2024.02.15

私の読書論181-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(後)初読編-楽しい読書360号

(まぐまぐ!)古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2024(令和5)年2月15日号(No.360)「私の読書論181-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(後編)初読編ベスト3 」

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和5)年2月15日号(No.360)「私の読書論181-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(後編)初読編ベスト3 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 「私の年間ベスト3・2023年フィクション系(後編)」です。

 <フィクション系>は、文字通りフィクション、
 小説等の創作ものを指します。

 今回はいよいよ「初読編ベスト3」を。

「再読編」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和5)年1月31日号(No.359)「私の読書論180-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編 」
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.1.15
私の読書論180-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(前)総リスト&再読編-楽しい読書359号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/01/post-244657.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/24ab2ce38b836145b195398a2c4197f6

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 青春ミステリか? 老人探偵団か? -

  ~ 私の年間ベスト3・2023フィクション系(後編) ~

  2023年フィクション系ほぼ全書名紹介&初読編ベスト3

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●<初読編ベスト3>候補

<初読編ベスト3>の候補となる、
初読のフィクションの全書名を紹介してみましょう。

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

 ・・・

(1)メルマガ用のお勉強の本

・『曹操・曹丕・曹植詩文選』川合 康三/編訳 岩波文庫 2022/2/17
(Amazonで見る)

――読書メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』の
参考資料。

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2023(令和5)年3月31日号(No.339)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(21) ―曹丕(そうひ)」
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.3.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(21) ―曹丕(そうひ) -楽しい読書339号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/03/post-849fb1.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e03d798d0eb5364d8cd88d8d0fc20004

 

(2)それ以外の古典の名作

・『八犬伝(上・下)』山田風太郎 山田風太郎傑作選・江戸篇 河出文庫
2021/2/5
(Amazonで見る)

(Amazonで見る)

――江戸時代の戯作本、滝沢馬琴『南総里見八犬伝』の「虚の世界」と、
それを書く馬琴が画家・葛飾北斎等を相手に、日常の作家として、一人の
世帯主としての葛藤を語る姿を描く「実の世界」を交互に綴る、風太郎版
『八犬伝』。

・『世界推理短編傑作集6』戸川安宜編 創元推理文庫 2022/2/19
(Amazonで見る)

――2018年にリニューアルされた江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』
全5巻を補完する第6巻。未収録作家13人の古典的名作を収録。冒頭、
1870年発表のエミール・ガボリオ「バティニョールの老人」は、左手に
よるダイイング・メッセージという<左利きミステリ>。既刊の短編集や
アンソロジーに収録されているものも多いが、まとめて読めるのは便利。

(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

特になし。

(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

【新井素子】
・『二分割幽霊綺談』講談社 1983
――パラレルワールドにつながる?トンネルの向こうとこちらで
繰り広げる奇想冒険談。
『二分割幽霊綺談』講談社文庫 1986/3/1
(Amazonで見る)

・『・・・・・・絶句(上下)』早川書房 新鋭書下ろしSFノヴェルズ
1983/12/15, 1984/1/15
――異星人の起こした事故で、新井素子の創作したインナー・スペースが
現実化して大混乱……という奇想SF。
(Amazonで見る)

(Amazonで見る)

・『あなたにここにいて欲しい』文化出版局 1984/7/1
――自分一人ではなにもできない女性と、彼女の世話をすることに自己の
存在意義を認めてきた女性。小学校以来の二人の友人同士の交流に、
新たな人物が現れ、互いの相互依存があらわになる……。
(Amazonで見る)

――80年代、本屋さん時代に買ってそのままになっていた本たち。
当時の人気作家でしたが、今では現行本がほとんどないようです。

【リチャード・オスマン】
・『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』羽田詩津子訳 ハヤカワ・ミステリ
2022/11/2
(Amazonで見る)

――第一作では謎の人物だった、老人探偵グループ〈木曜殺人クラブ〉の
中心メンバーのエリザベスと、死んだはずのかつての同僚英国諜報員の
事件。彼はダイヤを持ち逃げし、諜報組織とマフィアから追われていた。
メンバーは、この国際的陰謀との戦いに乗り出す。
一方で、メンバーの一人元精神科医のイヴラヒムが一人で町に出たとき、
若者に襲われスマホを奪われる、という事件が起きる。このとき、肉体の
負傷以上に、精神的にまいってしまう。それを老人仲間たちが支え、
励ます姿の美しさ。さらに精神科医の彼が女性警官の相談を受けたときの
回答も読ませます。

・『木曜殺人クラブ 逸れた銃弾』リチャード・オスマン 2023/7/4
(Amazonで見る)

――第三作では、かつて大規模詐欺事件を追求するうちに事故死した
女性キャスターの事件を、有名キャスターと捜査を始める。
一方エリザベスは、マネーロンダリングにまつわる事件に巻き込まれる。

以上、イギリスの高級高齢者施設に住む老人たちの探偵クラブ
〈木曜殺人クラブ〉の面々による探偵冒険譚のそれぞれ第二作と第三作。
老人たちの会話が読ませます。著者は第一作を書く前に、高齢者施設で
取材もしたというのですが、老人の仲間入りをした現在の私が読んでも、
迫るものがあって、単なる娯楽小説に終わらず、読む価値ありの作品に
なっているように感じます。

【ホリー・ジャクソン】
・『自由研究には向かない殺人』服部京子訳 創元推理文庫 2021/8/24
(Amazonで見る)

出版社の紹介文《イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と
 並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は
 5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が
 少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の
 無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で
 次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。
 ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった
 謎解き青春ミステリ!》

・『優等生は探偵に向かない』服部京子訳 創元推理文庫 2022/7/20
(Amazonで見る)

出版社の紹介文《人の兄ジェイミーが失踪し、高校生のピップは調査を
 依頼される。警察は事件性がないとして取り合ってくれず、ピップは
 仕方なく関係者にインタビューをはじめる。SNSのメッセージや写真
 などを追っていくことで明らかになっていく、失踪当日のジェイミーの
 行動。ピップの類い稀な推理で、単純に思えた事件の恐るべき真相が
 明らかに……。『自由研究には向かない殺人』待望の続編。この衝撃の
 結末を、どうか見逃さないでください!》

・『卒業生には向かない真実』服部京子訳 創元推理文庫 2023/7/18
(Amazonで見る)

出版社の紹介文《わたしはこの真実から、決して目を背けない。『自由
 研究には向かない殺人』から始まったミステリ史上最も衝撃的な3部作
 完結編!
 大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言
 電話に匿名のメール。首を切られたハトが敷地内で見つかり、私道には
 チョークで首のない棒人間を書かれた。調べた結果、6年前の連続殺人
 事件との類似点に気づく。犯人は服役中だが無実を訴えていた。ピップ
 のストーカーの行為が、この連続殺人の被害者に起きたことと似ている
 のはなぜなのか。ミステリ史上最も衝撃的な『自由研究には向かない
 殺人』三部作の完結編!》

――数々のミステリベスト10で上位にランクインした、女子高校生ピップの
探偵譚三部作。さわやかな青春ミステリとして、謎解きミステリのように
開幕したシリーズでしたが、第三作では、意外な展開になります。
ストーカー行為を受けたピップが反撃に転じるのですね。真実とは何か?
非常に重たい問いかけです。彼女の選択を肯定できるかどうかが、
その人の人間としての一つの試金石ともいえます。
その時その時で人は意外な行動を取ることもあります。最終的に、人は、
起きてしまったこと、済んでしまったことを変えることはできません。
その時点で、人は自分の信じる道をただ前へ、前へと向かって進むしか
ないのです。

・『マジック・ミラー』有栖川有栖 講談社文庫 1993
新装版 マジックミラー (講談社文庫) 文庫 – 2008/4/15
(Amazonで見る)

――双子の兄弟による兄嫁殺しのアリバイ・トリックもの。
被害者の妹が推理作家とともに謎に迫る。

・『不吉なことは何も』フレドリック・ブラウン 越前 敏弥 訳
創元推理文庫 2021/9/21
(Amazonで見る)

――《『真っ白な噓』に続く巨匠の代表的ミステリ作品集》という
【名作ミステリ新訳プロジェクト】の一冊。アリバイ・トリックものの
中編「踊るサンドイッチ」がお目当てで読んだ一冊だったが。

・『スペースマン―宇宙SFコレクション(1)―』伊藤典夫、浅倉久志編
 新潮文庫 1985/10/1
(Amazonで見る)

・『スターシップ―宇宙SFコレクション(2)―』伊藤典夫、浅倉久志編
 新潮文庫 1985/12/1
(Amazonで見る)

――この二冊は本屋さん時代に買ってそのままだった、宇宙ものSFの
アンソロジー。ハインライン「地球の緑の丘」やアシモフ「夜来たる」等
名作も多く散りばめられた好アンソロジー。

・『ラブ・フリーク 異形コレクション(1)』井上雅彦監修
広済堂文庫―異形コレクション 1 1997/12/1
(Amazonで見る)

――書き下ろしの恐怖小説・怪奇小説・幻想小説のアンソロジー第一弾。
異常な状況下の恋愛を描いたもの。集中一番のオススメは、岡崎弘明
「太陽に恋する布団たち」。明るく優しい気持ちになれる名作だろう。

・『下町ロケット ヤタガラス』池井戸潤 小学館文庫 2021/9/7
――『下町ロケット ゴースト』に続く、帝国重工・財前との共同事業、
準天頂衛星「ヤタガラス」を利用した無人農業ロボット開発での、
下町中小企業との競争物語。
(Amazonで見る)

 

以上17点ほどでした。

思いのほか少なく、ベスト3を選ぶのも結構大変と思われます。

といいつつ、勝負は決まっている感じです。

 ●2023年フィクション系<初読編べスト3>

今回の<初読編ベスト3>は、以下の作品となります。

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   【2023年フィクション系<初読編べスト3>】

  (1)【ホリー・ジャクソン】
・『自由研究には向かない殺人』服部京子訳 創元推理文庫 2021/8/24
(Amazonで見る)

・『優等生は探偵に向かない』服部京子訳 創元推理文庫 2022/7/20
(Amazonで見る)

・『卒業生には向かない真実』服部京子訳 創元推理文庫 2023/7/18
(Amazonで見る)

Photo_20240213221301

(画像:【ホリー・ジャクソン】女子高校生ピップ三部作
『自由研究には向かない殺人』『優等生は探偵に向かない』
『卒業生には向かない真実』創元推理文庫―創元推理文庫のサイトから)

 

  (2)『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』リチャード・オスマン
羽田詩津子訳 ハヤカワ・ミステリ 2022/11/2
(Amazonで見る)

230214nido-sinda-otoko

 

  (3)『八犬伝(上・下)』山田風太郎 山田風太郎傑作選・江戸篇
 河出文庫 2021/2/5
(Amazonで見る)

(Amazonで見る)

Hakkenden

(画像: 図書館本『八犬伝(上・下)』山田風太郎 山田風太郎傑作選・江戸篇 河出文庫 2021/2/5) 

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

(1)と(2)は、真逆の主人公たちを描いています。
方や高校生、方や70歳を越えた老人たち。
(3)の<実の世界>の馬琴たちももう老人です。

ハツラツとした高校生たちの探偵冒険の世界と、同じ現代を舞台にして、
SNS等を活用する探偵物語でも、主人公がこれほど異なれば、
読む側の私も高齢者であり、感情移入的には、後者に軍配が上がっても
おかしくありません。

ただ一種の憧れに似た何かがあり、こういう青春ものには
肩入れしたくなるのも事実です。

老人への親近感と青春へのあこがれといった、個人的な読者として
感情的な評価は別にして、作品本来の評価として、
三部作込みの評価というのも、ちょっと卑怯な気もしますが、
あえて<ベスト1>に、この<ピップ三部作>を上げてみたいものです。

真実はいずれ明らかになるだろうし、正義は必ずまっとうされるもの、
と私は信じています。
ピップにもそう信じて生きていってほしいと思います。

 

2位には、老人の心理といったものをたっぷり書き込んだ探偵物語の、
『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』の方を上げたいと思います。

第三作も面白いのですが、ここでは、個人的な感情移入的な評価で。

元精神科医で80歳のイヴラヒムと女性警官のドナとの対話の一部を
引用しておきましょう。

 《「時間は戻ってこないことは知っているね?
  友人、自由、可能性も?」
  (略)
  「時間を取り戻すことはあきらめよう。過去は幸せだった時間として
  記憶するんだ。きみは山の頂上にいた。今は谷間にいる。今後も
  数えきれないほど、そういうことは起きるだろう」/
  「じゃあ、今は何をすればいいんですか」/
  「もちろん、次の山を登るんだ」/
  「ああ、そうか、そうですよね」シンプルだ。
  「そして次の山を登ったら?」/
  「うーん、それはわからないよ、そうだろう? きみの山だ。
   他の誰も今まで登ったことはないんだから」
   (略)
  「きみは好きなようにすればいいんだ。だが、前を見ろ、
   後ろを振り返るんじゃない。そして、きみが登るあいだ、
   わたしはここにいるよ。その肘掛け椅子は、
   必要とあらばいつでもきみのものだ」
   (略)
  「孤独はつらいものだ。大きな苦しみのひとつだ」
   (略)
  「きみはちょっと迷子になっただけだよ、ドナ。
   そして、人生で一度も迷わなかったら、まちがいなく、
   おもしろい場所には一度も旅をしなかったということだ」》pp.358-360

そして、若者の襲撃によるケガの後、一人では町に出られなくなり、
落ち込んでいるイヴラヒムに、今度はドナがいいます。

 《「あなたは悲しそうに見えます」/
  「ちょっと悲しいんだ、たしかに」イヴラヒムは白状する。
  「怯えているし、そこから抜け出す方法が見つからずにいる」/
  「次の山に登る、というのが、あたしからのアドバイスです」/
  「それだけのエネルギーがあるのか、自信がない」
  (略)
  「肋骨は痛むし、そのせいで胸まで痛い気がするんだ」/
  「あなたが登るあいだ、あたしはここにいますよ」》p.360

 

3位には、『八犬伝』を。馬琴の『八犬伝』のダイジェストに当たる、
<虚の世界>と、それを語る<実の世界>での、作家として、
世帯主として家庭第一を心掛けながら執筆に励む馬琴と、
家庭を顧みることのない北斎。
さらに、鶴屋南北らとの会話の中に出て来る、芸術論や人生論の
おもしろさ。
『八犬伝』のおもしろさはもちろんですが、この芸術論や人生論に
著者・山田風太郎の思いも重なっているようで、
読むほどに迫ってくるものがありました。

以上、<ベスト3>でした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論181-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(後編)初読編ベスト3 」と題して、今回も全文転載紹介です。

前回に引き続き、<フィクション系>の後編、初読編のベスト3発表でした。

改めて、三部作をひっくるめるのはどうか、という気もします。
しかし、この作品に関しては、一冊ずつもいいですし、しかも、三作で到達するところというものもある、という意味で、これは致し方ないという気もします。
<木曜殺人クラブ>も二作上げています。
こちらの方は、昨年二作読んだということで、ついでに上げているだけで、正味は第二作による結果です。

『八犬伝』も二巻本でしたし、今年は、冊数的には<ベスト3>が3冊ではなくなったというのは、ちょっとした事件だったかもしれませんね。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

--
※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
--

 

| | Comments (0)

2024.01.31

私の読書論180-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(前)総リスト&再読編-楽しい読書359号

 古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

(まぐまぐ!)登録・解除

2024(令和5)年1月31日号(No.359)「私の読書論180-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編 」

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和5)年1月31日号(No.359)「私の読書論180-私の年間ベスト3・
2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 「私の年間ベスト3・2023年フィクション系(前編)」です。

 <フィクション系>は、文字通りフィクション、
 小説等の創作物を指します。

 まずは、「再読編」から。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 昔の感覚に間違いはなかった!? -

  ~ 私の年間ベスト3・2023フィクション系(前編) ~

  2023年フィクション系ほぼ全書名紹介&<再読編ベスト3>候補作
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

2023年は、冊数が40冊程度でした。
うち約半数の20冊が再読ものでした。
これは昨年と同数となります。

そこで今年も、<再読編ベスト3>と<初読編ベスト3>とに分けて
紹介してみましょう。

 ・・・

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

*(再):自分の蔵書の再読本、[再]:作品そのものは再読、本は新本

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

・[再]『雨月物語』上田秋成/長島弘明 校注 岩波文庫 2018/2/17

230621ugetu-monogatari-nagasimahiroaki-2

2023(令和5)年6月30日号(No.345)
「私の読書論172- 2023年岩波文庫フェア「名著・名作再発見!
 小さな一冊をたのしもう」から 上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」」
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.6.30
私の読書論172-2023年岩波文庫フェアから上田秋成『雨月物語』
「蛇性の婬」-楽しい読書345号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-ec8330.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/417d68371321fb4e635a0fa83166e4d2

 

・[再]『時をかける少女』筒井 康隆 角川文庫 新装版 2006/5/25

230722tokikake

・(再)『カドカワ フィルム ストーリー 時をかける少女』筒井康隆原作
大林宣彦監督作品 角川文庫 1984(昭和59年)/11/1

・(再)『タイム・トラベラー』石山透 大和書房 1984/2/1

230722tokikake-2

――1972年、NHKドラマ『タイム・トラベラー』全6話、と
 続編『続・タイム・トラベラー 』全5話のシナリオ集。巻末に
 「NHK少年ドラマシリーズ放送作品リスト」、主題歌楽譜を収録。

2023(令和5)年7月31日号(No.347)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・
筒井康隆『時をかける少女』わが青春の思い出の一冊」
2023.7.31
[新潮・角川・集英社]
<夏の文庫>フェア2023から(2)角川文庫・筒井康隆『時をかける少女』
-楽しい読書347号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/07/post-ea808e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/51993cafbd23c48808fba514944ef122

タイム・トラベラー』復刊ドットコム 新装版 2016/12/13 

 

・(再)東野圭吾『白夜行』集英社文庫 2002/5/25

230823byakuyakou-2

2023(令和5)年8月31日号(No.349)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・
 東野圭吾『白夜行』青春の思い出も背景に散りばめられた一冊」
2023.8.31
[新潮・角川・集英社]
<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・東野圭吾『白夜行』-楽しい読書349号
17:36 2023/08/23
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/08/post-68005b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a591675405b6e87c3e89a1653c2d3316

 

 ●(2)それ以外の古典の名作

・(再)『親友(パル)・ジョーイ』ジョン・オハラ 田中小実昌訳
 講談社文庫 1977
――戦前のアメリカの風俗小説、表題の連作短編とその他の短編集。
表題作はペンフレンドに送る近況報告の手紙の形式で、
昔『ミステリ・マガジン』でそれぞれの短編として紹介されていた。
当時は面白い小説として読んだが、今回読んでみると、昔ほどの魅力は
感じず、まあまあ、というところか。私の主人公に対する見方が変わり、
真実の姿を理解できるようになった、というところでしょうか。

・[再]『少女地獄』夢野久作 角川文庫 1976
――同じく戦前の日本の小説短編集。

(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
特になし。

 

