2025.05.03

週刊ヒッキイ第685号-楽器における左利きの世界(31)まつのじん(6)

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第685号(Vol.21 no.8/No.685) 2025/5/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(31)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(6)」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第685号(Vol.21 no.8/No.685) 2025/5/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(31)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(6)」
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 左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
 左利きに関するサイト、エッセイ集の左利きに関する文章を紹介し、
 左利きにおける楽器の演奏について考えよう、という試みの6回目。

 

■1回目――まつのじんさんのサイトから

241102-matunojin-1s

 

 「まつのじん」さんについて知る意味で、
 <まつのじんWebsite> 平和ねがいて 弦なりやまず
 http://mjin.m1001.coreserver.jp/
 「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d

 

■2回目――まつのじん(松野迅)さんのエッセイ集から

『すみれの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅 未來社 1992/1/1
241207sumire-no-hankago

(Amazonで見る)

 「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a

 

■3回目――まつのじんのサイトの左利きページから

 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/ [ヒダリスト/]
%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

第679号(Vol.21 no.2/No.679) 2025/2/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(28)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(3)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.1
週刊ヒッキイ第679号-告知-楽器における左利きの世界(28)まつのじん(3)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-5db9f0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9d54a490b52746a60f5212b9afc3b88a

 

■4回目――まつのじんのサイトの左利きページから

第681号(Vol.21 no.4/No.681) 2025/3/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(29)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」
【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.3.1
週刊ヒッキイ第681号-告知-楽器における左利きの世界(29)まつのじん(4)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ec35e4d1f81a0ac9153e695fbaaef719

 

■5回目――まつのじんのサイトの左利きページから

第683号(Vol.21 no.6/No.683) 2025/4/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(30)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(5)」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.4.5
週刊ヒッキイ第683号-告知-楽器における左利きの世界(30)まつのじん(5)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/04/post-99dd44.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9c05f485df40b156b80fc269468ffb6e

 

 さて第6回目は、前回同様、まつのさんの左利きサイト
 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
 (2019年8月13日)
 から、その後半に当たる部分を分けたその3回目を紹介します。

 以前も書いていると思いますが、私は音楽のまったくの素人ですので、
 色々とトンチンカンなことを書いている場合もあるかと思いますが、
 その辺は、想像力を働かせて、お読みください。

 

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 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

   左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さん(6)

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 ●「LEFTY-INFO-BOX」

「LEFTY-INFO-BOX」の段落では、アメリカのカレッジにおける
「左利き学生向けの奨学金」について紹介されています。

 《学校や医療機関に自己負担を伴わない、
  欧米の発想が生きています。》

アメリカの大学では、左利きの人向けのテーブル付折りたたみ椅子が、
人数の10%分置くのが決められている、と聞いたことがあります。

トランプ大統領になって、逆平等になっているといった理由からか、
様々な多様性への対応が取り消されているようですが、
左利きへの配慮はどうなっているのでしょうか。
ちょっと気になるところです。

 

 

 ●「HOW TO PLAY for LEFTY VIOLINIST」冒頭解説

250503matunojinhow-to-play-for-lefty-vio

 

次のメインの段落「HOW TO PLAY for LEFTY VIOLINIST」では、
まつのさん自身の演奏に関する解説で、読み方として【じっくりコース】
【斜め読みコース】【飛ばし読みコース】の三通り提案されています。

「左(手)利き演奏家 アルアル」の専門家向け解説、
というところでしょうか。

 《〈左(手)利き 弓弦楽器奏者の アルアル〉コーナーで、
  さまざまな「個性」を紹介しました。左(手)利きの方でも、
  当てはまる項目とそうでない項目があるでしょう。また
  右(手)利きの方で、当てはまる項目に遭遇することもあるでしょう。
  〈アルアル〉で取り上げた現象はわかりやすい例のみで、
  各々のケースが複合的に結合した時には、思いもよらない現象と
  対峙することもあります。
  そのような場合は、絡み合った毛糸をほぐすように、
  エクササイズを用いて「原因探求」をしてゆきます。
  自身に対してもそうです。根気と直感力のいる作業です。》

といいます。

 

左利きの人が、右利き・右手用のハサミを左手で使う場合を
想定してみるとわかりやすいかも知れません。

ふつうのハサミは、「右手用ハサミ」と呼ぶように、
「右手で使うことを想定した作り」になっています。

「右手用ハサミ」は、右手に持ったときの力の入れ方が、
二枚の刃をかみ合わせる方向に働きます。

それを左手で持つと、逆に刃を離す方向に働くことになり、
切ろうとする対象をはさむだけになります。

また、ふつうに構えますと、上の刃が左側にあるので、
切るところを直接見ることが出来ません。

ちょっと横から首を傾げてのぞき見るようにしなければなりません。
あるいは、最初の個所だけ切るところにあてがい、
あとは勘で切っていくことになります。

このように、左手で右手用を使うには、
それなりの工夫が必要になります。

ヴァイオリンの演奏もそれと同じことなのだろうと思います。
独特のやり方をマスターする必要がある、ということです。

*注:
昨今のハサミは二枚の刃のかみ合わせがしっかりしているので、
昔のガタガタのハサミとは違い、
逆の手で持って使ってもある程度は切れるようになっています。
ただし、切る位置を自然な角度で見ることができません。

 

 ●突撃する弓

 《右(手)利きの方にとっては、どうして雑音が発生したり、
  演奏途中に右手の持つ位置が変わったりするのだろう…
  と思われるでしょう。
  私たちは、
  「着地点がわからないままジャンプしてしまったような感覚」
  で弦の上に弓が当たります。(略)想定外の「接触音」に、
  コントロールできない自身が驚いているのです。》

また、弓は「右(手)利きの(西洋)人」にちょうどよい長さになっている、
といいます。

 《左(手)利きにとっては、現実の弓の長さの倍くらいの長さを
  操っているような感覚に近いように思います。
  演奏中に弓の先を認識しようとして、弓の持つ手が真ん中方向に
  移動するのは、この長さの認識が先まで至っていないことが
  影響していると思われます。》

日本人向きになっていないだけでなく、左利きを想定していないので、
微妙な違いが出るのかも知れません。

以前、左利きの人の利き手と軸足の関係に基づいて
「ヴァイオリンの演奏と軸足の関係」について書きました。

第669号(Vol.20 no.14/No.669) 2024/8/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(23)左利きは左弾きヴァイオリンで(2)」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.3
楽器における左利きの世界(23)左利きは左弾きヴァイオリンで(2)-週刊ヒッキイ第669号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-531140.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/46057327d09383dd6cd5a1447ab5da30

--
左利きの人では通常、多くの人が右足が軸足となり、体重を支えます。

このとき、右手に弓を持ち大きく動かそうとしますと、
重心の位置がぶれ、その身体を支えるのは非常に不安定になります。

弓を右に大きく弾こうと腕を大きく引くと、身体も同じように振れます。
逆に弓を左に押していけば、右足の重心も左に傾き、
左手に持つヴァイオリン本体も不安定になります。

身体が不安定ですと、安定した演奏も難しいでしょう。
--
 <●ヴァイオリンの演奏と軸足の関係>より引用

 

左手利きの人は、たいてい左足利きで、
体重を支える支持足(軸足)は右足になる傾向があります。

身体の右側に重心を置いているのです。
そのため、右手・右腕を大きく動かすと重心がぶれ、不安定になります。
逆に左手側は、自由に動かすことが可能になります。

右手利きの人は、左手利きの人とは逆で、
左足が体重を支える支持足(軸足)で、重心は左側になります。
そのため右手・右腕を大きく動かしても、重心はぶれにくいのです。

左手利きの右弾き演奏家の場合、支持足(軸足)の関係で、
右手に持つ弓を大きく動かすのに不向きになっている、と考えられます。

無意識につい右足に重心を置いてしまい、いざ演奏というときに、
右手に持つ弓の動きが不自然になってしまう……。

弓の動きに関しては、
こういうことも影響しているのではないでしょうか。

 

 ●ウォーミングアップ<左(手)利き編>

 《「左(手)利きの人が右手に弓を持つ場合、右(手)利きの人には
  必要ない(と思われる)ウォーミングアップが必須✌️でしょう。
  しかも、段階的に慣らしてゆくウォーミングアップです。
  日常的に意思疎通のできていない「非利き手」に、
  意思伝達を促してゆきます。ここに時間と知恵を用いましょう。》

《日常的に意思疎通のできていない「非利き手」》
という表現がありますが、
これは、
「利き手は心につながっている」という私の持論に同じでしょう。

以下の部分は、専門的になりますので、割愛します。

「ウォーミングアップ」の4番目に、<左(手)利き編>があります。

 《最終的に弓と弦が接触する瞬間が「勝負どころ」です。
  その接触する直前に、左手に構えた楽器を弓の方向へ接近させます。
  弓がバウンドする前に、左の動きで弓を「とらえる」のです。》

と、左手側から動け、という左手側は単に「受ける」のではなく、
積極的に動け、ということのようです。

先ほどの、支持足と重心の関係で、左手利きは左手側が動かしやすい、
と書いたのと同じ発想でしょう。

 《うまくゆくと、音の出発点から〈左(手)利きコントロール〉の
  「見せ場」&「聴かせどころ」となるでしょう。》

と。

 

 ●自分の指なのに…

 《そうですね。右手の指を動かして弓を操るのは、
  なかなか思い通りにはゆきません。右(手)利きの人たちにとっても、
  指の動作になるとすべての人ができるとは限りません。》

 《あきらめてはなりません。利き手は違っても、
  同じ形状の指があるのですから、半歩ずつでも乗り越えましょう。》

この辺は、利き手の違いによる困難さ、というところでしょう。

「指の自主独立…」「中指と薬指の分離」
この辺のところは流し読む感じです。

 

 ●右手は今どこにいるのだろう…

目を閉じて、両手の指先をそれぞれ近づけてみると――

 《どちらかというと利き手の指先の意識が高く、非利き手の指先を
  そこに近づけてゆくスタイルが多いのではないでしょうか。
  非利き手が空間をさまようことがよくあります。》

それぞれの指の感覚を研ぎ澄まそうというところでしょう。
眼で見て確認するようでは演奏してられませんから。

パソコンのキーボードのタイピングなどと同じですね。

 

 ●いつも曲線を意識してみませんか。

 《利き手に限らず、多くの演奏者の弓の角度が直線的です。》

というのですが、音楽の演奏はもっと自由で、

 《弓の角度は、(略)常に曲線を描くことが可能です。
  その曲線の動きが次に移動する弦へのアプローチとなり、
  音色づくりに結びつきます。音楽的な表現は、弓が放物線のように
  動く姿と切り結んでゆきます。》

