2026.07.11

【最新号】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(2)-週刊ヒッキイ第713号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第713号(Vol.22 no.13/No.713) 2026/7/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』
左利きは天才!?大検証(その2)」

 

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第713号(Vol.22 no.13/No.713) 2026/7/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』
左利きは天才!?大検証(その2)」
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 前回に引き続き、2026年5月12日(火曜日)放送の日本テレビの番組
 『踊る!さんま御殿!!』「左利きは天才!?大検証」の二回目です。

 今回は、筆者がTVerで見たときにポツポツとメモ取りしたものを
 中心に紹介します。

 

 *前回はこちら↓

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第711号(Vol.22 no.11/No.711) 2026/6/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』
左利きは天才!?大検証(その1)」

『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2026.6.6
【編集後記】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(1)-週刊ヒッキイ第711号

2026.6.13
【最新号】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(1)-週刊ヒッキイ第711号

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
  左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―【特別編】

  ――テレビのバラエティ番組の左利き特集に思う――

2026年5月12日(火)放送 日本テレビ系
 『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証

左利きは天才?凡才?SP バド桃田世界一の秘密!?脳が違う!?驚き鏡文字

 (2)筆者のメモから
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 

 ●『踊る!さんま御殿!! 左利きは天才!?大検証』

2026年5月12日(火曜日)日本テレビ午後8時~9時
踊る!さんま御殿!! 左利きは天才!?大検証
 野口みずき&バド桃田 世界の頂点採った秘密
 郷ひろみ50代で左転向 脳が違う!?驚き鏡文字

(出演者)司会:明石家さんま/黒田みゆ(日本テレビアナウンサー)/
郷ひろみ/新川優愛/鈴木大介/高橋ユウ/武田双雲/
たける(東京ホテイソン)/野口みずき/福田麻貴(3時のヒロイン)/
百田夏菜子(ももいろクローバーZ)/桃田賢斗/吉田仁人(M!LK)
※五十音順・敬称略
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2026512hidarikiki-5

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 ●筆者のメモから個別に追加事項を

・黒田みゆさん――

アナウンサーの黒田さんでしたか、
ボールペンのインクがすぐに出づらくなる、と。
これはよくあります。

ボールペンの仕組みは、回転するボールの表面にインクが付着、
それを紙に転写することで書けるようになっています。

ボールが回ることでなかのインクが流れ出る構造ですので、
左手で書くとどうしても左から右へ押すように書くので、
ボールの回転とインクの出る位置にずれがあり、
紙との接地面ではなく上側から出る形になります。
肝心の接触面ではボールの回転がインクを閉じ込めるような動きに
なります。

 

(ボール○の回転とインク■の流れ)
左手書きの場合 
書字方向→(左手・腕を押す方向になる)

■→・(上から漏れ出てくる場合がある)
■○↓
■←・(下からは出にくい)
━━━(紙)

 

右手書きの場合
書字方向→(右手・腕を引く方向に同じ)

・→■
↑○■
・←■(インクが自然に出てくる)
━━━(紙)

 

*参照:『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2016.4.25
ゼブラ「サラサドライ」ボールペンと左利き文具市場の可能性

160209sarasadry_hidiri

2015.12.22
左手書きにも新感覚ボールペン「ユニボール エア」uni-ball AIR 11月26日発売

151211uniball_air

 

アパレルショップで服を試着する際に、服を手に取ってハンガーから
外して元に戻す一連の作業がすべて右利き仕様になっている、と。

洋服のラックを掛けるとき、逆になる、というお話も。
お店で通常ハンガーにかかった洋服がずらっとパイプに並んでいる状態
では、右手でとったときに正面を向くように掛けてあるそうです。

 

(右利き仕様のお店の状態)

ハンガーがかかっている状態 前>後(洋服の向き)
━>━>━>━
 ↑ ↑右手で取ると―前△
左手で取ると―後▼

左手で戻すと
━<━<━<━(洋服の向きが逆になる)

 

左手で取ると後ろ向きで、
前を向けて見て、返すと始めとは逆向きになる。

百田さんも「毎日本当に悩んでいた」といい、
「左利きだからだったんだって知って、世界が変わりました」と。
クローゼットを無意識にお店と同じ「右利き仕様」にしているため、
左利きなので服をかけるといつも逆向きになってしまっていた。
「逆に(左利き仕様に)すればいいんだ」と喜ぶと、
武田さんも「帰ったらやりましょう」と共感。

 

・郷ひろみさん――

字は右、「サインを書いたりするので」と。
また、刃物は危険なので、これも右手だそうです。

これも納得できますね、何でもかんでもやってみる、というより
できることからやってみればいいのではないでしょうか。
非利き手使いを身体の左右のバランスを取るためにやるのなら、
それでいいのではないでしょうか。

 

・新川優愛さん――

メイクするときに、マスカラとか、右目は右手で左目は左手でやる。
右利きの人はどっちも右手でやる、と。
筆者は経験がないので、これはいまいちよくわかりませんが。

 

・高橋ユウさん――

字を書くときは紙を斜めにして書く。
武田さん他これはみなさん、そうですね、という意見。

筆者も同じですね、この方が書きやすくなります。
昔の<左利き友の会>での推奨している書き方「左利き筆法」でも、
提案されています。

*参照:
日本左利き協会―左利き筆法

(1. 斜め書き筆法)

 

マッサージで、右利きの人が多いので、勝手に右利きと思われて、
「右の方はよく使うのでほぐれてるけれど、左の方が凝ってますね」
といわれるので、否定できずに同意してしまう、とか。 

 

・武田双雲さん――

字だけ右で、左でも書ける。
(ボールペンのくだりで)万年筆も引いて書くようにできているので、
左手書きは押して書くので、書きづらい。
紙を斜め45度ぐらいに斜めにして書く。

いろんなところでテープカットの機会があるそうで、
左利きなので普通(右手用)のハサミでは切れない、と申し入れても
大丈夫切れますとかいわれて、でも結局切れなくて、
知事が代わりに切ってくれた、ということもあった、と。
 
自分の子供は直さなかった、そうです。
墨を自分で摺って用意するのだそうですが、摺るのは大変なのですが、
左手で摺ってるので右手で影響なく書ける。

鏡文字を書ける――透明板に逆に「夢」を書いて見せてくれました。
たけるさんも、「これは字を矯正された人間だけができる」と、
実際に書いて見せていました。

 

・野口みずきさん――

バインダーが使いにくい、書き込みにくいと。
左用を用意している? とか。
役者などの窓口の伸びるペン、筆者呼ぶところの紐付きペンですね、
これが短くて左手で持つと書けない。

(追記)
ずっと昔に購入した外国製(どこだったっけ?)の左利き用バインダー
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身体の両サイドのバランスをとるために、
右利きでも左手を使っているアスリートの皆さんも多い、と。
これは、以前から多くのアスリートの方々が発言されていました。
女子ソフトボールの金メダリスト上野由岐子さんなど有名です。

 

・福田麻貴さん――

クイズ番組のペンや消すスイッチなどが右側になっている。
接客業で店員さんから右手にペンを持たされる、と。
これはよくあります。
持たされるとまではいわないまでも、右側に出されることが多いですね。
そういう風に教えられているのでしょうけれど、
世の中は右利きの人ばかりではないので、ご注意を。

なぜか(メンバーのなかで、という意味でしょう)
「何でおまえだけ左利きなんやねん」といわれるとか? 意味不明です。
そんなんいわれても……ですよね。

 

・百田夏菜子さん――

「カレースプーン」の「マイスプーン」(ということでしょうか?)
「ハサミ持ってきました」と、御自身の愛用品を持ってこられた。
左利きの人の場合、こういう風に人それぞれにご自身の愛用品をお持ち
だろうと思います。
「カレースプーン」については、昔書いています。

*参照:
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2007.6.8 
100円ショップの左きき用カレースプーン

100yenlhspoon

 

・桃田 賢斗さん――
左利きは鏡文字が書けるというので「さ」を挑戦されますが失敗。
右手で字を書く「右使い転換派」の左利きの人は書けるが、
左手で字を書く「無転換派」の人には難しいと判明。

 

・吉田 仁人さん――
トランプは左上に数字が書かれており、左利きの人がカードを扇形に
広げて持つと数字が隠れてしまいます。
そこで、“両利き用トランプ”なら問題ない、と紹介。
2026512sanma-lh-2

 

また、レードル(お玉)が使いにくい、といい、
両方に注ぎ口があるタイプのものを紹介していました。

*参照:
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2012.10.1 
ガストのスープ用オタマが左右両注ぎ用に!

Otama

 

 

 ●YouTubeから再現VTR2本

「左利きって生きにくい…」と思った瞬間【踊る!さんま御殿!!公式】

(一人目)資料をクリアファイルに入れといて、といわれて、左利きな
ので左手で、クリアファイルを裏返しに置き、左側から入れて行きます。
右利きの人は右側から取り出すので、気遣いできてないよ、と。
(二人目)毛筆で、右利きの人は自然とうまく筆を入れることができる
のに、左手ではできなかったとき。

 

左利きがちょっと得する瞬間【踊る!さんま御殿!!公式】

(一人目)左利きの私は、右利きの彼氏と食事中、
手が当たらないように左側に座るので手を繋いだままでいられるとき。
(二人目)日本テレビ黒田アナウンサーの左利きがちょっと得する瞬間。
右利き社会で鍛えられ両利きになったので、
両手で別々のメイクができるとき。

(一人目)*参照:
『流しのしたの骨』江國香織/著 新潮文庫 1999/9/29
(Amazonで見る)

《恋人が左利きだとすごく便利だ。》

250315-nagasi-no-sita-no-hone

『レフティやすおの楽しい読書』
2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号

 

 ●右利きの人の反応は?

以上、まあ初めにも書きましたように、筆者の場合、
大半は基本、日常的に遭遇している不便のあれこれでした。
多くの左利きの方々も同感でしょう。

洋服の掛けてある並び方などは、初めて知りました。
左利きの人の場合、こういう<右利き仕様>といいますか、
右利き優先の在り方をそういうものだ、と思い込み、
自然に受け入れていることが多々あります。
なにしろ生まれたときからこの<右利き優先>、<右利き仕様>の世界に
生きているのですから、自然と馴染んでしまっている部分があります。
でもよく考えると、個人使用の部分に関しては、左利きなんだから、
自分に合った<左利き仕様>に変えて、楽をするべきなのですよね。

本当を言えば、個人的な部分だけでなく、
社会全体の仕組みそのものが左右両対応に変化することが理想です。

筆者などは、幼少期から色々と苦労をしてきた身ですので、
左利きに対するコンプレックスが強い人間に育っていて、
かなり意識して左右の違いを確認しながら、日々生きてきたつもりです。
それでも、まだまだ気付いていない面があるのだな、
と実感させられました。

またこういう機会があれば良いなあ、と思います。
左利きに詳しいはずの筆者でも知らないことがあるのですから、
右利きに人はどのように感じられたのか、その辺を知りたいものです。

単に「へぇーっ」で終わるのか、
「これでは左利きの人があれこれ訴えるのも無理はない、
みんなで考えて行くべき事柄だ」と感じるのか?
どうなんでしょうか?

 

 ●最後にひと言――真の解放のために

近年日本では、いくつものマイノリティー(社会的弱者)が、
その権利を認められ、法的にも擁護されるようになって来ました。
女性、高齢者、障害者、LGBTQなどなど。

しかし「左利き」の場合はどうでしょうか?
ユニバーサル・デザインに関しては、世界的に認められている「左利き」
ですが、日本の現状は、他のマイノリティに比較して、
まったく顧みられていないといっても過言ではありません。

個人レベル、民間レベルでは、一部改善は為されています。
しかし社会全体としては、総じて言えば、まだまだ未達です。

例えば、左手で字を書くことについて――
かつて日本の書写教科書には、右手で字を書く姿は掲載されていました。
しかし、左手で字を書く姿は掲載されていませんでした。
それはまるで「左手で字を書く人はいない」かのように、
もしくは「左手で字を書いてはいけない」かのように。

ところが、学校現場では、先生方が教室の後ろの掲示板に右手左手
両方の書字例を掲げていました。
市販の幼児向け教材でも、左右両方の字を書く例が示されていました。

筆者はこの国の検定を受けた教科書の在り方を危惧し、
このメルマガで長年訴え続けてきました。
「小学教科書に左手書字例を!」を、と。
それが実現したのは、令和二年版の東京書籍の書写教科書でした。

*参照:
第259号(No.259) 2011/5/7「《左利き教科書プロジェクト》
学校教科書に左利き(左手)例を!」
<左利きプチ・アンケート>
第68回 小1書写教科書に左手書き(左利き)例を入れるべきか?
『お茶でっせ』2011.5.13
週刊ヒッキイhikkii259号学校教科書に左利き(左手)例を!

