2024.02.15

私の読書論181-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(後)初読編-楽しい読書360号

(まぐまぐ!)古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2024(令和5)年2月15日号(No.360)「私の読書論181-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(後編)初読編ベスト3 」

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和5)年2月15日号(No.360)「私の読書論181-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(後編)初読編ベスト3 」
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 「私の年間ベスト3・2023年フィクション系(後編)」です。

 <フィクション系>は、文字通りフィクション、
 小説等の創作ものを指します。

 今回はいよいよ「初読編ベスト3」を。

「再読編」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和5)年1月31日号(No.359)「私の読書論180-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編 」
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.1.15
私の読書論180-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(前)総リスト&再読編-楽しい読書359号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/01/post-244657.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/24ab2ce38b836145b195398a2c4197f6

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 - 青春ミステリか? 老人探偵団か? -

  ~ 私の年間ベスト3・2023フィクション系(後編) ~

  2023年フィクション系ほぼ全書名紹介&初読編ベスト3

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 ●<初読編ベスト3>候補

<初読編ベスト3>の候補となる、
初読のフィクションの全書名を紹介してみましょう。

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

 ・・・

(1)メルマガ用のお勉強の本

・『曹操・曹丕・曹植詩文選』川合 康三/編訳 岩波文庫 2022/2/17
(Amazonで見る)

――読書メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』の
参考資料。

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2023(令和5)年3月31日号(No.339)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(21) ―曹丕(そうひ)」
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.3.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(21) ―曹丕(そうひ) -楽しい読書339号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/03/post-849fb1.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e03d798d0eb5364d8cd88d8d0fc20004

 

(2)それ以外の古典の名作

・『八犬伝(上・下)』山田風太郎 山田風太郎傑作選・江戸篇 河出文庫
2021/2/5
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――江戸時代の戯作本、滝沢馬琴『南総里見八犬伝』の「虚の世界」と、
それを書く馬琴が画家・葛飾北斎等を相手に、日常の作家として、一人の
世帯主としての葛藤を語る姿を描く「実の世界」を交互に綴る、風太郎版
『八犬伝』。

・『世界推理短編傑作集6』戸川安宜編 創元推理文庫 2022/2/19
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――2018年にリニューアルされた江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』
全5巻を補完する第6巻。未収録作家13人の古典的名作を収録。冒頭、
1870年発表のエミール・ガボリオ「バティニョールの老人」は、左手に
よるダイイング・メッセージという<左利きミステリ>。既刊の短編集や
アンソロジーに収録されているものも多いが、まとめて読めるのは便利。

(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

特になし。

(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

【新井素子】
・『二分割幽霊綺談』講談社 1983
――パラレルワールドにつながる?トンネルの向こうとこちらで
繰り広げる奇想冒険談。
『二分割幽霊綺談』講談社文庫 1986/3/1
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・『・・・・・・絶句(上下)』早川書房 新鋭書下ろしSFノヴェルズ
1983/12/15, 1984/1/15
――異星人の起こした事故で、新井素子の創作したインナー・スペースが
現実化して大混乱……という奇想SF。
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・『あなたにここにいて欲しい』文化出版局 1984/7/1
――自分一人ではなにもできない女性と、彼女の世話をすることに自己の
存在意義を認めてきた女性。小学校以来の二人の友人同士の交流に、
新たな人物が現れ、互いの相互依存があらわになる……。
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――80年代、本屋さん時代に買ってそのままになっていた本たち。
当時の人気作家でしたが、今では現行本がほとんどないようです。

【リチャード・オスマン】
・『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』羽田詩津子訳 ハヤカワ・ミステリ
2022/11/2
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――第一作では謎の人物だった、老人探偵グループ〈木曜殺人クラブ〉の
中心メンバーのエリザベスと、死んだはずのかつての同僚英国諜報員の
事件。彼はダイヤを持ち逃げし、諜報組織とマフィアから追われていた。
メンバーは、この国際的陰謀との戦いに乗り出す。
一方で、メンバーの一人元精神科医のイヴラヒムが一人で町に出たとき、
若者に襲われスマホを奪われる、という事件が起きる。このとき、肉体の
負傷以上に、精神的にまいってしまう。それを老人仲間たちが支え、
励ます姿の美しさ。さらに精神科医の彼が女性警官の相談を受けたときの
回答も読ませます。

・『木曜殺人クラブ 逸れた銃弾』リチャード・オスマン 2023/7/4
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――第三作では、かつて大規模詐欺事件を追求するうちに事故死した
女性キャスターの事件を、有名キャスターと捜査を始める。
一方エリザベスは、マネーロンダリングにまつわる事件に巻き込まれる。

以上、イギリスの高級高齢者施設に住む老人たちの探偵クラブ
〈木曜殺人クラブ〉の面々による探偵冒険譚のそれぞれ第二作と第三作。
老人たちの会話が読ませます。著者は第一作を書く前に、高齢者施設で
取材もしたというのですが、老人の仲間入りをした現在の私が読んでも、
迫るものがあって、単なる娯楽小説に終わらず、読む価値ありの作品に
なっているように感じます。

【ホリー・ジャクソン】
・『自由研究には向かない殺人』服部京子訳 創元推理文庫 2021/8/24
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出版社の紹介文《イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と
 並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は
 5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が
 少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の
 無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で
 次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。
 ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった
 謎解き青春ミステリ!》

・『優等生は探偵に向かない』服部京子訳 創元推理文庫 2022/7/20
(Amazonで見る)

出版社の紹介文《人の兄ジェイミーが失踪し、高校生のピップは調査を
 依頼される。警察は事件性がないとして取り合ってくれず、ピップは
 仕方なく関係者にインタビューをはじめる。SNSのメッセージや写真
 などを追っていくことで明らかになっていく、失踪当日のジェイミーの
 行動。ピップの類い稀な推理で、単純に思えた事件の恐るべき真相が
 明らかに……。『自由研究には向かない殺人』待望の続編。この衝撃の
 結末を、どうか見逃さないでください!》

・『卒業生には向かない真実』服部京子訳 創元推理文庫 2023/7/18
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出版社の紹介文《わたしはこの真実から、決して目を背けない。『自由
 研究には向かない殺人』から始まったミステリ史上最も衝撃的な3部作
 完結編!
 大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言
 電話に匿名のメール。首を切られたハトが敷地内で見つかり、私道には
 チョークで首のない棒人間を書かれた。調べた結果、6年前の連続殺人
 事件との類似点に気づく。犯人は服役中だが無実を訴えていた。ピップ
 のストーカーの行為が、この連続殺人の被害者に起きたことと似ている
 のはなぜなのか。ミステリ史上最も衝撃的な『自由研究には向かない
 殺人』三部作の完結編!》

――数々のミステリベスト10で上位にランクインした、女子高校生ピップの
探偵譚三部作。さわやかな青春ミステリとして、謎解きミステリのように
開幕したシリーズでしたが、第三作では、意外な展開になります。
ストーカー行為を受けたピップが反撃に転じるのですね。真実とは何か?
非常に重たい問いかけです。彼女の選択を肯定できるかどうかが、
その人の人間としての一つの試金石ともいえます。
その時その時で人は意外な行動を取ることもあります。最終的に、人は、
起きてしまったこと、済んでしまったことを変えることはできません。
その時点で、人は自分の信じる道をただ前へ、前へと向かって進むしか
ないのです。

・『マジック・ミラー』有栖川有栖 講談社文庫 1993
新装版 マジックミラー (講談社文庫) 文庫 – 2008/4/15
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――双子の兄弟による兄嫁殺しのアリバイ・トリックもの。
被害者の妹が推理作家とともに謎に迫る。

・『不吉なことは何も』フレドリック・ブラウン 越前 敏弥 訳
創元推理文庫 2021/9/21
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――《『真っ白な噓』に続く巨匠の代表的ミステリ作品集》という
【名作ミステリ新訳プロジェクト】の一冊。アリバイ・トリックものの
中編「踊るサンドイッチ」がお目当てで読んだ一冊だったが。

・『スペースマン―宇宙SFコレクション(1)―』伊藤典夫、浅倉久志編
 新潮文庫 1985/10/1
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・『スターシップ―宇宙SFコレクション(2)―』伊藤典夫、浅倉久志編
 新潮文庫 1985/12/1
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――この二冊は本屋さん時代に買ってそのままだった、宇宙ものSFの
アンソロジー。ハインライン「地球の緑の丘」やアシモフ「夜来たる」等
名作も多く散りばめられた好アンソロジー。

・『ラブ・フリーク 異形コレクション(1)』井上雅彦監修
広済堂文庫―異形コレクション 1 1997/12/1
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――書き下ろしの恐怖小説・怪奇小説・幻想小説のアンソロジー第一弾。
異常な状況下の恋愛を描いたもの。集中一番のオススメは、岡崎弘明
「太陽に恋する布団たち」。明るく優しい気持ちになれる名作だろう。

・『下町ロケット ヤタガラス』池井戸潤 小学館文庫 2021/9/7
――『下町ロケット ゴースト』に続く、帝国重工・財前との共同事業、
準天頂衛星「ヤタガラス」を利用した無人農業ロボット開発での、
下町中小企業との競争物語。
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以上17点ほどでした。

思いのほか少なく、ベスト3を選ぶのも結構大変と思われます。

といいつつ、勝負は決まっている感じです。

 ●2023年フィクション系<初読編べスト3>

今回の<初読編ベスト3>は、以下の作品となります。

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   【2023年フィクション系<初読編べスト3>】

  (1)【ホリー・ジャクソン】
・『自由研究には向かない殺人』服部京子訳 創元推理文庫 2021/8/24
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・『優等生は探偵に向かない』服部京子訳 創元推理文庫 2022/7/20
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・『卒業生には向かない真実』服部京子訳 創元推理文庫 2023/7/18
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(画像:【ホリー・ジャクソン】女子高校生ピップ三部作
『自由研究には向かない殺人』『優等生は探偵に向かない』
『卒業生には向かない真実』創元推理文庫―創元推理文庫のサイトから)

 

  (2)『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』リチャード・オスマン
羽田詩津子訳 ハヤカワ・ミステリ 2022/11/2
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  (3)『八犬伝(上・下)』山田風太郎 山田風太郎傑作選・江戸篇
 河出文庫 2021/2/5
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(画像: 図書館本『八犬伝(上・下)』山田風太郎 山田風太郎傑作選・江戸篇 河出文庫 2021/2/5) 

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

(1)と(2)は、真逆の主人公たちを描いています。
方や高校生、方や70歳を越えた老人たち。
(3)の<実の世界>の馬琴たちももう老人です。

ハツラツとした高校生たちの探偵冒険の世界と、同じ現代を舞台にして、
SNS等を活用する探偵物語でも、主人公がこれほど異なれば、
読む側の私も高齢者であり、感情移入的には、後者に軍配が上がっても
おかしくありません。

ただ一種の憧れに似た何かがあり、こういう青春ものには
肩入れしたくなるのも事実です。

老人への親近感と青春へのあこがれといった、個人的な読者として
感情的な評価は別にして、作品本来の評価として、
三部作込みの評価というのも、ちょっと卑怯な気もしますが、
あえて<ベスト1>に、この<ピップ三部作>を上げてみたいものです。

真実はいずれ明らかになるだろうし、正義は必ずまっとうされるもの、
と私は信じています。
ピップにもそう信じて生きていってほしいと思います。

 

2位には、老人の心理といったものをたっぷり書き込んだ探偵物語の、
『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』の方を上げたいと思います。

第三作も面白いのですが、ここでは、個人的な感情移入的な評価で。

元精神科医で80歳のイヴラヒムと女性警官のドナとの対話の一部を
引用しておきましょう。

 《「時間は戻ってこないことは知っているね?
  友人、自由、可能性も?」
  (略)
  「時間を取り戻すことはあきらめよう。過去は幸せだった時間として
  記憶するんだ。きみは山の頂上にいた。今は谷間にいる。今後も
  数えきれないほど、そういうことは起きるだろう」/
  「じゃあ、今は何をすればいいんですか」/
  「もちろん、次の山を登るんだ」/
  「ああ、そうか、そうですよね」シンプルだ。
  「そして次の山を登ったら?」/
  「うーん、それはわからないよ、そうだろう? きみの山だ。
   他の誰も今まで登ったことはないんだから」
   (略)
  「きみは好きなようにすればいいんだ。だが、前を見ろ、
   後ろを振り返るんじゃない。そして、きみが登るあいだ、
   わたしはここにいるよ。その肘掛け椅子は、
   必要とあらばいつでもきみのものだ」
   (略)
  「孤独はつらいものだ。大きな苦しみのひとつだ」
   (略)
  「きみはちょっと迷子になっただけだよ、ドナ。
   そして、人生で一度も迷わなかったら、まちがいなく、
   おもしろい場所には一度も旅をしなかったということだ」》pp.358-360

そして、若者の襲撃によるケガの後、一人では町に出られなくなり、
落ち込んでいるイヴラヒムに、今度はドナがいいます。

 《「あなたは悲しそうに見えます」/
  「ちょっと悲しいんだ、たしかに」イヴラヒムは白状する。
  「怯えているし、そこから抜け出す方法が見つからずにいる」/
  「次の山に登る、というのが、あたしからのアドバイスです」/
  「それだけのエネルギーがあるのか、自信がない」
  (略)
  「肋骨は痛むし、そのせいで胸まで痛い気がするんだ」/
  「あなたが登るあいだ、あたしはここにいますよ」》p.360

 

3位には、『八犬伝』を。馬琴の『八犬伝』のダイジェストに当たる、
<虚の世界>と、それを語る<実の世界>での、作家として、
世帯主として家庭第一を心掛けながら執筆に励む馬琴と、
家庭を顧みることのない北斎。
さらに、鶴屋南北らとの会話の中に出て来る、芸術論や人生論の
おもしろさ。
『八犬伝』のおもしろさはもちろんですが、この芸術論や人生論に
著者・山田風太郎の思いも重なっているようで、
読むほどに迫ってくるものがありました。

以上、<ベスト3>でした。

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本誌では、「私の読書論181-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(後編)初読編ベスト3 」と題して、今回も全文転載紹介です。

前回に引き続き、<フィクション系>の後編、初読編のベスト3発表でした。

改めて、三部作をひっくるめるのはどうか、という気もします。
しかし、この作品に関しては、一冊ずつもいいですし、しかも、三作で到達するところというものもある、という意味で、これは致し方ないという気もします。
<木曜殺人クラブ>も二作上げています。
こちらの方は、昨年二作読んだということで、ついでに上げているだけで、正味は第二作による結果です。

『八犬伝』も二巻本でしたし、今年は、冊数的には<ベスト3>が3冊ではなくなったというのは、ちょっとした事件だったかもしれませんね。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2024.01.31

私の読書論180-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(前)総リスト&再読編-楽しい読書359号

 古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

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2024(令和5)年1月31日号(No.359)「私の読書論180-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編 」

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和5)年1月31日号(No.359)「私の読書論180-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編 」
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 「私の年間ベスト3・2023年フィクション系(前編)」です。

 <フィクション系>は、文字通りフィクション、
 小説等の創作物を指します。

 まずは、「再読編」から。

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 - 昔の感覚に間違いはなかった!? -

  ~ 私の年間ベスト3・2023フィクション系(前編) ~

  2023年フィクション系ほぼ全書名紹介&<再読編ベスト3>候補作
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 ●傾向と分類

2023年は、冊数が40冊程度でした。
うち約半数の20冊が再読ものでした。
これは昨年と同数となります。

そこで今年も、<再読編ベスト3>と<初読編ベスト3>とに分けて
紹介してみましょう。

 ・・・

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

*(再):自分の蔵書の再読本、[再]:作品そのものは再読、本は新本

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

・[再]『雨月物語』上田秋成/長島弘明 校注 岩波文庫 2018/2/17

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2023(令和5)年6月30日号(No.345)
「私の読書論172- 2023年岩波文庫フェア「名著・名作再発見!
 小さな一冊をたのしもう」から 上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」」
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.6.30
私の読書論172-2023年岩波文庫フェアから上田秋成『雨月物語』
「蛇性の婬」-楽しい読書345号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-ec8330.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/417d68371321fb4e635a0fa83166e4d2

 

・[再]『時をかける少女』筒井 康隆 角川文庫 新装版 2006/5/25

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・(再)『カドカワ フィルム ストーリー 時をかける少女』筒井康隆原作
大林宣彦監督作品 角川文庫 1984(昭和59年)/11/1