で、このとき有効なのが、〈左(手)利きコントロール〉だといいます。

 《楽器の角度に変化を持たせて、弓の角度をサポートすることです。
  弓の右手の角度と、左手で持つ楽器の角度の両方を(反対方向に
  曲面で)動かしてあげると、最小限の角度で収まります。
  その左手側の動作の自由を保障するためには、ヴァイオリンや
  ヴィオラの「肩当て」は動きが制限することがあります。》

左(手)利きだからこそできる、左手でリードする演奏、
とでもいうのでしょうか。
先ほども言いましたように、支持足(軸足)の関係で左利きの場合、
右手の動きは制限されかねませんが、
逆に、左手側の自由度は高くなります。

そこに、
左利き右弾き演奏家特有の円満な演奏の鍵があるかも知れません。

 《自然界に、直線は存在しません。曲線や曲面から成り立っています。
  「曲」を意識することは、自然と融合することです。
  そして日本語の「曲」は音楽を示します。》

なるほど、左利き右弾き演奏家の活路がそこにある、
という、自信の発露のような締めの言葉でしょう。

 

 ●「【ひだり図書館】です」

末尾に「【ひだり図書館】です」というコーナーがあります。
「脳科学」や「左利き」や「左右」に関連する図書のリストです。

《「おすすめ」や「おきにいり」ではございません。》とあるように、
特にこれを読んで欲しい、というまつのさんのオススメ本のリストでも、
左利き演奏に関連する書目でもありません。
あくまでも、「左利き」を理解する上で役に立ちそうな本のリストで、
1964年から2019年までの65点が紹介されています。

私のお気に入りやオススメの本は、
今までにもいろんな機会に書いていますので、そちらをご参考に!

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(31)左利きのヴァイオリニストまつのじん(6)」と題して、今回は全紹介です。

この「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」のサイトは、左手利き右弾きヴァイオリン演奏家のまつのじんさんの左利きへの思いの強さ・熱さが伝わってくるような内容でした。

音楽のこと、ヴァイオリンのことはまったくわかりませんが、左利きの動作としては、何かしら理解できるような気がしました。
後に続くであろう左利きの演奏家にとって、右弾きであろうと左弾きに挑戦する人であろうと、おおいに役に立つものだろうと思います。

さらなる続編が生まれることを楽しみにしています。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.04.05

週刊ヒッキイ第683号-楽器における左利きの世界(30)まつのじん(5)

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第683号(Vol.21 no.6/No.683) 2025/4/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(30)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(5)」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第683号(Vol.21 no.6/No.683) 2025/4/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(30)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(5)」
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 左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
 左利きに関するサイト、エッセイ集の左利きに関する文章を紹介し、
 左利きにおける楽器の演奏について考えよう、という試みの5回目。

 

■1回目――まつのじんさんのサイトから

 「まつのじん」さんについて知る意味で、
 <まつのじんWebsite> 平和ねがいて 弦なりやまず
 http://mjin.m1001.coreserver.jp/
 「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d

 

■2回目――まつのじん(松野迅)さんのエッセイ集から

『すみれの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅 未來社 1992/1/1

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 「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

241207sumire-no-hankagohidarikiki

241207sumire-no-hankagov

第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a

 

■3回目――まつのじんのサイトの左利きページから

 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/ [ヒダリスト/]
%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

第679号(Vol.21 no.2/No.679) 2025/2/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(28)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(3)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.1
週刊ヒッキイ第679号-告知-楽器における左利きの世界(28)まつのじん(3)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-5db9f0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9d54a490b52746a60f5212b9afc3b88a

 

■4回目――まつのじんのサイトの左利きページから

第681号(Vol.21 no.4/No.681) 2025/3/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(29)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」
【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.3.1
週刊ヒッキイ第681号-告知-楽器における左利きの世界(29)まつのじん(4)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ec35e4d1f81a0ac9153e695fbaaef719

 

 さて第5回目は、前回同様、まつのさんの左利きサイト
 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
 (2019年8月13日)
 から、その後半に当たる部分の2回目を紹介します。
 意外に長くなってしまい、次回3回目をお送りします。

 以前も書いていると思いますが、私は音楽のまったくの素人ですので、
 色々とトンチンカンなことを書いている場合もあるかと思いますが、
 その辺は、想像力を働かせて、お読みください。

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 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆
 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}
- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

   左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さん(5)

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 ●「演奏家の登場です」(1)左弾きヴァイオリニスト

「左利き左弾き」の二人の演奏家の動画2本による紹介です。

まず一人目は、ヴァイオリニストから。

なんと、(ふつうの)右利き用を「左弾き」する(!)
ヴァイオリン演奏家が紹介されています!

 

ヴァイオリニストのカトリーナ・ニコライエフKatrina Nicolayeffさん

 《彼女は左手に弓を持ち、
  右手にヴァイオリンを構えて演奏をしています。
  彼女は私と同じく、
  「右(手)利き用」のヴァイオリンを使用しています。
  「左(手)利き用」の楽器ではなく、
  弦の並び順も変更せずに演奏しています。
  弓を持つ左手を上げると高音、下げると低音が鳴ってきます。
  演奏はおみごとです。
  彼女の演奏するジャンルは〈フュージョンFusion〉と呼ばれる
  音楽分野です。》

「右利き用を左弾きする」というスタイルです。
「これぞ、超絶技巧!」というものでしょう。

ギターでは、松崎しげるさんが「右用をそのまま左弾きしている」
と聞いたことがありますけれど、こういう例もあるのですね。

ただしこれは、「〈フュージョンFusion〉と呼ばれる音楽分野」での話、
だそうです。

 《私も採用したいところです……が、音域上の理由でこのスタイルは
  クラシック音楽の演奏には適さないのです。(≧∀≦)》

というのです。

 《クラシック音楽は、
  ヴァイオリンに高音域のきらめくような音質を要求》

されるからだそうです。

以下、技術的なお話が出てきます。
演奏者でなければわからないと思われますので、カットしますが――。

 《「右(手)利き用」の楽器を右手で持つと、
  細い弦(E線)のハイポジションにまでは指が届きづらく、
  クラシック音楽で必要な音域へ指が到達しないでしょう。》

といいます。一方、

 《フュージョンは、限られた音域から豊かなニュアンスを紡ぎだす
  魅力あふれる音楽です。カトリーナ ・ニコライエフ さんのような
  卓越した「左利き奏者」を生み出したことは、すばらしいことです。
  動画で拝見・拝聴してから、私は彼女の大ファンとなりました。》

彼女の演奏する動画――

カトリーナ ・ニコライエフさんの右利きヴァイオリンの左弾き演奏

音楽のジャンルによっては、右用の左弾きも可能、という実例ですね。

要は、

(1)「右用」を「右弾き」――
 不自由でも非利き手の右手で演奏することを重視して、
 右弾きに慣れるように必死で練習するか

(2)「右用」でも「左弾き」――
 あくまでも利き手である左手による演奏を重視して、
 難しい左弾きに慣れるように必死で練習するか

という二つの選択が、
左利き用の楽器が少ない現状における、「現実的な選択」となります。

 

 ●「演奏家の登場です」(2)左弾きピアニスト

ついに、以前からこの企画で紹介してきました、
クリストファー・シードChristopher Seedさんが登場します。

  《1998年に製作された左利き用フォルテピアノを演奏しています。》
  このあたりは必読でしょうね!

 

二つ目の動画がそれ、鍵盤楽器の演奏です。

 《私はこの動画に接した時、生まれて初めて、鍵盤楽器の演奏を
  緊張しないで観る&聴くことができました。楽しめました。それまで、
  なんらかのストレスを伴っていたことに気づかされました。》

これって、どういうことなのでしょうか。

右利きの人が感じるという、
左利きの人が左手で字を書いているのを見たときの「違和感」、
と同じようなものなのでしょうか。

 

 《登場する楽器は、フォルテピアノです。
  現代のピアノ(ピアノフォルテ)の前身です。
  そして調律は現代社会でよく用いられている「平均律」ではなく、
  古典調律のようです。
  ロベルト・シューマン(1810-1856)作曲の「蝶々」作品2(1829-1831)
  が演奏されています。》

このへんの楽器についてのお話はよくわかりません。

 

 ●通常の「右用」鍵盤楽器について

「動画に登場する楽器について」です。

 《一般的にチェンバロ(ハープシコード)、オルガン、ピアノなどの
  鍵盤楽器は、左側の鍵盤から右側の鍵盤へと音程が順に高くなって
  ゆきます。》

これは以前も書きましたように、

 →ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド→

と左端の低音部から右端の高音部へと展開しています。
そしてこの並びは、

 《右(手)利きの人にとっては、音楽・音程の高揚が
  右側へと拡がるので、そのように創られたと推察されます。》

と私の考えと同じ考えが示されています。

漢字の「一」を書くときや、横線を引くとき、右利き・右手書きの人は、
右手・右腕を左から右へ「引く」ように動かします。
この方向の動きが、右手・右腕の「自然な動き」になるからです。

鍵盤の演奏も同じです。
右手・右腕の「身体の自然な動き」と、
低音から高音への展開による「心の高揚」との一致が、
まさにこの鍵盤の並びに反映しています。

 

 《人それぞれによって異なりますが、
  左(手)利き人間は、
  音楽・音程の高揚が利き手側=左側に向かう方が、
  自然に感じられます。》

この「利き手側=左側へ向かう動き」こそが、
左利きの人の自然な「身体の動き」と「心の高揚」の一致した方向
となります。
横線を引くときの右から左へ(←)の動きと同じです。

 

 ●「左(手)利き用」の鍵盤楽器

 《↓この動画で使用されている鍵盤楽器のキーボードは、
  音程の並び方向が真逆にできています。「左(手)利き用」です。》

220401christopher-seed-the-left-handed-p

Lefthandpiano

クリストファー・シードChristopher Seedさんの演奏

 

 《下図の上は、私たちが日ごろ目にしているキーボードの並び順です。
  白鍵(前鍵)は、左側から右側へ〔ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・
  ド〕と並び、音程が上昇します。
  この動画で使用されているキーボードの白鍵(前鍵)は、
  下図の下のように、右側から左側へ
  〔ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド〕と配置されています。
  それに添って黒鍵(後鍵)の並び方も逆仕様となっています。
  左側に向かって音程が上昇します。》

図は、サイトを御覧下さい。
白鍵と黒鍵の位置が示されています。

250405-2019813-matunojin-hidarikiki-14

 

