2023.01.15

私の読書論165-私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前)総リスト&再読編-楽しい読書334号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年1月15日号(No.334)「私の読書論165-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」

 

例年のことですが、
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年1月15日号(No.334)「私の読書論165-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」
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 今年の一発目になります。
 今年も「私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)」です。

 <フィクション系>は、文字通りフィクション、
 小説等の創作物を指します。

 まずは、「再読編」から。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 昔の感覚に間違いはなかった!? -
  ~ 私の年間ベスト3・2022フィクション系(前編) ~
  2022年フィクション系ほぼ全書名紹介&<再読編ベスト3>候補作
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

今年は、冊数そのものは、例年に負けない50冊程度でした。
ただ、再読ものが多数(20冊)となりました。

そこで今年は、<再読編ベスト3>と<初読編ベスト3>とに分けて
紹介してみましょう。

 ・・・

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

*(再):自分の蔵書の再読本、[再]:作品そのものは再読、本は新本

2022年は、コロナで中断していた本の整理を再開しようということで、
再読ものが増えました。
何十年ぶりかに改めて読み直して不要なものは処分する、ということで、
過去には聖域として除外していた本も、思いきって……。

そこで怪奇・恐怖もの(海外のホラー)をかなり読んでみました。
他にも推理小説(海外ミステリ)も読みました。

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から」向けの本から――

・[再]『老人と海』ヘミングウェイ 高見浩訳
 新潮文庫 2020/6/24

・[再]『老人と海』アーネスト ヘミングウェイ 小川 高義/訳 
光文社古典新訳文庫 2014/9/11

2022(令和3)年7月15日号(No.322)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(1)
新潮文庫『老人と海』ヘミングウェイ(高見浩訳)」
2022.7.15
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(1)新潮文庫『老人と海』-「楽しい読書」第322号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-0bc97e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a3c96264c4e3a66832a5f013d7dfd965

・[再]『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外 角川文庫 1967/2022

2022(令和3)年7月31日号(No.323)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(2)角川文庫『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外」
2022.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(2)
角川文庫『山椒大夫~』森鴎外-「楽しい読書」第323号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-b6a16c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/68c6961aff920da9831353e34d8a34e3

・『光の帝国 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2000/9/20(1997) 

・『蒲公英(たんぽぽ)草紙 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2008/5/20(2005)
・『エンドゲーム 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2009/5/20(2006)

2022(令和3)年8月31日号(No.325)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(3)集英社文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸」
2022.8.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(3)集英文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸
-「楽しい読書」第324号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-8cf420.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5d442e3e2fd0fe6a283a313a5147da3d

・(再)『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン/著 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF ピープル・シリーズ 1978/7/1(1959)

・(再)『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン/著 宇佐川晶子, 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF 500 ピープル・シリーズ) 1982(1967)

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『左利きを考える 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第624号(No.624) 2022/8/13
「2022年8月合併号―8月13日 国際左利きの日
 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY―」
2022.8.13
2022年8月13日左利きの日INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY合併号
-週刊ヒッキイ第624号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-54feef.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e993c67c3ad6bbfb1ae083afb30873aa
第625号(No.625) 2022/9/3
「2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)
左利きとアイデンティティ ~《ピープル》シリーズから考える」
2022.9.3
2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)左利きとアイデンティティ
-週刊ヒッキイ第625号

恩田陸さんの<常野物語>は、
ゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズに触発された物語でもあり、
そういう意味で参考文献的に、この本も読みました。
そのまえに、私のもう一つのメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』でも、
少数派と差別、多様性といった面から取り上げていました。

 

「世界の十大(重大?)[小]恋愛小説」の試み のための本から――

・[再]『潮騒』三島由紀夫 新潮文庫 新版 2020/10/28

2022(令和4)年11月15日号(No.330)
「私の読書論162 x161 -小説の王道、それは恋愛小説か?(2)
ハッピーエンド型・悲恋型」
2022.11.15
私の読書論162-小説の王道-恋愛小説(2)ハッピーエンド型・悲恋型
-「楽しい読書」第330号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/11/post-f4ce33.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/02969a20ac7c9b91e9e8615f7da6ee3c

この企画は、
今年の「私の読書論」で、閑をみて書いていこうと考えています。

そういう候補作の一つでもあります。
これは、新版が出ているというので、読んでみました。
解説が「〔新解説〕重松清」に変わっているところが異なります。
本編はもちろん変わりません。

 

 ●(2)それ以外の古典の名作

これといってなし。
1950年代、60年代も今では古典ともいえますが、
自分の感覚としましては、つい昨日読んだ本のイメージがあって、
古典にはしづらいものがあります。

一つだけあげれば――

・(再)『怪奇幻想の文学 I 深紅の法悦』紀田順一郎、荒俣宏/編
 新人物往来社 新装版 1979

私の蔵書は、1979年の新装版ですが、元の版は1969年出版で、
吸血鬼ものの怪奇・恐怖小説(ホラー)の短編アンソロジーです。
その収録作には、ジョン・ポリドリ「吸血鬼」(1819)や、
レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」(1872)などの
古典と呼んでいい作品があります。

・(再)『妖怪博士ジョン・サイレンス』アルジャーノン・ブラックウッド
 国書刊行会<ドラキュラ叢書 第三巻> 1976

も、1908年刊のオカルト探偵もののホラー短編集
(<シャーロック・ホームズのライバルたち>の変種といったところ)
もありました。

 

 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

「勉強のため」といいますと、考え方により、何でも挙げられます。
特にこれ、というものはありませんでした。

<左利きミステリ>
・『探偵コナン・ドイル』ブラッドリー・ハーパー ハヤカワ・ミステリ
 2020

――「左利きの殺人鬼」として知られるジャック・ザ・リッパー
(切り裂きジャック)を、名探偵ホームズの生みの親コナン・ドイルが、
ホームズ流推理のモデルといわれる医学の恩師ベル博士、
同じく作家の女性マーガレットの三銃士で追いかける時代ミステリ。
・(再)『強盗プロフェッショナル』ドナルド・E・ウェストレーク
 角川文庫 1975

――2012年の<クリスマス・ストーリーをあなたに~>で紹介しました、
天才的犯罪プランナーにして職業的窃盗の第一人者、哀愁の中年泥棒
<ドートマンダー>ものの長編に登場する、
仲間の一人の甥の青年が抱く妄想の中のヒーローが左利き。

2021(令和3)年11月30日号(No.307)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-
「パーティー族」ドナルド・E・ウェストレイク」
2021.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-「パーティー族」
-楽しい読書307号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/11/post-89135b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/18c776f043925c645747d63c43d02f2c

 

 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
   ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

<海外ミステリ>
・(再)『リリアンと悪党ども』トニー・ケンリック 角川文庫 1980
・『マイ・フェア・レディース』トニー・ケンリック 角川文庫 1981
・『バーニーよ銃を取れ』トニー・ケンリック 角川文庫 1982

・『暗くなるまで待て』トニー・ケンリック 角川文庫 1984
・『俺たちには今日がある』トニー・ケンリック 角川文庫 1985

 

――トニー・ケンリックは、1974年『スカイジャック』という、
ジャンボ機ともども300人超の乗員乗客を誘拐するという
とんでもないアイデアをひっさげて登場した作家。
その後ボチボチと新作が刊行され、私も次々と買いました。
でも初めの3作は読んだものの、それ以後は買っただけで積ん読でした。
今回、蔵書整理の一貫でまとめて読みました。やっぱりおもしろい。
コメディタッチのサスペンスものから、冒険ものに移行しています。

・(再)『マンハンター』ジョー・ゴアズ 角川文庫 1978

・『ハメット』ジョー・ゴアズ 角川文庫 1985

アメリカの元探偵会社の探偵出身という経歴のハードボイルド系作家。
前者は、金持ちのお嬢さんを麻薬中毒に引き込んだ連中を罰するべく
活動する、しがない私立探偵の物語。その仕掛けがすごくて、かつ……。
後者は、同じく元探偵で作家となったハードボイルド系作家ハメットを
主人公にしたハードボイルド・ミステリ作品。

・(再)『堕ちる天使』ウィリアム・ヒョーツバーグ ハヤカワ文庫NV
 1981
・(再)『ポーをめぐる殺人』ウィリアム・ヒョーツバーグ
 扶桑社ミステリー 1998

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――ヒョーツバーグも、時折、意外な仕掛けのミステリを発表する。
前者は、オカルトもので、後者も一部オカルトがらみで、
コナン・ドイルのアメリカ公演旅行中の事件を描く。
ドイルと共に脱出王ハリー・フーディニが探偵として活躍し、
のちに作家となる新聞記者デイモン・ラニアン、
そしてドイルにしか見えない存在としてポーの亡霊が現れる、
など有名人たちが登場する。

・『タラント氏の事件簿』デイリー・キング 創元推理文庫 2018
――1930年代の短編集。<ホームズのライバル>ものとして読んでみた。
・『サム・ホーソーンの事件簿II』エドワード・D・ホック
 創元推理文庫 2002
――1000編もの短編ミステリを書いたと言われる著者ホックの
田舎医者の名探偵ぶりを描く本格謎解き時代ミステリ第二弾。
・『オクトーバー・リスト』ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫 2021
――事件の終わりから逆に遡って描くという大逆転発想のミステリ。
・『木曜殺人クラブ』リチャード・オスマン ハヤカワ・ミステリ 2021

――老人テーマの小説。養老院のクラブの一つ探偵クラブのメンバーが、
経営者の一人が殺されるという実際の事件を解決に導く物語。
各人の過去が織り込まれた物語が読ませる。

・『祖父の祈り』マイクル・Z・リューイン ハヤカワ・ミステリ 2022

・『父親たちにまつわる疑問』マイクル・Z・リューイン
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2022

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――マイクル・Z・リューイン生誕80周年記念出版のうちの新作二冊。
前者は、コロナ禍を思わせるパンデミック下の近未来アメリカを舞台に、
妻と娘の夫を亡くした祖父が、娘と孫の少年を守り抜こうとする物語。
後者は、心優しき私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズ最新作、
エイリアンだと自称する青年にまつわる事件、連作四中編。

・(再)『世界ショートショート傑作選1』各務三郎/編 講談社文庫
 1978
――海外作家による、<クライム&ミステリー>、<怪奇&幻想>、
<コント>の三部からなるショートショートの傑作アンソロジー。

<SF>
・(再)『世界SFパロディ傑作選』風見潤、安田均編 講談社文庫 1980
――海外作家によるSFのパロディ短編アンソロジー。

<怪奇/恐怖小説(ホラー)>
・(再)『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー編
 ハヤカワ文庫NV 1980

――吸血鬼の短編アンソロジー。古典から1970年代の現代ものまで。
・(再)『きみの血を』シオドア・スタージョン ハヤカワ・ミステリ 1971
――吸血鬼ものの変種。意外な青年のラブ・ロマンスもの。
・(再)『鳥』ダフネ・デュ・モーリア ハヤカワ・ミステリ 1963

――表題作はヒッチコックの映画の原作で、鳥が人を襲うというホラー。
家族を守り抜く父親/夫の活躍。他に二作の心理ものホラー収録。

・(再)『地球最後の男』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV 1977
・(再)『縮みゆく人間』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV 1977

・(再)『地獄の家』リチャード・マシスン ハヤカワ・ノヴェルズ 1972

・『ある日どこかで』リチャード・マシスン 創元推理文庫 2002

――リチャード・マシスンは、近年再評価の動きがあるという
アメリカのSF系ホラー作家。『地球――』は吸血鬼もののSF。
『縮みゆく――』は身体が徐々に縮んでしまうという人間の冒険物語。
『地獄――』は幽霊屋敷ものに科学を持ち込んだ本格サスペンス。
『ある日――』は時間旅行による恋物語。

・(再)『ロイガーの復活』コリン・ウイルソン ハヤカワ文庫NV 1977
――『賢者の石』以前の「クトゥールー神話」ものの中編。
・(再)『怪奇な恋の物語』ヘンリー・クレメント ハヤカワ・ノヴェルズ
 1970
――不調の青年画家が田舎の屋敷で出会った戦争で死んだ少女の幻影。
・(再)『闇の展覧会1』カービー・マッコーリー/編 ハヤカワ文庫NV
 1982

――キングの短い長編「霧」を含む怪奇恐怖小説のアンソロジー一冊目。
・(再)『闇の展覧会2』カービー・マッコーリー/編 ハヤカワ文庫NV
 1982

――SFやファンタジー系などの作家によるオリジナル・アンソロジーの2。

<国内ミステリ>
・『リラ荘殺人事件』鮎川哲也 角川文庫 2016
――芸大学生の連続殺人事件の謎を解く本格推理小説。
・『硝子のハンマー』貴志祐介 角川文庫 2007

――テレビドラマ化もされた「防犯探偵・榎本」シリーズの傑作長編。
・『しのぶセンセにサヨナラ』東野圭吾 講談社文庫 1996
――「浪花少年探偵団」シリーズ第二弾、休職中のセンセの事件簿。