・(再)『タイム・トラベラー』石山透 大和書房 1984/2/1

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――1972年、NHKドラマ『タイム・トラベラー』全6話、と
 続編『続・タイム・トラベラー 』全5話のシナリオ集。巻末に
 「NHK少年ドラマシリーズ放送作品リスト」、主題歌楽譜を収録。

2023(令和5)年7月31日号(No.347)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・
筒井康隆『時をかける少女』わが青春の思い出の一冊」
2023.7.31
[新潮・角川・集英社]
<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・筒井康隆『時をかける少女』
-楽しい読書347号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/07/post-ea808e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/51993cafbd23c48808fba514944ef122

タイム・トラベラー』復刊ドットコム 新装版 2016/12/13 

 

・(再)東野圭吾『白夜行』集英社文庫 2002/5/25

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2023(令和5)年8月31日号(No.349)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・
 東野圭吾『白夜行』青春の思い出も背景に散りばめられた一冊」
2023.8.31
[新潮・角川・集英社]
<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・東野圭吾『白夜行』-楽しい読書349号
17:36 2023/08/23
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/08/post-68005b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a591675405b6e87c3e89a1653c2d3316

 

 ●(2)それ以外の古典の名作

・(再)『親友(パル)・ジョーイ』ジョン・オハラ 田中小実昌訳
 講談社文庫 1977
――戦前のアメリカの風俗小説、表題の連作短編とその他の短編集。
表題作はペンフレンドに送る近況報告の手紙の形式で、
昔『ミステリ・マガジン』でそれぞれの短編として紹介されていた。
当時は面白い小説として読んだが、今回読んでみると、昔ほどの魅力は
感じず、まあまあ、というところか。私の主人公に対する見方が変わり、
真実の姿を理解できるようになった、というところでしょうか。

・[再]『少女地獄』夢野久作 角川文庫 1976
――同じく戦前の日本の小説短編集。

(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
特になし。

 

 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

【新井素子】
・(再)『あたしの中の……』集英社コバルトシリーズ 1981
・(再)『グリーンレクイエム』講談社文庫 1983
・(再)『ひとめあなたに……』双葉ノベルズ 1981
・(再)『扉を開けて』CBSソニー出版 1982
・(再)『ラビリンス<迷宮>』トクマ・ノベルズ 1984
・[再]『いつか猫になる日まで グリーン・レクイエム』日下三蔵編
柏書房<新井素子SF・ファンタジー コレクション1> 2019
・[再]『扉を開けて 二分割幽霊綺談』日下三蔵編
柏書房<新井素子SF・ファンタジー コレクション2> 2019
・[再]『ラビリンス<迷宮> ディアナ・ディア・ディアス』日下三蔵編
柏書房<新井素子SF・ファンタジー コレクション3> 2019
――『あたしの中の……』は、記念すべきデビュー作。
『扉を開けて』『ラビリンス<迷宮>』は、異世界ものの女性が主人公の
ヒロイック・ファンタジー。『ひとめあなたに……』は地球最後の日もの。
柏書房版は、今や多くが絶版・品切れとなった初期新井作品の名作を
資料とともに復刊するもの。

<海洋冒険もの>
【セシル・スコット・フォレスター】
・(再)『スペイン要塞を撃滅せよ』ハヤカワ文庫NV 1973
・(再)『トルコ沖の砲煙』ハヤカワ文庫NV 1974
・(再)『パナマの死闘』ハヤカワ文庫NV 1974
――以上、帆船時代の英国海軍の<海の男ホーンブロワー・シリーズ>。

最初に書かれた『パナマの死闘』が好評で海軍士官候補生時代から出世
してゆく過程が順次シリーズ化されたという人気シリーズ。
人間的な弱みを持つスーパー・ヒーローでないところが、海外で人気の
シリーズというのも理解できます。なかなかのエンタメ作品。 

(再)『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン 村上博基訳
 ハヤカワ文庫NV 1972
――第二次大戦中のドイツ海軍と連合国側の輸送船団の護衛艦、
イギリス海軍ユリシーズ号との激闘。

 

<その他の冒険もの>
(再)『大洞窟』クリストファー・ハイド 田中靖訳 文春文庫 1989
――日本人の地質学者が主要登場人物となる洞窟で発掘中、
地震で閉じ込められ、いかに脱出するか、というサバイバル物語。

【ディック・フランシス】
(再)『重賞』菊池光訳 ハヤカワミステリ文庫 1976
(再)『追込』菊池光訳 ハヤカワミステリ文庫 1982
――元女王陛下のお抱え障害競馬騎手だった著者が書いたことでも有名な、
<競馬スリラー・シリーズ>の中期の作品。
毎回異なるヒーローを主人公に、競馬がらみの犯罪を暴いてゆく展開で、
そのヒーロー像の造形にしびれます。イギリスでは最も有名な探偵役
シッド・ハレーを主人公にテレビドラマも制作されていました。
私の大好きな作家でした。
中期以降の作品の手持ちの文庫本が十冊程度ありますので、
もう一つと思う作品は処分しようと思い、再読を始めました。

 

<その他>
・[再]『刑罰』フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄進一訳
創元推理文庫 2022
――ドイツの刑事弁護士が実際に経験した事例を元に描く犯罪物語集。
この作家の著作はみな問題意識が高い作品集で、読み応えがある。
ハードカバー本の文庫化で、また読んでしまった。

(再)『怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女』矢野浩三郎編 角川文庫 1975
――怪奇小説・恐怖小説・幻想小説のアンソロジーの第一巻。
このアンソロジー全三巻は、創元推理文庫の『怪奇小説傑作集』全五巻、
近年新版『新編 怪奇幻想の文学』が出ている、その元版のアンソロジー
などと並ぶ、名アンソロジーではなかったか、と思っています。

 

 ●<再読ベスト3>候補

以上がほぼ全再読書です。

この中から<再読ベスト3>を選ぶにあたって、
まずは候補としていくつか上げてみましょう。

新井素子作品では、以下の三作。
1.『グリーンレクイエム』――昔読んだとき同様感動の一作。
以前紹介したゼナ・ヘンダースン『果てしなき旅路』同様、
マイノリティーの悲劇を扱う悲しい作品です。
2.『ひとめあなたに』――地球はあと一週間(だったか?)で滅ぶ
という状況で人はいかに生きるのか、という重いテーマの連作短編。
以前読んだときよりも、重さを感じたという気がしました。
ちょっと気になる一作でした。
3.『ラビリンス<迷宮>』――かつて繁栄していた文明を失った人類が
新たなスタートにつくというストーリーですが、迷宮で待つ<怪物>と
いかに対応するか、生け贄にされた少女たちの戦い。

メルマガで扱った三作は、それぞれに印象に残る作品で候補作です。
4.『雨月物語』――古典中の古典で、今回取り上げた「蛇性の婬」は、
集中最長の中編といったところで、一番の名作かと思います。
5.『時をかける少女』も、表題作の中編は、青春のまぶしさを描いた
永遠にの名作という気がします。
6.『白夜行』は、三編中唯一の長編ですが、長さを感じさせない名作で、
これはゆがんだ青春の物語で興味深いノワールという感じです。

次に<冒険もの>では、
7.『女王陛下のユリシーズ号』――マクリーンの処女作で、
戦争ものの長編ですが、男たちはなんのために戦うのか、という
戦争に対する見方と人間としての生き方を考えさせる反戦文学です。
8.『大洞窟』は日本人が主人公になっている点がポイント高く。

9.『怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女』――<怪奇もの>の
アンソロジーとしては、名作揃いの好アンソロジーです。
珍しいダシール・ハメットの怪奇小説アンソロジーの「序文」を借りて、
作品もモーパッサン「オルラ」、M・R・ジェイムズ「マグナス伯爵」、
F・マリオン・クロフォード「血は命の水だから」等々。

<海の男ホーンブロワー・シリーズ>もなかなかのエンタメで、
スーパー・ヒーローでないところが人間的で、
海外で人気のシリーズだったというのも理解できます。
海軍士官候補生時代から出世するというシリーズ。
『パナマの死闘』が差史書に書かれた作品で、これが好評で、
順次シリーズ化されたという人気シリーズ。

ディック・フランシスも大好きな作家でした。
中期以降の作品の手持ちの文庫本が十冊程度ありますので、
もう一つと思う作品は処分しようと思い、再読を始めました。

 

 ●2023年フィクション系<再読編べスト3>

さて、では、<再読編べスト3>です。
やはりむずかしいですが、メルマガで扱った三作は、
そちらで書いてきましたので、今更選ぶのもどうかと思います。

 

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   【2023年フィクション系<再読編べスト3>】

  (1)新井素子『グリーンレクイエム

 

  (2)アリステア・マクリーン『女王陛下のユリシーズ号
ハヤカワ文庫 NV 7 1972/1/1

 

  (3)矢野浩三郎編『怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女』角川文庫

 

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

「読む価値あり」という意味で、この辺を上げておきましょう。

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本誌では、「私の読書論179-私の年間ベスト3-2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編」と題して、今回も全文転載紹介です。

今回は、本文中にもありますように、再読した<フィクション系>の本についてです。

もう何年も前から、蔵書を少しずつ処分しています。
今までもとにかく本箱?本棚? が二本しかないので、押し出し整理法でここからはみ出す分はその都度処分するようにしてきました。
ここんところ古本屋さんも減ってきて、近所の一軒ぐらいしかない状況で、そこがなくなれば、処分もむずかしいということになります。
今は少しずつその近所のお店に持ち込んでいます。

今までは聖域としていた青春初期の本も最近は、処分しています。
そうは言いましても早半世紀という本もあり、赤茶けて、ほとんど値の付かないようなものも多いようです。
でも、売れるうちは売って何かの足しになればと思っています。

処分のために再読をしているというところです。
聖域だった、新井素子さんの本や、冒険小説などもそういう一環の本で、昨年末に処分してしまいました。
ディック・フランシスはこれから再読を続けて選定に入ります。

残念と言えば残念ですが、いずれは処分しなければならないので、今のうちに少しずつ減量を、というところです。

といいつつも、毎年20冊程度は購入していますので、実数はなかなか減ってはいませんね。
まだ、本箱からオーバーしている本の段ボール箱が大小6個ぐらいありますから。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2023.11.27

クリスマス・ストーリーをあなたに~全リスト:『レフティやすおの楽しい読書』BNから

今年もはやクリスマス・ストーリーの紹介の季節となりました。
例年、11月末発行の読書メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』では、<クリスマス・ストーリーをあなたに>と題して、古今東西の“クリスマス・ストーリー”――ディケンズの『クリスマス・キャロル』に始まるとされるクリスマスにまつわる、幽霊が登場したり、奇跡が起きたりといった愛と善意とにくるまれたハート・ウォーミングな物語が展開される――の中から、私の心に響いたお話を、海外・国内・新旧の作家による長短の作品を取り混ぜて紹介しています。

ここでは過去のそれらの作品をリストアップしておきましょう。

 

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 ●過去の ~クリスマス・ストーリーをあなたに~

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(読書メルマガ)『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
(「まぐまぐ」版)

 

201127xmas1
(画像:(上段左から)(2017年紹介)梶尾真治「クリスマス・プレゼント」収録の『有機戦士バイオム』ハヤカワ文庫JA、(2019年)ジョー・ネスボ『その雪と血を』ハヤカワミステリ文庫、(2012年)アガサ・クリスティー「水上バス」収録のクリスティーのクリスマス・ブック『ベツレヘムの星』、
(下段左から)(2008年)チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』(2016年)『鐘の音』収録の『クリスマス・ブックス』ちくま文庫、(2013年)ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』)

 

0◆2008(平成20)年12月クリスマス号(No.11)-081206-
『クリスマス・キャロル』善意の季節

『クリスマス・キャロル』ディケンズ/著 中川敏/訳 集英社文庫 1991/11/20
―訳者の解説と木村治美の鑑賞など、資料も豊富。

 

 

1◆2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節
『あるクリスマス』カポーティ

別冊 編集後記:『レフティやすおのお茶でっせ』
善意の季節『あるクリスマス』カポーティ

『誕生日の子供たち』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹/訳 文春文庫 2009.6.10
―クリスマス短編「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」収録
 「―思い出」はクリスマスの懐かしい、でもちょっと切ない思い出を振り返る愛情あふれる物語で、少年に与えられたクリスマスの贈り物、
 「ある―」は逆に、少年が与えたクリスマスの贈り物の思い出話といえる抒情的名編

 

 

2◆2012(平成24)年11月30日号(No.94)-121130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 アガサ・クリスティー『ベツレヘムの星』から

クリスマス・ストーリーをあなたに ―第94号

(「作文工房」版)

『ベツレヘムの星』アガサ・クリスティー/著 中村能三/訳 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003/11/11)
―おススメ短篇「水上バス」を含む、クリスマスにまつわる小説と詩を集めた、クリスティーが読者に贈るクリスマス・ブック

 

 

3◆2013(平成25)年11月30日号(No.117)-131130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム

クリスマス・ストーリーをあなたに~『サンタクロースの冒険』ボーム

(「作文工房」版)

 

『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム/著 田村隆一/訳 扶桑社エンターテイメント(1994.10.30) [文庫本]
―『オズの魔法使い』の作者ライマン・フランク・ボームの描くサンタ・クロースの生涯を描く、サンタさん誕生物語

(新訳版)『サンタクロース少年の冒険』ライマン・フランク・ボーム/著 矢部太郎/イラスト 畔柳和代/訳 新潮文庫 2019/11/28

 

 

4◆2014(平成26)年11月30日号(No.140)-141130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』コニー・ウィリス」

クリスマス・ストーリーをあなたに~『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』コニー・ウィリス ―第140号 「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
(「作文工房」版)

「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」収録短編集:
・『マーブル・アーチの風』コニー・ウィリス/著 大森望/編訳 早川書房・プラチナ・ファンタジイ(2008.9.25)
―もう一つのクリスマス・ストーリー「ニュースレター」も収録

 

 

5◆2015(平成27)年11月30日号(No.164)-151130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『まれびとこぞりて』コニー・ウィリス」

クリスマス・ストーリーをあなたに―「まれびとこぞりて」コニー・ウィリス ―第164号 「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
(「作文工房」版)

「まれびとこぞりて」収録短編集:
・『混沌【カオス】ホテル (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)』コニー・ウィリス/著 大森望/訳 ハヤカワ文庫SF1938 2014.1.25

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6◆2016(平成28)年11月30日号(No.188)-161130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
ディケンズ『クリスマス・ブックス』から『鐘の音』」

クリスマス・ストーリーをあなたに~ディケンズ『クリスマス・ブックス』から『鐘の音』 ―第188号 「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
(「作文工房」版)

・『クリスマス・ブックス』ディケンズ/著 ちくま文庫 1991/12
―落語調訳「クリスマス・キャロル」小池滋/訳、「鐘の音」松村昌家/訳

・『クリスマス・ブックス』田辺洋子/訳 渓水社 2012
―前期(1843-48)のクリスマス中編5編を収録。「クリスマス・キャロル」「鐘の音」「炉端のこおろぎ」「人生の戦い」「憑かれた男」

 

 

7◆2017(平成29)年11月30日号(No.212)-171130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)
「クリスマス・プレゼント」梶尾真治」

クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)「クリスマス・プレゼント」梶尾真治 ―第212号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
(「作文工房」版)

「クリスマス・プレゼント」収録短編集:
・『有機戦士バイオム』梶尾真治/著 ハヤカワ文庫JA 1989.10

Yuukisensi 

 

8◆2018(平成30)年11月30日号(No.236)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(8)
『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング」

クリスマス・ストーリーをあなたに~(8)『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング ―第236号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
(「新生活」版)

・『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング/著 ランドルフ・コールデコット/挿絵 齊藤昇/訳 三元社 2016.12.1
―1920年刊『スケッチ・ブック』第5分冊(クリスマス編)を基に、コールデコットの挿絵をつけて1876年に刊行された。

Mukasinatukasii (画像:『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング/著 ランドルフ・コールデコット/挿絵 齊藤昇/訳 三元社 2016.12.1 と同作収録の『スケッチ・ブック(下)』ワシントン・アーヴィング/著 齊藤 昇/訳 岩波文庫 2015/1/17) 

 

9◆2019(令和元)年11月30日号(No.260)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)
『その雪と血を』ジョー・ネスボ」

クリスマス・ストーリーをあなたに(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ ―第260号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
(「新生活」版)