 ●「右(手)利き用」鍵盤楽器との違い

次に、演奏の仕方について書かれています。

 《演奏する手も入れ替わります。
  私たちが日ごろ目にしていますがる「右(手)利き用」鍵盤楽器では、
  (原則として)楽譜(大譜表)の上段〔高音域〕を右手、
  下段〔低音域〕を左手が演奏します。
  ところが「左(手)利き用」鍵盤楽器では、
  その逆手で演奏することになります。》

当然のことですが、左右の手を入れ換えて演奏するわけです。

 《下図の中央ように、(原則として)上段〔高音域〕の音符を左手が
  担当し、下段〔低音域〕の音符を右手が演奏することになります。
  こうなりますと、
  【音程の方向性と楽譜の地図(ながれ)が一致しない】
  と感じられませんか? 
  楽器のつくりと同様、楽譜のしつらえも「右(手)利き脳」に即して
  発想され、そして発達・発展してきたことがわかります。》

250405-2019813-matunojin-hidarikiki-15

そうなんですね。楽器の製作の発想も、
演奏にまつわる楽譜の表記の発想もまた、右利き用になっているのです。

 

ここでも、図はサイトをご参照下さい。

要するに上下を入れ換え、通常、右手演奏部分が上段で、
左手演奏部分が下段に配置されているのを、入れ換えるのですね。

右手が主旋律で左手が伴奏、という通常の演奏を、
左右の手の役割を入れ換えるわけですから。

さらに、

 《そこで、下図の3つめ(黄色)のように元々の楽譜を左右反転させ、
  右側から左側へと音が流れるようにしてみました。
  そうしますと、私は脳内の音のイメージと?内心の音楽が
  ぴったり重なってくるのです。
  そればかりか、左側に進行するにつれ音程の高まりとともに、
  気持ちが自然と高揚してまいります。》

すなわち、「←」へと進行する楽譜にするということです。

 

 《この動画のような楽器が身近にあれば、
  私はもっと鍵盤楽器のお稽古を励んだことでしょう。(o^^o)》

というお言葉が、とても大きいと思います。

「左利きの人は、左利き用の道具を!」
という、私のいつもの言葉に通じるものです。

 

 ●クリストファー・シードの左利き演奏の感想

 《動画で演奏するピアニストは、クリストファー・シード
  Christopher Seedさんです。
  1998年に製作された左利き用フォルテピアノを演奏しています。
  2015年8月15日、スコットランドの首都エディンバラEdinburghの
  グレイフライアーズ教会Greyfriars Kirkでの、ステージです。
  すばらしい演奏が聴こえてまいります。
  Leftt-Handed Piano built in 1998,
  a mirror-image copy of a Graf fortepiano
   built by Poletti and Tuinman Fortepiano Makers.》

 

クリストファー・シードさんのことは、(ブログでは写真とともに)
この連載で何度か紹介してきました。

 

 《この動画をごらんになって、「右(手)利き」の方の中には
  ⚡️違和感を感じる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
  違和感を通り越して、気持ちが?不安定になる方がいらっしゃる
  かもしれません。あるいは、しばらく時を経てから
  不快感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

  私は、その心の衝動を充分に理解できます。
  なぜならその不安定な心の動きは、私たち「左(手)利き族」が
  日常的に内心と精神で味わっている 〈試練〉に他ならないからです。
  それは、生涯にわたり切り離せないものでしょう。》

 

先ほども書きましたように、
左利きの人が字を書くのを見たときの違和感と同じようなものでしょう。

これは、一つは慣れの問題です。

実際に、私たち左利きの人間でも、
以前は左利きの人が左手を使っているのを見たときに、
何かしら不自然なものを感じることがあったからです。

なぜなら、私たち左利きの人も、普段身近に目にしているのは、
右利きの人たちの姿ばかりだからです。
自分の姿も、鏡の反転したものしか見ていないのです。

自分のまわりに左利きの人がいないかぎり、
左利きの姿を目にすることがないからです。

見慣れないものは、やはり違和感の素になるのですね。

 

 ●左利きの人は左利き用の道具を!

それでもやはり言わなければいけないのですが――

左利きの人はやはり左利き用の道具を使わなければいけないのです。

なぜなら、
右利きの人が右利き用の道具を使って幸せになっているのですから。

それと同じ事なのです。

みんながそういう風に振る舞ってゆけば、
自ずとそれが自然に見えてくるのです。

そう信じています。

 ・・・

 この後、「LEFTY-INFO-BOX」をはさんで、
 次のメインの段落「HOW TO PLAY for LEFTY VIOLINIST」では、
 左利きの右弾きのヴァイオリニストの演奏についてのあれこれ――
 左利きの演奏家の陥るあれこれが書かれています。

 こちらは次回改めて私に理解できる範囲で紹介してみようと思います。

 私にも理解できそうな一般的な事例に置き換えて読む、
 という方向になりますが、取り上げておきたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(30)左利きのヴァイオリニストまつのじん(5)」と題して、今回は全紹介です。

一人でも多くの人に、この手の左利き情報をお届けしたい、という気持ちで、今回も全文転載します。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2025.03.01

週刊ヒッキイ第681号-告知-楽器における左利きの世界(29)まつのじん(4)

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第681号(Vol.21 no.4/No.681) 2025/3/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(29)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」

 

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第681号(Vol.21 no.4/No.681) 2025/3/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(29)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」
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 左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
 左利きに関するサイト、エッセイ集の左利きに関する文章を紹介し、
 左利きにおける楽器の演奏について考えよう、という試みの4回目。

 

■1回目――まつのじんさんのサイトから

 「まつのじん」さんについて知る意味で、
 <まつのじんWebsite> 平和ねがいて 弦なりやまず
 http://mjin.m1001.coreserver.jp/
 「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d

 

■2回目――まつのじん(松野迅)さんのエッセイ集から

『すみれの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅 未來社 1992/1/1
‎ 4624700716
(Amazonで見る)  

「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a

 

■3回目――まつのじんのサイトの左利きページから

 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/ [ヒダリスト/]
%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

第679号(Vol.21 no.2/No.679) 2025/2/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(28)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(3)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.1
週刊ヒッキイ第679号-告知-楽器における左利きの世界(28)まつのじん(3)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-5db9f0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9d54a490b52746a60f5212b9afc3b88a

 

 さて第4回目は、前回同様、まつのさんの左利きサイト

 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
 (2019年8月13日)

 から、その後半に当たる部分を二回に分けて紹介します。

 以前も書いていると思いますが、私は音楽のまったくの素人ですので、
 色々とトンチンカンなことを書いている場合もあるかと思いますが、
 その辺は、想像力を働かせて、お読みください。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

   左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さん(4)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●「左利き用の楽器 あるの?」

ここでは、《そんなのあるの?》として、
<左利き用の弓弦楽器>が紹介されています。

2019813-matunojin-hidarikiki-67

「●楽器と<左右対称>」では――

まずは、楽器の定義ですね。

 《音程、音色、音質などの要素を駆使し、メロディ、ハーモニー、
  リズムを紡ぎだす器が楽器です。いにしへから存在し、
  変遷をたどってきました。》(原文のまま)

イタリアでは、弦楽器制作者のことを「Liutaioリウタイオ」
(リュートづくり)と呼び、
原型(ルーツ)が撥弦楽器のリュートだったことが分かると言い、

 《弓で音を発生させる「弓弦楽器」はルネサンス期に開花し、
  弓の形状が変化し今日に至っています。》

 《「弓弦楽器」「撥弦楽器」の形状(フォルム)は、
  左右対称に見える楽器がほとんどです。》

例として、ヴァイオリン、チェロ、ギター、マンドリン、お琴、馬頭琴、
二胡などを上げています。

しかしこれは外形だけで、内部構造を条件に加えると変わってきます。

 《左右対称楽器の代表格は「ギター」です。内部構造も<左右対称>
  なので、弦の並び順を変更することが可能です。
  「左利き用ギター」を見かけるのは、楽器が完成したのちに
  行われるセットアップ段階で、弦の並び順を選択することが
  可能だからです。》

 《ビートルズのポール・マッカートニーは、彼の右手がフレットを
  押さえ音程をつくり、左手で音を発音させています。》

ギター類の左利き用は、一般的に知られています。
それでも、実際に手に入れる際にけっこう苦労があるようです。

谷口楽器さんがレフティ・ギターの専門店で知られていますように、
一般のお店では、左利き用は選択肢が限られることも多いようです。

松崎しげるさんのように、右利き用をそのまま逆弾きするような、
器用な方もいるようですが……。

 

 ●ヴァイオリンの構造

「●ヴァイオリン属の「事情」」

次にいよいよヴァイオリンに関しての知識が披露されます。

丸写しするしかないような部分です。(ご容赦ください、まつのさん)

「ヴァイオリン属」と呼ばれる楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
コントラバス)では、

 《弓で弦(絃)を振動させるので、弓が4弦もしくは5弦に当たる
  ように、駒に弧を描くように角度を設けセットアップされます。
  駒は楽器一挺ごとのオーダーメードです。》

「魂柱(こんちゅう)」という柱が楽器の内部にあり、
弦から駒に伝わった振動を楽器全体に伝えるものだそうです。
これがあるので、ホール全体に音を響かせることができるのだそうです。
これも一挺ずつ楽器に合わせたものが必要で、高音弦側に設置されます。
一方、低音は太い弦で奏で、それを支えるために「バスバー/力木
(りきぼく)」というものが楽器の裏側に添えられているそうです。

「魂柱」も「力木」も交換可能な部品ですが、
当然職人さんの手が必要です。
そして、「魂柱」はf字孔から取り外しができますが、
「力木」は楽器の表板を外す必要があり、簡単ではありません。

 《ヴァイオリン属の楽器を左右反転させるためには、「駒」「魂柱」、
  そして楽器を開帳しないと取り替えられない「力木」を
  変えねばなりません。製作段階から「左右反転」で取り組まれた
  楽器、完成された後に取り換えられた楽器は稀少で、
  選択の余地はないといえます。》

要は、途中から左用に切り替えるというのは難しい、ということです。

ではどうすればいいのか、といいますと、当然ここは
「初めから左利き用として製作する」という方法になります。

そうです、「初めから左利き用として製作する」という選択です。

では、どうすればそれが実現するのでしょうか。

簡単に言えば、「通常の楽器よりもお金を出して作ってもらう」。

もしくは、
「職人さんに作らなきゃという気になってもらう」ということです。

そのためには、必要とする人が大勢いるのだ、
という事実を知ってもらう必要があります。

要するに、「リクエスト」ですね。

「左利き用のヴァイオリンを作って下さい」というリクエストです。

次の「LEFTY-INFO-BOX」に、思いがけない情報が記されていました。

 