<その他一般小説>
・『下町ロケット ガウディ計画』池井戸潤 小学館文庫 2018

・『下町ロケット ゴースト』池井戸潤 小学館文庫 2021

――池井戸さんは、2019年の新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェアで
『陸王』を読んだのが最初で、図書館でこのシリーズ作が並んでいて
『下町ロケット』から順に。私は工業高校の機械科卒なので級友にも
町工場の息子がいたりして、必ずしも他人事でもなく、楽しめました。

2019(令和元)年7月31日号(No.252)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2019から」
2019.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2019から―『陸王』他
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/07/post-e5f434.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/f113ad87a21f783d36d0d35c255ab158

 

 ●<再読ベスト3>の候補

再読24冊、初読21冊というところでしょうか。
他にもあるのですが、ヒ・ミ・ツということで。

今回は<再読ベスト3>を、と考えていたのですが、
詳細なリスト作りに手を取られ、その紹介ができませんでした。
次回に<初読ベスト3>ともども紹介します。

最後に、<再読ベスト3>の候補の書名のみあげておきます。

『果てしなき旅路』『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン
『マンハンター』ジョー・ゴアズ
『ポーをめぐる殺人』ウィリアム・ヒョーツバーグ
『縮みゆく人間』『地獄の家』リチャード・マシスン
『鳥』ダフネ・デュ・モーリア
『怪奇幻想の文学 I 深紅の法悦』紀田順一郎、荒俣宏/編
『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー編
『闇の展覧会1・2』カービー・マッコーリー/編

 

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 ★創刊300号への道のり はお休みです
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本誌では、「私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」と題して、今回も全文転載紹介です。

今年は、コロナ禍で滞っていた蔵書整理の再開で、初読よりも再読本が多くなりました。
読み直して、やはり残しておくべきか否か判断しよう、というわけです。

昔から好みが変わっていたり、価値観の変化が起きているのか等、再確認しています。

案外、好みに変化がなかったものでした。
また当時どうしてこの本が気になっていたのか分からなかった点が今回の再読で理解できた、という経験もありました。

 ・・・

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2022.01.15

私の読書論152-私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前)-楽しい読書310号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書 別冊編集後記

2022(令和4)年1月15日号(No.310)「私の読書論152-
私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前編)」

 

例年のことですが、
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和4)年1月15日号(No.310)「私の読書論152-
私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前編)」
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 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」――
 昨2021年に私が読んだ本のなかから
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 今回は、フィクション系の前編です。

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 - 『ミステリマガジン』オールド・ファン必読 -
  ~ 私の年間ベスト3・2021フィクション系(前編) ~
  (その1)小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

昨年も一時期図書館が休館になったこともあり、
コロナ不安症(?)的な精神面もあり、
また、私自身のケガに伴う行動の制約もあり、
フィクション系もあまり読めませんでした。

そんななかで、手持ちの積ん読本や再読本も多く、
新規に読んだ本はかなり減っています。

 

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

<中国の古典編―漢詩を読んでみよう>
1.司馬遼太郎『項羽と劉邦(上中下)』新潮文庫1984
2.[一部再読]中島敦『李陵 山月記』文春文庫2013

<新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から>
3.[再読]山本 周五郎『さぶ』新潮文庫1965
4.[再読]太宰治『斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス』文春文庫
5.ギヨーム・ミュッソ『作家の秘められた人生』集英社文庫2020(原2019)

2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
2021.4.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦
-楽しい読書293号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-4b639f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6dfa35eb01ce468d12a1b6e80ba0e6c7

2021(令和3)年9月30日号(No.303)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(12)
特別編-中島敦「山月記」より」
2021.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(12)特別編-中島敦「山月記」より
-楽しい読書303号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-0666dc.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/01e422e6e9e18417a82bd6713f662e3f

2021(令和3)年7月31日号(No.299)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)準古典」
2021.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)
-「楽しい読書」第299号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/07/post-38536e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/872fb55a4a5a78d989b58cf7878bc188

2021(令和3)年8月31日号(No.301)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家」
2021.8.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家-「楽しい読書」第301号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/08/post-709d62.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/76ed255eb712153d96e6ef9ca568633c

 

 ●(2)それ以外の古典の名作

6.蒲松齢『聊斎志異』光文社古典新訳文庫2021
7.大岡玲訳『今昔物語集』光文社古典新訳文庫2021

――今年もあんまり読んでませんね。

『聊斎志異』は高校生の時に角川文庫で読んでました。
柴田天馬訳で全4巻だったと思います。
芥川龍之介が『今昔物語集』の中の話をネタに小説を書いていたように、
高3の時に、この中の一編を元ネタに小説を書いてみたものでした。

『今昔物語集』は、20代初めぐらいに現代語訳の本――
福永武彦訳の『今昔物語』(ちくま文庫)を買って読んでいました。
龍之介の短編「羅生門」「鼻」「芋粥」などは
高校1年の時に好んで読んでいました。
そんな関係で好きでしたね。
夢枕獏さんの安倍晴明が活躍する作品集『陰陽師』で、
元ネタとして使っているのを知り、また一層好きになりましたね。

 

 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

<左利きミステリ入門>
8.ヒュー・ペンティコースト『シャーロック伯父さん』論創海外ミステリ
2020(原1970)
9.アガサ・クリスティー『黄色いアイリス』早川書房クリスティー文庫
2004(原1932,34,35,36,37,39)

ともに短編集で、『シャーロック伯父さん』には
ズバリ左利きの容疑者と犯人が登場する「左腕投手の殺人」、
『黄色いアイリス』には、「仄暗い鏡の中に」という
“鏡”ものの<左右ミステリ>が収録されています。

 

 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

(海外ミステリ)
10-12.G・K・チェスタトン(短編集)
『奇商クラブ』創元推理文庫2018(原1905)
『知りすぎた男』創元推理文庫2020(原1922)
『ポンド氏の逆説』創元推理文庫2017(原1936)

13.ディクスン・カー『カー短編全集1 不可能犯罪課』
創元推理文庫1970(原1940)
14.ディクスン・カー『カー短編集2』創元推理文庫1970
15.フレドリック・ブラウン『シカゴ・ブルース』
創元推理文庫2020(原1947)

[再読(新訳)]
16.エラリー・クイーン『エジプト十字架の謎』
創元推理文庫2016(原1932)
17.エラリー・クイーン『エラリー・クイーンの新冒険』(短)
創元推理文庫2020(原1940)

[一部再読]
18.19.江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集4』『世界推理短編傑作集5』
 創元推理文庫2019
20-24.小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻 
創元推理文庫2020,2021

[再読](海外ミステリ)
25.トニー・ケンリック『殺人はリビエラで』角川文庫1976(原1970)
26.トニー・ケンリック『スカイジャック』角川文庫1974(原1972)

海外ミステリの短編集の多くは、
<左利きミステリ>の調査のために読んだもの。
長編もそうですけれど。

(国内ミステリ)
27.島田荘司『改訂完全版 占星術殺人事件』講談社文庫2013
28.今村昌弘『屍人荘の殺人』創元推理文庫2019
29.辻真先『仮題・中学殺人事件』創元推理文庫2004
30.連城三紀彦『宵待草夜情』ハルキ文庫1998
31.北村薫『空飛ぶ馬』創元推理文庫1994
32.天城一『天城一の密室犯罪学教程』日下三蔵編 宝島社文庫2020

16.の『エジプト十字架の謎』と上記の32.をのぞく国内ミステリは、
前号の

 2021(令和3)年12月31日号(No.309)「私の読書論151-
 私の年間ベスト3・2021年リアル系(後編)岡本太郎他」
2021.12.31
私の読書論151-私の年間ベスト3・2021年リアル系(後)
-楽しい読書309号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/12/post-ceb6fd.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b171098bc2132d4d4f7e6cd2a77c3dcd

の「ベスト3以外のオススメ」の一冊
『書きたい人のためのミステリ入門』(新井 久幸 新潮新書)
に紹介されていた作品および作品集です。

国内ミステリはほとんど未読でしたので、この際読んでみました。
確かに名作揃いです。
一番はやはり27.の『占星術殺人事件』でしょう。
トリックは単純ですが、それだけにスゴイ。

(SF)
33.梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』ソノラマ文庫2003
34.広瀬正『マイナス・ゼロ』集英社文庫1982

SF系はこの2冊、他に
『復刻 S-Fマガジン NO.1-3』(早川書房1995)がありますが、
まだ途中まで。

『クロノス・ジョウンターの伝説』は、
時間恋愛SFの名手、梶尾真治の同系列の作品で、
<クロノス・ジョウンター>というタイムマシンでの冒険(?)のお話集。
泣ける話もあります。
思わずよかったね、という結末のお話もあります。

『マイナス・ゼロ』も同系統のお話で、時間恋愛SFの長編です。
終戦前から戦後のお話。

(好きな作家:北杜夫)
35.北杜夫『静謐 北杜夫自薦短篇集』中公文庫2021

(その他)
36.池井戸潤『下町ロケット』小学館文庫2013

35.は、北さんの没後10年記念の一冊で、生前の自薦短篇集の文庫版。
初期短編から北さんの自薦の短編を集めています。
私は、北さんの初期短編が好きで、
全集の初期短篇集2巻を買ったときに、
文庫版の短編集は処分してしまったのですが、
こうしてまた買い直しました。
2編程度未読(らしきもの、記憶がないもの)がありました。
既読作品でもやっぱりいいなあと思うものがあります。
ピュアな繊細な作品と、時に狂的なパッショネートな作品があり、
こういうものにいいものがあります。

36.『下町ロケット』は、池井戸さんが直木賞を受賞した作品だそうで、
私が初めて読んだ『陸王』と同じ中小企業の若社長と従業員が一致団結、
新規プロジェクトに賭けて危機を乗り越える企業奮闘もの。
(こちらが先に書かれたもので、続編も出ています。)

 

 ●小森収編『短編ミステリの二百年』

小森収編『短編ミステリの二百年』(全6巻、うち2~5巻) 
は、過去200年の短編ミステリの歴史をたどり、
江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』全5巻 に収録されている
名作中の名作を補完するその代表的な短編を紹介しながら、
その解説を兼ねて、短編ミステリの進化の歴史を描く評論との
二本立て企画です。

(出版社紹介文)
・江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』と収録作品の重複なし
・「短編ミステリ読みかえ史」を改稿した、
 作品解説としても読める評論を各巻に収録

前半が作品集で、後半がその解説を兼ねた評論、という仕掛け。
リアル系で扱うか、フィクション系かで迷った一連の本でした。
内容的には、小説の歴史を扱うという意味で、
フィクション系で扱うことにしました。

こういう一連の本を扱うのは、不公平な感じですが。
今年の一番に選びたいですね。

なぜなら、作品も含めて、解説である評論のなかでも再三、
私の高校生時代以降の若い頃の思い出の一つである、
1970年代の『ミステリマガジン(HMM)』のお話がよく出てくるのです。

『HMM』のオールドファンには楽しい話題が出てきて、
これは最高に嬉しい企画でした。

先に挙げた『シャーロック伯父さん』を読むことになったのも、
この本の「解説」で紹介されていたからでした。

 

 ●私の年間ベスト3・2021フィクション系(その1)

oooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo
~ 私の年間ベスト3・2021フィクション系 ~
(その1)小森収編『短編ミステリの二百年』2~5巻 
      創元推理文庫2020,2021
oooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo

今回、これを「ベスト3」の一つに挙げています。

 

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最終巻『短編ミステリの二百年6』
は、2021年年末に出たばかりで未読。
今年のお楽しみというところです。

改めて全巻通して「解説」(評論)の部分を読み直したいものです。

もちろん、小森さんの見方(価値観・ミステリ観)で書かれていますが、
小森さんと同時期に読んでいる作品も多いので、
そういう共通の読書歴から来る共感できる部分も多く、
読んでいて楽しい作品でした。

1はもう大分前に読み、その後、
2巻からは新刊を買うだけ買って未読のまま積ん読状態でしたが、
昨年の3月にもまたコロナで図書館が休館になり、
それから7月頃まで次々と読むようになりました。

2、3、4、5巻と読んできますと「解説」が、
途中からちょっと駆け足になったような気もしないではありません。

早く全6巻をおわらせたい、
という出版社の思惑が入ってしまったような気がしないでもありません。

〈Webミステリーズ!〉で現在進行形で連載されているなかで
出版が進んでいったため、駆け足になったのでは、という疑いです。

もうちょっと引っ張ってもよかったのでは、という気がします。

 ・・・

最後に、<フィクション系>の「ベスト3」の一冊ですので、
各巻の収録短編作品と<私のお好み>をそれぞれ紹介しておきましょう。

[★:お好み ☆:次点]

 