 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

【新井素子】
・(再)『あたしの中の……』集英社コバルトシリーズ 1981
・(再)『グリーンレクイエム』講談社文庫 1983
・(再)『ひとめあなたに……』双葉ノベルズ 1981
・(再)『扉を開けて』CBSソニー出版 1982
・(再)『ラビリンス<迷宮>』トクマ・ノベルズ 1984
・[再]『いつか猫になる日まで グリーン・レクイエム』日下三蔵編
柏書房<新井素子SF・ファンタジー コレクション1> 2019
・[再]『扉を開けて 二分割幽霊綺談』日下三蔵編
柏書房<新井素子SF・ファンタジー コレクション2> 2019
・[再]『ラビリンス<迷宮> ディアナ・ディア・ディアス』日下三蔵編
柏書房<新井素子SF・ファンタジー コレクション3> 2019
――『あたしの中の……』は、記念すべきデビュー作。
『扉を開けて』『ラビリンス<迷宮>』は、異世界ものの女性が主人公の
ヒロイック・ファンタジー。『ひとめあなたに……』は地球最後の日もの。
柏書房版は、今や多くが絶版・品切れとなった初期新井作品の名作を
資料とともに復刊するもの。

<海洋冒険もの>
【セシル・スコット・フォレスター】
・(再)『スペイン要塞を撃滅せよ』ハヤカワ文庫NV 1973
・(再)『トルコ沖の砲煙』ハヤカワ文庫NV 1974
・(再)『パナマの死闘』ハヤカワ文庫NV 1974
――以上、帆船時代の英国海軍の<海の男ホーンブロワー・シリーズ>。

最初に書かれた『パナマの死闘』が好評で海軍士官候補生時代から出世
してゆく過程が順次シリーズ化されたという人気シリーズ。
人間的な弱みを持つスーパー・ヒーローでないところが、海外で人気の
シリーズというのも理解できます。なかなかのエンタメ作品。 

(再)『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン 村上博基訳
 ハヤカワ文庫NV 1972
――第二次大戦中のドイツ海軍と連合国側の輸送船団の護衛艦、
イギリス海軍ユリシーズ号との激闘。

 

<その他の冒険もの>
(再)『大洞窟』クリストファー・ハイド 田中靖訳 文春文庫 1989
――日本人の地質学者が主要登場人物となる洞窟で発掘中、
地震で閉じ込められ、いかに脱出するか、というサバイバル物語。

【ディック・フランシス】
(再)『重賞』菊池光訳 ハヤカワミステリ文庫 1976
(再)『追込』菊池光訳 ハヤカワミステリ文庫 1982
――元女王陛下のお抱え障害競馬騎手だった著者が書いたことでも有名な、
<競馬スリラー・シリーズ>の中期の作品。
毎回異なるヒーローを主人公に、競馬がらみの犯罪を暴いてゆく展開で、
そのヒーロー像の造形にしびれます。イギリスでは最も有名な探偵役
シッド・ハレーを主人公にテレビドラマも制作されていました。
私の大好きな作家でした。
中期以降の作品の手持ちの文庫本が十冊程度ありますので、
もう一つと思う作品は処分しようと思い、再読を始めました。

 

<その他>
・[再]『刑罰』フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄進一訳
創元推理文庫 2022
――ドイツの刑事弁護士が実際に経験した事例を元に描く犯罪物語集。
この作家の著作はみな問題意識が高い作品集で、読み応えがある。
ハードカバー本の文庫化で、また読んでしまった。

(再)『怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女』矢野浩三郎編 角川文庫 1975
――怪奇小説・恐怖小説・幻想小説のアンソロジーの第一巻。
このアンソロジー全三巻は、創元推理文庫の『怪奇小説傑作集』全五巻、
近年新版『新編 怪奇幻想の文学』が出ている、その元版のアンソロジー
などと並ぶ、名アンソロジーではなかったか、と思っています。

 

 ●<再読ベスト3>候補

以上がほぼ全再読書です。

この中から<再読ベスト3>を選ぶにあたって、
まずは候補としていくつか上げてみましょう。

新井素子作品では、以下の三作。
1.『グリーンレクイエム』――昔読んだとき同様感動の一作。
以前紹介したゼナ・ヘンダースン『果てしなき旅路』同様、
マイノリティーの悲劇を扱う悲しい作品です。
2.『ひとめあなたに』――地球はあと一週間(だったか?)で滅ぶ
という状況で人はいかに生きるのか、という重いテーマの連作短編。
以前読んだときよりも、重さを感じたという気がしました。
ちょっと気になる一作でした。
3.『ラビリンス<迷宮>』――かつて繁栄していた文明を失った人類が
新たなスタートにつくというストーリーですが、迷宮で待つ<怪物>と
いかに対応するか、生け贄にされた少女たちの戦い。

メルマガで扱った三作は、それぞれに印象に残る作品で候補作です。
4.『雨月物語』――古典中の古典で、今回取り上げた「蛇性の婬」は、
集中最長の中編といったところで、一番の名作かと思います。
5.『時をかける少女』も、表題作の中編は、青春のまぶしさを描いた
永遠にの名作という気がします。
6.『白夜行』は、三編中唯一の長編ですが、長さを感じさせない名作で、
これはゆがんだ青春の物語で興味深いノワールという感じです。

次に<冒険もの>では、
7.『女王陛下のユリシーズ号』――マクリーンの処女作で、
戦争ものの長編ですが、男たちはなんのために戦うのか、という
戦争に対する見方と人間としての生き方を考えさせる反戦文学です。
8.『大洞窟』は日本人が主人公になっている点がポイント高く。

9.『怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女』――<怪奇もの>の
アンソロジーとしては、名作揃いの好アンソロジーです。
珍しいダシール・ハメットの怪奇小説アンソロジーの「序文」を借りて、
作品もモーパッサン「オルラ」、M・R・ジェイムズ「マグナス伯爵」、
F・マリオン・クロフォード「血は命の水だから」等々。

<海の男ホーンブロワー・シリーズ>もなかなかのエンタメで、
スーパー・ヒーローでないところが人間的で、
海外で人気のシリーズだったというのも理解できます。
海軍士官候補生時代から出世するというシリーズ。
『パナマの死闘』が差史書に書かれた作品で、これが好評で、
順次シリーズ化されたという人気シリーズ。

ディック・フランシスも大好きな作家でした。
中期以降の作品の手持ちの文庫本が十冊程度ありますので、
もう一つと思う作品は処分しようと思い、再読を始めました。

 

 ●2023年フィクション系<再読編べスト3>

さて、では、<再読編べスト3>です。
やはりむずかしいですが、メルマガで扱った三作は、
そちらで書いてきましたので、今更選ぶのもどうかと思います。

 

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   【2023年フィクション系<再読編べスト3>】

  (1)新井素子『グリーンレクイエム

 

  (2)アリステア・マクリーン『女王陛下のユリシーズ号
ハヤカワ文庫 NV 7 1972/1/1

 

  (3)矢野浩三郎編『怪奇と幻想 第一巻 吸血鬼と魔女』角川文庫

 

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

「読む価値あり」という意味で、この辺を上げておきましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論179-私の年間ベスト3-2023年〈フィクション系〉(前編)総リスト&再読編」と題して、今回も全文転載紹介です。

今回は、本文中にもありますように、再読した<フィクション系>の本についてです。

もう何年も前から、蔵書を少しずつ処分しています。
今までもとにかく本箱?本棚? が二本しかないので、押し出し整理法でここからはみ出す分はその都度処分するようにしてきました。
ここんところ古本屋さんも減ってきて、近所の一軒ぐらいしかない状況で、そこがなくなれば、処分もむずかしいということになります。
今は少しずつその近所のお店に持ち込んでいます。

今までは聖域としていた青春初期の本も最近は、処分しています。
そうは言いましても早半世紀という本もあり、赤茶けて、ほとんど値の付かないようなものも多いようです。
でも、売れるうちは売って何かの足しになればと思っています。

処分のために再読をしているというところです。
聖域だった、新井素子さんの本や、冒険小説などもそういう一環の本で、昨年末に処分してしまいました。
ディック・フランシスはこれから再読を続けて選定に入ります。

残念と言えば残念ですが、いずれは処分しなければならないので、今のうちに少しずつ減量を、というところです。

といいつつも、毎年20冊程度は購入していますので、実数はなかなか減ってはいませんね。
まだ、本箱からオーバーしている本の段ボール箱が大小6個ぐらいありますから。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

--
※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
--

 

 

| | Comments (0)

2024.01.15

私の読書論179-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(後編)田村隆一『ぼくのミステリ・マップ』-楽しい読書358号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

(まぐまぐ!)登録・解除

2024(令和6)年1月15日号(No.358)
「私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(後編)
田村隆一『ぼくのミステリ・マップ』」

 

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年1月15日号(No.358)
「私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(後編)
田村隆一『ぼくのミステリ・マップ』」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 前回、長くなりすぎてしまい分割した後半です。

(前編)
2023(令和5)年12月31日号(No.357)
「私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(前編)」
2023.12.31
私の読書論178-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(前編)
-楽しい読書357号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-d85a13.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b7d1b868920116ee23459ec47dfdd66e

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - メルマガの為に読んだ本ばかり? -

  ~ 私の年間ベスト3・2023年〈リアル系〉 ~

  田村隆一『ぼくのミステリ・マップ』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●(4)個人的な趣味、仏教や空海・弘法大師に関する本

・『『マイ遍路』白川密成 新潮新書 2023/3/17

2023-my-henro

四国の八十八カ所の霊場を巡礼するお遍路旅を、
第五十七番札所・栄福寺の住職が、六十八日をかけて歩いた記録。
弘法大師の著作の言葉を引用し、その場その場のようすをたどりながら、
綴る「四国遍路」の実践的な旅日誌。
弘法大師空海のどういう言葉をどういう場面で引用しているのか、
といった興味で買ってみました。

出川哲朗さんのテレビ番組でのお遍路の旅で、
この方が住職をしているお寺をお参りされた際に、
著者が出演されたのを見た記憶があります。
まだ若いお坊様ですが、こういう著作のような活動も、
今の時代には信仰を広げる意味でも大いにありだと感じました。

生きることは悩むことでもあり、
そこに信仰というものが必要となる部分があると思います。

 

『ぼくのミステリ・マップ―推理評論・エッセイ集成』田村隆一 中公文庫 2023/2/2

231231-boku-no-mystery-map

私の趣味であるミステリ――
特に海外ミステリ(翻訳ミステリ)についてのエッセイ集。

1923(大正十二)年生まれの著者の生誕100年記念出版としての
増補改編版。

海外ミステリ専門誌だった『(ハヤカワ)ミステリマガジン』
(通称HMM)の愛読者である私には、
『HMM』の前身『(日本語版)EQMM』の創刊前後、
それに先立つミステリ叢書「ハヤカワ・ポケット・ミステリ・シリーズ」
(通称<ポケミス>)の立ち上げに関連した部分が、
興味深く楽しめました。

 《生島 金はなかったけど、ただよかったのは社長以外は、
     編集長もくそもないって感じだったことだね。
  田村 社長だってないよ。あるはずないんだよ。
     もう前に会社つぶしているんだから。》p.342

 《生島 こっちは若いし、もうストレートに企画は通る。
     しかしおもしろいから企画出すと、
     全部てめえのしょいこみになっちゃうんだよな。
  田村 でも、ぼくがやめてから、君らががんばったからね。
     それで、ほんとの意味でいまの早川つくったんだから。》
   pp.343-344

かつては<海外文学の早川書房>として、
今やノーベル賞作家カズオ・イシグロの翻訳本の版元として、
大手に負けない出版社となった、
早川書房の草創期の物語の一つでもあります。

 

また文学について、田村さんは

 《田村 実際文学というのは、ユーモアのセンスなんですよ。
     文学というと、何か、しかめっ面しちゃってるけど、
     そんなものと文学は関係ないんだからね。
     どういうユーモアのセンスで言語表現していくかというのが、
     文学の鉄則ですからね。》    

と言うのです。そして、14,5のときから詩を書いていたが、
そのときから、《ユーモアのセンスで書いてるわけです》と。

田村さんの詩を読んだ学生さんは、
シリアスに詩を書いていると思っているが、
実際の田村さんは詩のイメージと全然違うので驚くという。

《そういうことと言語表現は関係ないんだから。》と。

「文学は、ユーモアのセンス」なんだそうです。

なるほど、私の好きな北杜夫さんなどは、その見本のような気がします。
高級な文学ほどユーモアのセンスに優れているのではないか、
という気がしますね。
海外の優れたミステリなどでも、しゃれた会話があったり、
ユーモアのセンス溢れる会話が魅力だったりします。

そういうところでセンスを磨くのも一法かもしれません。

以上、引用は本書「Ⅲエッセイ・対談
(×生島治郎「諸君、ユーモア精神に心せよ」)」より。

 

 ●私の2023年〈リアル系〉ベスト3候補

今年は「ベスト3」といいましても、
以上上げてきたような本の冊数ですので、数的にも選びにくく、
またそのほとんどをメルマガに利用していますので、
「この本を!」と改めてオススメするのは、むずかしく感じます。

候補としてあげておく程度にしておきましょう。

<2023年〈リアル系〉ベスト3候補>

『文学のレッスン』丸谷才一 聞き手・湯川豊 新潮文庫 2013/9/28

231231-dsc06607

『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29

231213utukusii-honnyasan-no-madori

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ 新潮文庫 2021/6/24

230710bokuhayellowde

『鍵盤ハーモニカの本』南川朱生(ピアノニマス)春秋社 2023/4/19

230821kenban

『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著 PHP新書 2023/9/16

230919hidarikiki-no-iibun-600

・『ぼくのミステリ・マップ―推理評論・エッセイ集成』田村隆一
中公文庫 2023/2/21

 

『文学のレッスン』は、丸谷才一さんの文学論です。
とにかくメルマガ誌上でも紹介しましたように、
歴史的な視点からそれぞれの文学ジャンルの特徴などを
説いてくれていて、文学論などまともに学んだことのない私には、
とても役に立つといいますか、ヒントになるといいますか、
文学の理解に役立つ知識を得られた、という気がします。

『美しい本屋さんの間取り』は、<本屋さんになりたい>は、
<元本屋の兄ちゃん>として夢見たことでもあり、
妄想本屋さんは、今でも楽しめる遊びになりそうです。

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』では、
以前から気になっていた本で、こういう機会に読めてホントに良かった、
という一冊でしたね。
人種や文化の違いをどう乗り越えるか、あるいはどう受け入れるか、
じゃあ、最終的に実際にはどうするか、
という問題で色々考えるヒントをもらった感じです。

『鍵盤ハーモニカの本』は、とにかく力作です。
一つのことをここまで突き詰めていることがスゴいと思います。
この辺でまとめておかないと失われる情報も多かったろうと思います。

『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』は、前作同様、
丹念に調べた結果を基に、将来への展望などを語っています。
<左利きライフ研究家>として、色々参考になる部分も多く、
反面、「言い分」という表現にちょこっと引っかかる部分があったり、
本としての評価の面ではちょっとむずかしいところがありました。

『ぼくのミステリ・マップ―推理評論・エッセイ集成』は、
先にも書きましたように、私の中高生時代からの趣味である、
海外ミステリに関する教科書的なエッセイを含む本で、
楽しく読みました。
昔話など若い人には、あまり心惹かないものでもあるかもしれませんが、
歴史というものは、そういう部分があるものではないか、と思われます。

若い人には、常に、昨日があって今日があるのだということを、
忘れないようにしてほしいものです。

『鍵盤ハーモニカの本』や『左利きの言い分』にしても、
そういう歴史というものを語りながら、
その先に現状と未来を捉えているように思います。

こういう読み方をできるようになったのも、
自分が年を重ねた結果かも知れません。

 

 ●私の年間ベスト―2023年〈リアル系〉

2022年も〈リアル系〉は、以下の一作のみでした。

『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎 恩蔵 絢子/訳 新潮文庫 2022.5.1
―脳科学者が英語で世界に向けて出した日本人の生き方をめぐる小著。

2022-ikigai

今年も、同様に一作のみをオススメとしておきましょう。

 

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   私の年間ベスト―2023年〈リアル系〉

 (1)『ぼくのミステリ・マップ―推理評論・エッセイ集成』
    田村隆一 中公文庫 2023/2/21

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

出版社紹介文より――

《『荒地』同人として鮎川信夫らとともに日本の戦後詩をリードした
 国際的詩人にして、早川書房の初期編集長兼翻訳者として
 海外ミステリ隆盛の基礎を築いた田村隆一(1923-1998)。
 アガサ・クリスティの翻訳に始まり、
 「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」の出発、
 「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の創刊……
 その比類なき体験による、
 彼にしか語りえない数々の貴重なエピソードとユーモアは、
 詩(ポエジー)と戦慄(スリル)の本源的考察を通して、
 やがて21世紀の我々をも刺し貫く巨大な文学論・文明論へと至る――
 人類にとって推理小説(ミステリ)とは何か?

