2021.04.30

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦-楽しい読書293号

 ―第293号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の9回目。

今回からは、漢代の英傑たちの作品を取り上げていきます。

 まずは項羽と劉邦のそれぞれの作品から。

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◆ 楚調の歌 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)
  漢代の英傑たち
  ~ 項羽「垓下の歌」、高祖劉邦「大風の歌」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より

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(画像:書影(タイトル部分)『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)と司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫))
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(画像:司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫)より項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」のくだり)
 

 ●楚調の歌

(略)

 ●項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」

(略)

「垓下の歌」
力抜山兮気蓋世 
 力(ちから) 山(やま)を抜(ぬ)き 気(き) 世(よ)を蓋(おほ)う
時不利兮騅不逝
 時(とき) 利(り)あらず 騅(すい)(項羽の愛馬)逝(ゆ)かず
騅不逝兮可奈何
 騅(すい)の逝(ゆ)かざる 奈何(いかん)す可(べ)き
虞兮虞兮奈若何
 虞(ぐ)や虞(ぐ)や 若(なんぢ)を奈何(いかん)せん

「私の力は山を引き抜くほど強く、
 心意気は山を蓋い尽くすほど盛んであった。
 しかし時の流れは私に味方せず、
 長らく乗ってきた名馬の騅ももう進めなくなった。
 騅の進めなくなったのをどうしたらいいか。
 そしていつも私について来てくれた虞美人よ、虞美人よ、
 君をどうしようか、もはやどうしようもないなあ」

 (『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
   江原正士、宇野直人/著 平凡社
  「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.92-93)

 ●虞美人の返歌

(略)

漢兵已略地  漢兵(かんぺい)、已(すで)に地(ち)を略(りゃく)し
四方楚歌声  四方(しほう) 楚歌(そか)の声(こえ)
大王意気尽  大王(だいおう)(項羽のこと)意気(いき)尽(つ)く
賤妾何聊生  賤妾(せんしょう)(わたくし)
        何(なん)ぞ生(せい)に聊(やす)んぜん
(略)「劉邦の漢軍はすでに私たちの故郷である楚を略奪し、
 今や四方から楚の民謡まで聞こえます」。
 八方ふさがりというわけです。
 「項羽さま、さすがのあなたも闘志を失われたのですね。
  かくなる上は、この私だけが
  どうしておめおめと生き長らえることがありましょうか」。
 歌い終わった虞美人は、手にした剣で自らの首を斬って自決します。
 やがて彼女が倒れた場所に小さな芽が出て草がのび、
 ひなげしの花が咲きました。人々は虞美人を憐れんで、
 ひなげしのことを「虞美人草」と呼ぶようになった――
 と、ちょっと悲しい話が残っています。
 
 (『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
   江原正士、宇野直人/著 平凡社
  「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より p.95)

 ●司馬遼太郎『項羽と劉邦(下)』より

(略)

 《(あれは、楚歌ではないか)/項羽は、跳ね起きた。
  武装をして城楼にのぼってみると、地に満ちた篝火が、
  そのまま満天の星につらなっている。
  歌は、この城内の者がうたっているのではなく、
  すべて場外の野から湧きあがっているのである。
  楚の国は言語が中原と異なっているだけでなく、
  音律もちがっている。楚の音律は悲しく、
  ときにむせぶようであり、ときに怨ずるようで、
  それを聴けばたれの耳にも楚歌であることが分かる。/
  しかも四面ことごとく楚歌であった。/
  ――わが兵が、こうもおびただしく漢に味方したか。/
  とおもったとき、楚人の大王としての項羽は
  自分の命運の尽きたことを知った。
  楚人に擁せられてこその楚王であり、
  楚人が去れば王としての項羽は、もはやこの地上に存在しない。》

(略)

 《 力は山を抜き 気は世を蓋う/時に利非ずして

  と歌ったあと、拍っているひざの手をとめ、不意に床をみつめた。
  やがて、/

   騅逝かず

  と、歌った。脳裏に敵の重囲が浮かび、
  手も足も出なくなっている自分の姿が、
  雷光に射照らされるように映じたのにちがいない。
  項羽の目にふたたび涙が噴きだし、
  そのままふりかえって背後の虞姫をひきよせ、/

   騅逝かざるを奈何すべき/虞や虞や若を奈何せん
 
  と、うたいおさめた。/
   力抜山兮気蓋世 時不利兮騅不逝 騅不逝兮可奈何
   虞兮虞兮奈若何
  兮という間投詞が、ことばが切れるごとに入っている。
  兮は詞の気分に軽みをつける間投詞ではなく、
  むしろ作り手の項羽が、
  兮! と発声するごとに激情が一気に堰きとめられ、
  次いでつぎの句の感情にむかって
  いっそうに発揚する効果を持っている。項羽のこの場合の兮は、
  項羽のこのときの感情のはげしさをあらわしているだけでなく、
  最後に虞姫に対し、その名を呼ぶことにいちいち兮を投入したのは、
  この詩が要するに、虞姫よ、この項羽の悲運などどうでもよい、
  この世にお前をのこすことだけが恨みだ、という
  ただそれだけのことをこの詩によって言いたかったにちがいない。》

(略)

 ●高祖劉邦「大風の歌」

(略)

「歌一首」高祖劉邦

大風起兮雲飛揚  
 大風(たいふう)起(おこ)って 雲(くも)飛揚(ひよう)す
威加海内兮帰故鄕 
 威(い) 海内(かいだい)に加(くわ)はって
 故郷(こきょう)に帰(かえ)る
安得猛士兮守四方 
 安(いづ)くにか猛士(もうし)を得(え)て
 四方(しほう)を守(まも)らしめん

 (略)「大風が吹いて、雲が乱れ飛び、ちりぢりになった」。
 ここは自分を大風に、乱世のさまざまな豪傑を雲にたとえて、
 “そういう雲を吹き払って天下が統一された”という意味でしょうか。
 二句め、「権威は中国全体に浸透して、私は故郷に帰って来た」。
 最後は願望で、「この上はどうにかして、
 勇敢なもののふたちを味方につけ、中国全体を守らせたいものだ」。
 もう天下人ですから、帝王の感傷というか、
 大らかな感情に転化しています。(略)

 (『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
   江原正士、宇野直人/著 平凡社
  「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.96-97)

(略)

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

▲★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

 ● 参考小説を読む

▲★『項羽と劉邦(上・中・下)』司馬遼太郎 新潮文庫 改版 1984/9/27
―中国を統一した秦の始皇帝の死去から始まり、その後起きた陳勝と呉広
 の反乱、さらにそれに続く項羽、劉邦の戦いを描く。
 《天下を制する“人望”とは何かをきわめつくした物語》

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」をお届けしています。

前回までは『楚辞』をお送りしていましたが、今回からは、つぎの時代――秦から漢への時代です。
やはり流行っていたのは楚調の歌だったそうです。

今回は、その楚調の歌から時代を作った男たち――項羽と劉邦の歌を取り上げました。

かたや四面楚歌のなか愛する女、虞美人との別れの宴での歌と、その返歌。
そして漢の始祖となった高祖劉邦の故郷に錦を飾った時の歌。

人の世というものは、なかなかに難しいもの。
リーダーとなる条件――人望というものも相当に複雑なものですね。

歴史の流れというものを見ていますと、本当にわからないものです。
一人、人間の力だけでは動かない、何かがありますね。

コロナ禍においても同じで、人はどう動けば良いのか、運もありますし、人の努力だけではどうにもならない何かを感じます。

それでも、ジタバタせずじっくりと時を待つ、というのも一つの解決への道かもしれません。
もちろんただ何もせず待つのではありません。
準備ですね、次の時代に向けて今できることを――。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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2021.04.15

私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)ハヤカワ文庫の50冊(5)NF他-楽しい読書292号

 ―第292号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のお気に入りや、読んできた本の内、
 心に残る本を紹介してきました。

 ※ すべて今現在私の手元にある本から選んでいます。

   過去に持っていたけれど、押し出し整理法により、
   処分した本は除外しています。

  (図書館で借りて読んだものも除外しています。)

 前回までのおさらい――

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』

【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8
「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』

【6】
2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
2021.3.15
私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/03/post-0574cb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5fb379dedfe0c35721ff8cc2b4dbabd4
ミステリ文庫
(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン
(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編
(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編
(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール
(45)『ダークライン』
(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン
(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー
(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン
(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
<左利きミステリ>から――
(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
アガサ・クリスティー<クリスティー文庫>
(51)『ビッグ4』(52)『オリエント急行の殺人』(53)『死人の鏡』
(54)『ゼロ時間へ』

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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他 ――
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 ●ハヤカワ文庫の50冊――50冊突破!

