

人間関係というものは、実は単純なもので、
ほんのちょっとした挨拶や声かけから始まるものです。

そういう自己アピールの仕方なども、この本には書いてあります。

コラムにある自己紹介の仕方がそうです。
「相手から声をかけてもらえる「自己紹介」のコツ」p.70

ここに書かれている営業の場面に限らず、
人生では自己紹介の場面というものがあるものです。

そんなときに知っていて役立つ知恵かもしれません。

それは、より具体的に自己の特徴をアピールするということ。

『孫子』の兵法に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
といいますように、相手はもちろんですが、己についてよく知ることが、
そして、それを正しくアピールできれば、友達も自ずと増えてきます。

 

私は「左利きライフ研究家」を自称していますが、
これも渡瀬さんの本にあった知恵を拝借して考案したものです。

渡瀬さんは「サイレントセールストレーナー」と名のっておられます。
これは、そのまま「静かな営業トレーナー」ということになります。

「名は体を表す」などというように、
単なる「営業コンサル」というのではなく、
「無口で口下手、話し下手の営業さん向けのコンサルですよ」
というアピールですね。

もしあなたが内向型のそういう「静かな人」なら、
単なる「営業コンサル」よりも、どうせなら、
こういう「静かな人」向け専門の営業コンサルに教えを乞うほうが
有効ではないか、という気になるのではないでしょうか。

 

 ●営業ノウハウを生き方に活かす

本書で紹介された営業ノウハウを実際に、
リタイア組も含めた私たちの生き方に活かすことができます。

例えば、《自分のエリアで勝負する》というもの。

サッカーの試合でも、アウェーで戦うよりホームで戦う方が有利、
といわれます。

自分にとって居心地の悪い場所では、精神的に落ち着かず、
実力が発揮できないものです。

常に自分の得意エリアで戦うように心掛ければ、
まさに百戦危うからずですよね。

 

生きていますと、何かしら、壁にぶつかるときがあります。
その時に、壁を乗り越えようとせず、避けて通る、という方法もある、
と渡瀬さんは説きます。

壁は乗り越えなくちゃ、
というふうに思い込んでいる人も少なくないでしょう。

でも、嫌なことから逃げるという手もあるのだ、とよく言われますよね。
そういうものです。

 

 ●個性を武器にする――自然体で生きる

もう一つは、自然体の自分のままで接する、ということ。
弱点を含めて素のままの自分で、
自分を飾らないで人と接するということ。

誰もが何かしら苦手をすることやコンプレックスを抱いているもの。

そういうコンプレックスや苦手なものも、
実は他人と比較したときに感じるもので、
比較しなければ、自分の持つ一つの特徴にすぎない――
優劣ではなく違いだ、言い換えれば個性だ、と渡瀬さんはいいます。

その個性はかならず武器になる、とも。
無口なのに営業をやってるなど、ギャップが生まれるからだ、と。
そのギャップが他人様にアピールできる要素となる。

 

このように、自分の性格を個性としてそのまま出す生き方――
その方が楽ですよね。
毎日演技して生きているのは大変です。

役者が天職といえる人がいたとしても、
そんな人でもホントのところはどうなんでしょうか。
無理せず生きていく方がいいですよね、絶対。

 

 ●最後に一言だけ

こういう風に見てきますと、やっぱり、一つの生き方論的、
処世術的な要素が感じられる営業の本といえるのではないでしょうか。

もしあなたが「静かな人」なら、
一度手に取っても損はないと思います。

 ・・・

書かない方が、渡瀬さんは喜ぶかもしれませんが
(けなされるのは嫌だ、という人なので。私もそうですよ!)、
やっぱり気がついてしまった限りは書いておく方が、
結果的に良心的ではないか、と思いました。

渡瀬さんも本の中で、どんな商品にも「悪い点」はある、といい、
《マイナス情報こそ先に伝えてしまいましょう》p.162 
と書いておられます。

 

先のメルマガの「裏解説」に書かれていたことですが、
タイトルを付けるときに影響を受けた本として、

『「静かな人」の戦略書
 ──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』
 ジル・チャン/著 神崎 朗子/訳 ダイヤモンド社 2022/6/29

というベストセラーを挙げておられます。

私も内向型の「静かな人」の部類なので気になり、本屋さんで見ました。

すると、装丁も黒に四角い白地の枠で書名が入っている感じで、
一見、『静かな営業』と似通って見えます。

「静かな人」という言葉は、
この本『「静かな人」の戦術書』のオリジナルではありません。

調べた範囲では、例えば『静かな人ほど成功する』
(ウェイン・W・ダイアー/著 幸福の科学出版 2007/2/26)
がありました。

しかも、「静かな営業」という言葉は、
そこからさらに一歩進んでいます。
この書名は、オリジナルといっていいでしょう。

そういう意味では、最初に知らずにタイトルや装丁を褒めたわけですが、
この装丁の相似はちょっと残念な気がしました。

 ・・・

さて、台風も近づいています。
時間に追われてかなりドタバタとした紹介になってしまいました。

かなりメモ取りもしていたのですが、活かせないままです。

一応、テーマやその展開など意識して書いているつもりなのですが、
思うようにはできていません。
ご勘弁ください。

 

最後の最後に、著者の裏解説から一言――

 《長い人生を考えたときに、
  何を優先して頑張るべきかを考えるきっかけにしてほしいのだ。》

――そういう本です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論173-友人・渡瀬謙の新刊・静かな人のための『静かな営業』を読んでみた」と題して、今回も全文転載紹介です。

時間に追われつつ書いたものですが、少しは何かの足しになっていれば、幸いです。

 ・・・

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2023.06.15

私の読書論171-渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から-楽しい読書344号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回は初の試みで、従来とはちょっとタイプの異なる本から、
 思うところを紹介してみましょう。

 今回取り上げますのは、
 私の左利き仲間で友人で、ビジネス書の書き手で、
 特に内向型の性格で売れずに悩む営業マンの育成を専門とする
 「サイレントセールストレーナー」である、渡瀬謙氏の新刊書です。


渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
日本実業出版社 2023/5/26

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 私自身すでにリタイア組ですので、この本の中から、
 営業といったビジネス関係について云々するのではなく、
 最終章の「持続して成長する「モチベーション」の習慣」
 で取り上げられている、人生一般に関わる内容について考えてみたい
 と思います。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 習慣は第二の天性 -

  ~ 営業のノウハウを処世術として人生に活かす ~

  渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
(日本実業出版社)から

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』全体の概要

『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』の目次です。

第1章 大きな成果を生む小さな「行動」の習慣
第2章 迷いを解消する「判断」の習慣
第3章 無意識に言っている「口グセ」の習慣
第4章 売れる営業の「思考」の習慣
第5章 オンライン時代に有効な「コミュニケーション」の習慣
第6章 持続して成長する「モチベーション」の習慣

 ・・・

2017.6.29 発売の
『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』

の姉妹編といいますか、続編といいますか。

参考に、そちらの目次は↓

--
はじめに 売れる営業と売れない営業を分けるのは「言葉」だった!
第1章 意外に重要な挨拶の言葉
第2章 相手とのトークがはずむ言葉
第3章 ニーズを探る絶妙なヒアリング
第4章 相手が身を乗り出して聞く説明
第5章 押さないクロージング
第6章 売れる営業マンが重視している言葉
おわりに 営業力は一生ものの財産
--

 ・・・

さて、ビジネス書としての本書は、
目次の見出しでだいたいの方向は、ご理解できるとかと思います。

著者自身の紹介文は――

《営業がついやってしまいがちなことなど、
 無意識の行動習慣にフォーカスしました。
 営業に慣れてきた人ほど読んで欲しい内容です。

 これらはすべてNG行動です↓
 ・断られたら残念そうな顔をする
 ・安易な約束をしてしまう
 ・すぐに値引きで対応する
 ・売れたらそれでOKとする

 自分の行動習慣を振り返ってみることで、
 営業の精度があがれば幸いです。》

 

出版社の紹介文は――

--
■売れている人の"売れる理由"は「行動習慣」にあり

「売上がなかなか伸びない」
「担当先から、いまいち信頼を得られない」
「いつも新規開拓に追い回されている」

売上が伸びず、営業マンとしての成長も芳しくない人の原因は
じつは、普段、何気なくやっている「習慣」にあります。

売れている人は「これをやっていたら売れない」ことを絶対にしません。
売れるコツやトークをどんなに駆使しても、やってはいけない行動ひとつで
努力が無駄になってしまうことが多いのです。

そこで本書では、「営業の現場でついやってしまいがちだけれど、
売れている人は絶対にやらない行動」を×○の具体例を挙げて
ていねいに解説します。

×「少しの遅刻なら許されると思っている」
 〇「絶対に遅刻しない行動をとる」
×「売れたらそれでOKとしてしまう」
 〇「売れたときこそ振り返る」
×「とりあえず答えることを優先する」
 〇「知らないことは『知らない』と言う」
×「売れないと達成感を得られない」
 〇「売上以外の達成ポイントがある」

・これから営業になる人
・営業歴1~3年目の人
・若手を指導するリーダー

に役立つ、トップセールスに変わる行動習慣が満載です!
--

以上、営業関係の内容紹介はここまで。
営業関係の人は一度は読んでみてもいい本でしょう。

 

 ●第6章 持続して成長する「モチベーション」の習慣

ここでは、最終第6章の
「持続して成長する「モチベーション」の習慣」から
営業以外の面――人生の一般、処世術的な面から見て、
気になる部分を取り上げていこう、と思います。