 ●Amazonの「左利き用ヴァイオリンセット」

次の「LEFTY-INFO-BOX」で、
なんと日本のAmazonで販売されているという
「左利き用ヴァイオリンセット」が紹介されています。

《2019年1月6日(日)。私の想像以上に早く、Amazon(日本)は
 「左利き用ヴァイオリンセット」の販売をはじめました。
 ヴァイオリン本体(4/4大人用)1挺、弓2本、ケース、松脂、肩当て、
 チューナー、教則本(内容は不明)、海外からの送料のすべてが
 セットされて30,239円です。(画像参照)/そして2019年4月25日には、
 ヴァイオリン本体1/2サイズのセットが31,072円で登場しました。
 1/2は分数楽器で、身長130センチメートル前後の学習者に適して
 います。/
 ヴァイオリンは幼少から始めますから、さらに1/8,1/4,3/4サイズなど
 の分数楽器が調うと良いですね。バスバー(力木)などの詳細は
 画像からは確認できませんが、画期的なことに違いありません。/
 英語の口コミに2012年のものがありますから、他国では以前から
 販売を開始していたようです。購入者の投稿(英文)には
 「楽器は届いたが、左利きの人を教えられる人を探すのが、
 容易ではないだろう」と記されていました。的を得たコメントです。》

2019813-matunojin-hidarikiki-8-amazonjv-

画像は、まつのさんのサイトを参照。私のブログの方でも紹介します。

私自身、Amazonで探してみるという選択肢はありませんでした。
まさかと思っていたのですね。

今回探してみると、上の表記のものはなさそうでしたが、
別のものがありました。

--
左利き用 バイオリンセットGRAZIOSO FINEST-20L 44
 アンティーク調タイプ セット価格27万5千円が特別価格にて
¥390,000 税込 または¥195,000/月(2か月)。
商品の詳細
トップハイライト
ブランド ノーブランド品
トップの素材タイプ アルダー
--

250225amazon-lh-v-s-grazioso-finest20l-4

他にも色々と出てきます。

--
バイオリンセット 左利きのバイオリン手作り自然空気乾燥スプルース
プロフェッショナルベストトーン
価格¥91,646
--

とか、詳しいことは理解できてませんが、
とにかく「左利き用」と銘打ったものがある、
ということだけでも心強いものがあります。

まったくのゼロから始めるのは大変ですが、
とっかかりとなるものがありそうだ、となりますと、
戦ってみる価値ありではないでしょうか。

 

 ●「左利きの個性 おしえます^^」【松脂編】

さて、まつのさんのサイトの紹介に戻ります。
次のコーナーでは、

 「左利きの個性 おしえます^^」

として、

 <左(手)利き 弓弦楽器奏者のアルアル>

が紹介されています。

2019813-matunojin-hidarikiki-910

正直、私は演奏はもちろん、
ヴァイオリンすら身近に見たことさえないのですから、
こういうお話の内容はまったくといっていいほど理解できません。

このアルアルは、基本的にはヴァイオリン演奏家、
もしくは少しでもヴァイオリン演奏の経験がある人でないと、
分からないのではないでしょうか。

 

【松脂編】
●弓に松脂をぬる時の アルアル

右利きの人はやり方が一様なのに対して、左利きの右弾き演奏家では、
やり方が3つに分かれるといい、

 《これらの動きから、左(手)利きの強さや弱さ、
  両手利き度の強弱がわかることがあります。》

と。

次の項目「●松脂のぬり方?」はよくわかりません。
右手でやるようです。

その次の「●ウォーミングアップとして」には、

 《私たち左(手)利きは、松脂をつける所作が苦手です。》

とあり、これは右手でやる作業だからのようです。

 《繊細でむつかしい動きが求められる弓の動きへの
  〔ウォーミングアップ〕と位置づけて》

その作業を頑張ってみましょう、ということのようです。
右手で弓を使うことへの〔ウォーミングアップ〕ということなのですね。

 

 ●「左利きの個性 おしえます^^」【演奏編】右手と左手の動き

次からはいよいよ【演奏編】に入ります。
しかし、先も書きましたように、演奏家ではないので、
よくわかりません。想像力を最大限に駆使してみても……。

 

【演奏編】
 《●左(手)利き弓弦楽器演奏者の「このような体験ありませんか?
 弓を右手にもつ「苦労」も満載ですが、左(手)利きならでは!!の
 動作もあります。》

(1)から(31)まであります。

 ・・・

思うに、左利きゆえに、
利き手ではない右手に持った弓を繊細・微妙に動かすことは難しい、
ということでしょうか。

例えば、弓の動きに関する項目――

《17■弓を当てるとき、あるいは弦から弦に移る移弦をする時、
 目で確認することがある。》

《19■曲を演奏するとき、右手の動かせるタイミングに合わせてしまう
 ので、なかなか早い速度で演奏できない。》

等々。

一方左手のほうは、音楽を弾くとき、「弾くぞ!」と、
利き手ゆえに、左手/腕の動きが心を反映してくる、ということ。

《20■音楽に情感を込めようとすると、楽器が自然に動いてくる。》

《23■音を弾き始めるとき、弓の動きより左手のヴィブラートが先に
 動き始める。》

 

あるいは、右利きの人の左手と違って、指の動きが自由で巧みである、
ということで、右利きの人とは違った動きができる。

(21)や(22)はそういうところででしょう。

《(21)■楽譜に記載されたフィンガリング(指づかい=番号)が
 弾きにくい時、自分で工夫すると弾きやすくなる。》

 

 ●「左利きの個性 おしえます^^」【演奏編】脳の違い?

次の部分は、「左利きの脳」と「右利きの脳」との違い、
といったものを感じさせます。

《(24)■楽譜のフレーズの最後や、曲の最後の音から、
 逆方向に(スラスラと)弾ける。》

《(29)■気が付くと、音符を数字に置き換えて読んでいる。》

《(30)■他の人と異なったリズムの感じ方をしている自分に気が付く
 ことがある。》

《(31)■左(手)利きの演奏者と出あうと、
 無言のうちにわかることがある。》

 

――というように、左利き右弾きの演奏家の場合、
右利き右弾きの人とは異なるものがある、ということでしょう。

当たり前と言えば、当たり前のことなのですが、
やはり、右利きの人と同じように、
「利き手で弓を持って演奏する」方が自然だ、ということでしょう。

すなわち、左利きは左弾きで、となります。

演奏に「心」を反映できるのは、その方法が一番いいように思います。
なぜなら「利き手は心につながっているから」です。

 

適切な言葉を知らないので、いつも困ってしまうのですが、
「できる(可能)」ということと、
「できてしまう/(そう)なってしまう」というのは、違います。

「右手が動く(右手を動かすことができる)」ということと
「右手が動いてしまう」ということは、違うのです。

意志/意思の力で動かすのと、無意識のうちに動くのとは。

利き手というのは、そういうものなのです。

利き手は「動かそうとすれば動く」というものではなく、

 「動かそうと思わなくても、“つい”動いてしまう」
 「無意識に動いてしまう」

――というようなものなのです。

演奏しようと思えば、利き手が先に動いてしまうのです、きっと。

それが「利き手」というものの性質だ、と思うのです。

 ・・・

次回は、いよいよ「演奏家の登場です」のコーナーを!

右利き用を左弾きするヴァイオリン演奏家や、
以前にも再三取り上げてきた、
《1998年に製作された左利き用フォルテピアノを演奏する》
クリストファー・シードChristopher Seedさんが登場します。

お楽しみに!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(29)左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」と題して、今回は全紹介です。

今回は、サービスの全転載です!

左利き用楽器の普及のためです。

拡散なりなんなり、よろしくご協力を!

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2025.02.08

2月10日は<左利きグッズの日>―「心の必需品」左利き用楽器がほしい!

今年2025(令和7)年2月10日は、2月10日が<左利きグッズの日>に認定されて16年目となります。

--
左利き(の不便さ、左利きの“差別”待遇の不合理さ)について知ってもらい、左利きの人の生活環境向上のため、左利きグッズ、左手・左利き用品の普及を目指す日です。

... 2009年、左利き用グッズコーナーを始めてから10周年を迎えるという、神奈川県相模原市の「菊屋浦上商事株式会社」が、 『左利きグッズを通じて、使いやすさの喜びと楽しさを多くの人に知って頂く記念日』になれば、との考えで「日本記念日協会」に2月10日を左利きグッズの日として申請し、... 認定されたものです。

●記念日の由来●

社会生活で左利きの人が感じているさまざまな道具の使いづらさ。それを解消するための左利き用グッズの普及を目指し、左利きグッズを扱う神奈川県相模原市の菊屋浦上商事株式会社が制定。日付は2月10日を0210として「0(レ)2(フ)10(ト)」と読み、レフト=左の発想から。

2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定されるより
--

参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2015.2.10
2月10日は改称7年目の〈左利きグッズの日〉より

 

 ●「心の生活必需品」も!

昨年も書きましたが、私は、左利き用品の普及が「左右平等社会の指標となる」と考えています。
それは次の言葉に基づくものです。

1970年代「左利き友の会」を主宰された、日本における<左利き解放運動の父>とも言うべき、精神科医の箱崎総一先生の左利きに関する二冊目の著書
左利きの秘密』(立風書房マンボウブックス 1979)にある言葉です。
Hidarikiki-no-himitu_20200812154601

201106hakozakisouiti  

左利きに対する偏見と差別が真になくなるのは、左利きの人たちがなんら苦痛を強いられることなく生活していけるときである。
  それをはかる物指しは、結局、左利きのための道具・器具の普及度である、と私は考える。

さらに続けて、
 

たとえ人々の頭の中から左利きに対するあやまった考えがなくなったとしても、それだけでは左右同権の社会とはいえないのだ。
  左利きの人たちが右利きのための道具や器具に囲まれて暮らしているかぎり、真の解放はありえないのだ。/
  こうしたことを考えるとき、わが日本の左利きにとってまだけわしい前途が横たわっているといわねばならない。

左利きの人も右利きの人と同じように生活できる社会の実現こそ、私たちが目指すべきものだ、と考えています。

 

幸い近年は、生活必需品に関しましては、この考えがかなり理解され、実現しつつあります。
道具や商品の種類、アイテム数やデザイン等、まだまだ不十分な面は多々ありますが、それでも「何もない」に等しい時代から見れば、大いなる進歩です。
ただ、これらは言ってみれば、「身体の生活必需品」です。

 