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(画像:ハヤカワ文庫[書影]:ノンフィクション・ブックガイドなど9冊
(『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー、『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス、『SF英雄群像』野田昌宏、『ニュートンとアインシュタイン』『SFロボット学入門』石原 藤夫、『ミステリ・ハンドブック』『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部編、『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編)

 

 ●文庫NF(ノンフィクション)から――

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(画像:ハヤカワ文庫[書影]:文庫NF他、多重人格ものノンフィクション3冊
 『失われた私』シュライバー、『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』キイス)

(55)『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー 巻 正平/訳
ハヤカワ文庫 NF(35) 1978/9/1

 

 ●ノンフィクションにもドキュメンタリーにも「作者」がいる

 ●多重人格もの

(56)『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス
堀内 静子/訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2015/5/8

 

 ●文庫JAから――SF入門書やSF的解説書、科学者の伝記など

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(画像:ハヤカワ文庫[書影]:文庫JAのSF系のガイドや科学解説の入門書3冊
 『SF英雄群像』野田昌宏、『ニュートンとアインシュタイン』『SFロボット学入門』石原 藤夫)

(57)『SF英雄群像』野田昌宏 ハヤカワ文庫JA119 1979/12/1

 

(58)『ニュートンとアインシュタイン』石原 藤夫 ハヤカワ文庫 JA169)
1983/3/1

 

(59)『SFロボット学入門』石原 藤夫 ハヤカワ文庫JA 1981/2/1

 

 ●ブックガイド類

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(画像:ハヤカワ文庫[書影]:海外ミステリ、冒険小説のブックガイド等3冊
 『海外ミステリ・ハンドブック』『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部編、『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編)

 

(60)『ミステリ・ハンドブック』早川書房編集部編
ハヤカワ・ミステリ文庫 1991/9/1

 

(61)『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部/編
ハヤカワ文庫NV 1992/10/1

 

(62)『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編 ハヤカワ文庫
―クリスティー文庫 2004/11/18

 

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本誌では、「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7) ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」と題して、ハヤカワ文庫の読書歴とともに、“ハヤカワ文庫の50冊”の5回目として、ノンフィクションやSF入門書や科学解説書やガイドブックの類を紹介しています。

個々の作品についての紹介文のみならず、その他の部分もすべて省略しています。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

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2021.03.31

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6)宋玉-楽しい読書291号

 ―第291号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年3月31日号(No.291)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6) 宋玉」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年3月31日号(No.291)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6) 宋玉」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の8回目。

今回は、『楚辞』の6回目で、宋玉の作品を取り上げています。

2020(令和2)年6月30日号(No.273)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)」

2020.6.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)
-「楽しい読書」第273号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/06/post-da2d6a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4674b3200df69fc61b39c71e135b0eea

2020(令和2)年9月30日号(No.279)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)「離騒」前編」

2020.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)「離騒」前編
-楽しい読書279号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-a9bc2d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/69a03a861ab11437b3e548aa7417dfb9

2020(令和2)年10月31日号(No.281)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5) 『楚辞』(3)「離騒」後編」

2020.10.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5)『楚辞』(3)
-楽しい読書281号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-6275d5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/49d8229c141f532a6d330c2e1fb45b74

2021(令和3)年1月31日号(No.287)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)
『楚辞』(4)屈原の他の作品「九章」」

2021.1.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)『楚辞』(4)-楽しい読書287号

2021(令和3)年2月28日号(No.289)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)
『楚辞』(5)屈原「九歌」「漁父」」

2021.2.28
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)『楚辞』(5)-楽しい読書289号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-361c76.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6e9eaaa081df9735e2be1975a9d0ff57

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◆ 『楚辞』もう一つのタイプの詩 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)
  『楚辞』(6)
  ~ 宋玉「九弁」「招魂」 ~
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今回の参考文献――

『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
明治書院
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
『楚辞』目加田誠/訳・解説
 平凡社〈中国古典文学大系・15〉『詩経・楚辞』

 

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(画像:書影(タイトル部分)『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編 明治書院 2004.6.20)

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(画像:書影(タイトル部分)『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編 明治書院 2004.6.20,『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20))

 

 ●宋玉について

(略)

 ●宋玉「九弁」

(略)

 ・・・

「九弁」(第一段の冒頭)

 《悲哉秋之為気也
   悲(かな)しいかな、秋(あき)の気(き)たるや。
  蕭瑟兮 草木搖落而変衰
   蕭瑟(しょうしつ)たり、
   草木(そうもく)搖落(ようらく)して変衰(へんすい)す。

  悲しいしいことよ、秋の気というものは。
  風はさわさわとさびしく鳴っている。
  それで草木は吹き散り、色も変わっておとろえる。

  憭(りっしんべんに尞)慄兮 若在遠行
  登山臨水兮 送将帰
   憭慄(りょうりつ)たり、遠行(えんこう)に在(あ)りて
   山(やま)に登(のぼ)り水(みず)に臨(のぞ)み、
   将(まさ)に帰(かえ)らんとするを送(おく)るが若(ごと)し。
  泬(さんずいに穴)寥兮 天高而気清
  寂寥兮 收潦而水清
   泬寥(けつりょう)たり、
   天(てん)高(たか)くして気(き)清(きよ)し。
   寂寥(せきりょう)たり、
   潦(りょう)を収(おさ)めて水(みず)清(きよ)し。

  逝く秋には心がいたみ悲しむ。
  それは遠い旅路で、山に登ったり、水辺に立ったりして、
  故郷に帰ろうとする人を送る時の気分のようである。
  秋の眺めはむなしく雲もない。天は高く空気は清らかである。
  秋の野はひっそりと物影もない。
  道の溜り水も収まり引いて、秋の水は澄んでいる。

  憯悽増欷兮 薄寒之中人
  愴怳懭悢(りっしんべんにそれぞれ兄、廣、良)兮 去故而就新
   憯悽(さんせい)として増々(ますます)欷(すすりな)き、
   薄寒(はくかん)之(こ)れ人(ひと)に中(あ)たる。
   愴怳(そうこう)懭悢(こうろう)として、
   故(こ)を去(さ)りて新(しん)に就(つ)く。

  心は悲しみ痛んで、いよいよすすり泣き、
  薄ら寒い秋の気は人の身にしみる。
  そんな時物悲しく心うつろに、気もうちしおれ、
  住みなれた土地を去って見知らぬ国に行く。

  坎廩兮 貧士失職而志不平
  廓落兮 羇旅而無友生
   坎廩(かんらん)たり、貧士(ひんし)職(しょく)を失(うしな)いて
   志(こころざし)平(たい)らかならず。
   廓落(かくらく)たり、
   羇旅(きりょ)にして友生(ゆうせい)無(な)し。

  不遇に心楽しまず、貧しい士人は心中おだやかでない。
  ただ広々として寂しい。この旅の空に友達もいないのである。

  惆悵兮 而私自憐
   惆悵(ちゅうちょう)たり、
   而(しこう)して私(ひそ)かに自(みずか)ら憐(あわ)れむ。

  心はいたみ悲しむ。そしてひそかに自分を憐れに思う。

  (悲愁の候、貧士失職、遷客自ら哀れむとは、
   宋玉が屈原に代わってその心中を述べる。)》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「九弁」)

 

以下、屈原の悲しみ――孤独と君への思いを綿々と綴る。

『新書漢文大系・23・楚辞』では、十一段に分けていますが、
その第三段の表現は、<背景>によりますと、

 《ものみな枯れゆく秋の情景描写と索漠たる心情を重ね合わせて
  特に美しい》

といいます。(紹介すれば良いのでしょうけれど……。)

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』の
宇野直人さんによりますと、
この第一段の後世への影響が大きい、といいます。
秋を“悲しい季節”として表現した画期的な作品だ、と。

例えば『詩経』に歌われる秋は、
穫り入れ、収穫の季節として表現されているそうです。

この影響が日本に伝わって、“秋は悲しい”という感覚が定着した、と。

「九弁」は『楚辞』だけでなく、
『文選(もんぜん)』という名作集にも入っており、
平安時代の初めによく読まれ、注目された。

 ・・・

(略)

 ●宋玉「招魂」

(略)

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(画像:『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)「二、神々の黄昏――屈原・宋玉と『楚辞』」p.74-75(宋玉についての解説と「九弁」冒頭))
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(画像:『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)「二、神々の黄昏――屈原・宋玉と『楚辞』」p.76-77(宋玉「九弁」冒頭続きと解説))

 ・・・

「招魂」(第九段の末尾)

 《娯酒不廃 沈日夜些
   酒(さけ)を娯(たの)しんで廃せず、日夜に沈む。
  蘭膏明燭 華鐙錯些
   蘭膏(らんこう)の明燭(めいしょく)、華鐙(かとう)錯(お)く。
  結撰至思 蘭芳仮些
   至思(しし)を結撰(けつせん)して、
   蘭芳(らんほう)仮(おお)いなり。
  人有所極 同心賦些 
   人(ひと)極(いた)る所(ところ)有(あ)り、
   心(こころ)を同(おな)じうして賦(ふ)す。
  酎飲尽歓 楽先故些 
   酎飲(ちゅういん)して歓(かん)を尽(つ)くし、
   先故(せんこ)を楽します。
  魂兮帰来 反故居些 
   魂(こん)よ帰(かえ)り来(き)たりて、故居(こきょ)に反(かえ)れ。

  酒を楽しんで止めず、日夜耽り飲む。
  蘭のかおりの膏(あぶら)にともる明るいともし火、
  花紋を彫刻そた灯台が置かれる。
  思いをこめて綴り述べる詩は、蘭の香りのように清く立派である。
  人々は各自思いの至りきわまるところがあるが、同じ心で詩を作る。
  酒を飲んで楽しみを尽くし、先祖や昔馴染の人々を楽しませる。
   (こんな好い所はほかにはない。)
  魂よ帰って、もとの住居(すまい)に戻りなさい。》

「招魂」(第十段ラスト)

 《朱明承夜兮 時不可以淹
   朱明(しゅめい)夜(よる)を承(う)けて、
   時(とき)は以(もつ)て淹(とど)む可(べ)からず。
  皋蘭被径兮 斯路漸
   皐蘭(こうらん)径(けい)を被(おお)いて、
   斯(こ)の路(みち)漸(ひた)る。
  湛湛江水兮 上有楓
  目極千里兮 傷春心 
   湛湛(たんたん)たる江水(こうすい)、
   上(うえ)に楓(ふう)有(あ)り。
   目(め)は千里(せんり)を極(きわ)めて、
   春心(しゅんしん)を傷(いた)ましむ。
  魂兮帰来 哀江南 
   魂(こん)よ帰(かえ)り来(き)れ、江南(こうなん)哀(かな)し。