7つの項目が挙げられています。

42.「売ること」だけを目標としない
43.「やらなきゃいけない」と思わない
44.まわりと自分を比較しない
45.一人で解決しようとしない
46.ストレスの芽を成長させない
47.無理にやる気を起こそうとしない
48.目先の売上にこだわらない

(番号は、第一章からの通し番号)

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以下各項目について見てゆきます。

 ・・・

■42.「売ること」だけを目標としない

《日々前進している実感を持つことが大切》といい、
売ること以外の目標を持て、といいます。

1.「自分の成長」――能力や経験値を高める
2.「お客さまから信頼されること」――まずは信頼を得る努力を

お客様に限らず、人から信頼される行動をとるようにすること。

 

■43.「やらなきゃいけない」と思わない

人からやらされることは、単なる作業的になりがちなので、
やらされるのではなく、自分から自主的に行動するということ。

《仕事は自分の成長だと思っている》と。

 

■44.まわりと自分を比較しない

まわりの人と比較すると、どうしてもマイナス面に目が行くので、
自分のよいところが見えなくなる。
だから《比較すべきは過去の自分》と。

過去の自分との比較で言いますと、

《昨日はできなかったことが、今日はできている!》

という例があります。

「老化」というのはこの逆で、昨日できたことが今日はできない、
といった現象が起きることです。

しかし、そういうマイナスばかりではありません。

例えば私の場合、ミニキーボードをちょっと練習していますと、
昔は指使いの方法など知らず、一本指でしかできなかったのですが、
一応、たどたどしくても
片手でドレミファソラシドが弾けるようになりました。

昨日まではできなかったことができるようになった、わけです。
年を取ってもそういう風に進歩・成長することもあります。

 

■45.一人で解決しようとしない

《すべてを一人でやろうとすると、
 自分を追い込んでしまうことにもなりかねません。》

そこで、
《「一人で解決する」という習慣を見直す》ことが大事だといいます。

ただ、自分の責任逃れというのではなく、
《「相手を成長させる」という思考》にたって考えれば、
自信を持って仕事を依頼できる。
WIN×WINの関係になれる、と。

 

芸能人の自殺(自死)事件が起きますと、
その影響を受けて一般の人の自殺が増える、といわれます。

そんなとき、悩みを一人で抱え込まないように、とアドバイスされます。

人生においては、何でも一人で抱え込まない、ということが大事です。
昔から「案ずるより産むが易し」ということわざがあります。

自分では大変なことに思えても、
人から見れば実はたいしたことではない、というケースもあるものです。

時には人に頼る、という姿勢も必要です。

 

■46.ストレスの芽を成長させない

《気づかないうちにストレスは蓄積している》といいます。
人が生きていく内では何事においてもそういうものです。

そこで、《自分なりのストレス解消法を習慣化する》。

《あなたが我慢強いタイプなら、
 定期的にストレスを解消する行動を習慣化した方がいいでしょう》と。

これは正論でしょう。
私も我慢強い方ですので、逆に大爆発するときがあります。
まあ、何年かに一度あるかないかですけれど、ね。

私はかつて糖尿病でした。
あれはストレスが原因で発症する、きっかけになるそうです。

定期的にガス抜きといいますか、
自覚症状が出る前に解消する工夫が必要でしょう。

 

■47.無理にやる気を起こそうとしない

《強制されたやる気は続かない》といいます。

《営業は、売れるルートを見つけるゲーム》だといい、
仕事をゲームのように楽しむことで、モチべーションも上がるし、
自然とやる気も湧いてくる、と。

どんな仕事であれ、作業であれ、なんであれ、同じことです。
自分から自然と楽しむ気持ちになれたら、
どんなことであっても気楽に、かつ前向きに取り組めるものです。

そうすると、不思議なもので、結果も付いてくるものなんですね。

 

■48.目先の売上にこだわらない

《売上目標の先に焦点を当てる》といい、
《売上以外の目的を持っている》といい、
《「営業力」という一生ものの財産を身につけよう》といいます。

何事もそうなんですが、目先の何かにこだわるより、
もっと長い目で将来を見据えて、今何をすべきかと、
今この瞬間を大切に生きるということが大事だ、と先人はいいます。

まさにその通りで、自分の力をつけるべく、日常を大切にする、
若い頃の仕事というものは、挑戦です。

私も本屋で働いていた時、そうでした。
自分の担当を得たら、やれる範囲でではありますが、
徹底的にチャレンジしてみる、
将来自分で店を持てるかどうかはわかりませんが、
現場の仕事はやれることを色々とやってみました。
店を持つことはできませんでしたが、
結果として店の売り上げを毎年上げ続けていました。

人生というものはそういうものだと思います。
目先にこだわらず、とにかくあれこれチャレンジしてみる、
ということが大事です。

 

 ●本書と習慣について

本書を読む意味はどこにあるか――
現役のセールスパーソンは営業のあれこれを知ることも大事ですが、
本当は、よりよい生き方を知ることが大事なのです

人生の先輩の言葉から、何を知るか、といいますと、
結局は、そういうことなのです。

こんなことをいいますと、傲慢とかいわれそうですが、
学ぶ人は何からでも学ぶものなのです。

 ・・・

「習慣は第二の天性」といわれます。
日々繰り返し身につけた習慣は、
生まれつきの性質と変わらないようになる、というわけです。

一度よい習慣を身につけますと、一生の宝物になります。

逆に悪い習慣を身につけてしまうと、
どんどん人生がまずいものになってしまいます。

糖尿病など、生活習慣病といわれるものがその代表です。

よい習慣はよい人生を作ります。
よい習慣を身につけられるように、
気を付けて毎日を過ごしてゆきましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」と題して、今回は全文転載紹介です。

「習慣は第二の天性」ということわざがあります。
その通りで、身につけた習慣は、生まれつきの性質の如く、一生の宝物となります。
よい習慣を身につければ、大いにプラスになります。
そういうよい習慣とはどういうものか、そのいったんをこの本の営業のノウハウから、処世術として学ぶことができます。
それを人生に活かすことで、よい人生を歩むことができるのではないでしょうか。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

 

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2021.10.16

私が影響を受けた左利き研究家・活動家(5)第三期・ネットの時代―その2(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第605号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第605号 別冊編集後記

第605号(No.605) 2021/10/16
「創刊600号突破記念― 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(5)
 第三期・ネットの時代―その2―浦上裕生・渡瀬謙両氏」

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

引き続き、再配信はしばらくお休みとします。

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第605号(No.605) 2021/10/16
「創刊600号突破記念― 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(5)
 第三期・ネットの時代―その2―浦上裕生・渡瀬謙両氏」
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 創刊600号突破記念― 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(5)
 第三期・ネットの時代―その2―浦上裕生・渡瀬謙両氏
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 「創刊600号突破記念」として書き始めた
 「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」の3回目です。

 1954-1989(0-35)
  第一期「左利きライフ研究家以前」では、箱崎総一先生。
 1990-2000(36-46)
  第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」では、○○さんか?
 2001-(47-)
  第三期「左利きライフ研究家・ネットの時代」では、××さんら?
 (2001-08頃)
  第三期「左利きライフ研究家・ネットの時代―初期」

 さて今回は、「第三期・ネットの時代」編の2回目―
 「中期」(2009-頃)です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<私が影響を受けた左利き研究家・活動家> (5)
第三期・ネットの時代から―その2―
 ◆ 浦上裕生・渡瀬謙両氏 ◆
  第三期・ネットの時代―中期(2005-09年頃)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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(画像:『左利きの人々―悲しくも笑える―』渡瀬けん 中経文庫/『モノ・マガジン』2009年2月2日号「特集・左利きグッズ大図鑑」ワールドフォトプレス/『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍)

 ●第三期・ネットの時代――中期(2005-09年頃)から

「第三期・ネットの時代」に「中期」に入ります。

前回の「初期」は、2001年から08年ぐらいまで」としました。
今回の「中期」は、本来ならそれ以後の期間というべきですが、
一応話の流れで2005年ぐらいから09年頃までとしておきます。

 

このころは、前回も少し触れました神奈川県組のお二人――
一人目は、「左利きグッズの店」として有名な「菊屋浦上商事」の
「浦上裕生」さん、
二人目は、神奈川県の山の中?に移住した、ビジネス書のライターで、
営業コンサルタントで、
左利きのためのメールマガジン「Lefty serveレフティサーブ」の
「渡瀬謙」さん、
このお二人が中心に活動されていた時期にあたる、
といえるかと思います。

 

正確にいいますと、その前の時期
2005、6年頃から始まっていたのかもしれませんが、
「ミクシィmixi」や「グリーGREE」といったSNSが始まっていました。
私も裕生さんに誘われて参加したものでした。

そこでは色々なコミュニティがあり、
そのなかに「左利き」のコミュニティも色々とありました。

「左利きだけど、鉛筆やお箸は右使い」といった
左右両使いの人たちのコミュニティでは、
私のホームページの<左利きプチアンケート>の
「利き手テスト」のページの閲覧が多数あり、
アンケート結果にも大きな変動が出たものでした。

*参照:
<左利きプチ・アンケート>
第24回 利き手調査第4回chapman利き手テスト
*『お茶でっせ』
2005.11.22 GREEとmixiを始める
(お茶でっせ版) (新生活版)

2006.1.24 GREEやmixi―あるいは左利きのコミュニティのこと
(お茶でっせ版) (新生活版)

2006.3.22 mixi「左利きの子の子育て」コミュニティに書いたこと
(お茶でっせ版) (新生活版)