 聞き書き形式でポーからロス・マクドナルドまでの
 クラシック・ミステリをガイドするロング・インタビュー
 (旧版『ミステリーの料理事典』『殺人は面白い』所収)を中心に、
 クロフツ『樽』やクイーンの四大『悲劇』といった翻訳を手がけた
 名作の各種解説、クリスティとの架空対談、江戸川乱歩や植草甚一に
 まつわる回想、生島治郎・都筑道夫ら元早川出身者との対談など、
 推理小説に関する著者の文章を単著初収録作含め精選し大幅増補した、
 まさに田村流ミステリ論の決定版。生誕100年記念刊行。》

【目次】
Ⅰ クラシック・ミステリ・ガイド(インタビュー)
Ⅱ 訳者解説(F・W・クロフツ/アガサ・クリスティ/
 ジョルジュ・シムノン/エラリイ・クイーン)
Ⅲ エッセイ・対談(×生島治郎「諸君、ユーモア精神に心せよ」/
 ×都筑道夫「EQMMの初期の頃」)
Ⅳ 資料編
〈解説〉押野武志

田村隆一
一九二三(大正十二)年東京生まれ。詩人。明治大学文芸科卒業。
第二次大戦後、鮎川信夫らと「荒地」を創刊。戦後詩の旗手として活躍。
詩集『言葉のない世界』で高村光太郎賞、『詩集1946~1976』で無限賞、
『奴隷の歓び』で読売文学賞、『ハミングバード』で現代詩人賞を受賞。
ほかに『四千の日と夜』など。推理小説の紹介・翻訳でも知られる。
一九九八(平成十)年没。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論179-私の年間ベスト3-2023年〈リアル系〉(後編)田村隆一『ぼくのミステリ・マップ』」と題して、今回も全文転載紹介です。

前回も書きましたように、「メルマガの為に読んだ本ばかり?」で、そのため改めて<ベスト3>に上げるのはどうかと思いつつ選んでいます。

読んだ十数冊のなかでは「ベスト3候補」として上げた6冊が一段上というところでしょう。

今年のベスト1はそういう中では、一番自分の趣味に合った本ということで、勉強の本とか、自己啓発といった意味合いもなく、単純に「楽しめた本」といえるかと思います。

最後に、本文中に書き忘れましたが、昨年が生誕百年だった田村隆一さんの訳書として私が持っているのは、弊誌<クリスマス・ストーリーをあなたに>の
2013(平成25)年11月30日号(No.117)-131130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム
クリスマス・ストーリーをあなたに~『サンタクロースの冒険』ボーム
(「作文工房」版)

でも紹介しました

『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム/著 田村隆一/訳 扶桑社エンターテイメント(1994.10.30) [文庫本]
―『オズの魔法使い』の作者ライマン・フランク・ボームの描くサンタ・クロースの生涯を描く、サンタさん誕生物語

があります。

2024-tamura-yakuaho-z-santa

2024-tamura-anatani

他に<左利きミステリ>の一冊でもある、エラリー・クイーン『Zの悲劇』(角川文庫)、
ロアルド・ダールのポケミス版『あなたに似た人』(Hayakawa Pocket Mystery 371 1957/10/15)もそうでした。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

--
※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
--

| | Comments (0)

2023.12.16

『左組通信』復活計画(26)左利き自分史年表(3)1980-1990―左利き用品に目覚めるまで-週刊ヒッキイ第655号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

(『まぐまぐ!』登録・解除)

第655号(No.655) 2023/12/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]
レフティやすおの左利き自分史年表(3)1980-1990―
左利き用品に目覚めるまで」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第655号(No.655) 2023/12/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]
レフティやすおの左利き自分史年表(3)1980-1990―
左利き用品に目覚めるまで」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前回は、
 「1972(昭和47)18歳-1979(昭和54)25歳 ――世界が間違っている」
 をお送りしました。

 高校卒業後、社会人となってから、「左利き友の会」を主宰していた
 精神科医・箱崎総一先生の著書『左利きの秘密』を読み、
 左利きの自分が間違っているのではなく、左利きを受け入れない
 この社会、この世界自体が間違っているのだ、と気付かされるまで、
 でした。

 

(第一回)
第651号(No.651) 2023/10/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [24]
レフティやすおの左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで」

2023.10.21
『左組通信』復活計画(24)左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで
-週刊ヒッキイ第651号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-ed7f5f.html

(第二回)
第653号(No.653) 2023/11/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [25]
レフティやすおの左利き自分史年表(2)1972-1979―世界が間違っている」

2023.11.18
『左組通信』復活計画(25)左利き自分史年表(2)1972-1979―
世界が間違っている-週刊ヒッキイ第653号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-3f10f1.html

 

 今回は、それ以後、生まれて初めての左利き用品である、
 左手用カメラ「京セラSAMURAI Z-2L」を手に入れ、
 左利きは自分の身体に合った左利き用品を使うべきだ、
 と気付くまで。

 <左利きミステリ>を含む「左利き年表」になっています。

*(参照)
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」1900年代
2023.4.15
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-d5c13e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/131b4f7933014dcedf057c75702ff28e

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]

  <レフティやすおの左利き自分史年表>(3)
 
  1980-1990―左利き用品に目覚めるまで
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

Hgjibunsi

(画像:本編の元となった、今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き自分史年表」のページ冒頭)

 ●「1980-1990―左利き用品に目覚めるまで
  【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-3」

*(注)科学書――特に脳・神経科学に関する本につきましては、
 最も発達が著しく、発行年代の古い本の場合、情報として
 古くなってしまっているものがありますので、ご注意ください。

====================================================================
(太文字=西暦(元号)年齢) レフティやすおの出来事 (茶文字=社会の出来事)(青文字=左利き・利き手関連文献
====================================================================

1980(昭和55)26歳 4/5(映画)『ミスターどん兵衛』山城新吾企画・製作・脚本・監督・主演、共演川谷拓三、他 ――山城新吾と川谷拓三の日清どん兵衛のCMがヒットし、映画に。

1980-mrdonbei-p
(画像:映画『ミスターどん兵衛』ポスター、チラシ)

(参照)『レフティやすおのお茶でっせ』2009.8.16
8月14日「どん兵衛」CM等で活躍の山城新伍さん(70歳)死去
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2009/08/814cm70-86f5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/08876f2f71e930b97c821bbd6a163650

2009814yamasiro

(画像:産経新聞2009年8月14日 訃報欄より)

⇒1977(昭和52) (TV CM)日清食品「どん兵衛」 テレビCM始まる  「きつねうどんから おあげとったら何になると思う」…
 「ただの素うどん」出演:山城新吾、川谷拓三
――左利きコンビが左手にお箸を持って「どん兵衛」を食べるCMは
とても好ましく、左手箸の左利きの人に大いに勇気を与えた。
日清食品「どん兵衛きつね」――

「どん兵衛」はヒットした。最大の要因はテレビCMだった。山城新伍と川谷拓三のひょうきんコンビのCMが人気を呼び、売り上げが急上昇したのである。小品を擬人化したどん兵衛というネーミングがあったからこそ、あのかけ合い漫才のCM世界が生まれたのだと思う。山城新伍の突っ込みと川谷拓三のぼけ具合が絶妙だった。
 / 発売二年目の一九七七(昭和五十二)年に売り上げ数量が一億食を超えた。きつねうどんの発祥の地は大阪である。根強いうどん人気もあってか、その年の二月の調査で、西日本ではカップヌードルを抜き第一位になってしまった。もちろんしばらくして巻き返しにあったが、一瞬でもカップヌードルの牙城を崩したのはすごいことだった。...
》p.78

――『カップヌードルをぶっつぶせ!――創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀』安藤宏基(あんどう・こうき) 中央公論新社 2009.10.7
「第2章 創業者とうまく付き合う方法/パッケージ戦力第二弾。ドンブリ型容器の「どん兵衛きつね」がヒット。「どんくさくてもいい」。社内の猛反対を押し切って商品名に。」より

 

『右手の優越』R・エルツ 吉田禎吾、内藤莞爾訳 垣内出版 (2001/6/1 右手の優越―宗教的両極性の研究 ちくま学芸文庫 ロベール エルツ (著), Robert Hertz (原著), 吉田 禎吾, 板橋 作美, 内藤 莞爾 訳)

(左利きミステリ、ショートショート)「最期のメッセージ」阿刀田高 『瑠伯』1980(昭和55)年夏季号 ――左利きの被害者の残したダイイング・メッセージの謎解き。
(収録短編集)『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 2009.1.15

12/20『左利きの本―右利き社会への挑戦状』ジェームス・ブリス/ジョセフ・モレラ 草壁焔太訳 講談社 The Left-Handers’ Handbook ――前半が、私が手に取った初めての翻訳ものの左利きの本。
後半は、翻訳を担当された草壁氏による日本編でした。

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第503号(No.503) 2017/10/7
「創刊500号突破!“13年目に向けて”特別号(3)」
 ●勇気を与えられた本
《この本で、“右利き社会と「闘う」”
 という行き方(方法)のあることを学んだ気がします。》
『レフティやすおのお茶でっせ』2017.10.19
創刊500号突破!13年目に向けて(3)-
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第503号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2017/10/500133--hikkii5.html

 

1981(昭和56)27歳
5/31(左利きミステリ、ショートショート)「兄弟」阿刀田高  東京新聞等に掲載
――えこひいきされる兄弟のお話。
ネタバレになりますが「ぼく左手・兄右手」という設定。
ベンジャミン・フランクリンの左手からの手紙という
<教育監督者への請願書>を連想させる作品です。
(のちに『新装版・最期のメッセージ』講談社文庫 収録、

同書には、1980年『琥珀』夏季号初出の左利きネタの
ミステリ・ショートショート「最期のメッセージ」も併録。
*「兄弟」は『イソップを知っていますか』新潮文庫(2012/6/27)、
 『アイデアを捜せ』文春文庫(1999/2/1) でも紹介されています。

(左利きミステリ・番外SF)「ブルー・シャンペン」
Blue Chmpagne ジョン・ヴァーリイ 浅倉久志/訳
原著初出オリジナル・アンソロジー『ニュー・ヴォイスIV』(1981)
→(1985)邦訳収録短編集『スター・シップ―宇宙SFコレクション(2)―』
伊藤典夫、浅倉久志/編 新潮文庫 1985(昭和50)12/1
――脳の言語中枢に働きかけて言葉の混乱を起こす幻覚剤と
左利きの人の場合の反応の違い。

 

1982(昭和57)28歳 4/30(参考書)『手と脳―脳の働きを高める手』久保田競  紀伊国屋書店
――利き手(作用の手)と非利き手(感覚の手)の役割の違いなど。

『手と脳 増補新装版』2010/12/24
――《【旧版との違い】脳科学の新たな成果をアップデートするとともに、
読みやすいレイアウトに。/第2章、9章は全面的に書き下ろし》

6/『春夏秋冬殺人事件』「冬の部 団地警察殺人事件」齋藤栄

――右使いの左利きの被害者、自殺偽装殺人事件。連作短編集のラスト。
 左利きならではの場面はなく、<左利きミステリ>としては名目だけ。
『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄 双葉社 1982/6 

『春夏秋冬殺人事件』 祥伝社 ノン・ポシェット 1995/4

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第420号(No.420) 2014/6/21 「名作の中の左利き~推理小説編27~
齋藤栄『春夏秋冬殺人事件』」
『レフティやすおのお茶でっせ』2014.6.25
左利きミステリ『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii420号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/06/hikkii420-a208.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/2479f287f13c41d921ee64bb97abd4db

 

10/(左利きミステリ)「停電にご注意」鮎川哲也 『小説推理』昭和57年10月掲載
――安楽椅子探偵<三番館>シリーズ。
 アリバイの時刻を示す証拠の写真の人物がみな左利きという謎。
(収録短編集)
『クライン氏の肖像―三番館の全事件III』<鮎川哲也名探偵全集>出版芸術社(平成15年4月)収録。

『材木座の殺人』鮎川哲也 創元推理文庫 2003/8/1

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第364号(No.364) 2013/5/18「名作の中の左利き
~推理小説編16~全員が左利きの謎「停電にご注意」鮎川哲也」
『レフティやすおのお茶でっせ』2013.5.22
名作~推理編16~全員が左利きの謎・鮎川哲也~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii364号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/05/16-hikkii364-3b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/cf81d782cad9508f380fe8b154670cb5

 

12/1『かくれた左利きと右脳』坂野登 青木書店

――指組み、腕組みでどちらの手が上側に来るかの違いが「利き脳」に関係しているという。

(文庫化・再刊)『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫

 

 

1983(昭和58)29歳 6/1『左きき学―その脳と心のメカニズム』ジーニー・ヘロン編 近藤喜代太郎、杉下守弘訳 西村書店  NEUROPSYCHOLOGY OF LEFT-HANDEDNESS(1980)
――近年の脳・神経科学の発達は著しく、情報としては古いが、第一章の左利き研究の歴史は目を通す価値はある。
「まえがき」近藤喜代太郎

ⅰp《利き手も脳の左右分化のひとつの表現であり、その研究を通して脳の神秘に迫るひとつの手掛かりでもあります。/左利きは古くから人々の注意を引き、それぞれの国や時代の水準を反映して種々の憶測が加えられ、また、少数者への寛容度を反映してさまざまに処遇されてきました。その意味で、左利きの問題は文化史の一側面ですし、それが脳機能の左右分化という立場から理解されるようになったのは、決してそう古いことではありません。》
〈近藤は自身が左利きで、それぞれ深い関心と同感をこめて本書の翻訳に当たりました。》

「序」J・へロン

ⅳp《嘲笑され、叱られ、物差しで打たれ、後ろ手に縛られもした悪い手。左利き者は辱められ、非難され、悪意に満ちた攻撃を受けた。こうした歴史にもかかわらず、左利き者は静かに朽ち果てるどころか、生き残っている。ではなぜか? それは、本書が示すように、彼らが好んでではなく、“神経学的命令”によって左手を用いているからである。》
ⅴp《原理の解明は例外を通じて行われることが多いので、左利き者の研究はこれら脳研究で重大な役割を果たしている。左利き者の仲には脳の非対称性の様相の異なる集団があり、様々の左利きの類型を調べ、個々の検討を加えて脳の機構について多くを学ぶことができる。/これらの研究の対象が左利き者であっても、真の設問は左利きそれ自体ではなく、ヒトの脳がどのように機能するかに向けられている。/本書を左利き者にささげる。ヒトの脳の神秘への疑問に回答をもたらす、最も重要な手掛かりになる近代的研究によって、ついには左利き者のユニークな特性が見出されるだろう。》

「第1章 左利き:初期の学説、事実、空想」ローレン・ユリウス・ハリス

(参照)『レフティやすおのお茶でっせ』2004.8.27
左利きの本だなぁ『左きき学 その脳と心のメカニズム』ジーニー・ヘロン編
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2004/08/post_3.html

 

1985(昭和60)31歳 4/11(TVドラマ)『スケバン刑事』主演斉藤由貴 フジテレビ系~85/10/31(全25話)

『スケバン刑事 VOL.1』 [DVD] 斉藤由貴, 林美穂 (出演)

11/7(TVドラマ)『スケバン刑事Ⅱ少女鉄仮面伝説』主演南野陽子 フジテレビ系~86/10/23(全42話) ――初代二代目と左利きの女優によるドラマ、武器の左投げのヨーヨーが決まってました。
『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説 VOL.1』 [DVD] 南野陽子 (出演), 相楽ハル子 (出演)

 

1/15(参考書)『左の脳と右の脳』サリー・P・スプリンガー、ゲオルク・ドイチュ(Springer, Deutsch) 監訳・福井圀彦、河内十郎 訳・宮森孝史、松嵜英士 医学書院
――第1章で「利き手と大脳半球」について、第5章「左利きのなぞ」で「左利きについての考え方の歴史」「利き手を決定することの難しさ」「利き手は遺伝により決まるのか」「なぜ双生児には左利きが多いのか」「利き手と機能的非対称性」「利き手と高次精神機能」など左利きに関する研究結果が示されている。

第2版 (1997/10/1)

 

12/1(左利きミステリ・番外SF)「ブルー・シャンペン」Blue Chmpagne ジョン・ヴァーリイ 浅倉久志/訳

邦訳収録短編集『スター・シップ―宇宙SFコレクション(2)―』伊藤典夫、浅倉久志/編 新潮文庫 1985(昭和50)12/1
→(1981)原著初出オリジナル・アンソロジー『ニュー・ヴォイスIV』(1981)
――脳の言語中枢に働きかけて言葉の混乱を起こす幻覚剤と
左利きの人の場合の反応の違い。

 

 

1986(昭和61)32歳 12/1『勝利投手』梅田香子 河出書房新社

――日本のプロ野球に左腕女性投手が入団。星野中日ドラゴンズがドラフト会議で指名した新人投手は、甲子園を沸かせたあのピッチャーだったが……。

 

1987(昭和62)33歳 『右利き・左利きの科学』前原勝矢 講談社/ブルーバックス

――手軽に手に取れる新書で、本格的な左利き・利き手の科学解説書。

 

9/ 『左ききの人の本 右にでるモノがない!』斎藤茂太 エムジー
――精神科医で性格の本などの当時の人気著述家<モタ先生>の左利き応援本。今では右利きから転換の左投手と知られる江夏豊さんを左利きの人の代表として、その性格を左利きの性格として解説している。

 

 

1988(昭和63)34歳 7/何度目かの就職先、電子機器製造の会社でハンダ付けの仕事を覚える。最初は見よう見まねで右手で始めるが、ある程度慣れたところで左手を使う。基本的にはどちらでもほとんど変わりなくできるようになる。みんなと流れ作業などするときは右手で、ひとり作業のときは左手で行うようになる。
――左手の方が細かい作業には向いている様子、スピードも若干速いか?
道具はペン型、ピストル型ともに右手でも左手でも使える対象形。 

 

9/ (SF、左右)『白壁の緑の扉』H・G・ウェルズ ボルヘス編バベルの図書館8 小野寺健訳国書刊行会
――「プラットナー先生綺譚」収録
「プラトナー物語」The Plattner Story (The New Review 1896/4)

 

(家電)シャープ、業界初、左右両開き冷蔵庫発売。

――<どっちもドア>、本来は置き場に困らない、出し入れ自由などキッチンでの使い勝手の向上という発想で作られたものだが、左利きにも便利で、家族で使う商品だけに、共用性のあるこの製品は好都合。
(参照)
SHARP > 冷蔵庫 > どっちもドア 選ばれ続けて35年
https://jp.sharp/reizo/door/

1988-sharp-dottimodoor

 

1989(昭和64/平成元)35歳 4/(左利きミステリ)『8の殺人』我孫子武丸 講談社
――“8の字屋敷”で起きた連続殺人。左肩にボウガンを構えた犯人…?
『新装版 8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(2008/4/15)

『8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(1992.3.15)

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第382号(No.382) 2013/9/21「名作の中の左利き
~推理小説編20~左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸」
『レフティやすおのお茶でっせ』2013.9.26
左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/09/hikkii382-d77d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56e12e92f4f6e9b32b29cf54de39238a

 

7/(カメラ)世界初左手用カメラ「京セラSAMURAI Z-L」発売。片手保持による縦型フォルムのニューコンセプト・カメラ、SAMURAI Zの左利き用。

 

9/(カメラ)「京セラSAMURAI Z」の一部機能を省略した廉価版「Z2」、左手用「Z2-L」発売。

(画像)1990のカタログから、左が左手用Z-L

 

4/1(プロ野球小説、文庫化再刊)『勝利投手』梅田香子 河出書房新社/河出文庫

 

 

1990(平成2)36歳 12/30左手用カメラ京セラ サムライSAMURAI Z2-L を買う。

231211-hghph4

231211-hghph4-1

231211-hghph4-2

231211-hghph4-3

(画像:今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』の「左利きphoto gallery〈HPG4〉世界初 左手用カメラ/京セラKYOUCERA サムライSAMURAI Z2-L」のページから――hg.hph4(ページ冒頭)、hg.hph4 1(京セラSAMURAIZ製品カタログ)、2(雑誌の紹介記事より―『週刊プレイボーイ』1990年12月頃?、『モノ・マガジン』1991年4月2日号no.188)、3(添付の取扱説明書 専用アクセサリー 価格票) )

――生れて初めての左利き用品。当時各社からいろいろ出ていたニューコンセプト・カメラのひとつ。どれを買うか迷ったが最終的にはやはり左利きの私が買うならこれでしょう、ということで。まさにベスト・パートナーと呼ぶにふさわしい、フィット感。このときから、私は真に左利きに目覚めました! 左利きは左利き用のものを使わなきゃ、って。
ちなみに、これを買ったお店(大阪で一番有名なカメラ屋さんの日本橋店)の人に聞いてみたところ、左手用を売るのは3台目、引渡し前に動作チェックをするのだが右利きには扱いにくい、という話だった。