・『その雪と血を』ジョー・ネスボ/著 鈴木恵/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2018/11/20
―ノルウェーを代表するサスペンス作家が描くパルプ・ノワール。
 第8回翻訳ミステリー大賞および第5回読者賞をダブル受賞した。

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10◆2020(令和2)年11月30日号(No.283)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(10)
「ファンダーハーフェン老人の遺言状」メアリー・E・ペン」

クリスマス・ストーリーをあなたに~(10)「ファンダーハーフェン老人の遺言状」ペン-楽しい読書283号

(「新生活」版)

・メアリー・E・ペン「ファンダーハーフェン老人の遺言状」Old Vanderhaven's Will(1880)小林晋/訳 (The Argosy誌1880年12月号掲載)
『ミステリマガジン』2020年1月号(738) 2019/11/25 掲載

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(画像:メアリー・E・ペン「ファンダーハーフェン老人の遺言状」を掲載した『ミステリマガジン』2020年1月号(738) )

 

11◆2021(令和3)年11月30日号(No.307)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-
「パーティー族」ドナルド・E・ウェストレイク」

クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-「パーティー族」-楽しい読書307号

(「新生活」版)

・「パーティー族」ドナルド・E・ウェストレイク Party Animal(Playboy 1993-12) 初出『ミステリ・マガジン』2009年6月号
・ドナルド・E・ウェストレイク『<現代短篇の名手たち3> 泥棒が1ダース』木村二郎/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2009/8/21 収録

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(画像:ドナルド・E・ウェストレイク「パーティー族」収録の『<現代短篇の名手たち3> 泥棒が1ダース』ドナルド・E・ウェストレイク 木村二郎/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2009/8/21)

 

12◆2022(令和4)年11月30日号(No.331)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(12)-2022-
「飾られなかったクリスマス・ツリー」クリストファー・モーリー」

クリスマス・ストーリーをあなたに~(12)-2022-「飾られなかったクリスマス・ツリー」-楽しい読書331号

(「新生活」版)

・「飾られなかったクリスマス・ツリー」クリストファー・モーリー 浅倉久志/訳
 『ミステリ・マガジン』1997年12月号(no.501)<クリスマス・ストーリイ集>より

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 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

一回毎、一年ごとに【古典編】と【現代編】を交互に紹介してきました。

【古典編】  チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』『鐘の音』
 ワシントン・アーヴィング『昔なつかしいクリスマス』
 ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』
メアリー・E・ペン「ファンダーハーフェン老人の遺言状」
 クリストファー・モーリー「飾られなかったクリスマス・ツリー」

【現代編】  トルーマン・カポーティ「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」
 アガサ・クリスティー「水上バス」
 コニー・ウィリス「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」「まれびとこぞりて」
 梶尾真治「クリスマス・プレゼント」、ジョー・ネスボ『その雪と血を』
 ドナルド・E・ウェストレイク「パーティー族」

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2023.07.31

<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・筒井康隆『時をかける少女』-楽しい読書347号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年7月31日号(No.347)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・
筒井康隆『時をかける少女』わが青春の思い出の一冊」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年7月31日号(No.347)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・
筒井康隆『時をかける少女』わが青春の思い出の一冊」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2023から――。

 昨年同様、一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介します。

 第二回は、角川文庫から筒井康隆『時をかける少女』を取り上げます。

 

新潮文庫の100冊 2023
https://100satsu.com/

角川文庫 カドブン夏推し2023
https://kadobun.jp/special/natsu-fair/

集英社文庫 ナツイチ2023 この夏、一冊分おおきくなろう。
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
よまにゃチャンネル - ナツイチ2023 | 集英社文庫
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/yomanyachannel/

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(画像:新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023小冊子3点)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ 2023年テーマ:わが青春の思い出の一冊 ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(2)
  角川文庫・筒井康隆『時をかける少女』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●角川文庫 カドブン夏推し2023

カドブン夏推し2023/しらない世界とつながる!
13点 既読:0

カドブン夏推し2023/驚きの謎とつながる!
15点 既読:0

カドブン夏推し2023/語りつがれる想いとつながる!
22点 既読:D坂の殺人事件、蜘蛛の糸・地獄変、海と毒薬、檸檬、
      吾輩は猫である、坊っちゃん、こころ、走れメロス、
      少女地獄、注文の多い料理店、銀河鉄道の夜、馬鹿一、
      羅生門・鼻・芋粥、人間失格、
      ビギナーズ・クラシックス源氏物語(15点)

カドブン夏推し2023/心揺さぶるラストへつながる!
20点 既読:0

カドブン夏推し2023/大人も子どももみんながつながる!
25点 既読:アルケミスト、時をかける少女(2点)

五つのジャンルで95点の中から選べます。

既読といっても、角川文庫版ばかりではなく、
他社版も含めてのもので、近代の日本文学の名作ぐらいですね。
短編集に関しては、内容はそれぞれですので、表題作に関して、
というところです。

最近の作家やその作品は、私にとって、
結構知らない、読んだことのない作家・作品ばかり、
ほとんど手つかず状態です。
そこから選ぶのは非常にむずかしい。

というわけで、未読の作家・作品を選ぶのがいいのでしょうけれど、
新潮文庫では新顔作家を取り上げましたので、
今回は、思い出の作品ということで、既読の本の中から選びましょう。

 

 ●大人も子どももみんながつながる!―『時をかける少女』筒井 康隆

そんな中から選んだのは、
<大人も子どももみんながつながる!>25点中から

 ↓

『時をかける少女』筒井 康隆 角川文庫 新装版 2006/5/25

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(画像:筒井康隆『時をかける少女』と「角川文庫 カドブン夏推し2023」フェア小冊子)
(画像:筒井康隆『時をかける少女』と「角川文庫 カドブン夏推し2023」フェア小冊子の該当ページ)
 

思い出の一冊です。

ある意味で、古典中の古典ともいうべき一冊ですね。

1960年代のジュブナイルSFの名作で、
1970年代から、初々しいヒロインによる青春ドラマとして、
度々テレビ・ドラマに映画にアニメに、
と映像化され続けてきた作品です。

中学時代からSF作品には触れていましたが、
この作品もそういう中学生向けのジュブナイルSFでした
(原作は、学年別学習雑誌、学習研究社『中学3年コース』
 1965年11月号~『高校一年コース』1966年5月号連載)。

 ・・・

映像化作品については、本書の巻末の江藤茂博さんの解説
(「時をかける少女」の文彩(フィギュール))で紹介されています。

まずは、それら映像作品について書いておきましょう。

 

 ●「NHK少年ドラマシリーズ」第一作『タイム・トラベラー』

私が最初に見たのは、1972年1月1日~2月5日(6回)放送
「NHK少年ドラマシリーズ」の一作、『タイム・トラベラー』
(脚本:石山透 主演:島田淳子=浅野真弓)でした。

放送は、私が高校の三年生のお正月からですね。
毎回楽しみに見ていました。

この時間帯(夕方6時代)は昔から子供向け番組が放送されていました。
『ひょっこりひょうたん島』など人形劇が有名でしたが、
それまでの時間帯にドラマが放送されました。

好評で続編『続 タイム・トラベラー』
(昭和47年11月4日~12月2日/5回)も作られました。

『タイム・トラベラー』は、全6話。
原作よりも多くの登場人物を配置し、精神科のお医者さんらも登場、
早い段階でネタ――自分で発明した薬品で、
27世紀の未来からタイム・リープ(時間跳躍)してきた、
ケン・ソゴルが未来へ帰るための秘薬の実験の事故で、
中学三年生のヒロイン芳山和子がタイム・トラベラーとなった――
を割り、ヒロインと未来人の男性のタイム・トラベルの冒険を
科学者が解明しようとしたり、複雑なストーリーに仕立てています。
最終的な結末――過去や未来は変えられない――は同じなのですけれど。

 

今回、何十年ぶりかでシナリオを読んでみますと、
こういう内容だったか、と記憶のなさにびっくり。
印象が変わってきました。

原作は、文庫本100ページぐらいのが中編で、
割とストレートにストーリーが進みます。

連続ドラマということで、膨らませた部分があるということですね。

当時の男の子はタイム・トラベルのSFの部分とその冒険に、
女の子はヒロインの異常な事態による不安と「彼」との冒険に
心ときめかしたのでしょう。

 ・・・

「NHK少年ドラマシリーズ」では、もう一作、
筒井康隆の作品を原作とする名作がありました。

多岐川裕美主演で、テレパス(精神感応者)の七瀬と、
その仲間となる超能力者たちの冒険物語『七瀬ふたたび』です。
これは、人の心が読めるテレパスの飛田七瀬のシリーズ全三作の第二作。

私の選ぶ「NHK少年ドラマシリーズ」のベスト3の一つです。
(残りの一つは、新田次郎原作の『つぶやき岩の秘密』――
 石川セリが歌った主題歌「遠い海の記憶」が印象的でした。)

*参照:
・『タイム・トラベラー』石山透 大和書房 1984/2/1

――1972年、NHKドラマ『タイム・トラベラー』全6話、と
 続編『続・タイム・トラベラー 』全5話のシナリオ集。巻末に
 「NHK少年ドラマシリーズ放送作品リスト」、主題歌楽譜を収録。

・『タイム・トラベラー』石山 透 復刊ドットコム 新装版 2016/12/13

・雑誌『東京おとなクラブ 5号』(1985年6月1日)
 <タイムトラベラーと少年ドラマシリーズ>特集・号
――「NHK少年ドラマシリーズ」のリストと解説や、
 第一作『タイム・トラベラー』制作者のインタビューなど。

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(画像:角川文庫・筒井康隆『時をかける少女』(2006年新装版)と
「NHK少年ドラマシリーズ」シナリオ集『タイム・トラベラー』石山透・著(大和書房 1984/2/1)と
『カドカワ フィルム ストーリー 時をかける少女』原田知世主演 大林宣彦監督作品 角川文庫 ‎1984/11/1と
雑誌『東京おとなクラブ』5号(「NHK少年ドラマシリーズ」特集から『タイム・トラベラー』の一シーン写真)

・『七瀬ふたたび』筒井 康隆 新潮文庫 改版 1978/12/22
――テレパス(精神感応者)飛田七瀬シリーズ全三作の第二作の長編。
 第一作・連作短編集『家族八景』第三作・長編『エディプスの恋人』。

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(画像:筒井康隆『時をかける少女』と
テレパス(精神感応者)飛田七瀬シリーズ全三作の第二作の長編『七瀬ふたたび』(筒井 康隆 新潮文庫 改版 1978/12/22) 第一作・連作短編集『家族八景』 第三作・長編『エディプスの恋人』)

 ●大林宣彦監督、原田知世主演『時をかける少女』

二度目の映像化が、1983年7月公開の角川映画による
大林宣彦監督、原田知世主演『時をかける少女』でした。

連続ドラマと違い、一気に見せる映画ですので、
ストーリーも比較的ストレートに進行します。

主人公・芳山和子は高校生となり、
舞台も尾道と限定され、また違った雰囲気のお話になっています。

私はラストの薬学教室へ向かう場面で、
タイム・トラベルに関する記憶を奪われた、
大人になった芳山和子が“再来”したケン・ソゴルと出くわし、
何かを感じる和子の様子が印象的でした。

・『カドカワ フィルム ストーリー 時をかける少女』筒井康隆原作
大林宣彦監督作品 角川文庫 昭和59年 ‎1984/11/1

 

 ●その他の映像化作品

その他の映像化作品については、見ていません。

内田有紀主演のフジテレビ系の連続テレビ・ドラマがありました。
それは知っています。

また、この文庫本の新装版のカバーになっている、
劇場版アニメのことも知ってはいます。

懐かしさを感じたものの、改めてみるということはありませんでしたね。

私の場合、先の二作のイメージが強烈に残っていて、
他の作品を受け入れるのは、ちょっと……という気持ちだった、
ということでしょうか。

 

 ●『時をかける少女』の切なさと希望

改めて原作の『時をかける少女』にもどりましょう。

この作品の急所といいますか、象徴的存在がラベンダーの香りです。

文中にもありますように、香水に使われたりして、
よく知られた香りなのでしょうけれど、
私が思い浮かべるのは、北海道のラベンダー畑ですね。

ドラマ『タイム・トラベラー』では、実際にケン・ソゴルが北海道へ、
ラベンダーを探しに行きます。

このラベンダーの香りというのが、
この作品を非常にロマンチックなものにしています。

お花と少女と、幼い頃からの同級生だったはずの男の子――
その彼との別れとともに、共に過ごしたはずのその記憶すら失われる、
という切ない初恋の物語。

《ただ、ラベンダーのにおいが、やわらかく和子のからだをとりまく時、
 かの女はいつもこう思うのだ。/
 ――いつか、だれかすばらしい人物が、
 わたしの前にあらわれるような気がする。
 その人は、わたしを知っている。
 そしてわたしも、その人を知っているのだ……。/
 どんな人なのか、いつあらわれるのか、それは知らない。
 でも、きっと会えるのだ。そのすばらしい人に……
 いつか……どこかで……。》p.115

 

切なくも優しい物語です。

多くの人は映像化作品でストーリーはご存知だったろうと思います。
しかし、実際に読んでみるのとではまた違うでしょう。

小説の方が、もっと心優しいお話、という感じがするのは、
私だけでしょうか。

他の筒井康隆さんの小説をほとんど読んでいませんので、
よくわかりませんが、筒井さんのものとしては、
本当にストレートな小説なのかもしれません。
ジュブナイルならでは、かもしれませんけれど。

若い人も老いたる人も、一度は読んでいただきたいものです。

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本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・筒井康隆『時をかける少女』わが青春の思い出の一冊」と題して、今回も全文転載紹介です。

青春時代の思い出の一冊でもあり、私より下の世代の方にも映像化作品でおなじみの一作ではないでしょうか。
それぞれの世代毎に作品は違っているでしょうけれど、それぞれの思い出をお持ちのことと思います。
しばしの間、思い出に浸るのもよいかと思います。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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2023.04.15

私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後)-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」
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  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」
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*「前編」も見てね! 「前編」はこちらで↓
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(9:40 配信済み)

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 今回は、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その4回目です。

 別個に2本のメルマガを書くのが面倒になってきまして、
 2本一気に、という企みです。

 ご容赦!