『短編ミステリの二百年1』2019年10月発行

「霧の中」リチャード・ハーディング・デイヴィス/猪俣美江子訳
「クリームタルトを持った若者の話」
 ロバート・ルイス・スティーヴンスン/直良和美訳
「セルノグラツの狼」サキ/藤村裕美訳
「四角い卵」サキ/藤村裕美訳
「スウィドラー氏のとんぼ返り」アンブローズ・ビアス/猪俣美江子訳
「創作衝動」サマセット・モーム/白須清美訳
「アザニア島事件」イーヴリン・ウォー/門野集訳
「エミリーへの薔薇」ウィリアム・フォークナー/深町眞理子訳
「さらばニューヨーク」コーネル・ウールリッチ/門野集訳
★「ブッチの子守歌」デイモン・ラニアン/直良和美訳
☆「笑顔がいっぱい」リング・ラードナー/直良和美訳
「ナツメグの味」ジョン・コリア/藤村裕美訳
  *
「短編ミステリの二百年」小森収

 

『短編ミステリの二百年2』2020年3月

★「挑戦」バッド・シュールバーグ/門野集訳
「プライドの問題」クリストファー・ラ・ファージ/門野集訳
「チャーリー」ラッセル・マロニー/直良和美訳
「クッフィニャル島の略奪」ダシール・ハメット/門野集訳
「ミストラル」ラウール・ホイットフィールド/白須清美訳
「待っている」レイモンド・チャンドラー/深町眞理子訳
「死のストライキ」フランク・グルーバー/白須清美訳
☆「探偵が多すぎる」レックス・スタウト/直良和美訳
「真紅の文字」マージェリー・アリンガム/猪俣美江子訳
「闇の一撃」エドマンド・クリスピン/藤村裕美訳
「二重像」ロイ・ヴィカーズ/藤村裕美訳

 

『短編ミステリの二百年3』2020年8月

★「ナボテの葡萄園(ぶどうえん)」
 メルヴィル・デイヴィスン・ポースト/門野集訳
「良心の問題」トマス・フラナガン/藤村裕美訳
「ふたつの影」ヘレン・マクロイ/直良和美訳
「姿を消した少年」Q・パトリック/白須清美訳
「女たらし」ウィルバー・ダニエル・スティール/門野集訳
「敵」シャーロット・アームストロング/藤村裕美訳
「決断の時」スタンリイ・エリン/深町眞理子訳
「わが家のホープ」A・H・Z・カー/藤村裕美訳
「ひとり歩き」ミリアム・アレン・ディフォード/猪俣美江子訳
「最終列車」フレドリック・ブラウン/安原和見訳
☆「子供たちが消えた日」ヒュー・ペンティコースト/白須清美訳

 

『短編ミステリの二百年4』2020年12月

「争いの夜」ロバート・ターナー/門野集訳
「獲物(ルート)のL」ローレンス・トリート/門野集訳
☆「高速道路の殺人者」ウィリアム・P・マッギヴァーン/白須清美訳
「正義の人」ヘンリイ・スレッサー/藤村裕美訳
「トニーのために歌おう」ジャック・リッチー/藤村裕美訳
「戦争ごっこ」レイ・ブラッドベリ/直良和美訳
「淋しい場所」オーガスト・ダーレス/藤村裕美訳
「獲物」リチャード・マシスン/白須清美訳
★「家じゅうが流感にかかった夜」
 シャーリイ・ジャクスン/深町眞理子訳
「五時四十八分発」ジョン・チーヴァー/門野集訳
「その向こうは――闇」ウィリアム・オファレル/直良和美訳
「服従」レスリー・アン・ブラウンリッグ/猪俣美江子訳 *本邦初訳
「リガの森では、けものはひときわ荒々しい」
 マージェリー・フィン・ブラウン/深町眞理子訳 ☆

 

『短編ミステリの二百年5』2021年6月

「ある囚人の回想」スティーヴン・バー 門野集訳
「隣人たち」デイヴィッド・イーリイ 藤村裕美訳
「さよなら、フランシー」ロバート・トゥーイ 藤村裕美訳
「臣民の自由」アヴラム・デイヴィッドスン 門野集訳
「破壊者たち」グレアム・グリーン 門野集訳
「いつまでも美しく」シーリア・フレムリン 直良和美訳
「フクシアのキャサリン、絶体絶命」リース・デイヴィス 猪俣美江子訳
「不可視配給株式会社」ブライアン・W・オールディス 深町眞理子訳
★「九マイルは遠すぎる」ハリイ・ケメルマン 白須清美訳
「ママは願いごとをする」ジェームズ・ヤッフェ 藤村裕美訳
☆「ここ掘れドーヴァー」ジョイス・ポーター 直良和美訳
「青い死体」ランドル・ギャレット 白須清美訳

 

――本格ミステリ(本格謎解きミステリ/本格推理小説)系のもの
(「探偵が多すぎる」「ナボテの葡萄園」「子供たちが消えた日」
「九マイルは遠すぎる」「ここ掘れドーヴァー」)、
もしくは、広義のミステリ系の作品(「ブッチの子守歌」「挑戦」
「笑顔がいっぱい」「家じゅうが流感にかかった夜」)がお好み、
という感じです。

収録作の大半は、既読(別の人の翻訳で)。
なかでも「『ミステリマガジン』で」というものがいくつかあります。
また、創元ではなく「早川の本で」というものも。
そういう意味では、この選集は、
「創元の穴を埋める」という内容かも知れませんね。

 ・・・

――次回は、<ベスト3>の残りの二つについてをお送りします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★創刊300号への道のり(10) 2017(平成29)年(10年目)

191.
2017(平成29)年1月15日号(No.191)-170115-
「私の読書論89-私の年間ベスト2016(後編)フィクション系」
192.
2017(平成29)年1月31日号(No.192)-170131-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(11)『論語』を読む (後編)」
193.
2017(平成29)年2月15日号(No.193)-170215-
「私の読書論90-私をつくった本・かえた本(1)幼少期編」
194.
2017(平成29)年2月28日号(No.194)-170228-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(12)『孟子』を読む (前編)」
195.
2017(平成29)年3月15日号(No.195)-170315-
「私の読書論91-私をつくった本・かえた本(2)小説への目覚め編」
196.
2017(平成29)年3月31日号(No.196)「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(13)『孟子』を読む (後編1)」
197.
2017(平成29)年4月15日号(No.197)
「私の読書論92-近況から―本屋ロス ~永遠に続くものはない~」
198.
2017(平成29)年4月30日号(No.198)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(14)『孟子』を読む (後編2)」
199.
2017(平成29)年5月15日号(No.199)
「私の読書論93-本との出会いは偶然か必然か」
200.
2017(平成29)年5月31日号(No.200)
「創刊200号記念―特別編 私の大好きな一冊(名作編)」
◆ 『トム・ソーヤーの冒険』マーク・トウェイン ◆
  \/\ 完璧なエンターテイメント小説 /\/
201.
2017(平成29)年6月15日号(No.201)
「創刊200号突破記念―特別編 私の大好きな一冊(名著編)」
◆ 私の名著ベスト3 ◆
 ★ 海外編 ― ソロー『ウォールデン 森の生活』
☆ 国内編 ― 内村鑑三『後世への最大遺物』
★ 古代編 ― 『スッタニパータ』(ブッダのことば)
202.
2017(平成29)年6月30日号(No.202)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(15)『大学』を読む 」
203.
2017(平成29)年7月15日号(No.203)
「私の読書論94-ソロー生誕200年を迎えて 」
◆わが心のソロー:シンプルに! シンプルに生きよう!◆
(市民的不服従)『市民の反抗』飯田実/訳岩波文庫
『森の生活 ―ウォールデン―』佐渡谷重信訳 講談社学術文庫

Thoreau-walden


204.
2017(平成29)年7月31日号(No.204)-170731-
「新潮社・角川書店・集英社―3社<夏の文庫>フェア2017から
人の心の不思議、人生の重さ」
205.
2017(平成29)年8月15日号(No.205)
「私の読書論95-ソロー生誕200年を迎えて 2-読書について」
『森の生活 ―ウォールデン―』佐渡谷重信訳 講談社学術文庫
「第3章 読書」から
206.
2017(平成29)年8月31日号(No.206)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(16)『中庸』を読む 」
207.
2017(平成29)年9月15日号(No.207)-170915-
「私の読書論96-私をつくった本・かえた本(3) 中学生時代編」
208.
2017(平成29)年9月30日号(No.208)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(17) 諸子百家」
209.
2017(平成29)年10月15日号(No.209)「私の読書論97
-長田弘『読書からはじまる』前編」
210.
2017(平成29)年10月31日号(No.210)「古代中国編―
 中国の古代思想を読んでみよう(18) 『老子』前編」
211.
2017(平成29)年11月15日号(No.211)「私の読書論98
-長田弘『読書からはじまる』後編
本はもう一つの世界へのドア―心の旅」
212.
2017(平成29)年11月30日号(No.212)-171130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)
「クリスマス・プレゼント」梶尾真治」
213.
2017(平成29)年12月15日号(No.213)「私の読書論99
-図書館が読書の入口になる
 図書館と出版社・書店業界について(前編)」
214.
2017(平成29)年12月31日号(No.214)-171231-
「私の読書論100-自ら改善すべき点がある-
 図書館と出版社・書店業界について(後編)」

 ・・・

この年の月末「古典紹介編」は、古代中国の思想・哲学編で、
「四書五経」からその他の諸子百家に進みました。

200号に到達したのを記念して、
私のお気に入りの名作・名著について書いています。
その名著の一つにも選んでいるアメリカの思想家・著述家、
ソローの生誕200年に当たる年でもあり、
彼の著作についても書いています。
彼の著作「市民的不服従」は、
のちにインドのガンディー首相やアメリカのキング牧師に影響を与え、
孔子、プラトンからアインシュタイン、ケインズまで、
人類の歴史に多大な影響を与えた古今東西の偉人の名著から選んだ
『世界を変えた100冊の本』マーティン・セイモア=スミス/著
BEC, 別宮 貞徳/訳 共同通信社 2003/11/1
にも選ばれています。

月半ばの発行号の「私の読書論」では、
「私をつくった本・かえた本」について書いています。
途中で終わっていますが、いずれ続きを!

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本誌では、「私の読書論152-私の年間ベスト3・2021年フィクション系(前編)」をお届けしています。

今回も、全編公開しました。

今回は「前編」で、「ベスト3」から(その1)を紹介しています。

 ・・・

では、弊誌を面白いと思われた方は、購読のお申し込みを!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』

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2021.12.31

私の読書論151-私の年間ベスト3・2021年リアル系(後)-楽しい読書309号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書 別冊編集後記

2021(令和3)年12月31日号(No.309)「私の読書論151-
私の年間ベスト3・2021年リアル系(後編)岡本太郎他」

☆ ☆ ☆

2021年もいよいよいおしまいになりました。

今年も一年本当にご愛顧ありがとうございました。

来年もそれなりに頑張って発行を続けてゆく所存です。

よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年12月31日号(No.309)「私の読書論151-
私の年間ベスト3・2021年リアル系(後編)岡本太郎他」
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 いよいよ今年も終わりになりました。
 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」の2回目を。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 今回は、「リアル系」の後編、
 <岡本太郎>の二冊目の『対極と爆発』と、
 <リアル系>三番目、國方栄二『ストア派の哲人たち』について、
 そして、「ベスト3」以外について。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 私にもなれる!? ストイックな倫理家たち -
  ~ 私の年間ベスト3・2021リアル系(後編) ~
  2.岡本太郎『対極と爆発 岡本太郎の宇宙1』椹木野衣/編
   ちくま学芸文庫
  3.國方栄二『ギリシア・ローマ ストア派の哲人たち
   セネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウス』中央公論新社
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~ 私の年間ベスト3・2021リアル系 ~

(1)『自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか』
岡本太郎 青春出版社・青春文庫<新装版> 2017/12/9

(2)『対極と爆発 岡本太郎の宇宙1』岡本太郎
 椹木野衣/編 ちくま学芸文庫 2011/2/8

(画像:『自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか』岡本太郎 青春出版社・青春文庫<新装版> 2017/12/9、『対極と爆発 岡本太郎の宇宙1』岡本太郎 椹木野衣/編 ちくま学芸文庫 2011/2/8) 

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(画像:『対極と爆発 岡本太郎の宇宙1』岡本太郎 椹木野衣/編 ちくま学芸文庫 2011/2/8)

 ●芸術論であり人生論:(2)『対極と爆発』中の『今日の芸術』

(1)の『毒を持て』にも一部紹介されていますように、
『対極と爆発』の中に収録されている『今日の芸術』は、
岡本太郎さんの芸術論であり、人生論、生き方論でもあります。

芸術論といえば、一般人には無関係のように映りますが、
鑑賞も創造だ、自分を作ることだといいます。

 《味わうことによって創造に参加するのです。》p.118

本当に感動した瞬間に、見る世界が変わり、
今まで見ることのなかった、今まで知ることのなかった世界を発見する。
そこで生活が生きがいとなり、

 《あなたはあなた自身を創造しているのです。》p.119

といいます。

 ・・・

『今日の芸術』のなかでもう一つだけ書いておきたいことがあります。
それは、人間の価値といったことについてです。

岡本太郎さんは、こう書いています。

 《路傍にころがっている、石ころとか木の葉がある。
  そこにそのまま、ただ[ある](原書傍点)ということがたいせつです。
  人間はちょうど石ころと同じように、
  それそのものとしてただ[ある](原書傍点)、という面もあるので、
  その一見無価値的なところから
  新しく自分をつかみなおすということに、
  これからの人間的課題があるのです。》p.161

