2021.08.25

笑福亭仁鶴さんの思い出―ラジオで“デビュー作”を朗読してもらう

上方落語を代表する関西芸能界の大御所、
笑福亭仁鶴さんが17日にご逝去されました。
謹んで哀悼の意を表します。

YouTube
【訃報】上方落語の発展に生涯を捧げた落語家 笑福亭仁鶴さん死去
2021/08/20

さて、私にとって仁鶴師匠は、私の“デビュー作”を朗読してくださった方でした。
私が何歳だったでしょうか。
二十歳前後でしょうか。

ラジオの番組――深夜(といっても午後11時から翌1時まで、だったと思います。)の
OBCラジオ大阪の「ヒットでヒット バチョンといこう」(だったかな)の
パーソナリティーをされていたとき、
「メルヘン・コーナー」という聴取者からの投稿作品を朗読するコーナーがありました。
400字詰め原稿用紙二、三枚程度の作品です。

これを投稿して採用され、仁鶴師匠に朗読していただいたのです。

「ブタとサルの話」という「さるかに合戦」風の昔話的な作品でした。

腹を減らしたサルが柿の実のなった木の下を通ったとき、
サルが枝の上で柿の実を食べているを見て、一つおくれと頼んだのに、
食べかけた実を投げつけてきたので、
怒ったブタがそれを投げ返すと見事命中し、サルはお尻から落下。
それ以来、ブタはブーブーと鳴き、サルのお尻は真っ赤っか。
――といったお話でした。

今でもはっきり覚えているのは、読み終えた仁鶴師匠の感想です。

本当に腹が減っていたら、たとえかじりかけの実でも、
投げ返さずに食べてしまうものだろう、
という意味の発言をされました。

なるほど。

戦後の食糧難の時代に育ち盛りをすごされた方の言葉として、
実感がありました。


その時にもらったデニム生地の手提げ袋「バチョンバッグ」は
今もどこかに大切にしまってあります。
番組名と当時の各曜日のパーソナリティの名前が印刷されていました。

当時もう一人の人気若手落語家、
大学出でスマートな印象の桂三枝さん(現・六代目桂文枝師匠)とは違って、
仁鶴師匠は、エラの張った四角い顔でちょっと泥臭いようなイメージがあり、
私と同じ左利きで工業高校出身ということも手伝って、
あの独特のキャラクターが好きでした。

人間国宝の桂米朝師匠ともども「上方落語の四天王」と称された
師匠の六代目松鶴さんがなくなられたとき、七代目襲名の話があったのに、
「松鶴」は松竹芸能の看板だから吉本興業の自分が継ぐものではない、
と仁鶴師匠が固辞されたそうです。
筋を通すというのか、誠実な性格を著わすエピソードでしょう。

米朝師匠同様、自分の手で「仁鶴」という名を大きくしたいと思われたのか、
あるいは単に自分の名に愛着があったということかもしれません。

昔あったという歌声喫茶でロシア民謡をよく歌っていたという仁鶴師匠。
大ヒット曲「おばちゃんのブルース」とか
深夜の定期便トラック運転手の歌「花の定期便」とかも味があります。

大塚食品「ボンカレー」のCMとか、
NHKの土曜日お昼の「バラエティー生活笑百科」もよく見ていました。

今でも読売テレビの「大阪ほんわかテレビ」のタイトルコールは
仁鶴師匠の声のまま放送されています。

次回の放送はどうなるのか、楽しみ半分寂しさ半分です。

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読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」

笑福亭仁鶴師匠のご逝去にあたり、心からご冥福をお祈り申し上げます

突然の悲報に接し、悲しみにたえません。1993年の番組開始当初からご出演いただき、 番組の父のような存在として、 出演者・スタッフ全員を温かい笑顔で包み込んでくれていました。
2017年より番組への出演をお休みされており、 再び元気な姿で仁鶴師匠が戻って来られる日を、皆心待ちにしておりましたが、 残念ながらこのようなことになり、あまりにも突然のことで言葉が見つかりません。
謹んでお悔やみ申し上げます。

大阪ほんわかテレビ スタッフ一同

8月27日(金)放送
なお、今週の放送は1時間全編に渡り、 仁鶴師匠のこれまでの様々な名場面とともに、出演者の皆様と ほんわかテレビらしく明るく仁鶴師匠を偲ぶ特別企画をお送りする予定です。


YouTube
おばちゃんのブルース(1969年12月)

大阪は第二の故郷 笑福亭仁鶴(1970年11月)

男・赤壁周庵先生 笑福亭仁鶴(1971年11月)

花の定期便 (笑福亭仁鶴)(1972年4月)

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2021.02.15

私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号

 ―第288号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3) 」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
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 またまた久しぶりに、
 「私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年」
 に戻ります。

 ハヤカワ文庫創刊が7月でしたから、
 まだ「50周年」の一年は過ぎていないので、
 良しとしましょう。

 昨年、1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫
 「ハヤカワ文庫」が50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のお気に入りや、読んできた本の内、
 心に残る本を紹介してきました。

 ※ すべて今現在私の手元にある本から選んでいます。

   過去に持っていたけれど、押し出し整理法により、
   処分した本は除外しています。

  (図書館で借りて読んだものも除外しています。)

 前回までのおさらい――

私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』ロバート・E・ハワード
団 精二/訳(荒俣宏さんの若い頃の翻訳者名)
2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』アイラ・レヴィン
高橋 泰邦/訳

3.NV『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン
村上 博基/訳

4.HM『重賞』ディック・フランシス
菊池 光/訳

5.HM『死の接吻』アイラ・レヴィン
中田 耕治/訳

6.FT『夢の10セント銀貨』ジャック・フィニイ
山田 順子/訳

 

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
福島 正実/訳 ハヤカワ文庫FT 1980/11/1

(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
深町 眞理子/訳 ハヤカワ文庫SF 1978/7/1

(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
伊藤 典夫/訳 ハヤカワ文庫SF 2006/10/6

(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
井上 一夫/訳 ハヤカワ文庫NV 1975/3/1

(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
深町 眞理子/訳 ハヤカワ文庫NV 1974/5/1

(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
長谷川 修二 ハヤカワ・ミステリHM文庫 1984/10/1

(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』
村上 博基/訳 ハヤカワ文庫NV 1973/7/1

 

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】
 ――続編および同一作家の他の名作・佳作
1’(8)『夢の10セント銀貨』ジャック・フィニイ山田 順子/訳
(ハヤカワ文庫FT 1979/2/1)

2’(9)『血は異ならず』ゼナ・ヘンダースン, 宇佐川晶子他/訳
(ハヤカワ文庫SF 1977/12/1)。

3’(10)『時をとめた少女』ロバート・F・ヤング 小尾芙佐,
深町眞理子, 岡部宏之, 山田順子/訳 (ハヤカワ文庫SF 2017/2/23)

5’(11)『山荘綺談』シャーリイ・ジャクスン 小倉多加志/訳
(ハヤカワ文庫NV モダンホラー・セレクション 1972/6/1)

7’(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』ルイス・ギルバート
村上 博基/訳 (ハヤカワ文庫NV 1981/2/1)

(13)ロバート・J・ソウヤー『フレームシフト』内田昌之/訳
ハヤカワ文庫SF 2000/3/1 (文庫SF)

(14)エイミー・トムスン『ヴァーチャル・ガール』田中一江/訳
ハヤカワ文庫SF 1994/10/1 (文庫SF)

(15)ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
『たったひとつの冴えたやりかた』浅倉久志/訳 ハヤカワ文庫SF
1987/10/1 (文庫SF)

(16)ポール・アンダースン『魔界の紋章』豊田有恒/訳
ハヤカワ文庫SF 1978/2/1 (文庫SF)

(17)ウィリアム・ホープ・ホジスン『異次元を覗く家』団 精二/訳
ハヤカワ文庫SF 1972/5/1 (文庫SF)

(18)ロバート・A・ハインライン『夏への扉』福島 正実/訳
 (文庫SF)

(19)ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を〔新版〕』
小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫NV 2015/3/13 (文庫NV)

(20)カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』土屋政雄/訳
ハヤカワepi文庫 2008/8/1 (epi文庫)

 

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』仁賀克雄訳 ハヤカワ文庫 SF36 1971/9/1

(22)『異次元の女王』同 ハヤカワ文庫 SF62 1972/9/1

(23)『暗黒界の妖精』同 ハヤカワ文庫 SF82 1973/2/1

<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)同 ハヤカワ文庫 SF139 1974/3/1

▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
 <ホーカ>シリーズ +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
(25)『地球人のお荷物』稲葉明雄・伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫 SF68
1972/9/1

(26)『くたばれスネイクス』稲葉明雄・他訳 ハヤカワ文庫SF
1987/6/1

(27)『がんばれチャーリー』宇佐川 晶子訳 ハヤカワ文庫SF
1988/10/1

▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』ハヤカワ文庫JA190 1984/7/1

(29)『大冒険はおべんと持って』ハヤカワ文庫JA234 1987/1/1

「文庫JA」
(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』早川書房編集部編

(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』梶尾真治 ハヤカワ文庫JA
2016/12/20

「文庫NV」
(33)『時の地図 上・下』フェリクス・J・パルマ 宮崎 真紀訳
ハヤカワ文庫 NV 2010/10/8

 