第361号(No.361) 2013/4/27「<左利きプチ・アンケート>
≪教科書プロジェクト・アンケート・1≫どちらの手で…」
【小学書写教科書に左手書字例を!】プロジェクト
《小学一年(だけとは限りませんが)の書写教科書に、
 左手で鉛筆を持って字を書くときの写真なり図なりを入れよう》
『お茶でっせ』2013.5.2
教科書プロジェクト・アンケ1~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii361号
第459号(No.459) 2015/12/19「≪教科書プロジェクト≫
【小学書写教科書に左手書字例を!】PJ24
左手書字例を考える(14) 最終回に当たって~総ざらい」
『お茶でっせ』2016.2.4
左手書字例(最終回)きれいに見えるコツ-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第459号

『お茶でっせ』2020.2.9
左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」

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左利きの人は、
単に道具や機械、システムといった日常生活の環境面だけでなく、
こういう日常的な仕草や行動の一つひとつにまで社会からの圧力を受け、
思うままにならぬ状態が続いてきました。

1970年代前半(1971-75)「左利き友の会」を主宰された、
日本における<左利き解放運動の父>とも言うべき、
精神科医の箱崎総一先生の左利きに関する二冊目の著書
『左利きの秘密』(立風書房マンボウブックス 1979)にこうあります。

《左利きに対する偏見と差別が真になくなるのは、左利きの人たちが
なんら苦痛を強いられることなく生活していけるときである。
それをはかる物指しは、結局、左利きのための道具・器具の普及度で
ある、と私は考える。
 (略)たとえ人々の頭の中から左利きに対するあやまった考えがなく
 なったとしても、それだけでは左右同権の社会とはいえないのだ。
 左利きの人たちが右利きのための道具や器具に囲まれて暮らしている
 かぎり、真の解放はありえないのだ。/ こうしたことを考えるとき、
 わが日本の左利きにとってまだけわしい前途が横たわっているといわ
 ねばならない。》

 

このときからすでに47年が過ぎていますが、パーソナル・グッズに
関してはある程度整ってきた感じはしますが、実際にはまだまだです。

現在、弊誌で取り組んでいます、左利き用の楽器に関しては、
ギターの類以外は左利き用はほとんどありません。

特に問題だと筆者が考えているのは、小学校で必修のようになっている
楽器、鍵盤ハーモニカに左利き用がない、という事実です。
今はない、というだけではなく、メーカーさんに問い合わせても、
将来開発する予定もない、という返事が来ています。

道具は肉体の必需品ですが、音楽は心の必需品だと思っています。

肉体生活の必需品に関しては、左手・左利き用品が充実してきました。
しかし精神生活の必需品ともいうべき、音楽演奏の必需品である楽器は、
左利き用がほとんどないというのが、現状です。
非常に残念なことです。

*参照:『左利きの秘密』箱崎総一 立風書房 マンボウブックス
(Amazonで見る)

Hidarikiki-no-himitu

201106hakozakisouiti

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証(その2)」と題して、今回は全紹介です。

【最新号】編は、メルマガ本文の全文転載です。

【別冊 編集後記】は、【別冊 編集後記】編↓ で、
【編集後記】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(2)
-週刊ヒッキイ第713号

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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2026.07.04

【編集後記】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(2)-週刊ヒッキイ第713号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

第713号(Vol.22 no.13/No.713) 2026/7/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』
左利きは天才!?大検証(その2)」

 

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  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第713号(Vol.22 no.13/No.713) 2026/7/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』
左利きは天才!?大検証(その2)」
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 前回に引き続き、2026年5月12日(火曜日)放送の日本テレビの番組
 『踊る!さんま御殿!!』「左利きは天才!?大検証」の二回目です。

 今回は、筆者がTVerで見たときにポツポツとメモ取りしたものを
 中心に紹介します。

 

 *前回はこちら↓

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第711号(Vol.22 no.11/No.711) 2026/6/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』
左利きは天才!?大検証(その1)」

『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2026.6.6
【編集後記】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(1)-週刊ヒッキイ第711号

2026.6.13
【最新号】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(1)-週刊ヒッキイ第711号

 

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
  左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―【特別編】

  ――テレビのバラエティ番組の左利き特集に思う――

2026年5月12日(火)放送 日本テレビ系
 『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証

左利きは天才?凡才?SP バド桃田世界一の秘密!?脳が違う!?驚き鏡文字

 (2)筆者のメモから
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 

 ●『踊る!さんま御殿!! 左利きは天才!?大検証』

2026年5月12日(火曜日)日本テレビ午後8時~9時
踊る!さんま御殿!! 左利きは天才!?大検証
 野口みずき&バド桃田 世界の頂点採った秘密
 郷ひろみ50代で左転向 脳が違う!?驚き鏡文字

(出演者)司会:明石家さんま/黒田みゆ(日本テレビアナウンサー)/
郷ひろみ/新川優愛/鈴木大介/高橋ユウ/武田双雲/
たける(東京ホテイソン)/野口みずき/福田麻貴(3時のヒロイン)/
百田夏菜子(ももいろクローバーZ)/桃田賢斗/吉田仁人(M!LK)
※五十音順・敬称略
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2026512hidarikiki-5

2026512hidarikiki-7

 

 ●筆者のメモから個別に追加事項を

・黒田みゆさん――

(以下、略)

*参照:『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2016.4.25
ゼブラ「サラサドライ」ボールペンと左利き文具市場の可能性

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2015.12.22
左手書きにも新感覚ボールペン「ユニボール エア」uni-ball AIR 11月26日発売

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・郷ひろみさん――

・新川優愛さん――

・高橋ユウさん――

*参照:
日本左利き協会―左利き筆法 (1. 斜め書き筆法)

・武田双雲さん――

・野口みずきさん――

・福田麻貴さん――

・百田夏菜子さん――

*参照:
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2007.6.8
100円ショップの左きき用カレースプーン

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・桃田 賢斗さん――

 

・吉田 仁人さん――
2026512sanma-lh-2

*参照:
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2012.10.1 
ガストのスープ用オタマが左右両注ぎ用に!

Otama

 

 ●YouTubeから再現VTR2本

・「左利きって生きにくい…」と思った瞬間【踊る!さんま御殿!!公式】
「左利きって生きにくい…」と思った瞬間【踊る!さんま御殿!!公式】

・左利きがちょっと得する瞬間【踊る!さんま御殿!!公式】
左利きがちょっと得する瞬間【踊る!さんま御殿!!公式】

(一人目)*参照:
『流しのしたの骨』江國香織/著 新潮文庫 1999/9/29
(Amazonで見る) 《恋人が左利きだとすごく便利だ。》
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『レフティやすおの楽しい読書』
2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号

 

 ●右利きの人の反応は?

 ●最後にひと言――真の解放のために

*参照:
第259号(No.259) 2011/5/7「《左利き教科書プロジェクト》
学校教科書に左利き(左手)例を!」
<左利きプチ・アンケート>
第68回 小1書写教科書に左手書き(左利き)例を入れるべきか?
『お茶でっせ』2011.5.13
週刊ヒッキイhikkii259号学校教科書に左利き(左手)例を!

第361号(No.361) 2013/4/27「<左利きプチ・アンケート>
≪教科書プロジェクト・アンケート・1≫どちらの手で…」
【小学書写教科書に左手書字例を!】プロジェクト
《小学一年(だけとは限りませんが)の書写教科書に、
 左手で鉛筆を持って字を書くときの写真なり図なりを入れよう》
『お茶でっせ』2013.5.2
教科書プロジェクト・アンケ1~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii361号
第459号(No.459) 2015/12/19「≪教科書プロジェクト≫
【小学書写教科書に左手書字例を!】PJ24
左手書字例を考える(14) 最終回に当たって~総ざらい」
『お茶でっせ』2016.2.4
左手書字例(最終回)きれいに見えるコツ-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第459号

『お茶でっせ』2020.2.9
左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」

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200204-toushoatarasiishoshapage03_ph112x

 

《左利きに対する偏見と差別が真になくなるのは、左利きの人たちが
なんら苦痛を強いられることなく生活していけるときである。
それをはかる物指しは、結局、左利きのための道具・器具の普及度で
ある、と私は考える。
 (略)たとえ人々の頭の中から左利きに対するあやまった考えがなく
 なったとしても、それだけでは左右同権の社会とはいえないのだ。
 左利きの人たちが右利きのための道具や器具に囲まれて暮らしている
 かぎり、真の解放はありえないのだ。/ こうしたことを考えるとき、
 わが日本の左利きにとってまだけわしい前途が横たわっているといわ
 ねばならない。》― 箱崎総一『左利きの秘密』より ―

 

*参照:『左利きの秘密』箱崎総一 立風書房 マンボウブックス
(Amazonで見る)

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【編集後記】本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証(その2)」と題して、前号に引き続き「後編」(筆者の視聴メモから)をお送りしています。

この【編集後記】では、冒頭と見出しのみの紹介です。
(*注:メルマガの本文は、一週間後にこのブログで別途、【最新号】として全文公開します。)

「最後にひと言」のつもりで書いた部分が長く伸びてしまいます。
でも、以前から機会があれば書きたいことだったので、書いてしまいました。
何度書いても気は収らないというのが本当のところですけれど、書かねば伝わらないと思い、ついつい書いてしまいます。

左右平等・左右同権・左右共存・左右共生――そういう世の中になってほしい、というのが筆者の希望であり願いです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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2026.06.13

【最新号】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組(1)-週刊ヒッキイ第711号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】


第711号(Vol.22 no.11/No.711) 2026/6/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組
『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証」

 

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第711号(Vol.22 no.11/No.711) 2026/6/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
(特別編)日テレ左利き番組
『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証」
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 本来は、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(41)再び左用鍵盤ハーモニカに挑む(5)」
 というところですが、今回は【特別編】として、
 先月5月12日(火)に放送されました、
 日本テレビ系『踊る!さんま御殿!!』の「左利きは天才!?大検証」
 を紹介してみようと思います。

 ながらで見ていたため簡単なメモしか取っていませんので、
 ネットの情報を交えながらの、大雑把な紹介となりますが、
 筆者の感想も交えて、一つの記録として残しておこうと思います。

 意外に長くなってしまいましたので、(1)ネットの情報からと、
 (2)筆者のメモからとの前後二回に分けて紹介します。 

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓

  左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―【特別編】

  ――テレビのバラエティ番組の左利き特集に思う――

2026年5月12日(火)放送 日本テレビ系
 『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証

左利きは天才?凡才?SP バド桃田世界一の秘密!?脳が違う!?驚き鏡文字

 (1)ネットの情報から

┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 

 ●今回のテレビのバラエティ番組の左利き特集は……

当日の朝、新聞を見ていますと、ふと目にとまったテレビ欄に
「左利き」の文字が!

2026年5月12日(火曜日)日本テレビ午後8時~9時
踊る!さんま御殿!! 左利きは天才!?大検証
 野口みずき&バド桃田 世界の頂点採った秘密
 郷ひろみ50代で左転向 脳が違う!?驚き鏡文字

(出演者)司会:明石家さんま/黒田みゆ(日本テレビアナウンサー)/
郷ひろみ/新川優愛/鈴木大介/高橋ユウ/武田双雲/
たける(東京ホテイソン)/野口みずき/福田麻貴(3時のヒロイン)/
百田夏菜子(ももいろクローバーZ)/桃田賢斗/吉田仁人(M!LK)
※五十音順・敬称略

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ゴールデンタイムに1時間枠で、この手の左利きのテレビ番組が
放送されるというのは、非常にめずらしいことです。
午後11時以降の番組などではあったかも知れませんが、
ゴールデンタイムではまずなかったと思います。
たとえばTBSテレビ『マツコの知らない世界』でも
他のテーマと二本立てでした。
また、バラエティ番組での左利き関連といいますと、
たいていは左利きのお笑い芸人さんやバラエティに慣れたタレントさんが
登場するものが多かったようです。

今回は、そういう芸人さんやタレントさんだけでなく、
書道パフォーマンスで有名な書道家武田双雲さんや
将棋棋士の鈴木大介(九段)さんのような文化人や
オリンピックのマラソン金メダリストの野口みずきさんや
バドミントンの桃田賢斗さんのようなアスリートや、
人気アイドルの百田夏菜子(ももいろクローバーZ)さんや
吉田仁人(M!LK)さんなど多士済々(たしせいせい)。
誰もが日常的によく経験する「左利きあるある」だけでなく、
専門家でないと気付きにくい左利きならでは不便さや意外性のある
お話が楽しめました。

 

 

 ●左利きの人の悩みのあれこれ

以下、ネットで拾った情報と筆者の番組視聴メモに基づき、
一部出演者の発言を紹介していきます。
ただし、筆者のメモには発言者やその発言内容に誤りもあるか
と思われますので、その辺はご勘弁を!

右利きのさんまさんのリアクションがやはり巧みで、
どこまで一般的な右利きの人の反応と一緒なのか、
ちょっと考え込んでしまいますけれど……。

 

◎ネットから拾った情報――

(1)▼50歳を過ぎて左利きに転向!?郷ひろみはバターナイフが使いづらい!
(2)▼金メダリスト野口みずきは海外レースだと給水が難しい
(3)▼新川優愛はテーブル付き椅子に横向きに座る!?
(4)▼振り付けは左利きが有利!ももクロ百田&M!LK吉田が熱弁
(5)▼バドミントンのシャトルは左利きが打つと早く落ちる!
 桃田賢斗の解説に一同驚き
(6)▼武田双雲は右手で書いて左で消しゴムの二刀流!
(7)▼対局中にイライラ!?将棋棋士が左利きで困る意外な事とは?

 

 

(1)▼50歳を過ぎて左利きに転向!?郷ひろみはバターナイフが使いづらい!

さんまさんに「郷さんは右利きに飽きて?」と問われ、
「飽きたんじゃないんですけど、なんとなく体のバランスをとろうと
思って、もう15年くらいたつんですかね、左に変えてから」。
「何もしないと、自然と左が出ますね」と。

さんまさんが「俺も右利き飽きたから、左利きに…」と返しましたが、
たけるさんから「さんまさんは無理だと思いますよ」と。
「郷さんができたら、俺も頑張ったらできるやろ」というやり取りも。

郷ひろみさんが50代で左利きに転向したという話は、
以前どこかでご本人が話しているのを聞いたことがありました。
左右のバランスを取るためといった理由だそうです。
整体の先生の話でも、右利きの人は極端に右側を使いすぎていて、
身体にゆがみが出てくるそうです。
その点、左利きの人の場合は、
いやが上にも右手を使わざるを得ない場面が多くあり、
比較的左右のバランスが取れている人が多いといいます。
少なくとも右利きの人よりは、極端なゆがみは少ないようです。

郷さんがバターナイフを実演されていました。
バターが固いせいもありましたが、逆使い、裏使いとでもいうので
しょうか、そういう使い方になり、大変苦労されていました。

これはよくある悩みです。
バターナイフは「正式な刃?」はついていませんが、
片刃のゆるい刃? が付いていて、
切り取ったバターをぬりやすいように、持ち手と刃の部分の取り付け?
の角度が右手で持つようになっていて、右利き用なわけです。
両刃で、上から見て対称形の形状ならどちらの手でも使えるのです。

筆者はソフトタイプのマーガリンを
平たくて四角っぽいジャムスプーンで使っています。

ちょっとユニークな両用?バターナイフを以下↓で紹介しています。

*参照:
第478号(No.478) 2016/9/17「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(6) バターナイフ 編」
・貝印 KaiHouse SELECT 四角く切れるバターナイフ FA-5162
Kai_fa5162

(Amazonで見る) 
・貝印 KAI バター ナイフ ステンレス 四角く 切れる Bready SELECT
日本製 DL7040
(Amazonで見る)

2016.9.26
左手左利き用品考6バターナイフ-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第478号

 

 

(2)▼金メダリスト野口みずきは海外レースだと給水が難しい

マラソンは屋外で実施する競技で、
道路際に給水の場が設けられています。
日本は車は左側通行で、マラソンはその車道を走るため、
左側通行で走るようです。

左利きの野口さんは左手で給水のコップ?を取るため、
都合が良いのですね。
ところが海外では逆の右側通行のところがあり、
その場合給水のポイントが右側に設定されていて、
これが不便だそうです。

海外の選手で日本でのレースで給水が取れなかった
というケースもあるそうです。

*参照:『お茶でっせ』カテゴリ:<サウスポー始球式>
2004.11.11 アテネオリンピック女子マラソン金メダリストの野口みずき選手
素敵な光景:野口選手の左利きの始球式

 

 

(3)▼新川優愛はテーブル付き椅子に横向きに座る!?

