2025.03.15

[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!) 
【最新号】

2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」
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*「前編」も見てね! 「前編」はこちらで↓
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(9:40 配信)

登録はこちら↓
https://www.mag2.com/m/0000171874.html

または、『レフティやすおのお茶でっせ』のサイドバーで!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/

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 今回も先月に引き続き、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画、
 <左利きミステリ>の第7回目。

 過去5回は、第6回の(前編)をご参照下さい。

第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」

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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第7回 国内編
(前編)新規発見作紹介

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 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第7回 国内編
(後編)再発掘作紹介

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<国内編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

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*(新たに表示記号の追加・変更があります)

 1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 (フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編 
 エミール・ガボリオ:作者名 
 [シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
 ・特記事項
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
 [傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
 [参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表

 (探):左利きの探偵/探偵役
 (被):左利きの被害者
 (犯):左利きの犯人
 (容):左利きの容疑者
 (他):左利きのその他の事件関係者
 (脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
    ([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

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<左利きミステリ>:<国内編> 再発掘作紹介

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(再発掘/リスト漏れ<左利きミステリ>)
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今回は、<左利きミステリ>の国内編の再発掘編。
再発掘もしくは、忘れ物ですね。

ただ、内容を御覧いただければ分かりますように、
純粋に「ミステリ」と呼べそうなものは、山本周五郎の作品ぐらいです。
ほとんどが「非ミステリ」という感じです。
広義のミステリとしても、ホラー系です。

参考作品として「左利き」の性質といいますか、「左利き」の本質、
あるいは、発表当時の社会の平均的な「左利き」感、もしくは
「左利き」に対する見方というものを知っていただくための情報として、
その価値があるかと思います。

 

 ●「一粒の真珠」山本周五郎

1947「一粒の真珠」山本周五郎 (容)
<左利きの容疑者、「ぎっちょの文治」>
初出『新青年』1947年2月号
――窃盗容疑者の許嫁者の元不良の徒「ぎっちょの文治」。
 お嬢様の首飾りの真珠を盗んだ罪をかぶせられた小間使いの許婚者の
 文治は、元不良ということで、容疑者の共犯と疑われる。

・『山本周五郎長篇小説全集 23 寝ぼけ署長』新潮社 2014/11/27
(Amazonで見る)

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・『寝ぼけ署長』山本 周五郎/著 新潮文庫 第二版 2019/3/28
(Amazonで見る)

 

*参照:『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第214号(No.214) 2010/6/5
<左利きムーヴメントLHM>宣言!“左利き紳士・淑女録”

【新企画】“左利き紳士・淑女録”
(2)架空の人物編
■か行-き・ぎ■
【ぎっちょの文次】ぎっちょ・の・ぶんじ
・山本周五郎/著「一粒の真珠」の登場人物
  新潮文庫『寝ぼけ署長』(1981)収録
・本名 西山文次
・建具屋職人
 《十歳前後で孤児になり、
  富屋町の表通りに店のある建具屋の家で育てられ、
  親方は鈴木秀吉といい、
  文次にずいぶん目をかけて仕込んだし、
  当人も左利きが難だったけれど手の性が良く、
  十六七になると一人前の仕事をするようになった。》p.77
・若くして金を稼ぐようになり、一度ぐれて、
 「ぎっちょの文次」と呼ばれる不良の徒となる
 その後立ち直り、結婚を機に建具屋として独立する

 

 ●「眠れる美女」川端康成

1960.1-1961.11「眠れる美女」川端康成 [H]
『新潮』1960(昭和35)1月~1961(昭和36)11月
<怪しい宿の左利きの女(女性管理人?)>
――変態老人男性の女体偏愛小説? 老人の性を扱った佳編。1999年の
 新潮文庫「人は誰でも年を取る」フェアの一冊にも選ばれています。
 怪しい性風俗店の女主人を「左利き」らしく設定し「怪しさ」を演出
 していると、巻末の三島由紀夫の解説でもそのように解釈しています。
・『眠れる美女』川端 康成/著 新潮文庫(新版) 2024/8/13
(Amazonで見る)

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《(略)女は立って、隣室へ行く戸の鍵をあけた。左利きであるのか
 左手を使った。(略)なんでもないうしろ姿なのだが、江口にはあやし
 いものに見えた。帯の太鼓の模様にあやしい鳥が大きかった。(略)》

 

 ●[参考]「片腕」川端康成

1963.8-1964.1「片腕」川端康成 [参][H]
<男と片腕を交換した若い女性の「右腕」>
『新潮』1963(昭和38)8月~1964(昭和39)1月
――右腕を外して男に貸す娘。男は腕を取り換えて眠り、起きると元に
 戻すが、女の腕は冷たくなって……。『眠れる美女』に併録されている
 ように、こちらは孤独な男の性欲を描いている奇妙な味の一編。
・『眠れる美女』川端 康成/著 新潮文庫 2024/8/13
(著者没後50年、浅田次郎氏の新解説を追加した増補版)
(Amazonで見る)

 

《「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。/そして右腕を
 肩からはずすと、それを左手に持って私の膝の上においた。/
 「ありがとう。」と私は膝を見た。娘の右腕のあたたかさが膝に
 伝わった。》p.135

 

 ●[参考]『流しのしたの骨』江國香織

(1996.7) 『流しのしたの骨』江國香織 [参]
<「左利き」の恋人は便利?>
――三女の「こと子」を語り手に奇妙な家族を描く小説。こと子は、
 ダブル・デートの相手の恋人たちが手を繋ぎながらフォークを使うのを
 見て便利だと思い、以後、食事の際右手を釣って左手を使い始めます。
・『流しのしたの骨』江國香織/著 新潮文庫 1999/9/29
(Amazonで見る)

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《「あなたのお友達は左利きなの?」(略)
 「ほら、あの二人ずっと手をつないでいたでしょう? 
 もともと左利きなのか、それとも彼女と手をつないでいるために
 左手を使っていたのかしらって……」(略)
 「左利きだよ」/私は感心した。恋人が左利きだとすごく便利だ。
 そう感想を述べると、深町直人はわらっていた。》p.10
《「利き腕のことだけど、ことちゃんが練習してみれば? 真面目に
 やれば、フォークくらいきっとすぐ左手で使えるようになるよ」/
 「……そう思う?」/小さな弟は力強くうなずいた。》p.14
《ごはんを食べるときに右手を使ってしまわないように、
 右腕をスカーフで吊ってるの」/
 父は私の右腕をじっとみつめた。母も食べるのをやめている。
 弟だけがお行儀良く食べ続けながら、/「魚、むしってあげるよ」/
 と言った。/「ありがとう」》p.18
《「……なぜ右手を使っちゃまずいんだ?」(略)
 「だって便利でしょう? 両方使えると」/「……」/
 父は少し黙ってそうか、と言うと再び自分の食事にもどる。/
 「かまわないのよ。こと子。私はおもしろいと思うわ、右手を使わずに
 ごはんを食べるのも」/母が言い、そのあとはもう誰もなにも
 言わなかった。》p.19

 

 ●「左きき」伊集院静

(1996.10) 「左きき」伊集院静 (犯?/失踪人)
<姿を消した女の特徴は「左利き」>
――左利きの女性を探してほしいという依頼を受けた「探偵」(?)。

『昨日スケッチ』伊集院 静/著 講談社 1996/10/1
(Amazonで見る)

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・『昨日スケッチ』伊集院 静/著 講談社文庫 1999/11/1
(Amazonで見る)

 

「左きき」 p165-170
《「この女を探してる」(略)「ハワイで知り合った。日本へ一緒に
 戻ってきたら突然、いなくなった」/「名前は?」/「ミチコ……。
 それしかわからん」/「一緒にいて、姓も聞かなかったのか」/「そう
 いう関係だった」/国谷が少し悔むように言った。/私は渡された
 写真の女の顔をじっと見た。Tシャツに短パンツというラフな恰好で、
 ベッドサイドに腰かけて女は笑っていた。特別美人というわけではない
 し、どこかに特徴がある女でもなかった。》

 

 ●『左利きの剣法 本所剣客長屋』押川國秋

(2009.3) 『左利きの剣法 本所剣客長屋』押川國秋 [時代小説](脇)
<左腕一本の剣士>
――敵討ちを果たすべく江戸に出てきた古井虎之助を主人公とする
 時代小説シリーズ第二作、虎之助に右腕を切り落とされて左腕一本で
 剣を振るう剣士二人が登場する。 (ホームページ『左利きを考える 
 レフティやすおの左組通信』「小説で読む左利き」2009.9.13 より)
・『左利きの剣法 本所剣客長屋』押川國秋/著 講談社文庫 2009/3/13
(Amazonで見る)

 

 ●『闇彦』阿刀田 高

(2010.7)『闇彦』阿刀田 高 [H]
『闇彦』新潮社刊
<ホラー/ファンタジー、左利きのお話し上手の血を継ぐ少女>
――海彦、山彦、闇彦という、海の神、山の神、そして夜の神。
 夜の神は、語り部の血を引く一族で、語り手の小学生時代の同級生稲子
 も、語り手もまた、同じストーリーを紡ぐ血筋の仲間だったのか……。
・『闇彦』阿刀田 高/著 新潮文庫 2013/12/24
(Amazonで見る)

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《「ぎっちょでした。だーすけ字が書きにくくて、なんでも覚えてしまう
 んです。お話をたくさん聞かせてくれました」》p.18
《――稲子はどこへ行ったのか――/海の向こうに闇彦の島がある。
 死んだ人が行くらしい。/(略)人知を超えたあやかしの……闇彦の
 しわざかもかもしれない(略)――稲子はそこから来て、そこへ帰って
 行ったのかな――/お話がうまいのは、そのせいかもしれない。
 しばらくは心に残った。》p.24

 

 ●『ドリームバスター』宮部みゆき

(2011.11)『ドリームバスター』宮部みゆき [SF](ヒーロー)
<SFファンタジーの少年ヒーロー、左利きのD.Bシェン>
――悪夢から人をすくいだす、主人公の少年シェンと師匠のマエストロの
 二人のドリームバスター(D.B)の冒険物語。
・『ドリームバスター』宮部みゆき/著 山田 章博/イラスト 徳間書店
2001/11/1
(Amazonで見る)

《(略)話しながら彼が背中を向けたとき、細長くて少し反りのかかった
 刀を、斜めに背負っているのが見えた。(略)
 このタイプの長い刀は、鞘を払うときも、真っ直ぐには抜けない。
 自分の身体を中心に、ちょうど背負い投げをするように、
 斜めに半円を描くようにして抜くのだ。
 だから、右利きなら左肩の後ろに柄が来るように背負う。
 左利きなら右肩に背負う。少年の刀の柄は右肩に来ていた。/
 「君は左利きなんだね」/
 伸吾に問われて、腕組みして歩き回っていた少年は足を止めた。/
 「へえ……最初にそういうことを訊くD・Pは初めてだぜ」》

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」と題して、今回も全文転載紹介です。

2月、3月と月の半ばの号では、こういう<左利きミステリ>について書いてきました。
関心のない方には、無意味な企画かもしれません。
「左利き」のみならず、ミステリや推理小説のトリックやストーリーの一つのテーマと言いますか、モチーフとして使われる小道具の一つとして、関心を持つ方もいるのではないか、と思っています。

そういう面からだけではなく、ひいては「左利き」そのものにも関心を持っていただければ、という気持ちで続けています。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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[コラボ]<左利きミステリ>第7回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第682号

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(まぐまぐ!)