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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(3) NVの数々 ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●「文庫NV」とは

(略)

 ●「文庫NV」から選んでみると――冒険小説

まずは、冒険小説から――冒険小説といえば、本場はイギリス。
イギリス人作家のふたりから始めましょう。

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(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『ナヴァロンの要塞』『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン)

 

(34)『ナヴァロンの要塞』アリステア・マクリーン
平井 イサク/訳 1977/2/1

(略)

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(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『スペイン要塞を撃滅せよ』『トルコ沖の砲煙』『パナマの死闘』セシル・スコット・フォレスター(海の男ホーンブロワー・シリーズ 2,4,5))

 

(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』セシル・スコット・フォレスター
 高橋 泰邦/訳
(ハヤカワ文庫 NV 58 海の男ホーンブロワー・シリーズ 2)1973/12/1

『トルコ沖の砲煙』高橋 泰邦/訳
(ハヤカワ文庫 NV 70 海の男ホーンブロワー・シリーズ 4)1974/6/1

『パナマの死闘』高橋 泰邦/訳
(ハヤカワ文庫 NV 80 海の男ホーンブロワー・シリーズ 5)1974/11/1

(略)

 ●「文庫NV」から選んでみると――ホラー:アンソロジー

ホラー部門では、先に挙げている2冊以外に
アンソロジーを――

(36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』カービー・マッコーリー編

『闇の展覧会〔1〕』では、
スティーヴン・キングの中編「霧」が名作。

(略)

『ナイトヴィジョン スニーカー』キング他
ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション 1990/5/1

キング、ダン・シモンズの中短編と、
ジョージ・R・R・マーティンの
89年度世界幻想文学大賞中篇部門賞受賞作「皮剥ぎ人」収録。

「皮剥ぎ人」がいい。
アメリカの田舎のまちを牛耳るボスと対決する探偵のお話と、
人狼ものをミックスした傑作中編。

 ●「文庫NV」から選んでみると――ホラー:マシスン

(略)

『激突!』リチャード・マシスン 小鷹 信光/訳
ハヤカワ文庫 NV 37 1973/3/1

(略)

(37)『地球最後の男』リチャード・マシスン 田中 小実昌/訳
ハヤカワ文庫 NV 151 モダンホラー・セレクション 1977/9/1

(略)

 ●「文庫NV」から選んでみると――ホラー・幻想など

(略)

『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー/編
小倉 多加志/訳 ハヤカワ文庫―NV 1980/9/1

(略)

(38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
フィリップ・K・ディック 仁賀 克雄/編・訳
ハヤカワ文庫 NV 122 1976/8/1

(略)

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(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』カービー・マッコーリー編、『ナイトヴィジョン スニーカー』、『地球最後の男』『激突!』リチャード・マシスン、『ドラキュラのライヴァルたち』マイケル・パリー/編、『地図にない町 ディック幻想短篇集』フィリップ・K・ディック)

 

 ●「文庫NV」から選んでみると――サスペンス

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(画像:ハヤカワ文庫NV(書影)『堕ちる天使』ウィリアム・ヒョーツバーグ、『GATACA(上)(下)』フランク・ティリエ)

(略)

(39)『堕ちる天使』ウィリアム・ヒョーツバーグ 佐和 誠/訳
ハヤカワ文庫NV 1981/2/1

(略)

次に、〈左利きミステリ〉でもあるフランスの作品で、

(40)『GATACA(上)(下)』フランク・ティリエ 平岡 敦/訳
ハヤカワ文庫NV 2013/5/24

シリーズもので、前作の謎?を明らかにする部分は、凄い。
楽しみな連作のようです。

今回は、左利きにまつわるお話で、凶悪な殺人者が生まれるのは、
遺伝的な要素があるのだという。
で、左利きもその特徴の一つだと。
(この辺は左利きの私には非常に面白くない部分ですが。)

映画化もされたようで、左利き研究20年のイギリス人科学者の著書
『非対称の起源』(クリス・マクマナス 講談社ブルーバックス)

という左利きの研究書の中でもふれていたという記憶があります。

お話は面白いのでその辺はオススメです。

 ・・・

今回はこの辺で。
次回は、いよいよ「文庫ミステリ」編です。

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本誌では、「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5) ハヤカワ文庫の50冊(3) 」と題して、ハヤカワ文庫の読書歴とともに、“ハヤカワ文庫の50冊”の3回目として「文庫NV」から冒険もの、ホラー系、サスペンスもののを紹介しています。

コメントの類いは基本省略しています。

もうすぐ50冊になってしまうのですが、まだまだ書きたい本、
紹介したい本があるので、どうなるのでしょうか。

まあ、最悪は、「ハヤカワ文庫の100冊」にすれば済む問題ですので。

お楽しみに! ということで……。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

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(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

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2020.12.05

左利きの人生を考える(3)「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(2)-週刊ヒッキイ第584号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第584号 別冊編集後記

第584号(No.582) 2020/12/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(3)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(2)」

 

☆彡★彡 レフティやすおからの お願い! ☆彡★彡

いよいよ明日まで!

メルマガ末尾にある↓

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まぐまぐ大賞2020 投票受付中!【12/6(日)締切】
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https://www.mag2.com/events/mag2year/2020/form.html?id=0000171874

 

今年もまぐまぐ大賞というのをやっています。
最初っから諦めるのではなく、
機会のある限りチャレンジしたいと考えています。
投票にご協力を!

このメルマガの末尾の下に
投票のURLがしめされています。

(もしなければ、こちらから ↑)

左利きメルマガは、過去にいくつかあったそうですが、
15年続けているメルマガは唯一これだけ!

豊富な情報――現状と過去と――と、
左利きに対する考え方、取り組みの姿勢も真摯で誠実、
物心ともに役立つ内容。

左利きを応援する人は必読!
左利きのみならず、少数派を応援する人は、、です。

よろしくお願い申し上げます。(゚゚)(。。)ペコッ

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

引き続き、再配信はしばらくお休みとします。

 

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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第584号(No.582) 2020/12/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(3)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(2)」
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 「左利き本のために――左利きの人生を考える」
 の第3回目です。

 今回は、私の左利き体験を中心に、
 過去における左利きへの偏見について見ておこう、
 と思います。

 つきましては、10月7日に逝去されました作曲家、
 筒美京平さんの作曲された「わたしの彼は左きき」について、
 発表当時の左利き事情を、私の経験と照らし合わせながら、
 あれこれ書いてみます。

 1回目は↓

第580号(No.580) 2020/10/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(1)」

左利きの人生を考える(1)「左利きライフ」ってなんだ?
-週刊ヒッキイ第580号
『お茶でっせ』版 『新生活』版

 2回目は↓

第582号(No.582) 2020/11/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(2)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(1)」

2020.11.7
左利きの人生を考える(2)「わたしの彼は左きき」の時代:
1970年代(1)-週刊ヒッキイ第582号
『お茶でっせ』版 『新生活』版

 

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 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
  (左利き本のために)――左利きの人生を考える(2)
  ◆ 1970年代は日本における左利きの転換点 ◆
   ~ 「わたしの彼は左きき」の時代(2) ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「(左利き本のために)――左利きの人生を考える」では、
左利き人生をしあわせに生きるための方法を考えます。

右利き偏重の社会において、左利き人生とはどういうものか、
どういう意味があるのか、どのように展開すべきなのか、
それらを考えてみたいのです。

まずは、過去における「左利きの苦い思い出」を振り返り、
現状にいたるまでの左利き観の変化を見ておこうと思います。

 ・・・

前回は、10月に亡くなられた筒美京平さんの作曲された
麻丘めぐみのヒット曲「わたしの彼は左きき」に関連して、
左利きの人たちが置かれていた当時の状況を
麻丘さんの言葉など紹介しながら見てきました。

今回はその続きです。

 ●ヨネスケさんの左手箸のこと

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(画像:『突撃! 隣の晩ごはん』のしゃもじを持つヨネスケさん) 

「左利きがタブーだった時代、ヨネスケは箸を右手で持つように」 2017.08.26 07:00  女性セブン

(略)

 《「高齢の視聴者から
  “左手でお箸を持つのはいかがなものか!?”
  とクレームが数多く入り、
  途中からヨネスケさんは右手で箸を持つようになったんです」
  (当時を知る日テレ関係者)》

 ●前田敦子さんの場合
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(画像:2011年、前田敦子さんの丸美屋「家族のお茶漬け」シリーズCM)


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(画像:2012年、前田敦子さんの日清「カップヌードル」CM)


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(画像:2009年12月11日の前田敦子さんのブログより、右手で箸を使う練習をするところ)

 ●左手で箸を使うこと
 ●日清食品「どん兵衛 きつねうどん」CMの話
 ●左利きに関する「違和感」について

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、<strong>「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24― 左利き本のために――左利きの人生を考える(3)「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(2)」と題し、前回に引き続き、ヨネスケ師匠の左手箸について、そして、タレントさんの左手箸CMについてなど、書いています。