 

 ●『左利きの人々』をきっかけに渡瀨さんと裕生さんの活躍

2008(平成20)年の末に、先に紹介しました「渡瀬謙」さんが、
「渡瀬けん」名義で、一項目一ページで綴る、
「Lefty serveレフティサーブ」のバックナンバーから選んだ、
右利き社会のなかで生きる左利きの人々の不便の数々を語る
短文エッセイ集を出版されました。

*『左利きの人々―悲しくも笑える―』渡瀬けん 中経文庫 2009/1/1

Kindle版

 

(画像:『左利きの人々―悲しくも笑える―』渡瀬けん 中経文庫 書影)

*『お茶でっせ』2008.12.29
左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著
(お茶でっせ版) (新生活版)

 

この本の出版を機に、翌年、
渡瀨さんと裕生さんらが組んで(「神奈川組」?)
左利きのイベントなどの活動を催行されます。

その一つが、2009年1月16日発売の『モノ・マガジン』での、
18年ぶりの左利き特集の企画がありました。

*『モノ・マガジン』2009年2月2日号「特集・左利きグッズ大図鑑」
(ワールドフォトプレス)

Monomagazine090202no598

(画像:18年ぶりの左利き特集号――『モノ・マガジン』2009年2月2日号「特集・左利きグッズ大図鑑」(ワールドフォトプレス)特集ページの扉)

文具を中心に左手・左利き用品が色々紹介され、
『左利きの人々』の著者・渡瀬けん氏の記事、
「左利きの世界が広がっている」というコーナーで、
私のブログ『レフティやすおのお茶でっせ』が紹介されました。

Monohidariochadesse

(画像:18年ぶりの左利き特集号――『モノ・マガジン』2009年2月2日号の「左利きの世界が広がっている」というコーナーで紹介された、私のブログ『レフティやすおのお茶でっせ』)

※『お茶でっせ』09.1.15
速報!『モノ・マガジン』2009年2月2日号左利きグッズ大図鑑
(お茶でっせ版) (新生活版)

 

もう一つは、
2月10日「左利きグッズの日」の制定記念として開催されました、
2月8日、東京・秋葉原で行われたイベント。

(「左利きグッズの日」=2月10日、旧・日本版「左利きの日
 -レ(0)・フ(2)・ト(10)の日)」を改称)

記念日申請者である左利きグッズ常設展示販売店
「菊屋浦上商事」さんの手で開催され、『左利きの人々』渡瀬けん氏、
左利きのニフティ「デイリーポータルZ」ライターの乙幡啓子氏らが参加。

*『お茶でっせ』
2009.2.2
速報! 2月8日秋葉原で左利きグッズの日記念イベント開催
(お茶でっせ版) (新生活版)

2009.2.7
左利き用グッズ体感イベント 東京・秋葉原で
(お茶でっせ版) (新生活版)

2009.2.10
今日2月10日は“左利きグッズの日”
(お茶でっせ版) (新生活版)

 

 ●私の場合

3月6日、日経BPnet SAFETY JAPANの元小学校教師の教育評論家・
親野智可等氏のコラム『父親のための親力養成塾』の
「第45回 左利きを直す必要はない」で、
左利きの子の右手使いへの指導(「矯正」)反対論の終わりに、
参考として、「菊屋浦上商事」とともに、
私のブログ『お茶でっせ』がリンクされました。

*『お茶でっせ』2009.3.9
左利きを直す必要はない-親野智可等『父親のための親力養成塾』第45回
(お茶でっせ版) (新生活版)

 

4月28日、左利きの子供のための教育・保育のガイドブック、助言本
『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』
ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 

が発売されました。

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(画像:『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009/4/28 書影)

イギリスの世界的に有名な左利き用品専門店ANYTHING LEFT-HANDEDの
自身左利きで左利きの子を持つ母でもあるオーナーの経験に基づく、
左利きの子供のための教育保育ガイド。
左利き用品の紹介、学校への要望など、
いかにしてまわりのものが左利きの子供たちに
配慮し支援して、右利き仕様偏重の社会に順応させていくか、
その方法を様々な場面に応じて解説しています。
左利きの子を持つ親だけでなく、教育・保育関係者も役に立つ内容で、
もちろん広く一般の人にも読んでいただきたい一冊でした。
巻末の資料編の作成には私も協力させていただきました。

(資料編には、弊誌「週刊ヒッキイ」および
 『レフティやすおの左組通信』の「左手で字を書くために-私論4-」
 がリストアップされています。)

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(画像:『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009/4/28 巻末資料からレフティやすお関連)

*『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第175号(No.175) 2009/4/11
「親御さんへ速報!『左利きの子』教育・保育ガイド本」
*『レフティやすおのお茶でっせ』
2009.4.23
『左利きの子』(のための)教育・保育ガイド本
(お茶でっせ版) (新生活版)

2009.5.1
『左利きの子』教育保育ガイド本発売される
(お茶でっせ版) (新生活版)

 

 ●左利きのミニ・ブーム?

この時期は、左利きの本も色々と出版されるなど、
ちょっとした左利きのブームといった観がありました。

有名な話題としては、4月からTBS系テレビで放映された
4人の女子高生が軽音楽部で活躍するという、
アニメ『けいおん』のメンバーの一人が左で弾くベースが、
人気となり、品切れになったというものがありました。

*『レフティやすおのお茶でっせ』2009.5.21
アニメ「けいおん」による左利き用ベース人気から思ったこと
(お茶でっせ版) (新生活版)

*原作:かきふらい(芳文社「まんがタイムきらら」連載)全4巻
・『けいおん! (1)』まんがタイムKRコミックス 芳文社 (2008/4/26)

・『けいおん! (2)』同 (2009/2/26)

Kon2-mio (画像:『けいおん! (2)』左利きでベースを弾く澪 書影)

・左利き用ベースFender フェンダー「JB62 LH 3TS」

 

★(2006年前後に刊行された左利きの本)★

――この時期は、左利きの人自身が書いたエッセイ集や、
  左利きに関する科学的アプローチの本だけでなく、
  世にある「左と右」のあれこれを考える
  「左右学」系の本も出版されていました。

2005/8/1『手の五〇〇万年史 手と脳と言語はいかに結びついたか』
フランク・ウィルソン/著 藤野邦夫・古賀祥子/訳 新評論
―第8章「右手には左手がしたばかりのことがわかる」に左利きの老人の
 エピソードとして、左利きを右使いに変えさせられたり戻したりした
 結果、学業成績が上下した少年の例が示されている

2005/12/1『左ききのたみやさん。 哀愁ただよう左きき爆笑エッセイ』
 たみやともか 宝島社 
―左利きのイラストレーターたみやともかさんのよる
 左利きの不便を語るイラストエッセイ。

2005/12/6『左右学への招待 世界は「左と右」であふれている』
西山賢一 光文社文庫
―1995年風濤社刊『左右学への招待―自然・生命・文化』の文庫化・新版)

2006/1/1『自然界は謎だらけ!「右と左」の不思議がわかる絵事典
―鏡のしくみから宇宙の誕生まで』富永 裕久 PHP研究所
―左右の違いだけでなく、右利き用と左利き用の道具の違い、
 多くの人が鉛筆やお箸を右手で持つのはどうしてなの? など、
 子供向けの「左右学」の図鑑。

*『レフティやすおのお茶でっせ』2006.1.31 
PHP研究所「右と左」の不思議がわかる絵事典

2006/3/1『左右/みぎひだり―あらゆるものは左右に通ず!』
國文學編集部編 學燈社
―「視覚と左右」「食と右左について」「宗教に見る右左」等の
「左右」をテーマとした論考集。

*『レフティやすおのお茶でっせ』2006.4.2
アサガオの蔓と左利き―『左右/みぎひだり』から

2006/7/1『「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎―』
デイヴィッド・ウォルマン 梶山あゆみ訳 日本経済新聞社1
―日本在住経験を持つ、左利きのジャーナリストによる、左利きの謎を
 解くべく世界を巡る科学読み物。「日本の左利き、大集合」では
 日本のレフティゴルファーの大会にも参加!

2006/10/21『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス 大貫昌子訳 講談社ブルーバックス1
―左利き研究20年のイギリス人科学者による、左利き・利き手の研究を
 中心に、左右に関する話題を含めた科学研究書。「利き手と社会」
「左利きの苦悩」といった章を含み、左利きには興味深い本。

*『レフティやすおのお茶でっせ』2006.11.3
利き手と左利きの科学の本『非対称の起源』 
(お茶でっせ版) (新生活版)

2008/7/20『左対右 きき手大研究』 八田武志/著 化学同人 DOJIN選書18 発行。
―1996年の前著『左ききの神経心理学』以降の左利き・利き手研究の文献
 を基に一般向けの読み物としてまとめたもの。
 左利き短命説や利き手の決め方、利き手の成因、
 左利きの変更の是非など、左利き・利き手に関心のある方の必読書!