【最新号】

第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」

 

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  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
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<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作」
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*「後編」も見てね! 「後編」はこちらで↓
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』(12:00 配信)

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 今回も先月に引き続き、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その7回目です。

 

【過去のコラボ】1回目から5回目までの詳細は、
↓ の第6回(前編)からご覧下さい。

■6回目――

(前編)
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.15
[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(前)新規発見作
-週刊ヒッキイ第680号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-d8dc24.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/04302ce47c2cbca53937e7490e74f91e

(後編)
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2025(令和6)年2月15日号(vol.18 no.2/No.382)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.15
[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(後)再発掘作-楽しい読書382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ebac165aacd639b4e357741dc40953b6

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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介

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 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<国内編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

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*(新たに表示記号の追加・変更があります)

 1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 (フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編 
 エミール・ガボリオ:作者名 
 [シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
 ・特記事項
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
 [傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
 [参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表

 (探):左利きの探偵/探偵役
 (被):左利きの被害者
 (犯):左利きの犯人
 (容):左利きの容疑者
 (他):左利きのその他の事件関係者
 (脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
    ([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

 

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<左利きミステリ>:<国内編> 新規発見作紹介

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(新たに見つけた<左利きミステリ>)
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 ●「血の文字」黒岩涙香

(1892)「血の文字」黒岩涙香 (被)
<左利きの被害者による左手のダイイングメッセージ>
――エミール・ガボリオ「バティニョールの老人」の翻案小説。
1892(明治25)年8月刊、小説集『綾にしき』収録
・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
 創元推理文庫 1984/12/22
(Amazonで見る)

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《「...あの老人が左得手(えて)で、筆を持つのは左手だと云う事を
 御存じないと見えますな」》p.107

(参考) 1870 (フランス)(被)
「バティニョールの老人」エミール・ガボリオ
<左利きの被害者、左手のダイイング・メッセージ>
「ル・プチ・ジュルナル」(フランス四大日刊紙)1870年7月8日~19日連載
――自分の血で書いた犯人の名と思われるダイイング・メッセージ。
 左手の指に血が付いていたので、予審判事も警察署長も、犯人が誤って
 左手に血を付けて偽装したと判断し、犯人逮捕に辿り着くが……。
・『世界推理短編傑作集6』戸川安宣/編 太田浩一/訳 2022/2/19
(Amazonで見る)

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《右手は汚れていない……べっとりと血にまみれていたのは、
 左手の人差指だった。/では、老人は左手で血の文字をかいたのか……
 そんなばかな……》p.36(太田浩一/訳)
《「...おまえが血に浸したのは、死体の左手だったんだよ……」》
《「ビゴローの親父はもともと左利きだったんだよ!」》p.99

 

 ●「琥珀のパイプ」甲賀三郎

1924「琥珀のパイプ」甲賀三郎 (犯)(被)
<左利きの犯人、左利きの被害者>
『新青年』1924(大正13)年6月
――3つの事件の錯綜を解くと、左利きと右利きの犯人がいたとが判明。
・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
 創元推理文庫 1984/12/22
(Amazonで見る)

 

《二人を殺した奴は別だと云うのです。二人とも同じ凶器でやられて
 います。そうして二人とも確かに左肺をやられています。然し一人は
 前からで、一人は後(うしろ)からです。(略)どれも一文字に引いて
 あるのは、左から右に通っています。(略)」》
《「林檎の皮を御覧でしたか、皮は可成りつながっていましたが、左巻き
 ですよ。林檎を剥いたのが左利き、襖を突いたのが右利き、女を刺した
 のが左利き、然し男を殺したのは右利きです」》

 

 ●[参考]「左ぎっちょの正(まさ)ちゃん」小川未明

(1935)「左ぎっちょの正(まさ)ちゃん」小川未明 [参]児童文学
<“左ぎっちょ”の正ちゃんは、不器用!?な左利き>
昭和10年5月『小豚の旅』四条書房 収録
――箸は左、まり投げも左、でも字は右手。最初は左だったけれど、
 お母さんの言葉で右に。でもお父さんは「しぜんのままに」で、
 学校で字を書くときは右、お弁当や家でご飯を食べるときは左。
 まりを投げるのは左で、左ピッチャー。でも“不器用”な正ちゃん。
 “不器用”な例として作者は、近所の小さい子をあつめて“大将”に
 なった彼が、小さい子に頼まれ、じゅず玉を作りますが、思うように
 できず、待ちきれぬ子供たちは紙芝居を見に行ってしまいます。でも、
 頑張って一つ作りあげた彼は、次はもっとうまく作れると思いました。
 挿絵を見ますと、右手で針を持ち、じゅず玉に糸を通そうとしている
 のですが、これでは“不器用”なのも仕方ない気がします。
 昔のお話ですので、現代の眼で見ますと、色々と問題があると思われ
 ますが、その時代の風潮、左利きへの理解度、容認度というものを知る
 資料としてお読み頂きたいものです。
・『定本 小川未明童話全集10』小川 未明 講談社 1977/8/1
(Amazonで見る)

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 《正ちゃんは、左ぎっちょで、はしを持つにも左手です。まりを投げる
 のにも、右手でなくて左手です。/「正ちゃんは、左ピッチャーだね。
 」と、みんなにいわれました。けれど、学校のお習字は、どうしても
 右手でなくてはいけませんので、お習字のときは妙な手つきをして、
 筆を持ちました。最初、鉛筆も左手でしたが、字の形が変になって
 しまうので、これも右手に持つ癖をつけたのです。/お母さんは、
 困ってしまいました。/「はやく、右手で持つ癖をつけなければ。」
 と、ご飯のときに、とりわけやかましくいわれました。すると、
 お父さんが、/「左ききを無理に右ききに直すと、盲(めくら)になる
 とか、頭が悪くなるとか、新聞に書いてあったよ。だから、自然のまま
 にしたおいたほうがいいのじゃないか。」と、おっしゃいました。》

 

 ●「虚像」大下 宇陀児

1955(1956年)「虚像」大下 宇陀児 (容)
<左利きの犯人/左利きの容疑者/鏡のなかの動き>
『サンデー毎日』昭和30年8月7日~12月17日号連載
『虚像』大下 宇陀児/著‎ 毎日新聞社 1956/1/1
――主人公が鏡のなかに見た、ぶきっちょな動きの犯人像の正体は……。
・『日本探偵小説全集3 大下 宇陀児 角田 喜久雄集』創元推理文庫
1985/7/26
(Amazonで見る)

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《(略)鏡の中で見ていたのである。(略)その短刀を握る手つきが、
 どうしてだか、ぶきっちょな、不自然な形に見えた。これはまことに
 重大なことである。》p.198
《問題は、手だった。/釘をうつのに右の手で釘をおさえている。
 だから、金槌のほうは、左の手へ握っているのであった。》p.286
《「うん、どうもね、子供の時分から、癖がついちまったのだ。生爪を
 はがしたことがあって、それから左ギッチョになったのさ」(略)
 「なおせって言われた。みっともないってね。だから、字を書くの
 なんか右手になった。でも、ピンポンしたり、力仕事するとなると、
 やっぱり左手のほうがいいんだな。(略)」》

 

 ●[参考]「左利きの独裁者――東条英機の悲劇」有馬頼義

(1971/昭和46)「左利きの独裁者――東条英機の悲劇」有馬頼義 (犯)
――<左利きゆえに、左手で持った拳銃では心臓を撃てず、右手で失敗>
(初出)『小説昭和事件史3』有馬頼義/著 三笠書房 1971/1/1
・『時代小説大全集6 小説人物日本史 昭和』新潮社/編 新潮文庫
1991/9/1
(Amazonで見る)

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《(略)胸をあけた。そこに、墨の丸があった。東條は左利きであった。
 左手に拳銃を持ち、これを自分の左の胸に向けて、ひきがねを引くこと
 の困難さに、気付いたのだ。しかし、時間がなかった。東條は、思い
 きって拳銃を右手に持ちかえ、ひきがねを引いた。あとのことは、
 覚えていない。東條は、失敗した。その失敗は、軍人としての東條が、
 過去においておかしたあやまちにくらべて、大きすぎただろうか。
 問題にならないほど小さな失敗だっただろうか。》p.107

 

 ●「左利きの月」阿藤玲

(2017)「左利きの月」阿藤玲 (容)?
<恋愛ミステリ? 双子のミラー・ツインズ(兄右利きと弟左利き)の
 兄弟の謎>
――去年のクリスマス・イブに告白した相手はどっちだったのか、
 恋人同士風の写真の人はどっちだったのか、といった謎?を解く。
 登場人物が多く、一度読んだだけでは分かりづらいところがあり、
 ネタが面白いだけに、ちょっと残念な気がします。
・『お人好しの放課後 御出学園帰宅部の冒険』阿藤 玲/著
創元推理文庫 2017/8/31
(Amazonで見る)

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《「こうして見ると、本当に鏡に映っているみたいだ。ミラーツインズ
 だっけ」/朔さんは右利き、望さんは左利き、一卵性でも利き手が
 異なる双子をミラーツインズという。二人は鉛筆を持つ手も、さよなら
 と振る手も、左右対称にシンクロしていた。だからおれたちは、二人が
 一緒に居るとき、わざと名字で呼びかけたものだ。同じタイミングで
 手を振るのが見たくて。》p.111

 

 ●[参考]『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸

(2020)『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 [参]書き方本
「第一章 そもそも「ミステリ」ってそんなもの?」
<「伏線を張るとは?」の例―「左利き」の場合>
――編集者の手になる、本格謎解きミステリ系のミステリ創作の入門書。
・『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 新潮新書 2020/12/17
(Amazonで見る)

