2021.07.31

新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)-「楽しい読書」第299号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書
-299号【別冊 編集後記】

2021(令和3)年7月31日号(No.299)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)準古典」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年7月31日号(No.299)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)準古典」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2021から――。

新潮文庫の100冊 2021
https://100satsu.com/

角川文庫 カドフェス2021 | カドブン
https://kadobun.jp/special/kadofes/

集英社文庫 ナツイチ2021
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
(よまにゃチャンネル)
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/yomanyachannel/

2107223

(画像:新潮文庫の100冊 角川文庫カドフェス 集英社文庫ナツイチ 新潮・角川・集英社三社の夏の文庫フェア・パンフレット)

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 ◆ 2021テーマ「準古典」+「新顔作家」 ◆
  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)
  「準古典」から――新潮文庫『さぶ』、角川文庫『走れメロス』
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昨年から読書量が減っています。
50代から16年続いていた年間100冊超の読書量が
昨年、急減。

一つはコロナ禍に伴う図書館休館があり、
根本的にはやはりコロナ禍によるコロナ不安症といいますか、
精神的に不安定であったという事実があります。

以前から体力的にか精神的にか、読書量が落ちる傾向にありました。
しかし、それでもなんとか100の大台は維持してきたのです。

それが、完全に崩れたのが、昨年3月以降です。
で、それが今年も続いています。

というわけで、今回もかなり苦戦しました。
そこで今回は……。

まあ昨年と似ていますが、今年のテーマとしましては、
「準古典」+「新顔作家」で行こうと思います。

 

 ●準古典作品とは

まず最初は、
過去に一度読んでいる作品を何十年ぶりかに読んでみよう、
という試みです。

候補としましては、
古典というより準古典というべきものを選んでみよう、と思います。

古典はかなり読んできましたから。

 

「準古典」作品について――

私が言う「古典」とは、
 何世代にもわたって読み継がれてきた名作・名著
をいいます。

まずは100年程度読み継がれているものを「古典」と呼びたい
と思います。

昔は「一世代20年」として、
100年で5世代を超えて読み継がれている作品。
今では寿命も伸びていますので、「一世代25年」として、
同じく100年ですが、4世代以上読み継がれている作品、
としておきましょう。

そういう作品に近づける――少なくともその半分の50年ぐらいは
読み継がれている名作・名著を、「準古典」と呼ぶことにします。
単純にいえば、1970年以前といってでしょうか。
(正確に刊行年を調べるというほどではないので、
 その辺は1970年代のものも含むアバウトで行こうと思います。)

 

 ●今年の私の候補作

今回の新潮・角川・集英社3社のパンフレットを
パラパラ見てみますと、
そういう準古典に当たりそうな作品で、
私の興味を惹くものとしてこんな本がありました。

【新潮文庫の100冊 2021】

異邦人(カミュ)/インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―
(H・P・ラヴクラフト)/江戸川乱歩名作選(江戸川乱歩)/
金閣寺(三島由紀夫)/新編 銀河鉄道の夜(宮沢賢治)/
蜘蛛の糸・杜子春(芥川龍之介)/黒い雨(井伏鱒二)/
こころ(夏目漱石)/さぶ(山本周五郎)/塩狩峠(三浦綾子)/
シャーロック・ホームズの冒険(コナン・ドイル)/
車輪の下(ヘッセ)/春琴抄(谷崎潤一郎)/砂の女(安部公房)/
沈黙(遠藤周作)/月と六ペンス(サマセット・モーム)/
罪と罰〔上下〕(ドストエフスキー)/人間失格(太宰治)/
ハムレット(ウィリアム・シェイクスピア)/
不思議の国のアリス(ルイス・キャロル)/変身(フランツ・カフカ)/
星の王子さま(サン=テグジュペリ)/妄想銀行(星新一)/
燃えよ剣〔上下〕(司馬遼太郎)/雪国(川端康成)/
檸檬(梶井基次郎)/老人と海(ヘミングウェイ)

【カドフェス】

蜘蛛の糸・地獄変、藪の中・将軍(芥川龍之介)/
D坂の殺人事件(江戸川乱歩)/檸檬(梶井基次郎)/
日本沈没(上下)(小松左京)/不連続殺人事件(坂口安吾)
論語と算盤(渋沢栄一)/走れメロス、人間失格(太宰治)/
時をかける少女(筒井康隆)/文字禍・牛人(中島敦)/
こころ、坊ちゃん(夏目漱石)/気まぐれロボット(星新一)/
葦の浮船(松本清張)/夏子の冒険(三島由紀夫)/
銀河鉄道の夜、宮沢賢治詩集(宮沢賢治)/
ロウソクの科学(ファラデー)

【集英社文庫 ナツイチ2021】

人間失格(太宰治)/坊っちゃん(夏目漱石)/
清兵衛と瓢箪 小僧の神様(志賀直哉)
星の王子さま(サン=テグジュペリ)

 

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(画像:それぞれの本の書影:さぶ 作家の秘められた人生 走れメロス(角川文庫版でなく手持ちの文春文庫版))

 

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(画像:各パンフレットのそれぞれのページ:走れメロス さぶ 作家の秘められた人生)

 

 ●新潮文庫『さぶ』、角川文庫『走れメロス』

これらのなかから、新潮文庫からは『さぶ』(山本周五郎)を、
角川文庫からは『走れメロス』(太宰治)を読んでみましょう。

『さぶ』は若い頃に一度読んでいます。
何十年ぶりかの再読です。

でもほとんど記憶が残っていませんでした。

冒頭の雨の橋のシーンぐらいですね、記憶にあったのは。

一方『走れメロス』ですが、
こちらは表題作を取り上げようと思います。

この作品は太宰の作品中、若い頃に読んでいた唯一の作品でした。
学校の教科書に掲載されていたのですね。

文章のリズムもいいし、こういうテーマと作品には、
若い頃は特に心打たれるものではないでしょうか。

 

 ●【角川文庫】太宰治「走れメロス」

太宰治という人は私はあまり好きではありません。
人間としての生き方というのでしょうか、
小説家としての作風というのでしょうか、テーマというのでしょうか。
扱っている人物像というのでしょうか。

『人間失格』などは一番嫌いな小説です。

 

若い頃に北杜夫さんの本を読んで、
北さんが、若い頃に“太宰に憑かれて小説を書くようになった”
というような記述を読み、コレは良くないと感じ、
長らく読むのを避けてきました。

50代以降、少しは古典や名作を読んでおくべきだと思い、
読んでみました。やっぱり印象は良くありませんでした。

いくつか読んだなかでは『斜陽』は、
主人公の女性が子を身ごもってなお生きてゆこうというラストが、
希望を感じさせて好感を抱きました。

短編では「ヴィヨンの妻」がよいと思いました。
ラストの

 《「人非人でもいいじゃないの。
   私たちは、生きてさえすればいいのよ」》

という台詞が印象に残って、こういう生きてゆく姿勢、
生き延びる姿勢が私には心強く感じられ、いい印象が残っています。

そんな太宰の作品のなかで異色の作品でもあるのが、
「走れメロス」です。

 ・・・

角川文庫版の言葉を借りますと、

 《妹の婚礼を終えると、メロスはシラクスめざして走りに走った。
  約束の日没までに暴虐の王の下に戻られねば、
  身代りの親友が殺される。
  メロスよ走れ! 命を賭けた友情の美を描く》

そういうお話です。

冒頭の文章です。

 《メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の
  王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。
  (略)けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。》

色々な書き出しの文章を読んできましたが、この文、いいですね。
文章にリズムがあり、読んでいて気持ちいいものがあります。
そして、内容的には、主人公の紹介とお話の方向がはっきり出ています。

感動の一編なのですが、例えばこういうところ。

 

 《「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、
  赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。
  「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。
  いまはご自分のお命が大事です。
  あの方は、あなたを信じて居りました。
  刑場に引き出されても、平気でいました。
  王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、
  とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」
 「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。
  間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。
  私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。
  ついて来い! フィロストラトス。」》

 

 《信じられているから走るのだ。
  間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。
  人の命も問題でないのだ。
  私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。》

「人の信頼に応えるために」走っている、ということなのですが、
《もっと恐ろしく大きいもの》とは、何でしょうか!

 

ラスト――

 《「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。
  「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。
   私は、途中で一度、悪い夢を見た。
   君が若(も)し私を殴ってくれなかったら、
   私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」
  セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯(うなず)き、
  刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。
  殴ってから優しく微笑(ほほえ)み、
  「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。
   私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。
   生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、
   私は君と抱擁できない。」
  メロスは腕に唸(うな)りをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。
  「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、
  それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。
  群衆の中からも、歔欷(すすりなき)の声が聞えた。
  暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、
  まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、
  顔をあからめて、こう言った。
  「おまえらの望みは叶(かな)ったぞ。
   おまえらは、わしの心に勝ったのだ。
   信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。
   どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。
   どうか、わしの願いを聞き入れて、
   おまえらの仲間の一人にしてほしい。」
  どっと群衆の間に、歓声が起った。
  「万歳、王様万歳。」》

 

教科書に載るほどの正当な信実と愛情(友情)の物語で、
それはこのころの太宰の生活の充実が反映しているのではないか、
とされています。

それが私にも好感を持てる作品になっている点なのでしょう。

『人間失格』とか気に入らないと感じた人も
この作品はぜひ読んで頂きたいと思います。

心洗われるといっていいでしょう。

 

【角川文庫】『走れメロス』太宰治 
―表題作他、「富嶽百景」「懶惰の歌留多(らんだのかるた)」
 「八十八夜」「畜犬談(ちくけんだん)」「おしゃれ童子」
 「俗(ぞく)天使」「駈込み訴え」「老(アルト)ハイデルベルヒ」
 「東京八景」、執筆活動の充実ぶりを示す、太宰中期の佳作9篇を収録。

 

*今回は、「角川文庫」の枠で選んでいますが、
 実際のところはこの短編集を手に取っていません。
 まあ、インチキみたいですが。
 作品そのものは読んでいますので、一概にアウトではないと思います。
 (角川さん、ごめんなさい!)