右利きの人たちが感じるという、左利きの人たちの左手使いについての「違和感」に関しては、次回に改めて書いてみます。

日清食品「どん兵衛 きつねうどん」CMに関しては、私自身、左利きに関してコンプレックスを持っていただけに、山城新伍さんと川谷拓三さんのお二人が左手に箸を持って「どん兵衛」を食べるシーンに、大いに勇気づけられたものでした。
非常に嬉しいCMだったのですが、また世間的にも大いに人気を博したものだったのですが、一方で、左手で箸を使う姿をテレビで公にすることに批判的な意見もあったということです。

今はかなり世間の目も変化してきたという気がします。

 ・・・

詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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2017.11.06

努力で幸福になれる―ラッセル「幸福論」NHK100分de名著2017年11月

11月のNHK100分de名著は、バートランド・ラッセルの「幸福論」です。

名著70 バートランド・ラッセル「幸福論」

プロデューサーAのおもわく。

ラッセルの「幸福論」のキーワードは「外界への興味」と「バランス感覚」。人はどんなときにでも、この二つを忘れず実践すれば、悠々と人生を歩んでいけるといいます。そして、それらを実践するために必要な思考法や物事の見方などを、具体例を通して細やかに指南してくれるのです。まさに、この本は、人生の達人たるラッセルの智慧の宝庫といえるでしょう。

【講師】小川仁志(山口大学准教授)
【朗読】荒川良々(俳優)
【語り】墨屋 那津子(元NHKアナウンサー)

第1回 11月6日放送
自分を不幸にする原因ラッセル自身の人生の歩みを紹介しながら、人々を不幸にしてしまう原因を明らかにしていく。

第2回 11月13日放送
思考をコントロールせよ不幸に傾きがちなベクトルをプラスに転換する「思考のコントロール方法」を学ぶ。

第3回 11月20日放送
バランスこそ幸福の条件極端に走りがちな人間の傾向性にブレーキをかける、ラッセル流のバランス感覚を学んでいく。

第4回 11月27日放送
他者と関わり、世界とつながれ!ラッセルのその後の平和活動にもつながる、自我と社会との統合を理想とした、独自の幸福観を明らかにしていく。

 

○NHKテレビテキスト「100分 de 名著」
『ラッセル『幸福論』 2017年11月』小川 仁志

―客観的に生きよ
 「自分」のなかに閉じこもる――それが不幸の原因だ。

自分の「外部」に没頭せよ
核兵器の廃絶と科学技術の平和利用を訴えた「ラッセルアインシュタイン宣言」でも知られる知の巨人、バートランド・ラッセル。彼が自らの人生を通じて実証した、幸福を「獲得」する方法とは? 「究極のポジティブシンキング」で、論理的に幸福をつかめ!

 

 

【講師:小川仁志さんの関連著作】
小川 仁志『ポジティブ哲学! ―三大幸福論で幸せになる―』清流出版 2015/6/19
―アラン、ヒルティ、ラッセルの「三大幸福論」から得る幸せの見つけ方

 

『幸福論』 B・ラッセル/著 堀秀彦/訳 角川ソフィア文庫 2017/10/25
―解説:小川 仁志

 

 

 

 ●三大幸福論

哲学の三大幸福論と言われるのが、フランスの哲学者・アラン『幸福論』(1925)、スイスの哲学者ヒルティ『幸福論』(全三巻 1891-99)と、イギリスの哲学者・ラッセルの本書です。

一番とっつきやすいのは、アラン『幸福論』でしょう。
文庫本で2~3ページという短文を集めたもので、読みやすいというのが特徴の一つです。

内容は、哲学的・文学的で、アランの主張は、自分で作る幸福は決して裏切らない(「47アリストテレス」)といい、自分が幸福になるのは義務だ(「92幸福になる義務」)といい、子供には幸福になる方法を教えるべきだ(「91幸福となる方法」)といい、幸福になるにはまず気持ちの持ち方である(「66ストイシズム」)といい、幸福だから笑うのではなく笑うから幸福になるのだ(「77友情」)、と教えます。

 

*参照:『お茶でっせ』記事 2011.10.31
アラン『幸福論』喜びは、行動とともにある!

 

 

ヒルティ『幸福論』も各巻8本ずつの論文が集められたものです。
キリスト教的な見地からの実用的な幸福論という気がします。

「人間だれ一人として幸福を求めないものはない」(第三部「二種類の幸福」)といい、「幸福こそ、人間の生活目標なのだ」(第一部「幸福」)といい、「仕事は人間の幸福のひとつの大きな要素だ」といい、「あなたは額に汗してパンを食べねばならぬ」(創世記三の一九/同)と。
第一部が「仕事の上手な仕方」で始まるように、幸福への道は、まず仕事に励むこと、といいます。

そして、不幸は人生につきものであり、逆説的にいえば、不幸は幸福のために必要だ、とも言います。

第三部「二種類の幸福」で、「価値の低い幸福」に至る道については古くから述べられているといい、彼は「永続的な幸福」について書いています。
それは、「神のそば近くにあること」「偉大で真実な思想に生きる」ことだと言います。

 

 ●『ラッセル幸福論』

これらの著作と異なり、本書は、一冊を費やして幸福について論を張る長編の論文です。

「はしがき」によりますと、自身の経験と観察によって確かめられた処方箋で、《周到な努力によれば幸福になりうる》(『ラッセル幸福論』安藤貞雄/訳 岩波文庫より―以下同じ―p.5)という信念に基づき、本書を書いたといいます。

この本の目的は、

普通の日常的な不幸に対して、一つの治療法を提案することにある。》p.14

といいます。

いかにして幸福を獲得するか? その積極的で具体的な方法を伝授すること、だそうです。

特別な不幸――恐怖政治や戦争、社会の貧困といった大きな問題、個人的には病気やケガ等、あるいは親しい人の死等の、単純には乗り越えられない種類の不幸は取り上げない。
あくまでも個人の力で改善できる問題に置いて、です。

そして、多くの人はそのような日常的な不幸を抱えて生きている、というのです。
では、そのような日常的な不幸に陥る原因はどこにあるのでしょう。

 

第一部「不幸の原因」では、「不幸だと感じている人々」がどのような状況にあるか、を分析し原因を追究します。

第1章「何が人びとを不幸にさせるのか」では、

不幸の心理的な原因は、明らかに、多種多様である。》p.22

といい、その原因を一つずつ挙げ、第2章「バイロン風の不幸」第3章「競争」第4章「退屈と興奮」第5章「疲れ」第6章「ねたみ」第7章「罪の意識」第8章「被害妄想」第9章「世評に対するおびえ」と、分析してゆきます。

トルストイ『アンナ・カレーニナ』の冒頭で、

幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。 》(中村融訳 岩波文庫)

と書いていますが、それと同じようなものでしょう。

 

たとえば第2章「バイロン風の不幸」では、

人生は、ヒーローとヒロインが、信じがたいような不運を乗り越えたのちにハッピーエンドで報われる、といったメロドラマの類推で考えられるべきではない。》p.33

といいます。
第3章「競争」では、

成功は幸福の一つの要素でしかないので、成功を得るために他の要素がすべて犠牲にされたとすれば、あまりにも高い代価を支払ったことになる》p.54

といいます。
第4章「退屈と興奮」では、

前の晩が楽しければ楽しいほど、翌朝は退屈になる》p.66

といい、

総じてわかることは、静かな生活が偉大な人びとの特徴であり、彼らの快楽はそと目には刺激的なものではなかった、ということだ。》p.70

ともいい、

幸福な生活は、おおむね、静かな生活でなければならない。なぜなら、静けさの雰囲気の中でのみ、真の喜びが息づいていられるからである。》p.74

といいます。
第5章「疲れ」では、

きちんととした精神を養うことで、どれほど幸福と効率がいまやすかは、驚くほどである。きちんとした精神は、ある事柄を四六時中、不十分に考えるのではなく、考えるべきときに十分に考えるのである。》p.79

といいます。
たとえば心配事に関しても、

最悪の場合でも、人間に起こることは、何ひとつ宇宙的な重要性を持つものはないからである。》p.84

といい、取り越し苦労を否定します。
第6章「ねたみ」では、

他人と比較してものを考える習慣は、致命的な習慣である。何でも楽しいことが起これば、目いっぱい楽しむべきであって、これは、もしかしてよその人に起こっているかもしれないことほど楽しくないんじゃないか、などと立ち止まって考えるべきではない。》p.95-96

といいます。
第7章「罪の意識」では、

他人に対して心の広い、おおらかな態度をとれば、他人を幸福にするだけではなく、本人にとっても限りない幸福の源となる。》p.117

といい、

おのれの能力を最も完全に発揮するときに最大の幸福が訪れる。》p.121

といいます。
第8章「被害妄想」では、被害妄想を治すことが

幸福獲得の重要な部分である。というのは、私たちは万人が自分を虐待していると感じているかぎり、幸福になることはまるで不可能だからだ。》p.124

といい、被害妄想の予防薬となる四つの公理を挙げています。
第9章「世界に対するおびえ」では、世評に対する恐れは、

抑圧的で、成長を妨げるもので(略)真の幸福を成り立たせている精神の自由を獲得することは不可能である。》p.151-152

といい、幸福にとって不可欠なのは、

私たち自身の深い衝動から生まれてくる》p.152

ことがら――趣味や楽しみ、希望等によるのだと言います。

幸福は同じような趣味と、同じような意見を持った人たちとの交際によって増進される。》p.151

と。

 