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《例えば、犯人を限定する要素が「左利き」であったとする。
 だとしたら、解決までの過程で、その人物が左利きである、と分かる
 記述がどこかになければならない。なにも、「○×は左利きだった」と
 書く必要はなく、左手で箸を使うとか、右利き用の道具を使いにくそう
 にしているとか、そういったことでいい。それらは複数用意しておく。
 毎回違った見え方――スプーン、筆記用具、ハサミの使い方――
 にして、出現頻度に偏りが出ないよう、物語全体にバランス良く配置す
 る。伏線すべてをちゃんと覚えていてくれるほど読者は親切ではない
 し、そこまで記憶力も期待してはいけない。》p.19

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」と題して、今回は全紹介です。

前回のこの記事でも書きましたが、興味の無い人には、ただのゴミ情報かもしれませんね。
しかし、左利きという性質を知っていただくために、役に立つものでもあると考えています。
その時その時の小説家の持っている、持っていた「左利き像」というものが垣間見れるのではないか、と考えています。
それが正しい情報であるかどうかは、それぞれの読者のみなさまがご判断していただければ、と思います。

これらの情報を一人でも楽しんで下さる方がいればいいかな、と思っています。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.02.28

私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編『エクトール・セルヴァダック』ヴェルヌ-楽しい読書383号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号】 

2025(令和6)年2月28日号(vol.18 no.2/No.383)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編
『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年2月28日号(vol.18 no.2/No.383)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編
『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ」
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 2月も終わりますが、昨年2024年の私の年間ベスト3を紹介する
 〈フィクション系〉の2回目、初読編です。

 〈フィクション系〉は、小説や詩などの創作ものです。

 昨年読んだ本は、全部で60冊まで届かず、
 フィクション系も、再読を含めてなんとか40冊程度。

 そのうち初読は、25冊程度。

 その中から、<フィクション系>の初読編ベスト3を――。

 

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 - 今年はジュール・ヴェルヌ没後120年 -

  ~ 私の年間ベスト3・2024フィクション系(後編) ~

  2024年フィクション系<初読編ベスト3>
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 ●<初読編ベスト3>候補――メルマガ用の本から

まずは、メルマガ用に読んだ本の中から、
これは良かったという本を上げてみましょう。

 

◎<左利きミステリ>から

・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎』」
創元推理文庫 1984/12/22
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――黒岩涙香の翻案小説「血の文字」は、フランスのガボリオの
 <左利きミステリ>「バティニョールの老人」が元となった短編。
 甲賀三郎の「琥珀のパイプ」も<左利きミステリ>でした。

 

◎2024年岩波文庫フェアの作家<ディーノ・ブッツァーティ>から

・『神を見た犬』ディーノ・ブッツァーティ 関口 英子/訳
光文社古典新訳文庫 2007/4/12
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――『タタール人の砂漠』の参考として読んだ短編集でしたが、
 いくつか印象に残る作品がありました。
 そのうちのひとつ「七階」は、色々調べてみましたところ、

『謎の物語』紀田 順一郎/編 ちくま文庫 2012/2/1
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 の一編でした。
 他に、「コロンブレ」や表題作「神を見た犬」「天国からの脱落」
 「驕らぬ心」「戦艦《死(トート)》」など、一読の価値ありでしょう。

 

◎「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から

・『博士の愛した数式』小川洋子 新潮文庫 2005/11/26
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――このフェアで選んだ三作のなかでは、これが一番でしょうか。
 いわゆる「奇蹟」がストーリー内で起きていない、
 といえばそうですが、奇跡的な出会いの物語でした。


 ●<初読編ベスト3>候補――短編集から

・『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳
新潮文庫 2024.5.29
(Amazonで見る)

 

――一部の短編は、加島祥造さんの訳で昔読んでいるのですが、
 改めて読んでも楽しい作品ばかりでした。一見軽い小説に見えますが、
 人生を考えさせる一面もあり、人情ものという言い方もできます。

 

・『クイーンの定員I 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/5/1
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・『クイーンの定員II 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/6/1
(Amazonで見る)

・『クイーンの定員III 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/9/1
(Amazonで見る)

――エラリー・クイーン選の海外の短編ミステリ史を改めてお勉強。
 上のラニアンの短編集もその一冊として紹介されています。
 おしまいの方の短編集のいくつかは、
 私のリアルと一致している部分があり、懐かしいものがありました。

 

【エドワード・D・ホック】

・『怪盗ニック全仕事2』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
創元推理文庫 2015/8/29
(Amazonで見る)

・『怪盗ニック全仕事3』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
創元推理文庫 2016/6/22
(Amazonで見る)

――その昔、雑誌『ミステリマガジン』やハヤカワ・ミステリ等で
 親しんでいた、好みのキャラクターの一人。軽い娯楽小説で、
 今読んでも楽しめます。続けて読んでいるとちょっとマンネリっぽく
 感じることもあります。しかし、一作ずつ工夫が凝らしてあり、
 雑誌掲載時、人気シリーズだったことが実感できます。カバー絵には、
 それぞれの作品での盗品が散りばめられていて、これを探すのも
 楽しみの一つでしょうね。

 

・『ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集』
ロバート・アーサー/著 小林 晋/訳 扶桑社 海外文庫 2023/7/2
(Amazonで見る)
――アンソロジーで読んだ名品「マニング氏の金の木」「ガラスの橋」
 他、「極悪と老嬢」や「非常な男」といったおもしろい作品も収録。

 

・『歌うダイアモンド』ヘレン・マクロイ/著 好野 理恵ほか/訳
創元推理文庫 2015/2/27
(Amazonで見る)

――別れた夫ブレッド・ハリデーによる序文がいい。
 ベイジル・ウィリング博士ものの長編の原型「鏡もて見るごとく」や
 表題作「歌うダイアモンド」等のミステリ意外にSFも含めた短編集。

 

・『おもいでエマノン』梶尾 真治/著 鶴田 謙二/イラスト
徳間デュアル文庫 2000/9/1
(Amazonで見る)

 

――表題作は<エマノン>シリーズの第一作で、
 SF短編のオールタイム・ベストでも上位に上がる名編です。
 鶴田さんのイラストとともに、気になる一編といっていいでしょう。

 

 ●<初読編ベスト3>候補――長編から

【ジュール・ヴェルヌ】

・『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ/著 石橋正孝/訳
インスクリプト ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2023/4/21
(Amazonで見る)

――小彗星の接近という天変地異により、地球から小惑星側に移動した
 人々の冒険というヴェルヌには珍しい宇宙ものの冒険物語。

・『ハテラス船長の航海と冒険』ジュール・ヴェルヌ/著 荒原邦博/訳
インスクリプト ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2021/6/30
(Amazonで見る)

――地理的冒険の時代の小説で、当時はまだ人類未踏の地であった、
 北極点を目指す狂的なハテラス船長に率いられた人々の冒険を描く。

 

・『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ 2013/12/6

――小惑星衝突が不可避という極限の状況の中でも職務に励む新人刑事の
 真摯な姿が読ませます。
 《私は、あたえられた務めをきちんと果たそうとする人間が好きだ。》
 《私は警察官だ。ずっとなりたいと思っていた。》
 夜勤専門のパトロール警官だったときも、
 《すごく楽しかった。去年の夏でさえも楽しかった。
  とんでもないことが起きて、時代が変わり、そして秋になって、
  仕事がどんどんやりにくくなり、どんどん訳もわからなくなって
  いっても、やっぱり大好きだった。》
 残された時間を自分のために使うために職場を離れる人々がでるなか、
 欠員補充で刑事に昇格したのですが、
 タイミングが悪かったのか運が悪かったのか、失望感を味わっていた。
 そんなとき、殺人事件が起き、期待に胸を躍らせる……。
 《そしていま、今日、ここでついに、(略)なんとまあ、
  これがそうかもしれないと考えている。ついに出会えたかも。》

 

(文庫版)『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2016/6/9
(Amazonで見る)

 

・『受験生は謎解きに向かない』ホリー・ジャクソン/著 服部 京子/訳
創元推理文庫 2024/1/11
――日本でも好評だった<女子高生ピップ>シリーズ三部作の主人公の
 前日譚。架空の殺人事件の犯人当てゲームを描く小品(中編)ですが、
 いかにもな高校生ピップらしさと、第一作の人物がチラッと登場する
 ラストが読みどころで、三部作の読者なら十分楽しめるでしょう。
(Amazonで見る)

 

 ●2024年フィクション系<初読編べスト3>

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   【2024年フィクション系<初読編べスト3>】

  (1)『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ/著
    石橋正孝/訳 インスクリプト ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉
    コレクション 2023/4/21
(Amazonで見る)

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  (2)『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ 2013/12/6
(文庫版)『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2016/6/9
(Amazonで見る)

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  (3)『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳
新潮文庫 2024.5.29
『ガイズ&ドールズ』(Amazonで見る)

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 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

(3)は、その一部をかつて読んだ、という名短編を含む新訳短編集。
昔なじみといった感じで、特別な感情が入っているかもしれませんね。

(1)は、中学生時代から私の大好きな作家である、ジュール・ヴェルヌの
貴重な、宇宙版の<ロビンソン>ものの長編冒険小説といった印象。
結末が本となったものはヴェルヌのものではなく、編集者である
エッツェルによるもので、ヴェルヌが認めたものだといいます。

(2)は、上のヴェルヌの長編同様、来たるべき彗星の衝突という終末を
背景に描く、人々の生き方に関わる小説で、読み応えがありました。
続刊が二冊あり、それを読むのも楽しみです。

ヴェルヌの作品も、ヴェルヌの結末を採用しますと、地球環境の破壊に
伴う、文明社会の崩壊なども当然起こり、その後の物語をあれこれと
想像してしまいます。
ひょっとすると、そういう続きの物語もあったのかもしれません。

奔放なイマジネーションで読ませる冒険物語『地底旅行』の作家、
ヴェルヌのイマジネーションをもってすれば、こういう結末もありか、
という気がします。

それに対して、夢オチのようにまとめる編集者エッツェルの結末は、
無難ではありますが、ある意味で軽いとも言える結末です。
小説としてまとめる意味では、
それはそれでいいのかもしれませんけれど……。

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本誌では、「私の読書論194?-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ」と題して、今回も全文転載紹介です。

今回は、全文紹介です。

特に理由はありませんけれど、ときどきこういう風に、メルマガ内容を公開することで、メルマガの宣伝をしてみようということです。
宣伝になればいいのですが。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.02.15

[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(後)再発掘作-楽しい読書382号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号】

2025(令和6)年2月15日号(vol.18 no.2/No.382)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年2月15日号(vol.18 no.2/No.382)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作」
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第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」
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*「前編」も見てね! 「前編」はこちらで↓
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(9:40 配信)

登録はこちら↓
https://www.mag2.com/m/0000171874.html

または、『レフティやすおのお茶でっせ』のサイドバーで!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/

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 今回は、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その6回目です。