  太陽の光は夜陰の後を受けて輝き、
  過ぎ行く時は止めることができない。
  月日は早くも過ぎ去ってしまった。
  今も沢の蘭は小路を蔽って茂っているのに、
  この路は水に漸(ひた)っている。
  湛(たた)え満ちた大川の水、
  その上には楓樹が茂る。
  千里遠く目の届く限り眺めていると、春の心を傷ませる。
   (屈原の自述。)

  魂よ、帰りなさい。江南は哀しい。(招辞)》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「招魂」)

『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
<背景>によりますと、

 《「招魂」は楚辞の一つの典型となって伝わった。
  自らの魂を田園に招き寄せた陶淵明の「帰去来」の辞も
  この系統に属し、
  庚信の「哀江南賦」、杜甫「哀江頭」などの題は、
  この篇の結びの句に拠っている。》

といいますように、
後世の漢詩に影響を与えた宋玉の「招魂」の紹介は
以上でおしまいです。

 ・・・

予定よりずっと長くなりましたが、『楚辞』の紹介は今回で終了です。
まずい紹介でしたが、お付き合いありがとうございました。

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

 

★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

 

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

 

★『中国の古代文学(一)神話から楚辞へ』白川静/著 中公文庫
BIBLIO 1980.9.10
―中国文学の原点『詩経』と『楚辞』の古代歌謡を『記紀万葉』と
 対比して考察する。文学の原点である神話が、中国では『書経』
 に人間の歴史として書き変えられ定着していると解説する。

 

 ●『楚辞』を読む

▲★『詩経・楚辞』目加田誠/訳 平凡社〈中国古典文学大系・15〉
昭和44 (1969)
―『詩経』『楚辞』の翻訳と解説。(後半は『楚辞』)

 

▲★『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
 明治書院 2004.6.20
―原文に書下し文と解説・背景を伏したコンパクトな入門書。

 

★『楚辞「離騒」を読む 悲劇の忠臣・屈原の人物像をめぐって』
矢田 尚子 東北大学出版会 2018/12/3
―その形成過程の歴史的背景を考慮しつつ、屈原伝説にとらわれず、
 作品本位に屈原と『楚辞』との関係をとらえ直そうとする。

 

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6) 宋玉」をお届けしています。

ここでは、宋玉の「九弁」「招魂」を取り上げています。

あくまでも部分的な紹介です。
後世に影響を与えたと言われる「賦」に関する部分、日本に伝わり「秋は悲しい季節」とされるようになったという「九弁」冒頭の部分、「招魂」のラストの部分を取り上げてみました。

 ・・・

長くなった『楚辞』の紹介でしたが、今回で終了です。
屈原の生涯における放逐とその悲しみを歌う「離騒」に惹かれ、長々とした紹介になりました。
その割に、要所を押さえられず、散漫な紹介になったかと思います。

またいずれ機会があれば、もう少し要領よく紹介したいものです。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』

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2021.03.15

私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号

 ―第290号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のお気に入りや、読んできた本の内、
 心に残る本を紹介してきました。

 ※ すべて今現在私の手元にある本から選んでいます。

   過去に持っていたけれど、押し出し整理法により、
   処分した本は除外しています。

  (図書館で借りて読んだものも除外しています。)

 

 前回までのおさらい――

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』

【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8
「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』

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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫 ――
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 ●ミステリ文庫の思い出

ハヤカワ文庫50周年記念の「ハヤカワ文庫の50冊」も
いよいよ大詰め、40点を超え、ラスト10点となりました。

ここで<ミステリ文庫>の登場です。

<ミステリ文庫>は創刊が1976年と後発のため、
私の読書初期からは少し間があり、
その分、もう一つ「これは」という思い出に欠けるところがあります。

ミステリは好きなジャンルでもあるのですが、
私の読書初期においては、創元推理文庫や新潮文庫といった所から
出ている作品を読んできました。

新潮文庫は、ルパン傑作集全10巻や
ホームズものを初めとするコナン・ドイルの短編集など。

創元では、アガサ・クリスティーやエラリー・クイーンなどの
初期作品を読んできました。

またクリスティーやクイーンの中期以降の作品や、
『ミステリマガジン』で知った作家たち――
《競馬スリラー》シリーズのディック・フランシスや
《87分署》シリーズのエド・マクベインなどのお気に入り作家たちは、
もっぱらハヤカワ・ミステリ(ポケミス)で読んでいました。

そのため、当初のミステリ文庫のイメージというのは、
あまり強いものがありません。
ようやく出たか、という感じで。

期待はありましたが、
ポケミスで手に入れにくかった名作が文庫で出てくるようになった、
その辺の部分だけが、当初のこの文庫のイメージでしょうか。

次には、文庫オリジナルで出た新刊もないこともないのですが、
当初ハードカバーで出て文庫化という流れの本、
これがやはり私にとっては、買う本の主体になっていきました。

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(画像:ハヤカワミステリ文庫、クリスティー文庫の本29冊背表紙)

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(画像:ハヤカワミステリ文庫、クリスティー文庫の本29冊表紙)

 

 ●ミステリ文庫――短編集から

では、ミステリ文庫から――。

まずは、「やっと手に入れた名作」編としては、
【最初の6冊】の『死の接吻』や
【私のお気に入り7】の『スイートホーム殺人事件』が
そういう一冊でした。

他には、

(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン 宇野利泰/訳
2015/06/04

(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編 2014/04/24

(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編 井上 一夫他/訳 1984/3/1

 ●ミステリ文庫――文庫化作品から

次に、ポケミスや四六判ハードカバー本で出版されたのち、
文庫となった文庫化作品を――

まずは、私の好きな作家の一人ランズデールの作品から。

(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール 北野 寿美枝/訳
2005/3/24

(45)『ダークライン』匝瑳 玲子/訳 ミステリ文庫 2006/7/1

 ●ミステリ文庫――少し古い作品から

次は、少し前の古い作品、古本屋さんで改めて買い直した本から――

(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン 石田善彦/訳
1994/5/1

(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー 石田 英二/訳
1978/10/1

(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン 加島 祥造/訳 1978/9/1

(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ/著 鈴木恵/訳 2018/11/20

*参照:
2019(令和元)年11月30日号(No.260)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)
『その雪と血を』ジョー・ネスボ」
2019.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/11/post-2d509d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e0b43669289d5be0dd6bc01509240c60

 ●ミステリ文庫――<左利きミステリ>から

次に、<左利きミステリ>を――

(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
七搦 理美子/訳 2008/3/7

この作品は、2001年の『サイレント・ジョー』に続き、2004年の本書で
二度目のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した。
文庫本で650ページの大作ですが、とにかく興味深い内容で読ませます。

記憶で書きますと、カリフォルニア・オレンジのポスターの娘が
首を切られて殺されます。
その事件を追うのが、その昔娘がまだ小さい頃から知っている三兄弟……。

一部書きますと、左利きの「犯人」が登場します。

*参照:
第339号(No.339) 2012/11/17 「名作の中の左利き
~推理小説編13~左利きにご用心『カリフォルニア・ガール』」

 ・・・

アガサ・クリスティーの個人文庫<クリスティー文庫>から、
私が今までに見つけた<左利きミステリ>な作品を――

(51)『ビッグ4』中村 妙子/訳 2004/3/16

問題作でもある名作『アクロイド殺し』の次の作品ということで、
一部から失敗作とも言われる<名探偵ポアロ>ものの第4作。
過去に雑誌に連載した短編をまとめて長編化したもの。
意外に拾いもので、第11章の「チェスの問題」が左利きミステリ。
被害者の左利きの特性を利用したトリック。
私のようにポアロとヘイスティングズのコンビがお好きな人には、
(ある理由により)必読の一冊でもあります。

(52)『オリエント急行の殺人』 山本 やよい/訳 2011/4/5

何度も映画化、ドラマ化されているポアロものの名作中の名作。
複数の傷跡から右利きと左利きの犯人がいると推理されるが……。

(53)『死人の鏡』小倉 多加志/訳 2004/5/14

ポアロものの中編3編短編1編を集めたもの、
冒頭の「厩舎街(ミューズ)の殺人」が左利きミステリ。
この作品は、以前に何度か紹介しています。

*参照:
第355号(No.355) 2013/3/16「名作の中の左利き
~推理小説編14~ 不審な自殺「厩舎街の殺人」クリスティー」

2005.4.4 左利きが手掛かりになる推理小説―
クリスティー「厩舎街(ミューズ)の殺人」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2005/04/post.html

(54)『ゼロ時間へ』三川 基好/訳 2004/5/14

クリスティーのレギュラー探偵のなかでは数少ない登場作のひとり、
バトル警視が活躍する名作。
犯罪が起こってから始まるミステリの常識を覆し、
犯行の時間(ゼロ時間)へ向かうという野心的な物語です。
左利きのあの人が犯人なのか?