 

 ●【新潮文庫】『さぶ』山本周五郎

これも友情の物語ともいえます。

さぶと栄二、おすえにおのぶといった青年たちの青春群像を描きます。
これも時代物で、こちらは日本の江戸時代の物語です。

出版社の紹介文――

 《戸下町の表具店で働くさぶと栄二。
  男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶは、
  深い友情で結ばれていた。
  ある日、栄二は盗みの罪を着せられる。
  怒りのあまり自暴自棄になり、人足寄場に流れ着く栄二。
  人間すべてに不信感を持つ栄二をさぶは忍耐強く励まし、支える。
  一筋の真実と友情を通じて人間のあるべき姿を描く時代長編。》

得意先の娘たちとも仲が良く、
一人と結婚するのではという噂もたつ栄二。
しかし、彼は得意先の奉公人の娘おすえを嫁にと考えていた。
そんなとき、濡れ衣をきせられ、
怒った栄二は真相を確かめようとするが……。

人足寄場での3年で、いろんな人を見、人生を知る栄二。
一方さぶはひたすら栄二を支える。
そんな二人を見守るおすえと、小料理屋勤めのおのぶ。

さぶと栄二とおのぶの三人は、冒頭の書き出しの段落で登場します。
当時15歳で出会った三人のそれぞれが描かれるエピソード。

「走れメロス」でも書きましたが、この書き出しが
主人公の紹介と物語の行方を暗示しているといえるでしょうか。

 ・・・

タイトルは『さぶ』なのですが、ストーリーそのものは栄二の物語です。
栄二が経験する苦労とそれを克服する日々が描かれ、
その合間にさぶたちが登場します。

栄二を通して世間を人々を、さらにさぶを描く。

人間は一人じゃない、支えてくれる人たちがいる、
という人情を描く物語でもあります。

 《寄場にいるとき、与平にも同じようなことを云われた。
  おまえさんは一人ぼっちじゃあない、
  少なくかぞえてもさぶちゃんやおすえさん、
  おのぶさんという人がいるじゃないか、
  どんな場合にも、人間は一人ぼっちということはないんだよ、
  というような意味のことだ。
  それにしても、世間にたてられ、うやまわれていく者には、
  陰にみなさぶのような人間が付いている、
  というおのぶの言葉は痛かった。》

 

しかし、愚鈍と思われているさぶの誠実さと
その友情(愛情)の底がないかのような深さ、
そこに作者の思いがこめられているのでしょう。

一度は読んで欲しい名作です。

 ・・・

(略)

『さぶ』山本 周五郎 新潮文庫 改版1965/12/28
―葉室麟「山本周五郎と私 人生の問い」、
 奥野政元「解説 受難と再生の物語」を収録。注釈付文字拡大新装版。

 

――次回は、
  「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家」で、
  もう一つの今年のテーマ「新顔作家」から
  集英社文庫のある作品を紹介しましょう。

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本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から」と題して、
今年選んだ私の3冊から角川文庫『走れメロス』から太宰治「走れメロス」、新潮文庫から山本周五郎『さぶ』を紹介。

今回もまたまた大サービスで、全編転載公開しています。

『さぶ』のラストについての私の考察は、ネタばらしにもなりますのでここでは割愛しておきます。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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2021.07.15

私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺ミステリ編(2)-楽しい読書298号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書
-298号【別冊 編集後記】

2021(令和3)年7月15日号(No.298)
「私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
ミステリ編(2)サスペンス他」

 

300号☆彡
 ☆彡
☆彡

弊誌もいよいよ300号に近づいています。

このままで行けば、8月15日(終戦記念日になりますね)に到達です。

記念に何かを考えてみようと思います。

「こんなことをやってみたら」というリクエスト、
もしくはご提案がございましたらお寄せください。

レフティやすお

 ・・・

もう一つお知らせ
といいますか、
報告し忘れていたことを。

以前、杖突き生活中と報告したかと思います。

6月にようやく、また自分の足だけで歩けるようになりました。
約一か月の杖突き生活でした。
(百円ショップの150円商品でしたが、非常に役に立ってくれました。)

ご心配をお掛けしました。
まだまだ回復途上ではありますが、
ご報告まで。

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年7月15日号(No.298)
「私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
ミステリ編(2)サスペンス他」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のうち、現在私の手元にある本の中から、
 お気に入りや、心に残る本を紹介してきました。

 今回も、おまけ編として
 買って読んだけれど、あるいは図書館等で借りて読んだけれど、
 自分の本として残さなかった本の中から、
 これは機会があれば、読んでいただきたいと思う本――
 名作・傑作を紹介してみましょう。

 

 前回までのおさらい――

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』

【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8
「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』

【6】
2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
2021.3.15
私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/03/post-0574cb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5fb379dedfe0c35721ff8cc2b4dbabd4
ミステリ文庫
(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン
(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編
(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編
(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール
(45)『ダークライン』
(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン
(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー
(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン
(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
<左利きミステリ>から――
(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
アガサ・クリスティー<クリスティー文庫>
(51)『ビッグ4』(52)『オリエント急行の殺人』(53)『死人の鏡』
(54)『ゼロ時間へ』

【7】
2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」
2021.4.15
私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)ハヤカワ文庫の50冊(5)NF他-楽しい読書292号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-cde3df.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7a3190d6f5084d5747d6d068bbe27bee
文庫NF
(55)『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー
(56)『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス
文庫JA
(57)『SF英雄群像』野田昌宏
(58)『ニュートンとアインシュタイン』石原 藤夫
(59)『SFロボット学入門』石原 藤夫
ブックガイド類
(60)『ミステリ・ハンドブック』早川書房編集部編
ハヤカワ・ミステリ文庫
(61)『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部/編
ハヤカワ文庫NV
(62)『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編 ハヤカワ文庫
―クリスティー文庫

【8】
2021(令和3)年6月15日号(No.296)
「私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・蔵書以外の名作傑作・ミステリ編」
2021.6.15
私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺ミステリ編-楽しい読書296号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/06/post-04b31f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a9e30ce5eb0f87cf109b659f937f17e3
◆エラリイ・クイーン(+1)『災厄の町〔新訳版〕』
(+2)『九尾の猫〔新訳版〕』(+3)『犯罪カレンダー 1月~6月』
◆ジョン・ディクスン・カー(+4)『火刑法廷〔新訳版〕』
(+5)『三つの棺〔新訳版〕』(+6)『ユダの窓』
◆アガサ・クリスティー(+7)『そして誰もいなくなった』
(+8)『ABC殺人事件』(+9)『カーテン』
・本格ミステリ短編集(+10)『九マイルは遠すぎる』
(+11)『ママは何でも知っている』
・本格ミステリ長編(+12)『切断』(+13)『見えないグリーン』
(+14)『ホッグ連続殺人』
◆ピーター・ラヴゼイ(+15)『偽のデュー警部』(+16)『苦い林檎酒』
<ダイヤモンド警視シリーズ>(+17)『最後の刑事』(+18)『単独捜査』
(+19)『バースへの帰還』(+20)『猟犬クラブ』(+21)『最期の声』

 

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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆

  私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)

   ―― ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺・
蔵書以外の名作傑作・ミステリ編(2)サスペンス他 ――

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「前回までのおさらい」で紹介しました62点の作品以外の本を対象に、
お話を進めていく、拾遺の第二回目は、
 ミステリ編(2)サスペンス他
です。

今回も思い出すままに取り留めなく紹介していきます。

最近読んだものもありますが、
大半は昔の記憶で書いていますので、
誤り等ございましてもご容赦ください。

今回は、好きなミステリから、サスペンスもの、ハードボイルド、
警察小説、冒険小説などの作品を挙げていきましょう。

 

 

 ●好きなミステリ作家から
――サスペンス、ハードボイルド、警察小説、短編集

戦後紹介された海外作家および作品のなかで、
江戸川乱歩によって一番の名作とされたのが、

(+22)『幻の女〔新訳版〕』ウィリアム・アイリッシュ 黒原 敏行/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2015/12/18
―タイムリミットを設定されたサスペンスもの。原書1942年

 

児童書『チョコレート工場の秘密?』でも有名な<異色作家>?の

(+23)『あなたに似た人〔新訳版〕 I』ロアルド・ダール
田口 俊樹/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2013/5/10
―「異色作家短篇集」系の「奇妙な味」系の短編集第1分冊。原書1953年
I

 

『〔新訳版〕 II』
―《従来日本では単行本未収録だった短篇二作を加えた新訳決定版》

 

長編ミステリも書いていますが、
短編で衝撃的なデビューをはたした作家である、

(+24)『特別料理』スタンリイ・エリン 田中 融二/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2015/5/8
―<異色作家短篇集>の一冊として有名な傑作短編集の文庫化。
 表題作以下「クリスマス・イヴの凶事」「パーティーの夜」
 「決断の時」等、名作揃いの10編。
201558-517zgkhijl

 

以前、年間ベストのフィクション編に選んだことのある
『泥棒はスプーンを数える』(集英社文庫)の、
私の好きな<泥棒探偵バーニイ・ローデンバー>シリーズでも知られる、

 

(+25)『八百万の死にざま』ローレンス・ブロック 田口 俊樹/訳
―タイトル通り様々な死に様を描きつつ読ませる、アル中探偵マット・
 スカダー・シリーズのハードボイルド・ミステリの代表作。原書1983

 

 

その他の作家で、「50冊」の中に選んだ、
<心優しい私立探偵アルバート・サムスン>シリーズの作家、
マイクル・Z・リューインの別のシリーズ作品を紹介しましょう。

◆マイクル・Z・リューイン
(+26)『夜勤刑事』浜野 サトル ハヤカワ・ミステリ文庫 1995/2/1
―<私立探偵アルバート・サムスン>シリーズからスピンオフした、
 都会の夜を守るインディアナポリス市警の辣腕の夜勤刑事リーロイ・
 パウダー登場の警察小説。1976
199521-51satzhpy4l

 

(+27)『刑事の誇り』田口 俊樹/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1995/7/1
―夜勤刑事から“失踪人課”に移動した、偏屈な<リーロイ・パウダー
 警部補>シリーズ2作目。傑作警察捜査小説。1982
199571-hm-165751tliyvcw8l

 

(+28)『男たちの絆』田口 俊樹/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1996/5/1
―父親が消えたと失踪人課に訴えてきた十二歳の少年の事件を追う
 <パウダー警部補>シリーズ第3作。1986
199651-51vdah6nsil

 

この作家は、ミステリ的な工夫もいいですが、
サムスン・シリーズもパウダー警視補のシリーズも、
人間的な優しさのようなものを感じさせて、好きですね。
一度は読んで欲しい作家です。

 

 

 ●冒険小説から――

つぎに、<50冊>に取り上げなかった作家の作品を挙げてゆきましょう。

『鷲は舞い降りた』(ハヤカワ文庫NV 続篇『鷲は飛び立った』)
で有名なジャック・ヒギンズの作品では、
私は宗教がらみのものが好きです。ともに感動の名作だと思います。

◆ジャック・ヒギンズ
(+29)『脱出航路』佐和 誠/訳 ハヤカワ文庫 NV 1982/5/1
―第二次大戦末期、南米から故国ドイツへ向かう帆船を嵐が襲う……。
Nv-283

 

(+30)『死にゆく者への祈り』井坂 清/訳 ハヤカワ文庫 NV266 1982/2/1
―アイルランド独立運動とIRAにまつわるお話。
198221-nv-266-61tjx37pixl

 

『深夜プラス1』 (ハヤカワ文庫NV)で有名なギャビン・ライアルの
航空ものが好きです。

◆ギャビン・ライアル
(+31)『本番台本』菊池 光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1977/6/1

(+32)『もっとも危険なゲーム』菊池 光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
1994/1/1

 

(+33)『ちがった空』松谷 健二/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1976/10/1

記憶が薄れているので、一つもしくは二つを絞れませんでした。

古くは、サン=テグジュペリ(『夜間飛行』『人間の土地』『戦う操縦士』
『星の王子さま』)や
リンドバーグ(ノンフィクション『翼よ、あれがパリの灯だ』)、
『カモメのジョナサン』で有名なリチャード・バック(『イリュージョン』
『二匹は人気作家―フェレット物語』)、
ミステリ作家では、『あなたに似た人』『キス・キス』で知られる、
あるいは『チョコレート工場の秘密』のロアルド・ダール
(『飛行士たちの話』)、ディック・フランシスもそうです。

飛行士作家の作品も含めて、飛行機もの航空ものが好きです。
小学生の時に、初の国産旅客機YS-11が登場し、
子供心にパイロットになりたい、と思ったものでした。

 ・・・

次回は、SF編を。

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本誌では、「私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺・蔵書以外の名作傑作・ミステリ編(2)サスペンス他」と題して、
私の読書人生の大半を占めているハヤカワ文庫と歩んだ半世紀の思い出の本を、読んだけれど今は手元にない本から選んで紹介する拾遺編から、「ミステリ編」をの二回目を紹介。