 《自分が自分自身で思い込んでいる自分の価値というものを
  捨てさって、自分の真の姿をはっきりさせ、
  ますます自分自身になりきるということ、
それがまた、じつは、おのれの限界をのり越えて、より高く、
  より大きく自分を生かし、前進させてゆくことなのです。》

 《自分の姿をありのままに直視することは強さです。
  だれでもが絵を描き、おのれをすなおに表現するということは、
  不必要な価値観念をすて、自分を正しくつかむ、
  きわめて直接的で純粋な手段であり、それによってまた、
  もっとも人間的な、精神の自由を獲得することができるのです。》

といいます。

芸術の問題は簡単で、ただ“描くか・描かないか”だけだ、といいます。
「自信を持つこと、決意すること」だけなのだ、といいます(p.162)。

石ころのように、
《そこにそのまま、ただ[ある](原書傍点)ということがたいせつ》で、
《自分の姿をありのままに直視することは強さ》だといい、
「自信を持つこと、決意すること」だけだ、
というシンプルな行き方です。

こういう行き方・生き方ならだれでもできるように思います。
要は、決意するかどうか、というだけですから。

「決意即実現(?/成功?)」というのは、
「発心即菩提」という仏教の考え方を思い起こさせます。

 

 ●私の2021年〈リアル系〉ベスト3――『ストア派の哲人たち』

(3)『ギリシア・ローマ ストア派の哲人たち
 セネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウス』
 國方栄二 中央公論新社 2019/1/9

*参考:
(出版社の紹介文)
 「ストイックに生きる」ことは、
 自分に厳しいだけの生き方なのだろうか?
 キュニコス派のディオゲネスから、ゼノンらの初期ストア派、
 パナイティオスらの中期ストア派、ローマ時代の後期ストア派、
 すなわちセネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウスの思想を紹介。
 初期、中期、後期の特徴を分析し比較し、
 「ストイックに生きる」という意味を探る

第一章 自然にしたがって生きよ――キュニコス派
第二章 時代が求める新しい哲学――ストア哲学の誕生
第三章 沸き立つローマの市民――ストア哲学の伝承
第四章 不遇の政治家――セネカ
第五章 奴隷の出自をもつ哲人――エピクテトス
第六章 哲人皇帝――マルクス・アウレリウス
終 章 ストイックに生きるために

210101sutoaha-tetugaku-hyousi_20211230145101

(画像:『ストア派の哲人たち』ほかストア派の哲学者の本(『人生談義 (上)』エピクテトス 國方栄二/訳 岩波文庫、『幸福論 第1部』ヒルティ 草間 平作/訳 岩波文庫、『自省録』マルクス・アウレーリウス 神谷美恵子/訳 岩波文庫、『ローマの哲人 セネカの言葉』中野 孝次 講談社学術文庫、参考として『モンテーニュ』宮下志朗 岩波新書)

 ・・・

本書は、学術書ではなく、ストア派哲学の一般向けの入門書。

主に後期ストア派の哲人たち――セネカ、エピクテトス、
マルクス・アウレリウスを中心に、
それぞれの哲学者の時代背景とともに、
その人の哲学の生まれた状況を想像させる内容となっています。

巻末に索引とともに、ストア派の名言/名句集が掲載され、
役に立つものになっています。

このストア派の哲学は、哲学というより、
生き方論や処世術的な面があり、私は以前から好きでした。

 ●セネカ

セネカ(前4頃‐前65)は、
第5代ローマ皇帝ネロ幼少期の家庭教師であり、
のちネロが皇帝になってからは、
その執政官として腕を振るった政治家であり、哲学者でもあり、
悲劇作家でもあります。
政治家としては色々な評価がありますが、哲学者としては、
人間的な優しさも見せ、中野孝次さんの著作にもありますように、
道徳書簡等見るべきものがあります。

 

『生の短さについて 他2篇』セネカ 大西 英文/訳 岩波文庫 2010/3/17

(出版社の紹介文) 生は浪費すれば短いが、活用すれば十分に長いと説く
 『生の短さについて』。心の平静を得るためにはどうすればよいかを
 説く『心の平静について』。快楽ではなく、徳こそが善であり、
 幸福のための最も重要な条件だと説く『幸福な生について』。
 実践を重んじるセネカ(前4頃‐後65)の倫理学の特徴がよく出ている
 代表作3篇を収録。新訳。

『ローマの哲人 セネカの言葉』中野 孝次 講談社学術文庫 2020/7/10

(出版社の紹介文) 人間の一生は短くはかない。だから欲の奴隷から脱し、
 自らを見つめよ―「生」を考え抜いたセネカ(?~六五)の魅力を
 再発見した作家が自ら翻訳し、現代を生きる日本人への箴言集として
 最晩年に書き下ろしたエッセイ。「道徳性が完全に欠落」した日本を
 憂え、ときに苛烈な筆致で叱咤激励する。
 よく生きるためのヒントを凝縮した、新しいセネカ入門書。

 

 ●エピクテトス

元奴隷出身のエピクテトスは、その後哲学者となり、その弟子によって、
現在もその思想が伝えられています。
それが『人生談義(語録)』とその要約である『要録』です。
昨年末から今年年初、『ストア派の哲人たち』の著者である
國方栄二さんによる新訳本が出ました。

ヒルティの『幸福論 第1部』に、
その『要録』の翻訳と注が収録されています。
今まではこちらで読む人が多かったように思います。

今回新訳が出たことで、
手軽に原書にふれることができるようになりました。

いちばん有名だと思うエピクテトスの言葉は、

 《物事のうちで、あるものはわれわれの力の及ぶものであり、
  あるものはわれわれの力の及ばないものである。(略)
  われわれの働きによるものはわれわれの力の及ぶものであるが、
  (略)われわれの働きによらないものは、
  われわれの力の及ばないものである。
  そして、われわれの力の及ぶものは本性上自由であり、
  妨げられも邪魔されもしないが、われわれの力の及ばないものは
  脆弱で隷属的な妨げられるものであり、本来は自分のものではない。》

    『エピクテトス 人生談義 (下)』より『要録』「一」p.360

 

要は、自分の自由な意志を重んじ、
「自分が動かせる部分に力を注げ!」ということです。

自分の力の及ばない、世間の評判とか、あるいは生まれとか育ちとかは、
自分の意志でどうにもならないものですが、
自己の欲望や判断などは自分の力でどうにかすることが可能です。

そういう「自分にできることをやれ」というのです。

 

 《ストイックに生きることは
  諦めてなにもせずにひたすら耐えるようなことではなかった。
  エピクテトスは、人間は自分の前に立ち現れる心像に対して、
  みずからの意志によって自由に行動することができる、
  と考えたのである。》

   『ストア派の哲人たち』「第5章 奴隷の出自を持つ哲人」p.185

 

*参照:弊誌
2013(平成25)年12月31日号(No.119)-131231-  
“今年(2013年)読んだ本・買った本”から
(1)教養編:エピクテトス「語録」「要録」

“今年(2013年)読んだ本・買った本”から (1)教養編
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/12/2013-1-236b.html
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-11739419082.html

『エピクテトス 人生談義 (上)』國方 栄二/訳 岩波文庫 2020/12/17

(出版社紹介文) 「君は私の足を縛るだろう。
 だが、私の意志はゼウスだって支配することはできない」。
 ローマ帝国に生きた奴隷出身の哲人エピクテトスは、
 精神の自由を求め、何ものにも動じない強い生き方を貫いた。
 幸福に生きる条件を真摯に探るストア派哲学者の姿が、
 弟子による筆録から浮かび上がる。
 上巻は『語録』第一・二巻を収録。(全二冊)

『エピクテトス 人生談義 (下)』國方 栄二/訳 岩波文庫 2021/2/18

(出版社紹介文) 「もし君が自分のものでないものを望むならば、
 君自身のものを失うことになる」。(略)
 下巻は『語録』第三・四巻、『要録』等を収録。(全二冊)》

『幸福論 第1部』ヒルティ 草間 平作/訳 岩波文庫 1961/1/1
―スイスの哲学者ヒルティの「幸福」に関する論文・エッセイ集(全三巻)。
 「エピクテトス」という表題で、簡潔にまとめた文を収録。

 

 ●マルクス・アウレリウス

マルクス・アウレリウス(121-180)は、
ローマ帝国最盛期の五賢帝の一人、
哲人皇帝と呼ばれ、その著作『自省録』が知られています。

プラトンは、中期の対話篇『国家』において、理想国家の君主として、
哲学者が王になるか、王が哲学者として「哲人王」となるかという、
哲人王による統治を理想としたといいます。

まさにそういう理想の皇帝の一人といえるでしょう。

『自省録』は、そんな彼が戦闘の合間に、
まさに自省のために書いたもので、
人に読ませるための本ではありません。
それ故に、
我々悩める人が読んでも役に立つような言葉が書かれています。

 

『自省録』マルクス・アウレーリウス 神谷美恵子/訳 岩波文庫 2007/2/16

(出版社の紹介文) 生きているうちに善き人たれ―
 ローマの哲人皇帝マルクス・アウレーリウス(一二一‐一八〇)。
 重責の生のさなか、透徹した内省が紡ぎ出した言葉は、
 古来数知れぬ人々の心の糧となってきた。
 神谷美恵子の清冽な訳文に、新たな注を付す。

 

 ●ベスト3以外のオススメ

◎『書きたい人のためのミステリ入門』新井 久幸 新潮新書 2020/12/17

(出版社の紹介文) 読むと書くとは表裏一体。
 書き手の視点を知れば、ミステリは飛躍的に面白くなる。
 長年、新人賞の下読みを担当し、伊坂幸太郎氏、道尾秀介氏、
 米澤穂信氏らと伴走してきた編集長が、
 ミステリの〈お約束〉を徹底的に解説。
 読むほどにミステリの基礎体力が身につく入門書。

先ほども書きましたが、
謎解きミステリとは何か、その魅力とは? 等、
謎解きミステリの書き方を中心に説明されています。

思わず、ちょっと書いてみたいな、という気にさせます。

また、このジャンルの初心者向け読書ガイドとしても使えます。

 

◎『梅原猛の授業 仏教』梅原猛 朝日文庫 2006/10/1

梅原猛さんが、真言宗の東寺にある真言宗の中学校で一学期間に行った
仏教の授業のようすをまとめた本。

一部の記述にどうかと思われる部分がありますが、
全体を通していいますと、
非常によくできた仏教の歴史、日本の仏教の歴史をまとめた教科書、
と言っていいかと思います。

釈迦が始めた原始仏教から、大乗仏教、日本での受容の歴史、
さらにその発展の歴史、最後に現代におけるおける仏教のあり方まで。

 

 ●私の今年2021年〈リアル系〉ベスト1――岡本太郎

今年のベスト1は、これと決めず、岡本太郎さんの二つの著作
という形にしておきたいと思います。

 

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡
 
  岡本太郎

 (1)『自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか』
青春出版社・青春文庫<新装版> 2017/12/9

 (2)『対極と爆発 岡本太郎の宇宙1』椹木野衣/編
  ちくま学芸文庫 2011/2/8

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

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 ★創刊300号への道のり(9) 2016(平成28)年(9年目)

(前回の2015(平成27)年(8年目)の分で、165号が抜けていました。
 改めてその前後から掲載します。)

164.
2015(平成27)年11月30日号(No.164)-151130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『まれびとこぞりて』コニー・ウィリス」
165.
2015(平成27)年12月15日号(No.165)-151215-
「私の読書論74-私の年間ベスト2015(前編)リアル系
竹内照夫『四書五経入門』」
166.
2015(平成27)年12月31日号(No.166)-151231-
「私の読書論75-私の年間ベスト2015(後編)フィクション系」