多くのテーブル付の椅子は右利きの人が使いやすいように、
テーブルの右端に腕置きのような部分が伸びています。
俳優の新川さんはこのテーブル付の折りたたみ椅子を使う時に
横向きに座るのは、そうしないと左手で字を書くときなど、
腕を置く場がないので字を書きづらいから。
横を向く、すなわち大きい正面の部分を左腕の側にして、
右腕の部分を正面に使うというやり方です。
これではちょっと狭いよね。

以前聞いた話では、アメリカの学校などでは一定の比率で
左利き用が用意されているとか、そういう決まりがあるというのです。

過去の取り上げた記事があります。

*参照:『お茶でっせ』2007.3.16
左利き用メモ台付折り畳み式パイプ椅子

《今年の初めに、これの左利き用版を左利きグッズの専門店でもある、
 神奈川県の菊屋浦上商事さんが某大学からの注文で納品した、
 という朗報を耳にしました。》

 

●【左利き用のメモ台付チェア】情報提供:
ユニバーサルデザイン文房具・左利き専用グッズ・オフィス文具の専門店:
きくやねっと ・菊屋浦上商事 神奈川県相模原店 TEL 042(754)9211
Lhchair

※画像は、菊屋さん提供のものに、比較のために右利き用を合成しました。

*参照:『お茶でっせ』カテゴリ:<サウスポー始球式> 2017.5.2
ピンクラインのサウスポー、女優でモデルの新川優愛さんが始球式
170428sin_s2

 

 

(4)▼振り付けは左利きが有利!ももクロ百田&M!LK吉田が熱弁

複数のメンバーで歌って踊るときなどで、
左右シンメトリーになるような動きのときに、どちらの手・腕も
ある程度使える左利きの人の方がやりやすい、といいます。
マイクを持つ手もどちらでもOK、とか。

右利きの人が便利なように、水道の蛇口の栓や水洗トイレのレバーとか
電化製品の電源ボタンなどの多くは向かって右側に設置されています。
左利きの人の場合は、このように日常的に右手も使わざるを得ない
ような場面があり、自然と利き手の左手だけでなく右手も
ある程度使えるようになっていきます。

さんまさんも指し棒を左でもよく使っている、
という発言が出演者から出ました。
なるほどそのようです。
ご本人は「ゴルフのせいで」といった発言をされたようです。
その辺の意味はよくわかりませんでした。
さらにさんまさんが「ギャグは左の方がかわいい」といい、
ジミー大西を左に変えさせた、といた発言が。

 

 

(5)▼バドミントンのシャトルは左利きが打つと早く落ちる!
 桃田賢斗の解説に一同驚き

2026512-3

桃田さんの発言によりますと、バドミントンのシャトルの羽根は
右利きの人が植え付けた? ような右回り(だったか?)になっている
ので、左利きの選手が打つと回転が逆になり、いったん回転が止まり
逆回り(右利きの選手が打ったときのような回転)に戻るのだとか。

そんなこんなでとにかく左打ちの場合は失速するのか速く落ちるのだ
とか。
バックハンドで打った時はまた逆回転になるので……。
もう一つは、ダブルスで点を取っても、右利きの人とハイタッチしよう
としても右手と左手でできない、とか。

 

 

(6)▼武田双雲は右手で書いて左で消しゴムの二刀流!

武田双雲さんは母親が書道の先生で、字は「右手に直された」と。
たける(東京ホテイソン)さんも同じような発言をされていて
「字は右に直された」と。

お二人とも右手で字を書く左利きの人の特技として、
「右手で字を書いて左手で消しゴムを使う」と。
武田さんは、ふつうの筆で書くときは右だけれど、
箒のような大きな筆で行うパフォーマンスの際は左だ、と。

武田さんについては過去にいくつか書いています。

*参照:『お茶でっせ』2012.12.2
書道家・武田双雲氏の左利きの子の習字指導発言について思うこと

2011.6.23
6月13日日テレ「深イイ話」武田双雲氏左利きの書道について

2007.10.25
左ききでは書道は無理ですか?:武田双雲『書愉道 双雲流自由書入門』から

 

メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第31号(No.31) 2006/5/27
「<字は右手で書くもの>を検証する《3》脳の働きと漢字」
 左手で字を書く・実践編 4:毛筆編―書家から見た左手書き

 

 

(7)▼対局中にイライラ!?将棋棋士が左利きで困る意外な事とは?

鈴木さんは将棋の棋士で、対局の際に小道具として扇子を使うのですが、
この扇子にも右利き用と左利き用がある、と。
これは以前から知っています――右利き用といいますか、
ふつうの扇子を左手で使うと自然と閉じてしまうのですね。

また対局中、係の人がお茶を用意してくれるのですが、
右側に置かれて左手で取ろうとしてお茶をこぼしてしまう。

他の人の対局の大盤解説では、見る人の向かって右側に立って行うの
ですが、左利きなのでつい左手で駒を動かそうとして、
カメラにお尻を向けてしまい、お尻を向けないでと注意されるそうです。

20年以上の前の情報ですが、左利きの将棋棋士についても書いています。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2004.10.31
将棋界の左利き

 ・・・

ということで、今回はここまで。
次回は、この続きで筆者のメモを中心に書いて行く予定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―(特別編)日テレ左利き番組『踊る!さんま御殿!!』左利きは天才!?大検証(その1)」と題して、今回は全紹介です。

【最新号】編は、メルマガ本文の全文転載です。

【別冊 編集後記】は、【別冊 編集後記】編↓ で、
【編集後記】左利きのお子さん~その25(特別編)日テレ左利き番組-週刊ヒッキイ第711号

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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2026.01.22

【最新号】私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後)やなせたかし-レフティやすおの楽しい読書403号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号】

2026(令和8)年1月15日号(vol.19 no.1/No.403)
「私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後編)
『やなせたかし みんなの夢まもるため』」

 

 

2026-reiwa8-nenga-ly

2026年令和8年、午年です。
今年は「年男」になります。

ということで、
今年もまた1年、よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2026(令和8)年1月15日号(vol.19 no.1/No.403)
「私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後編)
『やなせたかし みんなの夢まもるため』」
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 例年恒例の<私の年間ベスト>の<リアル系ベスト3>です、
 が、今年も読書量の激減により、<ベスト1>の紹介です。

 (後編)は、前回の続きで、

 いよいよベスト3の候補作の紹介です。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - メルマガの為に読んだ本ばかり?(今年も?) -

  ~ 私の年間ベスト3・2025年〈リアル系〉~

 『やなせたかし みんなの夢まもるため』やなせたかし/著
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●私の2025年〈リアル系〉ベスト3候補

以上見てきましたように、今年もリアル系の本で読んだものは大半
メルマガ用に読んだものでした。
一般的な興味から読んだというような本が激減しています。
人生の幅(教養といった言葉で表わしても良いのかも知れません)を
作るような読書とでもいうのでしょうか。

まあ、もう少し余裕が出てきたらどうにかなるかも知れません。

では、次に今年の〈リアル系〉ベスト3の候補を上げて見ましょう。

NHKの朝ドラ『あんぱん』のモデルであった、やなせたかしさんと
その妻・暢さんのことを書いた本が、今年はたくさん出ています。

そんなやなせさん関連の本を、
そんなにたくさん読んだわけではないのですが、
今年読んだリアル系の本の中では、
これらの一連のやなせ本が印象に残っています。

では、次に筆者が読んだ本を紹介していきましょう。

 

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 <2025年〈リアル系〉ベスト3候補>
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★『やなせたかし メルヘンの魔術師 90年の軌跡』中村 圭子/編
河出書房新社 らんぷの本 2009/3/18
(Amazonで見る)

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連ドラ「あんぱん」関連で、新版が出ています。

『やなせたかし メルヘンの魔術師 90年の軌跡』中村 圭子/編
河出書房新社 2025/4/28

 

★『(別冊太陽 日本のこころ―322) やなせたかし アンパンマンを
生んだ愛と勇気の物語』別冊太陽編集部 平凡社 2025/3/12
(Amazonで見る)

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以上の二冊は、やなせさんのビジュアル系の評伝で、その生涯と業績を
紹介する本でした。
より大きな『別冊太陽』の方が有利といえますが、「らんぷの本」の方が
先行した第一弾です。これがあってのそれ、ですね。

『別冊太陽』は、朝ドラ関連本の一つともいえます。
そういう点では、「らんぷの本」の方を上げたい気持ちです。

 

★『やなせたかし 子どもたちを魅了する永遠のヒーローの生みの親』
青山 誠/著 角川文庫 2025/3/22
(Amazonで見る)

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これも先に書いたように朝ドラ関連本の一つです。

そういう出版動機が不純とはいいませんが、
なんとなく推す気になれません、筆者は。
内容は単なる二番煎じではないとしても、です。
最初に企画した人の思いというものは、大事にしたい、
という気持ちですね。

内容はともかく、そういうことでちょっと他の本と比べて見ないと、
これ一つで決めることは難しい、というところです。
例えば、評判の良い本として、梯久美子さんの『やなせたかしの生涯
アンパンマンとぼく』があります。
やなせさんが編集長をしていた『詩とメルヘン』の元編集者で、
後にノンフィクション作家となったのが、この方で、そういう意味で
やなせさんの身近にいた方の貴重な一冊といえそうです。
この本はまだ読んでません。図書館では予約待ちです。

*『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』梯 久美子/著
文春文庫(か 68-3) 2025/3/5
(Amazonで見る)

 

そんなやなせさんの本の中から、やなせさん自身の書いたエッセイである
次の一冊が筆者の心に残りました。

★『やなせたかし みんなの夢まもるため』やなせ たかし/著,
   ちば てつや, 西原 理恵子, 里中 満智子, 吉田 戦車,
   NHK取材班/著 NHK出版 2014/6/21
(Amazonで見る)

251231-yanase-yume

 

やなせさんのエッセイは、他にも色々とあります。
特に晩年はそういうものが増えているようです。
当然といえば当然でしょうけれど。

この本は、まだ最晩年には至っていない頃のものに、
ちばさんら漫画家の方々のエッセイが掲載されています。

やなせさんのエッセイを読むのはこれが初めてで、新鮮でした。
もう少し色々と読んでおきたいな、という気持ちになっています。

 

 

 ●私の年間ベスト―2025年〈リアル系〉ベスト1

今年は読んだ本の数が少ないので、例年のような「ベスト3」ではなく、
「ベスト1」を選びました。

 

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   私の年間ベスト―2025年〈リアル系〉ベスト1

 ○『やなせたかし みんなの夢まもるため』やなせ たかし/著,
   ちば てつや, 西原 理恵子, 里中 満智子, 吉田 戦車,
   NHK取材班/著 NHK出版 2014/6/21  
(Amazonで見る)

251231-yanase-yume

 

Kindle版『やなせたかし みんなの夢まもるため』 NHK出版 2014/6/25
(Amazonで見る)

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

 

 ●やなせ先生と筆者

先に「敬愛するやなせ先生」と書きました。

筆者が「先生」という呼称を使う人はごく一部です。
(ほぼ皆お亡くなりになられた方々ばかりですね。)
左利き友の会の精神科医・箱崎総一先生(左利きの自分がまちがっている
のではなく、左利きを受け入れない社会のほうがまちがっているのだ、と
教えていただいた)、将棋の原田先生(原田泰夫九段――引きこもり時代
に新聞の将棋欄を読むのが、楽しみの一つで、原田先生の観戦記は将棋の
格言とともに将棋のABCを一から教えてくださるものでした。それが、
生きる楽しみにつながりました。)等々です。

やなせ先生は、小学生時代に「手のひらを太陽に」の作詞家として
その名を知り、次にこれも引きこもり時代に手にした『詩とメルヘン』の
編集長として、筆者に影響を与えた人でした。

『詩とメルヘン』は引きこもり時代の愛読誌(紙)の一つだったといって
いいでしょう。
お金がなかったので、毎号購読していたわけではなかったのですけれど。
創作投稿の場という可能性を求めていた、といってもよいでしょう。

話が前後しますが、筆者は物書き志望のところがありました。
北杜夫さんが好きで、純文学を書きながら、
ユーモア・エッセイや軽小説を書く、というのがひとつの理想でした。
残念ながら、それだけの能がない人間でしたね。

まあ、そんなこんなで、『詩とメルヘン』をときどき読んでいました。
一度だけ、投書欄に掲載されました。
やなせ先生の目にとまり、選んでいただいたのだと思うと、感激でした。

そのたった一度の投書でしたが、読者の方からお手紙を頂き、
しばらく文通などさせていただきました。
それも引きこもりから脱出するきっかけの一つとなりました。

そういうわけで、やなせ先生には大きな恩がある、と思っています。

今回改めて、やなせ先生の生涯と業績にふれ、なぜもっと早くこういう
本にふれなかったのか、と痛恨の極みです。

 

 ●『やなせたかし みんなの夢まもるため』より

気になった言葉を紹介しましょう。

 ・・・

「第1章」
<人生は椅子取りゲーム>

手塚治虫さんや石ノ森章太郎さんら天才がひしめき合っていた
当時の漫画界に、やなせさんの座る椅子はないという状況だった
といいます。

 《それを承知で満員電車に乗り込み、あきらめて途中下車せずに
  立ち続けていたら、あるとき目の前の席が空いた。
  七十過ぎてアンパンマンがヒットしたことを、
  ぼくはそんなふうにとらえています。/
  人生には椅子取りゲームのようなところもあるのです。/
  七十を過ぎるまで漫画家としての代表作がなく、
  人々の活躍を目で追いながら立ち続けていたことも、
  今から思えば、アンパンマンに出会い、
  それを育てるための大切な準備期間だったのかもしれません。》p.11

<人生は椅子取りゲーム>というのは、いえてると思います。
筆者もなかなか自分の席を見つけられずに来ました。
結局、気が付けば、座り損ねた、という人生だったといえるでしょう。

いや、まだ勝負は終わっていない、のではないでしょうか?