2008/12/6『左ききのトリセツ』貫吉達郎 グラフ社
“もと左きき”という動物学者の手になる左利き本、實吉達郎(さねよしたつお)/著『左ききのトリセツ』(グラフ社)が発売される。
[もと左きき動物学者が考える、まったく新しい左きき論。左ききの知りたかったこと、全部お答えします!本当の利き手がわかる、利き手診断テスト付き。]
(グラフ社ホームページの紹介文)

2009/1/1『左利きの人々―悲しくも笑える―』渡瀬けん 中経文庫

2009/4/28『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』
ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009/4/28

2009/6/1『神々の左手―世界を変えた左利きたちの歴史』エド・ライト著
 スタジオタッククリエイティブ 
―B5版横書き、写真や絵画の図版中心の「左利きの著名人/偉人」本。
 彼らの成功の一因として左利きの特徴(性格的・器質的な)を挙げ、
 ラムセス大王からホワイトハウスの4人
 (原書発刊当時直近の米歴代大統領)まで、
 世界を動かしてきた左利きの偉人たちの歴史を描く。

2009/8/29『左利きギターコード1008 -これは便利!左利きギタリスト御用達-』(中央アート)発売
 アニメ『けいおん』の影響もあってか、ありそうでなかった!? という左利き/左手弾き用のギター・コード・ブックが出版されました。左利きでもやっぱり楽器は利き手で弾きたい!という人にオススメ。

 

 

 ●2005-2009年前後、私が影響を受けた活動家・研究家

ということで、この時期からは、
いろんな活動において私にもお声をかけてくださったお二人、

浦上裕生・渡瀬謙 両氏を

影響を受けた活動家・研究家としてあげておこうと思います。

 

 

 ●『親力で決まる子供の将来』の「親野智可等」先生のこと

そして、もうお一人、追加しておくならば、
教育評論家となられた「親野智可等」先生を上げておきましょう。

小学校教師時代から、

『親力で決まる子供の将来』

というメルマガを発行されていました。

これが人気メルマガとしてメルマガ大賞を受賞するなど、有名になり、
教育評論家として再出発されることになり現在にいたります。

私は渡瀨さんのメルマガ『レフティサーブ』で、
この親野先生が『親力で決まる子供の将来』で、
「左利きを右利きにする必要は、一切ない」という記事を書いている
と知り、ブログで取り上げ、連絡してみました。

*『レフティやすおのお茶でっせ』2004.5.11
現役小学校教師がメルマガで取り組む左利き問題

 

その後、「百マス計算」が「右利き用」であり、
左手書き左利きの児童に不利なものになっているので、
左利きの子にも不利にならない、
改良版の「UD(ユニバーサルデザイン)百マス計算」というものを
ある現場の先生が工夫した、という話を当時存在したサイト
(「左利きっず」という左利きの子を持つ親御さん等のためのサイト)
で知り、これはいいと思い、
左利きの子への配慮を訴えていた親野先生にお尋ねしてみようと、
お便りしてみました。
その結果、先生のメルマガ誌上で紹介されることになりました。

*『レフティやすおのお茶でっせ』2004.6.16
改良版「UD百マス計算」が紹介されました

 

そんなこんなで、当時は一般の素人メルマガ発行人だった先生から、
私のメルマガも紹介していただくことになり、
一気に購読者を増やすことができました。

*『レフティやすおのお茶でっせ』2006.8.23
「親力で―」668号で「左利きで生きるには 週刊ヒッキイ」紹介される

 

以来の御縁で、先ほども書きましたように、
その後も、先生の左利きのサイト記事で、裕生さんともども、
私のブログも紹介していただくことになったのでした。

(先生は静岡在住で、
 何かのイベントで裕生さんとも一緒に仕事をされた事があったそうで、
 その時共通の知人として私の名が上がった、と聞いたことがあります。)

先生は、左利きの活動家・研究家というわけではございませんが、
私にとっては、今の私につながる「恩人」ということになります。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★600号までの道のり(5)第101号~第120号

101.
第101号(No.101) 2007/9/29秋季臨時増刊「<LYG2008>候補募集」
第二回<LYグランプリ2008>読者大賞候補募集
102.
第102号(No.102) 2007/10/6「創刊二周年100号突破記念放談」
メルマガ『週刊ヒッキイ』/過去・現在・未来
103.
第103号(No.103) 2007/10/13「創刊二周年100号突破記念放談
―その2―左利きの子供たちの過去・現在・未来」
104.
第104号(No.104) 2007/10/20「創刊二周年100号突破記念放談
―その3―<見かけの利き手>」
105.
第105号(No.105) 2007/10/27「<左利きプチ・アンケート>
第46回 利き手テストと意識の一致度は?」
106.
第106号(No.106) 2007/11/3「<左利きQ&A>(12)
左利きと鉛筆削り・ナイフで鉛筆を削ろう」
107.
第107号(No.107) 2007/11/10「左利き子育て相談の疑問(6)
最近見かけた新聞の相談欄における回答をめぐって」
108.
第108号(No.108) 2007/11/17「私にとっての左利き活動(18)
『R25』からのコメント依頼」
・号外
2007/11/21「『R25』掲載延期のお知らせ&お詫び」
109.
第109号(No.109) 2007/11/24「<左利きプチ・アンケート>第47回
左利き(利き手)研究会は必要?参加協力する?」
110.
第110号(No.110) 2007/12/1「<左利きQ&A>(13)
研究会やコーチはなぜ必要?」
・号外
2007/12/5「『R25』コメント掲載のお知らせ」
111.
第111号(No.111) 2007/12/8「左利き子育て相談の疑問(7)
左利きって悪いことなの?」
112.
第112号(No.112) 2007/12/15「私にとっての左利き活動(19)
―最終回―『R25』コメント掲載のことなど」
113.
第113号(No.113) 2007/12/22「<左利きプチ・アンケート>第48回
「ぎっちょ」は差別的な言葉だと思いますか?」
114.
第114号(No.114) 2007/12/29冬季臨時増刊「既刊号一覧2007年後期」
115.
第115号(No.115) 2008/1/5「<左利きQ&A>(14)
2007年の左利き事情」
116.
第116号(No.116) 2008/1/19「2007年の左利き事情―後編―&
第2回<LYグランプリ>2008」
・号外
2008/1/12「一週お休みのお詫びとお知らせ」
117.
第117号(No.117) 2008/1/26「<左利きプチ・アンケート>第49回
新版・利き目は右左どちらですか?」
118.
第118号(No.118) 2008/2/2「<左利きQ&A>(15)
左利き用品って?《1》」
119.
第119号(No.119) 2008/2/9「左利き子育て相談の疑問(8)/
第2回<LYグランプリ>2008発表」
120.
第120号(No.120) 2008/2/16「左手書字の研究―実技編(1)はじめに」

 

――このころは、毎週異なるテーマで書いていました。
 第一土曜は、<左利きQ&A>
 第二土曜は、<左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ>
左利き子育て相談の疑問
 第三土曜は、私にとっての左利き活動
 第四土曜は、<左利きプチ・アンケート>
 第五土曜があるときは、臨時増刊で、バックナンバーの紹介

2007年の終わりに、東京周辺で配布されているフリーマガジンの
『R25』で、ホームページ<左利きプチアンケート>のデータの引用と
私のコメントを掲載していただきました。
私がメディアに登場すること自体が奇跡的なことなので、
これは大きな里程標となりました。
2008年の年頭からインフルエンザ罹患のため、一週お休みしていました。

*各号のタイトルを見て、「これ気になるなあ、読んでみたいなあ」
 というものがございましたら、リクエストをお願いいたします。
 再配信なり、現時点での加筆・修正を行っての配信など、
 改めてお届けすることも考えています。
 リクエストは、本誌に返信してください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「創刊600号突破記念― 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(5) 第三期・ネットの時代―その2―浦上裕生・渡瀬謙両氏」と題して、今回も全紹介です。

今回も「創刊600号突破記念」エッセイということで「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」についての5回目です。

資料編をあれこれと追加したことで長いメルマガになってしましました。
毎度のことよ、といわれるかもしれませんけれど、これでも結構気にしているのです。

私のメルマガ師匠である渡瀬謙さんから初めの頃からいわれている言葉です。
「長い!」

 

第三期「左利きライフ研究家・ネットの時代」の2005年~09年頃のお話です。

このころほんのちょっとではありますが、いってみれば「左利きのミニブーム」的な事象が起きていたような印象が残っています。
私および私のまわりだけのことかもしれませんけれど。

 

では次回は、最終回、今度こそ現在につながる時代となります。
お楽しみに!

 ・・・

これを機会に、本誌をご購読の上でお楽しみいただけると幸いです。
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2020.10.03

左利きの人生を考える(1)「左利きライフ」ってなんだ?-週刊ヒッキイ第580号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第580号 別冊編集後記

第580号(No.580) 2020/10/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(1)」

 

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☆彡 【15周年】 ☆彡 Happy Birthday!
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2005.9.28 の創刊から、15年が経過しました。

秋晴れの中、
“コロナ渦(うず)”にも巻き込まれることなく、
いよいよ【16年目】に向けて出発します。

これからも変わらぬ応援よろしくお願いいたします。
(゚゚)(。。)ペコッ

レフティやすお

 

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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第580号(No.580) 2020/10/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(1)」
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 2005.9.28 の創刊から
 先月を持って、創刊15周年となりました。
 また新たなスタートを切ることになります。
 これからもよろしくお付き合いのほど、お願い申しあげます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
  (左利き本のために)――左利きの人生を考える(1)
  ◆ 原点に戻って ◆
   ~「左利きライフ」ってなんだ?~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●始まりは左利きの本のために
 ●「ライフ life」の意味
 ●三年前の原稿
 ●肝心要の「左利き人生」から書き始めてみよう
 ●第三部「左利き人生」――はじめにいいたいこと
 ●左利きは左利きらしく

〔人はみな↓の線上のどこかにいる〕

(左)――――――――――――――――(右)【優越性の方向】
●強い ← ▲弱い ← 中間 → ▽弱い → □強い【偏りの度合い】
(左利き)―――(中間の人)―――(右利き)【利き側】