-2016-

167.
2016(平成28)年1月15日号(No.167)-160115-
「私の読書論76-本との出会い」
168.
2016(平成28)年1月31日号(No.168)-160131-
「古代中国編―中国の古代思想を読んでみよう(3)易経を読む(前)」
169.
2016(平成28)年2月15日号(No.169)-160215-
「私の読書論77-本の読み方-自分の頭で考える」
170.
2016(平成28)年2月29日号(No.170)-160229-
「古代中国編―中国の古代思想を読んでみよう(4)易経を読む(後)」
171.
2016(平成28)年3月15日号(No.171)-160315-
「私の読書論78-〈「私のおススメ古典○○選」の試み〉2
-「50分の1」の古典への道-」
172.
2016(平成28)年3月31日号(No.172)-160331-
「古代中国編―中国の古代思想を読んでみよう(5)書経を読む」
173.
2016(平成28)年4月15日号(No.173)-160415-
「私の読書論79-〈「私のおススメ古典○○選」の試み〉3
-おススメ古典50選候補その1≪海外・古代・フィクション系F≫」
174.
2016(平成28)年4月30日号(No.174)-160430-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(6)詩経を読む(前編)」
175.
2016(平成28)年5月15日号(No.175)-160515-
「私の読書論80-読書について―我流の読書」
176.
2016(平成28)年5月31日号(No.176)-160531-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(7)詩経を読む(後編)」
177.
2016(平成28)年6月15日号(No.177)-160615-
「私の読書論81-読みやすい本(形式)とは」
178.
2016(平成28)年6月30日号(No.178)-160630-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(8)礼記を読む」
179.
2016(平成28)年7月15日号(No.179)-160715-
「私の読書論82-『礼記』学記篇より-古代中国の学問教育論」
180.
2016(平成28)年7月31日号(No.180)-160731-
「新潮社・角川書店・集英社―3社<夏の文庫>フェア2016から
人間の不思議、人生の深さ」
181.
2016(平成28)年8月15日号(No.181)-160815-
「私の読書論83-文章に書いて考えをまとめる」
182.
2016(平成28)年8月31日号(No.182)-160831-
「2016年岩波文庫フェア-名著名作再発見から―森の生活、論語」
183.
2016(平成28)年9月15日号(No.183)-160915-
「私の読書論84-読書と長生きの関連性 について」
184.
2016(平成28)年9月30日号(No.184)-160930-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(9)『春秋左氏伝』を読む」
185.
2016(平成28)年10月15日号(No.185)-161015-
「私の読書論85-読んでいる書物からその人の人格がわかる」
186.
2016(平成28)年10月31日号(No.186)-161031-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(10)『論語』を読む」
187.
2016(平成28)年11月15日号(No.187)-161115-
「私の読書論86-(本/文章を)書くこと(1)とにかく書いてみる」
188.
2016(平成28)年11月30日号(No.188)-161130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
ディケンズ『クリスマス・ブックス』から『鐘の音』」
189.
2016(平成28)年12月15日号(No.189)-161215-
「私の読書論87-(本/文章を)書くこと(2)まず最後まで書く」
190.
2016(平成28)年12月31日号(No.190)-161231-
「私の読書論88-私の年間ベスト2016(前編)リアル系」

 ・・・

この年の月末「古典紹介編」は、
古代中国の思想・哲学編に移り、「四書五経を読む」でした。

月半ばの発行号の「私の読書論」では、
読書について、文章を書く行為について等の我流の読書論を展開。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論151-私の年間ベスト3・2021年リアル系(後編)岡本太郎他」をお届けしています。

今回も、全編公開しました。

今回は「後編」で、前回の残りの(2)(3)とベスト3以外のこれというものを紹介しています。

 ・・・

では、弊誌を面白いと思われた方は、購読のお申し込みを!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』

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2021.12.18

2021(令和3)年書き残した左利きの話題-週刊ヒッキイ第609号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第609号 別冊編集後記

第609号(No.609) 2021/12/18
「2021(令和3)年書き残した左利きの話題」

☆彡

早いもので、今年の発行も最終となりました。
今年も一年変わらぬご愛顧ありがとうございました。

来年もボチボチとやっていきますので、
変わらぬ応援よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第609号(No.609) 2021/12/18
「2021(令和3)年書き残した左利きの話題」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 2021(令和3)年もいよいよおしまいです。
 読者の皆様方にはよい年だったでしょうか。

 残念なことに私にとっては、
 お医者さん通いが常習化した一年となってしまいました……。

 今年一年を振り返り、いくつか書き残したこと、
 および、改めて書き止めておきたいことを、
 この最終号で書いておこうと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 2021(令和3)年書き残した左利きの話題

 1.「日ペンの美子ちゃん」のボールペン習字講座に左利き用テキスト
 2.左利き応援本――加藤俊徳『すごい左利き』
 3.左利きの子供のための絵本――『ヒミツのひだりききクラブ』
 4.左利きミステリ――知念実希人『レフトハンド・ブラザーフッド』
 5.左手書き用の手帳――左ききの道具店「左ききの手帳2022」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●「日ペンの美子ちゃん」のボールペン習字講座に左利き用テキスト

今年の左利きに関するニュースとして書き残したなあと思うのは、
まずいちばんに、

「日ペンの美子ちゃん」のボールペン習字講座に左利き用テキストが登場
 お手本や解説が右側→左手で隠れない

のこと。

初めて知ったのは、
いつも左利き関連情報を教えてくださるガボちゃんのブログ記事。

2021.07.12「用紙は」
https://plaza.rakuten.co.jp/gabochan2007/diary/202107120000/

 

通信教育・通信講座の【がくぶん】の「日ペンのボールペン習字講座」

のことです。

《左利きの方はこちら!より練習しやすい専用テキストでお届けします
 字を書くときにお手本が隠れない!
 受講生や左利きの方の声から誕生しました!》

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こんなニュースになっています。

2021-07-01 17:30
『日ペンの美子ちゃん』が“左利き”の救世主に、
SNSに寄せられた不満受け新コース登場
https://www.oricon.co.jp/news/2198756/full/

 

一般に字の練習帳やテキストは、右利き(右手書き)に都合のよい、
向かって左側にお手本、右側に練習用のマス、という配置になっていて、
左利き(左手書き)には不便なものが多かった。

そこで、こういう不満に対応するべく、
左右反転タイプの左利き用のテキストを取り入れたコースを開設した
というニュースです。

右利き用と同じ受講費用で、申込時に選ぶことができます。
さらに、

《『日本左利き協会』と『左ききの道具店』の協力のもと、
 筆記具などの便利グッズも紹介する》

とのこと。

 

また、こちら↓では、次ページで、『左ききの道具店』や
『日本左利き協会』とのツイッターでのやりとりも示されています。

2021年07月06日 07時00分
「日ペンの美子ちゃん」のボールペン習字講座に
左利き用テキストが登場 お手本や解説が右側→左手で隠れない
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2107/06/news030.html
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2107/06/news030_2.html

 

 ●左手書字への差別

私は、従来から左利き差別(利き手差別)の中で、学問の基礎であり、
最初の学問の道具ともいうべき「手書き文字」に関して、
左手書きが無視されてきたことを嘆いていました。

一部のお習字の先生は、
「きれいな字を書きたければ左利きでも右手で!」
と明言していました。

書道家(書家)の先生の中にも、字は右手で書くもの、
という固定観念に取り憑かれた人たちがいて、
こういう先生が学校の書写の教科書の作成にも参画されていたため、
書写教科書にも、右手書きの例しか示されていませんでした。

いや、今でも大半の学校書写教科書では右手例のみのままです。

かろうじて令和2年度用の東京書籍の小学校教科書「新しい書写」で、
初めて左手例が示されました。

 

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*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2020.2.9
左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-0fbe38.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/dd08c16d81a211f5c60266bf57191f20

 

一方、民間の教育会社のテキストでは、右手例のみならず、
左手書きの例も並列で示されるようになってきています。

市販の一般向けの文字練習帳でも、
左利き用がいくつか出るようになりました。

 

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萩原季実子著
『左利き用 誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』アスコム

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2020.9.1
萩原季実子著『左利き用 誰でも一瞬で字がうまくなる
大人のペン字練習帳』アスコムより発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-080871.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0eff40a15dec909076c72d4bbec9d14a

 

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岡田崇花著『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』
ブティック社・ブティックムック

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2018.10.24
『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』10月18日発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2018/10/1018-109b.html

 

そして、歴史のある『日ペンの美子ちゃん』でも、
左利き用が登場したわけです。

学校教科書の世界が遅れているのが、分かりますね。

 

 ●オリパラ選手たちの左利き/「左右二刀流」大谷翔平選手

次は、東京2020のオリンピック、パラリンピックで
何人かの左利きの選手たちが活躍していました。

左利きかどうかが推定できる競技だけではなく、
それ以外の競技の選手たちにも結構いらっしゃったのだろうと思います。

競技数も増え、選手数も増え、
すべての競技を目にするのは難しかったので、
なかなか左利きの人を探すことはできませんでした。

「この人!」という目に止まった選手がいれば、
教えていただければ嬉しく思います。

 ・・・

他のスポーツ選手のなかでは、
やはり二刀流でMVPにも輝いた米メジャーリーグ、
エンゼルスの大谷翔平選手。

大谷選手の二刀流は、
投打――ピッチャーとバッターの意味で使われますが、
投げるのは「右」で打つのは「左」なので、
「左右の二刀流」ともいえますよね。

 

 ●左利きの話題が目立たなくなった!?

コロナ禍は2年目に入り、東京2020のパラリンピックもあり、
障害者についての情報が色々と取り上げられました。

コロナ禍におけるマスク着用の日常化にともない、
聴覚障害者向けの手話通訳や透明マスクなどが
テレビのニュースなどでも話題になりました。

また「LGBTQ」であったり、「BLM」だとか、
あるいは「ダイバーシティ」だとか、
いろんな言葉があれこれ言われるようになりました。

日本におけるLGBTQの割合は、3-10%といわれ、
昔からいわれている左利きの人の割合と余り変わりません。

にもかかわらずこの間、
左利きの話題はあまり目立たなくなってきたように思います。

*参照:TRPチャンネル#03 「LGBTQとは?」
https://tokyorainbowpride.com/lgbt/

 

 ●左利き応援本――加藤俊徳『すごい左利き』

そんななかで、久しぶりに左利きの応援本が出ました。

 

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加藤俊徳『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き
「選ばれた才能」を120%活かす方法』ダイヤモンド社 2021/9/29

左利きの脳医学者という肩書きで書かれた、
脳医学から見た左利きの特徴とその才能を活かす方法を説くもの。

従来からいわれる左利きの人の性格に基づくものと大差ない感じで、
それよりは、この方の左利きとしての体験談に興味を持ちました。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.16
久しぶり?の左利き本近刊『1万人の脳を見た名医が教える
すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-6a4985.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ee4b23b82b0fa41a2e94f395e7253be0

 

 ●左利きの子供のための絵本――『ヒミツのひだりききクラブ』

《マイノリティの子どもを応援する「レアキッズ」応援本シリーズ第2作
 日本初!ひだりききの子どものための絵本》

という触れ込みの絵本です。

《右利きの世界で生きているとちょっと変わっているように見えても、
 左利きもいがいと「ふつう」だということを伝える。》

確かに、私たち左利きの人間は自分のことを、
自然と「ふつう」と受け止めているものです。

ただそれが右利きの人の「ふつう」とは微妙に違うのが、現実。
その理由は、当人の意識というより、やはりまわりの環境の側にある、
というのが、私の考えです。

まあ、それは読者のみなさまに考えていただくとして、
こういう本が出るということが、一つの考える機会になると思います。
ぜひ一度は手に取ってほしいと思います。

 

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・『ヒミツのひだりききクラブ』 (レアキッズのための絵本)
キリーロバ・ナージャ/さく 古谷萌, 五十嵐淳子/え 文響社 2021/10/7

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2021.10.23
日本初!ひだりききの子どものための絵本『ヒミツのひだりききクラブ』発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/10/post-d45bbd.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5a4274c1e5c7410468668f35d7a014f1

 

 ●左利きミステリ――知念 実希人『レフトハンド・ブラザーフッド』

知念実希人さんの『レフトハンド・ブラザーフッド』が、
11月に上下二巻の文庫になって新刊として出ました。

「左手に兄の人格を宿した高校生」を主人公にした
左手の“兄”と二人三脚で、巻き込まれた殺人事件を解決すべく、
奮闘する探偵物語。

左利き(左手/左右)ミステリの新“手”とも言うべき作品です。
ぐいぐい読める面白い物語で、その中で、
時に自分の右手と左手のことも考える機会にしてほしいと思います。

 

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・知念 実希人『レフトハンド・ブラザーフッド』(上下)
文春文庫 2021/11/9
(上)
《事故をきっかけに左手に亡き兄・海斗が宿った高校生の岳士。
 兄の存在を消す治療を拒否し東京に逃げる道中で
 殺人事件に巻き込まれる。》

(下)
《真犯人を探すため違法ドラッグ密売組織に潜入した岳士に危機が迫る。
 協力者の彩夏は運命の恋人か、そして左手の兄は〈本物〉なのか?》

 

 ●左手書き用の手帳――左ききの道具店「左ききの手帳2022」

最後に、「日ペンの美子ちゃん」のところでも登場しました
《2018年8月13日の 「左利きの日」に開店したオンラインストア》
通販の左利き用品店『左ききの道具店』さんから、
今年も「左ききの手帳2022」が発売されています。

 

『左ききの道具店』さんの紹介文より――

《左手で書く人のための手帳です
 これまでの手帳は右利き用でした。
 左手で書くと日付が隠れるし、左手でページをめくると逆方向。
 でも、この手帳はそんな左ききの方の不満を解消し、
 毎日の記録を気持ちよく残すことができる。
 左ききの道具店が、
 左手で書く人のためにつくるオリジナルの手帳です。

 2019年のクラウドファンディングにて誕生、
 今回で3度目の発売になりました。

■左手で書きやすい工夫が盛りだくさん》

 

とありますように、左手書きに対応した手帳です。

「B6サイズ」とちょっと大きめなので、私の好みには合いませんが、
なかなかの商品です。

こういう商品は、一回ポッキリになってしまうと、
「残念な商品」なってしまいます。

今年も継続して発売されている点を評価したいと思います。

『左ききの道具店』さんでは、
先の『ヒミツのひだりききクラブ』も取り扱われています。

*参照:
左ききの道具店
https://hidari-kiki.shop/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★600号までの道のり(9)第181号~第200号

第181(No.181) 2009/5/23「<左利きプチ・アンケート>第61回」
 第61回 左利きに関する本を読みますか?