人生って、結構「順番」というのがあるものです。

「待てば海路の日和あり」ということわざがあります。
今は、海が荒れていて航海には不向きだが、
いずれ穏やかなときが来て、航海に出られますよ、と。

待っていればチャンスは訪れますよ、と。
要は、そのチャンスを逃さないこと。

そのためには、準備を怠らないことが必要です。
やなせさんも、「困ったときのやなせさん」と呼ばれて、
色々な仕事を受け、断ることなく完遂して、自分の力を付け、
熟成の時を待っていたのでしょう。

 

<飢えることが一番ツライ>

戦中戦後、空腹と飢えが一番ツライという経験をされたやなせさん。

 《正義は、とても不安定なものである。飢えているときに、
  自分の身を犠牲にしてでも食べさせてくれる人が、
  人間にとっていちばんありがたい。》p.31

 《ぼくに言わせれば、悪人を倒すことよりも、弱い人を助け、
  ひもじい人にパンを一切れ分けてあげるほうがはるかに正しい。
  ぼくが望む正義は、それほど難しいことではないのです。》p.32

筆者の子供の頃は、もうすでに戦後も終わったといわれ、
一回目の東京オリンピックから一回目の大阪万博の時代を経て、
まさに高度経済成長へと突き進む時代でした。
飢える心配はないものの、まだまだ貧しさの残る時代でした。

当時の正義は、「人生、金だけじゃないよ」というものの、
でも「金があれば、たいていのことはなんとかなるよ」
というものだったように思います。

 

 ●<人生、運が七割>

「第4章 ノスタル爺さん」
<人生、運が七割>

人生で成功する秘訣は? の問いに対して、それが分かっていたら
もっと早くに漫画家として成功しているといい、
 
 《ただし、あのときにあの人と会っていなければ絵本は描かなかった
  とか、そのチャンスにもめぐり合えなかったかもしれないという
  ことは、確かにあった。そうした運(めぐり合い)があって、それを
  つかむために努力をしたから結果が出たということだけは、経験的に
  お伝えすることができます。/遅咲きのぼくにしてみれば、運が
  七十パーセント、努力が二十パーセント、あとは天分というような
  割合になるでしょうか。成功は、求めてそうなったのではなく、
  めぐり合ったものなのです。そのときそのとき、架空結婚式を同じ
  ように、周囲にいる人たちを喜ばせたい、悲しませたくないと思い
  ながら一生懸命に過ごしてきただけなのです。》p.117

「運(めぐり合い)があって、それをつかむために努力をしたから
結果が出た」というのは、先にも書きましたように、
「準備を怠らず、チャンスを待て」という、
デュマの『モンテクリスト伯』の最後の方の言葉、
「待て、そして希望せよ」に通じるものです。

 

最後に、「里中満智子 笑いや喜びをふりまいて過ごそう!」から、
里中さんの言葉を。

<人々の笑顔を見るのが楽しみ>
 《人には悲しいこと、辛いことがあるのは当たり前。そんなときにも
  前を向いて、笑いや喜びをふりまいてすごそう。それを受け止めた
  人たちが温かい気持ちになれば、自分だって温かくなれるんだ。
  行け! アンパンマン――そんな気持ちで、ご自身から率先して
  楽しさをふりまいていらした。世界中の人々を幸せにすることが
  夢だったのかもしれません。きっとアンパンマンが先生のそんな
  大きな夢を実現するために、これからも活躍し続けるのだと思い
  ます。》p.126

人生では「悲しいこと、辛いことがあるのは当たり前」とは、
まさにそのとおりで、だからこそ、
「そんなときにも前を向いて、笑いや喜びをふりまいてすごそう」
という心構えが素晴らしい、と思います。

まわりを明るくするのが、その人の義務といったところでしょうか。

 

 ●「絶望のとなり」

やなせさんの詩に、「絶望のとなり」という詩があります。

 《絶望のとなりに/だれかが/そっと腰かけた/絶望は/
  となりのひとに聞いた/「あなたはいったい/誰ですか」/
  となりのひとは/ほほえんだ/「私の名前は/希望です」》p.128

人生ってそういうものではないか、という気がします。
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」という言葉があるように、
絶望の次には希望が来る、そういう「順番」もあるように思います。

そして、それは自分が呼び込むものなのだ、といえるでしょう。
自分から進んで人に関わってゆく、そういう姿勢が、結果を生むのです。

 

「第2章 しあわせよカタツムリにのって」
<亡き父の影を追って>

1973(昭和48)年に『詩とメルヘン』を創刊し、編集長になった
ときに考えておられたことについて、です。

やなせさんが中学生の頃、お父さんがお母さんに宛てた手紙の中に、

 《「どんな職業につくにせよ、文章や詩を書くこと、絵を描くことは
  一生続けていく。そして自分の著書を出版したい」》p.62

とあったそうです。

やなせさんが『詩とメルヘン』で表現しようとした叙情的なイラストは、
漫画家になろうとしてなれなかったやなせさんの心の表れであり、
この父の思いを自分なりに受け止めたいという、気持ちがあった。
さらに、若くして世を去った伯父や戦死した弟さんへの、
伝えきれなかった思いも、込められていた、と。

創刊当時の風潮として、ハードボイルド全盛のドライな作品が
もてはやされていた、といいます。

 《そんな中で、「新感覚叙情画」を提案した甘い誌面を見て、
  『少女だましだ』とあからさまに嘲笑する人もいました。/
  でもぼくには、生きるのが辛かった少年時代、叙情画の世界に触れ、
  心を慰めていた思いが根底にあった。人々の心を潤すオアシスの
  ような雑誌にしたいと考えていたのです。詩はかつて、難しい書物の
  中にではなく、人の心の中に生きているものでした。そんな詩を、
  もう一度自分たちの手に取り戻し、叙情の灯を現代によみがえらせ
  たい。乾いた時代だからこそ、美しい花を咲かせたい。その思いは
  変わることなく、創刊から二十五年たった一九九七年の「編集前期」
  に、ぼくはこう書いています。/
  人生はつらいことばかりじゃない/面白いこともある/
  うれしい時もある/しかし/基本的にはさびしい/
  私たちの心はひとつひとつちがう/似ているようで似ていない/
  だから/私たちは/歌ったり詩をかいたり/絵をかいたりする/
  さびしげな人生を/なぐさめようとする》pp.64-65

この創刊号が大人気となり、増刷までして、季刊のはずが月刊になった
といいます。
商業誌的な派手さというんでしょうか、そういう感じはなく、
素朴な手作り感のある雑誌といった印象だったように記憶しています。

叙情というのは、そういうものなのでしょうね。
でも、夢がある、そういう印象をもたせる優しさがあったような気が
します。

というわけで、筆者も創作志望でしたので、
お父さんの言葉がジーンときます。

筆者もこうして文章を書き続けていて、いずれは本を出版したい
という夢を持っています。

 ・・・

ということで今回は終了です。

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本誌では、「私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後編)『やなせたかし みんなの夢まもるため』」の最新号・全文転載(「私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後編)」と題して、今回も全文転載紹介です。

【最新号】編は、メルマガ本文の全文転載です。

【別冊 編集後記】は、【別冊 編集後記】編↓ で、

2026.1.15
【編集後記】私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後)やなせたかし-レフティやすおの楽しい読書403号

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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2026.01.15

【編集後記】私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後)やなせたかし-レフティやすおの楽しい読書403号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

 

2026(令和8)年1月15日号(vol.19 no.1/No.403)
「私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後編)
『やなせたかし みんなの夢まもるため』」

 

 

2026年令和8年、午年です。
今年は「年男」になります。

ということで、
今年もまた1年、よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>
2026-reiwa8-nenga-ly

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2026(令和8)年1月15日号(vol.19 no.1/No.403)
「私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後編)
『やなせたかし みんなの夢まもるため』」
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 例年恒例の<私の年間ベスト>の<リアル系ベスト3>です、
 が、今年も読書量の激減により、<ベスト1>の紹介です。

 (後編)は、前回の続きで、

 いよいよベスト3の候補作の紹介です。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - メルマガの為に読んだ本ばかり?(今年も?) -

  ~ 私の年間ベスト3・2025年〈リアル系〉~

 『やなせたかし みんなの夢まもるため』やなせたかし/著
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●私の2025年〈リアル系〉ベスト3候補

以上見てきましたように、今年もリアル系の本で読んだものは大半
メルマガ用に読んだものでした。
一般的な興味から読んだというような本が激減しています。
人生の幅(教養といった言葉で表わしても良いのかも知れません)を
作るような読書とでもいうのでしょうか。

まあ、もう少し余裕が出てきたらどうにかなるかも知れません。

では、次に今年の〈リアル系〉ベスト3の候補を上げて見ましょう。

NHKの朝ドラ『あんぱん』のモデルであった、やなせたかしさんと
その妻・暢さんのことを書いた本が、今年はたくさん出ています。

そんなやなせさん関連の本を、
そんなにたくさん読んだわけではないのですが、
今年読んだリアル系の本の中では、
これらの一連のやなせ本が印象に残っています。

では、次に筆者が読んだ本を紹介していきましょう。

 

(以下、略)

 

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 <2025年〈リアル系〉ベスト3候補>
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★『やなせたかし メルヘンの魔術師 90年の軌跡』中村 圭子/編
河出書房新社 らんぷの本 2009/3/18
(Amazonで見る)

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★『やなせたかし みんなの夢まもるため』やなせ たかし/著,
   ちば てつや, 西原 理恵子, 里中 満智子, 吉田 戦車,
   NHK取材班/著 NHK出版 2014/6/21
(Amazonで見る)

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(朝ドラ関連本)

★『(別冊太陽 日本のこころ―322) やなせたかし アンパンマンを
生んだ愛と勇気の物語』別冊太陽編集部 平凡社 2025/3/12
(Amazonで見る)

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★『やなせたかし 子どもたちを魅了する永遠のヒーローの生みの親』
青山 誠/著 角川文庫 2025/3/22
(Amazonで見る)

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 ●私の年間ベスト―2025年〈リアル系〉ベスト1

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   私の年間ベスト―2025年〈リアル系〉ベスト1

 ○『やなせたかし みんなの夢まもるため』やなせ たかし/著,
   ちば てつや, 西原 理恵子, 里中 満智子, 吉田 戦車,
   NHK取材班/著 NHK出版 2014/6/21  
(Amazonで見る)

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Kindle版『やなせたかし みんなの夢まもるため』 NHK出版 2014/6/25
(Amazonで見る)

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡

 

 ●やなせ先生と筆者

 ●『やなせたかし みんなの夢まもるため』より

 ●<人生、運が七割>

 ●「絶望のとなり」

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本誌では、私の読書論-私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉(後編)
『やなせたかし みんなの夢まもるため』」
と題して、「私の年間ベスト3-2025年〈リアル系〉」の紹介です。

今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

本文中にも書いていますが、筆者にとってのやなせたかしさんは、「やなせ先生」と呼ぶべき存在です。
その辺の若かりし頃の思い出話も書いています。
今までほとんど書いていなかったはずのお話です。
(読んで欲しくない気持ちもありますが……。人に知られて嬉しい話でもないので。)
あえて書いてしまいました。
結果、長くなってしまいましたが、ご勘弁を!

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 

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2025.08.24

『NHK100分de名著』152「人間の大地」サン=テグジュペリ2025年8月放送中

本当に久しぶりに『NHK100分de名著』を見てみました。
まだ二回目と三回目をみただけですが。

久しぶりに本屋さんへ行くと、『NHK100分de名著』「人間の大地」サン=テグジュペリ のテキストがありました。
実は、岩波文庫から5月の新刊として、この放送の【指南役】野崎歓さんの翻訳本を見つけて買っていたのでした。
いつかそのうちどこかで書こうと思っていたのですが、チャンスのないまま日が経ってしまっていました。

せっかくの好機ですので、ちょっと書いてみましょう。

『NHK100分de名著』の初期には、私の好みのよく読むような名著が多く取り上げられたこともあり、結構このブログで紹介してきました。
最終は、

2022.5.31
私の読書論158-アリストテレス『ニコマコス倫理学』―<NHK100de名著>から-楽しい読書319号

以来です。
で、その前はといいますと、

2017.11.06
努力で幸福になれる―ラッセル「幸福論」NHK100分de名著2017年11月

になります。

カテゴリ:「NHK100分de名著」(41本)

 ・・・

NHK 名著152「人間の大地」サン=テグジュペリ(公開:2025年7月28日(月)午後8:36

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永遠のベストセラー「星の王子さま」の作者サン=テグジュペリ(1900– 1944)。彼にはもう一冊の代表作がある。「人間の大地」。航空産業の黎明期だった20世紀前半、飛行機の操縦士でもあった彼が、その経験をもとに、時期も場所も異なる8つのエピソードに託して、人間の行動の本質と、人間同士の絆の大切さを描いた、自伝的な作品である。人類が初めて体感した飛行体験と、それがもたらしたものを鮮やかに描く「人間の大地」から、「職業を通じて培われる責任と友情」「はるか天空から眺めたとき人間世界はどう見えてくるのか?」「過酷な環境が炙り出す人間の本質とは?」といったさまざまなテーマを読み解いていく。
 1932年以来、折に触れて新聞や雑誌にエッセイやルポルタージュを発表してきたサン=テグジュペリ。事故で大きな負傷をして静養を余儀なくされた期間に、それらの文章の再利用について構想し始めた。その際に彼の頭をよぎったのが文豪アンドレ・ジッドの助言だった。「一続きの物語」ではなく、「花束」「穀物の束」のような作品を創ったらどうだろうか……その言葉からインスピレーションを得たサン=テグジュペリは、過去の文章に徹底的に加筆修正を加え、何度も並べ替えながら吟味していくことで、「人間の大地」を完成させていった。その結果、自伝、小説、エッセイ、哲学、寓話、箴言集といった既存のあらゆるジャンルにおさまりきらない、文学史上類例のない形式の傑作となったのである。
 「人間の大地」の新訳を手掛けたフランス文学者の野崎歓さんは、この作品が単なるノンフィクションにはおさまらない文学的、思想的な魅力に溢れているという。近代文明の中で窒息しそうになっている「人間」を再び探し、「人間」を甦らせ、目覚めさせるための「人間探究の書」として描かれたものであり、厳しい状況の中に生きている現代人にこそ読んでほしい作品だというのだ。野崎歓さんに名著「人間の大地」を新しい視点から読み解いてもらい、サン=テグジュペリの稀有な体験を一緒に味わいながら、さまざまな知恵や豊かな生き方を学んでいく。
 【MC】伊集院光/安部みちこアナウンサー

 

サン=テグジュペリ“人間の大地” (1)飛行機乗りの仲間たち
初回放送日:2025年8月4日
【指南役】野崎歓…放送大学教授。フランス文学者。
【朗読】山口馬木也(俳優)【語り】目黒泉