第二部「幸福をもたらすもの」で、幸福になる秘訣を説きます。

第10章「幸福はそれでも可能か」では、幸福には2種類あると言います。
一つは、どんな人にも得られるが、もう一つは、読み書きのできる人にしか得られないものだといいます。
前者のそれは、動物にも見られる単純な喜び――生存における快適な充足といったものです。
それに引き換え、後者は、科学者の尊敬に値する業績のような、困難を克服したのちに得られる成功の喜び――自己の能力を高く評価する、といったものです。
しかしこのような成功を一般の人間が獲得するのは難しいものです。
そこで注目すべきは、「趣味に熱中すること」といいます。
それでも、このような趣味や道楽は、現実からの逃避の手段とも言えます。

根本的な幸福は、ほかの何にもまして人や物に対する有効的な関心とも言うべきものに依存している。》p.170

といいます。
そして、この人への関心は愛情であり、

幸福に寄与する愛情は、人びとを観察することを好み、その個々の特徴に喜びを見いだす類の愛情である。》p.170

といい、最後に

幸福の秘訣は、(略)あなたの興味をできるかぎり幅広くせよ。そして、あなたの興味を惹く人や物に対する反応を敵意あるものものではなく、できるかぎり友好的なものにせよ。》p.172

といいます。
第11章「熱意」では、幸福な人の最も一般的な特徴として「熱意」を取り上げます。

人間、関心を寄せるものが多ければ多いほど、ますます幸福になるチャンスが多くなり、また、運命に左右されることが少なくなる。》p.176

といいます。
一つを失っても別のものがある、というわけ。すべてのものに興味を持つには人生は短すぎるけれど……。

熱意こそは、幸福と健康の秘訣である。》p.192

、と。
第12章「愛情」では、

人生に対する一般的な自信は、ほかの何にもまして、正しい愛情を、必要なだけ、ふだん与えられているところから生まれる。》p.195

といいます。
ものごとへの熱意の源となる精神の習慣としての愛情において最上のものは、

相互に生命を与えあうものだ。おのおのが喜びをもって愛情を受け取り、努力なしに愛情を与える。》p.202

といいます。
ところが現代は、人との付き合いにおいて用心深さが必要とされる状況にあり、しかし、

愛における用心深さは、ことによると、真の幸福にとって致命的なものであるかもしれない。》p.205

といいます。
第13章「家族」では、

両親の子供に対する愛情と、子供の良心に対する愛情は、幸福の最大の源の一つ》p.206

となりうるにもかかわらず、現代では大きな不幸の源になっている、といいます。
それでも、

個人的に言えば、私自身は、親としての幸福は私の味わった他のどんな幸福より大きいと思っている。》p.218

といいます。
そして、

私たちは、よい人間関係は両方の側にとって満足すべきものでなくてはならないと信じている。》p.222

といい、

本当に子供幸福を希(こいねが)う親は、(略)衝動によって正しく導かれることだろう。》p.225

といいます。
第14章「仕事」では、「仕事」の役割としては、第一に

退屈の予防策として望ましいものだ。》p.231

といい、第二の利点は、

成功のチャンスと野心を実現する機会を提供してくれる。》p.232

といいます。
成功したいという欲望があれば、その仕事に耐えられるといい、

目的の持続性ということは、結局、幸福の最も本質的な成分の一つであるが、(略)これは主として仕事を通して得られる。》p.232

といいます。
そして、

一つの重要な仕事を見事にやり遂げた幸福を、人から奪えるものでは何ひとつない。》p.237-238

といい、

首尾一貫した目的(略)は、幸福な人生のほぼ必須の条件である。そして、(略)主に、仕事において具体化されるのである。》p.241

といいます。
第15章「私心のない興味」では、生活の根底をなしている主要な興味ではなく、二次的な興味について語られます。
これは、主要な仕事での疲れや活力を取りもどすための気分転換、余暇を満たす興味といった意味でしょう。

仕事以外の興味をたくさん持っていれば、持っていない場合よりも、仕事を忘れるべきときに忘れることが断然やさしくなる。》p.244

といいます。
そういう「思考のチャンネルを切り替えること」ができる

魂の偉大さを持ちうる人は、心の窓を広くあけて、宇宙の四方八方から心に風が自由に吹き通うようにするだろう。》p.250

といい、

賢明に幸福を追求する人は、(略)いくつかの副次的な興味を持つように心がけるだろう。》p.253

といいます。
第16章「努力とあきらめ」では、古代中国の『論語』でも、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』においても語られる、古今東西で指摘されてきた「中庸」という教義について語ります。

純粋に個人的な希望は、無数の形で挫折するものであって、避けがたいものかもしれない。》p.260-261

といいます。
人生においては、ことを達成することができず、その努力を半ばで諦めなければならない場合があるということです。

中庸を守ることが必要である一つの点は、努力とあきらめのバランスに関してである。》p.254

といい、

日ごとに信じがたくなる事柄を日ごと信じようとする努力(略)を捨て去ることこそ、確かな、永続的な幸福の不可欠の条件である。》p.265

といいます。
最終章の第17章「幸福な人」は、いよいよ「まとめ」の章です。

外的な事情がはっきりと不幸ではない場合には、人間は、自分の情熱と興味が内へではなく外へ向けられているかぎり、幸福をつかめるはずである。》p.267

といい、

やはり、人生は生きがいがあるのだ、と感じられるように自分に教え込むとよい。》p.270

といいます。さらに、

幸福な人生は、不思議なまでに、よい人生と同じである。》p.271

といい、

私は、本書を快楽主義者として、言い換えれば、幸福を善と見る人間として書いた。》p.271

といいます。
これはおおむね、健全な道徳家の推奨する行為と同じだが、私の推奨してきた人生態度と道徳家のそれとでは少し異なる部分があるとも言います。

私たちは、愛する人びとの幸福を願うべきである。しかし、私たち自身の幸福と引き換えであってはならない。》p.272-273

といいます。
自己否定の教義にくみすることなく、世界への興味を持つことで、自己もまた生命の流れを一部であることを認識し、自己と世界を統合したものと実感できる、といいます。
最後に、

幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である。また、こういう興味と愛情を通して、そして今度は、それゆえに自分がほかの多くの人びとの興味と愛情の対象にされるという事実を通して、幸福をしかとつかみとる人である。》p.268

といい、

幸福な人とは、(略)自分の人格が内部で分裂してもいないし、世間と対立してもいない人のことである。(略)自分は宇宙の市民だと感じ、(略)宇宙が与える喜びをエンジョイする。》p.273

といい、子孫という生命の連続を信じ、死を恐れない、生命の流れと結合し、大いなる歓喜を見出している、と結論します。

 

簡単にいえば、幸福な人とは、自分の内に閉じこもらず、自らを客観的に見、広く外に目を向け、興味を持って人や社会と対立することなく友好的につきあい、未来につながる生き方で人生をエンジョイする人のことである、といえるのではないでしょうか。
幸福な人生とは、よく生きることである、と。

 

 

 ●よく生きる――幸福こそ最高善である

ソクラテスは、

最も尊重しなければならなぬのは生きることではなくて、善く生きることだ

といい、そのあと続けて

善く生きることと立派に生きることと正しく生きることとは同一である

といいました(プラトン著『クリトン』山本光雄訳 角川文庫)。

「善く生きる」とは、「立派に生きること」「正しく生きること」「美しく生きること」でもあり、「生きがいのある人生」のことであり、「自分にとって望ましい生き方」ということであり、すなわち「幸福に生きる」ことだと言います。

古代ギリシア人は、真・善・美を重んじたといいます。
「真」とは「善」であり「美」である(「真」=「善」=「美」)ということで、人もそのように生きるべきだということでしょう。

「幸福に生きること」が人生における「真理」なのだ、と。

 

アリストテレス『ニコマコス倫理学』(光文社古典新訳文庫[上巻]第一巻第八章)には、

幸福とはよい人生を送り、立派にやっていくこと

といい、

というのも、[われわれの説では、幸福とは]或る種の善き生であり、善き行為であると大体は語られていたからである。

といいます。
さらに、

われわれにとって幸福は、尊敬に値する、完璧なもののひとつである、ということである。》(第一巻第十二章)

と。
結論として、人間にとっての幸福こそ、「最高善」なのだ(第一巻第七章)、といいます。

 

本書のラスト(第二部「第17章」)でも、ラッセルは

幸福な人生は、不思議なまでに、よい人生と同じである。

といい、「幸福は善だ」と書いています。

古代西洋哲学以来の考え方なのでしょう。
そして、それが真実なのではないでしょうか。

 ・・・

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*私が読んだ本: 『ラッセル 幸福論』B. ラッセル/著 安藤貞雄/訳 岩波文庫 1991/3/18

 

 

*「三大幸福論」他の二点: アラン『幸福論』白井健三郎/訳 集英社文庫

 