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第566号(No.566) 2020/3/7
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その2)その後の30年―左利きライフ研究の30年(1)」
 ●運命の時――
1990(平成2)36歳の年末12月30日
 ●『週刊プレイボーイ』の記事
「ぐぁんばれカメラ」
《ニューコンセプトカメラの元祖、サムライの第2世代。
 すっごくコンパクトになったボディは、
 とても持ちやすいカタチだ。(略)
 (左利き用のZ2-Lも同価格であるぞ)》
 ●生まれて初めての左手・左利き用品との出会い
今は消滅したホームページに掲載した文章を再録しましょう。
(この文章は、元々は、
弊誌『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第144号(No.144) 2008/8/2
「<左利きQ&A>(21)カメラと左利き」
「左利き講座<左利きQ&A>(21)カメラと左利き」
より転載したものです。)
 ◆左手用カメラの使用感
<左手用「京セラKYOCERA サムライSAMURAI Z2-L」
 を使ってみて思うこと>
 ●<利き手は心につながっている>
脳科学者・久保田競先生の著書『脳を探検する』によりますと、
利き手と非利き手の役割分担というものを考えますと、
利き手は「作用する手」、非利き手は「感覚の手」だそうです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4062085801/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
 ◆利き手では、反復練習で身につく作業より、心の作業を!
 ●自分が自分らしくなる
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.3.7
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(2)その後の30年(1)左手用カメラ-週刊ヒッキイ第566号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/03/post-fe5897.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/88bb26fc85ae82e9284a377bbcdbeaf3
 

 

  6/『左手のことば』秋山孝 日貿出版社

1952年生まれ(2022年没)のデザイナーでイラストレーターで元・多摩美術大学教授。擬人化された「左手」がペンを持っているイラストが表紙。
巻末に英語対訳の著者インタヴューで、「矯正」指導を受け苦しんだ話がある。

ぼくが小学校1年生のころに、ぼくは昭和27年生まれだから……昭和33年前後かな?。
 まあ昭和30年代のはじめにいろいろな人に左ききというのは、一般人のモラルに反していて、いやしいものであるというふうに教えを受けて、直すように強要されたというのがあって。
 でもぼくは左手のほうが使いやすいしね、細かい仕事をする、つまり字を書くのも絵を描くのも左手のほうが非常にうまくいくと。
 でもぼくの先生たちは直させるのに何と言ったかというと、文字は右利きの人にしか描けない図形であると。
 そうすると草書体が書けないだとか、英語は左から右へ行くものだから直しなさいだとかいわれたんだけれども、ぼくはそれに対して納得ができなかった。
 使いやすい手を替えて不自由な手を持つということにものすごく抵抗を感じたし、本当に納得がいかなかった。
 そこでぼくは左手を使っているのがそんなにみっともないのかと思って鏡に映しながら手を書いてみたら非常にスムーズにね、自然な感じで鏡に映っているわけ。
 で、また学校に行くと先生がのぞき込んで「左手を使うのをやめなさい!」と怒鳴る。
 「右利きに変えなさい、それは片輪なんだよ」ってね。
 その片輪ということもぼくには理解できなかった。
 心の底からの理解や納得がないことはやってはいけないよね、子供でも。
 悪くいうと頑固なんだけれども理解して納得できれば頑固は直るわけ、でも納得できなくてぼくは使ってる。
 先生の考えの中での「左手は悪」という既成概念に対する抵抗だね。


 

(1990・原著発行)(左利きミステリ、番外編)「呪われたティピー」エドワード・D・ホック 
収録短編集『革服の男―英米短編ミステリー名人選集〈5〉』光文社文庫 1999/11/1
――<左利きの探偵>西部探偵ベン・スノウ

 

-- 1980-1990 ――左利き用品に目覚めるまで --

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]レフティやすおの左利き自分史年表(3)1980-1990―左利き用品に目覚めるまで」と題して、今回も全紹介です。

今回は、私にとって生まれて初めての左利き用品である、左手用カメラを手にしたときの感動から、左利きは自分の身体に合った左利き用の道具や機械を使うべきだと、目覚めたときまでの年表です。

また長くなっていますが、そのまま全文転載です。

これらの年表は、いずれさらに手を入れて個別にアップしてゆく予定です。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ

--
※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
--

 

| | Comments (0)

2023.11.18

『左組通信』復活計画(25)左利き自分史年表(2)1972-1979―世界が間違っている-週刊ヒッキイ第653号

☆彡 Congratulation! ☆彡

11月17日、アメリカ大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスで活躍した、
大谷翔平選手が、2年ぶり2度目となる
アメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれました。

一昨年同様、投票権を持つ全米野球記者協会の記者30人全員が
1位票を投じる「満票」での選出で、2度目の満票は史上初の快挙!
今季は、打者として44本塁打を放って日本人初の本塁打王に輝き、
打率3割4厘、95打点、20盗塁を記録。
投手でも10勝5敗、防御率3・14、167奪三振をマークし、
史上初の2年連続の「2桁勝利、2桁本塁打」を達成!

輝かしい成績での受賞となりました。
おめでとうございます!

写真等でもご存知のとおり、大谷選手は、投打二刀流で知られますが、
実は、右投げ左打ちの“左右”ニ刀流でもあります。

左利きライフ研究家の私にとっては、
こちらの意味での二刀流――右投げの投手としてと左打ちの打者として
――での大いなる成績を大いに賞賛したいものです。

ケガを治してさらなる二刀流のプレイを拝見したいものです。

私はコロナ禍のここ数年は、
将棋の藤井聡太さんと大谷選手の活躍を見るのが、
数少ない楽しみの一つでした。

今後とも今までにまして大活躍されることを祈っています。

レフティやすお

 - - - - - - - - - - - - - - -

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

(『まぐまぐ!』: https://www.mag2.com/m/0000171874.html)

第653号(No.653) 2023/11/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [25]
レフティやすおの左利き自分史年表(2)1972-1979―世界が間違っている」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第653号(No.653) 2023/11/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [25]
レフティやすおの左利き自分史年表(2)1972-1979―世界が間違っている」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前回は、1954(昭和29)年の誕生から1972(昭和47)年春の高校卒業まで
 をお送りしました。

第651号(No.651) 2023/10/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [24]
レフティやすおの左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで」

2023.10.21
『左組通信』復活計画(24)左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで
-週刊ヒッキイ第651号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-ed7f5f.html

 今回はそれ以後のいよいよ左利きに目覚める時期を取り扱います。

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [25]

  <レフティやすおの左利き自分史年表>(2)
 
  1972-1979―世界が間違っている
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 ●「1972-1979―世界が間違っている
  【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-2」

====================================================================
(太文字=西暦(元号)年齢) レフティやすおの出来事 (茶文字=社会の出来事)(青文字=左利き・利き手関連文献
====================================================================

1972(昭和47)18歳

3/高校卒業後、就職先で電気アーク溶接の仕事をする。これは
電線がつながった洗濯バサミの親分のようなものに溶接棒をはさんで
使うもので、裏返せば右手でも左手でも使えるので、左手で使った。
――横に溶接する場合は当然右利きの人と違い、右から左に移動してゆく。
(学校で実習したときはみんなと同じ右手で使った。機械の配置など
そういうふうに使うようにセットされていたから。)
しかしガス溶接機の場合は右手で持って左手で弁を調節する形式に
なっているので、これは右利き用の道具であった
(免許を取るところまで行かず、結局使う機会はなかったが)。

『右きき世界と左きき人間』マイケル・バーズリー 西山浅次郎訳 TBS出版会(発売・産学社)
(原著 Left-handed Man in a Right-handed World, 1970)
――左利きのイギリス人左利き研究家の著者が代表を務める
左利きクラブのこと、ロンドンに開店した左利き専門店のことなど。
1978年刊『左と右の心理学―からだの左右と心理』M・C・コーバリス、I・L・ビール(白井、鹿取、河内訳 紀伊国屋書店)
の中で、「第八章 対称性と非対称性の進化」<右利き世界と左利きの問題>p.178に、「バーンスリ(1970)」として取り上げられている。

6/(左利きSF小説)『鏡の国のアリス』広瀬正 河出書房新社 ――〈左利き友の会〉主宰者で精神科医の箱崎総一をモデルにした人物と
会も登場する、左右逆転の世界に転移した左利きのサキソフォン奏者の
青年の物語。
初出:1972年6月(1972年3月9日死去,3ヶ月後)河出書房新社書き下ろし
『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫 1982/5/1

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第639号(No.639) 2023/4/1「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
―その25― 楽器における左利きの世界(11)
広瀬正『鏡の国のアリス』より」
2023.4.1
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界
(11)広瀬正『鏡の国のアリス』より-週刊ヒッキイ第639号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-bd12d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/da5e6246a452d429fefd7456233ff4a5

 

1973(昭和48)19歳

4/25『左ききの本』マイケル・バーズリー 西山浅次郎訳 TBS出版会(発売・産学社) ――『右きき世界と左きき人間』に続く、左利き研究・応援本第二弾。
実は原書はこちらが先。

7/5(音楽)麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」(作詞千家和也 
作編曲筒美京平)のレコードが発売され、ヒットする。
――左利きがちょっとしたブームになる。新聞やテレビが、
左利き友の会の存在とその活動なども含めて左利きの話題を取り上げたり、
百貨店などに左利き用品のコーナーが設けられたりした。

Asaoka2

(野球)王貞治、日本で二人目、自身初の三冠王になる
(翌年も二年連続で)。
――「右の長嶋、左の王」は打順に合わせてイニシャルをとって「ON砲」
と呼ばれ、戦後の日本プロ野球を代表する選手の一人。左打ち左投げの
王選手の活躍に、左利きの子供たちは大いに勇気づけられた。

 

1975(昭和50)21歳

1/箱崎総一による左利き友の会『左利きニュース』42号を
もって活動停止。

(アメリカ)左利きの会“Lefthanders International”
カンザス州トピーカの左利きのMidge(ミッジ?)とディーン・キャンベルは
「レフトハンダーズ・インターナショナル」を設立し、
「Lefty(レフティ)」と呼ばれる隔月の雑誌を出版しました。
...その雑誌は1980年代後半まで発行され続けました。
(イギリスの著名な左手・左利き用品の通販“Anything Left-Handed”
 開業50周年記念サイトより、筆者訳)

200813dean-r-campbell-2

200811lefthander-mg19941995

※注:《“Lefthanders International”》と
《「Lefty(レフティ)」と呼ばれる隔月の雑誌》
1991(平成3)年3月発行『モノ・マガジン』1991年4月2日号 No.188
「特集/左を制するものは時代を制す/左利きの商品学」
(ワールド・フォトプレス)で紹介されている。
私は、1993(平成5)年9月に、問い合わせの手紙を出し、
『Lefthanders Magazine』の既刊号をもらいました。
リー・W・ラトリッジ、リチャード・ダンリー『左利きで行こう! 
目からウロコの左利きツアー』丸橋良雄、尾島真奈美訳 北星堂書店(2002.6)
(原著 THE LEFT-HANDER'S GUIDE TO LIFE, 1992)

「第3章 左利きの歴史ハイライト」の「1976年」の項で、
《「レフトハンダー」という雑誌(もともとは「レフティ」と
呼ばれていた)》と紹介。
私もその後、11・12月号から定期購読を始めました。
雑誌内の通信販売で左利き用品を購入(電卓、フォルダー、他)。
少なくとも「90年代半ばすぎ」までは続いていた、と思われます。
上記『左利きで行こう!』の「第11章 左利き関連情報」に、
〈左利き関連団体〉及び〈左利き用品の小売店と通信販売会社〉として、
この「Lefthanders International, inc」が紹介されています。
原著の段階では、1992年刊なので活動していましたが、
邦訳版の出た2002年当時は、どうだったのでしょうか。
1980(昭和55)年12月に出版された、ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ
『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
(原著 The Left-handaers' Handbook) 草壁焔太訳(講談社)

「第I部 外国編/第四章/(3)入会できる左利きの組織」にも紹介。
《ジャンシー・キャンベル夫人が指揮をとっている。
 最初の左利き大会が一九七九年八月十日から十二日まで行われた
 (“左利きの日”は八月十三日である)。》
原著の発行年が不明ですので、資料としては不確かな部分もありますが。

(参照)
第529号(No.529) 2018/11/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~ (特別編)ALH50年史概略(後編・第二回)」

 

1976(昭和51)22歳

(野球)張本勲巨人入り、ONに変わるOH砲の誕生。 ――安打製造機と言われた左打ちの張本選手と、左打ちのホームラン王・
王選手が並ぶ〈左利きの時代〉を現す代名詞のようにいわれる。
産経新聞(大阪版夕刊10月27日)の記事
「プレミアム+(plus)1 名球会リレーコラム 3000本安打 張本勲氏」
に、「世界のホームラン王」王貞治選手と並んで
「安打製造機」と呼ばれた左打ちの名選手だった、張本勲さん。
幼少時に右手を火傷して、右利きから左利きになった話、
野球を始めた話が語られています。
《私は4歳の12月、寒いときに右手にやけどを負った。
それまで右利きだった。半年ぐらい右手を使えず、
左手で生活していたものだから、字を書くことなど以外は
全部左利きになった。10歳のとき、待ちのお兄さんたちに
「1人足りないから来て」と言われ、初めて本格的な野球をやった。
右手が悪くて、その時は左打ち。覚えていないが、
いきなり二塁打を打ってびっくりされたらしい。
守るときに右にグラブをはめ、左手で投げたら遠くに投げられた。
右手投げるときはわしづかみ。薬指と小指がなくて、
残りの3本は中にひん曲がって球を握れず、遠くへ投げられない。
左は普通の指だから、これはいいと左投げになった。》

231028-harimoto-isao-sankeisinbun

231028-harimoto-isao-sankeisinbun-l

(画像は「編集後記」で)

8/13(アメリカ)「LEFTHANDERS INTERNATIONAL(LHI)」の
チェアマン、ディーン・キャンベルが「International Lefthandaers
Day」(国際左利きの日)を制定
――左利き用品販売店のオープン二年目を記念して、「LEFTHANDERS
INTERNATIONAL(LHI)」という左利きの会とともに、左利き用品の普及と
左利き生活の向上と左利きの啓蒙活動を目的に始めた。
私の手元にある、雑誌「レフトハンダーズ・マガジン」の各年の
「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY(LHD)の記事には、
記念日を設けたいきさつや催された行事等が記載されています。
リー・W・ラトリッジ、リチャード・ダンリー『左利きで行こう!
 目からウロコの左利きツアー』の「1976年」の項の後には、
 《1976年8月13日を最初の「国際左利きデー」としました。
  キャンベルがその日を13日にしたのは、左利きにまつわる
  すべての迷信を嘲笑するためだったと言っています。》と記載。
(参照)
第529号(No.529) 2018/11/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~ (特別編)ALH50年史概略(後編・第二回)」

1976(昭和51)-1977(昭和52)22-23歳

(野球漫画)水島新司『野球狂の詩(うた)』<水原勇気編> 1976年、日本プロ野球初の女性左腕投手となる水原勇気(東京メッツ)が
魔球ドリームボールで活躍。(『野球狂の詩』講談社『少年マガジン』
1972(昭和47)-1977(昭和52)連載、のちにその他の作品でも登場した。)
(以上、日本語版ウィキペディアによる)
――1977年の木之内みどり主演の実写版映画の記憶はある。
『新装版 野球狂の詩 水原勇気編(1)』水島 新司 講談社漫画文庫 2009/2/6

2009410-yakyuukyou-no-uta-c13

『野球狂の詩 HDリマスター版 [DVD]』木之内みどり, 高岡健二/出演
加藤彰/監督

2009717-yakyuukyou-no-uta-m

1977(昭和52)23歳

(TV CM)日清食品「どん兵衛」 テレビCM始まる  「きつねうどんから おあげとったら何になると思う」…
 「ただの素うどん」出演:山城新吾、川谷拓三
――左利きコンビが左手にお箸を持って「どん兵衛」を食べるCMは
とても好ましく、左手箸の左利きの人に大いに勇気を与えた。
日清食品「どん兵衛きつね」――

「どん兵衛」はヒットした。最大の要因はテレビCMだった。山城新伍と川谷拓三のひょうきんコンビのCMが人気を呼び、売り上げが急上昇したのである。小品を擬人化したどん兵衛というネーミングがあったからこそ、あのかけ合い漫才のCM世界が生まれたのだと思う。山城新伍の突っ込みと川谷拓三のぼけ具合が絶妙だった。
 / 発売二年目の一九七七(昭和五十二)年に売り上げ数量が一億食を超えた。きつねうどんの発祥の地は大阪である。根強いうどん人気もあってか、その年の二月の調査で、西日本ではカップヌードルを抜き第一位になってしまった。もちろんしばらくして巻き返しにあったが、一瞬でもカップヌードルの牙城を崩したのはすごいことだった。...
》p.78

――『カップヌードルをぶっつぶせ!――創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀』安藤宏基(あんどう・こうき) 中央公論新社 2009.10.7
「第2章 創業者とうまく付き合う方法/パッケージ戦力第二弾。ドンブリ型容器の「どん兵衛きつね」がヒット。「どんくさくてもいい」。社内の猛反対を押し切って商品名に。」より

8/30(野球小説)『赤毛のサウスポー』ロスワイラー 稲葉明雄訳 集英社 ――アメリカ・メジャーリーグ初の女性左腕投手の奮闘物語。

9/5(野球)王貞治、国民栄誉賞受賞(第1号) ――ホームラン世界記録通算756号を達成。

 

12/15(童話/ファンタジー)ライマン・フランク・ボーム
『オズのつぎはぎ娘』佐藤 高子/訳 新井 苑子/イラスト ハヤカワ文庫
NV158(原書The Patchwork Girl, 1913)
――左利きで13日の金曜日生まれのマンチキンの少年<不運なオジョ>
《「ぼく、左ききなんだ」/「偉大なる人物の多くは左ききだ」皇帝が、
 心配ないというようにいいました。「左ききは、ふつう、両方が使える。
 右ききはだいたいにおいて右しか使えない」》p.309
《ブリキの木樵りはいいました。「いまきみがあげた理由はどれも
 くだらないことばかりだよ。(略)」》p.310
『新版 自然界における左と右』(上)マーティン・ガードナー 坪井 忠二,
藤井 昭彦, 小島 弘/訳「9章 人のからだ」に紹介されていた
(ちくま学芸文庫 2021/1/9 p.161)。
このオズのシリーズは、高校生の時に創刊されたハヤカワ文庫で、
第一作『オズの魔法使い』から刊行されこの作品が第7作。
私は6作まで購読していたのですが、もういいやという気になって、
この第7作は未読でした。『新版・自然界における左と右』の記述を
読んでから本を探し読みました。

19771215-nv-158515jaecmlql

19771215oz-tugihagimusume-lh

1978(昭和53)24歳

1/1カール・セイガン『エデンの恐竜 知能の源流をたずねて』長野 敬/訳 秀潤社 ――『新版 自然界における左と右』(上)マーティン・ガードナー
坪井 忠二, 藤井 昭彦, 小島 弘/訳「9章 人のからだ」で紹介
(ちくま学芸文庫 2021/1/9 p.162)。
《過去、世界各地において、左利きに対する偏見がいかに実害を
 もたらしてきたかという例については、カール・セイガン『エデンの
 恐竜』(The Dragons of Eden, Random House,1977)の第七章と(略)》