今回もまたまた大サービスで、全編転載公開しています。

現在手元に残してある/残っている本とは、また違った意味で心に残る本たちです。

 ・・・

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2021.06.30

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(11)漢代(3)司馬相如-楽しい読書297号

 ―第295号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年6月30日号(No.297)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(11)漢代(3)司馬相如」

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年6月30日号(No.297)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(11)漢代(3)司馬相如」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の10回目。

今回も引き続き、漢代の英傑たちの作品から紹介します。

 今回は漢代の英傑、二大文化人の一人・司馬相如の作品から。

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◆ 楚調の歌 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(11)漢代(3)
  漢代の英傑たち
  ~ 司馬相如 琴歌二首 ~
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今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より

 

(画像:書影(タイトル部分)『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20))

 ●漢の武帝全盛時代の二大文化人の一人・司馬相如

(略)

 ●司馬相如「琴歌二首」

「琴歌 二首」

  其一 鳳兮鳳兮  其(そ)の一(いち) 鳳兮(ほうや)鳳兮(ほうや)

 鳳兮鳳兮帰故郷  鳳(ほう)や 鳳(ほう)や
           故郷(こきょう)に帰(かえ)る
 遨遊四海求其鳳  四海(しかい)に遨遊(ごうゆう)して
           其(そ)の鳳(ほう)を求(もと)む
 時未通遇無所将  時(とき) 未(いま)だ通遇(つうぐう)せず
           将(ひき)ゐる所(ところ)無(な)し
 何悟今夕升斯堂  何(なん)ぞ悟(さと)らん 今夕(こんせき)
           斯(こ)の堂(どう)に升(のぼ)り
 有艶淑女在此房  艶(えん)たる淑女(しゅくじょ)有(あ)り
           此(こ)の房(ぼう)に在(あ)らんとは
 室邇人遐毒我腸  室(しつ)邇(ちか)く 人(ひと)遐(ちか)く 
           我(わ)が腸(はらわた)を毒(どく)す
 何縁交頸為鴛鴦  何(なに)に縁(よ)つて 頸(くび)を交(まじ)へて
           鴛鴦(えんおう)と為(な)らんや 

冒頭の三句では、「伴侶がいなくて困っている」と自分の現状を述べ、
後ろの四句では、「伴侶となる人が見つかった」と喜びを述べます。

 私は鳳(おおとり)だ、鳳だぞ。今こそ故郷に帰ってきたのだ。
 今まで広い世の中、
 四方八方をさまよい歩いて伴侶となる雌の鳳を探し求めていたが、
 まだ出会いの時に達せず、連れて来る相手はいなかった。

 思いもよらないことに、今夜この広間に入ったところ、
 うるわしい乙女が部屋におられたのだ。
 二人の距離は近いのに、あなたの存在は遙かに遠く、
 私の胸を焦がし、痛めつける。
 私はどうやってあなたと親しくなり、
 鴛鴦(おしどり)のような仲のよい夫婦になれるのでしょうか。

「鳳凰」は、想像上のおめでたい鳥のことで、「鳳」は雄、「凰」は雌。

 

  其二 皇兮皇兮   其(そ)の二(に) 皇兮(おうや)皇兮(おうや)

 皇兮皇兮従我棲  皇(おう)や 皇(おう)や
           我(われ)に従(したが)って棲()すまん
 得託孳尾永為妃  孳尾(じび)を託(たく)するを得(え)て
           永(なが)く妃(ひ)と為(な)らん
 交情通体心和諧  情(じょう)を交(まじ)へ 体(たい)を通じて
           心(こころ)和諧(わかい)せん
 中夜相従知者誰  中夜(ちゅうや) 相(あ)い従(したが)はん
           知(し)る者(もの)は誰(た)ぞ
 双興倶起翻高飛  双(なら)び興(お)き 倶(とも)に起(た)ちて
           翻(ひるがへ)って高(たか)く飛(と)ばん
 無感我心使予悲  我(わ)が心(こころ)に感(かん)ずる無(な)くんば
           予(われ)をして悲(かな)しましむ

前半三句が直接の愛情告白で、
後半三句は「じゃあどうするか」という具体的な提案です。

 凰よ、凰よ、あなたもおおとりだ。
 私について来て、一緒に暮らそうよ。
 あなたに育児やお産を頼むことができて、
 いつまでも女房どのになって頂くことができたらなあ。
 仲よく共に暮らせば、二人とも心が安らぎ、くつろぐだろう。
 さっそく今日、真夜中に連れ立って行こうよ。
 それに気づく者はだれか、誰も気づきはしないさ。
 夜中に共に目覚め、一緒に出かけて、
 さあ、ひらりと舞い上がって高く飛んで行こう。
 この気持ちに応じてくれないのなら、私を悲しませることになるよ。

「皇」は「凰」と同じで、雌のおおとり。
「孳尾」は、子供をたくさん産んで育てること。

(略)

 ●「白頭吟」伝・卓文君

白頭吟  白頭吟(はくとうぎん) 伝 卓文君(たくぶんくん)

 皚如山上雪  皚(がい)たること
         山上(さんじょう)の雪(ゆき)の如(ごと)く
 皎若雲間月  皎(きょう)たること
         雲間(うんかん)の月(つき)の若(ごと)し
 聞君有両意  聞(き)く 君(きみ) 両意(りょうい)有(あ)りと
 故来相決絶  故(ことさら)に来(きた)りて相(あひ)決絶(けつぜつ)す

 今日斗酒会  今日(こんにち) 斗酒(としゅ)の会(かい)
 明旦溝水頭  明旦(めいたん) 溝水(こうすい)の頭(ほとり)
 躞蹀()御溝上  御溝(ぎょこう)の上に躞蹀(しょうちょう)すれば
 溝水東西流  溝水(こうすい) 東西(とうざい)に流(なが)る

 淒淒復淒淒  淒淒(せいせい) 復(ま)た淒淒(せいせい)
 嫁娶不須啼  嫁娶(かしゅ)に啼(な)くを須(もち)ひず
 願得一心人  願(ねが)はくは一心(いっしん)の人(ひと)を得(え)て
 白頭不相離  白頭(はくとう)まで相(あひ)離(はな)れざらん

 竹竿何嫋嫋  竹竿(ちくかん) 何(なん)ぞ嫋嫋(じょうじょう)たる
 魚尾何簁簁()  魚尾(ぎょび) 何(なん)ぞ簁簁(しし)たる
 男兒重意気  男兒(だんじ) 意気(いき)を重(おも)んず
 何用銭刀為  何(なん)ぞ銭刀(せんとう)を用(もち)ふるを為(な)さん

 

四句ごとの段落で、
第一段は「自分は強い決意をもってここにきた」とはっきり伝えます。

 私の潔白なこと、あの山の頂の雪のように真っ白です。
 私の心が澄み切っていること、雲間から射す月の光のようです。
 最近聞いたところでは、あなたは浮気心を起こされたそうですね。
 そこで私は思いきって、お別れしに参りました。
 
「両意」は、二つの心、私と別の女性、その両方を愛する心、浮気心。

第二段は、別れの面会の場面で、
お酒を飲みながら話し合い、外を散歩した。

 今日ここで別れの杯を交わし、
 明日の朝、お堀の側でお別れしましょう。
 お堀の側をとぼとぼと歩いておりますと、
 その水は東と西に分かれて流れて行きます。

第三段は、自分の心を、未練があるようにほのめかす。

 私は寒さが身にしみます。
 いま私たちが二人で歩いているのが
 嫁入りや嫁迎えにかかわることならば、
 私は泣いたりする必要はないのですが。
 それにつけても誠実なお方を伴侶にして、
 白髪になるまでご一緒したいものです。

最後の第四段は、相如に対するからかいと戒めです。

 竹の釣竿は魚に引っ張られて、
 まあなんとしなしなとしなっていることでしょう。
 釣り上げられた魚の尻尾は、
 なんとまあびくびくと跳びはねていることでしょう。
 男性というものは心と心の通い合いこそを重んじるものでしょう。
 どうしてお金なんかを使って事を有利に運ぼうとするのですか。

 

ここでは『詩経』の影響が見られるといいます。
『詩経』で、魚を釣るといえば、男性が女性の愛情を求めるたとえで、
それを利用して「あなたはその魚に振り回されてしなっている」と
滑稽味のある表現です。

最後に、「金を積んで女性を引きようせようなんて、
あなたはなさいませんよね」とダメを押し、釘を刺している、
と解説されています。

(略)

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

 

▲★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

 

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

 

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(11)漢代(3)司馬相如」をお届けしています。

今回は、男女の恋歌の紹介です。
詩の部分のみ紹介しています。

それ以外の解説等は本誌をご覧ください。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

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2021.06.15

私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺ミステリ編(1)-楽しい読書296号

2021(令和3)年6月15日号(No.296)
「私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
 ミステリ編(1)本格ミステリ」


 


300号☆彡
 ☆彡
☆彡


弊誌もいよいよ300号に近づいています。


このままで行けば、8月15日(終戦記念日になりますね)に到達です。


記念に何かを考えてみようと思います。


「こんなことをやってみたら」というリクエスト、
もしくはご提案がございましたらお寄せください。


レフティやすお


 


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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年6月15日号(No.296)
「私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
 ミステリ編(1)本格ミステリ」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のうち、現在私の手元にある本の中から、
 お気に入りや、心に残る本を紹介してきました。


 今回からは、いよいよ最終回シリーズ? で、おまけ編として
 買って読んだけれど、あるいは図書館等で借りて読んだけれど、
 自分の所蔵本として残さなかった本の中から、
 これは機会があれば、読んでいただきたいなあと思う本――
 名作・傑作を紹介してみましょう。


 


 前回までのおさらい――


【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』


【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』


【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』


【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』


【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8
「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』


【6】
2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
2021.3.15
私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/03/post-0574cb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5fb379dedfe0c35721ff8cc2b4dbabd4
ミステリ文庫
(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン
(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編
(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編
(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール
(45)『ダークライン』
(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン
(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー
(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン
(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
<左利きミステリ>から――
(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
アガサ・クリスティー<クリスティー文庫>
(51)『ビッグ4』(52)『オリエント急行の殺人』(53)『死人の鏡』
(54)『ゼロ時間へ』


【7】
2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」
2021.4.15
私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5)NF他-楽しい読書292号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-cde3df.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7a3190d6f5084d5747d6d068bbe27bee
文庫NF
(55)『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー
(56)『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス
文庫JA
(57)『SF英雄群像』野田昌宏
(58)『ニュートンとアインシュタイン』石原 藤夫
(59)『SFロボット学入門』石原 藤夫
ブックガイド類
(60)『ミステリ・ハンドブック』早川書房編集部編
ハヤカワ・ミステリ文庫
(61)『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部/編
ハヤカワ文庫NV
(62)『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編 ハヤカワ文庫
―クリスティー文庫


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・
蔵書以外の名作傑作・ミステリ編(1)本格ミステリ ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「前回までのおさらい」で紹介しました62点の作品以外の本を対象に、
お話を進めていこうと思います。


思い出すままに取り留めなく紹介していきます。


最近読んだものもありますが、
大半は昔の記憶で書いていますので、
誤り等ございましてもご容赦ください。


まずは、好きなミステリから、本格ミステリ、本格謎解きもの
の作品を挙げていきましょう。


 