 過去五回のコラボ内容は、(前編)をご参照下さい。

 

 本来なら6回目は、<海外編>「1930年代<探偵小説黄金時代>以降」
 をお送りするところでしたが、今回は、(前編)で新規発見作を、
(後編)では、再発掘作を紹介します。

 

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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第6回 海外編
(前編)新規発見作紹介

 × × × × × × × × × × × × × × × ×

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第6回 海外編
(後編)再発掘作紹介

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<海外編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

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*(新たに表示記号の追加・変更があります)

 1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 (フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編 
 エミール・ガボリオ:作者名 
 [シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
 ・特記事項
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
 [傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
 [参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
------------------------------------------------------------------

<左利きミステリ>の登場人物・分類表

 (探):左利きの探偵/探偵役
 (被):左利きの被害者
 (犯):左利きの犯人
 (容):左利きの容疑者
 (他):左利きのその他の事件関係者
 (脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
    ([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>:<海外編> 再発掘作紹介

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
(再発掘/リスト漏れ<左利きミステリ>)
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 ●『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー

(1880) (ロシア)[参]
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
<左利きの少年の肩掛け鞄の掛け方>
――「左利き」という言葉も、翻訳の時代により変化するのがわかる
初出:『ロシア報知』1879年1月号-12月号、1880年1月号-11月号
・『カラマーゾフの兄弟(上)』ドストエフスキー/著 原卓也/訳
新潮文庫 1978/7/20
(Amazonで見る)

《「僕が君みたいな鞄をさげていたころには、右手ですぐ出せるように、
 鞄を左側にさげていたもんだよ。君は鞄を右側にさげてるけど、
 それじゃ出しにくいだろ」 [...]
 「だって、そいつは左ぎっちょだもの」 [...]
 「石を投げるのも、ぎっちょだよ」...》p.434
   「第二部/第四編 病的な興奮/三 中学生たちとの結びつき」
・『カラマーゾフの兄弟(2)』ドストエフスキー/著 亀井郁夫/訳
光文社古典新訳文庫 2006/11/9
(Amazonで見る)

《「君たちとおんなじようなカバンをぶらさげていたころ、ぼくらは
 左から右にかけていたもんさ。右手ですぐに取り出せるようにね。
 でも、君は右から左にカバンをかけているんだね。
 それって取り出しにくくない?」 [...]
 「だって、こいつ左利きだもん」 [...]
 「石を投げるのも左なんだ」 ...》p.48
   「第2部/第4編 錯乱/3 小学生たちと知り合った」
・『ドストエフスキーII』(前半)ドストエフスキー/著 小沼文彦/訳
筑摩世界文学全集39 1974/1/1
(Amazonで見る)

《「僕が君たちと同じようにカバンをさげてたころには、みんなカバンを
 左側にくるようにかけてたもんだがねえ、右手ですぐに本がだせるから
 ね。ところが君は右側にくるようにかけているけど、それでうまく本が
 だせるかねえ」 [...]
 「だってこいつ左ききなんだよ」 [...]
 「こいつは石を投げるんでも左なんだ」 ...》p.162
   「第二部/第四編 感情の激発/三 小学生と近づきに」

 

*参照:第176号(No.176) 2009/4/18「名作の中の左利き(1)
『カラマーゾフの兄弟』」

 

 

 ●『キャッチャー・イン・ザ・ライ』J・D・サリンジャー

(1951) (アメリカ)[参]
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』J・D・サリンジャー
<赤毛の左利きのキャッチャー(?)、主人公の弟アリー>
――野球のミットといいますと、ファースト・ミットかキャッチャー・
 ミットということになりますが……。野崎孝訳では「ぎっちょ」。
 《弟は正真正銘の赤毛なんだ》という表記もあります。
"The Catcher in the Rye"
・『ライ麦畑でつかまえて』J・D・サリンジャー/著 野崎孝/訳
 白水社 1964 
(白水Uブックス 51 1984/5/20)
(Amazonで見る)

・『キャッチャー・イン・ザ・ライ』J・D・サリンジャー/著
 村上春樹/訳 白水社 2003/4/11
(Amazonで見る)

《... 僕は弟のアリーの野球ミットについて書くことにした。
 そのミットは描写的な文章にまさにうってつけなんだ。
 冗談抜きでさ。弟のアリーは左利き野手用のミットを持っていた。
 つまり弟は左利きだったんだよ。...》p.65-66(5章)

 

*参照:第216号(No.216) 2010/6/19「名作の中の左利き(7)
サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』」

 

 ●『朗読者』ベルンハルト・シュリンク

(1995) (ドイツ)[参][傍]
『朗読者』ベルンハルト・シュリンク
――たとえとして「左利き」を恥じる被告がいたら……
・『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著 松永美穂/訳 新潮文庫
2003/5/28
(Amazonで見る) 《... 考えてごらん、誰かが自分の意志で破滅しようとしている。
 そしてそれを救える手だてがあるとしたら、きみはやってみるかい?
... 裁判の場面を思い浮かべてごらんよ、左利きだということを告白
 しない限り、有罪になってしまう被告がいる。犯行は右手による
 もので、左利きならその犯行はあり得ない。しかし彼は左利きだという
ことを恥じている。君は裁判官に、何がどうなっているかを言うかい?
... 左利きやホモを恥じるべきかどうかという話じゃないんだ。
 被告が恥ずかしがっているということが問題なんだ。》p.159-160

*参照:第192号(No.192) 2009/8/8「名作の中の左利き ―その5―
 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著」

 

 

 ●『死因』パトリシア・コーンウェル

(1996) (アメリカ)(探)
『死因』パトリシア・コーンウェル [検屍官ケイ・スカーペッタ]
<左利きの探偵>(スカーペッタが左利きと分かるシーンがある作品)
――狭いことで有名だった超音速機コンコルドの機内でのシーン。
 原書名"Cause of Death"
・『死因』パトリシア・コーンウェル 相原真理子/訳 講談社文庫
 1996年12月5日
(Amazonで見る)

《(コンコルド機内で)「それじゃ、その問題は解決したわけだな」
 アスパラをつっついている私のほうへ身を寄せながら、ウェズリーが
 話を再開した。/「その問題って?」私はフォークを置いた。
 左利きなので、彼が邪魔なのだ。/「わかってるだろう。私たちが
 すべきことと、してはいけないことだ」ウェズリーの腕が私の胸に
 ふれた。...》pp.394-395

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(参考)『検屍官研究』和田 奈津子 (編集) ワニブックス (1999/12)
(Amazonで見る)

 

 ●『バルザックと小さな中国のお針子』ダイ・シージエ

(2000) (フランス/中国)[外]
『バルザックと小さな中国のお針子』ダイ・シージエ
<左右逆転世界>映画スクリーンを裏から見ると、誰もが左利きだった
――フランス在住の中国人映画監督がフランス語で書きフランスで出版
・『バルザックと小さな中国のお針子』ダイ・シージエ/著 新島 進/訳
ハヤカワepi文庫 2007/3/8
(Amazonで見る)

《... 町に着いたときには映画の上映はすでにはじまっていて、僕たちは
 スクリーンの裏で立ち見をするしかなかった。その場所ではすべてが
 逆さまで、誰もが左利きだった。それでも彼女は、この珍しい催しもの
 を見逃したくはなかった。...》p.100(第2章)

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*参照:第242号(No.242) 2010/12/18「名作の中の左利き(11)
『バルザックと小さな中国のお針子』他」

 

 ●『埋葬』リンダ・フェアスタイン

(2004) (アメリカ)(参考) 
『埋葬』リンダ・フェアスタイン [女性検事補アレックス・クーパー]
<右利きの犯人の特徴が説明される> 
――“ポーの家”の壁に生きながら塗り込められた白骨死体。
 《主人公、性犯罪訴追課長アレックスもまた生き埋めの恐怖に…。》
・『埋葬』リンダ・フェアスタイン 平井 イサク/訳 
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2006/12/1
(Amazonで見る)

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 ●『ヒックとドラゴン<3>天牢の女海賊』クレシッダ・コーウェル

(2005) (イギリス)[参][F]
『ヒックとドラゴン<3>天牢の女海賊』クレシッダ・コーウェル
<左利きのバイキング・ヒーロー>(児童書)
――左利きで赤毛で、12歳にもならない、見た目は平凡な少年だが、
 北欧の海賊、バイキングのモジャモジャ族のカシラの息子
"How to Train Your Dragon"シリーズ3 (Cressida Cowell)
How to Speak Dragonese
(作者/ヒック・ホレンダス・ハドック三世、
 古ノルド語訳/クレシッダ・コーウェル 
 日本語共訳/相良倫子・陶浪亜希 小峰書店(2010.1)
・『ヒックとドラゴン<3>天牢の女海賊』クレシッダ・コーウェル
 相良倫子・陶浪亜希/共訳 小峰書店 2010/1/26
(Amazonで見る)

《ヒックは、昨年、自分が左ききだということに気づいた。それ以来、
 自分には剣術の才能があることがわかった。実際、海賊訓練プログラム
 のなかで、ただひとつ得意な科目が剣術だ。オイキッシュや
 ドッグブレスでさえ、いともかんたんに倒すことができる。
 モジャモジャ族一の剣士、ゴームレスから特別に手ほどきを受けている
 ほどだった。》p.137「11 女海賊」

250215-dragon3

250215-dragon3-h

*参照:第251号(No.251) 2011/2/19「名作の中の左利き(12)
『ヒックとドラゴン<3>天牢の女海賊』と赤毛」

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作紹介」と題して、今回は全紹介です。

午前中発行の「週刊ヒッキイ」の(前編)では、新規に発見した外外作品の<左利きミステリ>を紹介しました。
弊誌『楽しい読書』のほうでは、以前に紹介していましたが、最近の[コラボ]でのリストに上げるのを忘れていた作品――中には参考作品も多いのですけれど――を紹介しています。

<左利きミステリ>自体、興味の無い人には、ただのゴミかもしれません。
でもね、一人でも楽しんで下さる方がいればいいか、と思ってやっています。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第680号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!) 【最新号・告知】

第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」

 

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  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
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<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年2月15日号(vol.18 no.2/No.382)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作」
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*「後編」も見てね! 「後編」はこちらで↓
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』(12:00 配信)

登録はこちら↓
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または、『レフティやすおのお茶でっせ』のサイドバーで!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/

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 今回は、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その6回目です。

【過去のコラボ】

■1回目――

ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで
 年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
 左利きに関する記述の該当箇所
などの情報を紹介した、まとめ編でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2020.8.15
・ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
・ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

 

■2回目――

「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを
 年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)
をリスト化して紹介しました。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2021.5.15
・私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

 