 

【過去のコラボ】

■1回目――

ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで

 年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
 左利きに関する記述の該当箇所

などの情報を紹介しました。
そのまとめ編でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

20.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

 

■2回目――

「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた
<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを

 年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)

をリスト化して紹介しました。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

 

■3回目――

【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

2022.10.15
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
左利きミステリ~-週刊ヒッキイ第628号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-39e67a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ad9796a23bf53cf6eb0e80182a9d7b6a

<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
私の自作左利きミステリ-「楽しい読書」第328号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-1a4b2b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/03236262a34a6ee2e03b42bff06e3267

 

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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(前編)

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 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(後編)

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

今回は、<日本国内編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

------------------------------------------------------------------
 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [番外編]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [ホラー]:ホラー [SF]:SF
------------------------------------------------------------------

<左利きミステリ>の登場人物・分類表

(探)◆:左利きの探偵/探偵役
(被)▲:左利きの被害者
(犯)●:左利きの犯人
(容)▼:左利きの容疑者
(他)■:左利きのその他の事件関係者
(脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>: <日本国内編>リスト(後編)2000年代

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(画像:<左利きミステリ>国内編(狭義のミステリ=推理小説)―手持ちの文庫本諸作品)

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(画像:<左利きミステリ>国内編(ホラー、SF&ファンタジー等)―手持ちの文庫本諸作品) 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

・2003「書肆に潜むもの」井上雅彦 (他)■
――左利きの少年が遭遇した貸本屋での怪しの世界
初出:『ミステリーズ!』2003年9月号(季刊誌)
(収録短編集)
『遠い遠い街角』井上雅彦 東京創元社 2007/6/1

『古書ミステリIII』ミステリ文学資料館編 光文社文庫 2015/5/12

 

 

・2003「大喝采」横田順彌 [SF] (他)■<左右関連>
――明治時代を舞台に、日本SFの父・押川春浪とその弟子の科学小説家・
 鵜沢龍岳ものの一編。左右逆転の世界に瞬間的に転移した怪異譚。
初出:日本古典SF研究会会誌『未来趣味』第十号
 『SFマガジン』2019年6月号 <追悼・横田順彌>小説再録
(収録短編集)
『押川春浪回想譚』横田順彌 出版芸術社 2007/5/1

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第561号(No.561) 2019/12/21「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(38) 小説編:左右反転世界「大喝采」横田順彌」
2019.12.21
右用と左用の違い(38)小説編左右反転世界「大喝采」横田順彌-
左利きで生きるには週刊ヒッキイ561号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/12/post-24c855.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0ba543b6e210a8a6e9f74a3aa7732c50

 

・(2005.1)『サウスポー・キラー』水原秀策 (探)◆(被)▲(犯)●
――プロ野球人気球団売り出し中の若手サウスポー投手・沢村が
 事件に巻き込まれるスリラー。サウスポー投手だけが被害に…。
初出『サウスポー・キラー』宝島社 2005/1/27

『サウスポーキラー』宝島社文庫 2007年01月

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第373号(No.373) 2013/7/20「名作の中の左利き
~推理小説編18~左腕投手の悲劇『サウスポー・キラー』水原秀策」
2013.7.24
名作~推理編18『サウスポー・キラー』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii373号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/07/18-hikkii373-57.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/15b7bd7b5699aa989132264fd760573c

 

・(2007.9)「心臓と左手」石持浅海 (被)▲
――安楽椅子探偵ものの連作短編。左利きの新興宗教教祖の死後、
 奪われた左手の謎。
(収録短編集)
『心臓と左手 座間味くんの推理』石持浅海 光文社文庫 2009.9.20

『心臓と左手 座間味くんの推理』光文社 カッパ・ノベルス 2007/09/21

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第335号(No.335) 2012/10/20「名作の中の左利き
~推理小説編12~聖なる「心臓と左手」石持浅海」
2012.10.24
名作の~推理小説編12「心臓と左手」石持浅海~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii335号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/10/12-hikkii335-c2.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/aa2d978cfd74b7bcfc3bcad8ebb70875

 

・(2009.4)『ひだり』倉阪鬼一郎 [ホラー]<左右関連>
――右回りの路線バスなど、「左」が封印されている町で起きる惨劇
『ひだり』倉阪鬼一郎 角川ホラー文庫 2009/4/25

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第269号(No.269) 2011/7/16
「名作の中の~番外編-4-夏の夜は怪談話『ひだり』倉阪鬼一郎」
2011.7.23
週刊ヒッキイhikkii269名作の中の~番外編4怪談話
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/07/hikkii2694-bf42.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/604369ebde9ee5104d247d24b5f33f1d

 

・(2009.10)『小太郎の左腕』和田竜 [時代小説]
――戦国時代のヒーロー、左構えの銃を手にした左利きの天才児の物語
『小太郎の左腕』小学館 2009/10/28

『小太郎の左腕』和田竜 小学館文庫 2011/9/6

 

・(2010.6)「左手の記憶」新津きよみ [ホラー]
――両親の死後引き取られた叔父に左利きを強制的に
 右に転換させられた小説家が商売道具の右手をケガし…。恐怖小説。
(「左手の記憶」収録短編集)
『指先の戦慄』新津きよみ 角川ホラー文庫 2010/6/25

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第218号(No.218) 2010/7/3<LHM>宣言!“左利き紳士・淑女録”(2)
【おまけコーナー】【左利きの作家】
2010.7.3
今週の-週刊ヒッキイhikkii218<LHM>宣言!“左利き紳士・淑女録”(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2010/07/-hikkii218lhm2-.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/aeb578d0000182a05b1e38fedc4e3d0c 

 

・(2011.10)『シューメーカーの足音』本城雅人 (犯)●?
――ロンドンに店を持つ野望に燃えるカリスマ的日本人靴職人 対
 日本の左利きの靴修理屋の青年靴職人。
『シューメーカーの足音』本城雅人 講談社文庫
『シューメーカーの足音』本城雅人 幻冬舎 2011.10

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第313号(No.313) 2012/5/19
「名作の中の左利き~推理小説編7『シューメーカーの足音』本城雅人」
2012.5.24
左利きの靴職人『シューメーカーの足音』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii313号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/05/hikkii313-1875.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3a0140d7aba6f6769f2f40b88bbae778

 

・(2011.10)『ゴーグル男の怪』島田荘司 (犯)● (容)▼
――傷跡から左利きの犯行とされる。容疑者は六人中三人が左利き。
島田荘司『ゴーグル男の怪』新潮社 2011.10.30

『ゴーグル男の怪』島田荘司 新潮文庫 2018/2/28

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第390号(No.390) 2013/11/16
「名作の中の左利き ~推理小説編22~左利きが多すぎる?
 島田荘司『ゴーグル男の怪』」
2013.11.20
左利きが多すぎる?島田荘司『ゴーグル男の怪』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii390号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/11/hikkii390-0821.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/fff282610600bc6af736673a4479dedf

 

・(2011.11)『ゴースタイズ・ゲート 「イナイイナイの左腕」事件』
 中井拓志 [ホラー] (犯)●
――霊能鑑識事件簿。ネットの心霊動画職人の怪死事件。
 被害者の傷跡から犯人は左利き…。
『ゴースタイズ・ゲート 「イナイイナイの左腕」事件』
中井拓志/著 角川ホラー文庫(2011.11.25)

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第377号(No.377) 2013/8/17「名作の中の左利き
~推理小説編19~左腕の悲劇『ゴースタイズ・ゲート』中井拓志」
2013.8.21
名作~推理編19~左腕の悲劇『ゴースタイズ・ゲート』
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii377号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/08/19-hikkii377-30.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/df1079ecdb4f13fbc131f2f7edb8a20a

 

・(2012/2)『ヘルたん』「第二話 ミラー・ツイン」愛川 晶
――認知症の元探偵の居候となった左利きの青年はヘルパーになるという
 ヘルパー探偵もの三話仕立ての連作長編。一方が左利きの一卵性双生児
 (ミラー・ツイン)が関わる過去の事件。双子の見分け方の謎。
『ヘルたん』愛川 晶 中央公論新社 (2012/2/24)

『ヘルたん』愛川 晶 中公文庫

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第322号(No.322) 2012/7/21「名作の中の左利き
~推理小説編9~『ヘルたん』愛川 晶」
2012.7.26
名作~推理小説編9『ヘルたん』愛川晶~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii322号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/07/9-hikkii322-50d.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/42fcf9f99f71830b2fd012365f172333

 

・2013.1-9 (2014)『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 (犯)●
――連続コンビニ強盗の犯人の一人が左手に凶器を持つ左利きらしい。
 事件を追う新聞記者は逃げる男がエレベーターに乗るのを目撃…。
初出:『週刊朝日』2013年1月4/11日号―9月6日号
『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 朝日新聞出版 2014/2/7

『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 朝日文庫 2017/2/7

 

・(2014.10)『ヘルたん ヘルパー探偵とマドンナの帰還』愛川晶
 (探)◆
――探偵が左利き(今回は、これといって左利きネタはなし。
 左利きですという記述のみ。)
『ヘルたん ヘルパー探偵とマドンナの帰還』愛川晶 中央公論新社
 2014.10.25

 

・(2017.9)「左利きの鬼」宇佐美まこと [ホラー]
――左利きの子供をのせた自転車とぶつかったオートバイの左利きの女。
 子供に優しい女の正体は? 
短編集『角の生えた帽子』宇佐美まこと KADOKAWA 2017/9/22

『角の生えた帽子』宇佐美まこと 角川ホラー文庫 2020/11/21

 

・(2019.3)『レフトハンド・ブラザーフッド』知念実希人 [番外編]
――左手に死んだ兄が宿った高校生が兄と巻き込まれた殺人事件に挑む。
『レフトハンド・ブラザーフッド』文藝春秋 2019/3/14

『レフトハンド・ブラザーフッド 上下』文春文庫 2021/11/9

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」と題して、今回も全文転載紹介です。

「前編」でも書きましたが――

--
今回は遂に日本人作家による<左利きミステリ>の<国内編>です。
10年ぐらい前から、本誌で左利きの人を主人公にした、あるいは左利きの人が登場する、左利きに関連した小説を紹介するコーナーを始め、その中から推理小説を紹介するシリーズを新たに開始しました。
それが、<左利きミステリ>です。

左利きをトリックに利用した推理小説や推理ものや刑事ものサスペンスもののテレビドラマなども多く見かけられます。
映像ものの場合は、左利きという行動は「見せやすい」のが一因かもしれません。

実際には、世間の人が思っている以上に左利きの人というのは存在するのですが、忘れられているのでしょうね。

というわけで、私がコツコツと見つけた作品をリスト化してみました。
三十本ほどです。

もちろん、実際にはもっと多くの作品が出ているとは思いますが、私の見つけた範囲の作品がこれらです。

こういうのもあるよ、という情報をお待ちしています。
よろしく!
--

2000年代は、まだまだ未調査なパートですので、これからどんどん見つかるのではないか、と思っています。
なぜなら、昔に比べ、左利きの人をまちでよく見かけられるようになった、というのが理由ですけど。

逆に言えば、一般的に多く見られるようになれば、希少性が減り、人物を特定する要素としては弱くなるという面もあり、<左利きミステリ>として成立させるのは難しくなるかもしれませんね。

さてさて、どうなのでしょうか。

 ・・・

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私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画

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 今回は、私の発行しているメルマガ
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【過去のコラボ】

■1回目――

ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで

 年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
 左利きに関する記述の該当箇所

などの情報を紹介しました。
そのまとめ編でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

20.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

 

■2回目――

「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた
<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを

 年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)

をリスト化して紹介しました。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

 

■3回目――

【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

2022.10.15
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
左利きミステリ~-週刊ヒッキイ第628号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-39e67a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ad9796a23bf53cf6eb0e80182a9d7b6a

<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
私の自作左利きミステリ-「楽しい読書」第328号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-1a4b2b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/03236262a34a6ee2e03b42bff06e3267

 

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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(前編)

 × × × × × × × × × × × × × × × ×

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(後編)

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

今回は、<日本国内編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

 

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 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [番外編]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [ホラー]:ホラー [SF]:SF
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表

(探)◆:左利きの探偵/探偵役
(被)▲:左利きの被害者
(犯)●:左利きの犯人
(容)▼:左利きの容疑者
(他)■:左利きのその他の事件関係者
(脇)╋:脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物

 

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>:<日本国内編>リスト(前編)1900年代

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(画像:<左利きミステリ>国内編(狭義のミステリ=推理小説)―手持ちの文庫本諸作品)


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(画像:<左利きミステリ>国内編(ホラー、SF&ファンタジー等)―手持ちの文庫本諸作品) 

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・1948「アンゴウ」坂口安吾 (容)▼?
――戦死した左利きの友人の蔵書にはさまれた「暗号」文。
 戦後妻の愛撫を受ける習性の変化…。
初出:『別冊サロン』1948年5月号
(本作収録短編集)
『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)
―【小特集1/アニメ「UN-GO」】から原作。
『日本探偵小説全集 10 坂口安吾集』(創元推理文庫 1996)より再録

『桜の森の満開の下・白痴 他十二篇』坂口安吾 岩波文庫 2008.10
―安吾の代表的な短編を集めたもの。

『戦時下の青春 (コレクション 戦争×文学)』集英社 2012.3
―野坂昭如『火垂るの墓』他、戦時下の青春を描く文学作品集。

『古書ミステリー倶楽部II』ミステリー文学資料館/編 光文社文庫
2014/5/13
―古書を題材にした作品集。

 

(関連作品)
・UN-GO第6話脚本「あまりにも簡単な暗号」會川昇
 『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)
<UN-GO第6話脚本「あまりにも簡単な暗号」會川昇>
アニメ『UN-GO』第3巻 初回限定生産版Blu-ray
―第6話から第8話を収録。

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第304号(No.303) 2012/3/17「名作の中の左利き
 ~推理小説編5「アンゴウ」坂口安吾」
2012.3.24
坂口安吾「アンゴウ」名作の中の左利き~推理小説編5~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii304号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/03/5-hikkii304-66e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9c6612ea005ecae70727661b14446e28

 

・1959-1960(1961)『霧の旗』松本清張 (犯)●
――冤罪を受けた男の妹が左利きの犯人を暴こうとする物語。
 初出:『婦人公論』1959年7月号~1960年3月号連載
  1961年3月、中央公論社刊
『霧の旗』松本清張(新潮文庫 昭和47.1.30発行/
 平成15.9.10 41刷改版/平成20.7.10 51刷)

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第317号(No.317) 2012/6/16「名作の中の左利き
~推理小説編8~『霧の旗』松本清張」
2012.6.21
名作~推理小説編8『霧の旗』松本清張:
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii317号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/06/8-hikkii317-5c5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ea53289cc83c3eb73f0733ab31121f8a

 

・1971(昭和56)年 (1981)「兄弟」阿刀田高 (犯)●?
――双子の兄弟の片割れとの扱いの違いに悩むもう一方の片割れのお話。
 初出:東京新聞等 昭和56年(1981)5月31日
(収録短編集)
『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 2009.1.15

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第291号(No.291) 2011/12/17「名作の中の左利き~推理小説編
 -3-「兄弟」阿刀田高」
2011.12.29
阿刀田高「兄弟」とLYGP2012:
メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」291、292号告知
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/12/lygp2012-hikkii.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8067fe3bf2ee0e82e960e5259cc9b509

 

・(1972.6)『鏡の国のアリス』広瀬正 [SF] (他)■
――左右逆転の世界に転移した左利きのサキソフォン奏者の青年の物語。
初出:1972年6月(1972年3月9日死去,3ヶ月後)河出書房新社書き下ろし
『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫 1982/5/1

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第639号(No.639) 2023/4/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(11)広瀬正『鏡の国のアリス』より」
2023.4.1
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界
(11)広瀬正『鏡の国のアリス』より-週刊ヒッキイ第639号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-bd12d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/da5e6246a452d429fefd7456233ff4a5

 

・1978(1980)「第二話 偽装の殺人現場」「第三話 消えた配偶者」
 山村美紗(『京都殺人地図』)(容)▼
――京都府警捜査一課の検視官の警視・江夏冬子の事件簿。
 (第二話)被害者の傷跡から左利きの犯人と断定。
 容疑者の中から左利き捜し。(第三話)同じく左利きの犯人捜し。
 左利きを示す証拠。
初出:「第二話 偽装の殺人現場」『問題小説』昭和53年1月号
 「第三話 消えた配偶者」『問題小説』昭和53年9月号
初出単行本:『京都殺人地図―女検視官江夏冬子』
『京都殺人地図』山村美紗 文春文庫 1988.3.10
『京都殺人地図』山村美紗 徳間書店 Tokuma novels 昭和55(1980)年10月

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第368号(No.368) 2013/6/15「名作の中の左利き
~推理小説編17~検視官の見る左利きの特徴・山村美紗」
2013.6.18
名作~推理編17~山村美紗『京都殺人地図』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii368号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/06/17-hikkii368-1d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4046bc5e70c8002d237372c8fffdf2e1

 

・1978「ある東京の扉」連城三紀彦 [番外編]<左手>
――「右手のための協奏曲」というアリバイ・トリック小説。
 ラヴェル「左手のための協奏曲」をモチーフに。
 初出:1978(昭和53)年3月号
(収録短編集)
『変調二人羽織』連城 三紀彦/著 光文社文庫 2010/1/13

 

・1980「最期のメッセージ」阿刀田高 (被)▲
――左利きの被害者の残したダイイング・メッセージの謎解き。
初出:『瑠伯』1980(昭和55)年夏季号
(収録短編集)
『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 2009.1.15

 

・1982.10「停電にご注意」鮎川哲也 (他)■
――安楽椅子探偵<三番館>シリーズ。
 アリバイの時刻を示す証拠の写真の人物がみな左利きという謎。
初出:『小説推理』昭和57年10月
(収録短編集)
『クライン氏の肖像―三番館の全事件III』<鮎川哲也名探偵全集>
出版芸術社(平成15年4月)収録。

『材木座の殺人』鮎川哲也 創元推理文庫 2003/8/1

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第364号(No.364) 2013/5/18「名作の中の左利き
~推理小説編16~全員が左利きの謎「停電にご注意」鮎川哲也」
2013.5.22
名作~推理編16~全員が左利きの謎・鮎川哲也~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii364号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/05/16-hikkii364-3b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/cf81d782cad9508f380fe8b154670cb5

 

・(1982.6)『春夏秋冬殺人事件』「冬の部 団地警察殺人事件」齋藤栄
 (被)▲
――右使いの左利きの被害者、自殺偽装殺人事件。連作短編集のラスト。
 左利きならではの場面はなく、<左利きミステリ>としては名目だけ。
『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄 双葉社 1982/6 