第182(No.182) 2009/5/30臨時増刊号「左利き本企画書」
 ◎○左利き本企画書○◎ 第一候補「左利きってどうなの?」

第183(No.183) 2009/6/6
「<左利きムーヴメント>宣言!(2)左利き本リスト(後)」

第184(No.184) 2009/6/13「初めての生活技術(8)」
 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲
  ―その16― 初めての生活技術(8)ひも結び
 □彡 読者のお便りから □彡 
  どうすれば背中を押すことになるのですか?―応援の仕方

第185(No.185) 2009/6/20「名作の中の左利き(3)『左手のパズル』」
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■ 
  ―その3―『左手のパズル』萩尾望都/文 東逸子/絵

第186(No.186) 2009/6/27「<左利きプチ・アンケート>再版編11回」
  再版編11回「利き手(左利き)の矯正」という言葉をどう思いますか

号外 2009/7/5「『週刊ファミ通』&お休みのお知らせ」
 一週お休みのお詫びとお知らせ
 『週刊ファミ通』2009年7月17日号で左利きの記事

第187号(No.187) 2009/7/11
「初めての生活技術(9)ハサミ..渦巻切取課題(前)」
 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ 
  ―その16― 初めての生活技術(9)ハサミを使う
   渦巻切取課題(前編)

第188(No.188) 2009/7/18 
「名作の中の左利き(4)『オズのつぎはぎ娘』」
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■ 
  ―その4― 『オズのつぎはぎ娘』R・F・ボーム/著

第189(No.189) 2009/7/25 
「<左利きプチ・アンケート>第62回左利きにあこがれる人..」
第62回 左利きにあこがれる人をどう思いますか

第190号(No.190) 2009/8/1 
「<左利きムーヴメント>宣言!(3)夏休み自由研究」
━<左利きムーヴメント>宣言!━ 
【夏休み特別企画―自由研究】ホントの利き手はどっち?

第191号(No.191) 2009/8/8
「初めての生活技術(9)ハサミ..渦巻切取課題(後)」
 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ 
 ―その16― 初めての生活技術(9)ハサミを使う
   渦巻切取課題(後編)

第192号(No.192) 2009/8/8 
「名作の中の左利き(5)『朗読者』シュリンク/著」
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■ 
  ―その5― 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著

第193号(No.193) 2009/8/22 
「<左利きプチ・アンケート>【再版】第33回」
【再版】第33回 新版・利き手調査第1回―
   利き手テスト側性係数を調べる

第194号(No.194) 2009/8/29夏季臨時増刊「既刊号一覧2009年前期」
 ◆ 既刊号一覧 ◆ 
  左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii 
  バックナンバーの案内 2009年前期発行分(No.161-186)

第195号(No.195) 2009/9/5
「<左利きムーヴメント>宣言!(4)左利き関連サイト-1」
━<左利きムーヴメント>宣言!━ 
~その1~左利きのお役立ち情報リスト&リンク集を作る
  (4)左利き関連サイト~その1~

第196号(No.196) 2009/9/12「初めての生活技術(10)ハサミを使う」
 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ 
  ―その16― 初めての生活技術(10)ハサミを使う
   右手/右利き用と左手/左利き用ハサミについて

第197号(No.197) 2009/9/19「名作の中の左利き(6)ホームズの名推理」
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■ 
  ―その6― 名探偵シャーロック・ホームズの名推理
   「黄色い顔」コナン・ドイル/著
   『コナン・ドイル』ジュリアン・シモンズ/著

第198号(No.198) 2009/9/26
「<左利きプチ・アンケート>第63回左利き対応..」
 ●<左利きプチ・アンケート>● 
  第63回 左利き対応してもらったことがありますか 

号外 2009/11/7「ひと月お休みのお詫びと再開へのご挨拶」

第199号(No.199) 2009/11/28
「<左利きプチ・アンケート>第64回「左利き?」~」
 はじめに
 ●<左利きプチ・アンケート>● 
  第64回 「左利き?」と聞かれたことがありますか

第200号(No.200) 2009/12/5
「<左利きムーヴメント>宣言!(5)2009年を振り返って
━<左利きムーヴメント>宣言!━ ..第一土曜日掲載
 <左利きムーヴメント>宣言!(5)【2009年を振り返って】(前)

 

――引き続き、毎週異なるテーマで書いていました。
 第一土曜は、左利き講座<左利きQ&A>、
<左利きムーヴメント>宣言!
 第二土曜は、<左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ>
左利き子育て相談の疑問
 第三土曜は、≪左利き学入門≫「左手書字の研究―実技編」、
≪左利き学入門≫ 名作の中の左利き → 左利きミステリ編
 第四土曜は、<左利きプチ・アンケート>
 第五土曜があるときは、臨時増刊で、バックナンバーの紹介

2009年も一ヶ月ほどパソコンの不調で休んでいました。

また、この時期は欄外で、【おまけコーナー】として、
最新の左利き情報をメモ的に紹介していました。

 

*各号のタイトルを見て、「これ気になるなあ、読んでみたいなあ」
 というものがございましたら、リクエストをお願いいたします。
 再配信なり、現時点での加筆・修正を行っての配信など、
 改めてお届けすることも考えています。
 リクエストは、本誌に返信してください。

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本誌では、「2021(令和3)年書き残した左利きの話題」と題して、今回も全紹介です。

今年の最終発行号になりますので、こういうテーマで書いてみました。

 ・・・

では、弊誌を面白い、興味深い、これからも読んでみたいと思われた方は、購読のお申し込みを!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

 

 

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2021.05.15

私の読書論144-<左利きミステリ>その後-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第595号 別冊編集後記
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』第294号 別冊 編集後記

第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

210515-xno294-mail
(画像:第595号x(No.294) 2021/5/15「コラボ企画 私の読書論144<左利きミステリ>その後」のメルマガ画像から冒頭部分)

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
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 × × × × × × × × × × × × × × × ×
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
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 今回は、『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前一度試みましたが、その2度目。

 実は、体調不良(コロナではなく、ぎっくり腰からの腰と足の痛み、
 お医者さんで薬やベルトをもらい、少しずつですが回復傾向)で、
 別個に2本のメルマガを書く余裕がなく、
 やっつけでお茶を濁そうという企みです。

 ご容赦!


【前回】コラボ

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
 
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

2020.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』

2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

20.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

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  ★ コラボ企画 ★
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ> その後
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

前回同様、<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後に見つけた作品をごくごく簡単に紹介しておきます。


*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

 ●過去に紹介した作品・書名

以下は、過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」、ブログ等で紹介したもの。

------------------------------------------------------------------
 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 番外編:左利き/左関連
------------------------------------------------------------------

・1843「黄金虫」エドガー・アラン・ポー
 短編集『ポオ小説全集4』創元推理文庫 他

・「黄いろい顔」アーサー・コナン・ドイル
 第二短編集『シャーロック・ホームズの回想』光文社文庫 他

・1891(1892)「ボスコム谷の謎」アーサー・コナン・ドイル
 第一短編集『シャーロック・ホームズの冒険』光文社文庫 他

・「藁人形」メルヴィル・デイヴィスン・ポースト
 『ミステリマガジン』1975年4月号(No.228)掲載 山田辰夫/訳
 短編集『アブナー伯父の事件簿』創元推理文庫
 短編集『アンクル・アブナーの叡知』ハヤカワ・ミステリ文庫

・(1981)「兄弟」阿刀田高
 短編集『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 他

・『三月は深き紅の淵を』「第二章 出雲夜想曲」恩田陸 講談社文庫

・「アンゴウ」坂口安吾
 『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)
 『日本探偵小説全集 (10) 坂口安吾集』創元推理文庫

・UN-GO第6話脚本「あまりにも簡単な暗号」會川昇
 『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)

・『左ききの名画』R・オームロッド
 社会思想社・現代教養文庫〈ミステリ・ボックス〉

・『シューメーカーの足音』本城雅人 講談社文庫

・『霧の旗』松本清張 新潮文庫

・『ヘルたん』「第二話 ミラー・ツイン」愛川 晶 中公文庫

・(2004)『悪魔のヴァイオリン』ジュール・グラッセ ハヤカワ・ミステリ

・「時計収集家の王」ジェラルド・カーシュ
 短編集『壜の中の手記』 角川文庫

・「心臓と左手」石持浅海
 短編集『心臓と左手 座間味くんの推理』光文社文庫

・『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
 ハヤカワ・ミステリ文庫

・2001「夜霧のサンフランシスコ」ジョー・ゴアズ
 『ミステリマガジン』2002年4月号(No.554) 早川書房

・『検察側の証人』アガサ・クリスティー
 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫

・「厩舎街(ミューズ)の殺人」アガサ・クリスティー
 短編集『死人の鏡』 クリスティー文庫

・『朝霧高原殺人事件』和久峻三 光文社文庫

・1982「停電にご注意」鮎川哲也
 短編集『クライン氏の肖像―三番館の全事件III』 出版芸術社
 短編集『材木座の殺人』創元推理文庫

・『京都殺人地図』「第二話 偽装の殺人現場」「第三話 消えた配偶者」
 山村美紗 文春文庫

・『サウスポー・キラー』水原秀策 宝島社文庫

・『ゴースタイズ・ゲート 「イナイイナイの左腕」事件』中井拓志
 角川ホラー文庫

・『新装版 8の殺人』我孫子武丸 講談社文庫

・『シャム双子の謎』エラリー・クイーン 創元推理文庫 他

・『ゴーグル男の怪』島田荘司 新潮文庫

・「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩
 短編集『メルカトルと美袋のための殺人』 集英社文庫

・『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕 東京創元社<黄金の13>

・『春夏秋冬殺人事件』「冬の部 団地警察殺人事件」齋藤栄
  祥伝社ノン・ポシェット

・『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社文庫

番外編・<左利きの探偵> 検屍官ケイ・スカーペッタ
 『死因』パトリシア・コーンウェル 講談社文庫

 ●その後に見つけた作品、再認識した作品

【海外ミステリ】

・1841「悪魔に首を賭けるな」エドガー・アラン・ポオ
 短編集『ポオ小説全集III』 創元推理文庫

<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
・1904「ミス・ペブマーシュ殺人事件」バロネス・オルツィ
 短編集『隅の老人〔完全版〕』作品社

・1906「余分な指」ジャック・フットレル
 短編集『思考機械〔完全版〕第二巻』 作品社

・1907「壊れたブレスレット」ジャック・フットレル
 短編集『思考機械〔完全版〕第二巻』 作品社

・1909「アルミニウムの短剣」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿I』 創元推理文庫

・1911「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン
 短編集『世界推理短編傑作集2』江戸川乱歩編 創元推理文庫
 短編集『リュパンの告白』 創元推理文庫 他

番外編・ワトスン役が左利き?(1914)「ディオニュシオスの銀貨」
 アーネスト・ブラマ
 短編集『マックス・カラドスの事件簿』 創元推理文庫

[未]・(1918)「消えた金融業者」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿II』 創元推理文庫

・(1925)「砂丘の秘密」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿I』 創元推理文庫

・(1927)「ポンティング氏のアリバイ」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿II』 創元推理文庫

・(1927)「フラットの惨劇」アーネスト・ブラマ
 短編集『マックス・カラドスの事件簿』 創元推理文庫

[準]・(1928)「金歯の男」モーリス・ルブラン
 短編集『バーネット探偵社―ルパン傑作集VII』 新潮文庫


・(1924)「夜鶯荘」アガサ・クリスティ 
 短編集『世界推理短編傑作集3』江戸川乱歩編 創元推理文庫 他

・(1927)『ビッグ4』「11 チェスの問題」アガサ・クリスティー
 クリスティー文庫

・(1933)『Zの悲劇』エラリー・クイーン 角川文庫 他

・(1934)『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティー
 クリスティー文庫

・(1944)『ゼロ時間へ』アガサ・クリスティー クリスティー文庫

・(1944)『暁の死線』ウィリアム・アイリッシュ 創元推理文庫

・(1952)「4月 皇帝のダイス」「6月 くすり指の秘密」
 エラリー・クイーン
 短編集『犯罪カレンダー<1月~6月>』 ハヤカワ・ミステリ

・(1956)「本物のモートン」マイケル・イネス
 短編集『アップルビイの事件簿』 創元推理文庫

・(1963)『白夫人の幻』ロバート・ファン・ヒューリック
 ハヤカワ・ミステリ

・(1969)『刑事マルティン・ベック 消えた消防車』
 マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー 角川文庫