■3回目――

【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」

【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2022.10.15
・<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
左利きミステリ~-週刊ヒッキイ第628号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-39e67a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ad9796a23bf53cf6eb0e80182a9d7b6a

・<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
私の自作左利きミステリ-「楽しい読書」第328号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-1a4b2b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/03236262a34a6ee2e03b42bff06e3267

 

■4回目――

<左利きミステリ>の国内編――国内ミステリのリスト紹介でした。

前半=『週刊ヒッキイ』版は、1948年「アンゴウ」坂口安吾 から、
(1997年)『三月は深き紅の淵を』「第二章 出雲夜想曲」恩田陸 まで。
後半=『楽しい読書』版は、2003年「書肆に潜むもの」井上雅彦 から、
(2019年3月)『レフトハンド・ブラザーフッド』知念実希人 までを紹介。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
・第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」

【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.4.15
・私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-d5c13e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/131b4f7933014dcedf057c75702ff28e

・私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-5b4e1e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d0e3f19af79760633cbcc87cac454f96

 

■5回目――

<左利きミステリ>の海外編――海外ミステリのリスト紹介でした。
(前編)「<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」
(後編)「<ホームズ以後>19世紀末以降」

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
・第666号(Vol.20 no.11/No.666) 2024/6/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論185-<左利きミステリ>第5回 海外編
(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2024(令和6)年6月15日号(vol.17 no.11/No.368)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論186-<左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降」

【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.15
・[コラボ]私の読書論185-<左利きミステリ>
第5回海外編(前)ホームズ以前-週刊ヒッキイ第666号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-d87703.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d7779b9ff44e6ebb34960bcf9883dd82

・[コラボ]私の読書論186-<左利きミステリ>
第5回海外編(後)ホームズ以後--楽しい読書368号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-47adad.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3f2d372ae2e8a3073e2e853317ca3c76
15:52 2024/06/20

 

 本来なら6回目は、<海外編>「1930年代<探偵小説黄金時代>以降」
 をお送りするところでしたが、今回は、(前編)で新規発見作を、
 (後編)では、再発掘作を紹介します。

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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第6回 海外編
(前編)新規発見作紹介

 × × × × × × × × × × × × × × × ×

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第6回 海外編
(後編)再発掘作紹介

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<海外編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

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*(新たに表示記号の追加・変更があります)

 1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 (フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編 
 エミール・ガボリオ:作者名 
 [シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
 ・特記事項
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
 [傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
 [参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
------------------------------------------------------------------

<左利きミステリ>の登場人物・分類表

 (探):左利きの探偵/探偵役
 (被):左利きの被害者
 (犯):左利きの犯人
 (容):左利きの容疑者
 (他):左利きのその他の事件関係者
 (脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
    ([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>:<海外編> 新規発見作紹介

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
(新たに見つけた<左利きミステリ>)
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

 

 ●「ヨアブ(失脚した将軍)によるアマサ将軍殺し」

不明 (イスラエル)[参](犯)
『旧訳聖書』「サムエル記 下 20章8-10」
「ヨアブ(失脚した将軍)によるアマサ将軍殺し」<左手に剣>
――右手で顎を持ち剣で刺した、という記述から左手に持った剣で、
という解釈。
(情報源)『左利きの歴史 ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
 ピエール=ミシェル・ベルトラン 久保田剛史/訳 白水社 2024
「第一部 正しい手と邪悪な手/第2章右手主導の規則/
 宗教的先入観」(p.29-30)による
・『文語訳 旧約聖書II 歴史』岩波文庫 2015/8/18
「サムエル記後書」20.8-10(p.253)
(Amazonで見る)

 

《9(略)右の手をもてアマサの鬚を将(とらへ)て彼に接吻せんとせしが
 10アマサはヨアブの手にある劒(かたな)に意(こころ)を留(とど)め
 ざりければヨアブ其(それ)をもてアマサの腹に刺して其腸(はらわた)
 を地に流しいだし重ねて撃つに及ばざらしめて之を殺せり》p.253

Lh-bungoyaku-kyuuyakuseisho-rekisi

 

 ●「バティニョールの老人」エミール・ガボリオ

1870 (フランス)(被)
「バティニョールの老人」エミール・ガボリオ
<左利きの被害者、左手のダイイング・メッセージ>
「ル・プチ・ジュルナル」(フランス四大日刊紙)1870年7月8日~19日連載
――自分の血で書いた犯人の名と思われるダイイング・メッセージ。
 左手の指に血が付いていたので、予審判事も警察署長も、犯人が誤って
 左手に血を付けて偽装したと判断し、犯人逮捕に辿り着くが……。
・『世界推理短編傑作集6』戸川安宣/編 太田浩一/訳 2022/2/19
(Amazonで見る)

《右手は汚れていない……べっとりと血にまみれていたのは、
 左手の人差指だった。/では、老人は左手で血の文字をかいたのか……
 そんなばかな……》p.36(太田浩一/訳)
《「...おまえが血に浸したのは、死体の左手だったんだよ……」》
《「ビゴローの親父はもともと左利きだったんだよ!」》p.99

250215-sekaisuiri-6

(参考) 1892(明治25)年「血の文字」黒岩涙香 (被)▲
――エミール・ガボリオ「バティニョールの老人」の翻案小説。
1892(明治25)年8月刊、小説集『綾にしき』収録
『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
創元推理文庫 1984/12/22
(Amazonで見る)

《「...あの老人が左得手(えて)で、筆を持つのは左手だと云う事を
 御存じないと見えますな」》p.107

 

 

 ●「真っ暗な通気熟成所の謎」エドワード・D・ホック

1987 (アメリカ)(犯) 
「真っ暗な通気熟成所の謎」エドワード・D・ホック
[アメリカ東部の町ノースモントの田舎医者サム・ホーソーン]
<左利きの犯人、世の中に少数いる両手利きの男>
・『サム・ホーソーンの事件簿III』木村二郎/訳 創元推理文庫
2004/9/10
(Amazonで見る)

《「犯人はジェニングズの背後に立っていて、彼の左肩のうしろから手を
 前に出すと、刃を素早く右から左へ引いて、彼の喉を掻っ切ったんだ。
 ...つまり犯人は左利きだということだ」》p.306
《「世の中には両手利きの人間が少数いて、両手を同じように使える。
 ...その確かな証拠がある。...右手を切ったんだよ、保安官。つまり、
 左手で斧を振っていたわけだ――ジェニングズの喉を掻っ切ったのに
 使ったのと同じ手でね」》p.314

250215-sam-hawthorne3

 

 ●「鞠球奇案・撃鞠(ポロ)篇」遠寧

2010 (中国)(容)
「鞠球奇案・撃鞠(ポロ)篇」遠寧(ユェン ニン)[ディー判事]
<左利きの容疑者>―犯人の<左打ち>偽装
――罪を着せたい相手が有名な<左手杖(左打ち)>の競技者だった
・『ミステリマガジン』2024年3月号(763) 2024/1/25
 <特集:繚乱たる華文ミステリ> 山田俊/訳
(Amazonで見る)

《「傷は左後頭部にある。誰かに後ろから襲われたようだ。後頭部の
 傷口は三日月形で、左側の方が深く、右側が浅い。左手で殴打した
 ものだろう」/「犯人は左利きということですか? ...」》p.38
《「...王大人は有名な<左手杖(左打ち)>ですから、昨夜、閣下が
 左利きを口にされた時、学生(わたし)が最初に思い当たったのは
 彼でした。...」》p.45

250215-maridama

 

 ●「ジュピターの遺言」宇文 宙

2018 (中国)(外)
「ジュピターの遺言」宇文 宙
<ピアニストの左手のダイイング・メッセージ>
――右手のダイイング・メッセージは犯人に消されると思い、左手の
 ダイイング・メッセージを残した
・『ミステリマガジン』2023年9月号(760) 2023/7/25
 <華文招待席 第12席> 阿井幸作/訳
(Amazonで見る)

《「陳教授は最後の力を振り絞って、右手で鍵盤に犯人の目を欺く血痕を
 付着させるとともに、きれいな左手で棚板に透明なダイイング・
 メッセージを書いたんです。これこそ真犯人の名前です」》p.308

250215-j

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」と題して、今回は全紹介です。

いつものことですが、長くなってしましました。
少しでも多くの情報を詰め込みたいという思いが、こういうことに……。

興味の無い人には、ただのゴミかもしれませんね。
一人でも楽しんで下さる方がいればいいか、と思っています。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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2025.01.31

レフティやすおの楽しい読書381号-告知-私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!) 【最新号・告知】

2025(令和6)年1月31日号(vol.18 no.1/No.381)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編
『ホビットの冒険』」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年1月31日号(vol.18 no.1/No.381)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編
『ホビットの冒険』」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 遅ればせながら、昨年2024年の私の年間ベスト3を紹介する
 〈フィクション系〉です。

 〈フィクション系〉は、小説や詩などの創作ものです。

 昨年読んだ本は、全部で60冊まで届かず、
 フィクション系も、再読を含めてなんとか40冊程度。
 以前は、再読を含めても50冊以上は読んでいました。

 その点ではちょっと不本意なところもありますが、
 その中からのベスト3ですので、あしからず。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 今年も、昔の感覚に間違いはなかった!? -

  ~ 私の年間ベスト3・2024フィクション系(前編) ~

  2024年フィクション系ほぼ全書名紹介&<再読編ベスト3>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●2024年の傾向と分類

2024年は、40冊程度。
うち再読が、凡そ半分18冊程度。

再読といいましても、新訳版・他社版・新装版等もあって、
限定しにくい面があります。

そこで今年も、<再読編ベスト3>と<初読編ベスト3>とに分けて
紹介してみましょう。

 ・・・

例年のように簡単に分類してみます。

(1)メルマガ用の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

*(再):自分の蔵書の再読本、[再]:作品そのものは再読、本は新本

 

 ●(1)メルマガ用の本

・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎』」
創元推理文庫 1984/12/22
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・『お人好しの放課後 御出学園帰宅部の冒険』阿藤玲
創元推理文庫 2017/8/31
(Amazonで見る)

――以上、<左利きミステリ>

 

・『陶淵明 全詩文集』林田慎之助/訳注 ちくま学芸文庫 2022/1/8
『陶淵明 全詩文集』(Amazonで見る)

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年10月31日号(vol.17 no.19/No.376)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと
「飲酒二十首」其の十四、其の九」

【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.10.31
レフティやすおの楽しい読書376号-告知-中国の古典編―
漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと「飲酒二十首」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/10/post-dd55d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/28a764aef4d8bdd85e7c3f0bbf475ac5

 

・(再)『ホビットの冒険――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 1997.11.10/2002.3.20
(『新版 ホビット――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 2012/11/12)
(Amazonで見る)