 

『ヒルティ 幸福論』(全三巻)岩波文庫
[第一部] 草間平作/訳 改版 1961/1/1

 

*その他の参考文献:

・プラトン/著『ソクラテスの弁明―エウチュプロン,クリトン』山本光雄/訳 角川文庫 改版 1989/06
―ソクラテス裁判の朝の出来事を語る「エウチュプロン」と裁判後処刑を待つある一日の出来事を描く「クリトン」を併せて収録。

 

 

・アリストテレス/著『ニコマコス倫理学(上)』渡辺邦夫, 立花幸司/訳 光文社古典新訳文庫 2015/12/8

 

「NHK100分de名著」カテゴリ:
NHK100分de名著

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2017.09.22

9月19日TBS「マツコの知らない世界」で「左利きの世界」放送

後半で渡瀬謙さんによる「左利きの世界」が放送されました。

 

番組紹介によりますと、

「左利きの切なさを少しでも分かってほしい!」/左利きの切なさを収集する男・渡瀬謙さんに熱弁していただきました。/右利きは気づかない不便ポイントをマツコさんにもいくつか体験していただきましたが、器用にこなすマツコさんにゲスト渡瀬さんも驚かれていました。

 

動画はこちら↓
マツコの知らない世界 本当にヘンな動物&左利きの世界 (26分ぐらいから。放送終了後1週間無料。配信は10月10日まで。)

 

内容の説明はこちら↓
マツコの知らない世界「左利きの世界」渡瀬謙さんが語る左利きの切なさとは?

 

 ・・・

 

170919hidarikikinosekai_3

 

(画像:配信動画から)

 

放送が始まってすぐに、マツコさんが「8割がた興味ない」と発言。

 

これが世間の大部分の(右利きの)人の正直な意見かもしれません。

 

人間というものは、当事者にならない限り、こういうものでしょう。

 

 

渡瀬さんの今週のメルマガ「サイレントセールスのススメ」[661号]冒頭に、収録裏話が掲載されていました。

 

出演者がマツコさんと会うのは、収録の時点が最初だそうです。
事前に挨拶したり打ち合わせをしたり、ということが一切ないそうです。
全くのぶっつけ本番。
(収録は録画なので、あとで編集は可能ですが、お互いにご当人同士は大変です。
 どういう反応があるか手探りですから。)

 

そういうふうに考えると、対応するマツコさんは凄いですね。
出演する当事者は一応プランを持って挑んでいるのですから。

 

 

余談ですが――
今回、マツコさんが、渡瀬さんの手書きのプランを書き出した進行表(一枚の紙)を取り上げて見せてくれました。

 

これを見て、彼が本を書くときのアイデア表を思い出しました。

 

以前、相談を受けたことがあって、その時にこちらが出したアイデアやちょっとした言葉をこういう一枚の紙に、表というかグラフ状に書き込んでいました。

 

170919hidarikikinosekai_1_2

 

(画像:配信動画から/渡瀬さん自作の進行表)

 

 ・・・

 

で、渡瀬さんが登場して、初顔合わせとなります。

 

ここで、先に挙げた進行表のくだりがあって、テーマの紹介へと続きます。

 

先ずは、左手でズボンの左側のポケットからボールペンを取り出します。
このボールペンこそ「右利き社会の象徴だ」というのですが、これは、ボールの回転方向が云々ということではなく、彼が指摘した事実はロゴマークの文字でした。
ロゴの文字が左手で持つと逆立ちして読めない、という現実をマツコさんに体験してもらうのです。

 

 

次に、プロフィールの紹介です。

 

左利き人生プロフィール
8歳 右利き中心の文房具と戦い続ける/左利き用グローブがないので素手でライトを守らされる

 

この項目を読むところで、渡瀬さんが右と左を読み間違え、ライトとレフトも間違える。
 
ここで、二人の前に陣取ったスタッフが「右利き右利き」と注意すると、マツコさんがすかさず突っ込みます。

 

 

この「右と左を間違うことが多い」というのも、“左利きあるある”の一つでもあります。

 

 

11歳 肩身の狭かった「左利き」に革命が!/麻丘めぐみ『わたしの彼は左利き』が大ヒット

 

渡瀬さんが歌詞を紹介しながら、思わずニヤッとして「うれしいですよね」。
さらに「歌謡曲で生まれて初めて 歌詞が心に響いた曲ですね」と。

 

16歳 ピンクレディー『サウスポー』が大ヒット

 

ここで、マツコさんが「意外とベタなライン」と発言を。

 

そのあとちょっとしたことがありますが、これは見た人のお楽しみということで。

 

 

まあ、こんなふうな少年時代なんですね。

 

その後41歳になって、左利きの不便なものを紹介するメルマガ『レフティサーブ』を始めて、現在に。

 

 ・・・

 

内容に簡単に触れておきますと、メニューは以下の3つ。

 

1.知っておいて欲しい
 左利きの基礎知識
2.左利きに優しくない世の中
 魔のクロス生活
3.55年生きてきて
 左利きで良かったこと

 

 

詳しい内容は、動画を見てもらうなりすればいいので、ここでは私の気になったことを書いておきます。

 

 

3.55年生きてきて
 左利きで良かったこと
(1)卓球で第一試合に必ず勝つ
(2)カーナビの操作がスムーズにできる
(3)人に優しくなれる

 

170919hidarikikinosekai_2

 

(画像:配信動画から/左利きで良かったこと)

 

 

私自身は「左利きでよかった」という思いがないので、これはちょっと意外でした。

 

(3)の優しさは、少し解説が必要でしょう。

 

確かに利き手に関心を持つのは左利きの人だけで、最初のマツコさんの発言にあったように、右利きの人は先ず関心がありません。

 

そんな中で、相手の利き手を意識して、(肘が当たらないように等)食事の際の席を考えたり、なんやかやと気を使うのが左利きの人です。

 

そういう相手への気づかいが、ひいては他の弱者への配慮となり、人間全般への優しさにつながってくる、ということでしょう。

 

 ・・・

 

やはりゴールデン・タイムのバラエティ番組ですので、どうしても社会派の番組ではなく、こういう感じになるのも致し方ないのでしょう。
それが物足りないというご意見もあるとは思いますが、ここまでできれば、まずまずです。

 

 

腕をクロスするという二つ目のコーナーで、食事の際に食器の位置を置き変えたりする等の余計な手間がかかる、といいます。

 

右利き仕様の社会では、様々な場面で、些細なことと言えば些細なことなのですが、ちょっと気になることが多々あるのです。
そういうことが、日常ちょこちょこある、と。

 

 

こういう時間を合計すると、55年間で1000時間になるといいます。

 

ムダにした時間を計算して見せるところが、一つの説得術なんですね。

 

もっといえば、時給千円なら100万円、1日8時間で日当1万円なら125万円、となります。

 

 

この辺の「左利きの切なさを分かってほしい」というのが渡瀬さんの主張でした。

 

この遠慮がちな姿勢が、渡瀬流という気がします。

 

 

今回、渡瀬さんから、ゆるい内容です、といった報告がありました。
実際に見ての印象は、まさにそういう感じです。

 

でも、それが内向型の人「渡瀬流の左利きの世界」なんですね。

 

改めてそう実感しました。

 

 ・・・

 

内容がどうこうということは別にして、左利きについてこうしたメディアで扱ってもらえるのは、嬉しいことです。
まずは、その存在を知ってもらうということが重要です。

 

「知られない事実」は「存在しない」のと同じです。

 

昨今、「報道しない自由」をとなえるメディアもあるようですが、それはやはり間違っています。
ありのままに事実を報道するのがメディアの使命です。

 

これからも多くのメディアで、左利きの問題を取り上げていただきたいものです。

 

 

*参照:
右利き社会での左利き生活の不便さ解説本: 『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1
―左利きの著者による、右利き偏重社会における左利きの人の不便「あるある!」エッセイ集。

 

 

渡瀬謙氏の【内向型の人】の本 『仕事・人間関係・人生が好転する!「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙 大和出版 2017

 

 

『お茶でっせ』記事:2017.01.30
なりたい自分になる『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙

 

『内向型営業マンの売り方にはコツがある』大和出版 2009
―渡瀬謙氏の最初の【内向型の人】のためのビジネス本

 

 

*【先週の予告編】
『お茶でっせ』記事:2017.09.13
TBS「マツコの知らない世界」で19日「左利きの世界」放送

 

 

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2017.09.13

TBS「マツコの知らない世界」で19日「左利きの世界」放送

12日の放送のラストで、次回予告が流れ、来週9月12日「左利きの世界」が放送されるそうです。

 

番組の予告編も公開されています。

TBS番組表/マツコの知らない世界[字]【本当にヘンな動物&左利きの世界】

 

動画(56秒ぐらいから「左利きの世界」予告)

 

 

友人で左利き仲間の『左利きの人々』著者・渡瀬謙さんが登場。

 

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(画像:9月12日放送の本編末の予告から)

 

紐付ペンをマツコさんが左手で持つシーンが流れました。

 

170912hidarikikinosekai2

 

(画像:9月12日放送の本編末の予告から)