航空産業の黎明期、人類は、これまで体験したことがない視点や感情をもつに至った。まだエンジンなどの技術も不安定な時代、常に死の危険と隣り合わせだったプロフェッショナルの操縦士たちが頼れるのは、かすかな予兆を感じとる研ぎ澄まされた感覚と、互いに支えあう仲間たちの絆だけ。それを裏打ちするのは、「人間であること、それはまさしく責任をもつことだ」という言葉の象徴されるプロフェッショナルたちならではの倫理だった。第一回は、黎明期の航空産業で働くプロフェッショナルたちの行動のドキュメントから、「責任とは?」「友情とは?」「人間同士の絆とは?」といった普遍的なテーマを考えていく。

サン=テグジュペリ“人間の大地” (2)惑星視点で見る
初回放送日:2025年8月11日(月)

飛行という体験によってもたらされた、大地を「惑星」としてみる視点。サン=テグジュペリは、その視点から、人間の営みのかけがえのなさを鮮やかに描き出す。星空へ落下していくような、めまいと重力の体験をもたらす夜間飛行は、宇宙との交感ともいうべき壮大なスケールの体験だが、それと鮮烈なコントラストをなす、家々に灯る小さな灯火を彼は見逃さない。広大な荒れ野の中にわずかばかり広がる人間の生存圏、日常の中で毎日清潔なシーツを用意してくれる老女の営み……宇宙的スケールの体験は、むしろ人間のささやかな営みの大切さを照らしだしてくれるのだ。第二回は、惑星視点から世界を眺めることで浮かび上がる、人間の営みのかけがえのなさ、尊さに迫っていく。

サン=テグジュペリ“人間の大地” (3)砂漠に落っこちる
【放送時間】2025年8月18日(月) 午後10時25分~10時50分/Eテレ
【再放送】 2025年8月22日(金) 午後3時5分~午後3時29分/Eテレ

砂漠のど真ん中にある、航路の中継基地「キャップ=ジュピー」の過酷な環境がサン=テグジュペリの思想を鍛えた。「サハラ、それが姿を現すのはわれわれの内側においてである」との言葉が示す通り、砂漠では、時間が明晰な身体感覚として立ち現れ、大きな変化につながるわずかな自然の予兆を鮮烈な感覚として受け取るようになる。極めつけは、機関士プレヴォとともにした苛烈な遭難体験だ。飢えと渇きがもたらす極限状況では、すべてをはぎ取られた「いのちのかたまり」ともいうべき人間の本質が浮かび上がっていく。第三回は、砂漠という過酷な環境が炙り出す、人間の本源的な姿を明らかにしていく。

第4回 人間よ、目覚めよ!
【放送時間】2025年8月25日(月) 午後10時25分~10時50分/Eテレ
【再放送】 2025年8月29日(金) 午後3時5分~午後3時29分/Eテレ

軍靴の音が響き始める第二次世界大戦前夜、生と死のはざまにあった人々の姿も、サン=テグジュペリは活写する。出撃前にかすかな笑顔をみせるスペイン内戦に従軍した兵士の姿、三等列車で移送される粘土のように疲れ切った移民の群れ、その中で唯一輝く存在だった子ども。人間性を踏みにじる過酷な状況を「モーツァルトの虐殺」と呼ぶ彼は、どんなに目立たないことであっても、自分の役割を自覚することで人間は幸福になれると考え、「愛するとは互いに見つめあうことではない。一緒に同じ方向を見つめることだ」という言葉を刻み込む。「絆」、そして「精神の息吹きを通わせること」だけが、人間を再び創造することになるというのだ。第四回は、生と死のはざまにあって、なお、朽ちずに輝きわたる人間の尊厳や絆について考える。

NHKテキスト ▼
100分de名著 サン=テグジュペリ『人間の大地』 2025年8月 [講師] 野崎 歓
定価:700円(本体636円)2025年07月26日 発売
(Amazonで見る)

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 ・・・

サン=テグジュペリは、私の好きな作家の一人で、最初の出会いは、たぶん中学1年の国語の教科書に出ていた『星の王子さま』の冒頭の大蛇がゾウを飲み込んだ絵の部分でした。

こちらの情報から見て、まず間違いないところでしょう。

飛行機の本#1 星の王子さま(サン・テグジュペリ) - note

2020/06/16 ... 確か、光村図書の教科書だったと思う。「星の王子さま」冒頭部分の抜粋だ。今から50年以上前のことなので定かでないことが多いが、二つの ...

 

私はここから「大人はわかってくれない」という教訓?を得たものでした。

それ以来気になっていたのですが、当時はどこから出ているどういう本のなのかよくわかっていませんでした。
のちに、岩波少年文庫版『星の王子さま』のことを知りました。
でも、当時私の近くの本屋さんで見ることはありませんでした。
置いていたかも知れませんが見つけられませんでした。
今と違って、当時は版権の都合で岩波少年文庫版の『星の王子さま』しかありませんでした(愛蔵版という挿絵がオールカラーの本もありましたが)。
で、街中に出たときに買いました。すでに二十歳ぐらいになっていました。

サン=テグジュペリについては、高校生になって文庫本をあれこれ読むようになってから、新潮文庫から堀口大學訳『夜間飛行』『人間の大地』『戦う操縦士』という三冊の本が出ていることを知りました(いつの間にか『戦う操縦士』は消えてしまいましたが)。
そして図書館の存在を知り、そこで先の二つの本を借りて読むようになりました。
その後、みすず書房版の『サン=テグジュペリ・コレクション』(山崎 庸一郎 /訳)の本をいくつか読みました。
さらに、光文社古典新訳文庫から出た、『夜間飛行』『人間の大地』(この二つは新訳がいいと思いました、堀口訳が悪いというのではなく、やはり時代色というものを感じてしまうので)そして『戦う操縦士』(これは買いました)を読みました。

 ・・・

『人間の大地』アメリカ版には、別に一章追加されていることも知りました。
残念ながら文庫本には収録されていません(元々なかったものなのだから、ということなのでしょうか?)。

今私の手元にある『人間の大地(人間の土地)』は、新潮文庫版堀口大學訳『人間の土地』と、この5月に出た、この「100分de名著」の講師役の野崎歓さん訳の岩波文庫版です。

さて作品の詳細は、この放送を最後まで聞いて、この新訳本を読み終えてから、その感想を私の読書メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』(まぐまぐ!)の9月15日号で書いてみたいと思います。
お楽しみに!

ここでは、この新訳本をペラペラ見ていて、気になった個所を引用して、一言触れるだけにしておきます。

一つ目は、

そのときから、惑星のあいだで宇宙空間をさまよっているような気分になった。近づくことのできない百もの星々のただなかで、唯一の本当の星、われわれの星、なじみのある風景や大切な家や愛情がそこにだけ保たれている、ただ一つの星を求めて飛び続けた。/ただ一つの星、そこには……。(略)》野崎歓訳・岩波文庫版『人間の大地』p.157
そのとき以来、ぼくらは、百の遊星のあいだに、ただ一つまことの遊星、ぼくらの遊星、ぼくらの目に慣れた親しい風景、ぼくらになつかしい家々、ぼくらの愛情をいだいている、その遊星をたずねて、道に迷ってしまったと、しみじみ感じだすのであった。/あれ(傍点―引用者注)をいだいているただ一つの遊星……。》堀口大學訳/新潮文庫版『人間の土地』p.31

二つ目は、

なぜ憎みあうのか? 同じ惑星によって運ばれ、同じ船の乗組員であるわれわれは運命をともにしている。諸文明が対立しあうのは、新たな統合を促すためならばよしとしても、互いをむさぼり食らうなど言語道断だ。》野崎歓訳・岩波文庫版『人間の大地』p.370
なぜ憎みあうのか? ぼくらは同じ地球によって運ばれる連帯責任者だ。同じ船の乗組員だ。新しい総合を生み出すために、各種の文化が対立することかもしれないが、これがおたがいに憎みあうにいたっては言語道断だ。》堀口大學訳/新潮文庫版『人間の土地』p.251

空から見つめるこの地上は、一つの星として彼には見えるようです。
それは、まさにタイトルの『人間の大地』。

私はフランス語は分かりませんが、私なりに翻訳――解釈すると、『(私たち)人間の星<地球>』といったところでしょうか。

*参照:
『夜間飛行・人間の大地』サン=テグジュペリ/著 野崎 歓/訳 岩波文庫 赤N516-2 2025/5/19
(Amazonで見る) ――『星の王子さま』の新訳本『ちいさな王子』の訳者でもあるフランス文学者でこの番組の指南役でもある野崎さんの手になる、代表作二作『夜間飛行』と『人間の大地』の黄金のカップリング新訳本。

『人間の土地』サン=テグジュペリ/著 堀口 大学/訳 新潮文庫 1955/4/12
(Amazonで見る) ――名訳で知られる堀口大學さんの訳書。ただ訳語や言葉の言い回しにどうしても時代色が感じられます。宮崎駿さんの解説とカバー・挿絵が楽しめます。

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『ちいさな王子』サン=テグジュペリ/著 野崎 歓/訳 光文社古典新訳文庫 2006/9/7
(Amazonで見る)

 

[2025.10.6 追記]
*参照:
古典から始める レフティやすおの楽しい読書
(まぐまぐ!)

・2025(令和7)年9月30日号(vol.18 no.16/No.396)
「私の読書論-岩波文庫『夜間飛行・人間の大地』サン=テグジュペリ
から(2)『人間の大地』」
【別冊 編集後記】
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』2025.9.30
私の読書論-岩波文庫『夜間飛行・人間の大地』サン=テグジュペリ(2)-楽しい読書396号

・2025(令和7)年9月15日号(vol.18 no.15/No.395)
「私の読書論-岩波文庫『夜間飛行・人間の大地』サン=テグジュペリ
から(1)『夜間飛行』」
【別冊 編集後記】
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』2025.9.15
私の読書論-岩波文庫『夜間飛行・人間の大地』サン=テグジュペリ(1)-楽しい読書395号 

 ・・・

*NHKテレビ「100分 de 名著」の記事:
1 2011年11月放送:2011.10.31
アラン『幸福論』喜びは、行動とともにある!
2 2011年12月放送:2011.12.6
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』悲しみを、乗り越えよ-「100分 de 名著」NHK
3 2012年1月放送:2012.1.5
吉田兼好『徒然草』両面から物事を見よ!-「100分 de 名著」NHK
4 2012年2月放送:2012.1.29
新渡戸稲造『武士道』日本的思考の根源を見る-「100分 de 名著」NHK
5 2012年3月放送:2012.3.6
仏教は「心の病院」である!NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』2012年3月
6 同:2012.4.2
NHKテレビ「100分 de 名著」ブッダ『真理のことば』を見て本を読んで
7 2012年4月放送:2012.4.3
紫式部『源氏物語』NHKテレビ100分de名著
8 2012年5月放送:2012.5.2
確かな場所など、どこにもない―100分 de 名著 カフカ『変身』2012年5月
9 2012年6月放送:2012.6.6
<考える葦>パスカル『パンセ』NHK100分 de 名著2012年6月
10 2012年10月放送:2012.10.2
鴨長明『方丈記』NHK100分 de 名著2012年10月
11 2012年12月放送:2012.12.5
<心で見る努力>サン=テグジュペリ『星の王子さま』NHK100分de名著2012年12月
12 2013年1月放送:2013.1.11
呪文に頼るのもよし?~100分de名著『般若心経』2013年1月
13 2013年2月放送:2013.2.5
待て、そして希望せよ~NHK100分de名著『モンテクリスト伯』2013年2月
14 2013年3月放送:2013.3.28
どんな時も、人生には、意味がある。フランクル『夜と霧』~NHK100分de名著2013年3月(再放送)
15 2013年4月放送:2013.4.11
真面目な私とあなた―夏目漱石『こころ』~NHK100分de名著2013年4月
16 2013年5月放送:2013.5.20
水のように生きる『老子』NHK100分de名著2013年5月
17 2013年6月放送:2013.6.5
生きる喜びは、どこにあるのか?『戦争と平和』トルストイ~NHK100分de名著2013年6月
18 2013年7月放送:2013.7.9
哲学とは、愛である『饗宴』プラトン~NHK100分de名著2013年7月
19 2013年11月放送:2013.11.10
「物語」に終わりはない『アラビアンナイト』~NHK100分de名著2013年11月
20 2013年12月放送:2013.12.11

切り離された者たちへ~ドストエフスキー『罪と罰』~NHK100分de名著2013年12月
21 2014年1月放送:2014.1.21
花とは何か~『風姿花伝』世阿弥~NHK100分de名著2014年1月
22 2014年3月放送:2014.3.4
戦わずして勝つ『孫子』~NHK100分de名著2014年3月
23 2014年6月放送:2014.6.1
目前の出来事・現在の事実『遠野物語』NHK100分de名著2014年6月
24 2014年12月放送:2014.12.3
生きるべきか、死ぬべきか-シェイクスピア『ハムレット』~NHK100分de名著2014年12月
25 2015年4月放送:2015.3.29
自分を救えるのは自分自身である-NHK100分de名著『ブッダ 最期のことば』2015年4月
26 2015年5月放送:2015.5.5
何もないことを遊ぶ『荘子』-NHK100分de名著2015年5月
27 2015年6月放送:2015.6.2
運命と人間―ギリシア悲劇/ソポクレス「オイディプス王」NHK100分de名著2015年6月
28 2015年7月放送:2015.6.30
ラフカディオ・ハーン/小泉八雲『日本の面影』NHK100分de名著2015年7月
29 2015年8月放送:2015.8.5
自然淘汰による進化「生命の樹」-ダーウィン『種の起源』NHK100分de名著2015年8月
30 2015年9月放送:2015.9.1
恋と革命~太陽のように生きる-太宰治『斜陽』NHK100分de名著2015年9月
31 2015年10月放送:2015.10.7

処世訓の最高傑作「菜根譚」NHK100分de名著2015年10月
32 2016年1月放送:2016.1.4
真面目なる生涯~内村鑑三『代表的日本人』NHK100分de名著2016年1月
33 2016年4月放送:2016.4.4

弱者(悪人)こそ救われる『歎異抄』NHK100分de名著2016年4月
34 2016年5月放送:2016.5.1
人に勝つ兵法の道-宮本武蔵『五輪書』NHK100分de名著2016年5月
35 2017年2月放送:2017.2.6
欲望から自由になれ-ガンディー『獄中からの手紙』NHK100分de名著2017年2月
36 2017年3月放送:2017.3.5
永久の未完成これ完成である〈宮沢賢治スペシャル〉NHK100分de名著2017年3月
37 2017年4月放送:2017.4.4
人生は実に旅である―三木清「人生論ノート」NHK100分de名著2017年4月
38 2017年6月放送:2017.6.4
大乗仏典『維摩経』NHK100分de名著2017年6月
39 2017年7月放送:2017.7.3
ジェイン・オースティン『高慢と偏見』-NHK100分de名著2017年7月
40 2017年11月放送:2017.11.6
努力で幸福になれる―ラッセル「幸福論」NHK100分de名著2017年11月