一方、「心の生活必需品」とも言うべき、芸術や趣味等の道具類に関しましては、まったくといっていいほど、開発が遅れています。

例えば、私が左手・左利き用品に目覚めたきっかけとなったカメラなども、高級機の一眼カメラなどは、旧態依然の右手で持って右手でシャッターを切る、左手は補助としての役目を果たすのみ、という右利き用の機種ばかりです。
左手で保持し、左手でシャッターを切れる、右手は補助するだけというような、左利き用のカメラはありません。

200826kyousera-samurai-z2l

(画像:私が左手・左利き用品に目覚め、左利き活動を始めるきっかけとなった左手用カメラ――京セラ サムライSAMURAI Z2-L) 

 

 ●楽器の場合

楽器でも、比較的容易に右利き用を左利き用に変換できる左右対称形のギターのような楽器をのぞいて、ほぼ左利き用はありません。

子供用の小さいサイズから順に大人用のサイズまで揃っている楽器であるヴァイオリンですが、左利き用はありません。

小学生が学校で使う楽器である鍵盤ハーモニカにも左利き用はありません。

鍵盤楽器そのものが、右利き用のものしかないのです。

ピアノは見事に右利き用になっています。
右利きの人の右手・右腕の自然な動作――親指から順に小指に向けて指運動する動作、左から右へ右腕を引いてゆく動作――この動作で、低音から高音へと展開する鍵盤配置になっています。

---------------------------------------------
【右用ピアノの鍵盤】

(音階が上がる)⇒⇒⇒
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(左)ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド(右)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(音階が下がる)←←←
   
(左腕を押す)⇒┃    ┃⇒(右腕を引く)
(左腕を引く)←┗(身体)┛←(右腕を押す)
---------------------------------------------
※右手の親指から順に「ドレミファソラシド」と弾ける。

 

*参照:メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第616号(No.616) 2022/4/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」
『レフティやすおのお茶でっせ』2022.3.5
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(2)-週刊ヒッキイ第616号 (新生活版)  

 

右利き右手書きの人は、漢字の「一」という文字を書くとき、左から右へ引いて書きますよね。
逆に右から左へ「一」を書く人はいないでしょう。

それが右利きの人の自然な動き、動作だからです。

また人は、指折り数えるとき、必ず親指から順に指折って数えます。
小指から順に指折り数える人はまあ、いないでしょう。

それが人の指の自然な動き、動作だからです。

 

低音から高音への展開は、人の心を伸びやかに高揚させてゆきます。
逆に低音から高音へは、人の心を静めるというより、人の心を落ち込ませる展開といえます。

右利きの人は、左端の低音部から右端の高音部へと展開する、この鍵盤配置が心身共にぴったり合っているのです。

左利きの人が今のピアノを自然な動作で弾こうとすると、どうでしょうか。
左腕を右から左へと弾いてゆけば、腕は高音部から低音部へと、親指から小指に向けて弾いてゆけば、ドシラソファミレドと。
あまり気持ちのいいものではありません。

そして現行のピアノでは、右手は主にメロディを、左手は伴奏を担当するといいます。
このピアノは、明らかに右手主導の展開で、右利き用以外の何ものでもありません。

 

 ●「利き手は心につながっている」

では、なぜ、右利きの人は右手・右腕で演奏する楽器を使ってしまうのでしょうか?

それは「利き手は心につながっているから」です。
「心につながっている利き手・利き腕である、右手・右腕で演奏したい」、と右利きの人たちは考え、そういう楽器を作ってきたからです。

 

でも、左利きの心は、左手・左腕につながっているのです。
左利きの人の心は、左手・左腕で演奏したいと願っているのです。

だって、その方が自然だから。
いつのまにか「使ってしまっている手・腕」、それが利き手・利き腕というっものなのです。

 

 ●「ないものは作れば、いい」

今年はなんとか、この分野でも左手・左利き用品が大いに普及することを願っています。

「左利き用の楽器なんて、ないから」とあきらめていませんか。
「ないものは作れば、いい」のです。

それだけのことです。

いつまでも右利きの人だけがいい思いをしていていいのでしょうか。
左利きの人は、人生を楽しむことは許されていないのでしょうか。

いいえ、それは違います!
左利きの人だって、人生を楽しんでいいのです。

もっと多くの左利き用の楽器があれば、もっともっと人生を楽しめるはずです。

 ・・・

どんなに困難に見える事柄であっても、みんなが望めば、いつかは実現するのです。
人類はそうやって、今日、ここまで来たのですから。

 

*『レフティやすおのお茶でっせ』過去の2月10日「左利きグッズの日」の記事:
・2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される
・2009.2.10
今日2月10日は“左利きグッズの日”
・2011.2.8
左手書字考(1)左手で字を書くこと―再考:週刊ヒッキイhikkii249
・2011.2.9
「左利きグッズの日」記念「第5回<LYグランプリ>2011」読者大賞アンケート
・2012.2.9
2月10日は「左利きグッズの日」ですが…メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」298号告知
・2012.2.10
2月10日「左利きグッズの日」記念<LYGP>第6回2012:メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」299号予告
・2013.2.10
今年もまた<左利きグッズの日>でした
・2015.2.10
2月10日は改称7年目の〈左利きグッズの日〉
・2016.2.9
2月10日は左利きグッズの日 ・2016.2.10
2月10日は左利きグッズの日―普及の前提
・2017.2.9
2月10日〈左利きグッズの日〉をまえに左来人(Right Hidari)『左利きあるある 右利きないない』を買う読む ・2017.2.10
左手左利き専用グッズ開発「レフティー21プロジェクト」菊屋浦上商事呼びかけ
・2018.2.10
2月10日は「左利きグッズの日」―どこまで進む「左利き」容認―産経新聞投書から
・2019.2.10
2月10日は「左利きグッズの日」―に思うこと (新生活版)
・2020.2.8
2020年2月10日は令和初の〈左利きグッズの日〉-文末に嬉しい情報あり (新生活版)
・2021.2.8
〈日本版左利きの日〉から20年、2月10日は〈左利きグッズの日〉 (新生活版)
・2022.2.9
2月10日〈左利きグッズの日〉を前にTBSテレビ【新・情報7daysニュースキャスター】で左利き情報 (新生活版)
・2023.2.9
2月10日は左利きグッズの日―私のファースト左手・左利き用品ことなど (新生活版)
・2024.2.10
2月10日<左利きグッズの日>記念2月合併号―<左利き用楽器>製作プロジェクト-週刊ヒッキイ第658号 (新生活版)

 

『レフティやすおのお茶でっせ』カテゴリ――
2月10日左利きグッズの日

8月13日国際左利きの日

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.02.01

週刊ヒッキイ第679号-告知-楽器における左利きの世界(28)まつのじん(3)

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

第679号(Vol.21 no.2/No.679) 2025/1/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(28)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(3)」

 

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  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第679号(Vol.21 no.2/No.679) 2025/1/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(28)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(3)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 第一回は、まつのじんさんのサイト

 <まつのじんWebsite> 平和ねがいて 弦なりやまず
http://mjin.m1001.coreserver.jp/

 「まつのじん」さんについて知る意味で、
 「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
 を取り上げ、紹介しました。

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d

 

 次の第二回は、まつのじん(松野迅)さんの初めてのエッセイ集
 『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』という
 本を図書館で見つけ、その本から、

 「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

 という、ご自身の左利きの経験を語る文章を紹介しながら、
 ヴァイオリンにおける左利き演奏について考えてみました。

第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a

 

 そして今回は、いよいよレフティのページ

 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)

 から、色々と考えてみたいと思います。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

   左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さん(2)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」

□左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/ [ヒダリスト/]
%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

ようこそ レフティのページへ
2019年8月13日 まつのじん

2019813-matunojin-lefty

 

 《ひだりきき(ヒダリスト)=LEFTYを眺め、語る、
  まつのじんのページです。試論と私論のエリアを超えませんが、
  参考としてお楽しみください。》

と始まっています。

(ついでに書いておきますと、この後に8月13日の「左ききの日」を、
1992年にイギリスの「Left-Handers Club」による、とされている点は
誤りです。いつも書いていますが、正しくは、
1976年にアメリカ・カンザス州トピカにあった左利き用品店の
ディーン・R・キャンベル(Dean R. Campbell)さんが、オープン一周年を
記念して、左利きの会「LEFTHADERS INTERNATIONAL」を設立し、
左利き用品の普及を目指して、8月13日を「国際左利きの日」
(INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY)として制定し、始めたものです。
日本語の検索では「1992年イギリス説」以外はほとんど出てきませんが、
英語で検索していただくと、それらの情報が出てきます。

また、日本の2月10日「左利きの日」を紹介されていますが、
今では「左利きグッズの日」と改称されています。)

 

 《わたくしは、イギリスを訪問する度に、
  左利き用の道具を購入してきました。》

とのこと。
以前ロンドンにリアル店舗があった「エニシング・レフトハンデッド」
でのことでしょう。
残念ながら、今は通販のみとなっています。

 

 ●「ひだりきき 異世界の民たち」

「ひだりきき」を、
 《右ききのあなたの/すぐとなりに居る/異世界の民たち》
と呼び、
「ぎっちょ=不器用」と呼ばれ、左右を間違う「左右盲」に悩まされる。
多数派の<右きき>が「正しい」という概念から「矯正」という言葉で、
「強制的転換」を求められる。
幼児期に行われるため、自身も気づかず、
 《根源的なストレスを持続しながら右手を使っている左利き人間も
  多いはず》
といい、
 《左ききにとり「正」は「ひだり」なのです。》
と、宣言されています。

〔右きき〕の人とは異なる〔左きき〕は、鏡の世界に住む民たちで、
多数派の〔右きき〕の人たちとは「脳」の成り立ちが異なるようで、
小さなストレスをためてきたのではないか、と。

この序章ともいうべき段落で、一番心に響いたのは、

 《〔左きき〕人間が〔右きき世界〕を感じるとき、いつも感覚の間に
  紗幕をはさんでいるように思います。》

という部分です。

私自身、右利き用の道具などを使わざるを得ない場面で感じる「何か」
――例えば、ふつうのカメラで写真を撮るとき、
右手で構えて右手でシャッターを切るとき、
何かしら「靴の上から足をかく」ような、何かしら
一枚のラップかなにか膜の上から触るような違和感を持っていました。

「紗幕」という言葉は、まさに「これ」でしょうね。

 

 ●「鏡の世界へ ようこそ」

「左(手)利きは、鏡の世界」とあります。

ここで、松野さん自身の思い出が語られます。

文字を書いたときのこと――《自分では自然に書いているのに、
周囲の人たちが常に騒いでいた》と。

ここで言葉で表現するのは、むずかしく、
画像を見てくださいとしか言えません。

2019813-matunojin-hidarikiki-kagamimoji

2019813-matunojin-kagamimoji2

 《鏡文字は、楽しい世界です。
  まるで暗号で思索し、可能性が大きく拡がるよう錯覚に陥ります。
  レオナルド・ダ・ヴィンチの世界観に佇んでいます。
  英語で使用するアルファベットは、26文字中大文字の11文字、
  小文字の7文字が左右対称ですが、
  ひらかなやカタカナはすべて非対称です。》