 

 

一部、左利きの人の間で早くも噂になっているようです。

 

HOTワードランキング > #マツコの知らない世界

 

 

私も制作の方に彼を推薦した一人として、楽しみにしています。

 

 

ご本人からのメールによりますと――
散々の出来だった、改めて自分は内向型の口下手だ、後はどう編集してもらえるかだ、と言った内容で、反省しきりでした。

 

しかし本編末の予告での様子は、結構笑顔が見えて、うまくやっているように思えるのですけれど……。

 

 

「番組表」の予告編では、ハサミ、ワイン・オープナー(コーク・スクリュー)、自動販売機や急須が写っていました。

 

「右利き中心の商品に四苦八苦/費やした無駄な時間は1000時間」というフリップもありましたね。

 

 

 マツコ「???って右利き左利き関係ある?」

 

という発言もありましたが、

 

 マツコ「どっちもそんなに差がないんですけど」  渡瀬謙「いきなりこんなにできる人見たことない」
 「生まれた時左利きだったんじゃ」
 マツコ「そんなことないです」

 

とあるなど、結構バラエティ番組らしくなっているようです。
まずは、よかったのではないでしょうか。

 

 

よく言われる道具類の不便や不都合だけでなく、ちょっとした視点の違いなども明らかになればいいなあ、と思っています。

 

 

*参照:
右利き社会での左利き生活の不便さ解説本: 『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1
―左利きの著者による、右利き偏重社会における左利きの人の不便「あるある!」エッセイ集。

 

 

渡瀬謙氏の【内向型の人】の本 『仕事・人間関係・人生が好転する!「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙 大和出版 2017

 

 

『お茶でっせ』記事:2017.01.30
なりたい自分になる『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙

 

『内向型営業マンの売り方にはコツがある』大和出版 2009
―渡瀬謙氏の最初の【内向型の人】のためのビジネス本

 

 

『お茶でっせ』記事:2009.3.4
お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」

 

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2017.07.03

ジェイン・オースティン『高慢と偏見』-NHK100分de名著2017年7月

7月のNHK100分de名著は、ジェイン・オースティン Jane Austen の『高慢と偏見』PRIDE AND PREJUDICE です。

今年はジェイン・オースティン没後200年だそうです。
ということもあっての選択でしょうか。

この機会に読んでみました。
1813年に出版された小説で、しかも執筆はそれより16年も前と言います。
というと、1796年。

18世紀末もしくは19世紀初頭の作品ということで、どちらにしろ既に200年以上前の作品で、タイトルからも「古臭~い観念的な小説かな」と思っていました。

実際に読んでみますと、翻訳(小尾芙佐訳・光文社古典新訳文庫)のせいもあるのかもしれませんが、文章もすごく読みやすく、ストーリイの展開も人物の描写も明快で、楽しく読めました。

単純にみても200年以上の歴史を経たものでもあり、オースティンの文章はかなり複雑な構文で難解なものと言われているそうです。
翻訳の違いでかなり読んだ印象も異なるかと思います。
私は、この翻訳が親しめました。

 ・・・

冒頭の一節――

独身の青年で莫大な財産があるといえば、これはもうぜひとも妻が必要というのが、おしなべて世間の認める真実である。/そうした青年が、はじめて近隣のひととなったとき、ご当人の気持だとか考え方などにはおかまいなく、周辺の家のひとびとの心にしっかり焼きついているのはこの真実であり、その青年は、とうぜんわが娘たちのいずれかのものになると考える。》(小尾芙佐訳・光文社古典新訳文庫

(ちなみに、最新訳ではこうなっています。)

世の中の誰もが認める真理のひとつに、このようなものがある。たっぷり財産のある独身の男性なら、結婚相手が必要に違いないというのだ。/そんな男性が近所に越してきたとなると、当人がどう思っているか、結婚について何を考えているかなどお構いなし。どこの家庭でもこの真理が頭に染みついているから、あの男は当然うちの娘のものだと決めてかかる。》(小山太一訳・新潮文庫 2014)

これを読んで、私はいっぺんにやられてしまいました。
こういう書き出しをさらっと書けるのは、やはりすごいと思います。
一見ありきたりな紋切り型に見えますが、導入部としては、やはりすごいの一言でしょう。

さらにその後に続くベネット夫妻の会話がみごとに作品世界を説明しています。
イメージがいっぺんに定着します。
(あとでふれますが、夏目漱石も引用文を示して激賞しています。)

 

内容は、年頃の長女と次女を始め、五人娘を持つ上層中産階級(アッパー・ミドル・クラス)の地主階級(ジェントルマン)のベネット家の娘たちの恋愛と結婚のお話です。

タイトルは当初『第一印象』と名付けられていたように、この作品は主人公エリザベスが結婚相手となるダーシー青年に対して見てとったその性格(高慢 PRIDE)と、抱いた誤解(偏見 PREJUDICE)についてのお話という意味でしょうか。
あるいは、ダーシー自身の性格(高慢)と階級差に対する考え(偏見)なのでしょうか。
もしくは、エリザベス自身のダーシーへの見方そのものが、高慢であったり偏見であったりした、ということでしょうか。

その辺は、各自読んだ上での判断ということにしましょう。

 

 ●結婚観や夫婦像を見る

恋愛小説のジャンルに入るかと思いますが、紆余曲折の恋愛ののち結婚にゴールインしてめでたしめでたしとなる“恋愛と結婚”の小説です。

新潮文庫版「解説」で作家の桐野夏生さんが

裕福ではないジェントリの娘にとって、結婚とは「シューカツ」である。そして、家族にとっては、少しでもいい条件のところに娘を嫁がせて、自分たちも楽をするための「ファミリー・ビジネス」なのだった。

と書いています。
確かに、ここに登場する何組かの夫婦を見ていますと、結婚のあり方というものを考えさせられます。

エリザベスは経済的にも社会的地位的にもまさに玉の輿に乗るわけですが、姉も経済的にいえばそれでしょう。
アッパー・クラス(上流階級)に属するダーシーと、アッパー・ミドル・クラス(上層中産階級)のジェントリー(地主階級)の娘であるエリザベスの結婚は、身分(階級)違いの結婚となり、多くの障害を乗り越えるためには互いの愛情と覚悟が必要でもあるのです。
姉の場合も同じです。
ダーシーは当初からその自信はあったようです。
問題は女性の側というところでしょう。

一方、エリザベスの親友の27歳の(当時としては行き遅れ?)シャーロットは、経済的な安定をとったというところでしょうか。
それぞれの結婚観に基づくものでもあるのでしょうけれど、現実的な妥協でもあるという見本でしょう。

他にも、ベネット夫妻やベネット夫人の弟夫妻、結婚したシャーロット夫妻など、いくつかの夫婦が登場します。
こういう結婚観や夫婦像を観察するのも、この作品を読む楽しみの一つでしょう。

 

 ●夏目漱石の『文学論』から

光文社古典新訳文庫版小尾芙佐さんの「訳者あとがき」によりますと、東京帝大英文科で講師を務めた夏目漱石もその前任者であったラフカディオ・ハーンも、オースティンを評価しています。

夏目漱石は『文学論』のなかで、オースティンの『高慢と偏見』や『多感と分別』にふれ、「Austenは写実家なり」といい、かつ「写実の泰斗なり」と書いています。

『文学論』「第四編 文学的内容の相互関係/第七章 写実法」(岩波文庫 2007)

Jane Austenは写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文字を草して技(わざ)神に入るの点において、優に鬚眉(しゅび)の大家を凌ぐ。余いふ。Austenを賞翫する能はざるものは遂に写実の妙味を解し能はざるものなりと。例を挙げてこれを証せん。》p.167

以下、第一章の冒頭のベネット夫妻の会話が原文とご自身の和訳で紹介されています。

取材既に淡々たり。表現亦洒々(しゃしゃ)として寸毫の粉飾を用ゐず。これ真個に吾人の起臥し衣食する尋常の天地なり。これ尋常他奇なきの天地を眼前に放出して客観裏にその機微の光景を楽しむ。もし楽しむ能はずといはばこれ喫茶喫飯のやすきに馴れて平凡の大功徳を忘れたるものの言なり。》p.175
Austenの描く所は単に平凡なる夫婦の無意義なる会話に非ず。興味無き活社会の断片を眼前に髣髴せしむるを以て能事を畢(おわ)るものにあらず。こう一節のうちに夫婦の性格の躍然として飛動せるは文字を解するものの否定する能はざる所なるべし。(略)――悉く筆端に個々の生命を託するに似たり。》p.176
即ちこの一節は夫婦の全生涯を一幅のうちに縮写し得たるの点において尤も意味深きものなり。ただ縮写なるが故に意味深きのみならず。(略)この一節の描写は単に彼ら性格の常態を縮図にせるの点において深さを有するのみならず、併せてその可能的変態をも封蔵せるの点において深さを有するものとす。》p.177
這裏(しゃり)の消息に通ずるものはAustenの深さを知るべし。Austenの深さを知るものは平淡なる写実中に潜伏し得る深さを知るべし。》p.178

 