 ●好きなミステリ作家から――黄金時代の巨匠


私の好きな作家としては、海外ミステリでは、
イギリスのクリスティー、ディック・フランシス、
アメリカのエド・マクベイン、マイクル・Z・リューイン、
ローレンス・ブロックなど。
これらの初期作品などは、みなポケミス。


よく読んでいる作家としては、海外では、
ホームズやチャレンジャー教授他のドイル、ルパンのルブラン、
クイーンやカーなどの本格ミステリの初期作品は他社文庫。
チェスタトンはみな創元でしたね。


 


まずは本格ミステリ黄金時代の巨匠から――
クイーンやカーの中・後期以降の作品などは、
ミステリ文庫で最近読みました。


 


論理派の巨匠として知られるクイーン――


◆エラリイ・クイーン
(+1)『災厄の町〔新訳版〕』越前 敏弥/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
2014/12/5
―日本でも映画化されたライツヴィルもの、クイーン中期の名作。


 


(+2)『九尾の猫〔新訳版〕』越前 敏弥/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
2015/8/21
―ニューヨークを恐怖に陥れる連続絞殺魔〈猫〉事件、犯人との知恵比べ。


 


(+3)『犯罪カレンダー 1月~6月』宇野 利泰/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
2002/8/1
―<左利きミステリ>(4月、6月)を含む、1月から12月までのミステリ
 歳時記短編集の前半6篇。


 


『犯罪カレンダー 7月~12月』宇野 利泰/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
2002/8/1


 


クイーンと言えば、『十日間の不思議』も新訳本が出ましたね。
中期以降の最高傑作との呼び声も高い、ライツヴィルものの作品です。


『十日間の不思議〔新訳版〕』越前 敏弥/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2021/2/17


 


密室の巨匠としてのディクスン・カー――


◆ジョン・ディクスン・カー
(+4)『火刑法廷〔新訳版〕』加賀山 卓朗/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
2011/8/25
―地下霊廟が登場するなど、カーらしい怪奇ムードに溢れる名作


 


(+5)『三つの棺〔新訳版〕』加賀山 卓朗/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
2014/7/10
―有名な密室講義をふくむ、密室殺人ものの名作。


 


(+6)『ユダの窓』砧 一郎/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1978/3/1
―カーター・ディクスン名義。
 「ユダの窓」は油断の窓といわれる密室ものの名作。


 


アガサ・クリスティーの名作から挙げるとすれば、
<50冊>の中では、<左利きミステリ>関係を紹介しましたので、
それ以外の名作を挙げますと、やはり孤島もののアレと、
ポアロとヘイスティングズのコンビが活躍する作品が好きですね。


◆アガサ・クリスティー
(+7)『そして誰もいなくなった』青木久惠/訳 ハヤカワ文庫
―クリスティー文庫 2010/11/10
―孤島に集められた10人が歌詞に合わせて殺されていく孤島ものの名作。


 


(+8)『ABC殺人事件』堀内 静子/訳 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫
2003/11/11
―ABC順にその地名でその人名の人物が殺される連続殺人もの。


 


(+9)『カーテン』田口 俊樹/訳 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫
2011/10/7
―最初の事件の舞台スタイルズ荘でのポアロ最後の事件。


 


『ABC殺人事件』と『カーテン』は、つい最近再読しました。
やっぱり良いですね。
<ポアロ最後の事件>である後者は、最も油の乗り切っていたといわれる
1930年代にあらかじめ書き残していたと言われる作品です。
初めて読んだときはまだ20代できちんと読み切れていなかったようで、
今回は「名作だな」と感心しました。


 


 ●それ以後の本格ミステリと本格ミステリ短編集


本格ミステリの短編集から――


(+10)『九マイルは遠すぎる』ハリイ・ケメルマン
永井 淳・深町 眞理子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1976/7/1
―安楽椅子探偵もののニッキィ・ウェルト教授シリーズ短編集。原書1967
 表題作は1946年に“EQMM”コンテストに発表され処女作特別賞を受賞。
 以降60年代までにポツポツと紹介された作品を集めたもの。
 のちにユダヤの神父を主人公とする長編シリーズを発表。


 


(+11)『ママは何でも知っている』ジェイムズ・ヤッフェ 小尾 芙佐/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2015/6/4
―刑事の息子の語る難事件を見事に解決するママのシリーズ。
 『九マイル―』同様、安楽椅子探偵ものの人気シリーズ短編集。
 のちに長編も発表されました。


 


次は長編――


このミステリのジャンルは本格ミステリで良いのでしょうか。
ずっと昔の記憶で書いていますので、
ちょっとよくわかりませんが。


異色の警察小説家もしれません。
なにしろ史上最低の警部と呼ばれる刑事さんの物語ですから。


(+12)『切断』ジョイス・ポーター 小倉多加志/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 1976/8/1
―最低最悪のスコットランドヤードのドーヴァー警視を主人公とする
 ユーモアミステリ・シリーズの最高傑作。 原書1967


 


ドーヴァー・シリーズは、当初『ドーヴァー1』というように、
ナンバーでしめされていました。
この『ドーヴァー4・切断』から単語の表題がつくになりました。


 


(+13)『見えないグリーン』ジョン・スラデック 真野 明裕/訳
―トイレという密室での殺人他、素人探偵会の事件。
 有栖川有栖の『密室大図鑑』でも紹介されている名作。


SF作家による本格推理もの挑戦で、
名探偵サッカレイ・フィンが登場する2作の長篇『黒い霊気』(74年)
と本書『見えないグリーン』(77年)を残しました。


 


(+14)『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア 真崎 義博/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2005/1/1 
―連続殺人ものの名作。原書1979


記憶は遠いかなたですが、当時評判になったこの作家初期の傑作。


 


 ●70年代以降で一番好きな本格ミステリ作家ピーター・ラヴゼイ


本格ミステリ系では、イギリスの時代物のミステリでデヴューした作家
ピーター・ラヴゼイ。
時代物のデヴュー作『死の競歩』から読んでいる作家ですが、
のちに化けた一人でしょうか。


また、現代もののダイヤモンド警視シリーズがまたよかった。
途中で紹介が途切れてしまったようですが……。


 


◆ピーター・ラヴゼイ
(+15)『偽のデュー警部』中村 保男/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1983/10/26
―1920年代の豪華客船で、名警部デューに間違えられた男の話。


 


(+16)『苦い林檎酒』苦い林檎酒 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 91‐4)) 文庫 – 1987/9/1
ピーター・ラヴゼイ (著), 山本 やよい (翻訳)
―戦争中の疎開先での事件をめぐり、父の無実を晴らそうとする娘。
 “苦い”思い出の事件。


 


<ダイヤモンド警視シリーズ>
(+17)『最後の刑事』山本 やよい/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1996/11/1
―古都バースの頑固な旧式の“最後の刑事”ピーター・ダイヤモンド警視の
 新シリーズ第1作。ダイヤモンド警視が辞職を強いられるというデヴュー。


 


第2作以降も面白く、警備員に再就職した第2作『単独捜査』、
復職する第3作『バースへの帰還』、ミステリ愛好会の事件『猟犬クラブ』、
愛妻が殺される『最期の声』など名作傑作揃いで楽しめました。
1996111-51zjvmmds4l


 


(+18)『単独捜査』山本 やよい/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1999/8/1
―辞職したダイヤモンド、デパートの警備員なるもまた失職。
 日本人の少女をめぐり日本に飛ぶ。第二弾。


 


199981-51o4s6hdgsl


 


(+19)『バースへの帰還』山本 やよい/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫
2000/5/1
―かつて逮捕した囚人が逃亡、誘拐事件を起こしその調査を命じられる。
 英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞受賞、シリーズ会心作。


 


200051-51c9lmwcyxl


 


(+20)『猟犬クラブ』山本 やよい/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2001/6/1
―ミステリ愛好会「猟犬クラブ」会員相手の密室殺人事件。
 前作『バースへの帰還』につづき、二年連続でシルヴァー・ダガー賞
 受賞のシリーズ屈指の傑作。


 


200161-515jerwmyrl


 


(+21)『最期の声』山本 やよい/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2007/1/1
―愛妻ステファニー殺害現場に急行した警視が独力で挑む衝撃作。


 


200711-51niehtuehl


 


あと何冊か翻訳が出ていたかと思いますが、それは記憶の外か未読。


そして、その後は邦訳はないように思います。


やっぱりダイアモンド警視の奥さんを殺してしまったのは、
ちょっと早まったかなあ、という気がしますが。


こういう背景を読むのが、
シリーズものの楽しみの一つでもあります。
特にこのシリーズは、警視の“人間味”が売りでもあると思いますので。
残念です。


(画像:ピーター・ラヴゼイの<ダイヤモンド警視>シリーズ『最後の刑事』『単独捜査』『バースへの帰還』『猟犬クラブ』『最期の声』書影)


 ・・・


今回はこのへんで。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


本誌では、「私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8) ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・蔵書以外の名作傑作・ミステリ編(1)本格ミステリ」と題して、
私の読書人生の大半を占めているハヤカワ文庫と歩んだ半世紀の思い出の本を、読んだけれど今は手元にない本から選んで紹介する拾遺編から、まずは「本格ミステリ編」を紹介。


今回も、全編転載公開しています。


現在手元に残してある/残っている本とは、また違った意味で心に残る本たちです。


 ・・・


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2021.05.31

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(10)漢代(2)武帝-楽しい読書295号

 ―第295号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年5月31日号(No.295)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(10)漢代(2)武帝」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年5月31日号(No.295)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(10)漢代(2)武帝」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の10回目。

今回も引き続き、漢代の英傑たちの作品から紹介します。

 まずは漢の武帝の作品から。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 楚調の歌 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(10)漢代(2)
  漢代の英傑たち
  ~ 漢の武帝 「秋風辞」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より

 

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(画像:書影(タイトル部分)『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20))
Wikipedia

(画像:武帝 (漢)(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』))

 

 ●武帝「秋風辞」

前漢の半ば、紀元前100年前後、
このころから中国の歴史に英雄豪傑が数多く現れ、
色々なエピソードとそれにまつわる詩が登場するといいます。

武帝(紀元前156~前87)の全盛時代、
文化政策の推進で文化人が優遇され、色々な人材が登用されました。

そのうちの二大文化人が、司馬遷と司馬相如でした。

まずはその武帝の詩から。
(『文選(もんぜん)』巻45、『古文真宝』などに収録。)

 

「秋風辞」秋風の辞 高祖武帝

 上行幸河東、祠后土。顧視帝京欣然。中流与群臣飲燕、上歡甚。
 乃自作秋風辞。曰、

 上(しょう) 河東(かとう)に行幸(ぎょうこう)し、
 后土(こうど)を祠(まつ)る。
 帝京(ていけい)を顧視(こし)して欣然(きんぜん)たり。
 中流(ちゅうりゅう)に群臣(ぐんしん)と飲燕(いんえん)し、
 上(しょう) 歓(よろこ)ぶこと甚(はなはだ)し。
 乃(すなわ)ち自(みづか)ら「秋風の辞」を作(つく)る。曰(いわ)く、

 