41 2022年5月放送:2022.5.31
私の読書論158-アリストテレス『ニコマコス倫理学』―<NHK100de名著>から-楽しい読書319号
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 別冊 編集後記

2022(令和4)年5月31日号(No.319)

「私の読書論158-アリストテレス『ニコマコス倫理学』―<NHK100de名著>から」

 

「NHK100分de名著」カテゴリ:
NHK100分de名著

 

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2024.07.31

<夏の文庫>フェア2024から(2)集英社文庫『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎-楽しい読書371号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

2024(令和6)年7月31日号(vol.17 no.14/No.371)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(2)集英社文庫・
浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』から「ラブ・レター」」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年7月31日号(vol.17 no.14/No.371)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(2)集英社文庫・
浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』から「ラブ・レター」」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2024から――。

 昨年同様、一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介します。

 第二回は、集英社文庫の浅田次郎さん『鉄道員(ぽっぽや)』から
「ラブ・レター」を。

【角川文庫の夏フェア】
「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024」特設サイト
https://note.com/kadobun_note/n/n94088457149e

集英社文庫『ナツイチ2024』フェア-
ナツイチ2024 言葉のかげで、ひとやすみ
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

「新潮文庫の100冊 2024」フェア
https://100satsu.com/

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(画像:新潮・角川・集英社 三社<夏の文庫>フェア2024のパンフレット)

 

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 ◆ 2024年テーマ:夢か奇蹟の物語 ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(2)

  集英社文庫・浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』から「ラブ・レター」
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●集英社文庫『ナツイチ2024』フェア

集英社文庫 毎年恒例・夏のフェア「ナツイチ2024」 - PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000584.000011454.html

によりますと、今年の集英社文庫『ナツイチ2024』フェアは、
6月20日にスタート。
集英社文庫の「夏の文庫フェア」は、1991年から始まり、今年は34回目。

 《全国およそ4000軒の書店で、
  6月20日(木)から9月30日(月)まで実施予定》

対象ラインナップ作品は全82冊。

【ラインナップ】

私が気になった作品(★)とその他の主な作品を挙げておきます。

 

■映像化する本 よまにゃ
『地面士たち』新庄 耕
『クラスメイトの女子、全員好きでした』爪 切男

■心ふるえる本 よまにゃ
『塞王の楯(上下)』今村 翔吾
『N』道尾 秀介
『逆ソクラテス』伊坂 幸太郎
★『陸王』池井戸 潤――以前取り上げた作品
★『鉄道員(ぽっぽや)』浅田 次郎――映画化もあり、気になる作品
★『星の王子さま』サンテグジュペリ 池澤 夏樹 訳――大好きな作品
他 13冊

■スリリングな本 よまにゃ
『真夜中のマリオネット』知念 実希人
『本と鍵の季節』米澤 穂信
『カケラ』湊 かなえ
『偉大なるしゅららぽん』万城目 学
★『傷痕』北方 謙三――デビュー以来、大好きだった作家
他 14冊

■ときめく本 よまにゃ
『猫だけがその恋を知っている(かもしれない)』櫻 いいよ
『一ノ瀬ユウナが浮いている』乙一
『オーラの発表会』綿矢 りさ
『吸血鬼と愉快な仲間たち』木原(このはら) 音瀬(なりせ)
★『アナログ』ビートたけし――ちょっと古くさい?感じが気になる
他 12冊

■じっくり浸る本 よまにゃ
『燕は戻ってこない』桐野 夏生
『ミシンと金魚』永井 みみ
『透明な夜の香り』千早 茜
★『よくわかる一神教』佐藤 賢一――多神教の日本人である私にとって、
 一神教は以前から興味があった
★『文明の衝突(上下)』サミュエル・ハンチントン 鈴木 主税 訳――
 西洋対東洋という、これも昔から気になっていた本の一つ
『人間失格』太宰 治
『坊っちゃん』夏目 漱石
他 16冊

 

 ●特設サイト

ナツイチ2024 言葉のかげで、ひとやすみ - 集英社文庫
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

2024年テーマ

--
言葉のかげで、ひとやすみ。
こころの夏やすみ。
それは一冊の本から始まる。
ファンタジーでも、
ロマンスでも、ミステリーでも。
ページをめくれば、
こころをリフレッシュさせてくれる
新たな出会いが待っているから。
さあ、よまにゃ。
--

――というわけで、新たな出会いを求めて、以前から気になっていた本
浅田次郎さんの『鉄道員(ぽっぽや)』を取り上げることにしました。

 

 ●浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』――奇蹟の一巻

『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎 2000年3月17日

巻末の「あとがきにかえて 奇蹟の一巻」で、著者・浅田さんは、
1997年4月に出たときの本書の帯に掲げられたキャッチコピー
<あなたに起こる やさしい奇蹟。>を紹介して、

 《「奇蹟」をモチーフにした短篇を集めました、というほどの意味》

だと解説されています。

それぞれの短編はすべて個別の物語で、
男性が主人公だったり女性が主人公であったり、
三人称多視点の作品であったり一人称の作品であったり、
まったく異なる内容の物語です。

で、共通するのは、「奇蹟」をモチーフにした物語だ、という点です。

それぞれの作品を簡単に紹介しておきましょう。

『鉄道員(ぽっぽや)』 浅田 次郎/著 集英社文庫 2000.3
『鉄道員(ぽっぽや)』(Amazonで見る)

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(画像:集英社文庫『ナツイチ2024』フェアのパンフレットと『鉄道員(ぽっぽや)』)
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(画像:【集英社文庫『ナツイチ2024』フェア パンフレットの『鉄道員(ぽっぽや)』の紹介ページと本と)

 

「鉄道員」――映画化されて有名な一作です。
旧国鉄時代からのJR北海道の鉄道員(ぽっぽや)一筋の男が
定年を迎えた最後の日の物語。
死んだ娘がだんだんと成長する姿を幻として見るのでした。
そして当日……。

「ラブ・レター」――これも映画化されて有名な作品です。
中国人の女性と偽装結婚した書類上だけの夫は、
彼女が仕事先で病気で亡くなり、夫として後始末を任されます。
彼女が残した彼へのお礼の手紙二通を読み、
ありえたかもしれない日々を想像し、涙するのでした。

「悪魔」――子供の目を通して描く怪奇・恐怖もの。
悪魔のような家庭教師により家庭が崩壊する姿を子供の目から描くお話。

「角筈にて」――出世だけじゃない、人生をやり直そうとする夫婦の話。
出世コースから海外支店長に左遷された男は、過去に父に捨てられた
経験を持ち、引き取られた先のおじの娘が今では妻となりました。
父に似た人物を見かけ、過去がよみがえるのですが……。

「伽羅」――洋装店の女店主にまつわる怪奇・恐怖もの。
高級既製服(プレタポルテ)を扱うブティックの素人女主人と、
素人経営者を食い物にするメーカーのトップ・セールスとの物語。

「うらぼんえ」――孫娘を守るためお盆に“帰ってきた”祖父の物語。
夫の愛人に子供ができ、離婚を迫られる身内のいない妻。
夫方の祖父の初盆にゆき、その話が義父からも出るが、育ての親の祖父が
“帰ってきて”妻の味方となり、この話し合いに加わる……。

「ろくでなしのサンタ」――異色のクリスマス・ストーリー。
クリスマス・イヴに出所した三太(さんた)は、留置所で知り合った男の
ために、妻と娘あてにクリスマス・プレゼントの豚まんと鉢植えと大きな
ぬいぐるみを置き「メリー・クリスマス」と一声かけて去って行く……。

「オリヲン座からの招待状」――映画館閉鎖で帰郷した別居夫婦の一日。
生まれ故郷に唯一残っていた映画館の最後の上映会に出席した、東京で
別居生活をしている幼馴染の夫婦と妻を亡くし一人となった館主のお話。

 

前回の<夏の文庫>フェアの角川文庫『ナミヤ雑貨店の奇蹟』でも、
相談を通じて何人かの人物の人生が描かれていました。

本書でも、短編毎にそれぞれに夫婦と親子の家族の問題を背景に、
奇跡的な出来事を交えて、人間の存在の軽みと重さを
時の流れとともに描いています。

なかなか読み応えのある一冊になっていました。

 

 ●リトマス試験紙のような作品集

巻末解説で、北上次郎さんが書いていますように、
この優れた短編集の中には、大きく四つの「名作」が含まれています。

北上さんのお話では、読者には「鉄道員」を支持する派と
「ラブ・レター」派のあいだで論争があり、
そこへ「うらぼんえ」派が割り込んで来て、
さらに「角筈にて」派が続く、といい、
本書は《リトマス試験紙のような作品集だ》p.294 といいます。

 《読み手の年齢、性別、経験、環境、人生観などによって、
  このように感じ入る作品が異なるからである。》p.297

私の場合、「鉄道員」は、男の話としては分からないではないのですが、
子を失い妻を失い、それでも仕事一途にやってきた男の話としては、
哀しいけれど、結婚もして子も生まれ、一時的ではあれ、
幸せの時を経験しているという点では、それで良かったのではないか、
また最終的にも、という気もします。

「角筈にて」と「うらぼんえ」も夫婦のお話である一方、
親子の情、または育ての親との情を描いています。
夫婦の間には、それなりに幸せな時があったのではないでしょうか。

しかし、「ラブ・レター」の主人公の場合はどうでしょうか。
40歳近くまでの20年、歌舞伎町で、ヤクザの末端の組の一員として、
バーテンやポルノショップの雇われ店長等の仕事を続けてきた男が、
偽装結婚した中国人の女性の死後、残された手紙を読んだ結果、
起きたかも知れない状況を夢想する、という物語です。

そう、一人なのです、どちらとも。
戸籍上は夫婦となってはいるものの。
本当の夫婦としての幸せな時間を経験していないのです。

そういう意味では、これら四編の中にあっては一つ異端の作品です。

 

 ●私のお気に入り「ラブ・レター」

この「ラブ・レター」は、先の北上さんのお話では、
女性読者に圧倒的に好評だったそうで、

 《現代の恋愛小説として哀切きわまりないから、女性読者の涙腺を
  刺激するのは理解できる。》p.294

というのです。

ところで、本書中私の一番のお気に入りが、実はこの作品なのでした。

では「ラブ・レター」について書いてみましょう。
(ちなみに映画は見ていません。)

なぜ私がこの作品に惹かれたかといいますと、
それは本書の作品中、一番自分の気持ちを感情移入できる作品だった、
という点です。

70歳まで独り者の私にとって、夫婦のお話というのは、ピンときません。

「ラブ・レター」の主人公は、まだ40歳手前のようですが、
それでも故郷を出てからずっと独身で東京の街中で暮らしてきたわけで、
そういう意味では、私にとって一番身近な存在といえるでしょう。

主人公の境遇のうちで、私にとって最も似つかわしいのがこれだった、
ということです。

そして、ありえたかもしれない日々を夢に見るようすなど、
私にも十分理解できるからです。

私も時折、ありえたかもしれない生活、起こりえたかもしれない出来事、
そういう日々を夢に見ることがあるからです。

 

 ●「おまえらがみんなふつうじゃねえんだ」

ここからは私が惹かれた部分の引用を、少しメモしておきましょう。

 《手紙の文句が甦った。/ここはみんなやさしいです。
  組の人もお客さんもみんなやさしいです。
  海も山もきれいでやさしいです。ずっとここで働きたいです。/
  謝謝。それだけ。海の音きこえます。吾郎さんきこえますか――。/
  自分はやさしさのかけらもない町で、二十年も生きてきたのだと、
  吾郎は思った。》p.74

吾郎にとって、自分の今までの“しょうもない”生き方を
改めて突き詰められた気持ちだったのでしょう。

その夜、夢の中で吾郎は、両親はすでにこの世にいないけれど兄のいる、
捨ててきたはずの故郷に帰った、あったかも知れない日々を思います。

 《(ありがとう、吾郎さん。あたし、もういいよ。
   お客さんみんなやさしいけど、吾郎さんが一番やさしいです。
   私と結婚してくれたから)/花の上に、吾郎は涙を落とした。/
  (俺、やさしくなんかないもね。やくざもおまわりもお客も、
   みんなしておめえのこといじめたもね。一番ひどいのは俺だよ。
   五十万で籍を売って、その金だって三日で使っちまった。
   おめえ、その金も体で返すんだろ。血を吐きながら、返すんだろ。
   俺たち、みんな鬼だもね。おめえを骨になるまで食いちらかした
   鬼だもね。おめえを骨になるまで食いちらかした鬼だもね。
   鬼がやさしいはずないべや)/
   物を言わぬ花を大地ごと抱きかかえて、
  吾郎は思いのたけをこめて声を絞った。/(もう何もせんでいい。
   俺と、結婚して下さい)》p.77

 

二通目の手紙から――

 《吾郎さんにあげられるもの、何もなくてごめんなさい。
  だから言葉だけ、きたない字でごめんなさい。/
  心から愛してます世界中の誰よりも。/吾郎さん吾郎さん吾郎さん
  吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん。/
  再見、さよなら。》p.84

手紙の途中から吾郎はまた泣き出します。

吾郎がおかしくなったという、組の若者に対して、

 《「ふつうだよ。どうもしちゃいねえよ。
   おまえらがみんなふつうじゃねえんだ」》p.84

と。
そして骨箱に「高野白蘭」と口紅で名前を書くのでした。

 《国へ帰ろう。ついに会うことのなかった弟の嫁を、
  兄はきっとやさしく迎えてくれるだろう。/
  「帰ろうな、パイラン、みんな待ってるから」》pp.84-85

 

モデルほどの美貌の女性だったそうで、だからというのは考えすぎで
(その辺は小説ですからね)、純粋に美しい心を反映した内容の手紙に
感動したというところでしょう。
それに対して自分たちのしてきたことは何だったのか、
という反省が込められているのです。

さて彼はこれからどういう人生をたどることになるのでしょうか。
結局また元の木阿弥になるのかどうか。
まあ、人生そう簡単でもないですからね。

でも、そうはならずに故郷に帰って、やり直してほしいものです。

 

 ●心に残る一編

年を取るにつれて、涙腺がゆるくなる、といいますが、
ちょっとしたことでも、思わず泣いてしまいます。
これもそういう物語でしたね。

先ほども書きましたけれど、
私のように、独身でここまで生きてきてしまった人間としては、
ひょっとしたらこういう何かがあったかもとか、
色々考えてしまうときがあるのです。