ラフカディオ・ハーンも、オースティンの作品を高く評価しています。
「それはあまりに繊細すぎた」といい、それゆえ、

文学的教養が十分でないと彼女の小説の並はずれた長所を理解することはできない。『ラフカディオ・ハーン著作集第十二巻』野中涼・野中恵子共訳、千九百八十二年、光文社(「訳者あとがき」p.366より孫引き)

『高慢と偏見』については、

シェイクスピアの芝居のあるもののように面白い。実際、人物たちの劇的な真実といきいきしたようすは、シェイクスピア的と言っていいくらいだ》同

といいます。

 ・・・

なかなか鋭い観察眼と描写力を持つ、達者な作者の名品という感じでした。

さて、この作品を廣野由美子講師がどのように読み説いていただけるのか、楽しみです。

 ・・・

名著67 高慢と偏見

第1回 7月3日放送 偏見はこうして生まれた
第2回 7月10日放送 認識をゆがめるもの
第3回 7月17日放送 恋愛のメカニズム
第4回 7月24日放送 「虚栄心」と「誇り」のはざまで

【指南役】
廣野由美子(京都大学教授)…19世紀の英文学研究の第一人者。
【朗読】
ミムラ(女性の登場人物担当)、川口覚(男性の登場人物担当)

○NHKテレビテキスト「100分 de 名著」
高慢と偏見 2017年7月
2017年6月25日発売

 

*私が読んだ本: 『高慢と偏見〈上〉』ジェイン・オースティン/作 小尾芙佐/訳 (光文社古典新訳文庫 2011/11/10)
―唯一の女性訳者の手になる翻訳。小尾さんの翻訳は、エンタメ系小説で多く慣れ親しんでいるので、安心して読めました。

 

『高慢と偏見〈下〉』(同)

 

『自負と偏見』ジェイン・オースティン/作 小山太一/訳 (新潮文庫 2014)

 

*講師・廣野由美子さんのオースティンの本: 『深読みジェイン・オースティン―恋愛心理を解剖する』廣野 由美子 (NHKブックス No.1246 2017/6/22)

 

 

「NHK100分de名著」カテゴリ:
NHK100分de名著

 

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22 2014年3月放送:2014.3.4
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23 2014年6月放送:2014.6.1
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29 2015年8月放送:2015.8.5
自然淘汰による進化「生命の樹」-ダーウィン『種の起源』NHK100分de名著2015年8月
30 2015年9月放送:2015.9.1
恋と革命~太陽のように生きる-太宰治『斜陽』NHK100分de名著2015年9月
31 2015年10月放送:2015.10.7

処世訓の最高傑作「菜根譚」NHK100分de名著2015年10月
32 2016年1月放送:2016.1.4
真面目なる生涯~内村鑑三『代表的日本人』NHK100分de名著2016年1月
33 2016年4月放送:2016.4.4

弱者(悪人)こそ救われる『歎異抄』NHK100分de名著2016年4月
34 2016年5月放送:2016.5.1
人に勝つ兵法の道-宮本武蔵『五輪書』NHK100分de名著2016年5月
35 2017年2月放送:2017.2.6
欲望から自由になれ-ガンディー『獄中からの手紙』NHK100分de名著2017年2月
36 2017年3月放送:2017.3.5
永久の未完成これ完成である〈宮沢賢治スペシャル〉NHK100分de名著2017年3月
37 2017年4月放送:2017.4.4
人生は実に旅である―三木清「人生論ノート」NHK100分de名著2017年4月
38 2017年6月放送:2017.6.4
大乗仏典『維摩経』NHK100分de名著2017年6月
39 2017年7月放送:2017.7.3
ジェイン・オースティン『高慢と偏見』-NHK100分de名著2017年7月
40 2017年11月放送:2017.11.6
努力で幸福になれる―ラッセル「幸福論」NHK100分de名著2017年11月

 

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2017.06.04

大乗仏典『維摩経』NHK100分de名著2017年6月

NHK(Eテレ)『100分de名著』2017年6月は、名著66 維摩経です。

名著66 維摩経

第1回 6月5日放送 仏教思想の一大転換
第一回は、「維摩経」が成立した背景や維摩の人物像を紹介しながら、既存の仏教体系を大きく揺るがした大乗仏教の基本構造を学んでいく。

第2回 6月12日放送 「得意分野」こそ疑え
第二回は、維摩と釈迦十大弟子や菩薩たちとの議論を通して、「得意分野」にこそ自分の弱点が潜んでいることや、自分との向き合い方の極意を学んでいく。

第3回 6月19日放送 縁起の実践・空の実践
第三回は、維摩がもたらす予想外の答えや不思議な出来事から、単なる観念の遊戯ではなく、生きるための智慧として示された大乗仏教の精髄を学ぶ。

第4回 6月26日放送 あらゆる枠組みを超えよ!
第四回は、既存の枠組みにとらわれず、解体、再構築を繰り返しながら、融通無碍に生き抜く自由なあり方を維摩から学ぶ。

 

【指南役】釈徹宗(如来時住職・相愛大学教授)
…著書「なりきる すてる ととのえる」「お世話され上手」で知られる宗教学者・僧侶

【朗読】哲夫(お笑いコンビ「笑い飯」)

○NHKテレビテキスト「100分 de 名著」
維摩経 2017年6月
2017年5月25日発売

とらわれない、こだわらない
「自分」の枠をばらし、新たな「私」を組み立てる。

 

*参考: ・『維摩経をよむ―日本人に愛されつづけた智慧の経典』菅沼晃/著 NHKライブラリーNo.102 1999.6.1

・『「維摩経」を読む』長尾雅人/著 岩波現代文庫 2014/10/17

・『大乗仏典 7 維摩経・首楞厳三昧経』長尾雅人/訳, 丹治昭義/訳 中央公論社 1974

・『大乗仏典〈7〉維摩経・首楞厳三昧経』長尾雅人/訳, 丹治昭義/訳 中公文庫 2002/8/25

「プロデューサーAのおもわく。」より

「維摩経」を現代的な視点から読み解きながら、「こだわりや執着を手放した真に自由な生き方」「矛盾を矛盾のまま引き受けるしなやかさ」「自分の都合に左右されない他者や社会との関わり方」などを学んでいきます。

 

●『維摩経』について

『維摩経』番組の紹介(プロデューサーの「おもわく」)を見てもわかりますように、その昔聖徳太子が初めて解説したといい、以来日本では広く親しまれていたと言われる大乗仏教の古い経典の一つです。

なんと言っても在家の信者・維摩詰(ゆいまきつ)―漢訳名、ヴィマラキールティが元の名、略して維摩、または維摩居士とも呼ばれる―が、お釈迦様(ブッダ)の十大弟子や弥勒菩薩たち、最後は文殊菩薩を相手に教えを説く、という設定にあります。
しかもドラマ仕立てだ、というところ。

ヴァイシャーリーという町のお金持ちの一市民である、維摩が病気になり、お釈迦さまが弟子たちにお見舞いに行くように言います。
ところが、誰もが自分にはお見舞いに行く資格がない、と断ります。

たとえば、十大弟子の一人マハー・カーシャパ(大迦葉=頭陀行第一、清貧の行者と呼ばれる)はこう言います。

「在家の人でありながら、このような弁才をそなえているのであれば、(その説法を聞いて)だれか無上の正しいさとりに対して発心しない者があろうか、と思いました。」》「維摩経」長尾雅人訳(『大乗仏典7』中央公論社)p.38

最後に文殊菩薩が選ばれます。
そこで文殊菩薩がこう答えます。

「世尊よ、ヴィマラキールティはつき合いにくい人で、微妙な理屈にかんして弁説をふるう人です。逆の表現でも、満足なことばでも巧みに語り、その弁才を邪魔しうる者はありません。どんな人に対しても憤りをいだかない知恵の所有者で、菩薩のすべきことはすべて完成しており、一切の菩薩、一切の仏陀の秘奥のところにまではいりこんでおります。(略)方便という点でも知恵という点でも超越しております。(略)各種の衆生の機根に飾りを得させることが上手で、巧みな方便をよく知っており、質問に対しては決定的な答えを致します。(こちらの)貧弱な甲鎧(よろい)をもって、彼を満足させることは不可能です。」》同 p.70

そうは言いつつも、お釈迦様の言いつけとあればいたしかたないと、ブッダのお力添えをいただいて、議論してみましょう、といいます。

こうして本格的な維摩との対論が始まります。

 

●『維摩経』に学ぶこと

菅沼晃著『維摩経をよむ』(NHKライブラリー)によりますと―

仏教の真髄を体得している維摩は「人生の達人」として、その生き方が現代を生きる我々に鮮やかに示されている。
「如何に生くべきか」を教える経典として『維摩経』を読むことが重要。
大乗仏教の空の教えを、理論としてでなく、維摩の生き方から学ばなければならない。

―と。

 

●維摩はなぜ病んでいるのか

これも、菅沼晃著『維摩経をよむ』(NHKライブラリー)によりますと―

維摩が病気なのは、一切衆生(世の生きとし生けるものすべて)が病み苦しんでいるからだ、といいます。

「一切衆生病むを以って、是の故に我れ病む」と。

老・病・死といった苦を背負って生きているのが、我々一般の衆生です。
その病を受けて維摩や菩薩と呼ばれる人々は、病んでいるのだというのです。

子供が病気に苦しんでいると親もまた苦しむのと同じだ、と。

同じ立場に身を置くことで、同じ心情や悩みを共有し、人々を勇気付け、苦しくとも生きる力を与えようとしているのです。

 