・1995「待ちに待ったヒット」(「キルディア物語」より)
 エドワード・D・ホック
 短編集『革服の男』 光文社文庫

・(1999)「クリスマスの陰謀」エドワード・D・ホック
 短編集『エドワード・D・ホックの
  シャーロック・ホームズ・ストーリーズ』 原書房

・(2001)「死なないボクサー」エドワード・D・ホック
 短編集『サイモン・アークの事件簿IV』 創元推理文庫

番外編・<左利きの探偵>西部探偵ベン・スノウ
 1990「呪われたティピー」エドワード・D・ホック
 短編集『革服の男』 光文社文庫

・(2004)『歌姫』エド・マクベイン ハヤカワミステリ

・『旧約聖書』「士師記 第3章 12-30」
 『左ききの本』「十三 エホデ――ベニヤミンのジェイムズ・ボンド」
 マイケル・バーズリー TBS出版会

・(1207)『棠陰比事』「9 利手の左右」「10 傷跡の深浅」
 桂万栄 編纂 岩波文庫

・「教育の監督権を有する関係者に対する請願書」
 ベンジャミン・フランクリン 
 『左ききの本』マイケル・バーズリー TBS出版会
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』ジェームス・ブリス、
  ジョセフ・モレラ 講談社
 『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン 文藝春秋

・〈玉突屋のおやじ〉マーク・トウェイン
 『ちょっと面白い話』大久保博編訳 旺文社文庫

・(1858)「左ぎっちょクラブ」ギュンター・グラス
 短編集『僕の緑の芝生』 小沢書店

番外編・(1974)「手巻き煙草」ギュンター・グラス
 短編集『僕の緑の芝生』 小沢書店

番外編・1881「左利き トゥーラのやぶにらみの左利きと鋼鉄の蚤の話」
 レスコフ
 短編集『レスコフ作品集1左利き』群像社・ロシア名作ライブラリー1

番外編・(1871)『鏡の国のアリス』ルイス・キャロル 新潮文庫 他

番外編・(1913)『オズのつぎはぎ娘』ライマン・フランク・ボーム
 ハヤカワ文庫
   
番外編・(2005)「左利き」J・ロバート・レノン 
 『左手のための小作品集――100のエピソード』関西大学出版部

SF・1896「プラットナー先生綺譚」H・G・ウェルズ
 短編集『白壁の緑の扉』 国書刊行会<バベルの図書館>8

SF・(1999)『ノービットの冒険―ゆきて帰りし物語』パット・マーフィー
 ハヤカワ文庫SF


【国内ミステリ】

・(2014)『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 朝日文庫

・1980「最期のメッセージ」阿刀田高
 短編集『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫

・2003「書肆に潜むもの」井上雅彦
 『古書ミステリIII』ミステリ文学資料館編 光文社文庫

番外編・1978「ある東京の扉」連城三紀彦
 短編集『変調二人羽織』光文社文庫

番外編・(2019)『レフトハンド・ブラザーフッド』知念実希人 文藝春秋

ホラー・(2017)「左利きの鬼」宇佐美まこと
 短編集『角の生えた帽子』KADOKAWA

SF・(1977)『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫

SF・2003「大喝采」横田順彌
 『SFマガジン』2019年6月号
 短編集『押川春浪回想譚』 出版芸術社

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本誌では、「私の読書論144-<左利きミステリ>その後-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画」と題して、
発行日が同じになったこともあり、本文中にも書いていますように、個人的理由から急遽こういう手抜きになりました。

今回は、全編転載公開しています。
一部発表年代が抜けていたり、分類もできていなかったり、簡単な紹介コメントもなかったりで、中途半端なできです。

追々こちらのブログ上で追記して情報として整えていこうと思います。
ご期待ください。

では、これからも両誌をご愛顧のほど、お願い申し上げます。


*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

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(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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2021.04.17

『左組通信』復活計画[6]<左利きプチ・アンケート>全公開(6)第8回-週刊ヒッキイ第593号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第593号 別冊編集後記

第593号(No.593) 2021/4/17
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その15)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [6]
 <左利きプチ・アンケート> 全公開(6)第8回」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第593号(No.593) 2021/4/17
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その15)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [6]
 <左利きプチ・アンケート> 全公開(6)第8回」
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ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [6]
 <左利きプチ・アンケート> 全公開(6)
第8回 左と右を間違うことがありますか
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 「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年」
 の15回目です。

 2004年年頭から2009年年末までの更新し続けたホームページ
 『レフティやすおの左組通信』復活計画として、
 メイン・コンテンツを順に全面的に
 このメルマガで再生・復活させる、の6回目です。

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その15)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [6]
  <左利きプチ・アンケート> 全公開(6)
  第8回 左と右を間違うことがありますか
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛

 ●<左利きプチ・アンケート> 全公開(6)

今回も、
アンケート作成サイト<プチ・アンケート>のサイトから
削除され、現在見ることのできない初期のアンケートのうち、
まずは「第8回 左と右を間違うことがありますか」を紹介します。

 

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(画像:今は亡きホームページ『レフティやすおの左組通信』の<左利きプチ・アンケート>ページのトップページ)

 

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(画像:今は亡きホームページ『レフティやすおの左組通信』の<左利きプチ・アンケート>の第8回 左と右を間違うことがありますかのページのヘッド部分)


アンケート投票者による「ご意見ボードへの書き込み」の転載は、
著作権等の観点から今回は割愛しました。
ご了承ください。

 ●左右盲

左と右を間違う、とっさに判断できない、といった状態を
「左右盲(左右失調)」と呼ぶようです。

ネットには、こんなマンガに関する記事が出ています。

『左右盲』を描いた漫画に共感の声
「自分もこれだ!」「知らなかった…」

この記事のなかで、

《左利きの人は子どものころに「お箸を持つ手が右」と教わり
 混乱するため、左右盲になりやすいといわれています。》

とあります。

私もそういうものではないか、と思っています。

左右の代わりに、

《「〇時の方向」》という教え方もあると紹介されていました。
アナログ時計の文字盤ということでしょう。

しかしこれからは、デジタル時計も多くなり、
これも理解できない、という事態にもなりかねないかもしれませんね。

 

また、こんな記事も。

左右盲の私たちには、別世界が見えているのかもしれない おぺろん 2020/10/02 18:58

 

さらにネットを調べていますと、Amazonにこんな商品も!

210414-t

(画像:(Amazonより)「左右盲」 右 左 分かりやすくなる 左右を混乱しない
みぎ ひだり 確認 判断する 左右失調 上下 逆さ Tシャツ)

《・あなたはミギとヒダリが分かりにくいですか?
  それは「左右盲」または「左右失調」といいます。
  これを着たら二度と みぎ・ひだり こんらんしないです
 ・左右盲で左右を判断するのは苦手な人は
  これで「みぎ」と「ひだり」が分かりやすくなる》

・ブランド: 左右を二度と混乱しないように
「左右盲」 右 左 分かりやすくなる 左右を混乱しない
みぎ ひだり 確認 判断する 左右失調 上下 逆さ Tシャツ

 

 ●第8回 左と右を間違うことがありますか

 

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announcement
 
  <左利きプチ・アンケート>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
------------------------------------------------------------------
(初出)2004.10.9(最終)2005.8.10/2007.11.16
------------------------------------------------------------------

<左利きプチ・アンケート>

第8回 左と右を間違うことがありますか

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第8回左と右を間違うことがありますか

左と右を間違うことがありますか

左利きの人で「よく左と右を間違う」という人がいます。
単に言葉を言い間違う場合もあれば、
実際に左と右を間違えている場合もあります。
言葉と身振りで方向が異なっている場合もあります。
ふだんは間違わないのにとっさに判断するときに限って間違う
という人もいます。

バスガイドさんのような例を除けば、
比較的右利きの人でこういう話を聞くことは少ないようです。
(バスガイドさんは左手をかざして、右をご覧くださいと言うように、
向かい合っているお客様の左右の方向に合わせて説明する。
日常でもその癖が出て間違うことがあるという。)

原因として、幼児期にお箸を持つほうが右、お茶碗を持つほうが左、
という左右を教える方法にあると考える人もいます。
実際のところは不明ですが…。

さて貴方は、左と右を間違えることはありますか。
あるとすればどんなときでしょう。
下記の中からひとつを選んでお答えください。

*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。
ご自身でご自分の利き手をどちらか判断した上で投票してください。

*一言言わせて、というお方は投票後に表示されます一番下の
「ご意見ボード」をご利用ください。
もっと言わせて、というお方は掲示板もご利用ください。
貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

 

1 (右利きの人)比較的よく間違う方だ
2 ( 〃 )たまに間違うことがある
3 ( 〃 )とっさのときに限って間違う
4 ( 〃 )ほとんど間違わない
5 (左利きの人)比較的よく間違う方だ
6 ( 〃 )たまに間違うことがある
7 ( 〃 )とっさのときに限って間違う
8 ( 〃 )ほとんど間違わない

 

結果/ご意見ボードを見る

*このアンケートは、
(2004.9.12-10.9)まで(4週間)に渡って実施されました。

 

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投票結果(初出締切時)

実施期間2004.9.12‐10.9(4週間) 右7:左15=22
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1 (右利きの人) 比較的よく間違う方だ 1
2 ( 〃 ) たまに間違うことがある 2
3 ( 〃 ) とっさのときに限って間違う 1
4 ( 〃 ) ほとんど間違わない 3
5 (左利きの人) 比較的よく間違う方だ 4
6 ( 〃 ) たまに間違うことがある 2
7 ( 〃 ) とっさのときに限って間違う 2
8 ( 〃 ) ほとんど間違わない 7

------------------------------------------------------------------

 

ご意見ボードへの書き込みに対するコメント

------------------------------------------------------------------

↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2021.3.(追記)

「第8回 左と右を間違うことがありますか」アンケートの
「ご意見ボードへの書き込み」とそれに対する「私のコメント」
を要約しておきます。

 ・・・

 <とっさに左右を間違う>

 <身体的特徴で判断できる>

*参照:
・第360号(No.360) 2013/4/20「名作の中の左利き~推理小説編15~
左利きの会の謎『朝霧高原殺人事件』和久峻三」
・2013.4.25
左利きの会と赤かぶ検事『朝霧高原殺人事件』
~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii360号
「新生活」版

『朝霧高原殺人事件』―赤かぶ検事シリーズ 和久峻三 光文社文庫
1991/12/1

 <教えてもらうとき、動作の説明が混乱する>

 <左右を間違う少年の話>

*『左手のパズル (絵物語・永遠の一瞬) 』
萩尾 望都/著 東 逸子/イラスト 新書館 1995/7/13

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(画像:<左利きミステリ>左手のペンだこ『朝霧高原殺人事件』―赤かぶ検事シリーズ 和久峻三 光文社文庫、
 左と右を間違う左利きの少年『左手のパズル (絵物語・永遠の一瞬) 』萩尾 望都/著 東 逸子/イラスト 新書館)

210416asigiri

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本誌では、「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その15)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [6]<左利きプチ・アンケート> 全公開(6)第8回」
と題して、
<左利きプチ・アンケート 第8回 左と右を間違うことがありますか>を紹介しています。

今回も、全公開です。

ただし、今年(2021年)の追記だけは省略しています。

当時のご意見と私のコメントのまとめ、および現時点での私の意見等も本誌の方でご覧ください。

 ・・・

詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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2020.08.31

新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2020から(2)『今昔百鬼拾遺 河童』『短編工場』-「楽しい読書」第277号

 ―第277号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------
2020(令和2)年8月31日号(No.277)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2020から (2)
角川文庫『今昔百鬼拾遺 河童』集英社文庫『短編工場』」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2020から――。

新潮文庫の100冊
https://100satsu.com/

角川文庫 カドフェス2020
https://kadobun.jp/special/kadofes/

集英社文庫 ナツイチ2020
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
(よまにゃチャンネル)
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/yomanyachannel/

Natunobunnko_20200830170801

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ◆ 2020テーマ「あの作家の新たな作品を」+「新顔作家」 ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2020から (2)

  【角川文庫 カドフェス2020 夏おすすめ本】から―
   『今昔百鬼拾遺 河童』京極夏彦

  【集英社文庫 ナツイチ2020 夏の一冊】から―
   『短編工場』集英社文庫編集部編

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今年は二回分割でお送りしています。

2020(令和2)年7月31日号(No.275)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2020から (1)
【新潮文庫の100冊 2020】から―『東京奇譚集』村上春樹」

2020.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2020から(1)
『東京奇譚集』-「楽しい読書」第275号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/07/post-3a52bf.html

https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/107b52adfdab5c569da25fbd2b79bb43

 