そういう意味で、このお話はやっぱりこの短編集の中にあっては、
格別な味わいです。

心に残る一編でした。

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本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(2)集英社文庫『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎」と題して、今回も全文転載紹介です。

今年の<夏の文庫>フェアは、ここまで映画化された人気作家の有名作品を扱ってきました。

案外無かったことかも知れません。
今までは基本的に、古典の名作名著を軸にしてきた、というところがありました。

最近は、出版社のフェア作品の選書が変化してきたという面もあるのでしょうか。
各社ともに自社の持つ日本の人気作家の作品を全面に押し出してきている感じがします。

売上を考えているのか、“古典や名作を若者に読んでもらいたい”主義では、老舗の出版社に勝てないといった事情もあるのかも知れません。
あるいは、“若者に読んで欲しい本”から、もっと単純に“若者に読んでもらえそうな本”に重点を置いた選書に変化しているのか。

私もこの機会に、少しでも読書の間口を広げようと、目新しい作家の作品を選んで読むようにしています。

さて次回は、最後に残った新潮文庫ですが、どうなりますか……。

 ・・・

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2024.07.15

<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾-楽しい読書370号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

2024(令和6)年7月15日号(vol.17 no.13/No.370)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫・
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年7月15日号(vol.17 no.13/No.370)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫・
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2024から――。

 昨年同様、一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介します。

 第一回は、角川文庫から東野圭吾さんの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を。

 

【角川文庫の夏フェア】
「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024」特設サイト
https://note.com/kadobun_note/n/n94088457149e

集英社文庫『ナツイチ2024』フェア-
ナツイチ2024 言葉のかげで、ひとやすみ
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

「新潮文庫の100冊 2024」フェア
https://100satsu.com/

240715-2024natu-no-bunnko

(画像:新潮・角川・集英社 三社<夏の文庫>フェア2024のパンフレット)

 

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 ◆ 2024年テーマ:夢か奇蹟の物語 ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)

  角川文庫・『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●【角川文庫の夏フェア】

まず今回は、角川文庫から。

例年は新潮文庫から始めていましたが、
今年、集英社と角川文庫は、6月からスタートで、
新潮文庫は、7月1日スタートとのことでしたので、
早かったこの二社の内、すぐにこれだという本を見つけた順、
という感じで。

 

【角川文庫の夏フェア】
「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024」特設サイト
https://note.com/kadobun_note/n/n94088457149e

まずは、出版社の言葉――

--
■ はじめに
今年のテーマは「カドイカさんとひらけば夏休みフェア」!
本を読むことって、なんだか難しそう。
たくさんある本の中から、楽しいと思える1冊が見つかるかわからない。
そう思っている人は、少なくないはず。

けど、今年の夏は、
まずは1冊、本をひらいてみませんか?

カバーイラストが可愛い。
推しが好きと言っていた。
あらすじが面白そうだった。
きっかけは、なんだっていい。

目にとまった1冊をためしにひらけば、ドキドキ、わくわく、ハラハラ……
あたらしい世界がひらけるはず!
--

ということで、ラインアップを挙げておきましょう。

 

■ フェア対象書籍のご紹介
対象作品一覧①「はじめての扉!」13点

湊 かなえ『ドキュメント』『ブロードキャスト』
重松 清『かぞえきれない星の、その次の星』
伊与原 新『オオルリ流星群』
君嶋彼方『君の顔では泣けない』
米澤穂信『氷菓』
恩田 陸『ドミノ』
森沢明夫『エミリの小さな包丁』
斜線堂有紀『ゴールデンタイムの消費期限』
朝井リョウ『星やどりの声』
東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
原田ひ香『ギリギリ』
クレハ『結界師の一輪華』

 

対象作品一覧②「ミステリの扉!」15点

米澤穂信『黒牢城』
浅倉秋成『六人の噓つきな大学生』
染井為人『悪い夏』
堂場瞬一『刑事の枷』
歌野晶午『家守』
東川篤哉『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』
藤崎 翔『神様の裏の顔』
芦沢 央『僕の神さま』
五十嵐律人『六法推理』
鳴神響一『脳科学捜査官 真田夏希』
柚月裕子『検事の信義』
太田 愛『幻夏』
東野圭吾『鳥人計画』『夜明けの街で』『ラプラスの魔女』

 

対象作品一覧③「ホラーの扉!」&「名作の扉!」13点

■ ホラーの扉!
辻村深月『闇祓』
宮部みゆき『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』『おそろし
三島屋変調百物語事始』
芦花公園『極楽に至る忌門』(角川ホラー文庫)
内藤 了『FIND 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』(角川ホラー文庫)
小野不由美『ゴーストハント1 旧校舎怪談』
辻村深月『きのうの影踏み』
中野京子『怖い絵』

■ 名作の扉!
芥川龍之介『蜘蛛の糸・地獄変』
夏目漱石『こゝろ』
宮沢賢治『注文の多い料理店』
梶井基次郎『檸檬』
オイゲン・ヘリゲル 訳・解説=魚住孝至『新訳 弓と禅 付・「武士道的
 な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想』(角川ソフィア文庫)

 

対象作品一覧④「ベストセラーの扉!」16点

佐藤 究『テスカトリポカ』
山田風太郎『八犬伝』上・下
高杉 良『転職』
群 ようこ『老いとお金』
雹月あさみ『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説 よりぬき文庫』
(富士見L文庫)
坪田信貴『学年ビリのギャルが1年で
 偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話[文庫特別版]』
若林正恭『完全版 社会人大学 人見知り学部 卒業見込』
群 ようこ『これで暮らす』
垣谷美雨『うちの父が運転をやめません』
大泉 洋『大泉エッセイ僕が綴った16年』
松村涼哉『ただ、それだけでよかったんです【完全版】』
(メディアワークス文庫)
道草家守『青薔薇ブルーローズアンティークの小公女』(富士見L文庫)
パウロ・コエーリョ 訳=山川紘矢 山川亜希子
 『アルケミスト 夢を旅した少年』
伊坂幸太郎『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』

 

対象作品一覧⑤「特別企画」&「コラボカバー」16点

■【朗読アリ】KISHOW(谷山紀章)さん おすすめ本
星 新一『きまぐれロボット』(★朗読アリ)
恩田 陸『ユージニア』(★朗読アリ)
小林泰三『人獣細工』(角川ホラー文庫)(★朗読アリ)
伽古屋圭市『猫目荘ねこのめそうのまかないごはん』
原田マハ『さいはての彼女』
■【朗読アリ】「文豪ストレイドッグス」コラボカバー作品
中島 敦『李陵・山月記 弟子・名人伝』(★朗読アリ)
泉 鏡花『高野聖』(★朗読アリ)
坂口安吾『暗い青春』(★朗読アリ)
芥川龍之介『羅生門・鼻・芋粥』
江戸川乱歩『魔術師』
中原中也 編=佐々木幹郎『汚れつちまつた悲しみに…… 中原中也詩集』
太宰 治『斜陽』『人間失格』
■ mt masking tape コラボカバー作品
太宰 治『女生徒』
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
田辺聖子『ジョゼと虎と魚たち』

 

対象作品一覧⑥「Pick Up!」19点

■ 号泣文庫
汐見夏衛『ないものねだりの君に光の花束を』
一条 岬『今夜、世界からこの恋が消えても』(メディアワークス文庫)
岩井圭也『永遠についての証明』
山田悠介『スイッチを押すとき』
■ ハラハラ文庫
伊岡 瞬『残像』
染井為人『震える天秤』
本城雅人『宿罪 二係捜査(1)』
畑野智美『消えない月』
■ 猫文庫
西 加奈子『きりこについて』
夏目漱石『吾輩は猫である』
■ 大活字で読める文庫
太宰 治『100分間で楽しむ名作小説 走れメロス』
江戸川乱歩『100分間で楽しむ名作小説 人間椅子』
森 絵都『100分間で楽しむ名作小説 宇宙のみなしご』
恒川光太郎『100分間で楽しむ名作小説 夜市』
■ 時代文庫
鈴木英治『江戸の探偵』
横山起也『編み物ざむらい』
■ ごちそう文庫
標野 凪『ネコシェフと海辺のお店』
長月天音『キッチン常夜灯』
秋川滝美『おうちごはん修業中!』

――以上、92点。

 

既読は十数点ぐらいです。
夏目漱石、宮沢賢治、泉鏡花、芥川龍之介、太宰治、中島敦等の文学系。
エンタメ系では、江戸川乱歩、宮部みゆき辺りは読んでいるかも、程度。
作品としては、昨年の<私のベスト3>に選んだ、山田風太郎『八犬伝』。

そんな感じでほぼ全滅に近い状況です。
例年、この機会に新しい作家さんとの出会いを考えるのですが、
せいぜい3社合わせて一人程度ですね。

今年も結局は、昨年(集英社文庫『白夜行』)に引き続いて、
また東野圭吾さんにしました。

 

 ●東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

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(画像:【角川文庫の夏フェア】「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024」
パンフレットと『ナミヤ雑貨店の奇蹟』) 

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』角川文庫 2014/11/22
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(Amazonで見る) 

 

フェアの紹介文によりますと――

--
東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

東野作品史上最も泣ける感動作! 手紙が紡ぐ奇蹟の物語。

悪事を働いた3人が逃げ込んだ廃屋。
そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。
店内に突然届いた、悩み相談の手紙。
過去と現在、時空を超えた温かな手紙交換が始まる。
悩める人々を救ってきた雑貨店は、再び奇蹟を起こせるか? 
心ふるわす物語。
--

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(画像:【角川文庫の夏フェア】「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024」
パンフレットと『ナミヤ雑貨店の奇蹟』)

 

ストーリーは、窃盗程度の悪さしかできない青年三人組が
逃げ込んだ廃屋で出会う“奇蹟”の物語です。

なかなかのハート・ウォーミングなお話です。

東野さんといえば、ミステリ、推理小説の印象ですが、
こういうファンタジー系の小説もあるのですね。
へぇー、という感じでした。

そういう点からこの作品に決めました。

 

 ●主なストーリー

こういうエンタメ系の小説では、あまり詳細なストーリーを語りますと、
興ざめな面となりますので、ポイントだけを紹介しましょう。

彼らが逃げ込んだこの「ナミヤ雑貨店」は、
週刊誌でも取り上げられたほどの、悩みの相談で有名となった店でした。
最初は小学生のとんち話的ないたずら半分の相談でしたが、
あるとき真剣な悩みの相談があり、それ以来、
悩みの相談は深夜までに店のシャッターの郵便受けに入れてもらい、
返事は裏通りの牛乳配達箱に入れる、というルールができました。

彼らの潜り込んだこの店に、なんと相談の手紙が投入されます。
彼らは、一から相談された経験も無く、それが逆に新鮮で、
自分らなりに考えて答えを書きます。

 《「だってさ、ふつうなら俺たちが誰かの悩みを聞くなんてこと
  ないだろ。俺たちになんか、誰も相談しようとしない。
  たぶん一生ないぜ。これが最初で最後だ。
  だから一回ぐらいいいじゃないかってこと」》p.29

オリンピックを取るか不治の病の恋人の看病を取るか、
という悩みでした。

彼らの何度かの返事に対し、最終的にお礼の手紙が来ます。

 《(略)「誰かの相談に乗るなんてこと、これまでの人生では一度も
  なかったからなあ。まぐれでも結果オーライでも、相談して
  よかったと思われるのは嬉しいよ。(略)」》

するとまた第二の手悩みの相談が届きます。
音楽の道を進むべきか、というものでした。(以下、第2章)

彼らは、相談者とのやりとりの末、彼の曲を聞き、
音楽の道を進むのはムダにならない、あなたの曲で救われる人がいる、
あなたの音楽は残る、それだけは信じてくださいと答えます。

なぜならそれは、彼らの知っている曲だったからです。

彼らが潜り込んだこのナミヤ雑貨店は、なぜかタイムマシンのように、
相談者たちの過去と彼らの現在をつなげるものだったのです。

第3章では、このナミヤ雑貨店の店主で相談役の親父さんが登場します。

人生相談を始めたいきさつを語り、
いつしかこの人生相談が生きがいとなったこと、
しかしある事件をきっかけに、自分の回答が本当に役にたったのか、
実状を知りたいと思うようになり、息子さんにあることを依頼します。

それは自分の33回忌の日に、一度だけこの相談受付が再開される、
という告知でした。

その時、病院を抜け出した店主は、多くの礼状を手にします。
それはもちろん未来からのものでした。

 ・・・

このナミヤ雑貨店のあるまちの近くに丸光園という養護施設があり、
こことナミヤ雑貨店には何かしら因縁があるようなのです。

この丸光園は女性篤志家が始めたもので、
死後も天の上から見守っていると言い残したといういわくつきでした。
ところが、その後丸光園を引き継いだ男が悪いやつで、
園の存続が難しくなっていました。

そんな時にこの事件が起こったのでした……。

 

 ●悩みと人生相談とその回答について

このナミヤ雑貨店と丸光園との関係は、読んでのお楽しみということで、
ここでは、悩みと人生相談とその回答の在り方について、
考えて見ましょうか。

相談の回答者となった浪矢雄治はこう言います。

 《「(略)『ナミヤ雑貨店』に手紙を入れる人間は、
  ふつうの悩み相談者と根本的には同じだ。心にどっか穴が
  開いていて、そこから大事なものが流れ出しとるんだ。その証拠に、
  そんな連中でも必ず回答を受け取りに来る。(略)ナミヤの爺さんが
  どんな回答を寄越すか、知りたくて仕方ないわけだ。(略)
  だからわしは回答を書くんだ。一所懸命、考えて書く。
  人の心の声は、決して無視しちゃいかん」》p.142

息子の貴之は、子供たちが巣立ち、十年前に妻を亡くし、一人暮らしの
父親にとって、たぶん生きがいというやつなんだろう、と思うのでした。

 《「長年悩みの相談を読んでいるうちわかったことがある。多くの
  場合、相談者は答えを決めている。相談するのは、それが正しい
  ってことを確認したいからだ。だから相談者の中には、回答を
  読んでからもう一度手紙を寄越す者もいる。たぶん回答内容が、
  自分が思っていたものと違っているからだろう」(略)
  「これも人助けだ。面倒臭いからこそ、やり甲斐がある」》p.150