『春夏秋冬殺人事件』 祥伝社 ノン・ポシェット 1995/4

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第420号(No.420) 2014/6/21 「名作の中の左利き~推理小説編27~
齋藤栄『春夏秋冬殺人事件』」
2014.6.25
左利きミステリ『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii420号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/06/hikkii420-a208.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/2479f287f13c41d921ee64bb97abd4db

 

・(1989.4)『8の殺人』我孫子武丸 (犯)● (容)▼
――“8の字屋敷”で起きた連続殺人。左肩にボウガンを構えた犯人…?
『新装版 8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(2008/4/15)

『8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(1992.3.15)

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第382号(No.382) 2013/9/21「名作の中の左利き
~推理小説編20~左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸」
2013.9.26
左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/09/hikkii382-d77d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56e12e92f4f6e9b32b29cf54de39238a

 

・(1991.9)『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕 (犯)●
――小説内小説『歳時記(ダイアリイ)』。本筋の事件で、道具と使い手、
 機械と使い手と積極的・消極的な左利きの見分け方、誰が左利きか?
 左利きの人への敬意も…。
『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕/著 東京創元社 <黄金の13>1991/9/1

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第415号(No.415) 2014/5/17「名作の中の左利き~推理小説編26~
『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕」
2014.5.21
左利きミステリ『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii415号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/05/hikkii415-a170.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79180db6972e602d256fcbcb05f6e74d

 

・(1991.12)『朝霧高原殺人事件』和久峻三 (被)▲
――赤かぶ検事と行天燎子警部補のシリーズ。指のペンだこから左利きと。
『朝霧高原殺人事件』和久峻三 光文社文庫―赤かぶ検事シリーズ 1991.12

『朝霧高原殺人事件―赤かぶ検事シリーズ』和久峻三 講談社文庫 2000.8

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第360号(No.360) 2013/4/20「名作の中の左利き
~推理小説編15~左利きの会の謎『朝霧高原殺人事件』和久峻三」
2013.4.25
左利きの会と赤かぶ検事『朝霧高原殺人事件』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii360号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/04/hikkii360-4825.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bbf9a8ce165f6b1fc5009f35867abc96

 

・(1995.7)『左手のパズル』萩尾望都 [ファンタジー]
――チェロを弾く16歳の少年ジョシュアがたどった、数奇な運命
 左と右を間違う左利きの少年の幼少時の秘密を繙く
『左手のパズル』萩尾望都/文 東逸子/絵 新書館 1995/7/13

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第185号(No.185) 2009/6/20「名作の中の左利き(3)『左手のパズル』」 

 

・(1996.6)『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 (被)▲ (容)▼
――加賀恭一郎シリーズ。一部右使い左利きの妹の自殺偽装の殺人事件。
 警察官の兄が割り出した容疑者は…。容疑者も犯人も左利き?
『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社ノベルス 1996/6/1

『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社文庫‎ 1999/5/14

 

・(1997.6)「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩 (被)▲
――異常な探偵による本格謎解き短編。急行列車内の作家殺人事件。
 右手の三本指で作った輪っかの謎。作家が左利きと知らなかった犯人。
(収録短編集)
『メルカトルと美袋のための殺人』麻耶雄嵩/著 講談社ノベルス 1997.6

『メルカトルと美袋のための殺人』麻耶雄嵩/著 集英社文庫 2011/8/19

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第411号(No.411) 2014/4/19「名作の中の左利き~推理小説編25~
「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩」
2014.4.23
左利きミステリ「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii411号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/04/hikkii411-2f88.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6bf7ba85b5fbcb0e23a8a6b66aa2fe9d

 

・(1997)『三月は深き紅の淵を』「第二章 出雲夜想曲」恩田陸 (他)■
――左利きの謎の覆面作家の正体を探し出すという趣向のミステリ
『三月は深き紅の淵を』恩田陸/著 講談社文庫 2001.7.13

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第296号(No.296) 2012/1/21「名作の中の左利き
 ~推理小説編4恩田陸」
2012.1.25
『三月は深き紅の淵を』恩田陸:
メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」296号告知
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/01/hikkii296-ac56.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/153a74e42e321eed64aa0da07e7a3d16

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」と題して、今回も全紹介です。

私の発行しているメルマガ二誌における<左利きミステリ>のコラボ4回目です。

今回は遂に日本人作家による<左利きミステリ>の<国内編>です。
10年ぐらい前から、本誌で左利きの人を主人公にした、あるいは左利きの人が登場する、左利きに関連した小説を紹介するコーナーを始め、その中から推理小説を紹介するシリーズを新たに開始しました。
それが、<左利きミステリ>です。

左利きをトリックに利用した推理小説や推理ものや刑事ものサスペンスもののテレビドラマなども多く見かけられます。
映像ものの場合は、左利きという行動は「見せやすい」のが一因かもしれません。

実際には、世間の人が思っている以上に左利きの人というのは存在するのですが、忘れられているのでしょうね。

というわけで、私がコツコツと見つけた作品をリスト化してみました。
三十本ほどです。

もちろん、実際にはもっと多くの作品が出ているとは思いますが、私の見つけた範囲の作品がこれらです。

こういうのもあるよ、という情報をお待ちしています。
よろしく!

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

 

 

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2022.08.31

新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(3)集英文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸-「楽しい読書」第325号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書-322号【別冊 編集後記】

2022(令和3)年8月31日号(No.325)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(3)集英文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和3)年8月31日号(No.325)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(3)集英社文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2022から――。

 当初は、年一回7月末に、
 三社の文庫フェアから一冊ずつ紹介していました。

 近年は、読書量の減少もあり、
 自分にとっての“新規の作家を発掘”しようという試みもあり、
 7月、8月の月末二回程度に分けて紹介してきました。
 
 で、今年は一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介しよう
 と思います。

 一号遅れましたが、三回目――最終回は、集英社文庫です。

 

新潮文庫の100冊 2022
https://100satsu.com/

角川文庫 カドブン夏フェア2022
https://kadobun.jp/special/natsu-fair/

集英社文庫 ナツイチ2022
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

220711natu-no-bunko2022

 

~<夏の文庫>三社フェア2022・第一回~

2022(令和3)年7月15日号(No.322)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(1)
新潮文庫『老人と海』ヘミングウェイ(高見浩訳)」
2022.7.15
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(1)新潮文庫『老人と海』
-「楽しい読書」第322号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-0bc97e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a3c96264c4e3a66832a5f013d7dfd965

~<夏の文庫>三社フェア2022・第二回~

2022(令和3)年7月31日号(No.323)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(2)角川文庫『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外」
2022.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(2)
角川文庫『山椒大夫~』森鴎外-「楽しい読書」第323号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-b6a16c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/68c6961aff920da9831353e34d8a34e3

 

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 ◆ 2022テーマ(3)<ピープル>シリーズへのオマージュ ◆
  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
  (3)集英社文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●恩田陸「あとがき」より

恩田陸さんの本を読むのは、これが3冊目。
一冊目は、左利きミステリの中編を含む連作長編
『三月は深き紅の淵を』 (講談社文庫)
二冊目は、『ライオンハート』 (新潮文庫) でした。
今回が三冊目。
<夏の文庫>フェアの<新顔作家>テーマといってもいいでしょう。

<集英社文庫 ナツイチ2022>からは、この恩田陸さんの
『光の帝国 常野物語』を取り上げます。

集英社文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸 2000/9/20

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この作品は、以前から読んでみたいと思っていた作品で、
ようやく手に取ることになりました。

なぜこの作品に興味を持っていたか、といいますと、
恩田さん自身が「あとがき」にも書かれていますように、
ある作家の代表作へのオマージュ作品だったからです。

その作家と作品とは、
若い頃から私の好きな作家だったゼナ・ヘンダースンという、
アメリカの1950年代から60年代にかけて活躍した女性SF作家で、
その代表作が私の大好きな作品だった、
<ピープル>シリーズという一連の短編連作シリーズでした。

恩田さんの弁によれば、

《子供の頃に読んだお気に入りのSF》

で、

《宇宙旅行中に地球に漂着し、
 高度な知性と能力を隠してひっそり田舎に暮らす人々を、
 そこに赴任してきた女性教師の目から描くという短編連作で、
 穏やかな品のいいタッチが印象に残っている。》

という作品です。

恩田さんは、この<ピープル>シリーズへのオマージュとして
この『光の帝国 常野物語』を書かれたわけで、
この短編集は、<ピープル>シリーズ同様に、
一話毎に主人公を変えて書かれた一連の短編集です。

<常野物語>としては、以後第2弾の長編『蒲公英草紙 常野物語』
第3弾の長編『エンド・ゲーム 常野物語』が書かれています。

 

◎<常野物語>シリーズ第2弾
『蒲公英草紙 常野物語』恩田 陸 集英社文庫 2008/5/20

◎<常野物語>シリーズ第3弾
『エンド・ゲーム 常野物語』恩田 陸 集英社文庫 2009/5/20
―『光の帝国 常野物語』の「オセロ・ゲーム」の主人公、拝島暎子と
 娘の時子の活躍する長編

 

 ●『光の帝国 常野物語』

出版社の紹介文から――

《穏やかで知的で、権力への志向を持たずに生きる常野の一族。
 人を見通し、癒し、守る、
 その不思議な能力は何のために存在するのか。
 優しさと哀しみに満ちた壮大なファンタジー。(解説・久美沙織)

 膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、
 近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、
 みなそれぞれ不思議な能力があった。
 穏やかで知的で、権力への思向を持たず、
 ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。
 彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?
 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。
 優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。》

これでだいたいのイメージはつかめたでしょうか。

 

“宇宙船が壊れ、地球に不時着した異星人たちは、
(地球人から見れば)特殊能力を持ち、それ故に迫害されたり、
狩られたりし、地球人から隠れて生きのびている”
という設定は、<ピープル>シリーズと同じです。

彼らは、東北の山の中の一画<常野(とこの)>に隠れ住む。
このように<常野>は、地名であり、彼ら一族を示す名前でもあります。

その一族の一連のお話ということで<常野物語>と命名されています。

この本の収録作は、

「大きな引き出し」
(引っ越ししてきた常野族の一家の中学一年の姉・春田記実子と
 小学四年の弟・光紀のお話。光紀がその能力を覚醒させる。)

「二つの茶碗」
(三宅篤はその人の未来が見えるという娘と結婚することになるお話。)

「達磨山への道}
(人生の転機に登ると重要な場面が現れるという達磨山に
 倉田泰彦は友人の克也と登る。)

「オセロ・ゲーム」
(夫を奪われた拝島暎子は、“裏返”されそうになる危機を
 娘の時子に助けられる。助けられる。)

「手紙」
(常野について調べていた『達磨山への道』の泰彦の父親・篤彦に
 高校時代の友人たちが調査報告をする手紙の数々。
 長命族の「ツル先生」登場。)

「光の帝国」
(戦時中、『手紙』のツル先生の分教場に流れてきた先生と
 子供たちの悲劇。)

「歴史の時間」
(『大きな引き出し』の記実子と級友の矢田部亜希子の話。)

「草取り」
(ふつうの人には見えない街や人にはびこる「草」を取る男のお話。)

「黒い塔」
(「歴史の時間」の亜希子と十年ぶりに再会した記実子のお話)

「国道を降りて…」
(故郷に招待された常野一族の天才的チェリスト・川添律と
 フルート奏者・田村美咲のお話。
 美咲は「歴史の時間」のみさきの生まれ変わりか?)

 

全体に暗い話も多く、感動的なお話もあるものの、
今のところ、何かが起こる前の胸騒ぎを感じさせるような、
ちょっと中途半端な気持ちにさせる内容でしょうか。

これから何かが始まる、その前夜の静けさのような……。

 

 ●ゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズ

恩田さんがリスペクトした元ネタの
ゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズは、
二冊の本にまとまっています。

詳細は、もう一つのメルマガ
『左利きを考える 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第624号(No.624) 2022/8/13
「2022年8月合併号―8月13日 国際左利きの日
 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY―」
2022.8.13
2022年8月13日左利きの日INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY合併号
-週刊ヒッキイ第624号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-54feef.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e993c67c3ad6bbfb1ae083afb30873aa

をご覧いただくとよいかと思います。

来月3日発行の次号でも引き続き、紹介しています。
そちらも参照いただけるとよりよくご理解いただけると思います。

 

第625号(No.625) 2022/9/3
「2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)
左利きとアイデンティティ ~《ピープル》シリーズから考える」
2022.9.3
2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)左利きとアイデンティティ
-週刊ヒッキイ第625号

 

*ゼナ・ヘンダースン<ピープル>シリーズ
1.『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン/著 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF ピープル・シリーズ 1978/7/1

2.『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン/著 宇佐川晶子, 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF 500 ピープル・シリーズ) 1977/12/1

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それぞれの短編につなぎとなる文章を挿入して、
一つの長編のように仕立てられています。

 

 ●恩田さんの<常野物語>シリーズ

ゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズと
恩田さんの<常野物語>の根本的な違いは、
前者が疎外された人たちの立場から書かれた作品が多く、
これは、彼女が教師としての経験を活かしたものと思われます。
(戦時中、日系人の収容所で教えていたという。)

そういう異文化との接触がこういう作品傾向につながっている、
と考えてもよいでしょう。

 

それに対して、恩田さんの作品は、基本的な枠組みを借り、
<常野物語>の原型を作り、
その上にご自分のオリジナル・ストーリーを広げています。

どちらかというと、異星人の物語というより、
そこから出発してよりSFっぽい、
「新たな人類の誕生」といった方向に向かっているような印象です。

これはその後の<常野物語>の第2弾、第3弾となる『蒲公英草紙』や
『エンド・ゲーム』という長編を見ていますと、そう感じます。

 

『蒲公英草紙』は、
『光の帝国 常野物語』の第一話「大きな引き出し」につながる、
その昔の明治時代のお話で、春田家のご先祖の他人の人生を受け入れ、
記憶に残す役割の人々の物語。

人は亡くなっても、その人を知っていた人たちの記憶の中に生きている、
というお話です。

また、『エンド・ゲーム』は、『光の帝国』第四話「オセロ・ゲーム」の
拝島暎子と時子の母と娘を主人公にした物語で、
実は新たな人類の誕生しているのでは、と思わせる物語です。

 

 ●『光の帝国 常野物語』

改めて、『光の帝国 常野物語』を見てゆきますと、
<ピープル>シリーズの設定を借用しながら、
その作品世界の方向とは、異なる恩田SFの世界を、
恩田さんのオリジナルストーリーを展開しています。

作品としてのテイストは、全く異なるものの、
<ピープル>シリーズの持つ
ヒューマンな暖かい味わいも一部残っていますが、
やはり、オリジナルな傾向が出ている作品集というイメージです。

正直、<ピープル>シリーズの愛好家としては、
<ピープル>シリーズへのリスペクト作品と考えたとき、
オリジナル作品の味わいと比較して、もう一つ残念な作品集でした。

私の評価としましては、「特に読む必要はない」
といってしまうと何ですが、まあ、そういう印象です。

これはこれでいいのですけれど、ね。
比較してしまうと……、そういう評価になるのです。

 

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 ★創刊300号への道のり は、お休みします。

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本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から (3)集英文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸」と題して、全文紹介です。

著者の恩田さんが「あとがき」で、元ネタとしてゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズというアメリカのSF作品の連作短編について書かれています。
実は、このシリーズが高校生ぐらいの時に読んで、以来、私の愛好する作品でした。
それだけに、この恩田さんの<常野物語>についても期待がありました。

反面、その期待があるだけに、味わいが「別物じゃん!」という感じで、こういう感想になってしまいました。

しかし、これはこれで、恩田さん自身のオリジナル・ストーリーであり、「楽しめるシリーズだ」と改めて書いておきます。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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2022.01.31

私の読書論153-私の年間ベスト3・2021年フィクション系(後)-楽しい読書311号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書 別冊編集後記

2022(令和4)年1月31日号(No.311)「私の読書論153-
私の年間ベスト3・2021年フィクション系(後編)」
 

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和4)年1月31日号(No.311)「私の読書論153-
私の年間ベスト3・2021年フィクション系(後編)」
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 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」――
 昨2021年に私が読んだ本のなかから
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 今回は、フィクション系の後編です。