鏡文字を書いてしまうという行為については、
他人の話としては聞いたことがあります。
しかし、私は自分が幼児の頃に書いていた、という記憶がありません。

それで今一つ理解しがたいものがあります。

「トイザらス」という米国のおもちゃ屋さんがあります。
日本語表記では「ら」が「ひらがな」になっています。

米国ではこれがアルファベットの「R」が鏡文字になっているのですが、
それは「幼児は左右を間違うことが多い」という意味で、
右利き・左利きとは無関係だ、ということのようです。

幼児の場合、こういうことはよくあること、という認識ですね。

これは誰にでも起こりうることで、
必ずしも左利きの子供特有のものではないと思うのですけれど。

 

 ●「左利き演奏者の おもい」=右利き社会に生きる左利き者の悩み

「ある左利き演奏者の/心(きもち)+音(ねがい)=意(おもい)」
として、
左利き演奏者が右弾きするときの様々な思いを語っておられます。

書き写したいのですが、ちょっと面倒なので、
見てください、ということになります。

2019813-matunojin-omoi

演奏家ではないのですが、「左利きゆえの悩み」という意味でしたら、
なんとなく分かる気がします。

私自身、この「右利き社会」で左利きとして生きてきて、
感じる部分が色々あり、それと共通する部分があるからです。

左利き右弾きの演奏家まつのさんの様々なこの思いは、
まさに右利き社会に生きる左利き者の悩みそのもの、
といってもよいかと思います。

 

 ●「左利き演奏者の おもい」続き

【左手に楽器を持ち、右手に弓をもつ】という解説部分で、
ヴァイオリンは幼少期から始めることが多いので
――それは楽器演奏のための身体作りという意味もあり、

 《まだ利き手も判明しない、ましてや自覚的な利き手を持たない
  時期から楽器を手にするわけですから、【どちらの手に弓を持つか】
  の選択肢はほとんどないといってよいでしょう。》

さらに、楽器の構造上の特性――左右性の問題から、選択肢は皆無、
といいます。

しかし、まつのさん自身は、前回紹介しましたエッセイには
8歳からヴァイオリンを始めた、とありました。

小学校でも「矯正」(右手使いへの転換)はなかったそうで、
左利きは確定していたはずです。
もし左利き用のヴァイオリンがあれば、左弾きで始めていた
という可能性はありますよね。

 

 ●左利きは

 《右(手)利きの指導者にとっては、左手利きの学習者の特性は
  わかりづらいものです。
  楽器と演奏スタイルが右利き仕様ですから、当然のことです。
  お稽古が順調にゆかない理由として「練習不足」や「性格のゆがみ」、
  時には「反抗的」と受け取られ、そのことが左手利きの学習者の心を
  さらにふさぐことにもなりかねません。》

この部分も、昔、左利きの子供が「矯正(右手使いへの転換)」を
強要されていたときに、よく言われていたことと同じです。

「大人のいうことを聞かない強情・頑固なやつ」とか「反抗的」とか、
こうやれと言われているのに「努力しない」「学習しない」……、
というように。

しかし、利き手においては、
強情とか頑固とかいうような性格的なものではなく、
脳・神経系の問題で、そういう風に設計されているので、
どうしようもない部分なのです。

「左利きは、右利きの人のように右手がうまく使えない」というのは、
努力でどうこうできるという問題ではなく、
そのように生まれてしまったという、身体的問題なのです。

たとえば、関節は内側には曲がるけれど、外には曲がらないように、
利き手・利き側の違いというものは、そういう風にしかできていない、
ということなのです。

「右利きの人が左手がうまく使えない」というのと、
まったく同じことなのです。

 

 《〔どうして、そのような差異が生まれるのだろう…〕、
  〔どのようにしたら、それらを乗り越えて行けるのだろう…〕
   …ご一緒に考えてまいりたいと思います。》

と、段落を締めておられます。

次はいよいよ「左利き用の楽器 あるの?」と続いてゆきます。

ここからが今回最大の興味のポイントとなります。

以下は、次回に――。

 ・・・

見出しだけでも紹介しておきましょう。

「左利き用の楽器 あるの?」
<左利き用の弓弦楽器>
・楽器と<左右対称>
・ヴァイオリン属の「事情」

「LEFTY-INFO-BOX」

「左利きの個性 おしえます^^」
<左(手)利き 弓弦楽器奏者のアルアル>
【松脂編】
・弓に松脂をぬる時の アルアル
・松脂のぬり方?
・ウォーミングアップとして
【演奏編】
・左(手)利き弓弦楽器演奏者の「このような体験ありませんか?
 弓を右手にもつ「苦労」も満載ですが、左(手)利きならでは!!の
 動作もあります。
(1-31)

「演奏家の登場です」
――なんと、
  右利き用を左弾きするヴァイオリン演奏家が紹介されています!
  さらに、クリストファー・シードChristopher Seedさんが登場!
  《1998年に製作された左利き用フォルテピアノを演奏しています。》
  このあたりは必読でしょうね!

「HOW TO PLAY for LEFTY VIOLINIST」
――演奏に関するコーナーで、接し方は3種類あると言います。
  【じっくりコース】【斜め読みコース】【飛ばし読みコース】
  「左(手)利き演奏家 アルアル」の専門家向け解説というところ。

「【ひだり図書館】です」
――「左利き」や「左右」に関連する図書のリストです。

以上。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(28)左利きのヴァイオリニストまつのじん(3)」と題して、今回は全紹介です。

まつのさんの左利き演奏家としての右利き用ヴァイオリン演奏についての複雑な思いは、同じ右利き社会に生きる左利き者として共感できる部分が多々あります。
そういう私の思いもいっしょに感じとっていただくために、全文を転載しておきました。

次回紹介する後半部分では、いよいよ左利きによる右弾きヴァイオリン演奏についてのあれこれや、私がこの連載で訴えてきた現行のピアノが右利き用であることなどのお話も出てきます。
お楽しみに!

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.01.18

週刊ヒッキイ第678号-告知-新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

 

第678号(Vol.21 no.1/No.678) 2025/1/18
「新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!」

 

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  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第678号(Vol.21 no.1/No.678) 2025/1/18
「新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 遅れ遅れですが、新年第一号です。

 当初の予定では、
 「楽器における左利きの世界(28)まつのじん(3)」
 でしたが、今回は、体調のこともあり、新春放談ということで――。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ◆ <めざせ!実現!!左利き用楽器!!!>プロジェクト ◆
 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}
- 「左利きにも優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 <新春放談>左利き用楽器の普及と啓蒙の活動にご協力を!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「<めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト」改め、

「<めざせ!実現!!左利き用楽器!!!>プロジェクト」

として改めてスタートしたいと思います。

来年、私は72歳になります。
72歳は母の亡くなった年齢で、第一関門だと思っています。

左利きライフ研究家として、最後になるかもしれない挑戦として、
この<左利き用楽器>の普及に挑戦しよう、と考えています。

 

 ●楽器は、心の生活必需品

私は「楽器というのは、心の生活必需品だ」と考えています。

近年、左利きに対する見方も大いに変化し、
社会全体で容認する方向に進んでいます。

それに従い、左手・左利き用の生活必需品に関しましては、
色々と制作され、製造販売されるようになって来ました。

まだまだ足りない部分はありますが、
少しずつでも改善されているのが現状です。

 

一方で、遅れている分野があります。

それがいわゆる趣味の世界の道具類です。

しかし、趣味の道具といいましても、
それはたぶんに人の心に安らぎを与えるものであり、
「心の生活必需品」というべきものでもある、と思います。

そういう心の安定のために必要不可欠な道具が、
右利き用しかないというのが、ほぼ現状です。

カメラは、昨今ではスマホのカメラで写真を撮るのが
当たり前のようになって来ました。

それはそれでいいのでしょうけれど、
もっとよりよい写真を撮りたいという人には、
本格的なカメラが必要となります。

ところがこれらも、高級機になればなるほど、
右利き専用になってしまいます。

右手でカメラを構え、右手でシャッターを切る!
これが基本動作です。

左手はカメラの保持を助け、絞りなどの調整をする役割があります。
しかし、いかに左手を巧みに操作しても、
それだけでは写真は撮れません!

右手でシャッターを切らなければ、写真は撮れないのです。

 

スポーツ用品なども同様で、一部のものをのぞきますと、
右利きが標準で、左利き用は特別なものとなっているようです。

ゴルフ用品など左利き用が販売されていますが、
実際に置いているお店は少ないといい、選択肢も限られている、
と聞いています。

そうほとんどの趣味に関する道具類は、
左利き用の選択肢を持たない、もしくは少ないのが現状のようです。

 

楽器もまた同様です。

ギターやベースなどは、左利き用が販売されています。
しかし、それらも選択肢という点では、専門店にでも行かないかぎり、
右利き用とは比べようもないようです。

楽器の扱いも高級カメラ同様、右手主体に演奏します。

ヴァイオリンを例にしますと、
左手で本体を保持し、左手の指で弦を押さえ、
右手に持った弓で弦を弾き、その動きで音を出します。

左手でいかに巧みに弦を押さえても、それだけでは音は出ません。
上手い下手にかかわらず、弓を持つ手を動かすことがポイントです。

 

以上、これら趣味に関する分野の遅れはご理解いただけたかと思います。

 

 ●「両手を使うから利き手は関係ない」という暴論

さて楽器についてです。

「楽器は両手を使うから利き手は関係ない」
というような暴論を吐く人もいます。

物知らずもいいところです。

利き手と非利き手にはそれぞれ役割があります。

私の持論は、「利き手は心につながっている」というものです。

利き手というものは、二つの性質を持っています。

一つは、「器用さ・巧みさ」です。
これは理解しやすいでしょう。

もう一つは、「好み」です。

「好み」といいますと、わかりにくいかもしれませんが、
それは、つい使ってしまう、無意識に使ってしまう、
という性質のことです。

落としたものを拾うときに、出る手。
買い物に行って、品物に触れる手。
――といったものです。

例えばエアーでヴァイオリンを弾くとき、当然のように右利きの人は、
みな右手に弓を持っているかのように弦を弾く真似をします。

しかし、左利きの人は大半、
左手に弓を持ってで弾く真似をするものです。

実際に弾いたことがあるかないかは別にして。

そこには意志が込められている、というのが、私の考えです。
それが「心につながっている」という表現になっています。

利き手で弾くからこそ、心が入るのです。
心を表現できるのです。

これを非利き手でやると、
どうしても借りてきた猫のような不自由さがあるような気がします。

もし本当に「両手を使うから利き手は関係ない」のなら、
右用と左用の両方が、同じように存在しているのではないでしょうか。

今のように、一方的に右利き用しかない、というのは不自然でしょう。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2018.5.13
左利きのAKB48Team8佐藤栞がエア・バイオリン演奏で左弾き
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2018/05/akb48team8-7166.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6565f75f980e88d16ae21f70a9fc64e8