 秋風起兮白雲飛  秋風(しゅうふう)起(おこ)って
          白雲(はくうん)飛(と)ぶ
 草木黄落兮雁南帰 草木(そうもく)黄落(こうらく)して
          雁(がん)南(みなみ)に帰(かへ)る
 蘭有秀兮菊有芳  蘭(らん)に秀(はな)有(あ)り
          菊(きく)に芳(かんば)しき有(あ)り
 携佳人兮不能忘  佳人(かじん)を携(たづさ)えて
          忘(わす)るる能(あた)はず
 泛楼舡兮済汾河  楼舡(ろうこう)を泛(うか)べて
          汾河(ふんが)を済(わた)り
 橫中流兮揚素波  中流(ちゅうりゅう)に橫(よこたは)つて
          素波(そは)を揚(あ)ぐ
 簫鼓鳴兮發棹歌  簫鼓(しょうこ)鳴(な)つて
          棹歌(とうか)発(はつ)す
 歓楽極兮哀情多  歓楽(かんらく)極(きわ)まつて
          哀情(あいじょう)多(おほ)し
 少壮幾時兮奈老何 少壮(しょうそう)幾時(いくとき)ぞ
          老(お)いを奈何(いかん)せん

 (『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
   「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より )

 

 ●宇野直人さんの解説から

第一段 最初の三句――季節感の描写

 秋風が吹き起こり、白い雲が飛んでいる。
 草や木は黄ばみ落ちて、渡り鳥の雁は南に帰る季節になった。
 蘭は愛らしい花を咲かせ、菊は馥郁たる香りを放っている。

秋の悲しさを歌い、動植物が出てくるところは、
宋玉の影響で、武帝は宋玉を意識していた、

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』宇野直人さんの解説。

第二段 次の四句――今の自分の状況を描写

 今祀ってきた美しい女神のことが忘れられない。
 こうして屋形舟を浮かべて汾河を渡り、
 流れを横切りながら白波をかきたてている。
 舟の上では縦笛や鼓が華やかに鳴り、舟歌が威勢よく湧き起こる。

ああなんという楽しいひとときだろう、
武帝が地の女神を祀ったときのものなので、
「佳人」は女神ととっていい、と宇野直人さん。

 

第三段 最後の二句――そこから触発された感情を描写

 喜びや楽しみが極まり尽きると、
 かえって物悲しい気分が広がって来る。
 私のこの若い元気のよい時はいったいいつまで続くのか。
 しのびよる老年にどう対処したらよいのだろうなあ。

 

従来楚調の歌といえば、屈原の君王から受け入れられぬという、
鬱積した悲憤慷慨が基調にあったものですが、
ここでは、誰にでもあるような人生への歎きになっています。

積極策で漢帝国の版図を広げ、全盛期を築いた帝王といえども
どうしようもないのが、寿命や健康という問題です。
ある意味ではてっぺんを取ったものにしか言えない歎きかもしれません。

 

 ●ネットから

漢武帝:秋風辞 - 漢詩と中国文化 - 東京を描く
https://chinese.hix05.com/Han/han04.butei.html

の作者:壺齋散人(引地博信)さんは、
こんな説をとなえておられます。

 《それにしても、皇帝の歌にしては余りにも人間臭く響くのは、
  この歌を流れている老荘思想のためだと思われる。
  漢は歴代儒教を重んじ老荘思想を排してきたが、
  武帝はこの思想に親和性を感じていた節がある。》

 

また、

秋風の辞 - 沈思翰藻(2017年9月24日) 
http://chugokubungaku.hatenablog.com/entry/2017/09/24/202200

によりますと、
(前言にもありますように、)
 
 《この詩は汾河において祖先をまつる祭祀を行い、
  そこで群臣と宴会を催したときの作とされています。

  当時は漢の国威が最高潮に達したときであり、
  その満ち足りた思いを詠い上げますが、
  さらには迫り来る老いを悲しむものとなっています。
  武帝は晩年に老いて死ぬことを恐れ、
  不老不死の仙術を求めていたと言います。

  この詩における秋風はもの悲しさを感じさせるものであますが、
  以降この秋風のイメージが継承されるようになります。》

  (原文のママ)

 

とあります。

てっぺんに立ったものには、
てっぺんに立ったものなりの悩みというものがあるようです。

人間の欲望の深さというものでしょうか。

 ・・・

では、今回はこのへんで。

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

 

▲★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

 

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(10)漢代(2)武帝」をお届けしています。

新型コロナ感染拡大という緊急事態宣言発令中ということもあり、図書館がお休みで、思うようにお勉強が進んでいません。

そこで、というのもなんですけれど、今回は大サービスで全編転載です。

この機会に弊誌のご購読を!
よろしくお願いいたします。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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2021.05.15

私の読書論144-<左利きミステリ>その後-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第595号 別冊編集後記
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』第294号 別冊 編集後記

第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

210515-xno294-mail
(画像:第595号x(No.294) 2021/5/15「コラボ企画 私の読書論144<左利きミステリ>その後」のメルマガ画像から冒頭部分)

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
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 × × × × × × × × × × × × × × × ×
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
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 今回は、『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前一度試みましたが、その2度目。

 実は、体調不良(コロナではなく、ぎっくり腰からの腰と足の痛み、
 お医者さんで薬やベルトをもらい、少しずつですが回復傾向)で、
 別個に2本のメルマガを書く余裕がなく、
 やっつけでお茶を濁そうという企みです。

 ご容赦!


【前回】コラボ

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
 
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

2020.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』

2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

20.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ★ コラボ企画 ★
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ> その後
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

前回同様、<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後に見つけた作品をごくごく簡単に紹介しておきます。


*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

 ●過去に紹介した作品・書名

以下は、過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」、ブログ等で紹介したもの。

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 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 番外編:左利き/左関連
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・1843「黄金虫」エドガー・アラン・ポー
 短編集『ポオ小説全集4』創元推理文庫 他

・「黄いろい顔」アーサー・コナン・ドイル
 第二短編集『シャーロック・ホームズの回想』光文社文庫 他

・1891(1892)「ボスコム谷の謎」アーサー・コナン・ドイル
 第一短編集『シャーロック・ホームズの冒険』光文社文庫 他

・「藁人形」メルヴィル・デイヴィスン・ポースト
 『ミステリマガジン』1975年4月号(No.228)掲載 山田辰夫/訳
 短編集『アブナー伯父の事件簿』創元推理文庫
 短編集『アンクル・アブナーの叡知』ハヤカワ・ミステリ文庫

・(1981)「兄弟」阿刀田高
 短編集『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 他

・『三月は深き紅の淵を』「第二章 出雲夜想曲」恩田陸 講談社文庫

・「アンゴウ」坂口安吾
 『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)
 『日本探偵小説全集 (10) 坂口安吾集』創元推理文庫

・UN-GO第6話脚本「あまりにも簡単な暗号」會川昇
 『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)

・『左ききの名画』R・オームロッド
 社会思想社・現代教養文庫〈ミステリ・ボックス〉

・『シューメーカーの足音』本城雅人 講談社文庫

・『霧の旗』松本清張 新潮文庫

・『ヘルたん』「第二話 ミラー・ツイン」愛川 晶 中公文庫

・(2004)『悪魔のヴァイオリン』ジュール・グラッセ ハヤカワ・ミステリ

・「時計収集家の王」ジェラルド・カーシュ
 短編集『壜の中の手記』 角川文庫

・「心臓と左手」石持浅海
 短編集『心臓と左手 座間味くんの推理』光文社文庫

・『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
 ハヤカワ・ミステリ文庫

・2001「夜霧のサンフランシスコ」ジョー・ゴアズ
 『ミステリマガジン』2002年4月号(No.554) 早川書房

・『検察側の証人』アガサ・クリスティー
 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫

・「厩舎街(ミューズ)の殺人」アガサ・クリスティー
 短編集『死人の鏡』 クリスティー文庫

・『朝霧高原殺人事件』和久峻三 光文社文庫

・1982「停電にご注意」鮎川哲也
 短編集『クライン氏の肖像―三番館の全事件III』 出版芸術社
 短編集『材木座の殺人』創元推理文庫

・『京都殺人地図』「第二話 偽装の殺人現場」「第三話 消えた配偶者」
 山村美紗 文春文庫

・『サウスポー・キラー』水原秀策 宝島社文庫

・『ゴースタイズ・ゲート 「イナイイナイの左腕」事件』中井拓志
 角川ホラー文庫

・『新装版 8の殺人』我孫子武丸 講談社文庫

・『シャム双子の謎』エラリー・クイーン 創元推理文庫 他

・『ゴーグル男の怪』島田荘司 新潮文庫

・「シベリア急行西へ」麻耶雄嵩
 短編集『メルカトルと美袋のための殺人』 集英社文庫

・『歳時記(ダイアリイ)』依井貴裕 東京創元社<黄金の13>

・『春夏秋冬殺人事件』「冬の部 団地警察殺人事件」齋藤栄
  祥伝社ノン・ポシェット

・『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社文庫

番外編・<左利きの探偵> 検屍官ケイ・スカーペッタ
 『死因』パトリシア・コーンウェル 講談社文庫

 ●その後に見つけた作品、再認識した作品

【海外ミステリ】

・1841「悪魔に首を賭けるな」エドガー・アラン・ポオ
 短編集『ポオ小説全集III』 創元推理文庫

<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
・1904「ミス・ペブマーシュ殺人事件」バロネス・オルツィ
 短編集『隅の老人〔完全版〕』作品社

・1906「余分な指」ジャック・フットレル
 短編集『思考機械〔完全版〕第二巻』 作品社

・1907「壊れたブレスレット」ジャック・フットレル
 短編集『思考機械〔完全版〕第二巻』 作品社

・1909「アルミニウムの短剣」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿I』 創元推理文庫

・1911「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン
 短編集『世界推理短編傑作集2』江戸川乱歩編 創元推理文庫
 短編集『リュパンの告白』 創元推理文庫 他

番外編・ワトスン役が左利き?(1914)「ディオニュシオスの銀貨」
 アーネスト・ブラマ
 短編集『マックス・カラドスの事件簿』 創元推理文庫

[未]・(1918)「消えた金融業者」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿II』 創元推理文庫

・(1925)「砂丘の秘密」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿I』 創元推理文庫

・(1927)「ポンティング氏のアリバイ」オースチン・フリーマン
 短編集『ソーンダイク博士の事件簿II』 創元推理文庫

・(1927)「フラットの惨劇」アーネスト・ブラマ
 短編集『マックス・カラドスの事件簿』 創元推理文庫

[準]・(1928)「金歯の男」モーリス・ルブラン
 短編集『バーネット探偵社―ルパン傑作集VII』 新潮文庫


・(1924)「夜鶯荘」アガサ・クリスティ 
 短編集『世界推理短編傑作集3』江戸川乱歩編 創元推理文庫 他

・(1927)『ビッグ4』「11 チェスの問題」アガサ・クリスティー
 クリスティー文庫

・(1933)『Zの悲劇』エラリー・クイーン 角川文庫 他

・(1934)『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティー
 クリスティー文庫

・(1944)『ゼロ時間へ』アガサ・クリスティー クリスティー文庫

・(1944)『暁の死線』ウィリアム・アイリッシュ 創元推理文庫

・(1952)「4月 皇帝のダイス」「6月 くすり指の秘密」
 エラリー・クイーン
 短編集『犯罪カレンダー<1月~6月>』 ハヤカワ・ミステリ

・(1956)「本物のモートン」マイケル・イネス
 短編集『アップルビイの事件簿』 創元推理文庫

・(1963)『白夫人の幻』ロバート・ファン・ヒューリック
 ハヤカワ・ミステリ

・(1969)『刑事マルティン・ベック 消えた消防車』
 マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー 角川文庫