3/25(音楽)ピンクレディー「サウスポー」(作詞阿久悠 作曲都倉俊一)
のレコードが発売されヒットする。
――左利きのケイちゃんよりミーちゃんが好きだった…。

3/1『左と右の心理学―からだの左右と心理』M・C・コーバリス、I・L・ビール 白井、鹿取、河内訳 紀伊国屋書店 (The Psychology of Left and Right, 1976)
――左右を区別すること、左右対称性について、右利きと左利きの問題を
含め、物理的・身体的・文化的・心理的に考察した著作。

1978(1980)「第二話 偽装の殺人現場」「第三話 消えた配偶者」山村美紗(『京都殺人地図』) ――京都府警捜査一課の検視官の警視・江夏冬子の事件簿。
 (第二話)被害者の傷跡から左利きの犯人と断定。
容疑者の中から左利き捜し。
 (第三話)同じく左利きの犯人捜し。左利きを示す証拠。
初出:「第二話 偽装の殺人現場」『問題小説』昭和53年1月号
 「第三話 消えた配偶者」『問題小説』昭和53年9月号
初出単行本:『京都殺人地図―女検視官江夏冬子』
『京都殺人地図』山村美紗 徳間書店 Tokuma novels 昭和55(1980)年10月

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第368号(No.368) 2013/6/15「名作の中の左利き ~推理小説編17~
検視官の見る左利きの特徴・山村美紗」
2013.6.18
名作~推理編17~山村美紗『京都殺人地図』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii368号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/06/17-hikkii368-1d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4046bc5e70c8002d237372c8fffdf2e1

1978(左利きミステリ[番外編]<左手>)「ある東京の扉」連城三紀彦 ――「右手のための協奏曲」というアリバイ・トリック小説。
ラヴェル「左手のための協奏曲」をモチーフに。
 初出:1978(昭和53)年3月号
(収録短編集)『変調二人羽織』連城 三紀彦/著 光文社文庫 2010/1/13

 

1979(昭和54)25歳

12/8箱崎総一『左利きの秘密』立風書房マンボウブックス を
図書館で見つけ、読む。
――大いに共感するが、左利き友の会がすでに解散しているのが
残念だった。
なかでも私の心に響いたのは、左利きの自分が間違っているのではなく、
左利きの存在を受け入れないこの世界、社会の方が間違っているのだ、
という考えでした。

6/1『左利きの秘密』箱崎総一 立風書房 マンボウブックス 《右利きと左利きとが真に対等である社会――
 これは、単に左利きに対する偏見がないということだけでは、
 成り立たない。生活を営んでいく上で、
 両者の間に差別やハンデがまったくないということも、
 大きな条件である。いいかえれば、左利きの人たちが日常生活の中で
 なんら不便をを感じない社会、これこそが、
 ほんとうに平等な社会なのだ。》p.56
《いま、私は声高らかにこう訴えたい。左利きの人たちよ、
 右利きの人たちに対して何ら劣等感を抱く必要はない。
 左利きというのはひとつのりっぱな個性なのだ。その個性を磨いて
 右利き偏重社会、右きき偏重文化に挑戦しようではないか。》p.95
《その差別はいわれなきものであり、その迫害は理不尽なものなのだ。
 また冷遇・無視はじつに不当なものなのである。(略)
 右利きが右利きとして生まれてきたのと同じように、左利きもまた
 左利きとして生まれてきたのである。》p.96

Hidarikiki-no-himitu_20200812154601

201106hakozakisouiti

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第564号(No.564) 2020/2/1
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その1)初めの30年」
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.2.1
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(1)初めの30年-週刊ヒッキイ第564号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-a8b3b5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/00be8ff2471350b61738e5f8e0efcae3
--
 ●世界が間違っている

「左利きの自分が間違っている」のではなく、

左利きを忌避し、右利き仕様を標準とする、
右利き偏重の「右利き社会」という
「この世界のほうが間違っているのだ」ということを教えられました。

左利きで悩む人の駆け込み寺的な存在だった
「左利き友の会」は解散したけれど、
その活動のおかげもあり、少しは社会も変化し、
左利きの人たちも勇気と自信を持てるようになれた、と思います。

たとえ左利きに生まれようと、右利きの人と同じように、
胸を張って生きてゆけばいいのだ、と。
--

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第601号(No.601) 2021/8/21「創刊600号突破記念―
  私が影響を受けた左利き研究家・活動家(1)第一期・箱崎総一」
『レフティやすおのお茶でっせ』2021.8.21
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(1)第一期・箱崎総一
(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第601号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/08/post-f1f34b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d8a221789ac39a8af77d97a96f2d9873
1954-1989(0-35歳)第一期「左利きライフ研究家以前」
◆日本の左利き解放運動の父「左利き友の会」主宰―精神科医・箱崎総一
--
この時期は、私が左利きであることを意識させられた時期であり、
かつ左利きであることを容認され、
自覚するようになった時期でもあります。

いいことも悪いこともあった時代です。

そして、左利きであることに
少しずつ自信を持てるようになっていく過程の時期でもあります。
--

4/25(文庫化再刊)『赤毛のサウスポー』ロスワイラー 稲葉明雄訳 集英社 集英社文庫 c1976

12/20(音楽)アリス「秋止符」(作詞谷村新司 作曲堀内孝雄)発売~♪左ききのあなたの手紙~。

-- 1972-1979 ――世界が間違っている --

 

*参照:◆ 1970年代は日本における左利きの転換点 ◆

第582号(No.582) 2020/11/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(2)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(1)」
2020.11.7
左利きの人生を考える(2)「わたしの彼は左きき」の時代:
1970年代(1)-週刊ヒッキイ第582号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-2a8f44.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0ca665ee810b3e7d76930fa440e09892

第584号(No.584) 2020/12/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(3)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(2)」
2020.12.5
左利きの人生を考える(3)「わたしの彼は左きき」の時代:
1970年代(2)-週刊ヒッキイ第584号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-353947.html

第588号(No.588) 2021/2/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(4)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(3)」
 ――1970年代は日本における左利き観の転換期だった
2021.2.6
1970年代は左利き観の転換期「わたしの彼は左きき」の時代
-週刊ヒッキイ第588号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-be0a5a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/25ecbd3c5e0310ed2de154eec14acfef

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [25]レフティやすおの左利き自分史年表(2)1972-1979―世界が間違っている」と題して、今回も全紹介です。

私の趣味の研究範囲として<左利きミステリ>も含めて、参照事項として弊誌のバックナンバーの記事などもはさみ、ホームページ時代の年表を補充しています。
思いの他、また長いメルマガになってしまいました。

記憶をたどり記録をあさり、できるだけ正確に事実を書き残しておきたいと考えています。

これが役に立つことがあるのかどうか現時点ではわかりませんが、もし将来において左利き文化史的なものを研究する人が出てきたとき、何かの足しになれば、という思いです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ

 

 

| | Comments (0)

2023.08.31

<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・東野圭吾『白夜行』-楽しい読書349号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年8月31日号(No.349)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・
 東野圭吾『白夜行』青春の思い出も背景に散りばめられた一冊」

 

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2023(令和5)年8月31日号(No.349)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・
 東野圭吾『白夜行』青春の思い出も背景に散りばめられた一冊」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 一回遅れてしまいましたが、
 「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から」の三回目
 「集英社文庫 ナツイチ2023 この夏、一冊分おおきくなろう。」
 からの一冊を紹介します。

 先号でも書きましたように、

 大阪も連日35度を超え、時に37度、38度といった猛暑の日々、
 予定していた、東野圭吾『白夜行』が読み切れず――
 文庫本860ページ、十年ほど前に一度読んでいるので大丈夫、
 と軽く見ていたのですが、メモ取りしながら読むと……。

 時間切れとなり、予定を変更することになってしまいました。

 
新潮文庫の100冊 2023
https://100satsu.com/

角川文庫 カドブン夏推し2023
https://kadobun.jp/special/natsu-fair/

集英社文庫 ナツイチ2023 この夏、一冊分おおきくなろう。
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
よまにゃチャンネル - ナツイチ2023 | 集英社文庫
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/yomanyachannel/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ◆ 2023年テーマ:青春の思い出も背景に散りばめられた一冊 ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(3)

  集英社文庫・東野圭吾『白夜行』-昼と夜または光と闇、明と暗-

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●集英社文庫 ナツイチ2023 この夏、一冊分おおきくなろう。

どんな作品が選ばれているのかといいますと――

★映像化する本よまにゃ(3) [既読作品]0

★ワクワクな本よまにゃ(18)0

★ハラハラな本よまにゃ(19)人間失格 白夜行

★ドキドキな本よまにゃ(15)0

★フムフムな本よまにゃ(26)23分間の奇跡 舞姫 星の王子さま
                夢十夜・草枕    

全81冊中、既読作品は、6冊だけ。
海外作品や古典的名作が選ばれていない
ということも理由ではありますが、ただただ、私自身、
最近の日本の作家の作品をほとんど読んでいない、ということですね。

新たな作家さんと出会ういい機会なはずなのですが、
今年は、子供の頃や思い出をテーマに選んだ感じですので、
少ない既読作品の中から、最も最近の作品である、
東野圭吾さんの『白夜行』を取り上げます。

 

・東野圭吾『白夜行』集英社文庫 2002/5/25

230823byakuyakou

230823byakuyakou-2

 

 ●東野圭吾『白夜行』

前回の角川文庫は、「わが青春の思い出の一冊」として、
筒井康隆『時をかける少女』を紹介しました。

今回は、わが青春の日々の思い出を背景に散りばめた、
といいますか、
私の青春時代の1970年代辺りから90年代辺りまでの
約20年を背景にしたクライム・ストーリーです。

巻末解説の馳星周さんによれば、ノワールとのこと。
ノワールというのは、私の思うところでは、
暗黒界、闇の世界の住人たちによるクライム・ストーリー
というところでしょうか。

11歳の小学生時代から30歳まで19年にわたり
太陽の光の下を歩いたことのないという、少年と少女の日々の物語。

19年の歴史を綴るわけですから、
やっぱり文庫本で860ページは必然だったのでしょうね。

読み応え十分で、あっという間に読み終えられる名作です。
(こういうと、ちょっと矛盾を感じるかもしれませんね。
 でも、年のせいなのか、集中力がないのですね。)

 

 ●始まりは19年前、主人公たちは小学5年生

冒頭、いきなり「近鉄布施駅」が登場します。
私の家の最寄り駅でもあります。
小説では、駅を出ると西に行くのですが、私の家は東です。

西へ行きますと、わが故郷・東大阪市ではなく、大阪市になります。
東野圭吾さんは大阪市出身ですので、いってみれば、
故郷を描くということになるのでしょうか。

230823byakuyakou-fuseeki

「第一章」
「事件」の舞台も、わが故郷に近い場所で、
描かれる時代も、わが青春の日々の1970年代のようです。
《三月に熊本水俣病の判決がいい渡され、新潟水俣病、四日市大気汚染、
 イタイイタイ病と合わせた四大公害裁判が結審した》とありますので、
これは昭和48年(1973)のこととわかります。

公園近くの、今では子供の秘密の遊び場となっている、
工事途中で廃ビルになった建物で、近所の質屋の主人・桐原洋介が
細身の刃物で刺し殺される事件が起きます。

これが発端。

担当刑事の笹垣らが、捜査に当たります。
質屋の主人には妻・弥生子と一人の小学5年生の息子・亮司がいて、
店には店長の松浦がいた。

桐原は当日、銀行で100万円をおろしたのち、手土産にプリンを買って、
店の常連客の一人、小学5年生ながら美人の雪穂という娘を持つ、
シングルマザー・西本文代の元を訪れていた……。

結局、事件は迷宮入りとなり、
容疑者とも目された西本文代はガス中毒事故で死亡。
発見者は娘の雪穂と部屋の鍵を開けた不動産屋。

 

「第二章」
雪穂は、母の死後、
父方のお花やお茶の先生をしている親戚の上品な婦人の養女となり、
今や私立女子校の中学三年生となっていた。
他校の男子生徒から盗撮されるほどの美人の人気者であった。
テニス部の美少女が襲われ、偶然発見したのは、雪穂と友人の江利子。
一方、桐原の息子・亮司は地元の荒れた公立大江中学校の生徒であった。
ここの生徒が雪穂の盗撮をしていたのだった。

 

 ●ストーリーの時代背景

こういう風にストーリーを追っていると、
いくらスペースがあっても追いつきませんので、
物語の背景などについて書いてみましょう。

冒頭の四大公害裁判の結審に現れているような、
その時代を示す社会的出来事の記述が各所で登場します。

何しろ19年の流れを持つ小説ですので、
その時代時代の背景がストーリーにも適宜織り込まれることで、
臨場感といいますか、時代感覚が明らかになります。

また、主人公たちの成長が、特に亮司の生業が
ちょうどパソコンやゲームの普及や発展の歴史と相まっていて、
インベーダーゲームや、ワープロ、PCなどの固有名詞が
時代背景を現実的にみせています。

私のようにそれなりに、
この時代を青春時代のひとときとして過ごしてきたものには、
とても郷愁の湧くものがあります。

松田聖子の聖子ちゃんカットなんていうのも出てきましたね。

 

 ●昼・光・明の雪穂と夜・闇・暗の亮司

雪穂は、お花やお茶の先生をしているという、
上品なご婦人の養女となり、家庭教師を付けてもらったり、
私立のお嬢さま学校に進学、中学高校大学と進んでゆきます。

そして、大学のソシアルダンス部に入部、
合同練習相手の永明大学の大企業の御曹司のエリート男性と知り合う。
結婚後も貪欲に自分の夢の実現に向けて努力を続け、
自分の資産で遂にアパレルの店を持ち、離婚後も事業を拡大、
経営者として成功を収める。

というように、
雪穂は光、昼日中花咲く明るい世界を歩んでいるように見えます。

 

一方、亮司は、荒れた地元の公立の中学に進学し、
危ない世界にも足を踏み込んでゆきます。

1985年(事件から12年後)の年末12月31日、
当時一緒にやっていたパソコンやゲームの店『MUGEN』の閉店後、
同僚の従業員の友彦や弘恵が来年の抱負を話すとき、

 《亮司の答えは、「昼間に歩きたい」というものだった。/
  小学生みたい、といって弘恵は桐原の回答を笑った。
  「桐原さん、そんなに不規則な生活をしてるの?」/
  「俺の人生は、白夜の中を歩いてるようなもんやからな」》p.436

ともらすように、亮司は日の当たらぬ闇、暗い世界の住人のようです。

「俺の人生は、白夜の中を歩いてるようなもんやからな」――
まさにこれがタイトルになっているのですね。

230823byakuya

 

 ●雪穂の場合

しかし、そんな雪穂も、物語の終わりの方で、こう言います。

 《「(略)人生にも昼と夜がある。(略)人によっては、
  太陽がいっぱいの中を生き続けられる人がいる。
  ずっと真っ暗な深夜を生きていかなきゃならない人もいる。
  で、人は何を怖がるかというと、それまで出ていた太陽が
  沈んでしまうこと。自分が浴びている光が消えることを、
  すごく恐れてしまうわけ。(略)」》

 《「あたしはね」と雪穂は続けた。
  「太陽の下を生きたことなんかないの」/
  「まさか」(略)「社長こそ、太陽がいっぱいじゃないですか」/
  だが雪穂は首を振った。
  その目には真摯な思いが込められていたので、夏美も笑いを消した。
  「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。
  でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。
  太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。
  あたしはその光によって、夜を昼と思って生きてくることが
  できたの。わかるわね。あたしには最初から太陽なんかなかった。
  だから失う恐怖もないの」/
  「その太陽に代わるものって何ですか」/
  「さあ、何かしらね。夏美ちゃんも、
   いつかわかる時が来るかもしれない」》p.826

230823byakuya-taiyou

「太陽の下を生きたことなんかないの」
「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。」といい、
それでも「暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから」と。
太陽に代わるものが何かはわかりませんが、
「その光によって、夜を昼と思って生きてくることができたの」
といいます。
さらに、
「あたしには最初から太陽なんかなかった。だから失う恐怖もないの」
という。

こういう振り切った生き方をすることになる原因とは何だったのか、
そして、
そんな自分に力をくれた太陽に代わるものとは何だったのでしょうか。

いよいよラストでは、謎解かれる部分もあれば、
何だったのか明らかにされない部分もあり、
深い内容の物語です。

 

 ●現実に負けないで戦う者同士?

全編、主人公を視点にするのではなく、周辺の人物を視点に、
主人公たちの行動を垣間見せてゆくという技法を取っています。

この手法が時に謎を深めながら、時に謎解きをほのめかせながら、
読者を引っ張ってゆく力になっています。

最終的に、雪穂と亮司の関係はどうだったのでしょうか。
明らかにされているのは、小学生時代、図書館で二人は会っていた、
同じ本を読んでいたということ、ぐらいです。

二人の関係は、
昼と夜または光と闇、明と暗の補完しあう関係だったのでしょうか。

あるいは、闇の中を光を求めて、互いに手に手を取り合い、
助け合って歩む者同士、という関係だったのでしょうか。

それとも全く違う形の何かであったのでしょうか。

作者は何も書いていませんので、私たち読者にはわかりません。
ただ自分なりに想像するだけです。

ラストを思いますと、なんらかの形で、ほのかな希望を胸に、
反骨精神でもって、現実の社会の重さに負けないように、
歯を食いしばって上を目指す者同士だったように思います。

そして、その戦いはまだ終わってはいないようです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(3)集英社文庫・東野圭吾『白夜行』青春の思い出も背景に散りばめられた一冊」と題して、今回も全文転載紹介です。

わが青春時代の思い出が色々と時代背景の説明として登場する一編です。
冒頭、わが故郷である東大阪市一の繁華街を持つ近鉄布施駅が登場します。
1973年から始まる19年間の物語で、主人公の一人の少年~青年は、パソコンやゲームの世界を背景に生きていくので、インベーダー・ゲームやスーパーマリオ、ワープロやPCなどの固有名詞が出てきます。
松田聖子の聖子ちゃんカットや、ソノレゾレノ時代を代表する歌手の名なども次々と出てきます。
オイル・ショックの時のトイレット・ペーパー騒動なども背景の話として登場します。

ストーリーそのものではないのですが、こういう時代を思い返す読み方も楽しいものです。

映画やドラマにもなったようですが、私は見ていないので、本文中でもふれていません。
見ていたら、また別の楽しみもあるのでしょうね。
あの役はこの俳優さんじゃないよとか、この俳優さんがよかったとか。
「見てから読むか、読んでから見るか」みたいな……。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

 

| | Comments (0)

2023.06.30

私の読書論172-2023年岩波文庫フェアから上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」-楽しい読書344号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年6月30日号(No.345)
「私の読書論172- 2023年岩波文庫フェア「名著・名作再発見!
 小さな一冊をたのしもう」から 上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」」

 

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2023(令和5)年6月30日号(No.345)
「私の読書論172- 2023年岩波文庫フェア「名著・名作再発見!
 小さな一冊をたのしもう」から 上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 本来は、月末で
 古典の紹介(現在は「漢詩を読んでみよう」)の号ですが、
 今月は岩波文庫のフェアが始まっていますので、
 過去何回か取り上げています。
 最近のものでは↓