・[再]『最新版 指輪物語1 旅の仲間 上』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

・[再]『最新版 指輪物語2 旅の仲間 下』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年4月15日号(vol.17 no.7/No.364)
「私の読書論183-トールキン『指輪物語』(第一巻・第二巻)70周年」

【別冊 編集後記】2024.4.15
私の読書論183-トールキン『指輪物語』70周年-楽しい読書364号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/04/post-f5aa70.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ec7e37f6a896cbc7db84584c1518634b

 

・『神を見た犬』ディーノ・ブッツァーティ 関口 英子/訳
光文社古典新訳文庫 2007/4/12
(Amazonで見る)

・『タタール人の砂漠』ブッツァーティ/作 脇 功/訳
岩波文庫 2013/4/17
(Amazonで見る)

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年6月30日号(vol.17 no.12/No.369)
「私の読書論187-2024年岩波文庫フェアから『タタール人の砂漠』」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.30
私の読書論187-2024年岩波文庫フェアから『タタール人の砂漠』
-楽しい読書369号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-833bdb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/1a2dfc9f51edb19c7b68c715e2fefd78

 

・『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾 角川文庫 2014/11/22
(Amazonで見る)

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年7月15日号(vol.17 no.13/No.370)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫・
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.15
[新潮・角川・集英社]<夏の文庫>フェア2024から(1)
角川文庫『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾-楽しい読書370号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-297be6.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/dec18f6edd8ec927530af1a28ba45de1

 

・『鉄道員(ぽっぽや)』浅田 次郎/著 集英社文庫 2000.3
(Amazonで見る)

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年7月31日号(vol.17 no.14/No.371)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(2)集英社文庫・
浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』から「ラブ・レター」」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.31
[新潮・角川・集英社]<夏の文庫>フェア2024から(2)
集英社文庫『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎-楽しい読書371号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-001c65.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/f4ce521f8ecee71271203e74823b460f

 

・『博士の愛した数式』小川洋子 新潮文庫 2005/11/26
(Amazonで見る)

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年8月31日号(vol.17 no.15/No.372)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.31
[新潮・角川・集英社]<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』-楽しい読書372号
23:40 2024/08/25
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-d9f901.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/219efd8040d39871150fdab98bf44954

 

・[再]完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/著
鈴木雅生/訳 光文社古典新訳文庫 2024/7/10 
『十五少年漂流記 二年間の休暇』(Amazonで見る)

・『少年船長の冒険』ジュール・ヴェルヌ 土居寛之・荒川浩充/訳
角川文庫 昭和56(1981)/10/1
『少年船長の冒険』(Amazonで見る)

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年10月15日号(vol.17 no.18/No.375)
「私の読書論189-完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
(ジュール・ヴェルヌ 光文社古典新訳文庫)を読む」

【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.10.15
レフティやすおの楽しい読書375号-完訳版ヴェルヌ
『十五少年漂流記 二年間の休暇』を読む【別冊 編集後記】
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/10/post-ce97b4.html

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.28
光文社古典新訳文庫から完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
ヴェルヌ/鈴木雅生訳 が発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-579d65.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8655ac0ebc9b20c696b589d7d66e1b24

 

 ●(2)それ以外の古典の名作

・『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳
新潮文庫 2024.5.29
『ガイズ&ドールズ』(Amazonで見る)

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.21
新潮文庫にデイモン・ラニアン(『ガイズ&ドールズ』)が帰ってきた!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-957440.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/342752af4485ba7edf05148c30f1b7e6

 

【ジュール・ヴェルヌ】

・(再)『緑の光線』中村三郎、小高美保/訳 文遊社 2014/7/30
・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(上)』
三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(下)』
三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
・『エクトール・セルヴァダック』石橋正孝/訳 インスクリプト
ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2023/4/21
・『ハテラス船長の航海と冒険』荒原邦博/訳 インスクリプト
ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2021/6/30
――完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』を読んだことで、
「未読の作品があったなあ」と思い出し、図書館へ。

 

 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

・『クイーンの定員I 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/5/1
・『クイーンの定員II 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/6/1
・『クイーンの定員III 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/9/1
――エラリー・クイーンの編んだ、ポー以降の傑作、あるいは歴史的に
希少価値のあるミステリ短編集を集めた評論『クイーンの定員』から、
代表的な短編を集めたアンソロジーで、海外の短編ミステリ史を改めて
お勉強。

 

 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

【ディック・フランシス】

・(再)『障害』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1982/7/1
・(再)『配当』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1987/7/1
・(再)『奪回』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1989/11/1
・(再)『証拠』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1990/8/1
・(再)『侵入』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1991/8/1
・(再)『連闘』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1992/10/1
・(再)『直線』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1995/8/1
・(再)『標的』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1996/9/1
――フランシスの<競馬>シリーズの本を整理しようかと思い、
手持ちの文庫本を再読中。

 

【ジョー・R・ランズデール】

・(再)『ボトムズ』北野 寿美枝/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2005/3/24
・(再)『ダークライン』匝瑳 玲子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2006/7/1
――ともに、南部の人種差別に関する歴史ミステリ+少年時代の思い出、
といった内容の読み応えがあるミステリです。

 

【エドワード・D・ホック】

・『怪盗ニック全仕事2』木村 二郎/訳 創元推理文庫 2015/8/29
・『怪盗ニック全仕事3』木村 二郎/訳 創元推理文庫 2016/6/22
――依頼によって2万ドルの料金で価値のないものを専門に盗む、
短編ミステリの巨匠ホックが産み出したユニークな<怪盗ニック>が、
今までに手がけたすべての仕事を順に収録する短編集、全6巻中の2冊。

 

【梶尾真治】

・『おもいでエマノン』梶尾 真治/著 鶴田 謙二/イラスト
徳間デュアル文庫 2000/9/1
・『かりそめエマノン』梶尾 真治/著 鶴田 謙二/イラスト
徳間デュアル文庫 2001/10/1

――地球に現れた最初の動物から現在の動物までの全記憶を持つという、
女の子<エマノン>のシリーズ。第一作からの短編集と初の中編。

 

・『九人の偽聖者の密室』H・H・ホームズ/著 白須清美/訳
山口雅也/監修, 企画・原案 国書刊行会 奇想天外の本棚 2022/9/24
――海外の密室ミステリのベスト10に選ばれている、歴史的な一編。

・『ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集』
ロバート・アーサー/著 小林 晋/訳 扶桑社 海外文庫 2023/7/2
――「51番目の密室」等で知られるエドガー賞を2度受賞した短編作家
の日本初のミステリ短編集。アンソロジーで読んだ作品も多く収録されている。

・『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ 2013/12/6
――半年後、小惑星の衝突で世界が終わる、という極限の状況の中でも
職務に励む新人刑事の真摯な姿を描く。

・『受験生は謎解きに向かない』ホリー・ジャクソン/著 服部 京子/訳
創元推理文庫 2024/1/11
――高校生ピップの『自由研究には向かない殺人』以下の三部作の前日譚!
架空の殺人事件の犯人当てゲーム。

・『歌うダイアモンド マクロイ傑作選』ヘレン・マクロイ/著
好野 理恵ほか/訳 創元推理文庫 2015/2/27
――別れた夫ブレッド・ハリデーによる序文、SF短編、後に長編
「暗い鏡の中に」となった原型短編「鏡もて見るごとく」も含む、
ヴァラエティ豊かなミステリ短編集。

・『黒い錠剤 スウェーデン国家警察ファイル』 パスカル・
エングマン/著 清水 由貴子/訳 ハヤカワ・ミステリ 2023/11/7
――警察の捜査と謎の人々の行動を交互に描く警察小説。

・[再]『ポアロ登場』アガサ・クリスティー/著 真崎 義博/訳
 ハヤカワ文庫・クリスティー文庫 2004/7/15
――作家としての最初期の雑誌掲載のポアロもの短編集。

 

 ●<再読ベスト3>候補

・(再)『ホビットの冒険――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 1997.11.10/2002.3.20
(『新版 ホビット――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 2012/11/12)
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・[再]『最新版 指輪物語1 旅の仲間 上』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
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・[再]『最新版 指輪物語2 旅の仲間 下』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
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――改めて『ホビット』を読んでみて、やはり面白かったなあ、と。
この本は作品だけでなく、注釈版とあるように、その辺の情報が、
中でも各国語版のイラストが、収録されていて楽しめます。

この『指輪物語』の文庫版は、偶然、本屋さんで見つけたものでした。
従来の文庫版は、活字が小さくて、読みづらかったものでした。
これは、最近の文庫本とおなじで、大きめの活字になっていて、
老眼にもやさしいものになっています。

まだ第一部を読んだだけです。
おもしろいとは思うのですが、もう一つ次から次へと読もう、
と思うほどではないと感じました。
なぜでしょうか?

この作品は、もう50年近く前に、
私が『詩とメルヘン』という雑誌の読者欄に投書した文章を読んだ
女子大生からお手紙をもらい、そこにオススメとして紹介されていて、
読んだものでした。
その時は楽しく読んだような記憶がありました。
あれだけの長さの本を次々読んでいたのですから。

しかし今回は、全体に暗く、かつ少し冗長な印象を受けました。
ある程度ストーリーを知っているということもあるのかもしれません。

 

・[再]完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/著
鈴木雅生/訳 光文社古典新訳文庫 2024/7/10 
『十五少年漂流記 二年間の休暇』(Amazonで見る)

――過去に縮約版と完訳版を読んでいますが、
今回は違う出版社の新訳・完訳版での再読です。
けっこう忘れているのと、挿絵が全点収録されているので、
思った以上に楽しめました。

・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(上)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
(Amazonで見る)

・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(下)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
(Amazonで見る)

――これは、昔、高校生時代に、集英社から出ていた
コンパクト・ブックス版の<ヴェルヌ全集>で読んだものでした。
その後、集英社文庫で復刊されています。
(旧訳版・集英社文庫<ジュール・ヴェルヌ・コレクション>
『アドリア海の復讐(上)(下)』)
大デュマの『モンテクリスト伯』のヴェルヌ版といわれる冒険小説です。
今回新訳版の新本で読み直しても、おもしろいものでした。
この本は、ヴェルヌ作品ではお楽しみの一つである、
挿絵もすべて収録されていて、楽しめるものでした。
ただし、問題がひとつあり、新書版のハードカヴァーなのですが、
活字が小さく、老眼にはキツいものがありました。

 

・(再)『ダークライン』ジョー・R・ランズデール/著 匝瑳 玲子/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2006/7/1
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――この作品は、アメリカ南部の黒人問題を取り上げている、
ミステリです。
前作『ボトムズ』もそうなのですが、ミステリ的にはそっちの方が上で、
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞も受賞しています。
でも、少年と黒人のおじいさんとの交流を描くこちらの方が、
小説として興味深く読めました。

 

・(再)『証拠』ディック・フランシス 菊池光/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 1990/8/1
(Amazonで見る)

・(再)『標的』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1996/9/1
(Amazonで見る)

――フランシスの本の中では、『証拠』が一番いい感じでした。
最愛の妻を亡くした主人公が、偶然遭遇した事件に立ち向かいます。
『標的』は、定職を捨てて小説に挑んでいる新進作家が主人公で、
その辺のところを興味深く読みました。

 

 ●2024年フィクション系<再読編べスト3>

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   【2024年フィクション系<再読編べスト3>】

  (1)『ホビットの冒険――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 1997.11.10/2002.3.20

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  (2)『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(上)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
   『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(下)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18

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  (3)『ダークライン』ジョー・R・ランズデール/著 匝瑳 玲子/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2006/7/1

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 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

どれも、名作です。
ランズデールの作品がネームバリューで落ちるかもしれませんが、
私の心に残したものは、A級です。

機会があれば、ぜひ御一読を!