 前回の全編では、フィクションへの候補作品と
 「ベスト3」から(その1)を紹介しました。

2022(令和4)年1月15日号(No.310)「私の読書論152-
私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前編)」

2022.1.15
私の読書論152-私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前)
-楽しい読書310号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/01/post-96e3b9.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c5c432318b110b539f37ca56d5cb67c8

 

 ●私の年間ベスト3・2021フィクション系(その1)

~ 私の年間ベスト3・2021フィクション系 ~
(その1)小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻 
      創元推理文庫2020,2021

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 今回は残りの二つの紹介です。

 

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 - 時を超え、異界を超えて、人の思いは続く -
  ~ 私の年間ベスト3・2021フィクション系(後編) ~
  (その2)梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』
        ソノラマ文庫 2003
  (その3)蒲松齢『聊斎志異』光文社古典新訳文庫 2021
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●私の年間ベスト3・2021フィクション系(後編)

~ 私の年間ベスト3・2021フィクション系 ~

(その2)梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』
      ソノラマ文庫 2003/6/1

 

(その3)蒲松齢『聊斎志異』黒田真美子/訳
      光文社古典新訳文庫 2021/2/9

 

 ●(その2)梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』

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(2)は、前回の全作紹介の時に書きましたように、
デビュー作以来、時間恋愛SFの名手、梶尾真治の同系列の作品で、
<クロノス・ジョウンター>というタイムマシンでの冒険譚4話収録。

時間の壁を超える冒険の成否が、よく考えられた展開で進行する、
恋愛青春物語が感動的です。

古本屋さんで見つけた、今は亡き「ソノラマ文庫」の一冊。

「吹原和彦の軌跡」
――最初のお話。通勤の途上の花屋でやっとこ見つけた恋人候補の女性。
  しかしある朝、目撃した事故に巻き込まれて死んでしまう。
  主人公の男性の勤め先では、過去に物質を移動させる装置
  <クロノス・ジョウンター>を開発中。
  ただし問題があり、一旦過去に戻れるものの
  その“反動”で未来に飛ばされてしまうのです。
  彼女を助けるために彼は極秘にこれを使用します。
  しかし、彼女を説得できず、助けることができません。
  それからも何度も試みるのですが、その度に失敗し、
  次第次第に遠未来へと飛ばされ続けます。
  そして56年後の4度目、遂に助けることができるのですが……。
  最初の一編らしく、最も切ない恋物語でしょうか。

 《「一人じゃ逃げられない。私、和彦さんを信じる。
  和彦さんを待ってる。私を救ってくれる和彦さんを」》p.100

 《四千年後の世界に跳ばされることになっても、
  彼はあえて立ち向かうのだ。
  愛するもののために、信じるもののために。》p.105

 

「布川輝良の軌跡」
――第二話。写真でしか知らない建築家の建物に強い憧憬を抱く彼は、
  <クロノス・ジョウンター>の実験に志願する。
  壊される前に憧れの建築家の最後の建築物を目にするために。
  そこで出会ったのは憧れの建築物と一人の女性だった……。

 《クロノス・ジョウンターを使ったといっても、
  これは奇跡だと思った。輝良は圭の笑顔を見て、愛のためには、
  まだ起こりうる奇跡が存在するのだと確信した。/
  「愛する人のためには、どんな無茶なこともできるって、
  わかったわ。ごめんなさい。驚いた?(略)」》p.217

 

「<外伝>朋恵の夢想時間」
――<クロノス・ジョウンター>とは異なる
  「心」だけが過去に戻れる機械
  <C・C>(クロノス・コンディショナー)での冒険。

 

「鈴谷樹里の軌跡」
――少女時代好きだったヒー兄ちゃんを不治の病から救うため、
  未来から薬を持って過去に飛ぶ。
  一番ヒロイックでハッピーエンドなお話。
  映画『この胸いっぱいの愛を』(2005年10月)の原作。

 《奇跡とは、愛し合う者たちのまわりへ集まってくる……。
  樹里は比呂志の腕の中で、
  そんな真理があるのではないかと考えていた。
  それを司るのは……時の神(クロノス)。》

 

現在は、これらソノラマ文庫版の4篇に、のちに書かれた3編を追加し、
全7編のシリーズ中・短篇を収録した決定版が徳間文庫から出ています。

『クロノス・ジョウンターの伝説』梶尾真治 徳間文庫 2015/2/6

 ・・・

デビュー作「美亜へ贈る真珠」他、
時間&恋愛SFの原点たる八篇を収録した新版の

『美亜へ贈る真珠 〔新版〕』 ハヤカワ文庫JA 2016/12/20

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 ●(その3)蒲松齢『聊斎志異』

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(3)は、中国の清代に書かれた怪異譚集。
短いストーリーの中に、人間の様々な感情などが、
怪異譚の中に散りばめられていて、読みどころがいっぱいです。

子供の頃に『雨月物語』のお子様版を読んで以来、
元々こういう怪異譚の類いを好む私です。

前回も書きましたように、
高校生時代に柴田天馬訳の角川文庫版を読んでいたように、
この作品集にはなじみがあります。

 ・・・

『聊斎志異』蒲松齢/著 黒田真美子/訳 光文社古典新訳文庫 2021/2/9

訳者が選び出し、〈怪〉〈妖〉〈恋〉〈夢〉〈仙〉〈幽〉の6部に
分類した43編収録の選集。

著者・蒲松齢は、かつては神童といわれながら、
役人登用試験である科挙に落第し続けたという。
そのコンプレックスから生み出された、
古来の民間伝承などを元にした
人間と異界・異能のものとの交わりを描いた物語。

巻頭の「聊斎自誌」に「好きこそ物が集まる」と書いていますように、
自分で集めるだけでなく、
同好の士から知らされたお話などを収めています。

 《時には杯に酒を浮かべて筆を取り、
  ようやくこの「孤憤」の書を書き上げたのである。
  かようにわが胸の内を本書に託したが、あわれなことこの上ない。》
   「聊斎自誌」p.14

 ・・・

〈怪〉の巻
――「瞳人語」「画壁」「偸桃」「野狗」「夜叉国」「小猟犬」「酒虫」
  「周克昌」「阿英」「促織」
〈妖〉の巻
――「王成」「画皮」「嬰寧」「双灯」「醜狐」「阿繊」「黄英」
〈恋〉の巻
――「連城」「封三娘」「緑衣女」「瑞雲」「白秋練」「香玉」
〈夢〉の巻
――「鳳陽士人」「続黄粱」「蓮花公主」「江城」「夢狼」「竹青」
〈仙〉の巻
――「労山道士」「西湖主」「蕙芳」「青娥」「雲蘿公主」「丐仙」
〈幽〉の巻
――「王六郎」「陸判」「聶小倩」「連瑣」「李司鑑」「伍秋月」
  「小謝」「席方平」

各篇の多くに末尾、著者の教訓のようなものが書かれており、
そこがまた興味深いものです。

この選集のなかでは、「〈幽〉の巻」の諸編が私の好みでしょうか。

 

 ●ベスト3以外の本

司馬遼太郎『項羽と劉邦(上中下)』は、没後も人気の歴史小説家の
秦帝国崩壊後、漢帝国のできるまでを描いた、
古代中国を舞台にしためずらしい一編。

戦略とか戦術とか、天下を取る人の資格なり人間的な魅力などが
リーダー論として、ストーリーの中に説かれています。

 

ギヨーム・ミュッソ『作家の秘められた人生』は、
別荘地の小島で起きた殺人事件と過去の事件の物語。

登場人物の作家志望の青年と筆を折った人気作家の対話を通して、
作家論や小説論・創作論が語られ、読みどころになっています。

 

 ●私の年間ベスト3・2021年〈フィクション系〉ベスト1――

今年のベスト1は、海外ミステリのオールド・ファン――
特に『ミステリマガジン』のオールド・ファンは必読――
の「思い出がいっぱい」詰まった作品集であり、長編評論である
『短編ミステリの二百年』を挙げましょう。

各巻の前半の各短編も新訳で紹介されています。
後半の小森収さんの「解説」も、ご自身の過去の読書歴とともに
紹介されているところが、
リアルタイムで当時を経験して知っている人には、共感できる部分も多く、
楽しいミステリ談になっていて、懐かしくも嬉しいところがあります。

 

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡
 
 (1)小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻 
     創元推理文庫2020,2021

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 ★創刊300号への道のり(11) 2018(平成30)年(11年目)

215.
2018(平成30)年1月15日号(No.215)-180115-
「私の読書論101-私の年間ベスト2017(前編)リアル系」
~ 人生は実に旅である ~
『人生論ノート』三木清 新潮文庫 改版 1978/9
216.
2018(平成30)年1月31日号(No.216)-180131-
「私の読書論102-私の年間ベスト2017(後編)フィクション系」
~ 身分(階級)違いの恋愛と結婚 ~
『高慢と偏見(上下)』オースティン 小尾芙佐訳 光文社古典新訳文庫
217.
2018(平成30)年2月15日号(No.217)-180215-
「私の読書論103-産経新聞・朝刊コラム【明治の50冊】」
218.
2018(平成30)年2月28日号(No.218)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(19) 『老子』後編」
219.
2018(平成30)年3月15日号(No.219)
「私の読書論104-大学生の読書時間0分のニュースについて」
220.
2018(平成30)年3月31日号(No.220)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(20) 『荘子』前編」
221.
2018(平成30)年4月15日号(No.221)
「私の読書論105-私をつくった本・かえた本(4) 中3三学期編」
222.
2018(平成30)年4月30日号(No.222)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(21)『荘子』後編」
223.
2018(平成30)年5月15日号(No.223)
「私の読書論106-私をつくった本・かえた本(5)
高校時代前半・冒険探検編」
224.
2018(平成30)年5月31日号(No.224)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(22)『列子』前編」
225.
2018(平成30)年6月15日号(No.225)
「私の読書論107-私をつくった本・かえた本(6)
高校時代後半・ミステリマガジン編」
226.
2018(平成30)年6月30日号(No.226)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(23)『列子』後編」
227.
2018(平成30)年7月15日号(No.227)
「私の読書論108-〈私の読書論〉ベスト集の試み」
228.
2018(平成30)年7月31日号(No.228)
「新潮社・角川書店・集英社―3社<夏の文庫>フェア2018から
川端康成『雪国』(新潮文庫)『山の音』(角川文庫)」
229.
2018(平成30)年8月15日号(No.229)
「私の読書論109-本好きと読書好き ~ものとしての本が好き~」
230.
2018(平成30)年8月31日号(No.230)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(24)『列子』から 楊朱編」
231.
2018(平成30)年9月15日号(No.231)
「私の読書論110-紙の本と電子書籍について ふたたび」
232.
2018(平成30)年9月30日号(No.232)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(25)『墨子』前編 兼愛・非攻」
233.
2018(平成30)年10月15日号(No.233)
「私の読書論111-古本市と古本のこと~四天王寺大古本祭から~」
234.
2018(平成30)年10月31日号(No.234)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(26)『墨子』後編 墨守・墨経」
235.
2018(平成30)年11月15日号(No.235)
「私の読書論112-書物の多さ~『墨子』から~」
236.
2018(平成30)年11月30日号(No.236)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(8)
『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング」
237.
2018(平成30)年12月15日号(No.237)
「私の読書論113-言葉のちからの鍛え方」
238.
2018(平成30)年12月31日号(No.238)-181231-
「私の読書論114-私の年間ベスト2018(前編)リアル系」
- 好きじゃないけど、やっぱり凄い! -
『ツァラトゥストラ(上下)』ニーチェ 丘沢静也訳
    光文社古典新訳文庫 2010.11、2011.1

 ・・・

この年の月末「古典紹介編」は、引き続き古代中国の思想・哲学編で、
諸子百家を読みし進めています。
なかでも『墨子』の「兼愛・非攻」の考えには惹かれました。

月半ばの発行号の「私の読書論」では、
「私をつくった本・かえた本」について高校時代まで書いています。
そこからのちのお話は、またいずれ書いてみたいものです。

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本誌では、「私の読書論153-私の年間ベスト3・2021年フィクション系(後編)」をお届けしています。

今回も、全編公開しました。

今回は「後編」で、「ベスト3」から(その2)(その3)を、および「ベスト1」を紹介しています。

 ・・・

〔梶尾真治さんの作品について〕

「ベスト3」の(その2)に選んだ『クロノス・ジョウンターの伝説』の作家・梶尾真治さんの他の作品について書いておこうと思います。

一番好きな作品はやはり<エマノン>シリーズですね。

最初の一冊『おもいでエマノン』収録の表題作でシリーズ第一作の「おもいでエマノン」は衝撃的でした。

地球に生命が誕生してからの30億年の記憶を持つという謎の少女エマノンがにまつわる様々なお話です。
基本短編で始まった作品群ですが、日本に来る前の新聞記者時代のラフカディオ・ハーン、画家のゴーギャンが登場する『うたかたエマノン』という長編もあります。

図書館で新作を見つけるとポツポツと借りて読んでいます。

私が今持っているのは、ずっと昔に古本屋さんで見つけた、徳間デュアル文庫版の『おもいでエマノン』『かりそめエマノン』のニ冊だけです。

他には、本文でも紹介している、デビュー作「美亜へ贈る真珠」他、時間&恋愛SFの原点たる八篇を収録した新版の『美亜へ贈る真珠 〔新版〕』ですね。
デビュー作はやはりまだ硬い感じがしますが、結構が『クロノス・ジョウンターの伝説』の第一作につながるような作品です。

他の作品に目を移しますと、長編では『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、映画化された『黄泉がえり』があります。
短編も面白いですが、これらの長編もなかなかです。

*<エマノン>シリーズ
『おもいでエマノン』梶尾 真治 徳間文庫〈新装版〉 2013/12/6

『うたかたエマノン』梶尾 真治 徳間文庫 2016/11/2

短編で言いますと、弊誌

2017(平成29)年11月30日号(No.212)-171130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)
「クリスマス・プレゼント」梶尾真治」

クリスマス・ストーリーをあなたに~(7) 「クリスマス・プレゼント」梶尾真治 ―第212号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

で紹介しました一編を含むショートショート集のような、
ユーモアSFの短篇集もあります。

*「クリスマス・プレゼント」収録
『有機戦士バイオム』梶尾真治 ハヤカワ文庫JA 1989.10
 

 ・・・

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2022.01.15

私の読書論152-私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前)-楽しい読書310号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書 別冊編集後記

2022(令和4)年1月15日号(No.310)「私の読書論152-
私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前編)」

 

例年のことですが、
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和4)年1月15日号(No.310)「私の読書論152-
私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前編)」
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 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」――
 昨2021年に私が読んだ本のなかから
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 今回は、フィクション系の前編です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 『ミステリマガジン』オールド・ファン必読 -
  ~ 私の年間ベスト3・2021フィクション系(前編) ~
  (その1)小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

昨年も一時期図書館が休館になったこともあり、
コロナ不安症(?)的な精神面もあり、
また、私自身のケガに伴う行動の制約もあり、
フィクション系もあまり読めませんでした。

そんななかで、手持ちの積ん読本や再読本も多く、
新規に読んだ本はかなり減っています。

 

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

<中国の古典編―漢詩を読んでみよう>
1.司馬遼太郎『項羽と劉邦(上中下)』新潮文庫1984
2.[一部再読]中島敦『李陵 山月記』文春文庫2013

<新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から>
3.[再読]山本 周五郎『さぶ』新潮文庫1965
4.[再読]太宰治『斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス』文春文庫
5.ギヨーム・ミュッソ『作家の秘められた人生』集英社文庫2020(原2019)

2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
2021.4.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦
-楽しい読書293号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-4b639f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6dfa35eb01ce468d12a1b6e80ba0e6c7

2021(令和3)年9月30日号(No.303)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(12)
特別編-中島敦「山月記」より」
2021.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(12)特別編-中島敦「山月記」より
-楽しい読書303号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-0666dc.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/01e422e6e9e18417a82bd6713f662e3f

2021(令和3)年7月31日号(No.299)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)準古典」
2021.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)
-「楽しい読書」第299号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/07/post-38536e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/872fb55a4a5a78d989b58cf7878bc188

2021(令和3)年8月31日号(No.301)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家」
2021.8.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家-「楽しい読書」第301号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/08/post-709d62.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/76ed255eb712153d96e6ef9ca568633c

 