 

 ●現行ピアノの鍵盤配置は右利き用

この連載のはじめの方で、ピアノを<右利き用の楽器の親分>のように
紹介しています。

現行のピアノの鍵盤は、左手側に低音部、右手側に高音部
という配置になっています。

左から右への動き(→)は、
漢字の「一」という字を書くときのことを思い起こせば
ご理解いただけるように、
右手右腕の動きにとって都合のよい方向です。

鍵盤の配置は、
左から「ドレミファソラシド」と右手親指から順に弾いて行くような
仕組みになっています。

 

---------------------------------------------
【右用ピアノの鍵盤】

(音階が上がる)⇒⇒⇒
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(左)ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド(右)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(音階が下がる)←←←
   
(左腕を押す)⇒┃    ┃⇒(右腕を引く)
(左腕を引く)←┗(身体)┛←(右腕を押す)
---------------------------------------------
※右手の親指から順に「ドレミファソラシド」と弾ける。

*参照:
第616号(No.616) 2022/4/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」

 

低音から高音への展開は、人の心に心地よいものです。
心が伸びやかに高揚していきます。

逆に、高音から低音への展開は、
心が暗く沈んでいくような気がします。

右手右腕の自然な動きである、左から右への演奏は、
低音から高音へと、そのまま心の高揚につながっていく形になります。

 

逆に、
左手左腕の場合は、逆の向き、右から左へ(←)が
自然な動かしやすい、都合のよい動きとなります。

指の動きも、左手の親指からですと、「ドシラソファミレド」と、
高音から低音への展開となり、心の高揚にはつながりません。

左手で低音から高音へと弾こうとしますと、
小指から親指へと動かすことになり、不自然な動きとなります。

指折り数えるとき、小指から数える人はまずいませんよね。
ふつうは、親指から順に折って数えます。

これが指の自然な動きです。

現行のピアノでは、左弾きの場合、不自然な動きを強いられます。

 

このように、現行のピアノは、右利き用にできています。
これでは、左利きの人にとっては、
非常に弾きづらいものになってしまいます。

私のような強度の左利きの人で、大人になって余裕ができた人が
ピアノでもやってみようかと取り組もうとしても、
これは非常に難しいものになってしまいます。
やはり、左利き用の道具が必要です。

ピアノも左利き用が必要なのです。

 

---------------------------------------------
【左用ピアノの鍵盤】

(音階が上がる)←←←
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(左)ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド(右)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(音階が下がる)⇒⇒⇒
   
(左腕を押す)⇒┃    ┃⇒(右腕を引く)
(左腕を引く)←┗(身体)┛←(右腕を押す)
---------------------------------------------
※左手の親指から順に「ドレミファソラシド」と弾ける。

 

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(画像:左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏しているクリストファー・シード(Christopher Seed)さん)

 

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(画像:左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏しているクリストファー・シード(Christopher Seed)さん――右用ピアノと左用ピアノとともに)

 

 ●左利き用楽器の目標

左利き用楽器の普及のため、まず一番に考えていることは、
<左利き用鍵盤ハーモニカ>の試作と試演です。

鍵盤ハーモニカは、のちのピアノなどの鍵盤楽器への道の一つとして、
小学校で学習されているという話を聞いたことがあります。

それなら、左利き用ピアノへの第一歩として、
<左利き用鍵盤ハーモニカ>が必要だと考えられます。

まずは、ここを第一歩に計画を進めたいと考えています。

次に、電子ピアノやキーボードの類いでは、
鍵盤の配置を換えるだけなので、アコースティック楽器よりも、
実現の可能性が高いのでは、と考えています。

これを第二目標に設定しようと考えています。

もちろん、その他の楽器も左利き用の実現を考えています。

中でも、子供用の小型の練習用楽器もあるというヴァイオリンでは、
子供用の左利き用ヴァイオリンも実現したいものです。

 

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(画像:「左利きバイオリン」GCV-800EL 左利き用バイオリン◆ストラディバリ Soil III [GCV-VN-800EL-SOI] ネットより無断借用)

 ・・・

以上、今年の新春の夢として、左利き楽器について書いてみました。

もしご賛同いただけるようでしたら、
ぜひ、SNS等で大いにこの夢を拡散していただければ、幸いです。

左利き用楽器の普及と啓蒙に、ぜひご協力を!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!」と題して、今回は全紹介です。

新年第一号ですので。

今年にかけるといいますか、少しはその気があるよという意味合いで……。
全文披露です。

 ・・・

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2024.12.31

レフティやすおの楽しい読書380号-告知-私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉『都筑道夫の小説指南』

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!) 【最新号・告知】

2024(令和6)年12月31日号(vol.17 no.23/No.380)
「私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉」
『都筑道夫の小説指南―増補完全版』中央公論新社」

 

--
今年も一年お世話になりました。

コロナ禍以降、心身共に体調不良もありました。
それでも、コロナ禍も一応収まり、
その後少しずつですが、体調も戻りつつある気がします。

来年もなんとか続けていけそうです。

左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』ともども
これからもおつき合いの程、よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年12月31日号(vol.17 no.23/No.380)
「私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉」
『都筑道夫の小説指南―増補完全版』中央公論新社」
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 今年も早一年の最終日を迎えました。
 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」を。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 まずは、「リアル系」から。

 ・・・

 「リアル系」とは、いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、を言います。

 それに対して、小説や詩等の文芸作品は「フィクション系」。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 でも「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルのようになってしまうので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

 エッセイの中には、フィクションと見まがうような、
 ホラ話的な内容の境界線上の作品もありますけれど。

 まあ、ここでは、論文に準ずるような著作とお考えください。
 言わんとすることは分かりますよね。

 ――と、これは毎度の台詞でした。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - メルマガの為に読んだ本ばかり?(今年も?) -

  ~ 私の年間ベスト3・2024年〈リアル系〉~

 『都筑道夫の小説指南―増補完全版』都筑 道夫/著 中央公論新社

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●2024年の傾向

ここ数年コロナ禍の影響で読書量が減り、少しずつ回復してきましたが、
2020年以降、特にリアル系の読書が減ってしまっています。

今年の読書総数は、60冊どまり――。

リアル系は15冊程度。

今年もまたそのほとんどは、私の二つのメルマガ用に読んだものでした。

ということで、例年通り簡単に分類していきましょう。

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強本―中国漢詩、読書、左利き関連

◆メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』向け――

(以下、略)

241109matikara-shoten_20241211162001

(画像:『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からのメッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22

――<元本屋の兄ちゃん>の<町の本屋>論の参考書の一つ。)

◆メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』向け――

(以下、略)

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(画像:『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27

――タイトル通り、左利きのフランス人によるヨーロッパ(主にフランス)における左利き迫害の歴史と、その後の少しずつの解放についての著書。訳者も左利き。原著は2008年の第二版。)

 

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(画像:『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅/著  未來社 1992/1/1

――左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの、初エッセイ集。自身の左利きにまつわる話、左利きとヴァイオリンの話などにふれた「涙のひだりきき」という文章を含む。)

 

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(画像:『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅/著  未來社 1992/1/1

――左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの、初エッセイ集。自身の左利きにまつわる話、左利きとヴァイオリンの話などにふれた「涙のひだりきき」という文章を含む。

 ●(2)その他の古典系のお勉強本
 ●(3)小説や左利き本等の著作のためのお勉強本

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(画像:『都筑道夫の小説指南―増補完全版』都筑 道夫/著 中央公論新社 2023/10/23

――こちらはズバリエンタメ小説の書き方を実地に、多面的に指南する、都筑流創作術の完全増補版。没後20年記念刊行。評論やエッセイ、推理小説を十代から読んできた作家さんだけに生の創作論で楽しい。)


 ●(4)個人的な趣味、仏教や空海・弘法大師に関する本
 ●私の2023年〈リアル系〉ベスト3候補
 ●私の年間ベスト―2024年〈リアル系〉
 ●小説について思うこと

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今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

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2024.12.07

週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
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 前回は、左利きのヴァイオリニスト・まつのじんさんのサイト

 <まつのじんWebsite> 平和ねがいて 弦なりやまず
http://mjin.m1001.coreserver.jp/

 から一回目として、「まつのじん」さんについて知る意味で、
 「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
 を取り上げ、紹介しました。

 今回は当初の予定では、いよいよレフティのページ

 「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

 を見ながら左利きとヴァイオリン演奏について色々と考えてみよう、
 というところでしたが、

 まつのじん(松野迅)さんの初めてのエッセイ集
 『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』という
 本を図書館で見つけ、その本から、

 「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

 という、ご自身の左利きの経験を語る文章を紹介しながら、
 ヴァイオリンにおける左利き演奏について等々、
 色々と考えてみたいと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆
 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}
- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える
   左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さん(2)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●<左利き者の証言>――ヴァイオリニスト松野迅さんの場合

以前、左利きの有名人のみなさまの「左利きに関する発言」を
ご自身がお書きになられた文章などを引用する形で紹介する企画
「左利き者の証言」を何回か掲載してきました。

今回は、その
 <左利き・右弾きヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)>さん
バージョンというところでしょうか。

 

*松野迅『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』
  未來社 1992/1/1
(Amazonで見る)

241207sumire-no-hankago

「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき> より

松野迅さんは、1960(昭和35)年1月30日、大阪生まれ。
8歳からヴァイオリンを始め、13歳で音楽界へデヴュー。
その後京都市立芸術大学音楽学部を卒業、という履歴で、
現在ソリストとして日本のみならず世界中で活躍されている、
というところです。

 

 ●子供時代から、僕は左利きだ

冒頭

 《子供時代から、僕は左利きだ。いわゆるサウスポーである。》p.95

と始まります。

コンサート後のサインセールのとき、

 《「あら、迅さんってサウスポーよ」、「本当だ、ぎっちょだね」、
  「ヴァイオリンはどうだった?」……。》p.95

とささやくように声をひそめてさわいでいるとか、また

 《それにしても、あれでよく、すらすらと書けるわよねぇ》p.95

という褒めているのか、けなしているのかわからない言葉も。

これはよくわかります。
私自身もよく言われる言葉です。

一番ひどかった例は、私が左手で字を書いているのを見た年配の人から、
「気持ち悪い」と言われたことがありましたね。

ここの文章は、最近の言葉(本書は1992年の出版です)ですので、
このままの言葉だったかもしれませんが、
ひょっとすると本にする上でかなり抑えた表現をされている?
のかもしれません……。