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本誌では、「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』」と題して、今回は全文転載紹介です。

私の昨年一年の<フィクション系>の読書の記録です。

こんな本を読んでるのか、とちょっと恥ずかしい部分もありますが、毎年続けてきましたので、今年も恥を忍んで。

なにかの足しになれば、と思います。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.01.18

週刊ヒッキイ第678号-告知-新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

 

第678号(Vol.21 no.1/No.678) 2025/1/18
「新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第678号(Vol.21 no.1/No.678) 2025/1/18
「新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!」
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 遅れ遅れですが、新年第一号です。

 当初の予定では、
 「楽器における左利きの世界(28)まつのじん(3)」
 でしたが、今回は、体調のこともあり、新春放談ということで――。

 

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 ◆ <めざせ!実現!!左利き用楽器!!!>プロジェクト ◆
 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}
- 「左利きにも優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 <新春放談>左利き用楽器の普及と啓蒙の活動にご協力を!

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「<めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト」改め、

「<めざせ!実現!!左利き用楽器!!!>プロジェクト」

として改めてスタートしたいと思います。

来年、私は72歳になります。
72歳は母の亡くなった年齢で、第一関門だと思っています。

左利きライフ研究家として、最後になるかもしれない挑戦として、
この<左利き用楽器>の普及に挑戦しよう、と考えています。

 

 ●楽器は、心の生活必需品

私は「楽器というのは、心の生活必需品だ」と考えています。

近年、左利きに対する見方も大いに変化し、
社会全体で容認する方向に進んでいます。

それに従い、左手・左利き用の生活必需品に関しましては、
色々と制作され、製造販売されるようになって来ました。

まだまだ足りない部分はありますが、
少しずつでも改善されているのが現状です。

 

一方で、遅れている分野があります。

それがいわゆる趣味の世界の道具類です。

しかし、趣味の道具といいましても、
それはたぶんに人の心に安らぎを与えるものであり、
「心の生活必需品」というべきものでもある、と思います。

そういう心の安定のために必要不可欠な道具が、
右利き用しかないというのが、ほぼ現状です。

カメラは、昨今ではスマホのカメラで写真を撮るのが
当たり前のようになって来ました。

それはそれでいいのでしょうけれど、
もっとよりよい写真を撮りたいという人には、
本格的なカメラが必要となります。

ところがこれらも、高級機になればなるほど、
右利き専用になってしまいます。

右手でカメラを構え、右手でシャッターを切る!
これが基本動作です。

左手はカメラの保持を助け、絞りなどの調整をする役割があります。
しかし、いかに左手を巧みに操作しても、
それだけでは写真は撮れません!

右手でシャッターを切らなければ、写真は撮れないのです。

 

スポーツ用品なども同様で、一部のものをのぞきますと、
右利きが標準で、左利き用は特別なものとなっているようです。

ゴルフ用品など左利き用が販売されていますが、
実際に置いているお店は少ないといい、選択肢も限られている、
と聞いています。

そうほとんどの趣味に関する道具類は、
左利き用の選択肢を持たない、もしくは少ないのが現状のようです。

 

楽器もまた同様です。

ギターやベースなどは、左利き用が販売されています。
しかし、それらも選択肢という点では、専門店にでも行かないかぎり、
右利き用とは比べようもないようです。

楽器の扱いも高級カメラ同様、右手主体に演奏します。

ヴァイオリンを例にしますと、
左手で本体を保持し、左手の指で弦を押さえ、
右手に持った弓で弦を弾き、その動きで音を出します。

左手でいかに巧みに弦を押さえても、それだけでは音は出ません。
上手い下手にかかわらず、弓を持つ手を動かすことがポイントです。

 

以上、これら趣味に関する分野の遅れはご理解いただけたかと思います。

 

 ●「両手を使うから利き手は関係ない」という暴論

さて楽器についてです。

「楽器は両手を使うから利き手は関係ない」
というような暴論を吐く人もいます。

物知らずもいいところです。

利き手と非利き手にはそれぞれ役割があります。

私の持論は、「利き手は心につながっている」というものです。

利き手というものは、二つの性質を持っています。

一つは、「器用さ・巧みさ」です。
これは理解しやすいでしょう。

もう一つは、「好み」です。

「好み」といいますと、わかりにくいかもしれませんが、
それは、つい使ってしまう、無意識に使ってしまう、
という性質のことです。

落としたものを拾うときに、出る手。
買い物に行って、品物に触れる手。
――といったものです。

例えばエアーでヴァイオリンを弾くとき、当然のように右利きの人は、
みな右手に弓を持っているかのように弦を弾く真似をします。

しかし、左利きの人は大半、
左手に弓を持ってで弾く真似をするものです。

実際に弾いたことがあるかないかは別にして。

そこには意志が込められている、というのが、私の考えです。
それが「心につながっている」という表現になっています。

利き手で弾くからこそ、心が入るのです。
心を表現できるのです。

これを非利き手でやると、
どうしても借りてきた猫のような不自由さがあるような気がします。

もし本当に「両手を使うから利き手は関係ない」のなら、
右用と左用の両方が、同じように存在しているのではないでしょうか。

今のように、一方的に右利き用しかない、というのは不自然でしょう。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2018.5.13
左利きのAKB48Team8佐藤栞がエア・バイオリン演奏で左弾き
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2018/05/akb48team8-7166.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6565f75f980e88d16ae21f70a9fc64e8

 

 ●現行ピアノの鍵盤配置は右利き用

この連載のはじめの方で、ピアノを<右利き用の楽器の親分>のように
紹介しています。

現行のピアノの鍵盤は、左手側に低音部、右手側に高音部
という配置になっています。

左から右への動き(→)は、
漢字の「一」という字を書くときのことを思い起こせば
ご理解いただけるように、
右手右腕の動きにとって都合のよい方向です。

鍵盤の配置は、
左から「ドレミファソラシド」と右手親指から順に弾いて行くような
仕組みになっています。

 

---------------------------------------------
【右用ピアノの鍵盤】

(音階が上がる)⇒⇒⇒
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(左)ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド(右)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(音階が下がる)←←←
   
(左腕を押す)⇒┃    ┃⇒(右腕を引く)
(左腕を引く)←┗(身体)┛←(右腕を押す)
---------------------------------------------
※右手の親指から順に「ドレミファソラシド」と弾ける。

*参照:
第616号(No.616) 2022/4/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」

 

低音から高音への展開は、人の心に心地よいものです。
心が伸びやかに高揚していきます。

逆に、高音から低音への展開は、
心が暗く沈んでいくような気がします。

右手右腕の自然な動きである、左から右への演奏は、
低音から高音へと、そのまま心の高揚につながっていく形になります。

 

逆に、
左手左腕の場合は、逆の向き、右から左へ(←)が
自然な動かしやすい、都合のよい動きとなります。

指の動きも、左手の親指からですと、「ドシラソファミレド」と、
高音から低音への展開となり、心の高揚にはつながりません。

左手で低音から高音へと弾こうとしますと、
小指から親指へと動かすことになり、不自然な動きとなります。

指折り数えるとき、小指から数える人はまずいませんよね。
ふつうは、親指から順に折って数えます。

これが指の自然な動きです。

現行のピアノでは、左弾きの場合、不自然な動きを強いられます。

 

このように、現行のピアノは、右利き用にできています。
これでは、左利きの人にとっては、
非常に弾きづらいものになってしまいます。

私のような強度の左利きの人で、大人になって余裕ができた人が
ピアノでもやってみようかと取り組もうとしても、
これは非常に難しいものになってしまいます。
やはり、左利き用の道具が必要です。

ピアノも左利き用が必要なのです。

 

---------------------------------------------
【左用ピアノの鍵盤】

(音階が上がる)←←←
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(左)ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド(右)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(音階が下がる)⇒⇒⇒
   
(左腕を押す)⇒┃    ┃⇒(右腕を引く)
(左腕を引く)←┗(身体)┛←(右腕を押す)
---------------------------------------------
※左手の親指から順に「ドレミファソラシド」と弾ける。

 

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(画像:左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏しているクリストファー・シード(Christopher Seed)さん)

 

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(画像:左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏しているクリストファー・シード(Christopher Seed)さん――右用ピアノと左用ピアノとともに)

 

 ●左利き用楽器の目標

左利き用楽器の普及のため、まず一番に考えていることは、
<左利き用鍵盤ハーモニカ>の試作と試演です。

鍵盤ハーモニカは、のちのピアノなどの鍵盤楽器への道の一つとして、
小学校で学習されているという話を聞いたことがあります。

それなら、左利き用ピアノへの第一歩として、
<左利き用鍵盤ハーモニカ>が必要だと考えられます。

まずは、ここを第一歩に計画を進めたいと考えています。

次に、電子ピアノやキーボードの類いでは、
鍵盤の配置を換えるだけなので、アコースティック楽器よりも、
実現の可能性が高いのでは、と考えています。

これを第二目標に設定しようと考えています。

もちろん、その他の楽器も左利き用の実現を考えています。

中でも、子供用の小型の練習用楽器もあるというヴァイオリンでは、
子供用の左利き用ヴァイオリンも実現したいものです。

 

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(画像:「左利きバイオリン」GCV-800EL 左利き用バイオリン◆ストラディバリ Soil III [GCV-VN-800EL-SOI] ネットより無断借用)

 ・・・

以上、今年の新春の夢として、左利き楽器について書いてみました。

もしご賛同いただけるようでしたら、
ぜひ、SNS等で大いにこの夢を拡散していただければ、幸いです。

左利き用楽器の普及と啓蒙に、ぜひご協力を!