・1995「待ちに待ったヒット」(「キルディア物語」より)
 エドワード・D・ホック
 短編集『革服の男』 光文社文庫

・(1999)「クリスマスの陰謀」エドワード・D・ホック
 短編集『エドワード・D・ホックの
  シャーロック・ホームズ・ストーリーズ』 原書房

・(2001)「死なないボクサー」エドワード・D・ホック
 短編集『サイモン・アークの事件簿IV』 創元推理文庫

番外編・<左利きの探偵>西部探偵ベン・スノウ
 1990「呪われたティピー」エドワード・D・ホック
 短編集『革服の男』 光文社文庫

・(2004)『歌姫』エド・マクベイン ハヤカワミステリ

・『旧約聖書』「士師記 第3章 12-30」
 『左ききの本』「十三 エホデ――ベニヤミンのジェイムズ・ボンド」
 マイケル・バーズリー TBS出版会

・(1207)『棠陰比事』「9 利手の左右」「10 傷跡の深浅」
 桂万栄 編纂 岩波文庫

・「教育の監督権を有する関係者に対する請願書」
 ベンジャミン・フランクリン 
 『左ききの本』マイケル・バーズリー TBS出版会
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』ジェームス・ブリス、
  ジョセフ・モレラ 講談社
 『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン 文藝春秋

・〈玉突屋のおやじ〉マーク・トウェイン
 『ちょっと面白い話』大久保博編訳 旺文社文庫

・(1858)「左ぎっちょクラブ」ギュンター・グラス
 短編集『僕の緑の芝生』 小沢書店

番外編・(1974)「手巻き煙草」ギュンター・グラス
 短編集『僕の緑の芝生』 小沢書店

番外編・1881「左利き トゥーラのやぶにらみの左利きと鋼鉄の蚤の話」
 レスコフ
 短編集『レスコフ作品集1左利き』群像社・ロシア名作ライブラリー1

番外編・(1871)『鏡の国のアリス』ルイス・キャロル 新潮文庫 他

番外編・(1913)『オズのつぎはぎ娘』ライマン・フランク・ボーム
 ハヤカワ文庫
   
番外編・(2005)「左利き」J・ロバート・レノン 
 『左手のための小作品集――100のエピソード』関西大学出版部

SF・1896「プラットナー先生綺譚」H・G・ウェルズ
 短編集『白壁の緑の扉』 国書刊行会<バベルの図書館>8

SF・(1999)『ノービットの冒険―ゆきて帰りし物語』パット・マーフィー
 ハヤカワ文庫SF


【国内ミステリ】

・(2014)『連写 TOKAGE3特殊遊撃捜査隊』今野敏 朝日文庫

・1980「最期のメッセージ」阿刀田高
 短編集『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫

・2003「書肆に潜むもの」井上雅彦
 『古書ミステリIII』ミステリ文学資料館編 光文社文庫

番外編・1978「ある東京の扉」連城三紀彦
 短編集『変調二人羽織』光文社文庫

番外編・(2019)『レフトハンド・ブラザーフッド』知念実希人 文藝春秋

ホラー・(2017)「左利きの鬼」宇佐美まこと
 短編集『角の生えた帽子』KADOKAWA

SF・(1977)『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫

SF・2003「大喝采」横田順彌
 『SFマガジン』2019年6月号
 短編集『押川春浪回想譚』 出版芸術社

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本誌では、「私の読書論144-<左利きミステリ>その後-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画」と題して、
発行日が同じになったこともあり、本文中にも書いていますように、個人的理由から急遽こういう手抜きになりました。

今回は、全編転載公開しています。
一部発表年代が抜けていたり、分類もできていなかったり、簡単な紹介コメントもなかったりで、中途半端なできです。

追々こちらのブログ上で追記して情報として整えていこうと思います。
ご期待ください。

では、これからも両誌をご愛顧のほど、お願い申し上げます。


*本誌のお申し込み等は、下↓から
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2021.04.30

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦-楽しい読書293号

 ―第293号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の9回目。

今回からは、漢代の英傑たちの作品を取り上げていきます。

 まずは項羽と劉邦のそれぞれの作品から。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 楚調の歌 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)
  漢代の英傑たち
  ~ 項羽「垓下の歌」、高祖劉邦「大風の歌」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より

210423kouu

(画像:書影(タイトル部分)『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)と司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫))
210423kousiba

(画像:司馬遼太郎の小説『項羽と劉邦(下)』(新潮文庫)より項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」のくだり)
 

 ●楚調の歌

(略)

 ●項羽の辞世の歌「垓下(がいか)の歌」

(略)

「垓下の歌」
力抜山兮気蓋世 
 力(ちから) 山(やま)を抜(ぬ)き 気(き) 世(よ)を蓋(おほ)う
時不利兮騅不逝
 時(とき) 利(り)あらず 騅(すい)(項羽の愛馬)逝(ゆ)かず
騅不逝兮可奈何
 騅(すい)の逝(ゆ)かざる 奈何(いかん)す可(べ)き
虞兮虞兮奈若何
 虞(ぐ)や虞(ぐ)や 若(なんぢ)を奈何(いかん)せん

「私の力は山を引き抜くほど強く、
 心意気は山を蓋い尽くすほど盛んであった。
 しかし時の流れは私に味方せず、
 長らく乗ってきた名馬の騅ももう進めなくなった。
 騅の進めなくなったのをどうしたらいいか。
 そしていつも私について来てくれた虞美人よ、虞美人よ、
 君をどうしようか、もはやどうしようもないなあ」

 (『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
   江原正士、宇野直人/著 平凡社
  「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.92-93)

 ●虞美人の返歌

(略)

漢兵已略地  漢兵(かんぺい)、已(すで)に地(ち)を略(りゃく)し
四方楚歌声  四方(しほう) 楚歌(そか)の声(こえ)
大王意気尽  大王(だいおう)(項羽のこと)意気(いき)尽(つ)く
賤妾何聊生  賤妾(せんしょう)(わたくし)
        何(なん)ぞ生(せい)に聊(やす)んぜん
(略)「劉邦の漢軍はすでに私たちの故郷である楚を略奪し、
 今や四方から楚の民謡まで聞こえます」。
 八方ふさがりというわけです。
 「項羽さま、さすがのあなたも闘志を失われたのですね。
  かくなる上は、この私だけが
  どうしておめおめと生き長らえることがありましょうか」。
 歌い終わった虞美人は、手にした剣で自らの首を斬って自決します。
 やがて彼女が倒れた場所に小さな芽が出て草がのび、
 ひなげしの花が咲きました。人々は虞美人を憐れんで、
 ひなげしのことを「虞美人草」と呼ぶようになった――
 と、ちょっと悲しい話が残っています。
 
 (『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
   江原正士、宇野直人/著 平凡社
  「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より p.95)

 ●司馬遼太郎『項羽と劉邦(下)』より

(略)

 《(あれは、楚歌ではないか)/項羽は、跳ね起きた。
  武装をして城楼にのぼってみると、地に満ちた篝火が、
  そのまま満天の星につらなっている。
  歌は、この城内の者がうたっているのではなく、
  すべて場外の野から湧きあがっているのである。
  楚の国は言語が中原と異なっているだけでなく、
  音律もちがっている。楚の音律は悲しく、
  ときにむせぶようであり、ときに怨ずるようで、
  それを聴けばたれの耳にも楚歌であることが分かる。/
  しかも四面ことごとく楚歌であった。/
  ――わが兵が、こうもおびただしく漢に味方したか。/
  とおもったとき、楚人の大王としての項羽は
  自分の命運の尽きたことを知った。
  楚人に擁せられてこその楚王であり、
  楚人が去れば王としての項羽は、もはやこの地上に存在しない。》

(略)

 《 力は山を抜き 気は世を蓋う/時に利非ずして

  と歌ったあと、拍っているひざの手をとめ、不意に床をみつめた。
  やがて、/

   騅逝かず

  と、歌った。脳裏に敵の重囲が浮かび、
  手も足も出なくなっている自分の姿が、
  雷光に射照らされるように映じたのにちがいない。
  項羽の目にふたたび涙が噴きだし、
  そのままふりかえって背後の虞姫をひきよせ、/

   騅逝かざるを奈何すべき/虞や虞や若を奈何せん
 
  と、うたいおさめた。/
   力抜山兮気蓋世 時不利兮騅不逝 騅不逝兮可奈何
   虞兮虞兮奈若何
  兮という間投詞が、ことばが切れるごとに入っている。
  兮は詞の気分に軽みをつける間投詞ではなく、
  むしろ作り手の項羽が、
  兮! と発声するごとに激情が一気に堰きとめられ、
  次いでつぎの句の感情にむかって
  いっそうに発揚する効果を持っている。項羽のこの場合の兮は、
  項羽のこのときの感情のはげしさをあらわしているだけでなく、
  最後に虞姫に対し、その名を呼ぶことにいちいち兮を投入したのは、
  この詩が要するに、虞姫よ、この項羽の悲運などどうでもよい、
  この世にお前をのこすことだけが恨みだ、という
  ただそれだけのことをこの詩によって言いたかったにちがいない。》

(略)

 ●高祖劉邦「大風の歌」

(略)

「歌一首」高祖劉邦

大風起兮雲飛揚  
 大風(たいふう)起(おこ)って 雲(くも)飛揚(ひよう)す
威加海内兮帰故鄕 
 威(い) 海内(かいだい)に加(くわ)はって
 故郷(こきょう)に帰(かえ)る
安得猛士兮守四方 
 安(いづ)くにか猛士(もうし)を得(え)て
 四方(しほう)を守(まも)らしめん

 (略)「大風が吹いて、雲が乱れ飛び、ちりぢりになった」。
 ここは自分を大風に、乱世のさまざまな豪傑を雲にたとえて、
 “そういう雲を吹き払って天下が統一された”という意味でしょうか。
 二句め、「権威は中国全体に浸透して、私は故郷に帰って来た」。
 最後は願望で、「この上はどうにかして、
 勇敢なもののふたちを味方につけ、中国全体を守らせたいものだ」。
 もう天下人ですから、帝王の感傷というか、
 大らかな感情に転化しています。(略)

 (『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
   江原正士、宇野直人/著 平凡社
  「三、楚調の歌――漢代の英傑たち」より pp.96-97)

(略)

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

▲★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

 ● 参考小説を読む

▲★『項羽と劉邦(上・中・下)』司馬遼太郎 新潮文庫 改版 1984/9/27
―中国を統一した秦の始皇帝の死去から始まり、その後起きた陳勝と呉広
 の反乱、さらにそれに続く項羽、劉邦の戦いを描く。
 《天下を制する“人望”とは何かをきわめつくした物語》

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」をお届けしています。

前回までは『楚辞』をお送りしていましたが、今回からは、つぎの時代――秦から漢への時代です。
やはり流行っていたのは楚調の歌だったそうです。

今回は、その楚調の歌から時代を作った男たち――項羽と劉邦の歌を取り上げました。

かたや四面楚歌のなか愛する女、虞美人との別れの宴での歌と、その返歌。
そして漢の始祖となった高祖劉邦の故郷に錦を飾った時の歌。

人の世というものは、なかなかに難しいもの。
リーダーとなる条件――人望というものも相当に複雑なものですね。

歴史の流れというものを見ていますと、本当にわからないものです。
一人、人間の力だけでは動かない、何かがありますね。

コロナ禍においても同じで、人はどう動けば良いのか、運もありますし、人の努力だけではどうにもならない何かを感じます。

それでも、ジタバタせずじっくりと時を待つ、というのも一つの解決への道かもしれません。
もちろんただ何もせず待つのではありません。
準備ですね、次の時代に向けて今できることを――。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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2021.04.15

私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)ハヤカワ文庫の50冊(5)NF他-楽しい読書292号

 ―第292号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のお気に入りや、読んできた本の内、
 心に残る本を紹介してきました。

 ※ すべて今現在私の手元にある本から選んでいます。

   過去に持っていたけれど、押し出し整理法により、
   処分した本は除外しています。

  (図書館で借りて読んだものも除外しています。)

 前回までのおさらい――

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』

【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
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「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』

【6】
2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
2021.3.15
私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号
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ミステリ文庫
(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン
(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編
(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編
(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール
(45)『ダークライン』
(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン
(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー
(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン
(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
<左利きミステリ>から――
(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
アガサ・クリスティー<クリスティー文庫>
(51)『ビッグ4』(52)『オリエント急行の殺人』(53)『死人の鏡』
(54)『ゼロ時間へ』

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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他 ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●ハヤカワ文庫の50冊――50冊突破!