●『維摩経』には逆説的な問いかけが多い

『維摩経』は、鳩摩羅什(くまらじゅう)訳『維摩詰所説経』3巻がもっとも読まれている。
他に、呉の支謙訳『維摩詰経』2巻、唐の玄奘訳『説無垢称経』6巻が現存。

玄奘訳は、サンスクリット原文からの忠実な直訳体であるのに対して、羅什訳は原文を達意の文章で訳しているといい、意訳的な部分があるようです。

長尾雅人著『「維摩経」を読む』によりますと、羅什訳では逆説的な問いかけの表現が多いけれど、チベット訳ではそれほどの表現ではないそうです。
その辺が羅什の解釈による翻訳になっているということでしょう。

インドのサンスクリット原本は現存せず、漢訳よりもより忠実に伝えていると見られるチベット訳からの翻訳が日本でもいくつか紹介されています。

 

●心に残ったこと

仏教の基礎的な教えから大乗仏教の考え方への変化を、維摩との対論を通して説明してゆきます。

初期仏教の自利から大乗仏教の利他への考え方の変化が一番大きな違いです。
己自身を救うことから衆生を救うことへの変化。
そのために何ができるか何をするかが、新たな時代の仏教徒の課された義務なのでしょう。

それらのお話のなかで、私の心に残ったのは、仏教では泥の中から咲く蓮の花のように、人は穢れのなかであっても花を咲かせるものだ、ということ。

ちょっと簡単には説明できないのですが、単なる道徳ではない、仏教の持つ宗教の力がその辺に存在するように思います。

また、病気についても、人は病にかかるとつい落ち込んでしまうものです。
しかし、それでも上にも書きましたように、みなと同じ立場に身を置いて、同じ目線で受け止め、力を与えようとしているという姿勢が、大乗仏教の菩薩の態度なのです。

私たちも、どのような困難な時にも勇気をもって、ありのままの自分で生きてゆくべきだなあ、と思いました。

 ・・・

内容的には、かなり難しい部分があります。
ちょっと読んだだけでは理解しがたいものですが、その辺を今回、どのように読み説いていただけるか、楽しみです。

 

*過去の仏教関係のNHK・Eテレ「100分 de 名著」の記事: ・2012年3月放送:2012.3.6
仏教は「心の病院」である!NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』2012年3月 ・同:2012.4.2
NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』を見て本を読んで ・2013年1月放送:2013.1.11
呪文に頼るのもよし?~100分de名著『般若心経』2013年1月 ・2015年4月放送:2015.3.29
自分を救えるのは自分自身である-NHK100分de名著『ブッダ 最期のことば』2015年4月 ・2016年4月放送:2016.4.4
弱者(悪人)こそ救われる『歎異抄』NHK100分de名著2016年4月

 

「NHK100分de名著」カテゴリ:
NHK100分de名著

 

*他のNHKテレビ「100分 de 名著」の記事:
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2 2011年12月放送:2011.12.6
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呪文に頼るのもよし?~100分de名著『般若心経』2013年1月
13 2013年2月放送:2013.2.5
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14 2013年3月放送:2013.3.28
どんな時も、人生には、意味がある。フランクル『夜と霧』~NHK100分de名著2013年3月(再放送)
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17 2013年6月放送:2013.6.5
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30 2015年9月放送:2015.9.1
恋と革命~太陽のように生きる-太宰治『斜陽』NHK100分de名著2015年9月
31 2015年10月放送:2015.10.7

処世訓の最高傑作「菜根譚」NHK100分de名著2015年10月
32 2016年1月放送:2016.1.4
真面目なる生涯~内村鑑三『代表的日本人』NHK100分de名著2016年1月
33 2016年4月放送:2016.4.4

弱者(悪人)こそ救われる『歎異抄』NHK100分de名著2016年4月
34 2016年5月放送:2016.5.1
人に勝つ兵法の道-宮本武蔵『五輪書』NHK100分de名著2016年5月
35 2017年2月放送:2017.2.6
欲望から自由になれ-ガンディー『獄中からの手紙』NHK100分de名著2017年2月
36 2017年3月放送:2017.3.5
永久の未完成これ完成である〈宮沢賢治スペシャル〉NHK100分de名著2017年3月
37 2017年4月放送:2017.4.4
人生は実に旅である―三木清「人生論ノート」NHK100分de名著2017年4月
38 2017年6月放送:2017.6.4
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ジェイン・オースティン『高慢と偏見』-NHK100分de名著2017年7月
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努力で幸福になれる―ラッセル「幸福論」NHK100分de名著2017年11月

 

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2017.06.01

右用と左用の違い(12) 回転系(5)すり鉢-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第494号

毎月第一・第三土曜日発行の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』5月20日発行第494号のメルマガのお知らせです。

第494号(No.494) 2017/5/20「【左手・左利き用品を考える】右用と左用の違い(12) 回転系(5)すり鉢」

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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第494号(No.494) 2017/5/20「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(12) 回転系(5)すり鉢」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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【左手・左利き用品を考える】 ..第三土曜日発行分掲載
 右用と左用の違い(12) 回転系(5)すり鉢
------------------------------------------------------------
 
 左手・左利き用品における右用との違いについて― 
 今年からは、左利きの人にとって刃物とともに問題になる
 回転系の道具類について考えていきます。
 今回はその5回目です。

 ・・・

 左(手/利き)用と右(手/利き)用との違いについて
 勘違いをしていたり、よく理解されていなかったり、
 というケースが少なくなく、
 私のサイトへの訪問者の検索キーワードを見ていますと、
 その類のものが結構あります。

 「○○の右用と左用はどう違うの?」といったものです。

 それぞれの右用と左用の違いを、
 私にわかる範囲で説明していこうと思います。

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
 【左手・左利き用品を考える】
  右用と左用の違い(12) 
  回転系(5):すり鉢 ―右回り・左回り
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛

今回は、先にブログでも紹介しました、すり鉢についてです。
画像は、こちらでご覧ください。

2017.5.16
左利き右利き両用すり鉢―『マツコの知らない世界』から

 ●『マツコの知らない世界』「一生使える日用品」
 ●9年かけて開発した
 ●キッチン用品は左右共用品がいい

 ・・・

詳細は本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


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2017.05.16

左利き右利き両用すり鉢―『マツコの知らない世界』から

5月9日に放送されました、TBSテレビの『マツコの知らない世界』#102「一生使える日用品」で、あるすり鉢が紹介されました。

*参照:
TBSオンデマンド『マツコの知らない世界』#102「一生使える日用品」
(放送終了後一週間は無料で視聴できます。/配信期間2017.5.16 20:56まで)

(画像:『マツコの知らない世界』#102―TBSオンデマンドより)

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 ●「一生使える日用品」すり鉢

それは、
寛政6年創業、岐阜県多治見の老舗【山只華陶苑(やまただかとうえん)】の7代目、すり鉢職人加藤智也さんが9年かけて作ったすり鉢
です。

「左利き用のすり鉢を作ってほしい」という要望に応えるために、右利きでも左利きでも使えるものを9年もかけて開発したといいます。

溝が、独特の波紋状の渦巻き模様の「波紋櫛目」になっていて、右回りでも左回りでも楽にすれるのです。


*参照:
【楽天市場】
【岐阜県/山只華陶苑(やまただかとうえん)】すり鉢 4寸 JUJU


キッチン用品は、基本的に個人で使うというより家族のような共同生活者間で使うものですから、右利きでも左利きでも使えるものがベストでしょう。

こういう左右共用品がどんどん普及して欲しいものです。


*参照:
一般的な(右利きの)すり鉢のすり方(当たり方)の動画
プロの京料理人が教えるすりこ木の回し方 - YouTube(2013.8.18)


 ●左利きの私が気になった一品

この番組で紹介された商品のなかで、一つ気になったのが、「丸ナナメ杓子」

何が気になったのかといいますと、その形状です。
右手で持って使う分には多分最高に便利なものでしょう。

でも左利き・左手使いの私には、多分かなり使いづらいものではないでしょうか。
反りが逆になってしまい、フォークの背にものをのせるようなものです。

通常のご飯をよそうしゃもじは左右対称形です。
右手で持っても左手で持っても問題なく使えます。

最高に使いやすいとは言いませんけれど、使いにくくて困る、というものでもありません。

世の中、右利きの人しかいないわけではないのです。
何でも右利き・右手用にすればいいというものではないでしょう。


 ●要望を伝えよう!

これを見て、面白くない気分でいたあとなので、よけいに加藤さんのすり鉢は魅力的でした。

やはり、黙っていてはいけないのです。
不便を感じるときは、製造者・販売者に素直に伝えるべきでしょう。

そうして要望を出せば、配慮しようと考える人が現れるものです。

伝える努力を惜しまないで、自らの左利きライフの向上を目指しましょう。

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