 

〔偏りの度合いによる【自分が一番ラクな状態】とは?――〕

●強い左利きの人 ― 左利きの人 → 基本的に、左一本で
▲弱い左利きの人 \ (中間の人) → 左主体の両刀で
▽弱い右利きの人 / (中間の人) → 右主体の両刀で
□強い右利きの人 ― 右利きの人 → 基本的に、右一本で

 ・・・

┏                         ┓
 「左利き」という個性(特徴)を活かして、
《自分が一番ラクな状態で》毎日を生きていきましょう。
┗                         ┛

┏                             ┓
 (左利きの人であれ、中間の人であれ、)
 ありのままの自分の姿であれば、
 いずれはまわりの人も受け入れてくれるし、
 《自分自身が解放されてスッキリとした気分》で
 生きてゆくことができます。

 ぜひ「(いろいろな)左利き」のままで、
 《堂々とあなたらしい人生を歩んでいってほしいと思います。》
┗                             ┛

 ●左利きの人の置かれていた状況

 ――以下、次回。

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24― 左利き本のために――左利きの人生を考える(1)」と題し、創刊16年目に向けて、創刊の原点に戻り、私の書きたいと考えている左利きライフの入門書『しあわせ左利きライフ入門』の中の肝心要の部分に当たる、左利きの生き方を考えていこう、という「左利きライフ」の生き方の基本方針について書いています。

今回は、まずは、その結論について書いています。

この結論に導いてくれたのは、左利き仲間で友人のビジネスライター、営業コンサルの渡瀬謙氏の新刊の跋文の〆の言葉でした。

『“内向型”のための「営業の教科書」 自分にムリせず売れる6つのステップ』 (大和出版 2020/8/19)

左利き仲間である渡瀬謙さんは、私と同じような内向型の性格の人でもあり、そういう面でも共通した要素があります。
しかし、私よりもずっと先を歩いている人でもあります。

実はこのメルマガという道具を使うようになったのも、彼のお陰でした。
『レフティ・サーブ』という左利きメルマガを出しておられたのです。
左利きメルマガの先輩でもあります。

色々と教えられることばかりです。
いつか恩返しができれば、と考えています。

それはやはり左利きの本を出すことではないか、と考えています。

そんな願望を持つ私への応援の意味からも、ぜひ、弊誌のご購読をお願いいたします。

 

*参照:渡瀬謙『“内向型”のための「営業の教科書」』については

『お茶でっせ』2020.9.10

渡瀬謙の新著『“内向型”のための「営業の教科書」 自分にムリせず売れる6つのステップ』を読む

 

201003hidarikiki-lif

(画像:25歳の時、私を変えた本――左利きに自信を持たせてくれた本:箱崎総一『左利きの秘密』と、今回、私の左利き人生の結論を導いてくれた本:渡瀬謙『“内向型”のための「営業の教科書」』と、渡瀬さんの左利きの不便のあるあるを描いた『左利きの人々』) 

 ・・・

詳細は、本誌で。

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2020.09.10

渡瀬謙の新著『“内向型”のための「営業の教科書」 自分にムリせず売れる6つのステップ』を読む

半月ほど前のことですが、友人で左利き仲間でもある渡瀬謙さんの新刊が出ました。

『“内向型”のための「営業の教科書」 自分にムリせず売れる6つのステップ』 (大和出版 2020/8/19)

 

 ●私流に本書について語ると

本書を私流に一言で言いますと、『内向型の人が困らない「営業の入門書」』ですね。

「教科書」というと決定版みたいな感じで、これさえマスターすれば良し、という感じになります。
もちろん、結果としてはそうなんだろうけれど、

『部下のやる気と成果を確実にアップさせる トップ営業を生み出す 最強の教え方』(日本実業出版社)

なんて本も出している著者ですので、その方法論には万全の自信はあるのでしょうけれど。

 

私の思うに、「教科書」という言葉にはちょっと小難しい印象があります。
「これ以外はダメなんだよ」という押しつけのように感じて、それを嫌う人もいるかもしれませんよね。

小心で控えめな内向型の私なら、ここは「入門書」という言葉でいきたいですね。

同じ出版社から10年ほど前(2009年)に出し、内向型の営業に特化した本として、著者としては初めてのヒットを出した

『内向型営業マンの売り方にはコツがある―ムリに自分を変えないほうがうまくいく!』(大和出版 2009/2/1)

を、著者自身のその後の営業コンサルとして、著述家としての進化と、平成から令和へ(特別ウィズコロナにはふれていませんが)コロナ以前からコロナ以後へ、という時代の変化に合わせ書き直した、“現時点”での決定版営業の本です。

結果として内向型の人に限らず、広く営業を志す人、営業に携わる人全般に役に立つ「営業とはどうすればいいのか、売れる営業の方法とはどういうものか」について書かれたものになっています。

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200826naikougata

(表紙画像について)
新著は、白いバックに文字だけのシンプルな表紙で、箔押しの文字が青というかミント色みたいにキラキラ光っていてきれいで、すっきり感があります。
前著は、いかにも線が細い感じの男の人のイラスト付きで、これはこれでいいのでしょうけれど、今の時代は営業職がみな男性とは限りませんし、変にイメージを付けてしまうのは逆効果かもしれません。
内容のみならず表紙も進化していますね。
 

 

 ●著者自身の紹介の言葉

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『内向型のための営業の教科書』(渡瀬 謙・大和出版)
__________________________________

とかく営業には不向きだと思われがちな内向型営業マンの多くを
トップセールスに変えて来た手法を一冊に凝縮しました。

内向型営業マンにありがちな、
・お客さまとの会話が続かない
・嫌われたり怒られたりしたくない
・売れないストレスが耐えられない
これらをすべて解決しながら、なおかつ「売れる営業」に変われます。

営業をあきらめる前に、もう一度自分にチャンスを与えてあげてください!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 ●「序章」から著者の伝えたいこと

改めて本書を見ておきましょう。

まず「序章」での、著者について、本人の弁を紹介しましょう。

私が一番得意なのは、内向型の人を「売れる営業」に変えることです。》p.22

セミナーや研修の講師として、個人コンサルティングを通して1万人以上の人に教え、ほとんどの人が成果を出してきた、といいます。

次に、本書で伝えたいことの一番――営業パーソンの目指すべきゴールについてこう書いています。

営業は「売ること」よりも「お客さまからの信頼」をゴールにする》p.32

ということ。
その結果として売上がついてくるのだ、と。

もう一つの伝えたいこととして、内向型でも「売れる営業」になれる、ということを書いています。

 

 ●「第1章」―「ステップ営業法」から<進化の一つ>

時代が変わり、営業の方法が変わった、と著者はいいます。
昔ながらの精神論や押し売りまがいの営業法は時代遅れとなり、今の時代では、内向型の人の方が営業に向いているし、現実に売れるのだ、というのです。

そんな内向型でも「売れる営業」になれるための方法として、著者が勧めるのが「ステップ営業法」です。

p.51に全体図、p.62にその流れを示した図があります。

<前著からの進化の一つ>
6段階に分かれます。
2009年の前著『内向型営業マンの売り方にはコツがある』では、5段階になっていました。

(新著)――――――――(前著)
1.新規アプローチ――――(1)アポ取り
2.アイスブレイク――――(2)訪問
3.ヒアリング――――――(3)ヒアリング
4.プレゼンテーション――(4)商品説明
5.クロージング―――――(5)クロージング
6.フォロー

最終段階として、「フォロー」がつきました。
これが本書の肝の一つかも……。

これら6段階のステップはどれも、お客さまとの信頼関係を深めていくもの。

その理由は――――

これからの営業は、「売る技術」よりも「信頼される技術」がより重要になってきます。》p.60

これが、「どこでも通用する営業マン」になる秘訣だといいます。

 

 ●「営業のニオイ」を消す

「第2章」以下「第7章」まで、それぞれ各段階についての説明です。

前半の3段階あたりまでで頻繁に出てくるのが、「営業のニオイ」という言葉です。

従来型の「売りたい気持ち」が前に出る営業のパターンを戒めています。

「営業のニオイ」を出さないのが「売れる秘訣」だといいます(p.154)。

「ステップ営業法」の根幹は、《お客さまからの信頼を積み重ねること》だからです。

 

 ●ゴールを明確にする

最後の第7章で、前著にはなかった<進化の一つ>第6の段階「フォロー」の重要性がクローズアップされてきます。
この「フォロー」を「ゴールにする」という考え方です。

ゴールだけをイメージし明確にすると、自分の役割が明確になる、といいます。

売ることをゴールにするのではなく、フォローをゴールにする》p.241

そうすることで、

精神的苦痛から解放されるうえに、結果もついてきます》同

といいます。

「フォローをゴールにする」とは、

営業の主軸を「売る」ではなく、「フォロー客を増やす」に》p.237

する、ということ。

保険のトップ営業の人の話を例に説明しています。
いわゆる「そのうち客」を増やすということで、

「私には気軽に会いに行けるお客さまがたくさんいます。それを増やすことが営業活動の主軸です。」》p.236

といい、その中から契約につながる案件が出て来て、結果として売れることになる、といいます。

「ステップ営業法」におけるフォローは、あくまでも「お客さまとの良好な関係をキープする」ことを第一に考える》p.244

ことであり、その結果

「商談のどの場面でも中断してフォローにまわすことができる」という発想をもつと、飛躍的に売上げが伸びていきます》p.245

といいます。

すなわち、

心がまえとして大切なのは、「売れなくても嫌われないようにする」ということ。(略)そうすれば、次につながる可能性が残ります。》p.248

「フォローをメインとした営業」――これが著者の結論です。
(その詳細等については、本書をお読みください。)