 ●ディック・フランシスの手持ち文庫本から

最後に私の好きだった作家ディック・フランシスから――

先にも書きましたように、私にとっては、<ポケミスの作家>もしくは、
四六判ハードカバーの作家ということになるのですけれど。

ハードカバー版になってからは、値段もさることながら、
置き場所の点から、ポケミスの時のように新作が出るたびに買う
という余裕がなくなり、偶然文庫化されたものを見つけたときに買う
という状況で、探しても買うということがなく、
ごく一部の本が手元にあるだけです。

作品の良し悪し好き嫌いの別はありません。

【最初の6冊】のひとつ『重賞』だけは別ですが。

今手持ちの本の書名のみ列挙しておきます。

『追込』『障害』『配当』『奪回』『証拠』
シッド・ハレー以外で初めての同一主人公の二作『侵入』『連投』、
『直線』『標的』
休筆後息子さんと復活した第一作『再起』、
正式に息子さんとの共著となった復活第二作『祝宴』。
『重賞』込みで12冊ですね。

210312hayakawa-b-hm-df

(画像:ハヤカワミステリ文庫ディック・フランシスの手持ち本12冊表紙)

ポケミス13冊と、ハードカバーの『利腕』を合わせて、
44冊中26冊持っていることになります。

 ・・・

以上で「ミステリ文庫編」終了です。

次回は、小説以外のノンフィクションやガイドブックなどを
取り上げてみます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」と題して、ハヤカワ文庫の読書歴とともに、“ハヤカワ文庫の50冊”の4回目として「ミステリ文庫」から短篇集、アンソロジー、文庫化作品、古い作品、<左利きミステリ>を紹介しています。

個々の作品についての紹介文は省略しています。

「●ミステリ文庫――<左利きミステリ>から」の部分のみ転載しています。

これはこのブログへのサービスというところです。
それ以外の作品については、本誌をご覧ください。

よろしく!

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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2021.02.28

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)『楚辞』(5)-楽しい読書289号

 ―第289号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年2月28日号(No.289)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)
『楚辞』(5)屈原「九歌」「漁父」」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年2月28日号(No.289)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)
『楚辞』(5)屈原「九歌」「漁父」」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 またまた久しぶりに、
 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の7回目。

今回は、『楚辞』の5回目で、
 屈原の「離騒」以外の他の作品を取り上げています。

 

2020(令和2)年6月30日号(No.273)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)」

2020.6.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)
-「楽しい読書」第273号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/06/post-da2d6a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4674b3200df69fc61b39c71e135b0eea

2020(令和2)年9月30日号(No.279)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)
「離騒」前編」

2020.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)「離騒」前編
-楽しい読書279号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-a9bc2d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/69a03a861ab11437b3e548aa7417dfb9

2020(令和2)年10月31日号(No.281)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5)
『楚辞』(3)「離騒」後編」

2020.10.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5)『楚辞』(3)
-楽しい読書281号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-6275d5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/49d8229c141f532a6d330c2e1fb45b74

2021(令和3)年1月31日号(No.287)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)
『楚辞』(4)屈原の他の作品「九章」」

2021.1.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)『楚辞』(4)
-楽しい読書287号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/01/post-62755d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5df8119cefb5cbb6eeda8bb493d59085

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 『楚辞』もう一つのタイプの詩 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)
  『楚辞』(5)
  ~ 屈原「九歌」「漁父」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

Soji-sinsho

『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
明治書院
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
『楚辞』目加田誠/訳・解説
 平凡社〈中国古典文学大系・15〉『詩経・楚辞』

 ●屈原「九歌」

(略)

 ●九歌十一篇――
   (一)東皇太一(二)雲中君(三)湘君(四)湘夫人

以下、『新書漢文大系・23・楚辞』「九歌」各詩篇の解説
<背景>欄の文章を引用または参考に紹介します。

(一)「東皇太一」は、

 《祭祀の席の豪華な設えや、供え物の酒の芳ばしさ、
  神に捧げる楽と舞いの美しさを言祝ぐことで
  神への崇敬を表現し、九歌の筆頭を飾る。》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「九歌(一)東皇太一」<背景>)

冒頭の一節。

 《吉日兮辰良 穆将愉兮上皇
   吉日(きちじつ)の辰(しん)も良(よ)し。
   穆(つつし)みて将(まさ)に
   上皇(じょうこう)を愉(なぐさ)めんとす。

  今日のよき日の時刻も良い
  ここに敬(つつし)んで上天の神を慰め奉ろう。》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「九歌(一)東皇太一」)

(二)雲中君

雲の神が巫に降臨し、日月に等しい光を放ち、
空を遠く飛び去って行く。
その様を憧憬を持って描く。

(三)湘君(四)湘夫人

これらは先にも書きましたように、二篇で一つ。
湘君と湘夫人で男女一対の湘水の神。
恋い慕い合う心情を歌う。

「(三)湘君」

 《君不行兮夷猶 蹇誰留兮中洲
   君行(ゆ)かずして夷(い)猶(ゆう)す。
   蹇(ああ)誰(たれ)か中洲(ちゅうしゅう)に留(とど)まれる。

  美要眇兮宜修 沛吾乗兮桂舟
   美しく要眇(ようびょう)として宜修(ぎしゅう)に、
   沛(はい)として吾(われ)桂舟(けいしゅう)に乗る。

  令沅湘兮無波 使江水兮安流
   沅湘(げんしょう)をして波(なみ)無(な)からしめ、
   江水(こうすい)をして安(やす)らかに流(なが)しめ、

  望夫君兮未来 吹参差兮誰思
   夫(か)の君(きみ)を望(のぞ)めども未(いま)だ来(き)たらず、
   参差(しんし)を吹(ふ)いて誰(たれ)かを思(おも)う。

  かの君はまだ行かずにためらっている。
  ああ、川の中洲に留まっているのは誰だろう。
  美しくみやびやかに、粧(よそお)いも整い、
  ゆらりと私は桂の舟に乗る。
  湘水の神なれば、私は沅水と湘水に波も立てさせず、
  大川の水を安らかに流れさせ、
  かの君、湘夫人を望み見るけれども、まだ来られない。

  (略)

  捐余玦兮江中 遺余佩兮灃浦
   余(よ)が玦(けつ)を江中(こうちゅう)に捐(す)て、
   余(よ)が佩(はい)灃浦(れいほ)に遺(す)て、
  采芳洲兮杜若 将以遺兮下女
   芳洲(ほうしゅう)の杜若(とじゃく)を采(と)り、
   将(まさ)に下女(げじょ)に遺(おく)らんとす。
  時不可兮再得 聊逍遥兮容与
   時(とき)は再(ふたた)び得(う)可(べ)からず。
   聊(しばら)く逍遥(しょうよう)して容与(ようよ)せん。

  私の玦(けつ)のさげ玉を大川の中に投げ入れ、
  私の佩び物を灃浦の中に落とし込んで、
  芳しい草の茂る中洲の杜若を摘み取り、
  下にいる乙女の君に贈ろうと思う。
  君と会う時はまたと得られないのだから、
  しばらくここにあてもなくさまよい、ゆっくりと君と遊ぼう。》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「九歌(三)湘君」)

「(四)湘夫人」

 《帝子降兮北渚 目眇眇兮愁予 
   帝子(ていし)北渚(ほくし)に降(くだ)る。
   目(め)眇眇(びょうびょう)として予(よ)を愁(うれ)えしむ。
  嫋嫋兮秋風 洞庭波兮木葉下 
   嫋嫋(じょうじょう)たる秋風(しゅんぷう)は、
   洞庭(どうてい)波(なみ)だって木葉(もくよう)下(くだ)る。
  登白薠兮騁望 与佳期兮夕張 
   白薠(はくへん)に登(のぼ)りて望(のぞ)みを騁(は)せ、
   佳期(かき)を与(とも)にせんとして夕(ゆう)べに張(は)る。
  鳥何萃兮蘋中 罾何為兮木上 
   鳥(とり)何(なん)そ蘋(ひん)の中(なか)に萃(あつ)まれる。
   罾(あみ)何(なん)ぞ木(き)の上(うえ)に為(な)せる。

  天帝の御子湘君は北の渚に降りたもう。
  目路もはるかに眺めていると、私を悲しませるのである。
  そよそよと吹きつづける秋の風の中に立っていると、
  洞庭の広い湖面に波が立って、
  岸の木の葉がしきりに散っている。
  白薠(しろはます)に踏み乗り、目のとどく限り、
  かの君との楽しい逢瀬のために支度をする。

  (略)

  捐余袂兮江中 遺余褋兮澧浦
   余(よ)が袂(へい)を江中(こうちゅう)に捐(す)て、
   余(よ)が褋(ちょう)を澧浦(れいほ)に遺(す)て、
  搴汀洲兮杜若 将以遺兮遠者
   汀洲(ていしゅ)の杜若(とじゃく)を搴(と)り、
   将(まさ)に以(もつ)て遠(とお)きの者(もの)に遺(おく)らんとす。
  時不可兮驟得 聊逍遥兮容与
   時(とき)は驟々(しばしば)得(う)可(べ)からず。
   聊(しばら)く逍遥(しょうよう)して容与(ようよ)せん。

  私の袷(あわせ)肌着を江中に投げ、
  私の褋(ひとえ)を澧浦の水に落とし込み、
  川の中洲の杜若を取って、遠く離れているあの人に贈ろう。
  君と会うのによい時は、しばしばは得られないから、
  しばらくここに目的もなく歩きまわり、ゆっくりと遊ぼうと思う。》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「九歌(四)湘夫人」)

「(三)湘君」「(四)湘夫人」それぞれの冒頭と結びの分です。
それぞれ対応しているのがわかります。

 

 ●九歌十一篇――(五)大司命(六)少司命(七)東君
   (八)河伯(九)山鬼(十)国殤(十一)礼魂

(五)大司命(六)少司命

こちらも二篇で一つ。寿命・運命を司る星の神。
「湘君」「湘夫人」同様、男女一対の神が互いに恋い慕い合う歌。

(七)東君

東君は太陽神。
東の空に朝日が昇り、宮殿を照らす。
日の神となった巫女は日の出を情景を歌う。

(八)河伯

河伯は、黄河の神。古くは河神と称された。
巫女がこの河伯を恋する気持ちを歌う。

(九)山鬼

山鬼は、山中の女の精霊。
人間の男性を誘惑する神女として、
雲や雨などの自然現象に取り巻かれた夢幻的な存在。
そんな私が貴公子のあなたを待っているのに……、と歌う。