2022(令和4)年6月15日号(No.320)
「私の読書論159-エピクテトス『人生談義』―『語録』『要録』
―<2022年岩波文庫フェア>名著・名作再発見!から」
2022.6.15
私の読書論159-エピクテトス『人生談義』―<2022年岩波文庫フェア>から-楽しい読書320号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/06/post-98be91.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6a52aba9e4f9468c46611a84cd31f14f

2019(令和元)年6月30日号(No.250)-190630-
「2019年岩波文庫フェア「名著・名作再発見!」小さな一冊...」
2019.6.30
2019年岩波文庫フェア「名著・名作再発見!」小さな一冊...
―第250号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/06/post-b015ac.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e3a5116ac2b0a7abfec291e180ec97ce

 夏の文庫三社のフェア同様、毎年恒例にしたいと思いつつ、
 情報を集め損ねて、飛び飛びになっています。

 今年はなんとか間に合ったようです。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 異類男女の恋情 -

  ~ 上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」 ~

  2023年岩波文庫フェア
「名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」から
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●2023年岩波文庫フェア

2023年岩波文庫フェア「名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」

ご好評をいただいている「岩波文庫フェア」を、
今年も「名著・名作再発見! 小さな一冊を楽しもう!」
と題してお届けいたします。

 岩波文庫は古今東西の典籍を手軽に読むことが出来る、
古典を中心とした唯一の文庫です。読書の面白さ、
感動を味わうには古典ほど確かで豊かなものはありません。
岩波文庫では出来るだけ多くの皆さまに
名著・名作に親しんでいただけるよう、本文の組み方を見直し、
新しい書目も加えより読みやすい文庫をと心がけてまいりました。

 いつか読もうと思っていた一冊、誰もが知っている名著、
意外と知られていない名作──
岩波文庫のエッセンスが詰まった当フェアで、
読書という人生の大きな楽しみの一つを
存分に堪能していただければと思います。

※2023年5月27日発売(小社出庫日)

 

<対象書目>
――本誌で過去に取り上げた書目:■

■茶の本【青115-1】  岡倉覚三/村岡 博 訳
古寺巡礼【青144-1】  和辻哲郎
君たちはどう生きるか【青158-1】  吉野源三郎
忘れられた日本人【青164-1】  宮本常一
■論語【青202-1】  金谷 治 訳注
■新訂 孫子【青207-1】  金谷 治 訳注
■ブッダのことば──スッタニパータ【青301-1】  中村 元 訳
■歎異抄【青318-2】  金子大栄 校注
■ソクラテスの弁明・クリトン【青601-1】  プラトン/久保 勉 訳
■生の短さについて 他二篇【青607-1】  セネカ/大西英文 訳
■マルクス・アウレーリウス 自省録【青610-1】  神谷美恵子 訳
方法序説【青613-1】  デカルト/谷川多佳子 訳
スピノザ エチカ 倫理学(上)【青615-4】  畠中尚志 訳
スピノザ エチカ 倫理学(下)【青615-5】  畠中尚志 訳
■読書について 他二篇【青632-2】
  ショウペンハウエル/斎藤忍随 訳
■アラン 幸福論【青656-2】  神谷幹夫 訳
論理哲学論考【青689-1】  ウィトゲンシュタイン/野矢茂樹 訳
旧約聖書 創世記【青801-1】  関根正雄 訳
生物から見た世界【青943-1】
  ユクスキュル、クリサート/日高敏隆、羽田節子 訳
精神と自然──生きた世界の認識論【青N604-1】
  グレゴリー・ベイトソン/佐藤良明 訳
万葉集(一)【黄5-1】
  佐竹昭広、山田英雄、工藤力男、大谷雅夫、山崎福之 校注
■源氏物語(一) 桐壺―末摘花【黄15-10】  柳井 滋、室伏信助、
        大朝雄二、鈴木日出男、藤井貞和、今西祐一郎 校注
枕草子【黄16-1】  清少納言/池田亀鑑 校訂
芭蕉自筆 奥の細道【黄206-11】  上野洋三、櫻井武次郎 校注
雨月物語【黄220-3】  上田秋成/長島弘明 校注
■山椒大夫・高瀬舟 他四篇【緑5-7】 森 鷗外
三四郎【緑10-6】  夏目漱石
仰臥漫録【緑13-5】  正岡子規
摘録 断腸亭日乗(上)【緑42-0】  永井荷風/磯田光一 編
摘録 断腸亭日乗(下)【緑42-1】  永井荷風/磯田光一 編
久保田万太郎俳句集【緑65-4】  恩田侑布子 編
中原中也詩集【緑97-1】  大岡昇平 編
山月記・李陵 他九篇【緑145-1】  中島 敦
堕落論・日本文化私観 他二十二篇【緑182-1】  坂口安吾
茨木のり子詩集【緑195-1】  谷川俊太郎 選
大江健三郎自選短篇【緑197-1】  大江健三郎
石垣りん詩集【緑200-1】  伊藤比呂美 編
まっくら──女坑夫からの聞き書き【緑226-1】  森崎和江
君主論【白3-1】  マキアヴェッリ/河島英昭 訳
アメリカの黒人演説集──キング・マルコムX・モリスン 他【白26-1】
  荒 このみ 編訳
マルクス 資本論(一)【白125-1】  エンゲルス 編/向坂逸郎 訳
職業としての学問【白209-5】  マックス・ウェーバー/尾高邦雄 訳
贈与論 他二篇【白228-1】  マルセル・モース/森山 工 訳
大衆の反逆【白231-1】  オルテガ・イ・ガセット/佐々木 孝 訳
■楚辞【赤1-1】  小南一郎 訳注
菜根譚【赤23-1】  洪自誠/今井宇三郎 訳注
阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊)【赤25-2】  魯迅/竹内 好 訳
■バガヴァッド・ギーター【赤68-1】  上村勝彦 訳
■ホメロス イリアス(上)【赤102-1】  松平千秋 訳
■ホメロス イリアス(下)【赤102-2】  松平千秋 訳
ハムレット【赤204-9】  シェイクスピア/野島秀勝 訳
■森の生活──ウォールデン (上)【赤307-1】
  ソロー/飯田 実 訳
■森の生活──ウォールデン (下)【赤307-2】
  ソロー/飯田 実 訳
オー・ヘンリー傑作選【赤330-1】  大津栄一郎 訳
変身・断食芸人【赤438-1】  カフカ/山下 肇、山下萬里 訳
カフカ短篇集【赤438-3】  池内 紀 編訳
対訳 ランボー詩集──フランス詩人選(1)【赤552-2】
  中地義和 編
トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇【赤619-1】
  中村白葉 訳
タタール人の砂漠【赤719-1】  ブッツァーティ/脇 功 訳
ペスト【赤N518-1】  カミュ/三野博司 訳

 

以上55点59冊のうち、15点ほどを取り上げています。
関連も含めますと、あと5点ほど見つかります。
(詳細は、「編集後記」末尾にでも付記しておきます。)

その多くは、宗教・思想・哲学といった
リアル系の古典を取り上げてきました。

そこで今回は、文学作品を取り上げましょう。

私の大好きな作品が含まれていましたので、それを紹介します。

 

 ●私が日本で一番好きな小説――上田秋成『雨月物語』

江戸時代の読本(よみほん)、上田秋成の怪異譚短編集『雨月物語』から
一番長い短編作品「蛇性の婬(じゃせいのいん)」を取り上げます。

上田秋成『雨月物語』は、日本文学のなかで私の大好きな作品で、
以前「私をつくった本・かえた本」でも紹介しました。

・2017(平成29)年3月15日号(No.195)-170315-
「私の読書論91-私をつくった本・かえた本(2)小説への目覚め編」

私の読書論91-私をつくった本・かえた本(2)小説への目覚め編―第195号「#レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

・講談社『少年少女新世界文学全集第37巻 日本古典編(2)』
(長編「太平記」「八犬伝」「東海道中膝栗毛」、短篇集「雨月物語」、
 江戸時代の俳句(芭蕉や蕪村、一茶など)収録)

《怪奇幻想ものの読本(よみほん)である、
 上田秋成作「雨月物語」青江舜二郎訳
 (1768年(明和5)成稿、76年(安永5)刊。「白峰」以下9編)》

 

子供の頃から、怖がりのくせに、怖い物見たさというのでしょうか、
こういうお話が好きでした。

子供の頃は、テレビで怪談話やホラー映画など結構見てました。
吸血鬼ドラキュラや狼人間やミイラ男だといった映画や、
アメリカ製のテレビドラマで、異界もの? や
ダーク・ファンタジーのようなもの、日本でも「ウルトラQ」みたいな。

で、この『少年少女新世界文学全集第37巻 日本古典編(2)』のなかでも、
「雨月物語」も短編集で、当時長いものを読むのが苦手だった私には、
とてもフィットした物語であったといえましょう。

今でも長編は苦手で、読み出すまでにちょっと敷居の高さを感じます。
短編集を読むのもしんどい部分はあります。
一本ずつ一本ずつ読み起こす感じで、
その世界に入るのに集中力がいるというわけですが。

余談はさておき、
『雨月物語』全9短編中、一番好きなのが「蛇性の婬」です。
今回はこの作品を取り上げます。

 

*<2023年岩波文庫フェア
「名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」>から
『雨月物語』【黄220-3】上田秋成/長島弘明 校注 2018/2/17

 

 ●上田秋成『雨月物語』巻之四「蛇性の婬」

『雨月物語』は、翻案小説とも言われるもので、
下敷きになるお話があり、
それをもとに上田秋成が自分の世界を展開するものです。

「蛇性の婬」は、異類婚姻譚に分類されます。

蛇の妖怪の女と人間の青年との恋物語というところでしょうか。

この小説には、中国の原話があります。
白話小説集『警世通言(けいせいつうげん)』中の「白娘子永鎮雷峰塔
(はくじょうしながくらいほうとうにしずまる)」。

 《白蛇が美女に化けて男と契るという、
  中国の白蛇伝説の系譜にある一話である。》
   『雨月物語』上田秋成/長島弘明 校注より「解説」p.254

 《「白蛇伝」説話は、
  白蛇が美女に化け、男を誘惑して契りを結ぶ異類婚姻譚であるが、
  古くは唐代伝奇の「白蛇記」(『太平広記』所収)があり、
  宋・元・明・清とさまざまな小説や戯曲になり、
  さらには今日まで及んでいる。「白娘子永鎮雷峰塔」は、
  その「白蛇伝」説話の中でも最も著名な作品の一つで、
  類話に『西湖佳話(せいこかわ)』の「雷峰怪蹟(らいほうかいせき)」
  がある。》
   『雨月物語の世界』長島弘明 ちくま学芸文庫 より
     「第九章 蛇性の婬」p.265

前半は主にこの作品を下敷きに、日本の和歌山に舞台を移し、
冒頭の「いつの時代(ときよ)なりけん」という書き出しは、
まさに『源氏物語』の「いづれの御時にか」を連想させるもので、
一話全体も古代の物語風の雰囲気を持たせています。

 

*『雨月物語の世界』長島 弘明/著 ちくま学芸文庫 1998/4/1

――岩波文庫『雨月物語』校注者による初学者向け入門書・解説書

 

230621ugetu-monogatari-nagasimahiroaki-2

 

 ●東映動画『白蛇伝』

ここで、思い出すのが、子供の頃に見たアニメ、
東映動画の『白蛇伝』です。

『ウィキペディア(Wikipedia)』によりますと、
1958年10月22日公開といいます。

私は子供時代にテレビの放送で見た記憶があります。

春休みや夏休みや冬休みなどに子供向け番組として、
一連の東映動画の放送がありました。
『白蛇伝』『安寿と厨子王丸』『わんわん忠臣蔵』『西遊記』
『わんぱく王子の大蛇(おろち)退治』等々。

記憶で書きますと、
人間の青年に恋した白蛇が美女に化けて近づき、両者は恋に落ちます。
青年は化け物に騙されているのだと信じた高僧によって、
その法力で娘を攻撃し、二人の邪魔をします……。

互いに愛し合いながら、相手が異類であるということで認められず、
仲を引き裂かれるという理不尽な物語――という印象が残っています。

この高僧をとても憎く感じたものでした。

愛し合う二人を引き裂くにっくき野郎! という感じで。

本来この動画は、文部省推薦の子供向け・家族向けの企画なので、
基本的に勧善懲悪というわけでなく、
誤解を解いてみんなで仲良くしましょう、的な映画だと思うのです。

それだけに、「なんかかわいそう」というイメージがありました。

私自身、左利きで○○で××でもあり、そういう「一般人」ではない、
「異類の存在だ」という意識がありますので、
そういう世間一般のひとではない「異類」である、
というだけの理由で、その恋仲を裂かれるというのは、
悲劇以外の何物でもない、と思えるのです。

 

*参考:東映動画『白蛇伝』
白蛇伝 [DVD]
森繁久彌 (出演), 宮城まり子 (出演), 藪下泰司 (監督)

230621hakujadendvd

 

 ●「蛇性の婬」の豊雄に、大人の男の悪い面を見る?

「蛇性の婬」では、中国の白蛇伝説に、『道成寺縁起』などに見られる
<道成寺伝説>を取り混ぜたものだといわれています。

 《中国の、愛欲のために女に変身した蛇の話に、
  日本の、同じく愛欲のために蛇身になってしまった女の話を、
  重ね合わせている。》同上

安珍・清姫の伝説として知られる話です。

 ・・・

「蛇性の婬」では、主人公の青年・豊雄は、和歌山の漁師の網元の次男。
長男が跡取りで、姉は奈良に嫁に行っている。
豊雄は、都にあこがれ、雅好きで、学問を師について習っている。
父親は、家財を分けても人に取られるか、他家を継がせようとしても、
困ったことになるだけだろうし、博士にでも法師にでもなれ、
生きているうちは兄のやっかいになればいい、と考えている。

そんなとき、師の元からの帰り道、雨に降られ、雨宿りしていると、
二十歳に満たぬ美女・真女子(まなこ)と
十四、五の童女の二人連れに出会う。
で、このふたりこそ蛇の化身。
豊雄もまんざらではなく、好意を持つようになる。

230621ugetu-monogatari-jaseinoin-p144-14

230621ugetu-monogatari-jaseinoin-p172-17

 ・・・

その後の詳しいストーリーを紹介してもいいのですが、
ここではそれはやめて、単純に私の感想を綴っておきましょう。

異類である白蛇の化身である女と人間の青年の恋なのですが、
今回、読み直しますと、男の態度がどうも気に入りません。

蛇身の女が一方的に恋したような始まりになっています。
しかし始まりはどうであれ、
自分も相手を気に入って恋仲になっているにもかかわらず、
まわりから何か言われると、
ついつい相手を裏切るような行動を取ります。

そうでありながら、何かきっかけがあるごとに、
彼女のことを思っているかのように振る舞います。

結果、自分だけが助かるのです。

どうも気に入りません。
アニメ版の『白蛇伝』のイメージが残っているのか、
このような男の姿が、いまいち、好きになれません。

 

長島さんは『雨月物語の世界』の「第9章 蛇性の婬」の末尾
<男の性と女の性>で、

 《真女子が豊雄の夢と恋(エロス)が描いた幻像であったならば、
  豊雄は自らの夢と恋情を殺すことによって、
  丈夫となったということができる。大人になり、
  また余計者の身から抜け出して社会的存在となるためには、
  私情を切り捨てる通過儀礼が必要とされたのである。
  そして、切り捨てられた私情とは、女性である。
  土中深く封じ込められた蛇は、女性であり、
  また豊雄の夢であったことになる。
  生き永らえたという豊雄は、その後、
  はたして夢をみることがあったのかどうか。》p.296

と結んでいます。

私も、この終わり方で豊雄は本当に満足だったのだろうか、
と思わずにはいられません。

私情を捨てること、夢をあきらめること、
まわりに合わせて生きることが、大人になる、ということなのか?

もしそうだとしたら、ちょっと寂しい、
残念なことといわねばなりません。

もちろん、私自身も同じように、色々あきらめた上で、
今日まで生きてきたのは事実です。

しかし、だからこれで終わっていいと思っているわけでもありません。
生きている限り、なにかできるのではないか、
という思いだけは、今も持っています。

 

*参考文献:
『改訂 雨月物語 現代語訳付き』上田 秋成/著 鵜月 洋/訳
角川ソフィア文庫 2006/7/25

『雨月物語』上田 秋成/著 高田 衛, 稲田 篤信/訳 ちくま学芸文庫
1997/10/1

『雨月物語―現代語訳対照』上田 秋成/著 大輪 靖宏/訳 旺文社文庫
1960/1/1

230621ugetu-monogatari-5

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論172- 2023年岩波文庫フェア「名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」から 上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」」と題して、今回は全文転載紹介です。

本誌では「蛇性の婬」飲みの紹介となっています。
本文中にも書いていますように、歴史ものの怪異譚全9編からなる短編集です。

中でも男女の仲に関するものとしては、この「蛇性の婬」以外にも、「浅茅が宿」「吉備津の釜」があります。
どちらもなかなかのできで、人間性のおどろおどろしさを描いて秀逸です。

善くも悪くもやはり男女の仲というものが一番おもしろいような気がします。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

 

| | Comments (0)

2023.04.15

私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後)-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」

 

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 × × × × × × × × × × × × × × × ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*「前編」も見てね! 「前編」はこちらで↓
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(9:40 配信済み)

登録はこちら↓
https://www.mag2.com/m/0000171874.html

または、『レフティやすおのお茶でっせ』のサイドバーで!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回は、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その4回目です。

 別個に2本のメルマガを書くのが面倒になってきまして、
 2本一気に、という企みです。

 ご容赦!