 ●(2)それ以外の古典の名作

6.蒲松齢『聊斎志異』光文社古典新訳文庫2021
7.大岡玲訳『今昔物語集』光文社古典新訳文庫2021

――今年もあんまり読んでませんね。

『聊斎志異』は高校生の時に角川文庫で読んでました。
柴田天馬訳で全4巻だったと思います。
芥川龍之介が『今昔物語集』の中の話をネタに小説を書いていたように、
高3の時に、この中の一編を元ネタに小説を書いてみたものでした。

『今昔物語集』は、20代初めぐらいに現代語訳の本――
福永武彦訳の『今昔物語』(ちくま文庫)を買って読んでいました。
龍之介の短編「羅生門」「鼻」「芋粥」などは
高校1年の時に好んで読んでいました。
そんな関係で好きでしたね。
夢枕獏さんの安倍晴明が活躍する作品集『陰陽師』で、
元ネタとして使っているのを知り、また一層好きになりましたね。

 

 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

<左利きミステリ入門>
8.ヒュー・ペンティコースト『シャーロック伯父さん』論創海外ミステリ
2020(原1970)
9.アガサ・クリスティー『黄色いアイリス』早川書房クリスティー文庫
2004(原1932,34,35,36,37,39)

ともに短編集で、『シャーロック伯父さん』には
ズバリ左利きの容疑者と犯人が登場する「左腕投手の殺人」、
『黄色いアイリス』には、「仄暗い鏡の中に」という
“鏡”ものの<左右ミステリ>が収録されています。

 

 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

(海外ミステリ)
10-12.G・K・チェスタトン(短編集)
『奇商クラブ』創元推理文庫2018(原1905)
『知りすぎた男』創元推理文庫2020(原1922)
『ポンド氏の逆説』創元推理文庫2017(原1936)

13.ディクスン・カー『カー短編全集1 不可能犯罪課』
創元推理文庫1970(原1940)
14.ディクスン・カー『カー短編集2』創元推理文庫1970
15.フレドリック・ブラウン『シカゴ・ブルース』
創元推理文庫2020(原1947)

[再読(新訳)]
16.エラリー・クイーン『エジプト十字架の謎』
創元推理文庫2016(原1932)
17.エラリー・クイーン『エラリー・クイーンの新冒険』(短)
創元推理文庫2020(原1940)

[一部再読]
18.19.江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集4』『世界推理短編傑作集5』
 創元推理文庫2019
20-24.小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻 
創元推理文庫2020,2021

[再読](海外ミステリ)
25.トニー・ケンリック『殺人はリビエラで』角川文庫1976(原1970)
26.トニー・ケンリック『スカイジャック』角川文庫1974(原1972)

海外ミステリの短編集の多くは、
<左利きミステリ>の調査のために読んだもの。
長編もそうですけれど。

(国内ミステリ)
27.島田荘司『改訂完全版 占星術殺人事件』講談社文庫2013
28.今村昌弘『屍人荘の殺人』創元推理文庫2019
29.辻真先『仮題・中学殺人事件』創元推理文庫2004
30.連城三紀彦『宵待草夜情』ハルキ文庫1998
31.北村薫『空飛ぶ馬』創元推理文庫1994
32.天城一『天城一の密室犯罪学教程』日下三蔵編 宝島社文庫2020

16.の『エジプト十字架の謎』と上記の32.をのぞく国内ミステリは、
前号の

 2021(令和3)年12月31日号(No.309)「私の読書論151-
 私の年間ベスト3・2021年リアル系(後編)岡本太郎他」
2021.12.31
私の読書論151-私の年間ベスト3・2021年リアル系(後)
-楽しい読書309号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/12/post-ceb6fd.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b171098bc2132d4d4f7e6cd2a77c3dcd

の「ベスト3以外のオススメ」の一冊
『書きたい人のためのミステリ入門』(新井 久幸 新潮新書)
に紹介されていた作品および作品集です。

国内ミステリはほとんど未読でしたので、この際読んでみました。
確かに名作揃いです。
一番はやはり27.の『占星術殺人事件』でしょう。
トリックは単純ですが、それだけにスゴイ。

(SF)
33.梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』ソノラマ文庫2003
34.広瀬正『マイナス・ゼロ』集英社文庫1982

SF系はこの2冊、他に
『復刻 S-Fマガジン NO.1-3』(早川書房1995)がありますが、
まだ途中まで。

『クロノス・ジョウンターの伝説』は、
時間恋愛SFの名手、梶尾真治の同系列の作品で、
<クロノス・ジョウンター>というタイムマシンでの冒険(?)のお話集。
泣ける話もあります。
思わずよかったね、という結末のお話もあります。

『マイナス・ゼロ』も同系統のお話で、時間恋愛SFの長編です。
終戦前から戦後のお話。

(好きな作家:北杜夫)
35.北杜夫『静謐 北杜夫自薦短篇集』中公文庫2021

(その他)
36.池井戸潤『下町ロケット』小学館文庫2013

35.は、北さんの没後10年記念の一冊で、生前の自薦短篇集の文庫版。
初期短編から北さんの自薦の短編を集めています。
私は、北さんの初期短編が好きで、
全集の初期短篇集2巻を買ったときに、
文庫版の短編集は処分してしまったのですが、
こうしてまた買い直しました。
2編程度未読(らしきもの、記憶がないもの)がありました。
既読作品でもやっぱりいいなあと思うものがあります。
ピュアな繊細な作品と、時に狂的なパッショネートな作品があり、
こういうものにいいものがあります。

36.『下町ロケット』は、池井戸さんが直木賞を受賞した作品だそうで、
私が初めて読んだ『陸王』と同じ中小企業の若社長と従業員が一致団結、
新規プロジェクトに賭けて危機を乗り越える企業奮闘もの。
(こちらが先に書かれたもので、続編も出ています。)

 

 ●小森収編『短編ミステリの二百年』

小森収編『短編ミステリの二百年』(全6巻、うち2~5巻) 
は、過去200年の短編ミステリの歴史をたどり、
江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』全5巻 に収録されている
名作中の名作を補完するその代表的な短編を紹介しながら、
その解説を兼ねて、短編ミステリの進化の歴史を描く評論との
二本立て企画です。

(出版社紹介文)
・江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』と収録作品の重複なし
・「短編ミステリ読みかえ史」を改稿した、
 作品解説としても読める評論を各巻に収録

前半が作品集で、後半がその解説を兼ねた評論、という仕掛け。
リアル系で扱うか、フィクション系かで迷った一連の本でした。
内容的には、小説の歴史を扱うという意味で、
フィクション系で扱うことにしました。

こういう一連の本を扱うのは、不公平な感じですが。
今年の一番に選びたいですね。

なぜなら、作品も含めて、解説である評論のなかでも再三、
私の高校生時代以降の若い頃の思い出の一つである、
1970年代の『ミステリマガジン(HMM)』のお話がよく出てくるのです。

『HMM』のオールドファンには楽しい話題が出てきて、
これは最高に嬉しい企画でした。

先に挙げた『シャーロック伯父さん』を読むことになったのも、
この本の「解説」で紹介されていたからでした。

 

 ●私の年間ベスト3・2021フィクション系(その1)

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~ 私の年間ベスト3・2021フィクション系 ~
(その1)小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻 
      創元推理文庫2020,2021
oooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo

今回、これを「ベスト3」の一つに挙げています。

 

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最終巻『短編ミステリの二百年6』
は、2021年年末に出たばかりで未読。
今年のお楽しみというところです。

改めて全巻通して「解説」(評論)の部分を読み直したいものです。

もちろん、小森さんの見方(価値観・ミステリ観)で書かれていますが、
小森さんと同時期に読んでいる作品も多いので、
そういう共通の読書歴から来る共感できる部分も多く、
読んでいて楽しい作品でした。

1はもう大分前に読み、その後、
2巻からは新刊を買うだけ買って未読のまま積ん読状態でしたが、
昨年の3月にもまたコロナで図書館が休館になり、
それから7月頃まで次々と読むようになりました。

2、3、4、5巻と読んできますと「解説」が、
途中からちょっと駆け足になったような気もしないではありません。

早く全6巻をおわらせたい、
という出版社の思惑が入ってしまったような気がしないでもありません。

〈Webミステリーズ!〉で現在進行形で連載されているなかで
出版が進んでいったため、駆け足になったのでは、という疑いです。

もうちょっと引っ張ってもよかったのでは、という気がします。

 ・・・

最後に、<フィクション系>の「ベスト3」の一冊ですので、
各巻の収録短編作品と<私のお好み>をそれぞれ紹介しておきましょう。

[★:お好み ☆:次点]

 

『短編ミステリの二百年1』2019年10月発行

「霧の中」リチャード・ハーディング・デイヴィス/猪俣美江子訳
「クリームタルトを持った若者の話」
 ロバート・ルイス・スティーヴンスン/直良和美訳
「セルノグラツの狼」サキ/藤村裕美訳
「四角い卵」サキ/藤村裕美訳
「スウィドラー氏のとんぼ返り」アンブローズ・ビアス/猪俣美江子訳
「創作衝動」サマセット・モーム/白須清美訳
「アザニア島事件」イーヴリン・ウォー/門野集訳
「エミリーへの薔薇」ウィリアム・フォークナー/深町眞理子訳
「さらばニューヨーク」コーネル・ウールリッチ/門野集訳
★「ブッチの子守歌」デイモン・ラニアン/直良和美訳
☆「笑顔がいっぱい」リング・ラードナー/直良和美訳
「ナツメグの味」ジョン・コリア/藤村裕美訳
  *
「短編ミステリの二百年」小森収

 

『短編ミステリの二百年2』2020年3月

★「挑戦」バッド・シュールバーグ/門野集訳
「プライドの問題」クリストファー・ラ・ファージ/門野集訳
「チャーリー」ラッセル・マロニー/直良和美訳
「クッフィニャル島の略奪」ダシール・ハメット/門野集訳
「ミストラル」ラウール・ホイットフィールド/白須清美訳
「待っている」レイモンド・チャンドラー/深町眞理子訳
「死のストライキ」フランク・グルーバー/白須清美訳
☆「探偵が多すぎる」レックス・スタウト/直良和美訳
「真紅の文字」マージェリー・アリンガム/猪俣美江子訳
「闇の一撃」エドマンド・クリスピン/藤村裕美訳
「二重像」ロイ・ヴィカーズ/藤村裕美訳

 

『短編ミステリの二百年3』2020年8月

★「ナボテの葡萄園(ぶどうえん)」
 メルヴィル・デイヴィスン・ポースト/門野集訳
「良心の問題」トマス・フラナガン/藤村裕美訳
「ふたつの影」ヘレン・マクロイ/直良和美訳
「姿を消した少年」Q・パトリック/白須清美訳
「女たらし」ウィルバー・ダニエル・スティール/門野集訳
「敵」シャーロット・アームストロング/藤村裕美訳
「決断の時」スタンリイ・エリン/深町眞理子訳
「わが家のホープ」A・H・Z・カー/藤村裕美訳
「ひとり歩き」ミリアム・アレン・ディフォード/猪俣美江子訳
「最終列車」フレドリック・ブラウン/安原和見訳
☆「子供たちが消えた日」ヒュー・ペンティコースト/白須清美訳

 

『短編ミステリの二百年4』2020年12月

「争いの夜」ロバート・ターナー/門野集訳
「獲物(ルート)のL」ローレンス・トリート/門野集訳
☆「高速道路の殺人者」ウィリアム・P・マッギヴァーン/白須清美訳
「正義の人」ヘンリイ・スレッサー/藤村裕美訳
「トニーのために歌おう」ジャック・リッチー/藤村裕美訳
「戦争ごっこ」レイ・ブラッドベリ/直良和美訳
「淋しい場所」オーガスト・ダーレス/藤村裕美訳
「獲物」リチャード・マシスン/白須清美訳
★「家じゅうが流感にかかった夜」
 シャーリイ・ジャクスン/深町眞理子訳
「五時四十八分発」ジョン・チーヴァー/門野集訳
「その向こうは――闇」ウィリアム・オファレル/直良和美訳
「服従」レスリー・アン・ブラウンリッグ/猪俣美江子訳 *本邦初訳
「リガの森では、けものはひときわ荒々しい」
 マージェリー・フィン・ブラウン/深町眞理子訳 ☆

 

『短編ミステリの二百年5』2021年6月

「ある囚人の回想」スティーヴン・バー 門野集訳
「隣人たち」デイヴィッド・イーリイ 藤村裕美訳
「さよなら、フランシー」ロバート・トゥーイ 藤村裕美訳
「臣民の自由」アヴラム・デイヴィッドスン 門野集訳
「破壊者たち」グレアム・グリーン 門野集訳
「いつまでも美しく」シーリア・フレムリン 直良和美訳
「フクシアのキャサリン、絶体絶命」リース・デイヴィス 猪俣美江子訳
「不可視配給株式会社」ブライアン・W・オールディス 深町眞理子訳
★「九マイルは遠すぎる」ハリイ・ケメルマン 白須清美訳
「ママは願いごとをする」ジェームズ・ヤッフェ 藤村裕美訳
☆「ここ掘れドーヴァー」ジョイス・ポーター 直良和美訳
「青い死体」ランドル・ギャレット 白須清美訳

 

――本格ミステリ(本格謎解きミステリ/本格推理小説)系のもの
(「探偵が多すぎる」「ナボテの葡萄園」「子供たちが消えた日」
「九マイルは遠すぎる」「ここ掘れドーヴァー」)、
もしくは、広義のミステリ系の作品(「ブッチの子守歌」「挑戦」
「笑顔がいっぱい」「家じゅうが流感にかかった夜」)がお好み、
という感じです。

収録作の大半は、既読(別の人の翻訳で)。
なかでも「『ミステリマガジン』で」というものがいくつかあります。
また、創元ではなく「早川の本で」というものも。
そういう意味では、この選集は、
「創元の穴を埋める」という内容かも知れませんね。

 ・・・

――次回は、<ベスト3>の残りの二つについてをお送りします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★創刊300号への道のり(10) 2017(平成29)年(10年目)

191.
2017(平成29)年1月15日号(No.191)-170115-
「私の読書論89-私の年間ベスト2016(後編)フィクション系」
192.
2017(平成29)年1月31日号(No.192)-170131-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(11)『論語』を読む (後編)」
193.
2017(平成29)年2月15日号(No.193)-170215-
「私の読書論90-私をつくった本・かえた本(1)幼少期編」
194.
2017(平成29)年2月28日号(No.194)-170228-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(12)『孟子』を読む (前編)」
195.
2017(平成29)年3月15日号(No.195)-170315-
「私の読書論91-私をつくった本・かえた本(2)小説への目覚め編」
196.
2017(平成29)年3月31日号(No.196)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(13)『孟子』を読む (後編1)」
197.
2017(平成29)年4月15日号(No.197)
「私の読書論92-近況から―本屋ロス ~永遠に続くものはない~」
198.
2017(平成29)年4月30日号(No.198)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(14)『孟子』を読む (後編2)」
199.
2017(平成29)年5月15日号(No.199)
「私の読書論93-本との出会いは偶然か必然か」
200.
2017(平成29)年5月31日号(No.200)
「創刊200号記念―特別編 私の大好きな一冊(名作編)」
◆ 『トム・ソーヤーの冒険』マーク・トウェイン ◆
  \/\ 完璧なエンターテイメント小説 /\/
201.
2017(平成29)年6月15日号(No.201)
「創刊200号突破記念―特別編 私の大好きな一冊(名著編)」
◆ 私の名著ベスト3 ◆
 ★ 海外編 ― ソロー『ウォールデン 森の生活』
☆ 国内編 ― 内村鑑三『後世への最大遺物』
★ 古代編 ― 『スッタニパータ』(ブッダのことば)
202.
2017(平成29)年6月30日号(No.202)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(15)『大学』を読む 」
203.
2017(平成29)年7月15日号(No.203)
「私の読書論94-ソロー生誕200年を迎えて 」
◆わが心のソロー:シンプルに! シンプルに生きよう!◆
(市民的不服従)『市民の反抗』飯田実/訳岩波文庫
『森の生活 ―ウォールデン―』佐渡谷重信訳 講談社学術文庫

Thoreau-walden


204.
2017(平成29)年7月31日号(No.204)-170731-
「新潮社・角川書店・集英社―3社<夏の文庫>フェア2017から
人の心の不思議、人生の重さ」
205.
2017(平成29)年8月15日号(No.205)
「私の読書論95-ソロー生誕200年を迎えて 2-読書について」
『森の生活 ―ウォールデン―』佐渡谷重信訳 講談社学術文庫
「第3章 読書」から
206.
2017(平成29)年8月31日号(No.206)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(16)『中庸』を読む 」
207.
2017(平成29)年9月15日号(No.207)-170915-
「私の読書論96-私をつくった本・かえた本(3) 中学生時代編」
208.
2017(平成29)年9月30日号(No.208)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(17) 諸子百家」
209.
2017(平成29)年10月15日号(No.209)「私の読書論97
-長田弘『読書からはじまる』前編」
210.
2017(平成29)年10月31日号(No.210)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(18) 『老子』前編」
211.
2017(平成29)年11月15日号(No.211)「私の読書論98
-長田弘『読書からはじまる』後編
本はもう一つの世界へのドア―心の旅」
212.
2017(平成29)年11月30日号(No.212)-171130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)
「クリスマス・プレゼント」梶尾真治」
213.
2017(平成29)年12月15日号(No.213)「私の読書論99
-図書館が読書の入口になる
 図書館と出版社・書店業界について(前編)」
214.
2017(平成29)年12月31日号(No.214)-171231-
「私の読書論100-自ら改善すべき点がある-
 図書館と出版社・書店業界について(後編)」

 ・・・

この年の月末「古典紹介編」は、古代中国の思想・哲学編で、
「四書五経」からその他の諸子百家に進みました。

200号に到達したのを記念して、
私のお気に入りの名作・名著について書いています。
その名著の一つにも選んでいるアメリカの思想家・著述家、
ソローの生誕200年に当たる年でもあり、
彼の著作についても書いています。
彼の著作「市民的不服従」は、
のちにインドのガンディー首相やアメリカのキング牧師に影響を与え、
孔子、プラトンからアインシュタイン、ケインズまで、
人類の歴史に多大な影響を与えた古今東西の偉人の名著から選んだ
『世界を変えた100冊の本』マーティン・セイモア=スミス/著
BEC, 別宮 貞徳/訳 共同通信社 2003/11/1
にも選ばれています。

月半ばの発行号の「私の読書論」では、
「私をつくった本・かえた本」について書いています。
途中で終わっていますが、いずれ続きを!