(十)国殤

「殤」とは、成人前に死んだ者や戦死者。
国のために犠牲となった死者の霊を慰めるために、
その戦場における奮戦ぶりを歌頌して功績を称える。
肉体は死んでも精神は不死であることを祈る鎮魂歌。

(十一)礼魂

「礼魂」とは、霊魂に礼を献ずるの意。
国から何る短い詩で、独立した一篇というより、
全体をまとめる「乱辞」とする説。
(一)「東皇太一」を九歌十一篇の最初にある迎神曲とみて、
「礼魂」は、祭祀の終わりを告げる送神曲とする見方もある。
または、まえの「国殤」と対応させて、無事に一生を終えた人の、
霊魂を祭るものとする見方もある。

 《成礼兮会鼓 伝芭兮代舞
   礼(れい)を成(な)して鼓(つづみ)を会(かい)し、 
   芭(は)を伝(つた)えて代(か)わる代(が)わる舞(ま)う。
  姱女倡兮容与
   姱女(かじょ)倡(うた)いて容与(ようよ)たり。
  春蘭兮秋菊 長無絶兮終古
   春蘭(しゅんらん)と秋菊(しゅうぎく)と、
   長(なが)く絶(た)ゆること無(な)く終古(しゅうこ)ならん。
  
  儀礼を手落ちなく行い、太鼓を打ち連れて、
  香草を手渡しては、代わる代わる舞う。
  みめよき巫女は歌をうたって、のどかに遊ぶ。
  春の蘭と秋の菊と、香りよき花を供えて、
  祭りは長く絶えることなく、
  とこしえまでも変わらないであろう。》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「九歌(十一)礼魂」)

終わり。

 

 ●「漁父」

(略)

 ●「漁父」と屈原のイメージについて

(略)

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

★『中国の古代文学(一)神話から楚辞へ』白川静/著 中公文庫
BIBLIO 1980.9.10
―中国文学の原点『詩経』と『楚辞』の古代歌謡を『記紀万葉』と
 対比して考察する。文学の原点である神話が、中国では『書経』
 に人間の歴史として書き変えられ定着していると解説する。

 ●『楚辞』を読む

★『詩経・楚辞』目加田誠/訳 平凡社〈中国古典文学大系・15〉
昭和44 (1969)
―『詩経』の翻訳と解説。(後半は『楚辞』)

▲★『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
 明治書院 2004.6.20
―原文に書下し文と解説・背景を伏したコンパクトな入門書。

★『楚辞「離騒」を読む 悲劇の忠臣・屈原の人物像をめぐって』
矢田 尚子 東北大学出版会 2018/12/3
―その形成過程の歴史的背景を考慮しつつ、屈原伝説にとらわれず、
 作品本位に屈原と『楚辞』との関係をとらえ直そうとする。

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)『楚辞』(5)」をお届けしています。

ここでは、屈原の「九歌」と屈原作と伝えられる「漁父」を取り上げています。

「九歌」は、一部のみ原文や読み下し、現代語訳を『新書漢文大系・23・楚辞』から紹介しています。

「漁父」は、短いものなので、全文紹介しています。
こちらでは省略していますけれど。

これで、屈原作とされるものの紹介者終了とし、次回からは、宋玉の作品を取り上げる予定です。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

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2021.02.15

私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号

 ―第288号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3) 」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 またまた久しぶりに、
 「私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年」
 に戻ります。

 ハヤカワ文庫創刊が7月でしたから、
 まだ「50周年」の一年は過ぎていないので、
 良しとしましょう。

 昨年、1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫
 「ハヤカワ文庫」が50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のお気に入りや、読んできた本の内、
 心に残る本を紹介してきました。

 ※ すべて今現在私の手元にある本から選んでいます。

   過去に持っていたけれど、押し出し整理法により、
   処分した本は除外しています。

  (図書館で借りて読んだものも除外しています。)

 前回までのおさらい――

私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』ロバート・E・ハワード
団 精二/訳(荒俣宏さんの若い頃の翻訳者名)
2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』アイラ・レヴィン
高橋 泰邦/訳

3.NV『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン
村上 博基/訳

4.HM『重賞』ディック・フランシス
菊池 光/訳

5.HM『死の接吻』アイラ・レヴィン
中田 耕治/訳

6.FT『夢の10セント銀貨』ジャック・フィニイ
山田 順子/訳

 

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
福島 正実/訳 ハヤカワ文庫FT 1980/11/1

(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
深町 眞理子/訳 ハヤカワ文庫SF 1978/7/1

(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
伊藤 典夫/訳 ハヤカワ文庫SF 2006/10/6

(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
井上 一夫/訳 ハヤカワ文庫NV 1975/3/1

(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
深町 眞理子/訳 ハヤカワ文庫NV 1974/5/1

(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
長谷川 修二 ハヤカワ・ミステリHM文庫 1984/10/1

(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』
村上 博基/訳 ハヤカワ文庫NV 1973/7/1

 

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】
 ――続編および同一作家の他の名作・佳作
1’(8)『夢の10セント銀貨』ジャック・フィニイ山田 順子/訳
(ハヤカワ文庫FT 1979/2/1)

2’(9)『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン, 宇佐川晶子他/訳
(ハヤカワ文庫SF 1977/12/1)。

3’(10)『時をとめた少女』ロバート・F・ヤング 小尾芙佐,
深町眞理子, 岡部宏之, 山田順子/訳 (ハヤカワ文庫SF 2017/2/23)

5’(11)『山荘綺談』シャーリイ・ジャクスン 小倉多加志/訳
(ハヤカワ文庫NV モダンホラー・セレクション 1972/6/1)

7’(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』ルイス・ギルバート
村上 博基/訳 (ハヤカワ文庫NV 1981/2/1)

(13)ロバート・J・ソウヤー『フレームシフト』内田昌之/訳
ハヤカワ文庫SF 2000/3/1 (文庫SF)

(14)エイミー・トムスン『ヴァーチャル・ガール』田中一江/訳
ハヤカワ文庫SF 1994/10/1 (文庫SF)

(15)ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
『たったひとつの冴えたやりかた』浅倉久志/訳 ハヤカワ文庫SF
1987/10/1 (文庫SF)

(16)ポール・アンダースン『魔界の紋章』豊田有恒/訳
ハヤカワ文庫SF 1978/2/1 (文庫SF)

(17)ウィリアム・ホープ・ホジスン『異次元を覗く家』団 精二/訳
ハヤカワ文庫SF 1972/5/1 (文庫SF)

(18)ロバート・A・ハインライン『夏への扉』福島 正実/訳
 (文庫SF)

(19)ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を〔新版〕』
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫NV 2015/3/13 (文庫NV)

(20)カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』土屋政雄/訳
ハヤカワepi文庫 2008/8/1 (epi文庫)

 

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』仁賀克雄訳 ハヤカワ文庫 SF36 1971/9/1

(22)『異次元の女王』同 ハヤカワ文庫 SF62 1972/9/1

(23)『暗黒界の妖精』同 ハヤカワ文庫 SF82 1973/2/1

<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)同 ハヤカワ文庫 SF139 1974/3/1

▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
 <ホーカ>シリーズ +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
(25)『地球人のお荷物』稲葉明雄・伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫 SF68
1972/9/1

(26)『くたばれスネイクス』稲葉明雄・他訳 ハヤカワ文庫SF
1987/6/1

(27)『がんばれチャーリー』宇佐川 晶子訳 ハヤカワ文庫SF
1988/10/1

▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』ハヤカワ文庫JA190 1984/7/1

(29)『大冒険はおべんと持って』ハヤカワ文庫JA234 1987/1/1

「文庫JA」
(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』早川書房編集部編

(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』梶尾真治 ハヤカワ文庫JA
2016/12/20

「文庫NV」
(33)『時の地図 上・下』フェリクス・J・パルマ 宮崎 真紀訳
ハヤカワ文庫 NV 2010/10/8

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(3) NVの数々 ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●「文庫NV」とは

(略)

 ●「文庫NV」から選んでみると――冒険小説

まずは、冒険小説から――冒険小説といえば、本場はイギリス。
イギリス人作家のふたりから始めましょう。

210214hayakawa-bonko-nv-mac

(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『ナヴァロンの要塞』『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン)

 

(34)『ナヴァロンの要塞』アリステア・マクリーン
平井 イサク/訳 1977/2/1

(略)

210214hayakawa-bonko-nv-ho

(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『スペイン要塞を撃滅せよ』『トルコ沖の砲煙』『パナマの死闘』セシル・スコット・フォレスター(海の男ホーンブロワー・シリーズ 2,4,5))

 

(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』セシル・スコット・フォレスター
 高橋 泰邦/訳
(ハヤカワ文庫 NV 58 海の男ホーンブロワー・シリーズ 2)1973/12/1

『トルコ沖の砲煙』高橋 泰邦/訳
(ハヤカワ文庫 NV 70 海の男ホーンブロワー・シリーズ 4)1974/6/1

『パナマの死闘』高橋 泰邦/訳
(ハヤカワ文庫 NV 80 海の男ホーンブロワー・シリーズ 5)1974/11/1

(略)

 ●「文庫NV」から選んでみると――ホラー:アンソロジー

ホラー部門では、先に挙げている2冊以外に
アンソロジーを――

(36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』カービー・マッコーリー編

『闇の展覧会〔1〕』では、
スティーヴン・キングの中編「霧」が名作。

(略)

『ナイトヴィジョン スニーカー』キング他
ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション 1990/5/1