 

【過去のコラボ】

■1回目――

ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで

 年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
 左利きに関する記述の該当箇所

などの情報を紹介しました。
そのまとめ編でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

20.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

 

■2回目――

「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた
<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを

 年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)

をリスト化して紹介しました。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

 

■3回目――

【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

2022.10.15
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
左利きミステリ~-週刊ヒッキイ第628号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-39e67a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ad9796a23bf53cf6eb0e80182a9d7b6a

<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
私の自作左利きミステリ-「楽しい読書」第328号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-1a4b2b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/03236262a34a6ee2e03b42bff06e3267

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(前編)

 × × × × × × × × × × × × × × × ×

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(後編)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

今回は、<日本国内編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

------------------------------------------------------------------
 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [番外編]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [ホラー]:ホラー [SF]:SF
------------------------------------------------------------------

<左利きミステリ>の登場人物・分類表

(探)◆:左利きの探偵/探偵役
(被)▲:左利きの被害者
(犯)●:左利きの犯人
(容)▼:左利きの容疑者
(他)■:左利きのその他の事件関係者
(脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>: <日本国内編>リスト(後編)2000年代

Lh-mystery-kokunai

Kokunai-mystery-600x450-dsc06602-2

(画像:<左利きミステリ>国内編(狭義のミステリ=推理小説)―手持ちの文庫本諸作品)

Kokunaimysrery2-dsc08913-2

(画像:<左利きミステリ>国内編(ホラー、SF&ファンタジー等)―手持ちの文庫本諸作品) 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

・2003「書肆に潜むもの」井上雅彦 (他)■
――左利きの少年が遭遇した貸本屋での怪しの世界
初出:『ミステリーズ!』2003年9月号(季刊誌)
(収録短編集)
『遠い遠い街角』井上雅彦 東京創元社 2007/6/1

『古書ミステリIII』ミステリ文学資料館編 光文社文庫 2015/5/12

 

 

・2003「大喝采」横田順彌 [SF] (他)■<左右関連>
――明治時代を舞台に、日本SFの父・押川春浪とその弟子の科学小説家・
 鵜沢龍岳ものの一編。左右逆転の世界に瞬間的に転移した怪異譚。
初出:日本古典SF研究会会誌『未来趣味』第十号
 『SFマガジン』2019年6月号 <追悼・横田順彌>小説再録
(収録短編集)
『押川春浪回想譚』横田順彌 出版芸術社 2007/5/1

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第561号(No.561) 2019/12/21「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(38) 小説編:左右反転世界「大喝采」横田順彌」
2019.12.21
右用と左用の違い(38)小説編左右反転世界「大喝采」横田順彌-
左利きで生きるには週刊ヒッキイ561号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/12/post-24c855.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0ba543b6e210a8a6e9f74a3aa7732c50

 

・(2005.1)『サウスポー・キラー』水原秀策 (探)◆(被)▲(犯)●
――プロ野球人気球団売り出し中の若手サウスポー投手・沢村が
 事件に巻き込まれるスリラー。サウスポー投手だけが被害に…。
初出『サウスポー・キラー』宝島社 2005/1/27

『サウスポーキラー』宝島社文庫 2007年01月

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第373号(No.373) 2013/7/20「名作の中の左利き
~推理小説編18~左腕投手の悲劇『サウスポー・キラー』水原秀策」
2013.7.24
名作~推理編18『サウスポー・キラー』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii373号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/07/18-hikkii373-57.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/15b7bd7b5699aa989132264fd760573c

 

・(2007.9)「心臓と左手」石持浅海 (被)▲
――安楽椅子探偵ものの連作短編。左利きの新興宗教教祖の死後、
 奪われた左手の謎。
(収録短編集)
『心臓と左手 座間味くんの推理』石持浅海 光文社文庫 2009.9.20

『心臓と左手 座間味くんの推理』光文社 カッパ・ノベルス 2007/09/21

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第335号(No.335) 2012/10/20「名作の中の左利き
~推理小説編12~聖なる「心臓と左手」石持浅海」
2012.10.24
名作の~推理小説編12「心臓と左手」石持浅海~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii335号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/10/12-hikkii335-c2.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/aa2d978cfd74b7bcfc3bcad8ebb70875

 

・(2009.4)『ひだり』倉阪鬼一郎 [ホラー]<左右関連>
――右回りの路線バスなど、「左」が封印されている町で起きる惨劇
『ひだり』倉阪鬼一郎 角川ホラー文庫 2009/4/25

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第269号(No.269) 2011/7/16
「名作の中の~番外編-4-夏の夜は怪談話『ひだり』倉阪鬼一郎」
2011.7.23
週刊ヒッキイhikkii269名作の中の~番外編4怪談話
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/07/hikkii2694-bf42.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/604369ebde9ee5104d247d24b5f33f1d

 

・(2009.10)『小太郎の左腕』和田竜 [時代小説]
――戦国時代のヒーロー、左構えの銃を手にした左利きの天才児の物語
『小太郎の左腕』小学館 2009/10/28

『小太郎の左腕』和田竜 小学館文庫 2011/9/6

 

・(2010.6)「左手の記憶」新津きよみ [ホラー]
――両親の死後引き取られた叔父に左利きを強制的に
 右に転換させられた小説家が商売道具の右手をケガし…。恐怖小説。
(「左手の記憶」収録短編集)
『指先の戦慄』新津きよみ 角川ホラー文庫 2010/6/25

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第218号(No.218) 2010/7/3<LHM>宣言!“左利き紳士・淑女録”(2)
【おまけコーナー】【左利きの作家】
2010.7.3
今週の-週刊ヒッキイhikkii218<LHM>宣言!“左利き紳士・淑女録”(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2010/07/-hikkii218lhm2-.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/aeb578d0000182a05b1e38fedc4e3d0c 

 

・(2011.10)『シューメーカーの足音』本城雅人 (犯)●?
――ロンドンに店を持つ野望に燃えるカリスマ的日本人靴職人 対
 日本の左利きの靴修理屋の青年靴職人。
『シューメーカーの足音』本城雅人 講談社文庫
『シューメーカーの足音』本城雅人 幻冬舎 2011.10

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第313号(No.313) 2012/5/19
「名作の中の左利き~推理小説編7『シューメーカーの足音』本城雅人」
2012.5.24
左利きの靴職人『シューメーカーの足音』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii313号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/05/hikkii313-1875.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3a0140d7aba6f6769f2f40b88bbae778

 

・(2011.10)『ゴーグル男の怪』島田荘司 (犯)● (容)▼
――傷跡から左利きの犯行とされる。容疑者は六人中三人が左利き。
島田荘司『ゴーグル男の怪』新潮社 2011.10.30

『ゴーグル男の怪』島田荘司 新潮文庫 2018/2/28

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第390号(No.390) 2013/11/16
「名作の中の左利き ~推理小説編22~左利きが多すぎる?
 島田荘司『ゴーグル男の怪』」
2013.11.20
左利きが多すぎる?島田荘司『ゴーグル男の怪』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii390号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/11/hikkii390-0821.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/fff282610600bc6af736673a4479dedf

 

・(2011.11)『ゴースタイズ・ゲート 「イナイイナイの左腕」事件』
 中井拓志 [ホラー] (犯)●
――霊能鑑識事件簿。ネットの心霊動画職人の怪死事件。
 被害者の傷跡から犯人は左利き…。
『ゴースタイズ・ゲート 「イナイイナイの左腕」事件』
中井拓志/著 角川ホラー文庫(2011.11.25)

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第377号(No.377) 2013/8/17「名作の中の左利き
~推理小説編19~左腕の悲劇『ゴースタイズ・ゲート』中井拓志」
2013.8.21
名作~推理編19~左腕の悲劇『ゴースタイズ・ゲート』
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii377号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/08/19-hikkii377-30.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/df1079ecdb4f13fbc131f2f7edb8a20a

 

・(2012/2)『ヘルたん』「第二話 ミラー・ツイン」愛川 晶
――認知症の元探偵の居候となった左利きの青年はヘルパーになるという
 ヘルパー探偵もの三話仕立ての連作長編。一方が左利きの一卵性双生児
 (ミラー・ツイン)が関わる過去の事件。双子の見分け方の謎。
『ヘルたん』愛川 晶 中央公論新社 (2012/2/24)

『ヘルたん』愛川 晶 中公文庫

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第322号(No.322) 2012/7/21「名作の中の左利き
~推理小説編9~『ヘルたん』愛川 晶」
2012.7.26
名作~推理小説編9『ヘルたん』愛川晶~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii322号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/07/9-hikkii322-50d.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/42fcf9f99f71830b2fd012365f172333

 

・2013.1-9 (2014)『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 (犯)●
――連続コンビニ強盗の犯人の一人が左手に凶器を持つ左利きらしい。
 事件を追う新聞記者は逃げる男がエレベーターに乗るのを目撃…。
初出:『週刊朝日』2013年1月4/11日号―9月6日号
『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 朝日新聞出版 2014/2/7

『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 朝日文庫 2017/2/7

 

・(2014.10)『ヘルたん ヘルパー探偵とマドンナの帰還』愛川晶
 (探)◆
――探偵が左利き(今回は、これといって左利きネタはなし。
 左利きですという記述のみ。)
『ヘルたん ヘルパー探偵とマドンナの帰還』愛川晶 中央公論新社
 2014.10.25

 

・(2017.9)「左利きの鬼」宇佐美まこと [ホラー]
――左利きの子供をのせた自転車とぶつかったオートバイの左利きの女。
 子供に優しい女の正体は? 
短編集『角の生えた帽子』宇佐美まこと KADOKAWA 2017/9/22

『角の生えた帽子』宇佐美まこと 角川ホラー文庫 2020/11/21

 

・(2019.3)『レフトハンド・ブラザーフッド』知念実希人 [番外編]
――左手に死んだ兄が宿った高校生が兄と巻き込まれた殺人事件に挑む。
『レフトハンド・ブラザーフッド』文藝春秋 2019/3/14

『レフトハンド・ブラザーフッド 上下』文春文庫 2021/11/9

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」と題して、今回も全文転載紹介です。

「前編」でも書きましたが――

--
今回は遂に日本人作家による<左利きミステリ>の<国内編>です。
10年ぐらい前から、本誌で左利きの人を主人公にした、あるいは左利きの人が登場する、左利きに関連した小説を紹介するコーナーを始め、その中から推理小説を紹介するシリーズを新たに開始しました。
それが、<左利きミステリ>です。

左利きをトリックに利用した推理小説や推理ものや刑事ものサスペンスもののテレビドラマなども多く見かけられます。
映像ものの場合は、左利きという行動は「見せやすい」のが一因かもしれません。

実際には、世間の人が思っている以上に左利きの人というのは存在するのですが、忘れられているのでしょうね。

というわけで、私がコツコツと見つけた作品をリスト化してみました。
三十本ほどです。

もちろん、実際にはもっと多くの作品が出ているとは思いますが、私の見つけた範囲の作品がこれらです。

こういうのもあるよ、という情報をお待ちしています。
よろしく!
--

2000年代は、まだまだ未調査なパートですので、これからどんどん見つかるのではないか、と思っています。
なぜなら、昔に比べ、左利きの人をまちでよく見かけられるようになった、というのが理由ですけど。

逆に言えば、一般的に多く見られるようになれば、希少性が減り、人物を特定する要素としては弱くなるという面もあり、<左利きミステリ>として成立させるのは難しくなるかもしれませんね。

さてさて、どうなのでしょうか。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

 

| | Comments (0)

私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第640号 【別冊 編集後記】

第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 × × × × × × × × × × × × × × × ×
------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*「後編」も見てね! 「後編」はこちらで↓
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』(12:00 配信)

登録はこちら↓
https://www.mag2.com/m/0000257388.html

または、『レフティやすおのお茶でっせ』のサイドバーで!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回は、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その4回目です。

 別個に2本のメルマガを書くのが面倒になってきまして、
 2本一気に、という企みです。

 ご容赦!

 

【過去のコラボ】

■1回目――

ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで

 年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
 左利きに関する記述の該当箇所

などの情報を紹介しました。
そのまとめ編でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

20.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

 

■2回目――

「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた
<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを

 年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)

をリスト化して紹介しました。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

 

■3回目――

【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

2022.10.15
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
左利きミステリ~-週刊ヒッキイ第628号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-39e67a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ad9796a23bf53cf6eb0e80182a9d7b6a

<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
私の自作左利きミステリ-「楽しい読書」第328号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-1a4b2b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/03236262a34a6ee2e03b42bff06e3267

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(前編)

 × × × × × × × × × × × × × × × ×

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第4回 国内編(後編)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

今回は、<日本国内編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

 

------------------------------------------------------------------
 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [番外編]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [ホラー]:ホラー [SF]:SF
------------------------------------------------------------------

<左利きミステリ>の登場人物・分類表

(探)◆:左利きの探偵/探偵役
(被)▲:左利きの被害者
(犯)●:左利きの犯人
(容)▼:左利きの容疑者
(他)■:左利きのその他の事件関係者
(脇)╋:脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物

 

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>:<日本国内編>リスト(前編)1900年代

Lh-mystery-kokunai

Kokunai-mystery-600x450-dsc06602-2 

(画像:<左利きミステリ>国内編(狭義のミステリ=推理小説)―手持ちの文庫本諸作品)


Kokunaimysrery2-dsc08913-2

(画像:<左利きミステリ>国内編(ホラー、SF&ファンタジー等)―手持ちの文庫本諸作品) 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

 

・1948「アンゴウ」坂口安吾 (容)▼?
――戦死した左利きの友人の蔵書にはさまれた「暗号」文。
 戦後妻の愛撫を受ける習性の変化…。
初出:『別冊サロン』1948年5月号
(本作収録短編集)
『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)
―【小特集1/アニメ「UN-GO」】から原作。
『日本探偵小説全集 10 坂口安吾集』(創元推理文庫 1996)より再録

『桜の森の満開の下・白痴 他十二篇』坂口安吾 岩波文庫 2008.10
―安吾の代表的な短編を集めたもの。

『戦時下の青春 (コレクション 戦争×文学)』集英社 2012.3
―野坂昭如『火垂るの墓』他、戦時下の青春を描く文学作品集。

『古書ミステリー倶楽部II』ミステリー文学資料館/編 光文社文庫
2014/5/13
―古書を題材にした作品集。

 

(関連作品)
・UN-GO第6話脚本「あまりにも簡単な暗号」會川昇
 『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)
<UN-GO第6話脚本「あまりにも簡単な暗号」會川昇>
アニメ『UN-GO』第3巻 初回限定生産版Blu-ray
―第6話から第8話を収録。

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第304号(No.303) 2012/3/17「名作の中の左利き
 ~推理小説編5「アンゴウ」坂口安吾」
2012.3.24
坂口安吾「アンゴウ」名作の中の左利き~推理小説編5~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii304号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/03/5-hikkii304-66e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9c6612ea005ecae70727661b14446e28

 

・1959-1960(1961)『霧の旗』松本清張 (犯)●
――冤罪を受けた男の妹が左利きの犯人を暴こうとする物語。
 初出:『婦人公論』1959年7月号~1960年3月号連載
  1961年3月、中央公論社刊
『霧の旗』松本清張(新潮文庫 昭和47.1.30発行/
 平成15.9.10 41刷改版/平成20.7.10 51刷)

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第317号(No.317) 2012/6/16「名作の中の左利き
~推理小説編8~『霧の旗』松本清張」
2012.6.21
名作~推理小説編8『霧の旗』松本清張:
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii317号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/06/8-hikkii317-5c5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ea53289cc83c3eb73f0733ab31121f8a

 

・1971(昭和56)年 (1981)「兄弟」阿刀田高 (犯)●?
――双子の兄弟の片割れとの扱いの違いに悩むもう一方の片割れのお話。
 初出:東京新聞等 昭和56年(1981)5月31日
(収録短編集)
『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 2009.1.15

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第291号(No.291) 2011/12/17「名作の中の左利き~推理小説編
 -3-「兄弟」阿刀田高」
2011.12.29
阿刀田高「兄弟」とLYGP2012:
メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」291、292号告知
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/12/lygp2012-hikkii.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8067fe3bf2ee0e82e960e5259cc9b509

 

・(1972.6)『鏡の国のアリス』広瀬正 [SF] (他)■
――左右逆転の世界に転移した左利きのサキソフォン奏者の青年の物語。
初出:1972年6月(1972年3月9日死去,3ヶ月後)河出書房新社書き下ろし
『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫 1982/5/1

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第639号(No.639) 2023/4/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(11)広瀬正『鏡の国のアリス』より」
2023.4.1
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界
(11)広瀬正『鏡の国のアリス』より-週刊ヒッキイ第639号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-bd12d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/da5e6246a452d429fefd7456233ff4a5

 

・1978(1980)「第二話 偽装の殺人現場」「第三話 消えた配偶者」
 山村美紗(『京都殺人地図』)(容)▼
――京都府警捜査一課の検視官の警視・江夏冬子の事件簿。
 (第二話)被害者の傷跡から左利きの犯人と断定。
 容疑者の中から左利き捜し。(第三話)同じく左利きの犯人捜し。
 左利きを示す証拠。
初出:「第二話 偽装の殺人現場」『問題小説』昭和53年1月号
 「第三話 消えた配偶者」『問題小説』昭和53年9月号
初出単行本:『京都殺人地図―女検視官江夏冬子』
『京都殺人地図』山村美紗 文春文庫 1988.3.10
『京都殺人地図』山村美紗 徳間書店 Tokuma novels 昭和55(1980)年10月

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第368号(No.368) 2013/6/15「名作の中の左利き
~推理小説編17~検視官の見る左利きの特徴・山村美紗」
2013.6.18
名作~推理編17~山村美紗『京都殺人地図』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii368号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/06/17-hikkii368-1d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4046bc5e70c8002d237372c8fffdf2e1

 

・1978「ある東京の扉」連城三紀彦 [番外編]<左手>
――「右手のための協奏曲」というアリバイ・トリック小説。
 ラヴェル「左手のための協奏曲」をモチーフに。
 初出:1978(昭和53)年3月号
(収録短編集)
『変調二人羽織』連城 三紀彦/著 光文社文庫 2010/1/13

 

・1980「最期のメッセージ」阿刀田高 (被)▲
――左利きの被害者の残したダイイング・メッセージの謎解き。
初出:『瑠伯』1980(昭和55)年夏季号
(収録短編集)
『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 2009.1.15

 

・1982.10「停電にご注意」鮎川哲也 (他)■
――安楽椅子探偵<三番館>シリーズ。
 アリバイの時刻を示す証拠の写真の人物がみな左利きという謎。
初出:『小説推理』昭和57年10月
(収録短編集)
『クライン氏の肖像―三番館の全事件III』<鮎川哲也名探偵全集>
出版芸術社(平成15年4月)収録。

『材木座の殺人』鮎川哲也 創元推理文庫 2003/8/1

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第364号(No.364) 2013/5/18「名作の中の左利き
~推理小説編16~全員が左利きの謎「停電にご注意」鮎川哲也」
2013.5.22
名作~推理編16~全員が左利きの謎・鮎川哲也~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii364号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/05/16-hikkii364-3b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/cf81d782cad9508f380fe8b154670cb5

 

・(1982.6)『春夏秋冬殺人事件』「冬の部 団地警察殺人事件」齋藤栄
 (被)▲
――右使いの左利きの被害者、自殺偽装殺人事件。連作短編集のラスト。
 左利きならではの場面はなく、<左利きミステリ>としては名目だけ。
『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄 双葉社 1982/6 

『春夏秋冬殺人事件』 祥伝社 ノン・ポシェット 1995/4

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第420号(No.420) 2014/6/21 「名作の中の左利き~推理小説編27~
齋藤栄『春夏秋冬殺人事件』」
2014.6.25
左利きミステリ『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii420号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/06/hikkii420-a208.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/2479f287f13c41d921ee64bb97abd4db

 

・(1989.4)『8の殺人』我孫子武丸 (犯)● (容)▼
――“8の字屋敷”で起きた連続殺人。左肩にボウガンを構えた犯人…?
『新装版 8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(2008/4/15)

『8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(1992.3.15)

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第382号(No.382) 2013/9/21「名作の中の左利き
~推理小説編20~左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸」
2013.9.26
左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/09/hikkii382-d77d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56e12e92f4f6e9b32b29cf54de39238a

 

・(1991.9)『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕 (犯)●
――小説内小説『歳時記(ダイアリイ)』。本筋の事件で、道具と使い手、
 機械と使い手と積極的・消極的な左利きの見分け方、誰が左利きか?
 左利きの人への敬意も…。
『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕/著 東京創元社 <黄金の13>1991/9/1