210415hayakawabnf9

(画像:ハヤカワ文庫[書影]:ノンフィクション・ブックガイドなど9冊
(『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー、『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス、『SF英雄群像』野田昌宏、『ニュートンとアインシュタイン』『SFロボット学入門』石原 藤夫、『ミステリ・ハンドブック』『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部編、『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編)

 

 ●文庫NF(ノンフィクション)から――

210415hayakawabnf

(画像:ハヤカワ文庫[書影]:文庫NF他、多重人格ものノンフィクション3冊
 『失われた私』シュライバー、『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』キイス)

(55)『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー 巻 正平/訳
ハヤカワ文庫 NF(35) 1978/9/1

 

 ●ノンフィクションにもドキュメンタリーにも「作者」がいる

 ●多重人格もの

(56)『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス
堀内 静子/訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2015/5/8

 

 ●文庫JAから――SF入門書やSF的解説書、科学者の伝記など

210415hayakawabja

(画像:ハヤカワ文庫[書影]:文庫JAのSF系のガイドや科学解説の入門書3冊
 『SF英雄群像』野田昌宏、『ニュートンとアインシュタイン』『SFロボット学入門』石原 藤夫)

(57)『SF英雄群像』野田昌宏 ハヤカワ文庫JA119 1979/12/1

 

(58)『ニュートンとアインシュタイン』石原 藤夫 ハヤカワ文庫 JA169)
1983/3/1

 

(59)『SFロボット学入門』石原 藤夫 ハヤカワ文庫JA 1981/2/1

 

 ●ブックガイド類

210415hayakawabbg

(画像:ハヤカワ文庫[書影]:海外ミステリ、冒険小説のブックガイド等3冊
 『海外ミステリ・ハンドブック』『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部編、『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編)

 

(60)『ミステリ・ハンドブック』早川書房編集部編
ハヤカワ・ミステリ文庫 1991/9/1

 

(61)『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部/編
ハヤカワ文庫NV 1992/10/1

 

(62)『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編 ハヤカワ文庫
―クリスティー文庫 2004/11/18

 

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本誌では、「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7) ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」と題して、ハヤカワ文庫の読書歴とともに、“ハヤカワ文庫の50冊”の5回目として、ノンフィクションやSF入門書や科学解説書やガイドブックの類を紹介しています。

個々の作品についての紹介文のみならず、その他の部分もすべて省略しています。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』

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2021.03.31

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6)宋玉-楽しい読書291号

 ―第291号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年3月31日号(No.291)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6) 宋玉」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年3月31日号(No.291)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6) 宋玉」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の8回目。

今回は、『楚辞』の6回目で、宋玉の作品を取り上げています。

2020(令和2)年6月30日号(No.273)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)」

2020.6.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(3)『楚辞』(1)
-「楽しい読書」第273号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/06/post-da2d6a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4674b3200df69fc61b39c71e135b0eea

2020(令和2)年9月30日号(No.279)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)「離騒」前編」

2020.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(4)『楚辞』(2)「離騒」前編
-楽しい読書279号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-a9bc2d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/69a03a861ab11437b3e548aa7417dfb9

2020(令和2)年10月31日号(No.281)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5) 『楚辞』(3)「離騒」後編」

2020.10.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(5)『楚辞』(3)
-楽しい読書281号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-6275d5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/49d8229c141f532a6d330c2e1fb45b74

2021(令和3)年1月31日号(No.287)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)
『楚辞』(4)屈原の他の作品「九章」」

2021.1.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)『楚辞』(4)-楽しい読書287号

2021(令和3)年2月28日号(No.289)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)
『楚辞』(5)屈原「九歌」「漁父」」

2021.2.28
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)『楚辞』(5)-楽しい読書289号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-361c76.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6e9eaaa081df9735e2be1975a9d0ff57

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◆ 『楚辞』もう一つのタイプの詩 ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)
  『楚辞』(6)
  ~ 宋玉「九弁」「招魂」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
明治書院
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
『楚辞』目加田誠/訳・解説
 平凡社〈中国古典文学大系・15〉『詩経・楚辞』

 

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(画像:書影(タイトル部分)『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編 明治書院 2004.6.20)

Soji-sinnsho-kansiwoyomu1_20201030160201

(画像:書影(タイトル部分)『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編 明治書院 2004.6.20,『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20))

 

 ●宋玉について

(略)

 ●宋玉「九弁」

(略)

 ・・・

「九弁」(第一段の冒頭)

 《悲哉秋之為気也
   悲(かな)しいかな、秋(あき)の気(き)たるや。
  蕭瑟兮 草木搖落而変衰
   蕭瑟(しょうしつ)たり、
   草木(そうもく)搖落(ようらく)して変衰(へんすい)す。

  悲しいしいことよ、秋の気というものは。
  風はさわさわとさびしく鳴っている。
  それで草木は吹き散り、色も変わっておとろえる。

  憭(りっしんべんに尞)慄兮 若在遠行
  登山臨水兮 送将帰
   憭慄(りょうりつ)たり、遠行(えんこう)に在(あ)りて
   山(やま)に登(のぼ)り水(みず)に臨(のぞ)み、
   将(まさ)に帰(かえ)らんとするを送(おく)るが若(ごと)し。
  泬(さんずいに穴)寥兮 天高而気清
  寂寥兮 收潦而水清
   泬寥(けつりょう)たり、
   天(てん)高(たか)くして気(き)清(きよ)し。
   寂寥(せきりょう)たり、
   潦(りょう)を収(おさ)めて水(みず)清(きよ)し。

  逝く秋には心がいたみ悲しむ。
  それは遠い旅路で、山に登ったり、水辺に立ったりして、
  故郷に帰ろうとする人を送る時の気分のようである。
  秋の眺めはむなしく雲もない。天は高く空気は清らかである。
  秋の野はひっそりと物影もない。
  道の溜り水も収まり引いて、秋の水は澄んでいる。

  憯悽増欷兮 薄寒之中人
  愴怳懭悢(りっしんべんにそれぞれ兄、廣、良)兮 去故而就新
   憯悽(さんせい)として増々(ますます)欷(すすりな)き、
   薄寒(はくかん)之(こ)れ人(ひと)に中(あ)たる。
   愴怳(そうこう)懭悢(こうろう)として、
   故(こ)を去(さ)りて新(しん)に就(つ)く。

  心は悲しみ痛んで、いよいよすすり泣き、
  薄ら寒い秋の気は人の身にしみる。
  そんな時物悲しく心うつろに、気もうちしおれ、
  住みなれた土地を去って見知らぬ国に行く。

  坎廩兮 貧士失職而志不平
  廓落兮 羇旅而無友生
   坎廩(かんらん)たり、貧士(ひんし)職(しょく)を失(うしな)いて
   志(こころざし)平(たい)らかならず。
   廓落(かくらく)たり、
   羇旅(きりょ)にして友生(ゆうせい)無(な)し。

  不遇に心楽しまず、貧しい士人は心中おだやかでない。
  ただ広々として寂しい。この旅の空に友達もいないのである。

  惆悵兮 而私自憐
   惆悵(ちゅうちょう)たり、
   而(しこう)して私(ひそ)かに自(みずか)ら憐(あわ)れむ。

  心はいたみ悲しむ。そしてひそかに自分を憐れに思う。

  (悲愁の候、貧士失職、遷客自ら哀れむとは、
   宋玉が屈原に代わってその心中を述べる。)》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「九弁」)

 

以下、屈原の悲しみ――孤独と君への思いを綿々と綴る。

『新書漢文大系・23・楚辞』では、十一段に分けていますが、
その第三段の表現は、<背景>によりますと、

 《ものみな枯れゆく秋の情景描写と索漠たる心情を重ね合わせて
  特に美しい》

といいます。(紹介すれば良いのでしょうけれど……。)

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』の
宇野直人さんによりますと、
この第一段の後世への影響が大きい、といいます。
秋を“悲しい季節”として表現した画期的な作品だ、と。

例えば『詩経』に歌われる秋は、
穫り入れ、収穫の季節として表現されているそうです。

この影響が日本に伝わって、“秋は悲しい”という感覚が定着した、と。

「九弁」は『楚辞』だけでなく、
『文選(もんぜん)』という名作集にも入っており、
平安時代の初めによく読まれ、注目された。

 ・・・

(略)

 ●宋玉「招魂」

(略)

210330kyuben7475

(画像:『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)「二、神々の黄昏――屈原・宋玉と『楚辞』」p.74-75(宋玉についての解説と「九弁」冒頭))
210330kyuben7677

(画像:『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』(江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20)「二、神々の黄昏――屈原・宋玉と『楚辞』」p.76-77(宋玉「九弁」冒頭続きと解説))

 ・・・

「招魂」(第九段の末尾)

 《娯酒不廃 沈日夜些
   酒(さけ)を娯(たの)しんで廃せず、日夜に沈む。
  蘭膏明燭 華鐙錯些
   蘭膏(らんこう)の明燭(めいしょく)、華鐙(かとう)錯(お)く。
  結撰至思 蘭芳仮些
   至思(しし)を結撰(けつせん)して、
   蘭芳(らんほう)仮(おお)いなり。
  人有所極 同心賦些 
   人(ひと)極(いた)る所(ところ)有(あ)り、
   心(こころ)を同(おな)じうして賦(ふ)す。
  酎飲尽歓 楽先故些 
   酎飲(ちゅういん)して歓(かん)を尽(つ)くし、
   先故(せんこ)を楽します。
  魂兮帰来 反故居些 
   魂(こん)よ帰(かえ)り来(き)たりて、故居(こきょ)に反(かえ)れ。

  酒を楽しんで止めず、日夜耽り飲む。
  蘭のかおりの膏(あぶら)にともる明るいともし火、
  花紋を彫刻そた灯台が置かれる。
  思いをこめて綴り述べる詩は、蘭の香りのように清く立派である。
  人々は各自思いの至りきわまるところがあるが、同じ心で詩を作る。
  酒を飲んで楽しみを尽くし、先祖や昔馴染の人々を楽しませる。
   (こんな好い所はほかにはない。)
  魂よ帰って、もとの住居(すまい)に戻りなさい。》

「招魂」(第十段ラスト)