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本誌では、「私の読書論152-私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前編)」をお届けしています。

今回も、全編公開しました。

今回は「前編」で、「ベスト3」から(その1)を紹介しています。

 ・・・

では、弊誌を面白いと思われた方は、購読のお申し込みを!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』

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2021.09.15

私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)ハヤカワ文庫の50冊(8)拾遺SF編-楽しい読書302号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書
-302号【別冊 編集後記】

2021(令和3)年9月15日号(No.302)
「私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・蔵書以外の名作傑作・SF編」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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021(令和3)年9月15日号(No.302)
「私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・蔵書以外の名作傑作・SF編」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のうち、現在私の手元にある本の中から、
 お気に入りや、心に残る本を紹介してきました。

 今回は、いよいよ本当に最終回、おまけ編のSF編として
 買って読んだけれど、あるいは図書館等で借りて読んだけれど、
 自分の本として残さなかった本の中から、
 これは機会があれば、読んでいただきたいと思う本――
 名作・傑作を紹介してみましょう。

 

 前回までのおさらい――

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』

【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8
「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』

【6】
2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
2021.3.15
私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/03/post-0574cb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5fb379dedfe0c35721ff8cc2b4dbabd4
ミステリ文庫
(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン
(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編
(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編
(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール
(45)『ダークライン』
(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン
(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー
(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン
(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
<左利きミステリ>から――
(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
アガサ・クリスティー<クリスティー文庫>
(51)『ビッグ4』(52)『オリエント急行の殺人』(53)『死人の鏡』
(54)『ゼロ時間へ』

【7】
2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」
2021.4.15
私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)ハヤカワ文庫の50冊(5)NF他-楽しい読書292号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-cde3df.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7a3190d6f5084d5747d6d068bbe27bee
文庫NF
(55)『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー
(56)『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス
文庫JA
(57)『SF英雄群像』野田昌宏
(58)『ニュートンとアインシュタイン』石原 藤夫
(59)『SFロボット学入門』石原 藤夫
ブックガイド類
(60)『ミステリ・ハンドブック』早川書房編集部編
ハヤカワ・ミステリ文庫
(61)『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部/編
ハヤカワ文庫NV
(62)『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編 ハヤカワ文庫
―クリスティー文庫

【8】
2021(令和3)年6月15日号(No.296)
「私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・蔵書以外の名作傑作・ミステリ編」
2021.6.15
私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺ミステリ編-楽しい読書296号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/06/post-04b31f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a9e30ce5eb0f87cf109b659f937f17e3
◆エラリイ・クイーン(+1)『災厄の町〔新訳版〕』
(+2)『九尾の猫〔新訳版〕』(+3)『犯罪カレンダー 1月~6月』
◆ジョン・ディクスン・カー(+4)『火刑法廷〔新訳版〕』
(+5)『三つの棺〔新訳版〕』(+6)『ユダの窓』
◆アガサ・クリスティー(+7)『そして誰もいなくなった』
(+8)『ABC殺人事件』(+9)『カーテン』
・本格ミステリ短編集(+10)『九マイルは遠すぎる』
(+11)『ママは何でも知っている』
・本格ミステリ長編(+12)『切断』(+13)『見えないグリーン』
(+14)『ホッグ連続殺人』
◆ピーター・ラヴゼイ(+15)『偽のデュー警部』(+16)『苦い林檎酒』
<ダイヤモンド警視シリーズ>(+17)『最後の刑事』(+18)『単独捜査』
(+19)『バースへの帰還』(+20)『猟犬クラブ』(+21)『最期の声』

【9】
2021(令和3)年7月15日号(No.298)
「私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
ミステリ編(2)サスペンス他」
2021.7.15
私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺ミステリ編(2)-楽しい読書298号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/07/post-6f1005.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ac35cb4854a3b92851db545567f9d4a1
●好きなミステリ作家から (+22)『幻の女』(+23)『あなたに似た人』
(+24)『特別料理』(+25)『八百万の死にざま』
◆マイクル・Z・リューイン
(+26)『夜勤刑事』(+27)『刑事の誇り』(+28)『男たちの絆』
●冒険小説から
◆ジャック・ヒギンズ (+29)『脱出航路』(+30)『死にゆく者への祈り』
◆ギャビン・ライアル (+31)『本番台本』(+32)『もっとも危険なゲーム』
(+33)『ちがった空』

 

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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・
蔵書以外の名作傑作・SF編 ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「前回までのおさらい」で紹介しました
「ハヤカワ文庫の50冊」62点の作品以外の本を対象に、
お話を進めていく、「拾遺」の第3回目は、SF編です。

今回も思い出すままに取り留めなく紹介していきます。

まずは、好きなSF作家さんの作品を挙げていきましょう。

 

 ●海外SFから――巨匠たち

(+34)『地球の緑の丘』ロバート・A・ハインライン 矢野 徹
ハヤカワ文庫SF―未来史2 1986/7/1
―ハインライン中期の傑作中短篇集、表題作が好き。

 

(+35)『海底牧場』アーサー・C・クラーク 高橋 泰邦/訳
ハヤカワ文庫 SF 225 1977/2/1

 

(+36)『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク 福島 正実/訳
ハヤカワ文庫 SF (341) 1979/4/1

 

(+37)『決定版 2001年宇宙の旅』アーサー・C・クラーク 伊藤 典夫/訳
ハヤカワ文庫SF 1993/2/1

 

(+38)『われはロボット〔決定版〕アシモフのロボット傑作集』
アイザック・アシモフ 小尾 芙佐/訳 ハヤカワ文庫 SF 2004/8/6

 

(+39)『ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉』
アイザック・アシモフ 岡部 宏之/訳 ハヤカワ文庫SF 1984/4/1

 

(+40)『宇宙船ビーグル号の冒険』A.E.ヴァン・ヴォクト 浅倉 久志/訳
ハヤカワ文庫 SF 291 1978/5/1

 

(+41)『スラン』A.E.ヴァン・ヴォクト 浅倉 久志/訳 ハヤカワ文庫 SF
234 1977/4/1

 

(+42)『火星年代記』レイ・ブラッドベリ 小笠原 豊樹/訳
ハヤカワ文庫SF 2010/7/10

 

(+43)『華氏451度〔新訳版〕』レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫/訳
ハヤカワ文庫SF 2014/4/24

 

 ●海外SFから――

(+44)『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック
浅倉久志/訳 ハヤカワ文庫 SF 1977/3/1
―リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』の原作として
 も有名。詳細の記憶は今ありませんが、とにかく面白かった。

 

(+45)『ノーストリリア』コードウェイナー・スミス 浅倉久志/訳
ハヤカワ文庫SF 2009/9/5
―シリーズ唯一の長篇。

 

(+46)『鼠と竜のゲーム』コードウェイナー・スミス
伊藤 典夫・浅倉 久志/訳 ハヤカワ文庫 SF 471 1982/4/1

 

(+47)『都市』クリフォード・D・シマック 林 克己/訳
ハヤカワ文庫 SF 205 1976/9/1

 

(+48)『中継ステーション〔新訳版〕』クリフォード・D・シマック
山田順子/訳 ハヤカワ文庫 SF 2015/12/18

 

(+49)『人間以上』シオドア・スタージョン 矢野 徹/訳
ハヤカワ文庫 SF 317 1978/10/1

 

 

フレドリック・ブラウンは、創元文庫で読書最初期に
SFとミステリの短編集を次々と読んだものでした。

ハヤカワでは比較的最近に読んだ長編――

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(画像:比較的最近に読んで、大いに共感した長編SF、フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』(田中融二/訳 ハヤカワ文庫 SF 2008/9/5))

(+50)『天の光はすべて星』フレドリック・ブラウン 田中融二/訳
ハヤカワ文庫 SF 2008/9/5
―宇宙開発中断期、老元宇宙飛行士は、新たな探査計画を掲げる
 女性議員候補と組んで、もう一度宇宙を目指すが……。
 《老境に差しかかりつつも夢のために奮闘する男を、
  奇才ブラウンが情感豊かに描く古典的名作》

 

非常にいい作品でしたね。ラストは苦いですけれど。
ブラウンといえば、才人とかアイディア・ストーリーの作家のように
思われがちですが、これはストレートな人間のパッションを描いた物語。
私もこれぐらいの年になりますと、
己の人生に対して色々と思うところがあり、共感できるのです。

 

 ●日本SFから――

(+51)『神狩り』山田 正紀 ハヤカワ文庫JA 2010/4/5

 

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(画像:私の読書初期に作家としてデビューし鮮烈な記憶が残る、山田正紀デビュー作『神狩り』(ハヤカワ文庫JA 1976/1/1))

 

(+52)『弥勒戦争』山田 正紀 ハヤカワ文庫 1976

 

(+53)『氷河民族』山田 正紀 ハヤカワ文庫 JA 75 1976/2/1

 

(+54)『百億の昼と千億の夜』光瀬 龍 ハヤカワ文庫JA 2010/4/5

 

(+55)『石の血脈』半村良 ハヤカワ文庫JA 1974/1/1

 

(+56)『産霊山秘録』半村良 ハヤカワ文庫JA 1975/1/1

 

(+57)『狼の紋章』平井和正 ハヤカワ文庫JA 新版 2018/1/10
―ウルフガイ・シリーズ(全10巻)第1弾。

 

(+58)『復活の日』小松左京 ハヤカワ文庫 JA 33 1974/6/1

 ・・・

SF編、思いつくままに、あれこれと上げてみました。

忘れているものがいくつもありそうですが、
それはまたいつか機会があれば、ということで。

長々と続けてしましましたが、
ハヤカワ文庫50年をめぐる思い出話は、以上で終了です。

長らくお付き合いのほど、ありがとうございました。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★創刊300号への道のり(3) 2010(平成22)年

30
2010(平成22)年3月15号(No.30)-100315- 私の読書論-9-私のお薦め本
31
2010(平成22)年3月31号(No.31)-100331-
H・G・ウェルズ『タイムマシン』―暗い未来
32
2010(平成22)年4月15号(No.32)-100415- 私の読書論-10-蔵書を並べる効用
33
2010(平成22)年4月30号(No.33)-100430-
ダーウィン『種の起源』―進化理論を確立
34
2010(平成22)年5月15号(No.34)-100515-
私の読書論-11-蔵書を並べ替える効用
35
2010(平成22)年5月31日号(No.35)-100531-
コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』―名探偵の代名詞
36
2010(平成22)年6月15号(No.36)-100615-私の読書論-12-電子書籍と紙の本
37
2010(平成22)年6月30号(No.37)-100630-アラン『幸福論』―幸せとは何か
38
2010(平成22)年7月15号(No.38)-100715-
私の読書論-13-なぜ古典が読めるようになったのか
39
2010(平成22)年7月31号(No.39)-100731-
[私の読書論-14-]夏特・最初に“つまづかない”読書のすすめ方
40
2010(平成22)年8月15日号(No.40)-100815-
夏特・夏の文庫100冊から『ジーキル博士とハイド氏』
41
2010(平成22)年8月31号(No.41)-100831-
モーリス・ルブラン『813』―怪盗アルセーヌ・ルパン
42
2010(平成22)年9月15日号(No.42)-100915-
私の読書論-15-小著の薦め―成功する初心者読書法
[7月31号(No.39)-100731-夏特・最初に“つまづかない”読書のすすめ方]続き
43
2010(平成22)年9月30号(No.43)-100930-
幸田露伴『努力論』―“努力”日本人の好きな言葉
44
2010(平成22)年10月15日号(No.44)-101015-
私の読書論-16-大著の薦め―長編挫折克服法
45
2010(平成22)年10月31日号(No.45)-101031-幸田露伴『五重塔』―職人魂
46
2010(平成22)年11月15日号(No.46)-101115-
私の読書論-17-なぜ本を読むのか?
47
2010(平成22)年11月30日号(No.47)-101130-
文学初心者入門書―文庫版“ちくま文学の森”から
48
2010(平成22)年12月15日号(No.48)-101215-
来年50号以降のリニューアルについて
49
2010(平成22)年12月31日号(No.49)-101231-
大人への階段「たけくらべ」樋口一葉

 ・・・

2009年に引き続き、月末の「古典紹介」編では、
主に海外と国内の<明治期>の作品を交互に紹介しました。

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本誌では、「私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10) ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・蔵書以外の名作傑作・SF編」と題して、
私の読書生活をほぼカバーする「ハヤカワ文庫」創刊以来の50年の刊行作品から、私の思い出の本を紹介する最終回。
今は手元にないけれどかつて持っていた、あるいは図書館等で借りて読んだ本から、印象に残る作品を挙げてみる「拾遺」編のSF版です。

今回は、煩雑になりますので、書名・作家名を羅列するだけに留めました。

ただ、最近読んで印象に残っているブラウンの『天の光はすべて星』の文のみ転載しています。

 

ハヤカワ文庫に限らずですが、私の読書生活50数年の思い出につながるお話が読める本が、創元推理文庫版の『短編ミステリの二百年』という本です。
現在、全6巻中の第5巻まで出ています。

前半がそれぞれの傑作短編集で、後半が、私より四つぐらい年下ながら(かつては海外ミステリ専門誌だった)『ミステリマガジン』(略称「HMM」)の定期購読者として三年ぐらい早かったという編者である小森収さんによる、時代を追ってそれぞれの作家およびその短編作品の評論となっています。

私は1970年の9月号<E・S・ガードナー追悼特大号>からの購読者で、高校二年の夏休みも残り半月ほどの時、本屋さんで見つけたのでした。
それ以来、十年ちょっと定期購読を続けたものでした。
その後、30代になって仕事が忙しくなり、本を置く場所もないこともあり、買うのではなく図書館で借りて暇を見てポツポツ読むようになりました。

そういうわけで70年代のミステリ短編のお話は一番心に来ますね。

このシリーズ、冬には完結するそうで、今年一番の本になりそうです。

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(画像:小森収編『短編ミステリの二百年』1~5巻(創元推理文庫)と『ミステリマガジン』2020年7月ハヤカワ文庫創刊50年特集号)


小森収編『短編ミステリの二百年』1~5巻(創元推理文庫)
2019年10月『短編ミステリの二百年1』

 

2020年3月『短編ミステリの二百年2』

 

2020年8月『短編ミステリの二百年3』

 

2020年12月『短編ミステリの二百年4』

 

2021年6月『短編ミステリの二百年5』

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