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第415号(No.415) 2014/5/17「名作の中の左利き~推理小説編26~
『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕」
2014.5.21
左利きミステリ『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii415号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/05/hikkii415-a170.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79180db6972e602d256fcbcb05f6e74d

 

・(1991.12)『朝霧高原殺人事件』和久峻三 (被)▲
――赤かぶ検事と行天燎子警部補のシリーズ。指のペンだこから左利きと。
『朝霧高原殺人事件』和久峻三 光文社文庫―赤かぶ検事シリーズ 1991.12

『朝霧高原殺人事件―赤かぶ検事シリーズ』和久峻三 講談社文庫 2000.8

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第360号(No.360) 2013/4/20「名作の中の左利き
~推理小説編15~左利きの会の謎『朝霧高原殺人事件』和久峻三」
2013.4.25
左利きの会と赤かぶ検事『朝霧高原殺人事件』~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii360号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/04/hikkii360-4825.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bbf9a8ce165f6b1fc5009f35867abc96

 

・(1995.7)『左手のパズル』萩尾望都 [ファンタジー]
――チェロを弾く16歳の少年ジョシュアがたどった、数奇な運命
 左と右を間違う左利きの少年の幼少時の秘密を繙く
『左手のパズル』萩尾望都/文 東逸子/絵 新書館 1995/7/13

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第185号(No.185) 2009/6/20「名作の中の左利き(3)『左手のパズル』」 

 

・(1996.6)『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 (被)▲ (容)▼
――加賀恭一郎シリーズ。一部右使い左利きの妹の自殺偽装の殺人事件。
 警察官の兄が割り出した容疑者は…。容疑者も犯人も左利き?
『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社ノベルス 1996/6/1

『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社文庫‎ 1999/5/14

 

・(1997.6)「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩 (被)▲
――異常な探偵による本格謎解き短編。急行列車内の作家殺人事件。
 右手の三本指で作った輪っかの謎。作家が左利きと知らなかった犯人。
(収録短編集)
『メルカトルと美袋のための殺人』麻耶雄嵩/著 講談社ノベルス 1997.6

『メルカトルと美袋のための殺人』麻耶雄嵩/著 集英社文庫 2011/8/19

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第411号(No.411) 2014/4/19「名作の中の左利き~推理小説編25~
「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩」
2014.4.23
左利きミステリ「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii411号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/04/hikkii411-2f88.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6bf7ba85b5fbcb0e23a8a6b66aa2fe9d

 

・(1997)『三月は深き紅の淵を』「第二章 出雲夜想曲」恩田陸 (他)■
――左利きの謎の覆面作家の正体を探し出すという趣向のミステリ
『三月は深き紅の淵を』恩田陸/著 講談社文庫 2001.7.13

 

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第296号(No.296) 2012/1/21「名作の中の左利き
 ~推理小説編4恩田陸」
2012.1.25
『三月は深き紅の淵を』恩田陸:
メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」296号告知
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/01/hikkii296-ac56.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/153a74e42e321eed64aa0da07e7a3d16

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」と題して、今回も全紹介です。

私の発行しているメルマガ二誌における<左利きミステリ>のコラボ4回目です。

今回は遂に日本人作家による<左利きミステリ>の<国内編>です。
10年ぐらい前から、本誌で左利きの人を主人公にした、あるいは左利きの人が登場する、左利きに関連した小説を紹介するコーナーを始め、その中から推理小説を紹介するシリーズを新たに開始しました。
それが、<左利きミステリ>です。

左利きをトリックに利用した推理小説や推理ものや刑事ものサスペンスもののテレビドラマなども多く見かけられます。
映像ものの場合は、左利きという行動は「見せやすい」のが一因かもしれません。

実際には、世間の人が思っている以上に左利きの人というのは存在するのですが、忘れられているのでしょうね。

というわけで、私がコツコツと見つけた作品をリスト化してみました。
三十本ほどです。

もちろん、実際にはもっと多くの作品が出ているとは思いますが、私の見つけた範囲の作品がこれらです。

こういうのもあるよ、という情報をお待ちしています。
よろしく!

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

 

 

| | Comments (0)

2023.01.15

私の読書論165-私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前)総リスト&再読編-楽しい読書334号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年1月15日号(No.334)「私の読書論165-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」

 

例年のことですが、
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2023(令和5)年1月15日号(No.334)「私の読書論165-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 今年の一発目になります。
 今年も「私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)」です。

 <フィクション系>は、文字通りフィクション、
 小説等の創作物を指します。

 まずは、「再読編」から。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 昔の感覚に間違いはなかった!? -
  ~ 私の年間ベスト3・2022フィクション系(前編) ~
  2022年フィクション系ほぼ全書名紹介&<再読編ベスト3>候補作
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●傾向と分類

今年は、冊数そのものは、例年に負けない50冊程度でした。
ただ、再読ものが多数(20冊)となりました。

そこで今年は、<再読編ベスト3>と<初読編ベスト3>とに分けて
紹介してみましょう。

 ・・・

例年のように簡単に分類してみましょう。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

*(再):自分の蔵書の再読本、[再]:作品そのものは再読、本は新本

2022年は、コロナで中断していた本の整理を再開しようということで、
再読ものが増えました。
何十年ぶりかに改めて読み直して不要なものは処分する、ということで、
過去には聖域として除外していた本も、思いきって……。

そこで怪奇・恐怖もの(海外のホラー)をかなり読んでみました。
他にも推理小説(海外ミステリ)も読みました。

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本

「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から」向けの本から――

・[再]『老人と海』ヘミングウェイ 高見浩訳
 新潮文庫 2020/6/24

・[再]『老人と海』アーネスト ヘミングウェイ 小川 高義/訳 
光文社古典新訳文庫 2014/9/11

2022(令和3)年7月15日号(No.322)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(1)
新潮文庫『老人と海』ヘミングウェイ(高見浩訳)」
2022.7.15
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(1)新潮文庫『老人と海』-「楽しい読書」第322号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-0bc97e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a3c96264c4e3a66832a5f013d7dfd965

・[再]『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外 角川文庫 1967/2022

2022(令和3)年7月31日号(No.323)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(2)角川文庫『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』森鴎外」
2022.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(2)
角川文庫『山椒大夫~』森鴎外-「楽しい読書」第323号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-b6a16c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/68c6961aff920da9831353e34d8a34e3

・『光の帝国 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2000/9/20(1997) 

・『蒲公英(たんぽぽ)草紙 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2008/5/20(2005)
・『エンドゲーム 常野物語』恩田陸 集英社文庫 2009/5/20(2006)

2022(令和3)年8月31日号(No.325)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から
(3)集英社文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸」
2022.8.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2022から(3)集英文庫『光の帝国 常野物語』恩田陸
-「楽しい読書」第324号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-8cf420.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5d442e3e2fd0fe6a283a313a5147da3d

・(再)『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン/著 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF ピープル・シリーズ 1978/7/1(1959)

・(再)『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン/著 宇佐川晶子, 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF 500 ピープル・シリーズ) 1982(1967)

220812people

『左利きを考える 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第624号(No.624) 2022/8/13
「2022年8月合併号―8月13日 国際左利きの日
 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY―」
2022.8.13
2022年8月13日左利きの日INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY合併号
-週刊ヒッキイ第624号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-54feef.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e993c67c3ad6bbfb1ae083afb30873aa
第625号(No.625) 2022/9/3
「2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)
左利きとアイデンティティ ~《ピープル》シリーズから考える」
2022.9.3
2022年8月13日国際左利きの日合併号(続)左利きとアイデンティティ
-週刊ヒッキイ第625号

恩田陸さんの<常野物語>は、
ゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズに触発された物語でもあり、
そういう意味で参考文献的に、この本も読みました。
そのまえに、私のもう一つのメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』でも、
少数派と差別、多様性といった面から取り上げていました。

 

「世界の十大(重大?)[小]恋愛小説」の試み のための本から――

・[再]『潮騒』三島由紀夫 新潮文庫 新版 2020/10/28

2022(令和4)年11月15日号(No.330)
「私の読書論162 x161 -小説の王道、それは恋愛小説か?(2)
ハッピーエンド型・悲恋型」
2022.11.15
私の読書論162-小説の王道-恋愛小説(2)ハッピーエンド型・悲恋型
-「楽しい読書」第330号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/11/post-f4ce33.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/02969a20ac7c9b91e9e8615f7da6ee3c

この企画は、
今年の「私の読書論」で、閑をみて書いていこうと考えています。

そういう候補作の一つでもあります。
これは、新版が出ているというので、読んでみました。
解説が「〔新解説〕重松清」に変わっているところが異なります。
本編はもちろん変わりません。

 

 ●(2)それ以外の古典の名作

これといってなし。
1950年代、60年代も今では古典ともいえますが、
自分の感覚としましては、つい昨日読んだ本のイメージがあって、
古典にはしづらいものがあります。

一つだけあげれば――

・(再)『怪奇幻想の文学 I 深紅の法悦』紀田順一郎、荒俣宏/編
 新人物往来社 新装版 1979

私の蔵書は、1979年の新装版ですが、元の版は1969年出版で、
吸血鬼ものの怪奇・恐怖小説(ホラー)の短編アンソロジーです。
その収録作には、ジョン・ポリドリ「吸血鬼」(1819)や、
レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」(1872)などの
古典と呼んでいい作品があります。

・(再)『妖怪博士ジョン・サイレンス』アルジャーノン・ブラックウッド
 国書刊行会<ドラキュラ叢書 第三巻> 1976

も、1908年刊のオカルト探偵もののホラー短編集
(<シャーロック・ホームズのライバルたち>の変種といったところ)
もありました。

 

 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

「勉強のため」といいますと、考え方により、何でも挙げられます。
特にこれ、というものはありませんでした。

<左利きミステリ>
・『探偵コナン・ドイル』ブラッドリー・ハーパー ハヤカワ・ミステリ
 2020

――「左利きの殺人鬼」として知られるジャック・ザ・リッパー
(切り裂きジャック)を、名探偵ホームズの生みの親コナン・ドイルが、
ホームズ流推理のモデルといわれる医学の恩師ベル博士、
同じく作家の女性マーガレットの三銃士で追いかける時代ミステリ。
・(再)『強盗プロフェッショナル』ドナルド・E・ウェストレーク
 角川文庫 1975

――2012年の<クリスマス・ストーリーをあなたに~>で紹介しました、
天才的犯罪プランナーにして職業的窃盗の第一人者、哀愁の中年泥棒
<ドートマンダー>ものの長編に登場する、
仲間の一人の甥の青年が抱く妄想の中のヒーローが左利き。

2021(令和3)年11月30日号(No.307)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-
「パーティー族」ドナルド・E・ウェストレイク」
2021.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-「パーティー族」
-楽しい読書307号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/11/post-89135b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/18c776f043925c645747d63c43d02f2c

 

 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
   ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

<海外ミステリ>
・(再)『リリアンと悪党ども』トニー・ケンリック 角川文庫 1980
・『マイ・フェア・レディース』トニー・ケンリック 角川文庫 1981
・『バーニーよ銃を取れ』トニー・ケンリック 角川文庫 1982

・『暗くなるまで待て』トニー・ケンリック 角川文庫 1984
・『俺たちには今日がある』トニー・ケンリック 角川文庫 1985

 

――トニー・ケンリックは、1974年『スカイジャック』という、
ジャンボ機ともども300人超の乗員乗客を誘拐するという
とんでもないアイデアをひっさげて登場した作家。
その後ボチボチと新作が刊行され、私も次々と買いました。
でも初めの3作は読んだものの、それ以後は買っただけで積ん読でした。
今回、蔵書整理の一貫でまとめて読みました。やっぱりおもしろい。
コメディタッチのサスペンスものから、冒険ものに移行しています。

・(再)『マンハンター』ジョー・ゴアズ 角川文庫 1978

・『ハメット』ジョー・ゴアズ 角川文庫 1985

アメリカの元探偵会社の探偵出身という経歴のハードボイルド系作家。
前者は、金持ちのお嬢さんを麻薬中毒に引き込んだ連中を罰するべく
活動する、しがない私立探偵の物語。その仕掛けがすごくて、かつ……。
後者は、同じく元探偵で作家となったハードボイルド系作家ハメットを
主人公にしたハードボイルド・ミステリ作品。

・(再)『堕ちる天使』ウィリアム・ヒョーツバーグ ハヤカワ文庫NV
 1981
・(再)『ポーをめぐる殺人』ウィリアム・ヒョーツバーグ
 扶桑社ミステリー 1998

202212-otirupoe

――ヒョーツバーグも、時折、意外な仕掛けのミステリを発表する。
前者は、オカルトもので、後者も一部オカルトがらみで、
コナン・ドイルのアメリカ公演旅行中の事件を描く。
ドイルと共に脱出王ハリー・フーディニが探偵として活躍し、
のちに作家となる新聞記者デイモン・ラニアン、
そしてドイルにしか見えない存在としてポーの亡霊が現れる、
など有名人たちが登場する。

・『タラント氏の事件簿』デイリー・キング 創元推理文庫 2018
――1930年代の短編集。<ホームズのライバル>ものとして読んでみた。
・『サム・ホーソーンの事件簿II』エドワード・D・ホック
 創元推理文庫 2002
――1000編もの短編ミステリを書いたと言われる著者ホックの
田舎医者の名探偵ぶりを描く本格謎解き時代ミステリ第二弾。
・『オクトーバー・リスト』ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫 2021
――事件の終わりから逆に遡って描くという大逆転発想のミステリ。
・『木曜殺人クラブ』リチャード・オスマン ハヤカワ・ミステリ 2021

――老人テーマの小説。養老院のクラブの一つ探偵クラブのメンバーが、
経営者の一人が殺されるという実際の事件を解決に導く物語。
各人の過去が織り込まれた物語が読ませる。

・『祖父の祈り』マイクル・Z・リューイン ハヤカワ・ミステリ 2022

・『父親たちにまつわる疑問』マイクル・Z・リューイン
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2022

220921mzr80

――マイクル・Z・リューイン生誕80周年記念出版のうちの新作二冊。
前者は、コロナ禍を思わせるパンデミック下の近未来アメリカを舞台に、
妻と娘の夫を亡くした祖父が、娘と孫の少年を守り抜こうとする物語。
後者は、心優しき私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズ最新作、
エイリアンだと自称する青年にまつわる事件、連作四中編。

・(再)『世界ショートショート傑作選1』各務三郎/編 講談社文庫
 1978
――海外作家による、<クライム&ミステリー>、<怪奇&幻想>、
<コント>の三部からなるショートショートの傑作アンソロジー。

<SF>
・(再)『世界SFパロディ傑作選』風見潤、安田均編 講談社文庫 1980
――海外作家によるSFのパロディ短編アンソロジー。

<怪奇/恐怖小説(ホラー)>
・(再)『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー編
 ハヤカワ文庫NV 1980

――吸血鬼の短編アンソロジー。古典から1970年代の現代ものまで。
・(再)『きみの血を』シオドア・スタージョン ハヤカワ・ミステリ 1971
――吸血鬼ものの変種。意外な青年のラブ・ロマンスもの。
・(再)『鳥』ダフネ・デュ・モーリア ハヤカワ・ミステリ 1963

――表題作はヒッチコックの映画の原作で、鳥が人を襲うというホラー。
家族を守り抜く父親/夫の活躍。他に二作の心理ものホラー収録。

・(再)『地球最後の男』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV 1977
・(再)『縮みゆく人間』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV 1977

・(再)『地獄の家』リチャード・マシスン ハヤカワ・ノヴェルズ 1972

・『ある日どこかで』リチャード・マシスン 創元推理文庫 2002

――リチャード・マシスンは、近年再評価の動きがあるという
アメリカのSF系ホラー作家。『地球――』は吸血鬼もののSF。
『縮みゆく――』は身体が徐々に縮んでしまうという人間の冒険物語。
『地獄――』は幽霊屋敷ものに科学を持ち込んだ本格サスペンス。
『ある日――』は時間旅行による恋物語。

・(再)『ロイガーの復活』コリン・ウイルソン ハヤカワ文庫NV 1977
――『賢者の石』以前の「クトゥールー神話」ものの中編。
・(再)『怪奇な恋の物語』ヘンリー・クレメント ハヤカワ・ノヴェルズ
 1970
――不調の青年画家が田舎の屋敷で出会った戦争で死んだ少女の幻影。
・(再)『闇の展覧会1』カービー・マッコーリー/編 ハヤカワ文庫NV
 1982

――キングの短い長編「霧」を含む怪奇恐怖小説のアンソロジー一冊目。
・(再)『闇の展覧会2』カービー・マッコーリー/編 ハヤカワ文庫NV
 1982

――SFやファンタジー系などの作家によるオリジナル・アンソロジーの2。

<国内ミステリ>
・『リラ荘殺人事件』鮎川哲也 角川文庫 2016
――芸大学生の連続殺人事件の謎を解く本格推理小説。
・『硝子のハンマー』貴志祐介 角川文庫 2007

――テレビドラマ化もされた「防犯探偵・榎本」シリーズの傑作長編。
・『しのぶセンセにサヨナラ』東野圭吾 講談社文庫 1996
――「浪花少年探偵団」シリーズ第二弾、休職中のセンセの事件簿。

<その他一般小説>
・『下町ロケット ガウディ計画』池井戸潤 小学館文庫 2018

・『下町ロケット ゴースト』池井戸潤 小学館文庫 2021

――池井戸さんは、2019年の新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェアで
『陸王』を読んだのが最初で、図書館でこのシリーズ作が並んでいて
『下町ロケット』から順に。私は工業高校の機械科卒なので級友にも
町工場の息子がいたりして、必ずしも他人事でもなく、楽しめました。

2019(令和元)年7月31日号(No.252)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2019から」
2019.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2019から―『陸王』他
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/07/post-e5f434.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/f113ad87a21f783d36d0d35c255ab158

 

 ●<再読ベスト3>の候補

再読24冊、初読21冊というところでしょうか。
他にもあるのですが、ヒ・ミ・ツということで。

今回は<再読ベスト3>を、と考えていたのですが、
詳細なリスト作りに手を取られ、その紹介ができませんでした。
次回に<初読ベスト3>ともども紹介します。

最後に、<再読ベスト3>の候補の書名のみあげておきます。

『果てしなき旅路』『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン
『マンハンター』ジョー・ゴアズ
『ポーをめぐる殺人』ウィリアム・ヒョーツバーグ
『縮みゆく人間』『地獄の家』リチャード・マシスン
『鳥』ダフネ・デュ・モーリア
『怪奇幻想の文学 I 深紅の法悦』紀田順一郎、荒俣宏/編
『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー編
『闇の展覧会1・2』カービー・マッコーリー/編

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★創刊300号への道のり はお休みです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」と題して、今回も全文転載紹介です。

今年は、コロナ禍で滞っていた蔵書整理の再開で、初読よりも再読本が多くなりました。
読み直して、やはり残しておくべきか否か判断しよう、というわけです。

昔から好みが変わっていたり、価値観の変化が起きているのか等、再確認しています。

案外、好みに変化がなかったものでした。
また当時どうしてこの本が気になっていたのか分からなかった点が今回の再読で理解できた、という経験もありました。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

 

| | Comments (0)

より以前の記事一覧