 

 ●内向型の性格のままで……

末尾に「私が一番伝えたいこと――「おわりに」に代えて」という文章があります。

ここで著者が書いているのは、この「ステップ営業法」を見つけたことで営業トップになり、自分に自信を持てるようになり、人生が変わったということ。

マイナス評価されることの多い内向型の性格により、自分に自信が持てずにいた過去の人生から脱却し、内向型であることを個性の一つと認められるようになり、独立も結婚も勝ち得たという。

本書を読み、

内向型の性格のままで、堂々とあなたらしい人生を歩んでいってほしいと思います

と。

 

 ●感想をちょっと

これで本書の紹介は終了です。

調べていないので確かなことはわかりませんが、多分著者の本の中では一番ページ数が多いでしょう。
間延びして長いのではなく、その分充実した内容だ、ということです。

それだけ決定版的な本だ、といえるのでしょう。

 ・・・

私の感想をちょっと書いておきます。

私は以前から、従来の押し売りまがいの営業に疑問を持っていました。

渡瀬さんの「売り手も買い手も対等の関係」という営業手法を知り、「ホントはこれだよね」と思うようになりました(最初の本は友人・左利き仲間という立場で自分で身銭を切って本を買い、何冊目かの本で初めてこちらから希望して贈ってもらった)。
以来、彼が贈ってくれる本をずっと読んできました。
直接営業には関わらない本(コミュニケーション関係)もありましたが、前著のヒット以来、内向型の営業本を一貫して書いています。

それは、自信のない内向型の営業パーソンを応援するという人助けの面と、一部に悪評をもたれている営業活動そのものをチェンジしたいという思いからでしょう。

私は「いつか受け入れられる、現に少しずつ変化してきている」という思いで見てきました。

しかし、このコロナの時代になって、直接的な営業活動が難しい時代になって、いよいよ彼の営業が本領を発揮するかも、と思うようにもなりました。
闇雲の出かけていって力尽くでどうにかするという手法ではどうにもならないのですから。

 

何年か前に、長年トップ営業として実績を残してきたという営業職の人の書いた本を読んだことがあります。
その人曰く、トップの営業の技術があれば、どこの会社でもどのような業界でも通用するといい、現にそういう生き方をしてきたというのです。

確かに、渡瀬さんも真の営業力があれば、どこでも通用するといっています。
私もそうだろうと思います。

真の営業の力があれば、同じ会社でも、一つの業界でも営業の仕事を長く続けられるでしょう。

しかし、その人の本を読んでいると、この人の場合は、押しの強さでその場その場での成功を勝ち取ってきただけなので、後々クレームが来たり煙たがられたりして、一つの会社に長く勤めたり、同じ業界で長く生存したりできなかったのではないか、という気がしたのです。
会社や業界を転々と移り変わっていく以外に生き残れなかったのではないか、という疑問を持ちました。

そんな目先の成功だけで満足する営業は、もう時代遅れでしょう。

これからはやはり売り手も買い手も同じ、どちらが上でどちらが下とか、買ってやるも買ってもらうも、売ってやるも売ってもらうもない、対等の契約の時代になったのではないでしょうか。
そういう時代の営業を考える上でも、本書は教科書になると思いました。

 ・・・

最後に一言だけ。

著者に一つ注文があります。

それは「営業マン」という言葉を使っていること。
ここはやっぱり、Amazonのレヴューにもありましたように、「営業パーソン」とする方が今風なのではないでしょうか。

「昭和のニオイ」がします。
もう平成すら過去になった令和の時代なのですから、ね。

 

左利き仲間で友人・【渡瀬謙の本】についての記事 (◆印:ビジネス書/□印:口ベタ・あがり症の“内向型”営業マンのための営業本
■:“内向型”の人の本/○『左利きの人々』渡瀬けん=名義)

◆□2019.12.02
渡瀬謙の新刊『トップ営業を生み出す最強の教え方』を読む

◆□2019.2.17
内向型ビジネスライター渡瀬謙の集大成的?新著『コミュ力ゼロからの「新社会人」入門』

■2017.1.30
なりたい自分になる『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙

◆□2016.7.5
内向型トップセールスマン渡瀬謙の新刊『―「質問」で会話を盛り上げる方法』

◆□2016.3.11
相手の話を引き出す渡瀬謙〈無敵〉雑談術の本『超一流の 相手にしゃべらせる雑談術』『負けない雑談力』

◆2014.12.7
買い手の気持ちに寄り添う商談術:渡瀬謙『相手の「買う!」を自然に引き出す4ステップ商談術』を読む

◆2014.3.16
なんための会話か?~渡瀬謙『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』

◆2013.10.7
臆病は慎重!… 渡瀬謙『内向型人間のリーダーシップにはコツがある』

○2013.8.19
雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3

◆2013.3.7
渡瀬謙『元リクルートNo.1の 日本で一番"効率"のよい営業法 このムダをなくすだけで、グングン売上が伸びる!』

◆2012.5.23
小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』

◆□2012.2.26
克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』

○2011.12.31
雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…

◆2011.7.13
渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く

◆2011.6.10
流れ星に願い事…渡瀬謙『たった5秒のあいさつでお客様をザクザク集める法』

◆【渡瀬謙/監修『毎日役立つ!もう悩まない!!即効ビジネスマナー』日本文芸社2011.1】

○2011.5.19
週刊ヒッキイhikkii260左利き教本について考える(2)おさらい

◆2011.3.4
新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』

◆□2010.6.28
実践で学ぶ本、渡瀬謙『営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく』

◆□2010.6.18
渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く

 

■【『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版】

2009.12.12
今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」  

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」  <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある

 

◆□2009.3.4
お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」

○2008.12.29
左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著

 

 

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2019.12.15

私の読書論126-読書生活書籍購入50年(5)リアル編-50代以降世界の四聖編ベスト3(前)

―第261号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2019(令和元)年12月15日号(No.261)「私の読書論126-
読書生活書籍購入50年(5)リアル編
-50代以降・世界の四聖編ベスト3(前編)」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2019(令和元)年12月15日号(No.261)「私の読書論126-
読書生活書籍購入50年(5)50代以降リアル編ベスト3(前編)」
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 今回は、5月、6月、7月、そして11月に続き、
 「読書生活&書籍購入50年」の5回目。

 前回は、私の読書初期、20代前半に読んだ、
 その後の「私をつくった本・かえた本」とも言うべき
 著作を紹介しました。

 今回は、
 50代以降の【私のお気に入り「リアル編」ベスト3】を。
 
5月、6月、7月の1回目から3回目までの内容は、
以下の『お茶でっせ』の「別冊 編集後記」からご想像ください。

2019.5.15
私の読書論119-読書生活&書籍購入50年 ―第247号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

2019.6.15
私の読書論120-読書生活&書籍購入50年(2)私のお気に入り ―第249号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

2019.7.15
私の読書論121-読書生活書籍購入50年(3)短編集が好き ―第251号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

 

11月の前回、4回目―

2019(令和元)年11月15日号(No.259)「私の読書論125-
読書生活書籍購入50年(4)初期(20代前半)リアル編ベスト3」

~【私のお気に入り「リアル編」初期(20代前半)ベスト3】~~~

「私をつくった本/かえた本」といえる根本の、
私が心動かされた部分は、いつの時代となっても変化はない
昔の本だけど読んで損はない

(1)相場均『性格―素質とのたたかい』中公新書 昭和38(1963)
―性格の悩みを克服する手がかりになった本

(2)『知的生産の技術』梅棹忠夫/著 岩波新書・青版722(1969)
―読書も含めて、知的生産に関する諸技術を説く古典的名著

(3)箱崎総一『左利きの秘密』立風書房・マンボウブックス 1979
―(左利きの)自分が間違っているのではなく、
 (左利きを差別する)社会が間違っているのだ、
 と気付かせてくれた本

2019.11.15 ―第259号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 私の読書論126-

 ― 令和の時代に向けて ~ 50年史という昔話 ―

  読書生活書籍購入50年(5) 

  【私のお気に入り「リアル編」
    50代以降・世界の四聖編ベスト3】(前編)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●50代以降の「リアル編」三種
 ●幸福人生への助言本

しあわせに生きるための助言本
(1)哲学者の幸福論
(2)宗教関係の聖人(世界の四聖)とその教えに関する本
(3)心理学者や精神科医等の心理学や精神科学系のものや
 お偉い先生方の人生相談・エッセイ等の本

串崎真志『悩みとつきあおう』『心は前を向いている』(ともに、岩波ジュニア新書)

 

・『仕事・人間関係・人生が好転する!「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙 大和出版 2017

*参照:『お茶でっせ』2017.01.30
なりたい自分になる『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙

・『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版 2009/11/14

*参照:『お茶でっせ』2009.12.12
今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある

 ●「世界の四聖」の共通点
 ●孔子の言行録『論語』

『論語 増補版』加地伸行・全訳注 講談社学術文庫 2009.9.10
―《儒教学の第一人者が『論語』の本質を読み切り、独自の解釈、
 達意の現代語訳を施す。漢字一字から検索できる「手がかり索引」
 等を増補した決定新版! 》