キング、ダン・シモンズの中短編と、
ジョージ・R・R・マーティンの
89年度世界幻想文学大賞中篇部門賞受賞作「皮剥ぎ人」収録。

「皮剥ぎ人」がいい。
アメリカの田舎のまちを牛耳るボスと対決する探偵のお話と、
人狼ものをミックスした傑作中編。

 ●「文庫NV」から選んでみると――ホラー:マシスン

(略)

『激突!』リチャード・マシスン 小鷹 信光/訳
ハヤカワ文庫 NV 37 1973/3/1

(略)

(37)『地球最後の男』リチャード・マシスン 田中 小実昌/訳
ハヤカワ文庫 NV 151 モダンホラー・セレクション 1977/9/1

(略)

 ●「文庫NV」から選んでみると――ホラー・幻想など

(略)

『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー/編
小倉 多加志/訳 ハヤカワ文庫―NV 1980/9/1

(略)

(38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
フィリップ・K・ディック 仁賀 克雄/編・訳
ハヤカワ文庫 NV 122 1976/8/1

(略)

210214hayakawa-bonko-nv

(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』カービー・マッコーリー編、『ナイトヴィジョン スニーカー』、『地球最後の男』『激突!』リチャード・マシスン、『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー/編、『地図にない町 ディック幻想短篇集』フィリップ・K・ディック)

 

 ●「文庫NV」から選んでみると――サスペンス

210214hayakawa-bonko-nv-s

(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『堕ちる天使』ウィリアム・ヒョーツバーグ、『GATACA(上)(下)』フランク・ティリエ)

(略)

(39)『堕ちる天使』ウィリアム・ヒョーツバーグ 佐和 誠/訳
ハヤカワ文庫NV 1981/2/1

(略)

次に、〈左利きミステリ〉でもあるフランスの作品で、

(40)『GATACA(上)(下)』フランク・ティリエ 平岡 敦/訳
ハヤカワ文庫NV 2013/5/24

シリーズもので、前作の謎?を明らかにする部分は、凄い。
楽しみな連作のようです。

今回は、左利きにまつわるお話で、凶悪な殺人者が生まれるのは、
遺伝的な要素があるのだという。
で、左利きもその特徴の一つだと。
(この辺は左利きの私には非常に面白くない部分ですが。)

映画化もされたようで、左利き研究20年のイギリス人科学者の著書
『非対称の起源』(クリス・マクマナス 講談社ブルーバックス)

という左利きの研究書の中でもふれていたという記憶があります。

お話は面白いのでその辺はオススメです。

 ・・・

今回はこの辺で。
次回は、いよいよ「文庫ミステリ」編です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5) ハヤカワ文庫の50冊(3) 」と題して、ハヤカワ文庫の読書歴とともに、“ハヤカワ文庫の50冊”の3回目として「文庫NV」から冒険もの、ホラー系、サスペンスもののを紹介しています。

コメントの類いは基本省略しています。

もうすぐ50冊になってしまうのですが、まだまだ書きたい本、
紹介したい本があるので、どうなるのでしょうか。

まあ、最悪は、「ハヤカワ文庫の100冊」にすれば済む問題ですので。

お楽しみに! ということで……。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

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2021.01.31

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)『楚辞』(4)-楽しい読書287号

 ―第287号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2021(令和3)年1月31日号(No.287)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)
『楚辞』(4)屈原の他の作品「九章」」


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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年1月31日号(No.287)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)
『楚辞』(4)屈原の他の作品「九章」」
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 またまた久しぶりに、
 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の6回目。

今回は、『楚辞』の4回目で、
 屈原の「離騒」以外の他の作品を取り上げてみましょう。


2020(令和2)年6月30日号(No.273)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)」

2020.6.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)
-「楽しい読書」第273号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/06/post-da2d6a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4674b3200df69fc61b39c71e135b0eea

2020(令和2)年9月30日号(No.279)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)
「離騒」前編」

2020.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)「離騒」前編
-楽しい読書279号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-a9bc2d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/69a03a861ab11437b3e548aa7417dfb9

2020(令和2)年10月31日号(No.281)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5)
『楚辞』(3)「離騒」後編」

2020.10.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5)『楚辞』(3)
-楽しい読書281号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-6275d5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/49d8229c141f532a6d330c2e1fb45b74


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 「離騒」と同じく屈原の心情を詠う詩 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)
  『楚辞』(4)
  ~ 屈原の他の作品「九章」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
明治書院

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社

Soji-sinsho
(画像:書影(タイトル部分)『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編 明治書院 2004.6.20)

 ●「九章」

まずは、「離騒」同様、《屈原放遂後の慨嘆を著した作品》
とされる「九章」から。

この作品は、
《屈原が残した九篇の作品を後人がまとめたもの》とされる。

(『新書漢文大系・23・楚辞』
 「九章(一)惜誦(せきしょう)」<背景>より)

(一)惜誦(せきしょう)
(二)渉江(しょうこう)
(三)哀郢(あいえい)
(四)抽思(ちゅうし)
(五)懐沙(かいしゃ)
(六)思美人(しびじん)
(七)惜往日(せきおうじつ)
(八)橘頌(きつしょう)
(九)悲回風(ひかいふう)

以上、九篇よりなる。

以下、適宜詩編の一部を抜き出し、あらすじを紹介しましょう。

210123kutugensoji
(画像:『楚辞』関連地図(『世界哲学史1』(ちくま新書)p.107の地図(春秋時代―紀元前500年頃の中国)に付記))

210123kutugensojikyuushou-sekishou
(画像:『新書漢文大系・23・楚辞』より「九章(一)惜誦」のページ)


 ●(一)惜誦(せきしょう)

 《惜誦以致愍兮  
   惜(いた)み誦(しょう)して
   以(もつ)て愍(うれ)いを致(いた)し、
  発憤以杼情    
   憤(いきどお)りを発(はつ)して
   以(もつ)て情(じょう)を杼(の)ぶ。
  所非忠而言之兮 
   忠(ちゅう)に非(あら)ずして
   之(これ)を言(い)う所(ところ)あらば、
  指蒼天以為正  
   蒼天(そうてん)を指(ゆび)さして
   以(もつ)て正(せい)と為(な)さん。

  わが君を惜しみ痛んで、辞を誦し、そのためにわざわいを招き、
  私は憤りを発して、真情をのべる。
  もしも真実でないことを私が言うとすれば、
  あの蒼天をさして、誓ってその証としよう。

  (略)

  疾親君而無他兮 
   疾(つと)めて君(きみ)を親(した)しみて他(た)無(な)し、
  有招禍之道也  
   有(また)禍(わざわい)を招(まね)くの道なり。

  努めて君に親しむよりほか考えなかったが、
  またそれが禍を招く道であった。》

(『新書漢文大系・23・楚辞』
 「九章(一)惜誦(せきしょう)」原文・書き下し文・解釈より)

冒頭の一節です。
「離騒」同様、讒言により、
懐王に最初に放遂されたときの作品です。

 ●(二)渉江(しょうこう)、(三)哀郢(あいえい)

(略)

 ●(四)抽思(ちゅうし)、(五)懐沙(かいしゃ)

(略)

 ●(六)思美人(しびじん)

(略)

 ●(七)惜往日(せきおうじつ)

(略)

 ●(八)橘頌(きつしょう)

(略)

 ●(九)悲回風(ひかいふう)

(略)

最後の一節。

 《驟諫君而不聴兮 任重石之何益
   驟〃(しばしば)君(きみ)を諫(いさ)めて聴(き)かれず、
   重石(じゅうせき)を任(にな)うも
   之(こ)れ何(なん)の益(えき)あり。
  心絓(糸偏に圭)結而不解兮 思蹇産而不釈
   心(こころ)は絓結(かけつ)して解(と)けず、
   思(おも)いは蹇産(けんさん)として釈(と)けず。

  私はしばしば君を諫めて聴き入れられないので、
  申徒狄のように重い石を背負って沈んでも何の益があろうか。
  それ故私の心はむすぼれて解けず、
  思いはもつれまつわって釈けないのである。》
   
<背景>によりますと、最後の二句は、
句数から見て、元々あったであろう最後の二句が欠けているので、
後人が(三)「哀郢」からとって補ったのであろう
と考えられているといいます。

 ・・・

かくして「九章」は終了。

「離騒」同様、讒言により追放された身を歎き、
放浪する主人公の姿を描くのですが、
「離騒」ほどは、幻想的なイマジネーションの飛躍はなく、
その分、思いがストレートに描かれているのかもしれません。

最初に読んだとき、「離騒」とともに、
『楚辞』のほかの詩編より、心に残るものとなっていました。

どこまで私の印象が伝わったのかは疑問ですが、
今の自分にできる範囲での紹介でした。

 ・・・

次回は、「九歌」を少し紹介しておきたいと思います。

(略)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

★『中国の古代文学(一)神話から楚辞へ』白川静/著 中公文庫
BIBLIO 1980.9.10
―中国文学の原点『詩経』と『楚辞』の古代歌謡を『記紀万葉』と
 対比して考察する。文学の原点である神話が、中国では『書経』
 に人間の歴史として書き変えられ定着していると解説する。

 ●『楚辞』を読む

★『詩経・楚辞』目加田誠/訳 平凡社〈中国古典文学大系・15〉
昭和44 (1969)
―『詩経』の翻訳と解説。(後半は『楚辞』)

▲★『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
 明治書院 2004.6.20
―原文に書下し文と解説・背景を伏したコンパクトな入門書。

★『楚辞「離騒」を読む 悲劇の忠臣・屈原の人物像をめぐって』
矢田 尚子 東北大学出版会 2018/12/3
―その形成過程の歴史的背景を考慮しつつ、屈原伝説にとらわれず、
 作品本位に屈原と『楚辞』との関係をとらえ直そうとする。

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)『楚辞』(4)屈原の他の作品「九章」」をお届けしています。

ここでは冒頭の一節のみ転載しています。

その他は、本誌でご覧ください。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

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2021.01.15

私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後)フィクション系-楽しい読書286号

2021(令和3)年、
年明け第一発目の「レフティやすおの楽しい読書」です。

今年もよろしくお願いいたします。 (゚゚)(。。)ペコッ

コロナ第三波が拡大真っ最中ですが、
おうち時間を大切に!