 《朱明承夜兮 時不可以淹
   朱明(しゅめい)夜(よる)を承(う)けて、
   時(とき)は以(もつ)て淹(とど)む可(べ)からず。
  皋蘭被径兮 斯路漸
   皐蘭(こうらん)径(けい)を被(おお)いて、
   斯(こ)の路(みち)漸(ひた)る。
  湛湛江水兮 上有楓
  目極千里兮 傷春心 
   湛湛(たんたん)たる江水(こうすい)、
   上(うえ)に楓(ふう)有(あ)り。
   目(め)は千里(せんり)を極(きわ)めて、
   春心(しゅんしん)を傷(いた)ましむ。
  魂兮帰来 哀江南 
   魂(こん)よ帰(かえ)り来(き)れ、江南(こうなん)哀(かな)し。

  太陽の光は夜陰の後を受けて輝き、
  過ぎ行く時は止めることができない。
  月日は早くも過ぎ去ってしまった。
  今も沢の蘭は小路を蔽って茂っているのに、
  この路は水に漸(ひた)っている。
  湛(たた)え満ちた大川の水、
  その上には楓樹が茂る。
  千里遠く目の届く限り眺めていると、春の心を傷ませる。
   (屈原の自述。)

  魂よ、帰りなさい。江南は哀しい。(招辞)》

(『新書漢文大系・23・楚辞』「招魂」)

『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
<背景>によりますと、

 《「招魂」は楚辞の一つの典型となって伝わった。
  自らの魂を田園に招き寄せた陶淵明の「帰去来」の辞も
  この系統に属し、
  庚信の「哀江南賦」、杜甫「哀江頭」などの題は、
  この篇の結びの句に拠っている。》

といいますように、
後世の漢詩に影響を与えた宋玉の「招魂」の紹介は
以上でおしまいです。

 ・・・

予定よりずっと長くなりましたが、『楚辞』の紹介は今回で終了です。
まずい紹介でしたが、お付き合いありがとうございました。

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

 

★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

 

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

 

★『中国の古代文学(一)神話から楚辞へ』白川静/著 中公文庫
BIBLIO 1980.9.10
―中国文学の原点『詩経』と『楚辞』の古代歌謡を『記紀万葉』と
 対比して考察する。文学の原点である神話が、中国では『書経』
 に人間の歴史として書き変えられ定着していると解説する。

 

 ●『楚辞』を読む

▲★『詩経・楚辞』目加田誠/訳 平凡社〈中国古典文学大系・15〉
昭和44 (1969)
―『詩経』『楚辞』の翻訳と解説。(後半は『楚辞』)

 

▲★『新書漢文大系・23・楚辞』星川清孝/著 鈴木かおり/編
 明治書院 2004.6.20
―原文に書下し文と解説・背景を伏したコンパクトな入門書。

 

★『楚辞「離騒」を読む 悲劇の忠臣・屈原の人物像をめぐって』
矢田 尚子 東北大学出版会 2018/12/3
―その形成過程の歴史的背景を考慮しつつ、屈原伝説にとらわれず、
 作品本位に屈原と『楚辞』との関係をとらえ直そうとする。

 

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6) 宋玉」をお届けしています。

ここでは、宋玉の「九弁」「招魂」を取り上げています。

あくまでも部分的な紹介です。
後世に影響を与えたと言われる「賦」に関する部分、日本に伝わり「秋は悲しい季節」とされるようになったという「九弁」冒頭の部分、「招魂」のラストの部分を取り上げてみました。

 ・・・

長くなった『楚辞』の紹介でしたが、今回で終了です。
屈原の生涯における放逐とその悲しみを歌う「離騒」に惹かれ、長々とした紹介になりました。
その割に、要所を押さえられず、散漫な紹介になったかと思います。

またいずれ機会があれば、もう少し要領よく紹介したいものです。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』

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2021.03.15

私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号

 ―第290号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のお気に入りや、読んできた本の内、
 心に残る本を紹介してきました。

 ※ すべて今現在私の手元にある本から選んでいます。

   過去に持っていたけれど、押し出し整理法により、
   処分した本は除外しています。

  (図書館で借りて読んだものも除外しています。)

 

 前回までのおさらい――

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
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SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』

【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8
「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』

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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫 ――
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 ●ミステリ文庫の思い出

ハヤカワ文庫50周年記念の「ハヤカワ文庫の50冊」も
いよいよ大詰め、40点を超え、ラスト10点となりました。

ここで<ミステリ文庫>の登場です。

<ミステリ文庫>は創刊が1976年と後発のため、
私の読書初期からは少し間があり、
その分、もう一つ「これは」という思い出に欠けるところがあります。

ミステリは好きなジャンルでもあるのですが、
私の読書初期においては、創元推理文庫や新潮文庫といった所から
出ている作品を読んできました。

新潮文庫は、ルパン傑作集全10巻や
ホームズものを初めとするコナン・ドイルの短編集など。

創元では、アガサ・クリスティーやエラリー・クイーンなどの
初期作品を読んできました。

またクリスティーやクイーンの中期以降の作品や、
『ミステリマガジン』で知った作家たち――
《競馬スリラー》シリーズのディック・フランシスや
《87分署》シリーズのエド・マクベインなどのお気に入り作家たちは、
もっぱらハヤカワ・ミステリ(ポケミス)で読んでいました。

そのため、当初のミステリ文庫のイメージというのは、
あまり強いものがありません。
ようやく出たか、という感じで。

期待はありましたが、
ポケミスで手に入れにくかった名作が文庫で出てくるようになった、
その辺の部分だけが、当初のこの文庫のイメージでしょうか。

次には、文庫オリジナルで出た新刊もないこともないのですが、
当初ハードカバーで出て文庫化という流れの本、
これがやはり私にとっては、買う本の主体になっていきました。

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(画像:ハヤカワミステリ文庫、クリスティー文庫の本29冊背表紙)

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(画像:ハヤカワミステリ文庫、クリスティー文庫の本29冊表紙)

 

 ●ミステリ文庫――短編集から

では、ミステリ文庫から――。

まずは、「やっと手に入れた名作」編としては、
【最初の6冊】の『死の接吻』や
【私のお気に入り7】の『スイートホーム殺人事件』が
そういう一冊でした。

他には、

(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン 宇野利泰/訳
2015/06/04

(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編 2014/04/24

(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編 井上 一夫他/訳 1984/3/1

 ●ミステリ文庫――文庫化作品から

次に、ポケミスや四六判ハードカバー本で出版されたのち、
文庫となった文庫化作品を――

まずは、私の好きな作家の一人ランズデールの作品から。

(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール 北野 寿美枝/訳
2005/3/24

(45)『ダークライン』匝瑳 玲子/訳 ミステリ文庫 2006/7/1

 ●ミステリ文庫――少し古い作品から

次は、少し前の古い作品、古本屋さんで改めて買い直した本から――

(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン 石田善彦/訳
1994/5/1

(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー 石田 英二/訳
1978/10/1

(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン 加島 祥造/訳 1978/9/1

(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ/著 鈴木恵/訳 2018/11/20

*参照:
2019(令和元)年11月30日号(No.260)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)
『その雪と血を』ジョー・ネスボ」
2019.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/11/post-2d509d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e0b43669289d5be0dd6bc01509240c60

 ●ミステリ文庫――<左利きミステリ>から

次に、<左利きミステリ>を――

(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
七搦 理美子/訳 2008/3/7

この作品は、2001年の『サイレント・ジョー』に続き、2004年の本書で
二度目のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した。
文庫本で650ページの大作ですが、とにかく興味深い内容で読ませます。

記憶で書きますと、カリフォルニア・オレンジのポスターの娘が
首を切られて殺されます。
その事件を追うのが、その昔娘がまだ小さい頃から知っている三兄弟……。

一部書きますと、左利きの「犯人」が登場します。

*参照:
第339号(No.339) 2012/11/17 「名作の中の左利き
~推理小説編13~左利きにご用心『カリフォルニア・ガール』」

 ・・・

アガサ・クリスティーの個人文庫<クリスティー文庫>から、
私が今までに見つけた<左利きミステリ>な作品を――

(51)『ビッグ4』中村 妙子/訳 2004/3/16

問題作でもある名作『アクロイド殺し』の次の作品ということで、
一部から失敗作とも言われる<名探偵ポアロ>ものの第4作。
過去に雑誌に連載した短編をまとめて長編化したもの。
意外に拾いもので、第11章の「チェスの問題」が左利きミステリ。
被害者の左利きの特性を利用したトリック。
私のようにポアロとヘイスティングズのコンビがお好きな人には、
(ある理由により)必読の一冊でもあります。

(52)『オリエント急行の殺人』 山本 やよい/訳 2011/4/5

何度も映画化、ドラマ化されているポアロものの名作中の名作。
複数の傷跡から右利きと左利きの犯人がいると推理されるが……。

(53)『死人の鏡』小倉 多加志/訳 2004/5/14

ポアロものの中編3編短編1編を集めたもの、
冒頭の「厩舎街(ミューズ)の殺人」が左利きミステリ。
この作品は、以前に何度か紹介しています。

*参照:
第355号(No.355) 2013/3/16「名作の中の左利き
~推理小説編14~ 不審な自殺「厩舎街の殺人」クリスティー」

2005.4.4 左利きが手掛かりになる推理小説―
クリスティー「厩舎街(ミューズ)の殺人」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2005/04/post.html

(54)『ゼロ時間へ』三川 基好/訳 2004/5/14

クリスティーのレギュラー探偵のなかでは数少ない登場作のひとり、
バトル警視が活躍する名作。
犯罪が起こってから始まるミステリの常識を覆し、
犯行の時間(ゼロ時間)へ向かうという野心的な物語です。
左利きのあの人が犯人なのか?

 ●ディック・フランシスの手持ち文庫本から

最後に私の好きだった作家ディック・フランシスから――

先にも書きましたように、私にとっては、<ポケミスの作家>もしくは、
四六判ハードカバーの作家ということになるのですけれど。

ハードカバー版になってからは、値段もさることながら、
置き場所の点から、ポケミスの時のように新作が出るたびに買う
という余裕がなくなり、偶然文庫化されたものを見つけたときに買う
という状況で、探しても買うということがなく、
ごく一部の本が手元にあるだけです。

作品の良し悪し好き嫌いの別はありません。

【最初の6冊】のひとつ『重賞』だけは別ですが。

今手持ちの本の書名のみ列挙しておきます。

『追込』『障害』『配当』『奪回』『証拠』
シッド・ハレー以外で初めての同一主人公の二作『侵入』『連投』、
『直線』『標的』
休筆後息子さんと復活した第一作『再起』、
正式に息子さんとの共著となった復活第二作『祝宴』。
『重賞』込みで12冊ですね。

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(画像:ハヤカワミステリ文庫ディック・フランシスの手持ち本12冊表紙)

ポケミス13冊と、ハードカバーの『利腕』を合わせて、
44冊中26冊持っていることになります。

 ・・・

以上で「ミステリ文庫編」終了です。

次回は、小説以外のノンフィクションやガイドブックなどを
取り上げてみます。

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本誌では、「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」と題して、ハヤカワ文庫の読書歴とともに、“ハヤカワ文庫の50冊”の4回目として「ミステリ文庫」から短篇集、アンソロジー、文庫化作品、古い作品、<左利きミステリ>を紹介しています。

個々の作品についての紹介文は省略しています。

「●ミステリ文庫――<左利きミステリ>から」の部分のみ転載しています。

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