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本誌は、「私の読書論126-読書生活書籍購入50年(5)50代以降リアル編ベスト3(前編)」と題して、50代以降に読んだリアル編の本約750冊の中から、「世界の四聖」編として「ベスト3」ぐらいを選び、その第一弾として『論語』を紹介しています。

『論語』はご存知のように、約2500年前の古代中国の聖人・孔子の言行録で、死後に弟子たちによって編纂されたものです。

弊誌では、創刊号および「中国の古代思想を読んでみよう」(前・後編)で取り上げています。

一番初めに感動を覚えたのは、冒頭「学而」編の一等最初、よく時代劇の寺子屋のシーンで子供たちが一斉に朗読する「子(し)曰(のたま)わく、学びて時に之(これ)を習う。亦(また)説(悦・よろこ)ばしからずや。」の、あのことばですね。

子曰く、学びて時に之(これ)を習う。
  亦(また)説(悦・よろこ)ばしからずや。
  朋(とも)遠方より来る有り。亦(また)楽しからずや。
  人知らずして[いか]らず。亦(また)君子ならずや。
》加地伸行・全訳注『論語』講談社学術文庫 2004

冒頭から、学ぶことや習うことの喜び、友との再会の楽しさをうたい、他人に評価されなくてもいいじゃないか、という。

まさに孔子ならではの発想、といえるのではないでしょうか。

もちろんそのほかにも、色々と気付かせられることが書かれています。
パラパラでいいので、手元に置いて、時々合間合間にひもといて欲しい本です。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

 

 

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2019.12.02

渡瀬謙の新刊『トップ営業を生み出す最強の教え方』を読む

友人で左利き仲間の渡瀬謙さんの久しぶりの新刊が出ました。

191126saikyou

『トップ営業を生み出す 最強の教え方』渡瀬 謙・日本実業出版社)

著者からのメールによりますと、

私のミッションは売れずに悩む営業マンを救うことですが、
そのためにはどうしたらいいのかを考えたときに、
今回のテーマにたどり着きました。

 

いわば営業を教える人の教育です。
これによって悩める部下と同時に、
育成で悩んでいる上司も救えるというものです。

―とのこと。

 

営業社員を部下に持つリーダー向けの本――教科書です。

いかにも教科書らしく? A5版の一般の単行本(四六判)よりちょっと大きめの本で、しかも横書きです。

 ・・・

余談になりますが、【左利きライフ研究家】としましては、この左開きの横書き本は、やはり右利き仕様だなと感じました。

この文を書こうと、ペラペラとページをめくりながら、改めて書くべき内容についてチェックしようとしたのです。
ところが、右手に本を持って左手でページを繰ろうとしたら、後ろから前へ、になってしまうのです。

縦書きの本ならこれでよかったのですけれど、ね。

前から順番に見ていくつもりだったのに……。

 

思えば昨今の教科書は、皆こういうスタイルになっているのですよね。
国語以外はみんな横書き、と聞いています。

困ったもんです、これも新たな左利き差別!? かもしれません。

 

 ●営業の教え方を書きにふさわしい人物

閑話休題。
話を『トップ営業を生み出す 最強の教え方』に戻りましょう。

著者の渡瀬さんは、営業のコンサルをやっています。

売れなくて困っている営業社員向けのセミナーなどを専門にしています。
そして、売れる営業社員になるための営業の虎の巻ともいうべき著書を色々と書いてきました。

要するに、売れる営業の方法を教えるのが仕事な訳です。

 

ですから、営業の方法をよく知っているわけですね。

当然、この『トップ営業を生み出す 最強の教え方』を書くにふさわしい人物と言えます。

 

 ●本書の内容

では内容について少しだけ書いてみましょう。

 ・・・

人間には三種類あるといいます。

(上の人)初めからわかっている人
(中の人)教えられて気づく人
(下の人)教えられてもわからない人

 

『論語』アリストテレス『ニコマコス倫理学』
江國香織の小説『こうばしい日々』に登場します。

洋の東西を超えて、人間の評価として考えることは同じ、ということでしょう。

 

◎:上の人
論) 生まれながらにして知る人
ニ) 自ら悟る人
こ) はじめから知っている人

○:中の人
論) 学びて知るもの
ニ) 語る人に耳を傾け従う人
こ) 途中で気がつく人

×:下の人
論) 困しみて学ばざる民
ニ) 自ら悟ることもなく、
   他人の言葉を聞いて心に刻むこともない人
こ) 最後までわからない人

 

◎ 初めから分かっている人
 ↓
○ 言われて気付く人
 ↓
× 最後まで学ばない人

 

まあ一応、これは倫理的な意味での評価ということになります。

 ・・・

次に、私は工業高校の出身で、今でも覚えていますが、最初に専門の授業で教えてもらったのは、「技術と技能の違い」でした。

「技術」とは、言葉で教えることができるもの
「技能」とは、言葉だけでは教えられないもので、身をもって獲得するもの

そういう意味の説明でした。

 

営業にも、技術と技能があるはずです。

私が思うに、売れない営業社員に下の三通りがあるのではないでしょうか。

(1)技術も技能もない場合―知識も能力もない
(2)技術は知っていても、技能が伴っていない場合―知識はあるが、能力はない
(3)技能はあるが、技術を知らない場合―能力はあるが、知識がない

 

先に挙げた上中下の人もそうですが、営業においても言えそうです。

いきなり売れる人(上の人)もいれば、教えられてだんだんと売れるようになる人(中の人)もいます。
あるいは、自分なりに努力をしても、人から教えられても、いつまでたっても全く売れない人(下の人)もいることでしょう。

そこにはどういう違いがあるのでしょう。

 ・・・

さてそこで、売れない人を売れる人に変えるには、この営業の技術と技能を教える、ということでしょうね。

 

本書では、5章に渡って説明しています。

第1章 営業をうまく教えられない5つの理由
第2章 部下を営業指導する前に押さえておくべき6つのポイント
第3章 営業を6つのステップで整理する
第4章 売れる営業マンを育成するステップ式営業マニュアルのつくり方
第5章 「ほめて認める」いまどきの部下とのコミュニケーション

 

そして最後に、教科書ですから、付録として「演習問題」を掲げています。

営業の知識を教え、営業の技術を知らしめ、営業の能力を上げ、技能を磨かせる方法を伝授しています。

 

 ●「誰もがトップになれるしくみをつくろう!」

本書で私の印象に残ったいちばんは、「第5章 9 目標を分散して成功体験のチャンスを増やそう」の中の

 「誰もがトップになれるしくみをつくろう!」

という部分。

 「売れない人にチャンスを与えるのが目的」

だというのです。

 「部下が自信をつけるしくみを用意する」

ということです。

期間を設けたり指標を増やしたりすることで、目標を増やし、それぞれにおいてトップになれる機会という、成功体験の機会を増やせ、というのです。

子供を育てるときと同じで、小さな成功体験を積み重ねることで、自分に自信をつけさせ、何事にも積極的にチャレンジする精神を植え付ける、ということですね。

 

 ●著者・渡瀬謙の告知文

最後に、著者・渡瀬謙自身による告知文を紹介しましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『トップ営業を生み出す 最強の教え方』(渡瀬 謙・日本実業出版社)
__________________________________

売れない部下をなんとかして育てたい!
そんな思いを抱えている営業リーダー向けの本です。

売れている人が無意識に行っている「営業センス」を可視化することで、
誰でも売れる営業マンに育つ方向を解説。

・なぜ同じトークを教えても人によって結果にバラつきがでるのか?
・自分のやり方を惜しみなく伝えても、全く売れる気配がないのはなぜ?
・同行営業で自分のスタイルを見せるだけではダメなのか?

これらの悩みはすべて明快に解決できます。
ぜひ、「がんばれ」「気合いだ」などの精神論ではなく、
自信を持って論理的に営業を語れるリーダーになってください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

*参照:
・PHP THE21 オンライン
売れる営業マンが、売れる営業マンを育てられない根本的な理由

2019年11月27日 公開
渡瀬謙(サイレントセールストレーナー)

※本稿は、渡瀬謙著『トップ営業を生み出す 最強の教え方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

 

渡瀬謙 ほぼ日刊!ツイッター

 

 

*(注)人間の三種類について

・『論語』【季氏 第十六】(9)
《孔子曰く、生まれながらにして之を知る者は、上なり。(以下略)》

『論語 増補版』加地伸行/全訳注 講談社学術文庫 2009/9/10

 

・『ニコマコス倫理学』「第一巻 第四章」
ヘシオドス『仕事と日々』からの引用

《あらゆることを自ら悟るような人は、もっともすぐれた人(以下略)》

『ニコマコス倫理学(上)』アリストテレス/著 渡辺邦夫・立花幸司/訳 光文社古典新訳文庫 2015/12/8

 

・『こうばしい日々』
黒人の教師が、アメリカに移住してきた日本人少年に話した、人種差別に関しての言葉

《「一つのことを、はじめから知っている人もいるし、(以下略)》

『こうばしい日々』江國香織/著 新潮文庫 1995/5/30
 

 

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2019.02.17

内向型ビジネスライター渡瀬謙の集大成的?新著『コミュ力ゼロからの「新社会人」入門』

久しぶりに友人で左利き仲間の渡瀬謙さんの新刊が出ました。
(といってもほぼひと月経ってしまいましたが……。)

内向型の人向けのビジネス自己啓発書で有名になった彼が、今度は「内向型人間」(コミュ力不足もその一面である)を「コミュ力(りょく)ゼロ」と言い換えて、社会人となる不安を解消させる「新社会人」入門書として、コミュ力養成および働く人としての心掛けをまとめたものです。