 

●『左利きの歴史』の記述

『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27
原著:2008年
(Amazonで見る)

240627-hidarikiki-no-rekisi

(以下、略)

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.3
新しい左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
発売される
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-e66fa0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ac7d7db2ecd5202dfc09793ee5d2d96e

 

 ●左利きのままで育つ
241207sumire-no-hankagohidarikiki

(画像:松野迅『すみれの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』(未來社)より「涙のひだりきき」の章の冒頭のくだり)

 ●右利き社会と左利き用品について
 ●鏡文字の話、食事の話など
 ●左利きとヴァイオリン演奏について――音を出すのが右手
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(画像:松野迅『すみれの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』(未來社)より、左利きとヴァイオリン演奏についてのくだり)

 ●左手の動きと右手の動き
 ●左利き特有の演奏上の苦労について
 ●余談――左利きの人への共感、等

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最新号の告知でした。
冒頭と見出し(と参照記事と文献資料)の紹介です。

 ・・・

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2024.11.02

週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!) 【別冊 編集後記】改め【最新号・告知】

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」

 

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第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
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 今回は、昔拾い集めていた左利きと音楽のウェブ情報から、
 左利きのヴァイオリニスト・まつのじん さんのサイト

241102-matunojin-1s

(画像:まつのじんさんの“横顔”――写真は正面ですが) 

 

 <まつのじんWebsite> 平和ねがいて 弦なりやまず
http://mjin.m1001.coreserver.jp/

 の中のレフティのページ

 「左ききは、アカン⁉️ WHO is LEFTY¿」(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

 から、色々と考えてみたいと思います。

 まずはその一回目として、「まつのじん」さんについて知る意味で、
 「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
 を取り上げ、紹介します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

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 左利きと楽器演奏について考える

   左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さん(1)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●左利きのヴァイオリニスト「まつのじん」さんについて

まつのじんのエッセイ&書評 Essays(Japanese)
「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
http://mjin.m1001.coreserver.jp/2019/07/27/%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e5%b7%a6%e5%8f%b3%e8%80%83/

 

 ●「左(手)利き」=「強度の左利き」

 ●「不便益」という考え方

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.20
大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』
(PHP新書)買いました
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-78206b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/740dbc4d5bdd790556aaaefed4dba6d4

『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著
PHP新書 2023/9/16
(Amazonで見る)

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 ●日本は漢字文化の影響で書き方が二通りある

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2004.2.17
『横書き登場』屋内池誠
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2004/02/post_5.html

『横書き登場―日本語表記の近代』屋内池誠 岩波新書 新赤版 863
2003/11/20
(Amazonで見る)

 

 ●左利きの「矯正」(=右使いへの転換)行為について

 ●「ヴァイオリン弾きのゴーシュ」として

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.3
新しい左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
発売される
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-e66fa0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ac7d7db2ecd5202dfc09793ee5d2d96e

『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』ピエール=
ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27
(Amazonで見る)

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最新号の告知でした。
冒頭と見出し(と参照記事と文献資料)の紹介です。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2024.10.05

楽器における左利きの世界(25)左利き用楽器の可能性は?-週刊ヒッキイ第672号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

第672号(Vol.20 no.17/No.672) 2024/10/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(25)
 なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第672号(Vol.20 no.17/No.672) 2024/10/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(25)
 なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このシリーズ「楽器における左利きの世界」も25回目になります。
 早いものです。
 目標は高く、ということでやって来ましたが、
 まったく近づいている感じがありません。

 どこを糸口にすればいいのかわからないままに、続けてきました。
 まあ、そのうち何かぼんやりとでも光が見えてくればいいなあ、
 というところです。

 で今回は、どうして左利き用の楽器があるのはギターぐらいなのか、
 ということで……。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

   なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●左利き用楽器はギターぐらい?

前回までは、ヴァイオリンについて左弾き用がないのはなぜか、
について考えてきました。

結論として、ヨーロッパ社会は左利きを認めない社会であり、
楽器の演奏においても左利きは否定されてきたため、
左利き用の楽器は存在しなかった、ということになります。

 

『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27
『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』(Amazonで見る)

240627-hidarikiki-no-rekisi

という本によりますと――

ヨーロッパ社会においても、
昔は左利きに対して特別な意識はありませんでした。
ごく自然に右手も左手も使う、右手を使う人も左手を使う人もいる、
という状況でした。

社会の進歩発展の過程で、様々な道具が用いられるようになるとともに、
上流社会を中心に食事の際にフォークを右手で使う、
書字に際しても右手を用いる、といった右利きを想定した規範が生まれ、
学校制度の普及とともに、中流以下の階層にも広まってゆきました。
それとともに、左利きが否定され、反社会的な存在、
悪者扱いとされるようになりました。

 

ヨーロッパの芸術音楽の世界は、
上流社会で親しまれ発展したものでした。
その社会は右利きを規範とする社会で、
左利きは社会的に認められない存在だったので、
楽器の演奏においても、左弾きなどは邪道であり、
社会的に認められなかったわけです。

そういう上流社会の芸術音楽が、
しだいに中流以下の階層にも影響を及ぼし、
それまでは存在していたであろう一般庶民のあいだでも、
左利きの演奏が否定されるようになってゆき、
楽器類も右利きのみになっていった、と考えられます。

現在、左利き用の楽器として知られているものといいますと、
ギターの類いぐらいですね。

左利き用ギターの販売で有名な
「谷口楽器」https://taniguchi-gakki.jp/
には、
<レフティギター/ベース、アコーディオン、ハーモニカ専門店>
とあります。
もちろん鍵盤ハーモニカも取り扱い品目に入っています。

この企画では鍵盤ハーモニカについても書いてきました。
まさにこの企画にはピッタリなお店だといえそうです。

人見知りを捨てて、改めて連絡を取り、助言をいただくべきでしょうね。

241005tanigutigakki-lefty-guitar

(画像:谷口楽器のサイトより、レフティギターのタイトル・バナー) 

 

 ●左利き演奏が許される楽器の条件

今回は、先に書きました<なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?>
について考えてみましょう。

 

簡単に結論を書いてしまいますと――

前回も書きましたように、

--
左利きが否定される社会にあって、
「左利きですから左弾きで」
などという発言は認められるはずがありません。

「左利きは悪」だったのです。
左利きは直すべき悪習、悪癖だったのです!

ヴァイオリンの生まれたヨーロッパに於いても、です。

ヨーロッパ社会での
ヴァイオリン演奏で右弾きしか認められなかったのは、
ヨーロッパ社会では、古くから左利きは否定されていたから、です。
--

ヨーロッパのオーケストラのような芸術音楽においては、
左利きですから左利き演奏で、という考えは認められなかったわけです。

オーケストラなどで演奏される楽器はみな、
右利き演奏しか認められなかった、というのが本当のところでしょう。

もし左利き演奏が許される楽器があるとすれば、

 (1)オーケストラでは利用されない楽器

で、かつ

 (2)構造的に左右対称形であること

これが条件と考えられます。

 

 ●オーケストラで使われる楽器

この条件を満たす楽器にどういうものがあるのか。

私は音楽の知識がほぼゼロなので、
オーケストラで使われる楽器にどんなものがあるのか、
改めて調べてみましょう。

 

【オーケストラで使われる楽器は何?】楽器の特徴とステージ上の配置
2024年9月14日 ガクオンBlog 特集記事
https://blog.gakuon.jp/orchestra-instrument/#st-toc-h-3

によりますと――

・弦楽器
高い順から、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス

・木管楽器
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット

・金管楽器
ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ

・打楽器
ティンパニ、シロフォン・マリンバ、スネアドラム

・編入楽器
《演奏する曲目によって、必要な時のみ登場する楽器》
《その楽器にしか出せない音色や特徴がある》
サクソフォン、ハープ、ピアノ

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(画像:オーケストラの楽器とその配置――ネット記事「【オーケストラで使われる楽器は何?】楽器の特徴とステージ上の配置/2024年9月14日 ガクオンBlog 特集記事」より) 

 

これらの楽器は、やはり左利き用を期待するのは、難しいようです。
現状ではそもそもの発想の中に左利き用の楽器というものがありません。

そのなかで打楽器は、両手にバチを持って叩くので、
利き手の違いはあまり気にならないように思われます。
実際はどうか存じませんが、これは左利き用といいますか、
左利きにもチャンス(?)がある楽器なのかも知れません。

木管楽器は、このシリーズの初期に紹介しました、
フルートを吹く少年の絵にもありましたように、
昔は木管でどっち構えでも吹けるものだったようです。
今ではそうともいえないようですけれど。

 

 ●左利き用が期待できる楽器

というわけで、左利き用が期待できる楽器は、
オーケストラ的な芸術音楽のメインになる楽器ではなく、
民族楽器的なものになってきそうです。
一般庶民が気軽に手にして、日々の生活の中で演奏するような楽器。

ギターがそういう楽器なのかどうかは、
私は楽器にくわしくありませんので、よくわかりません。

雰囲気的にはそんな感じがします。

まあ、その辺は改めて調べ直すとして、
先に挙げました条件から、その(2)構造的に左右対称形であること
という点では、ギターは満たしているように思います。

ヴァイオリンのように複雑な構造を持たず、
わりにフラットな作りになっているように見受けられます。

単純に弦を張り替えれば、左用になる、ような。

作りやすい、可能性のある楽器――それがギターであり、
一般に広く親しまれている楽器でもあり、そういう点からも、
左利き用が生まれる余地のある楽器だったのかも知れません。

 ・・・

今回は簡単ですが、この辺で。

次回からは、また個別に色々な楽器について、
その左利き用の可能性を調べていこうか、と思います。

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(25)なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?」と題して、今回も全紹介です。

今回は、正直どうしようかという迷いの中で書いてきました。
本来なら、一直線に左利き用の楽器作りのためにがむしゃらに突き進む、
という方法が一番なのですが、
具体的にどこからスタートするのがいいのか、わかりません。

もちろんメーカーさんに問い合わせるのが一番でしょう。

でも、もう一つよくわからない、というのが本当のところです。
もうちょっと色々調べて、具体的な話を進められるだけの知識を
身につけておく必要があるように感じています。

――というところでしょうか。

 ・・・

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