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本誌では、「新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!」と題して、今回は全紹介です。

新年第一号ですので。

今年にかけるといいますか、少しはその気があるよという意味合いで……。
全文披露です。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2024.12.31

レフティやすおの楽しい読書380号-告知-私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉『都筑道夫の小説指南』

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!) 【最新号・告知】

2024(令和6)年12月31日号(vol.17 no.23/No.380)
「私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉」
『都筑道夫の小説指南―増補完全版』中央公論新社」

 

--
今年も一年お世話になりました。

コロナ禍以降、心身共に体調不良もありました。
それでも、コロナ禍も一応収まり、
その後少しずつですが、体調も戻りつつある気がします。

来年もなんとか続けていけそうです。

左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』ともども
これからもおつき合いの程、よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年12月31日号(vol.17 no.23/No.380)
「私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉」
『都筑道夫の小説指南―増補完全版』中央公論新社」
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 今年も早一年の最終日を迎えました。
 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」を。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 まずは、「リアル系」から。

 ・・・

 「リアル系」とは、いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、を言います。

 それに対して、小説や詩等の文芸作品は「フィクション系」。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 でも「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルのようになってしまうので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

 エッセイの中には、フィクションと見まがうような、
 ホラ話的な内容の境界線上の作品もありますけれど。

 まあ、ここでは、論文に準ずるような著作とお考えください。
 言わんとすることは分かりますよね。

 ――と、これは毎度の台詞でした。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - メルマガの為に読んだ本ばかり?(今年も?) -

  ~ 私の年間ベスト3・2024年〈リアル系〉~

 『都筑道夫の小説指南―増補完全版』都筑 道夫/著 中央公論新社

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 ●2024年の傾向

ここ数年コロナ禍の影響で読書量が減り、少しずつ回復してきましたが、
2020年以降、特にリアル系の読書が減ってしまっています。

今年の読書総数は、60冊どまり――。

リアル系は15冊程度。

今年もまたそのほとんどは、私の二つのメルマガ用に読んだものでした。

ということで、例年通り簡単に分類していきましょう。

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強本―中国漢詩、読書、左利き関連

◆メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』向け――

(以下、略)

241109matikara-shoten_20241211162001

(画像:『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からのメッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22

――<元本屋の兄ちゃん>の<町の本屋>論の参考書の一つ。)

◆メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』向け――

(以下、略)

240627-hidarikiki-no-rekisi

(画像:『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27

――タイトル通り、左利きのフランス人によるヨーロッパ(主にフランス)における左利き迫害の歴史と、その後の少しずつの解放についての著書。訳者も左利き。原著は2008年の第二版。)

 

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(画像:『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅/著  未來社 1992/1/1

――左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの、初エッセイ集。自身の左利きにまつわる話、左利きとヴァイオリンの話などにふれた「涙のひだりきき」という文章を含む。)

 

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(画像:『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅/著  未來社 1992/1/1

――左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの、初エッセイ集。自身の左利きにまつわる話、左利きとヴァイオリンの話などにふれた「涙のひだりきき」という文章を含む。

 ●(2)その他の古典系のお勉強本
 ●(3)小説や左利き本等の著作のためのお勉強本

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(画像:『都筑道夫の小説指南―増補完全版』都筑 道夫/著 中央公論新社 2023/10/23

――こちらはズバリエンタメ小説の書き方を実地に、多面的に指南する、都筑流創作術の完全増補版。没後20年記念刊行。評論やエッセイ、推理小説を十代から読んできた作家さんだけに生の創作論で楽しい。)


 ●(4)個人的な趣味、仏教や空海・弘法大師に関する本
 ●私の2023年〈リアル系〉ベスト3候補
 ●私の年間ベスト―2024年〈リアル系〉
 ●小説について思うこと

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今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2024.12.15

レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

2024(令和6)年12月15日号(vol.17 no.22/No.379)
「私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WEST
「消えてゆく本屋さん~」より」

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年12月15日号(vol.17 no.22/No.379)
「私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WEST
「消えてゆく本屋さん~」より」
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 昨年9月から散発的に綴ってきました、本屋さん減少を嘆く
 <元本屋の兄ちゃん>による<町の本屋>論の8回目となります。

 

【過去7回の<私の「町の本屋」論>】

(1)2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf

(2)2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1

(3)2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607

(4)2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ―
『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55

(参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29
『美しい本屋さんの間取り』(Amazonで見る)

 

(5)2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b

(6)2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.9.15
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/09/post-4d9a04.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7555773c70cfe4846b3dc367dbf5493c

(7)2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.15
レフティやすおの楽しい読書377号-告知-
私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞10/27朝刊記事より
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-6b5805.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/22c8bc62482c03566e741b6b67100f12

(参考書)
『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からの
メッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22
『2028年 街から書店が消える日』(Amazonで見る)

241109matikara-shoten_20241211162001

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 私の読書論191 -

  ~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>8 ~

  産経新聞11月9日記事・産経WEST「消えてゆく本屋さん~」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●産経新聞(産経WEST)の記事――「消えてゆく本屋さん~」より

「秋の読書推進月間」中の産経新聞(産経WEST)の
本屋の減少に関する記事が掲載されました。

 

消えてゆく本屋さん 国も警鐘鳴らす 背景には「薄利多売」な慣習も
2024/11/9 18:49
横山 由紀子
https://www.sankei.com/article/20241109-OT4WXWIVT5NNVAVRT3IWSVEYZM/

今回は↑の記事をもとに記事内容を紹介しながら、
私の意見を書いてゆきましょう。

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(画像:産経新聞11月9日記事「消えてゆく本屋さん~」より、全国で減少が続く書店だが、思わぬ本と出合えるなどネット書店にはない魅力がある =大阪市 の画像)

 ・・・

(以下、略)

241109sankeiwest

(画像:同記事より、出版物の推定販売金額 書店の店舗数 のグラフ)

 ●本はどこで買えばいいの?
 ●書店減少の背景――(1)電子出版(2)雑誌(3)流通

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(画像:同記事より、出版業界の流通システム の画像)

 ●書店の在り方
 ●作家・今村翔吾さんの試みと、書店の楽しみ
 ●多彩な書店の展開=旧態依然の出版流通構造の結果
 ●改革待ったなし

 ●問題点と改革について

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今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

 ・・・

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2024.11.30

レフティやすおの楽しい読書378号-告知-クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-デイモン・ラニアン「三人の賢者」

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!) 【最新号・告知】

2024(令和6)年11月30日号(No.378)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-
デイモン・ラニアン「三人の賢者」クリスマス・イヴの出産」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年11月30日号(No.378)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-
デイモン・ラニアン「三人の賢者」クリスマス・イヴの出産」
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 今年もはやクリスマス・ストーリーの紹介の季節となりました。

 昨年の<クリスマス・ストーリーをあなたに>で紹介しました、
 シーベリン・クィン「道」を収録している
 『クリスマス・ストーリー集1 贈り物』の冒頭一番に収録されている
 作品を今回は紹介します。

 今年、新潮文庫で第一短編集『ガイズ&ドールズ』が紹介された、
 アメリカの作家デイモン・ラニアンの短編です。
私の好きな作家の一人でもあります。

 

▼昨年の<クリスマス・ストーリーをあなたに>

2023(令和5)年11月30日号(No.355)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(13)-2023-
シーベリン・クィン「道」もうひとつのサンタ物語」
2023.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに~(13)-2023-
「道」もうひとつのサンタ物語-楽しい読書355号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-e79b41.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0fb316f1636ea7b24674e4db294cac83

 

▼デイモン・ラニアンと第一短編集『ガイズ&ドールズ』について

2024.6.21
新潮文庫にデイモン・ラニアン(『ガイズ&ドールズ』)が帰ってきた!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-957440.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/342752af4485ba7edf05148c30f1b7e6

『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳 2024.5.29
『ガイズ&ドールズ』(Amazonで見る)

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★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡
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-クリスマス・ストーリーをあなたに (14)- 2024

  ~ クリスマス・イヴの出産に立ち会う三人の男たちの物語 ~

  デイモン・ラニアン「三人の賢者」加島祥造/訳

 ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
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 ●過去の ~クリスマス・ストーリーをあなたに~

一回毎、一年ごとに【古典編】と【現代編】を交互に紹介してきました。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

【古典編】
 チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』『鐘の音』
 ワシントン・アーヴィング『昔なつかしいクリスマス』
 ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』
メアリー・E・ペン「ファンダーハーフェン老人の遺言状」
 クリストファー・モーリー「飾られなかったクリスマス・ツリー」

【現代編】
 トルーマン・カポーティ「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」
 アガサ・クリスティー「水上バス」
 コニー・ウィリス「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」「まれびとこぞりて」
 梶尾真治「クリスマス・プレゼント」、ジョー・ネスボ『その雪と血を』
 ドナルド・E・ウェストレイク「パーティー族」
 シーベリン・クィン「道」

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.27
クリスマス・ストーリーをあなたに~全リスト:
『レフティやすおの楽しい読書』BNから
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-1995dd.html

 

 ●デイモン・ラニアン「三人の賢者」――ストーリー

「三人の賢者」The Three Wise Guys (1933) 加島祥造/訳

*デイモン・ラニアン「三人の賢者」収録の短編集――
・『贈り物 クリスマス・ストーリー集1』長島良三/編 角川文庫
 1978(昭和53)/11/30
『贈り物 クリスマス・ストーリー集1』(Amazonで見る)

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(画像:角川文庫版のクリスマス・ストーリーのアンソロジー全二巻『贈り物 クリスマス・ストーリー集1』、『クリスマスの悲劇 クリスマス・ストーリー集2』)

 

・デイモン・ラニアン『ブロードウェイの出来事』加島祥造/訳 新書館
(1977)
→『ブロードウェイ物語2 ブロードウェイの出来事』加島祥造/訳
 新書館(新装版)(1987/12/1)
『ブロードウェイ物語2 ブロードウェイの出来事』(Amazonで見る)

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(画像:デイモン・ラニアンの本=加島祥造/訳<ブロードウェイ物語>短編集(新書館・刊)『野郎どもと女たち』『ブロードウェイの出来事』『ロンリー・ハート』『街の雨の匂い ブロードウェイ物語 4』と新潮文庫『ブロードウェイの天使』加島祥造/訳、『ガイズ&ドールズ』田口俊樹/訳、の六冊)

 

(以下、略)

 ●星を目当てに見つけた納屋には妊産婦が……
 ●工場の事務所の強盗事件
 ●ブロンディは金を返して……
 ●三人の賢者
 ●山形孝夫『読む聖書事典』から「三人の博士」

*山形孝夫『読む聖書事典』ちくま学芸文庫 2015/12/9
『読む聖書事典』(Amazonで見る)

 ●原題「The Three Wise Guys」

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今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

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