その二回目、後半です。

今年のテーマは
「あの作家の新たな作品を」+「新顔作家」
ということで、内容的には、

ミステリーと奇譚といったところが共通のテーマで、
この手の小説――あやかしと怪奇調のオカルトチックな小説と
そういう傾向の作品を含む短編アンソロジーです。

というように、
今年はエンタメ的な選択で、この辺は私の好みですので、
ちょっと一般的ではないかもしれません。

二回目の今回は、久しぶりの京極夏彦さんと
私にとっての新顔作家を探しての
アンソロジーによる新顔作家入門です。

 

 ●京極夏彦『今昔百鬼拾遺 河童』

★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆
 
【角川文庫 カドフェス2020 夏おすすめ本】から―

 『今昔百鬼拾遺 河童』京極夏彦

Kappa

★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆

 

 ●「小説すばる」誌のアンソロジー『短編工場』

『かみさまの娘』桜木紫乃
『ゆがんだ子供』道尾秀介
『ここが青山』奥田英朗
『じごくゆきっ』桜庭一樹
『太陽のシール』伊坂幸太郎
『チヨ子』宮部みゆき
『ふたりの名前』石田衣良
『陽だまりの詩』乙一
『金鵄のもとに』浅田次郎
『しんちゃんの自転車』荻原浩
『川崎船』熊谷達也
『約束』村山由佳

★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆

  【集英社文庫 ナツイチ2020 夏の一冊】から―

   『短編工場』集英社文庫編集部編

 

★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆

200830tannpennkoujou

Tanpenkoujou-2

 ●2冊に共通するあやかし、または奇譚というものの意味

 

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本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2020から (2)角川文庫『今昔百鬼拾遺 河童』集英社文庫『短編工場』」と題して、今年のテーマ「あの作家の新たな作品を」+「新顔作家」として、京極夏彦『今昔百鬼拾遺 河童』と、「小説すばる」誌掲載の12人の作家のアンソロジー『短編工場』を紹介しています。

それぞれに関するコメントの詳細は本誌でご確認ください。
特にこれということも書いていませんけれど。

京極さんは「巷説百物語」シリーズを楽しく読んでいました。
他にはデヴュー作のシリーズだったと思いますが、『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』を読んでいます。
『魍魎の匣』は長い小説ですが、あれは楽しかった読書の思い出でしたね。

200830mouryounohako

アンソロジー『短編工場』は、私にとっての「新顔を探せ」ものの短編集でした。
一つ一つ色合いの異なるものがあり、楽しめるアンソロジーでした。

一部に前回の村上春樹さんの作品集『東京奇譚集』にあるような奇譚が含まれています。

奇譚は、人生において人生の意味を説くための「数学の幾何の問題を解くための補助線の役割のようなものではないか」

といったことを前回書きましたが、まさにそういう共通点がありました。

どちらもそれぞれに楽しい作品ですので、ぜひ、お読みください。

 

*【新潮文庫の100冊 2020】から―『東京奇譚集』村上春樹

 ・・・

詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』

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2020.06.25

ツイッター【#左利きミステリ入門】30回、ついにホームズものに突入!

以前、↓で紹介しましたように、

2020.5.24
ツイッターで【左利きミステリ入門】始めました


ツイッター左利きライフ研究30年☆レフティやすおで5月16日からは始めました
【#左利きミステリ入門】
ですが、

ついに30回となり、いよいよアーサー・コナン・ドイルのホームズものに突入しました。

最初のホームズものは、左利きが犯人の「ボスコム谷の謎」。

【#左利きミステリ入門】030/#アーサー・コナン・ドイル「#ボスコム谷の謎」1

Tw-hidarikikimystery-30-holmes-600

これは、世界三大推理小説名短編集の一つ、ホームズもの最初の短編集『シャーロック・ホームズの冒険』の一編です。

また、この作品は「犯人が左利き」とバラしてもなんの問題もない、数少ない?作品の一つです。

次のホームズものは、第二短編集から「依頼人が左利き」の「黄色い顔」です。


ホームズ関連第三弾は、35回からジュリアン・シモンズの伝記『コナン・ドイル』から、ホームズの推理法を学んだ恩師の講義についてです。

第四弾は、1999年のクリスマス・デイの犯罪を描く、エドワード・D・ホックのホームズ・パスティーシュ「クリスマスの陰謀」です。

お楽しみに!



第一短編集:
『シャーロック・ホームズの冒険【新訳シャーロック・ホームズ全集】』日暮雅通訳 光文社文庫

第二短編集:
『シャーロック・ホームズの回想【新訳シャーロック・ホームズ全集】』日暮雅通訳 光文社文庫

ドイル伝記:
ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』深町真理子訳 創元推理文庫

ホームズ・パスティーシュ:
『エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ』日暮雅通他訳 原書房

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2020.05.24

ツイッターで【左利きミステリ入門】始めました

私のツイッター
左利きライフ研究30年☆レフティやすお
で、

「#おうち時間 は一人で #本 #読書」ということで、


【#左利きミステリ入門】

を始めました。

Hidarikiki-mystery-oversea-3
海外ミステリ

Hidarikiki-mystery-2
国内ミステリ

 ・・・


●5/16

自粛一部解除とはいえ

#おうち時間 は一人で #本 #読書 !

#左利きライフ研究家 らしく私の趣味を活かして
#海外ミステリ #国内ミステリ から
#左利き の登場人物たちの左利きらしい動作を描いた
#左利きの人 が活躍?する
#左利きミステリ
について紹介する【#左利きミステリ入門】を始めます。



●5/16

【#左利きミステリ入門】001
 
#左利きミステリ とは
#左利きの人 が主要登場人物である物語や
#左利き の性質をトリックに活用した推理小説等の
#ミステリ の総称をいう。


#国内ミステリ ― #東野圭吾『#どちらかが彼女を殺した』
#海外ミステリ ― #エラリー・クイーン『#シャム双子の秘密』
など



●5/16

【#左利きミステリ入門】002

個々の作品を「#左利き を扱うミステリ」と分類することで、一部ネタバレになる場合があります。

ただ、謎解きものでも、大半の作品ではメイン・トリックよりもサブ・トリックとして使われるケースが多く、
鑑賞上、一番のおいしいところでは問題ない、と考えています。



●5/16

【#左利きミステリ入門】003

#左利きミステリ
≪人物別≫分類

#左利き の登場人物を分類すれば、以下の5つのタイプが考えられます――

◆#左利きの探偵
◆#左利きの被害者
◆#左利きの犯人
◆#左利きの容疑者
◆#左利きのその他の事件関係者
例:
○依頼者
○名画の本当の画家
○謎の本の著者
等々



●5/17

【#左利きミステリ入門】004

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 1

◆#左利きの探偵

【#国内ミステリ】
○検屍官 #ケイ・スカーペッタ
#コーンウェル『#死因』

【#国内ミステリ】
○サウスポー(左腕投手)・沢村
#水原秀策『#サウスポー・キラー』
○青年へルパー #神原淳
#愛川晶『#ヘルたん』



●5/18

【#左利きミステリ入門】004
#左利きミステリ
≪人物別≫分類 1
◆#左利きの探偵

で、間違いがありました。

(×)
【#国内ミステリ】
○検屍官 #ケイ・スカーペッタ
#コーンウェル『#死因』


【#海外ミステリ】です。
失礼しました。

(○)
【#海外ミステリ】
○検屍官 #ケイ・スカーペッタ



●5/19

【#左利きミステリ入門】005

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 2

◆#左利きの被害者

【#海外ミステリ】
#アガサ・クリスティー「#厩舎街ミューズの殺人」
『#死人の鏡』収録

【#国内ミステリ】
#東野圭吾『#どちらかが彼女を殺した』
#齋藤栄『#春夏秋冬殺人事件』冬の部

#本
#読書
#左利き



●5/20

【#左利きミステリ入門】006

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 3

◆#左利きの犯人

【#海外ミステリ】
#ドイル「#ボスコム谷の謎」
『#シャーロック・ホームズの冒険』収録

#ルブラン「#赤い絹の肩掛け」
『#リュパンの告白』
旧版『#世界短編傑作集2』江戸川乱歩編
収録

#本
#読書
#左利き



●5/21

【#左利きミステリ入門】007

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 4

◆#左利きの容疑者
―左利きの犯行と推測され、容疑者とされるが……。

【#海外ミステリ】
#アガサ・クリスティー『#ゼロ時間へ』
同『#検察側の証人』戯曲

【#国内ミステリ】
#我孫子武丸『#8の殺人』

#本
#読書
#左利き



●5/22

【#左利きミステリ入門】008

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 5

◆#左利きのその他の事件関係者

【#海外ミステリ】
○依頼人
#ドイル「#黄色い顔」
『#ホームズの回想』

○画家
#オームロッド『#左ききの名画』

【#国内ミステリ】
○作家
#恩田陸『#三月は深き紅の淵を』

#本
#読書
#左利き



●5/23

いよいよ全国的に外出自粛も解除目前!

とはいえまだまだ油断大敵!

#おうち時間 は一人で #本 #読書

#左利きライフ研究家 らしく
#左利き の登場人物たち
#左利きの人 が活躍?する
#左利きミステリ を紹介する

【#左利きミステリ入門】

[009]からは個別の作品を!

まずは #海外ミステリ から。


 ・・・

一日一ツイートでやっています。

これから23日のツイートにもありますように、次回[009]からは、それぞれ個別の作品を取り上げてゆきます。

まずは海外ミステリを。

原則として、今私の知っている範囲で、年代順にツイートしていく予定です。


「左利きミステリ」に関しましては、メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』で、以前「名作の中の左利き」というテーマで何回か書き、その発展系として、「推理小説編」を二十数回続けたことがありました。

まあ、それらを元にその後に発見した作品を追加してゆきます。

お楽しみに。

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2019.09.15

私の読書論123-追悼・横田順彌-明治SFを読む

―第255号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

 

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2019(令和元)年9月15日号(No.255)
「私の読書論123-追悼・横田順彌-明治SFを読む」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2019(令和元)年9月15日号(No.255)
「私の読書論123-追悼・横田順彌-明治SFを読む」
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 今回は初めての試みとして、
 今年2019年1月4日に亡くなられたSF作家で、
 古典SF研究家で明治文化研究家の
 ヨコジュンこと横田順彌さんの追悼号とします。

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 私の読書論123-
 ― 追悼・横田順彌 ―
   ヨコジュンの明治SFを読む
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 ●追悼・横田順彌
Sf-2019-06-20196no733

2019年4月25日発売の
「S-Fマガジン」2019年6月号

 

 ●横田順彌さんの訃報――
 ●ヨコジュンの思い出

(最初の著書)
ハヤカワ文庫JA版『宇宙ゴミ大戦争』1977

 

 ●明治SF

(最初の明治SF、新潮文庫書き下ろし長編)
『火星人類の逆襲』 新潮文庫 1988/5

 

 ●『人外魔境(ロストワールド)の秘密』

(続編)
『人外魔境(ロストワールド)の秘密』(新潮文庫 1991/2)

 

 ●『時の幻影館―秘聞 七幻想探偵譚』

*横田順彌明治小説コレクション 日下三蔵編 柏書房
『時の幻影館・星影の伝説』 2017/8/1
―≪日本SFの祖・押川春浪と門人・鵜沢龍岳が遭遇する数々の摩訶不思議―SFの奇才にして古典SF研究の第一人者・横田順彌が贈る、科学と綺想、怪奇と幻想に満ちた“空想科学探偵譚”!≫

 

『夢の陽炎館・水晶の涙雫』 2017/9/1
―≪永久機関研究者の執念、日露戦争生還兵の予言、絵から抜け出す幽霊、南極探検に端を発する怪事件、押川春浪と鵜沢龍岳が挑む超常現象!SF、ミステリ、幻想…“空想科学探偵譚”復刻第2弾! ≫

 

『風の月光館・惜別の祝宴』 2017/10/1
―≪帝都を襲う怪事件―SFミステリ連作ここに大団円。科学か?迷信か?押川春浪、鵜沢龍岳が挑む不可思議事件簿。そして伊藤博文、乃木希典ら明治の英傑を巻き込む陰謀の驚愕の真相とは―“空想科学探偵譚”最終章。 ≫

 

 ●悲しく切ない、不可思議な人間の心情

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本誌では、私のヨコジュンの著書の中でお気に入りである、明治SFについて書いています。

とにかく一度は読んでいただきたい、としかいえません。

他のジャンルの著書に関しては、雑誌「SFマガジン」連載中に時々読んでいた「日本SFこてん古典」「近代日本奇想小説史」ぐらいで、ハチャハチャSFなどの作品は未読です。
機会があれば、それらに触れてみるのも一興かと思っています。

しかししかし、やはり押川春浪&鵜沢龍岳シリーズが一番楽しいというのが、私の感想です。
残念ながら本を持っていないのですが、何度読み返しても飽きないお話です。

ちなみに私が持っているのは、『火星人類の逆襲』『人外魔境(ロストワールド)の秘密』だけです。
(残念!)

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

 

 

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