本でも読んで、力をためる時間にしましょう。

そして、
転んでもただ起きない、不撓不屈の精神で乗り切りましょう!

レフティやすお

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年1月15日号(No.286)
「私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後編)
フィクション系
『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 恒例のその年、もしくは前年に私が読んだ本から選んだ
 「私の年間ベスト3」です。

 今回は「フィクション系」から。

 小説・詩等の文芸作品を「フィクション系」と呼んでいます。
 一部のエッセイは、分類が難しいものもありますが、
 その辺は私の判断で。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 本屋さん絶滅の危機と名探偵の決り事 -
  ~ 私の年間ベスト3・2020(後編)フィクション系 ~
  『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ/著
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

<クリスマス・ストーリーをあなたに>
<夏の文庫>

(略)

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

(略)

 ●(2)それ以外の古典の名作

(略)

 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

<左利きミステリ入門>(1)(2)
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>(3)(4)

(略)

 ●(4)個人的な趣味の本

(海外ミステリ)
(海外ホラー・怪奇小説系)

(略)

 ●私の年間ベスト3・2020(後編)フィクション系

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
[初読]から―

201892dorobou-ha

(画像:[書影]『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ)

 

1.『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ
田口 俊樹/訳 集英社文庫 2018/9/2

190612keibatu

(画像:[書影]『刑罰』フェルディナント・フォン・シーラッハ)

 

2.『刑罰』フェルディナント・フォン・シーラッハ
 酒寄 進一/訳 東京創元社 2019/6/12

 

[再読]から―

Yabanjin

(画像:[書影]『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』)

 

3.『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
シャ-リイ・ジャクスン 深町 眞理子/訳 ハヤカワ文庫NV 1974/5/1

 

*2020年末に出た
『短編ミステリの二百年4』小森収編 創元推理文庫 2020/12/21

 

に、『野蛮人との生活』の一編「家じゅうが流感にかかった夜」が収録されています。
ぜひ、ご一読を!

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

(略)

 ●私の今年2019年〈フィクション系〉ベスト1

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 

  ~ 本屋さん絶滅の危機と名探偵の決り事 ~
  『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ
    田口 俊樹/訳 集英社文庫 2018/9/2

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

(略)

 ●ベスト3以外の作品について――「左利き」

200406hidarite-no

(画像:[書影]ベスト3以外の作品――『左手のための小作品集─100のエピソード─』)

・『左手のための小作品集─100のエピソード─』
J・ロバート・レノン 李 春喜/訳 関西大学出版部 2020/2/6

(略)

 ●ベスト3以外の作品について――ホラー冒険もの

199081nightworld

(画像:[書影]ベスト3以外の作品――『ナイトワールド(上下)』F・ポール・ウィルスン、『マンハッタンの戦慄(上下)』F・ポール・ウィルスン)

・『ナイトワールド(上下)』F・ポール・ウィルスン
広瀬 順弘/訳 扶桑社ミステリー 1994/3/1

・『マンハッタンの戦慄(上下)』F・ポール・ウィルスン
大滝 啓裕/訳 扶桑社ミステリー 1990/8/1

(略)

 ●ベスト3以外の作品について――アンソロジー

201221tanpen-misuteri-no-200nen-14

(画像:[書影]ベスト3以外の作品――『短編ミステリの二百年1~4』小森収編 創元推理文庫)

・『短編ミステリの二百年1』小森収編 創元推理文庫

(略)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後編)フィクション系『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ」」と題して、2020年に読んだ本の中から、今回はフィクション系の本から「私のベスト3」を選び紹介しています。

詳細は本誌をお読みください。

書名は上げています。
知ってる人は知っているで、わからない人は読んでみましょう!

一言だけ書きますと、『泥棒はスプーンを数える』は、<元・本屋の兄ちゃん>として本屋さんの気持ちがわかるということが、大きな魅力になっているシリーズだということもあります。

このシリーズのファンには、ミステリが好きというよりも、本が好き、本にまつわるお話が好きというファンがきっと多いのだろうと思います。

 

本に限らずですが、リアル店舗で商品を確認してネット検索で安値の商品を注文する→「かしこい消費者の買い物」と言えるのかもしれません。
でも、何かしら心にひっかるものを感じる人もいるのでは?

いいカッコするつもりでも良心的な人間を演じるつもりもないのですが、私はそういう一人です。
できる限り、リアル店舗重視でありたいと考えています。
(昔、お店で働いていたという経歴も影響していると思います。)

それが、目先の利益ではなく、回り回って、自分の生活を潤すことになるような気がしています。
特に地元の身近なお店を利用することが、経済のみならず地方の活性化にもつながると思います。

お店の経営も成り立つし、地元の雇用も増えるし、税収も安定するし、と……。

(うちの近くでも、大型総合スーパーが進出し、商店街や小さな個人店が衰退し、その後、隣町に超大型ショッピングモールができ、総合スーパーも落ち目になり閉店、一気に買い物が不便なまちになってしまった、ということがありました。)

ネット販売によって、地方の小さな店でも経営的にやっていけるようになった、という面もあるとは思いますが……。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

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2021.01.01

新年明けましておめでとう!2021(令和3)年1月1日

昨年は色々お世話になりました。

 

コロナ禍で大変な一年になってしまいましたね。

でも、世界がどうなろうと、日本がどうなろうと、やっぱり私たちは生きてゆくしかないのです。

死すべき人間として生まれてきた限り、一日一日死に向かって今このときを生きていくしかないのです。

だからこそ、一年一年区切りを付けながら、流されることなくその日々を、希望を胸に生きてゆくのです。

また新しいこの一年に、夢を抱き、期待しながら……。

 

また今年もよろしくお願いしたします。

それぞれ各人の持てる力の限り、明るい未来に向けて、ゆっくりでもいい、歩んでいきましょう!

いつかきっと、きっといつの日にか、輝ける地にいたる日が来ることを祈って。

 

◎私の読書メルマガ昨年の最終号から――

古典から始める レフティやすおの楽しい読書
https://www.mag2.com/m/0000257388.html

2020(令和2)年12月31日号(No.285)
「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系
現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」

 

あの星を見つづけるんだ。星によって導かせるのだ。けっして星を見失ってはいけない。》『翼よ、あれがパリの灯だ(下)』「第二部 ニューヨークからパリへ」p.67

この場合の「星」は、夢や希望を意味する比喩ではなく、現実の方位を確認するための「星」なのですが、比喩的に読んでもふさわしいものがあると感じています。

夢を失ってはいけない、自分の目指す方向を見失ってはいけない、ということ。

210101tubasayo

『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 旺文社文庫 昭和44(1969).11.1

 

 

 

レフティやすお

 

 

2021nengalefty-yasuo (画像:2021(令和三)年レフティやすお年賀状)

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2020.12.31

私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前)リアル系-楽しい読書285号

 ―第285号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2020(令和2)年12月31日号(No.285)
「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系
現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」

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2020(令和2)年も終わります。

今年は、コロナ禍の一年となりました。

本来なら1964年以来の
二度目の日本の首都でのオリンピック

 2020東京オリンピック/パラリンピック

の年となるはずでした。

多くの方の希望と努力の日々が
無残に砕け散った結果となりました。

でも、来年もう一度チャンスがあります。
希望を胸にチャレンジしてゆきましょう。

今でも遅くない諦めるべきだという人もいます。
様々な得失を考えれば、
止めるという決断も間違いではないのかもしれません。

しかし、夢を自ら諦めるのではなく、
最後の瞬間まで諦めないこと、最善の努力を続けるということも、
勇気ある、大事な決断だと思います。

頑張りましょう!
明日のために!

輝く希望の星を見上げて。

 

今年もお世話になりました。
来年も変わることなく、応援よろしくお願いいたします。

では、良いお年を!

レフティやすお

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2020(令和2)年12月31日号(No.285)
「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系
現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」
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 恒例のその年、もしくは前年に私が読んだ本から選んだ
 「私の年間ベスト3」です。

 まずは、「リアル系」から。

 

 いつも書いていますが――

 「リアル系」とは、
 いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、をいいます。

 それに対して、小説等の文芸作品は、
 「フィクション系」と呼んでいます。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 しかし「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルになってしまいますので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

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 - 現代にも通用する古典エッセイ -
  ~ 私の年間ベスト3・2020(前編)リアル系 ~
  『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下 志朗/著
   岩波新書
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 ●2020年の傾向――コロナ禍

(略)

 ●分類してみると

リアル系の内訳を例年のように分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強本―漢詩、読書関連
(2)その他の古典系のお勉強本
(3)小説や左利き本等著作のためのお勉強本
(4)個人的な趣味で、仏教や空海・弘法大師に関する本

(略)

 ●『モンテーニュ 人生を旅するための7章』

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(画像:宮下志朗『モンテーニュ 人生を旅するための7章』)

(略)

モンテーニュという人は、現代にも通じる普遍性という、
物事の本質に関わる考察を続けていた人だったのでしょう。

全体は全6巻と長いので、手に取りにくいと思いますが、
本書の著者・宮下志朗さんがいうように、
1章ずつ別のお話ですので、それを積み重ねて行けばよいのです。

 《『エセー』を、気ままなエッセイとして読み始めてみよう。》
  「第7章「エッセイ」というスタイル」p.223

(略)