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(画像:本書とあいさつ文)

『コミュ力ゼロからの「新社会人」入門』渡瀬 謙・インプレス 2019.1

 

まずはご本人からの告知文―

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『コミュ力ゼロからの「新社会人」入門』(渡瀬 謙・インプレス)
__________________________________

人づきあいに自信のない人が、
いかにしてコミュニケーション能力を身に付けるかを徹底解説。
もともと口下手・あがり症・内向型の著者が身に付けた、
意外に簡単な人づきあいの方法とは?
・会話が苦手で悩んでいる・・・
・イヤな上司とどう付き合うか?
・そもそも社会に適応できるか不安・・・
そんな方にお勧めします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

目次
第1章 社会に出る不安がなくなる7つの考え方
第2章 コミュニケーションがラクになる7つのメソッド
第3章 これで安心! しゃべりが苦手な人のための7つの「会話の基本」
第4章 職場で「適度な距離感」をキープする9つの「人間関係のつくり方」
第5章 苦手なシチュエーションを乗り切る8つの会話テク
第6章 口ベタ・人見知りでも自信を持って成果を出せる5つの視点
第7章 不安があるからこそ成長できる6つの心構え

 ・・・

本書は、社会人になる自覚が十分にできていなかった――人付き合い苦手でコミュ力不足で就職するのが不安だった彼が、実際に就職してから学んだ社会人としての「働く人」として必要な心構えを、新社会人のためにわかりやすくレクチャアする、という内容です。

細目が示されていないのでわかりにくいのですが、内容的には、彼の過去の著作に書かれていた事柄が多数出てきます。

それらのことがらは、彼の過去の著作で何度も繰り返し語られてきた“真実”だったということです。

目次を見て、それらをまとめている、という印象を持ったので、敢えて彼の「集大成的な著作」と呼んでみたのです。

 

彼の主な著作から本書に関連するものを見ておきましょう。

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(画像:渡瀬謙の代表的な本)

 

【内向型人間】の代表的な本、および営業職に関する本、会話系のいくつかの著作です。

【内向型人間】の本:

『内向型営業マンの売り方にはコツがある―ムリに自分を変えないほうがうまくいく!』大和出版 2009

 

『お茶でっせ』記事:2009.3.4
お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」

 

『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版

 

『お茶でっせ』記事:2009.12.12
今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii 第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」  <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある

 

『“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラクに話せる51のルール』大和出版 2010

 

『お茶でっせ』記事:2010.6.18
渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く

 

『仕事・人間関係・人生が好転する!「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』 大和出版 2017

 

『お茶でっせ』記事:2017.1.30
なりたい自分になる『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙

 

 

【営業系】:

『「しゃべらない」営業の技術』PHPビジネス新書 PHP研究所 2010

 

『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』日本実業出版社 2017.6

 

 

【会話系】:

 

『相手が思わず本音をしゃべり出す「3つの質問」』日本経済新聞出版社

 

『お茶でっせ』記事:2011.7.13
渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く

 

『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』WAVE出版 (2012/5/16)

 

『お茶でっせ』記事:2012.5.23
小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』

 

『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』永岡書店 (2014/2/17)

 

『お茶でっせ』記事:2014.3.16
なんための会話か?~渡瀬謙『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』

 

『口ベタ、あがり症、人見知りのための「質問」で会話を盛り上げる方法』渡瀬謙(大和書房 2016/6/22)

 

『お茶でっせ』記事:2016.7.5
内向型トップセールスマン渡瀬謙の新刊『―「質問」で会話を盛り上げる方法』

 

――他多数。

 ・・・

本書では基本的に「営業社員」を例に説明されています。
それは「コミュ力」が一番必要と考えられている職種だからです。

しかし、本書は必ずしも営業職に限られるものではありません。

社会人の窮極の目的である、「働き続ける人」としての考え方(第1章)、会話の基本・場面場面でのテクニック(第2,3章)、人間関係の築き方(第4章)、成果を出せる視点(第5章)、成長できる心構え(第6章)を解説しています。

彼は、普段は社会人向けの営業職に関するセミナーの講師をしていますが、高校生相手に講演したこともあれば、大学生に営業を教えたこともあるといい、そこに本書が生まれた要因の一つがあります。

 

そういえば、こういう本も出していました。

『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』集英社(2011.3.4)
(ラノベふうに描いた新入社員の一年の成長物語を通して営業職とは何かを教える。)

 

*『お茶でっせ』記事:2011.3.4
新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』

 ・・・

会話に関して言いますと、「会話上手は聞き上手」という言葉があります。

こんな名言もあります。

自然は人間に舌をひとつ、耳をふたつ備えてくれた。なぜかというと、人は自分の喋る量の二倍だけ相手の話を聞くように、つくられたからだ。―エピクテイタス―》(加島祥造『会話を楽しむ』より)

本書でも、聞き上手はコミュニケーション上手と書いています(p.45)。
きっかけは「過去の質問」とも。

そして、

話題を提供して聞くことに徹すれば、理想の会話ができる》「第三章」p.99

とも。

こういうテクニックの会話は、仕事上の付き合い――適度な距離を持った関係には良いのですが、もう一歩進んだ関係をつかむには、すなわち信頼感の伴う会話には今一つでしょう。

 

英米文学者で詩人、のちに『タオ―老子』(ちくま文庫)の現代詩訳で〈伊那谷の老子〉と呼ばれた、私の敬愛する加島祥造さんの(先にも挙げた)『会話を楽しむ』(岩波新書 1991)

 

にこう書いています。

いい会話に必要なのは知性ではなく、開いた心――受け入れる心だ、と。

開いた心は、相手の人を自分と対等のものとして受け入れる。同じ人間どうしと認め合う。/「会話」という尊い人間交流の磁場は、「人間対等観」と「開いた心」の二本柱が大切なのだ。この二点をわずかでも心にしまっている人たちが、会話の生命力を維持してゆく。

本書でも、

良好なコミュニケーションというのは、相手に対する思いやりが必要だということです。》「第四章」p.113

といい、
相手から信頼されるために、相手の気持ちにフォーカスすることといいます。

真のコミュニケーション能力というのは、相手から信頼される力のことです。》「第七章」p.210

と。

そして、「おわりに」にこんな文章があります。

自分の個性を認めて等身大でいることこそが、自分にもストレスがなく、相手からも受け入れてもらえる最大のコツなのです。》p.222

じっくりとかみしめたいものです。

 ・・・

私が「いいなあ」と思った点は、朝のあいさつをきっかけとして紹介していること。

AKB48のチーム8に「挨拶から始めよう」という曲があります。
(歌詞を引用すると著作権に触れるのできませんけれど。)

 

とにかく、人生で一番大事なポイントかもしれません。
あいさつとは、あなたという存在を認めましたよ、という合図なのです。

 

そして、一番印象に残ったのは、何と言っても最後の「第七章のまとめ」《得意を伸ばすことがゴールへの近道》という一言です。

人はどうしても欠点に気を取られがち、特に若い人はまわりの大人から「欠点を直せ」という指導を受けがちです。
しかし、どうしてもそれは回り道になりやすいものです。

欠点を直そうとして、本来の持ち味(長所)を殺してしまったという話は、プロ野球のコーチ経験者からもよく聞きます。
二軍の若手選手を早く一軍に送り出すには、まず長所を伸ばす――「○○ができる」といったセールスポイントを持たせることだといいます。

 ・・・

本書を読み終えて――「新社会人として大事なことは何か」といいますと、それは「自分にウソをつかず、ありのままの姿で、与えられた仕事を全力でやりぬくこと」ということでしょうか。

そして、一人前の社会人となるために一番大切なことは、自分の得意を伸ばすことだ、と思います。

 

左利き仲間で友人・渡瀬謙の著書についての記事 (◆印:ビジネス書/□印:口ベタ・あがり症の“内向型”営業マンのための営業本
○『左利きの人々』渡瀬けん=名義)
◆□2016.7.5 内向型トップセールスマン渡瀬謙の新刊『―「質問」で会話を盛り上げる方法』

◆□2016.3.11 相手の話を引き出す渡瀬謙〈無敵〉雑談術の本『超一流の 相手にしゃべらせる雑談術』『負けない雑談力』

◆2014.12.7 買い手の気持ちに寄り添う商談術:渡瀬謙『相手の「買う!」を自然に引き出す4ステップ商談術』を読む

◆2014.3.16 なんための会話か?~渡瀬謙『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』

◆2013.10.7 臆病は慎重!… 渡瀬謙『内向型人間のリーダーシップにはコツがある』

・2013.8.19 雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3

◆2013.3.7 渡瀬謙『元リクルートNo.1の 日本で一番"効率"のよい営業法 このムダをなくすだけで、グングン売上が伸びる!』

◆2012.5.23 小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』

◆□2012.2.26 克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』

・2011.12.31 雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…

◆2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く

◆2011.6.10 流れ星に願い事…渡瀬謙『たった5秒のあいさつでお客様をザクザク集める法』

◆【渡瀬謙/監修『毎日役立つ!もう悩まない!!即効ビジネスマナー』日本文芸社2011.1】
・2011.5.19 週刊ヒッキイhikkii260左利き教本について考える(2)おさらい

◆2011.3.4 新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』

◆□2010.6.28 実践で学ぶ本、渡瀬謙『営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく』

◆□2010.6.18 渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く

◆□【『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版】
・2009.12.12 今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」  

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」  <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある

◆□2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」

・2008.12.29 左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著

 

 

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