*参照:モンテーニュ
[Michel Eyquem De Montaigne1533年2月28日-1592年9月13日]

・『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下 志朗/著
岩波新書 2019/7/20

・全訳【宮下 志朗/訳 白水社版 全7巻】2005-2016
『エセー〈1〉』2005/10/1

―1595年版を底本に、モンテーニュ自身の加筆を明確にするべく、
 版に合わせて、(A)(B)(C)と追加された文章を区別しながら訳す
 従来の翻訳をやめ、通して読める翻訳にした新訳。

・全訳【岩波文庫】版
『エセー 6冊セット』原 二郎/訳 2015/7/10

―ボルドー版を底本に、1580年の初版の文章に(a)、
 1588年版の増補分に(b)、それ以後手沢本の加筆を(c)、
 と『エセー』の進展ぶりを明瞭に区別して翻訳している。

・選集【荒木 昭太郎/訳 中公クラシックス】版・全3巻
『エセー〈1〉人間とはなにか』2002/9/1

『エセー〈2〉思考と表現』2002/10/1

『エセー〈3〉社会と世界』2003/3/1

―私が最初に読んだ本。全体のほぼ3分の2。

 ●気になる出版企画――『世界哲学史』ちくま新書

(略)

 ●『ブッダ伝 生涯と思想』中村元

(略)

 ●「人生はいかに生きるべきか」の教え

 《仏教とは、もともと「人生はいかに生きるべきか」を説く
  実践の教えでした。
  その実践とは、聖なる道につとめ励むことです。(略)
  その道とは、「最上の道」、「彼岸へいたる道」、
  「道を得る」などといわれる普遍的な理想的な道のことです。》
   「第八章 善き友、ブッダ」p.244

(略)

 《「人間は苦なる存在である」というのは、
  仏教の出発点であって、数十年の熟慮反省の結果、
  ついに「人生の味わいの深さ、美しさ、楽しさ、喜び」を
  体得するのが本当の仏の教えだと思います。》
   「第十二章 入滅の時」p.393

私の思うに、本来、仏教というのは、他の宗教と違い、
戒律戒律と締め上げるものではなく、
宗教といいつつも、もっと人間的なものだと思います。

生きるという行為は、「真善美」を極めるという、
真理や善的なものや美を求める道のようなもの、
ではないでしょうか。

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(画像:中村元の著書『ブッダ伝』と訳書・岩波文庫版
『ブッダのことば――スッタニパータ』
『ブッダの真理のことば・感興のことば』
『ブッダ最後の旅――大パリニッバーナ経』)

 

 ●リンドバーグ『翼よ、あれがパリの灯だ』

(略)

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(画像:『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 旺文社文庫 昭和44(1969).11.1)

 

 ●夢と計画と実行と

最も大事なことは、夢を持ち、計画を立て、実行に移すこと。

本書は、いろんなことを教えてくれますが、
なかでも一番心に留めておくべきこと、最も大事なことは、
夢を持ち、計画を立て、実行に移すことだ、
という姿勢でしょうか。

 

 《人間の着想(アイデア)というものは種子のようなものであり、
  それは最初手に取り上げたときは、
  全く取りに足らないものなのだ。(略)
  しかしひとたびしっかりと根をおろすと、
  それはぐんぐん成長してどんな花も咲かせ、
  トウモロコシの茎にもなり、アメリカ杉にもなる――
  つまり、大洋を横断する飛行にもなるのだ。
  着想というものは種子以上に不思議なものである。(略)
  人間はどんな空想をえがこうとも、
  もしあまりにも傲慢になり神の正義を侵害しない限り、
  達成はできる。》
   『翼よ、あれがパリの灯だ(下)』 
    「第二部 ニューヨークからパリへ」p.32

 《私は計画を生かしておくことがたいせつだ。
  私はどこでも計画を推し進め、
  大西洋横断飛行の話をするときは、
  本気であるということを人々に示さなければならない。
  これがやがてベランカ機買い入れまで運ぶことになる。》
   『翼よ、あれがパリの灯だ(上)』 
    「第一部 2 ニューヨーク」p.92

 《あの星を見つづけるんだ。星によって導かせるのだ。
  けっして星を見失ってはいけない。》
   『翼よ、あれがパリの灯だ(下)』 
    「第二部 ニューヨークからパリへ」p.67

この場合の「星」は、夢や希望を意味する比喩ではなく、
現実の方位を確認するための「星」なのですが、
比喩的に読んでもふさわしいものがあると感じています。

夢を失ってはいけない、自分の目指す方向を見失ってはいけない、
ということ。

(略)

 ●私の今年2020年〈リアル系〉ベスト3

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

1.『モンテーニュ 人生を旅するための7章』宮下 志朗/著
岩波新書 2019/7/20

2.『ブッダ伝 生涯と思想』中村元/著 角川ソフィア文庫

3.『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』チャールズ・オーガスタス・
リンドバーグ/著 佐藤 亮一/訳 旺文社文庫 昭和44(1969).11.1

『翼よ、あれがパリの灯だ』チャールズ・A・リンドバーグ/著
佐藤 亮一/訳 恒文社 1991/10/1

―復刻版。

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

 

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(画像:私の今年2020年〈リアル系〉ベスト3
『モンテーニュ』『ブッダ伝』『翼よ、あれがパリの灯だ(上下)』)

 ●ベスト3以外のリアル系の本

今年(2020)のベスト3は以上ですが、
ベスト3以外では、

・『読む力 現代の羅針盤となる150冊』松岡正剛・佐藤優
中公新書ラクレ 2018/4/9

―本誌でも何回か取り上げた本です。

・『人はなぜ物語を求めるのか』千野帽子
ちくまプリマー新書 2017/3/6

―『ミステリマガジン』の連載コラムでその存在を知った著者・
千野帽子さんの「物語」とは何か、なぜ人は物語に惹かれるのか、
という一連の「物語」論の1冊です。
『物語は人生を救うのか』(同 2019/5/7)

という次の1冊も出ています。

・『空海「秘蔵宝鑰」こころの庭を知る手引き』
加藤純一・加藤精一 角川ソフィア文庫 2010/4/25

―現代語訳。

・『NHK宗教の時間 空海「秘蔵宝鑰」をよむ(上下)』福田亮成
NHK出版 2008/3/1、2008/9/1

―NHKラジオのテキスト。2020年、国書刊行会より
『空海「秘蔵宝鑰」をよむ』として書籍化。

・『空海コレクションI』宮坂宥勝監修 ちくま学芸文庫 2004/10/7

―現代語訳「秘蔵宝鑰」「弁顕密二教論」収録

(一部、略)

といった本は、空海の主著の一つ
『秘蔵宝鑰』の現代語訳本や解説書の類いですが、
空海の思想「十住心論」(主著『秘密曼荼羅十住心論』)を
短く説いた、この著書を挙げておきたいですね。

心の発達段階を本能に基づく第一段階から
頂点の第十段階である密教まで10段階に分け、
それぞれに対応する心のあり方や宗教・宗派の思想を解説する
「十住心論」は、
『世界哲学史』の3巻でも空海の章で取り上げられています。

中世日本を代表する哲学の一つといってよい、
ということでしょう。

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(画像:ベスト3以外から、空海『秘蔵宝鑰』の現代語訳本や解説書
『NHK宗教の時間 空海「秘蔵宝鑰」をよむ(上下)』
『空海「秘蔵宝鑰」』『空海コレクションI』)

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本誌では、「私の読書論139-私の年間ベスト3・2020年(前編)リアル系 現代にも通用する古典エッセイ『モンテーニュ』宮下志朗」と題して、2020年に読んだ本の中から、今回はリアル系の本から「私のベスト3」を選び紹介しています。

本文でも書いていますように、今年はコロナ禍の影響で精神が不安定で、思うように本の世界に没入できず、冊数は進みませんでした。
50代から朝読をはじめ、年間100冊以上読むようになっていたのですが、今年は80冊ちょい。

また図書館の休館もあり、手持ちの本から読むことが多くなり、特に初期の持ち本は小説本が多く、必然的に買い置きの本や持ち本の再読では、リアル系の本が少なく、結果的に今年はリアル系の本が25冊程度。
例年ならリアル系とフィクション系が半々なのですけれど、ね。

で、そのなかから選んだものが、これでした。

今年のもう一つの傾向としては、メルマガの月末発行分の古典紹介編用の勉強がほとんど進んでいなかった、ということでしょうか。
やはり、これは図書館の休館が大きかったですね。

西日本最大級の規模を誇る府立図書館が、3月から5月下旬頃まで。
地元の市の図書館が、新図書館に移転するということで、お正月明けに休館に入り、3月7日新図書館開館の予定だったのですが……。
結局そのまま休館状態が5月下旬まで。

そんなこともあり、図書館本で勉強していたメルマガの古典編は、勉強が滞り、思うように進められませんでした。
その点がちょっと残念なことでした。

 

でも、こうやって振り返りますと、それなりに読んできたのかな、という気もします。

ただ問題があるとすれば、やはり本に触れる機会が大きく減ったという点。
新刊書店にしろ古本屋にしろ、本屋さんの営業時間の短縮だったり、休業だったり。

それでなくても、本屋さんが激減状態になっていて、本にふれる機会が減っている。
さらに古本市のイベントが中止になったこともあり、購入本の半分ぐらいを占めていた古本のほうもふれる機会が激減。

その辺のところですね。
困ったことでした。

古本市のイベントは後半はどことも復活していますが、新規感染者数の多い大阪市内が会場のものが多く、つい敬遠してしまいました。
来年は気軽にどこへでも出かけられるようになればいいのに、と願っています。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』

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