そんな雄治が店を閉じます。

 《(略)大事なのは、あのときのわしの回答が本当に正解だったのか
  どうかだ。
  (略)これまでに書いてきた無数の回答が、それぞれの相談者たちに
  とってどうだったのかが重要なんだ。わしは毎回、懸命に考えて
  答えを書いてきた。適当に書いたことなんてただの一度もない
  と断言できる。しかしそれでも、その回答が相談者たちのために
  なったかどうかはわからない。もしかしたら、わしの回答の通りに
  行動して、とんでもなく不幸になってしまった、なんてこともある
  かもしれない。そのことに気付いた瞬間、わしはもういてもたっても
  いられなくなったんだよ。もう、気楽に相談窓口を開けている気分で
  はなくなった。だから店を閉めたんだよ」》p.172

 《(略)わしの回答が、誰かの人生を狂わせてしまったのではないか
  と思うと、夜も眠れなかった。病気で倒れた時も、わしは思ったん
  だ。これは天罰じゃないか、とね」》p.172

そして夢の中で、相談者たちが自分の人生がどう変わったかを知らせる
手紙を投函してくれるのを、雄治は知るのでした。
今行けばそれを受け取れると、貴之に話すのです。
そして実現します。

 《「(略)殆どが、わしの回答に感謝してくれている。
  それはありがたいと思うが、読んでみると、わしの回答が役に立った
  理由はほかでもない、本人の心がけがよかったからだ。本人に、
  真面目に生きよう、懸命に生きようという気持ちがなければ、
  たぶんどんな回答を貰ってもだめなんだと思う」》p.180-181

 

 ●70年生きてきて思ったこと

そう、たぶんそうなんでしょうね。
結局はどんな人生を生きるかは、本人の心がけによる、ということ。

そして、70年生きてきて私が思うことは、
やっぱり自分らしくある、ということ。

どんな時もどんな状況にあっても、
本来の自分の在り方を変えることなく、生きてゆくという姿勢が大事だ、
と思うのです。

自分らしく、といっても難しいのですが、
自分の性格に合わせた生き方というのでしょうか、
真面目な人は真面目に、ちょっと大胆な人は大胆に、
でも、大胆にとはいっても、基本的には階段を一段ずつ登るように、
こつこつやる、ということです。

人生に近道はない、ということ。

で、やるべき時にはやる、ということ。

「幸運の女神には前髪しかない」という言葉があります。
「チャンスの女神には後ろ髪がない」ともいいます。

「後悔先に立たず」ともいいます。

やってしまったこと、もしくは逆にやらずにしまったことは、
後からではどうすることもできない、ということです。

チャンスは確実にその時にしっかりとつかんでおけ、という教えです。

そうはいいましても、なかなか潔く決断できないのが、人間です。

でも、それはそれでいいのだと思います。
人生に遅すぎるということはない、ともいいますから。

 

昨今は、人生100年時代ともいいます。

若い頃のようには行かなくても、
それなりに生きることはできるようです。

要は、あきらめないことでしょうか。

私も今この程度のことはできています。
毎日こつこつと積み重ねることで、できることもあるようです。

 

青年たちが投じた白紙の手紙に対するナミヤ雑貨店の爺さんの回答が、
一つの答えかも知れません。
(あえて引用は辞めておきます。)

 

 ●奇蹟は起こる?

奇蹟は、本当に起こるのでしょうか。
もちろん、そんなことはわかりません。
しかし時には、起こって欲しい、
という願いを抱かせるものでもあるように思います。

ある人が一生懸命生きているのならば、
その人のまわりではなにかしら良いことが起きてほしいものです。

そうでなければ人生なんて、
生きるに値しないものになってしまいますから。

神様仏様が存在するのなら、ときには奇蹟も起こってほしいものです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫・『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾」と題して、今回も全文転載紹介です。

私は人生相談というものに特別に興味はないものの、新聞の人生相談などはつい見てしまうことがあります。
どういうものを見るかといいますと、やはり自身高齢化したこともあって、そういう手の老後の在り方といったものですね。
それと、逆に若者の進路相談などにもつい目が行くことがあります。

よりよい人生航路を始めて欲しいという願いが出てしまうようです。

さて、本書では、未来を知っているゆえに、青年たちでも適切な相談ができてしまう部分があって、こういう風に未来を見通し、人生を俯瞰して生きて行ければいいのになあ、と思ってしまいますね。

実際には、白紙の人生であっても、そこにどんな人生地図を書いてゆくのか、人それぞれなわけです。
むずかしいけれど、だからこそおもしろいとも言えるわけです。

死の瞬間まで人は迷いながら生きてゆくものなのでしょうか。
あるいは、ある瞬間になにかしら確かな確信を抱けるものなのでしょうか。

まだ私にはわかりません。

 ・・・

弊誌をおもしろいなあと感じた方は、ぜひご購読の申し込みをお願い致します。

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(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2024.04.15

私の読書論183-トールキン『指輪物語』70周年-楽しい読書364号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

2024(令和6)年4月15日号(vol.17 no.7/No.364)
「私の読書論183-トールキン『指輪物語』(第一巻・第二巻)70周年」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年4月15日号(vol.17 no.7/No.364)
「私の読書論183-トールキン『指輪物語』(第一巻・第二巻)70周年」
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 今年1954年から70年となります。
 この年には、偉大なる人々や偉大なる創作物が生まれています。

 最初に、1月生まれの
 “ユーミン”の愛称で知られる荒井由実、現・松任谷由実さん。

 かつてオリンピックの野球の「長嶋ジャパン」で、
 長嶋さんが倒れて代役の監督を務めた、
 現役時代は「絶好調男」と呼ばれた、元プロ野球巨人軍の中畑清さん。

 歴代最長の任期を記録した元首相、故・安倍晋三さん。

 (もう一人、一部の人々――主に左利きの、
  そのまた一部の人たちの間では、
  左利き界の“第一人者”とか“大師匠”とか呼ばれる、
  「レフティやすお」さんも1月生まれです)

 創作物でいいますと、最新作がアカデミー賞を受賞したことで
 改めて話題となっている<ゴジラ>シリーズの第一作「ゴジラ」。

 海外では、そう、今回取り上げます『指輪物語』です。

 『指輪物語』は全三巻(普及している邦訳版では全六巻)ですが、
 その第一巻(邦訳版「旅の仲間」上下)、
 第二巻(同「二つの塔」上下)が、本国イギリスで出版されたのが、
 この年でした。ちなみに、第三巻(同「王の帰還」上下)は翌1955年。

 ということで今回は、
 J・R・R・トールキンの『指輪物語』について――。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 1954年の奇跡!? ◆

  ~ 『指輪物語』『ホビットの冒険』の作家トールキン ~

 『指輪物語』第一巻・第二巻出版(1954年)から70周年
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 ●『最新版 指輪物語』文庫版・全六巻(評論社)

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2022年に、『指輪物語』の邦訳版の出版元・評論社から、
『最新版 指輪物語』の文庫版・全六巻が出ました。

2022年9月、AmazonのPrime Videoプライム・ビデオ
『ロード・オブ・ザ・リング――力の指輪 第1シーズン』
の配信に合わせたもののようで、その広告の帯が付いています。

出版社の紹介文にも、

《ファンタジー文学の最高峰『指輪物語』が
 日本で初刊行された1972年から奇しくも50年目の2022年、
 訳文と固有名詞を全面的に見直した日本語訳の完成形として、
 本最新版をお届けします。》

 

この文庫のことは知らなかったのですが、
これという気になる本がないなあ、と近所の本屋さんをのぞいていて、
見つけました。

従来あった文庫版は、活字が小さくて、文庫派の私でしたが、
買う気になれずにいたものでした。

本屋さんにあったのは、この全六巻だけでしたが、
第七巻「資料編」も2023年に出ています。


『最新版 指輪物語1 旅の仲間 上』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

《遠い昔、魔王サウロンが、悪しき力の限りを注ぎ込んで作った、
 指輪をめぐる物語。全世界に、一億人を超えるファンを持つ
 不滅のファンタジーが、ここに幕を開ける。》
631ページ

『最新版 指輪物語2 旅の仲間 下』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

《瀬田・田中訳の集大成
 黒の乗手の追跡から、辛くも逃れたフロドが目を覚ましたところは、
 「裂け谷」のエルロンドの館。翌朝、モルドールに抵抗する種族――
 魔法使い、エルフ、人間、ドワーフ、ホビット――の代表が参加する
 会議がエルロンドの主催で開かれ、指輪をどのように扱うかについて
 話し合われた。さて、その決定は……》
547ページ

『最新版 指輪物語3 二つの塔 上』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

《瀬田・田中訳の集大成
 ガンダルフを失った悲しみを、ロスローリエンで癒した一行は、
 大河アンドゥインを漕ぎ下り、とうとう別れ道へ差し掛かる。
 フロドの指輪棄却の決意を知ったボロミルは、それを奪おうとする。
 逃げ出すフロド。悔悟したボロミルは、オークとの戦いに倒れ、
 メリーとピピンはさらわれる。ここに旅の仲間は離散した……》
545ページ

『最新版 指輪物語4 二つの塔 下』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

《瀬田・田中訳の集大成
 ボロミルから逃れて一人モルドールに向かおうとするフロド。
 しかし、忠実なサムは、出し抜かれずに後を追う。
 大河アンドゥインの東側に連なる急峻エミュン・ムイルの荒涼たる
 山中を、やっとのことで抜け出した二人だったが、
 その後ろに忍び寄る一つの影が……》
418ページ

『最新版 指輪物語5 王の帰還 上』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

《瀬田・田中訳の集大成
 堕落した魔法使いサルマンが所持していたパランティールを、
 好奇心に勝てずに覗き込んだピピンは、魔王サウロンの見出すところ
 となる。ガンダルフは、パランティールをアラゴルンに預け、
 ピピンを連れてミナス・ティリスへ。
 一方ローハン軍召集のためにエドラスに向かう騎士たち。
 空にはナズグールが飛び交い、風雲急を告げる中、
 物語は佳境へと近づく。》
436ページ

『最新版 指輪物語6 王の帰還 下』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
(Amazonで見る)

《瀬田・田中訳の集大成
 フロドをオークの手から奪い返した忠実なサム。
 二人は、助け合いながら最後の使命を果たすべく滅びの罅裂を目指す。
 一方、冥王の目をフロドたちから逸らすべく、黒門前に兵を進めた
 ガンダルフやアラゴルンをはじめとする西国の勇士たちは、
 圧倒的な兵力の差のため暗黒の渦に吞み込まれようとしていた……
 ここに「一つの指輪」をめぐる物語の大団円を迎える。》
403ページ

『最新版 指輪物語7 追補編』J・R・R・トールキン/著 瀬田貞二,
田中明子/訳 評論社文庫 2023/5/30
(Amazonで見る)

《瀬田、田中訳の完成形として、日本初刊行以来50年の
 2022年に刊行を始めた『最新版指輪物語』の最終巻。
 固有名詞と訳文の見直しを行った。本編では語られていない
 歴史の記述、固有名詞便覧など、『指輪物語』世界の案内書。》

 

 ●著者J・R・R・トールキンについて

――出版社より(著者について)
1892~1973年。南アフリカのブルームフォンテンに生まれ、3歳のとき、
イギリスに移住。オックスフォード大学卒業。第一次世界大戦に従軍後、
1925年からオックスフォード大学教授。中世の英語学と文学を中心に
講じた。『指輪物語』は、20世紀最高のファンタジーとされる。
これに先立つ物語として『ホビットの冒険』『シルマリルの物語』
『ベレンとルーシエン』があるほか、児童向けの作品に
『トールキン小品集』『サンタ・クロースからの手紙』などがある。

というわけで、2023年に没後50年として出版されたのが、

『ユリイカ 2023年11月臨時増刊号』総特集◎J・R・R・トールキン
 ―没後50年――異世界ファンタジーの帰還― 青土社 2023/10/5
(Eureka 2023 no.811 vol.55-14)
(Amazonで見る)

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《『指輪物語』や『ホビットの冒険』といった作品において壮大かつ
 緻密な世界を構築し、様々な”読み直し”の旋風を巻き起こしてきた
 J・R・R・トールキン。後続世代による模倣と継承から、映像や
 ゲームがもたらしたビジュアライズの時代を経て、没後から半世紀が
 経つ本年、終わらざりしトールキン論に臨みたい。》

目次
❖異世界は何度でも /上橋菜穂子 /小谷真理 /井辻朱美
 /パトリック・カリー(訳=鏡リュウジ)
❖汲み尽くしがたい源流 /鶴岡真弓 /一條麻美子 /石野裕子
❖座談会 /大久保ゆう+川野芽生+逆卷しとね
❖遠く聞ゆるは懐かしき調べ /伊藤尽 /清水知子 /宮本裕子
 /木澤佐登志 /森瀬繚
❖テーブルを囲んで /上田明
❖創造のカレイドスコープ /辺見葉子 /髙橋勇
 /アラリック・ホール(訳=岡本広毅)
❖エルフ語入門 /伊藤尽
❖言葉は輪廻する /山本史郎 /小野文 /小澤実
❖叙述から始めよ /桑木野幸司 /勝田悠紀 /岡田進之介
 /石倉敏明 /渡邉裕子
❖資料 /髙橋勇 編

 

 ●『指輪物語』の思い出

私がこの作品を読んでのは、1979年6月から7月の初めについて。
この作品を読もうと思ったのは、山口の女子大生からお便りをもらい、
その中にオススメ本としてこの本のことが書かれていたからでした。

これではよく事情がおわかりにならないでしょうから、
もう少し説明します。

当時の私の愛読雑誌のひとつだった、
故やなせたかしさん編集の『詩とメルヘン』の読者投書欄に、
私の投書が掲載され、それを読んだ人が手紙をくれたわけです。

以前このメルマガでも紹介しました、ハヤカワSF文庫から出た、
ゼナ・ヘンダースン『果てしなき旅路』のような作品を書いてみたい、
というのが私の投書でした。

疎外された立場の人たちが仲間を得て、彼らの手助けもあり、
自分を肯定できるようになり自立して行く、といった内容の作品で、
私のお気に入りの作品でした。

*参照:
【ゼナ・ヘンダースン <ピープル>シリーズ
  『果てしなき旅路』『血は異ならず』ハヤカワ文庫SF】

220812people

『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン/著 深町眞理子/訳
ハヤカワ文庫 SF ピープル・シリーズ 1978/7/1(1959)
(Amazonで見る)

・2023(令和5)年1月15日号(No.334)「私の読書論165-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前編)総リスト&再読編」
・『レフティやすおのお茶でっせ』2023.1.15
私の読書論165-私の年間ベスト3・2022年フィクション系(前)総リスト&再読編
-楽しい読書334号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/01/post-ce3d4b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/963db458297d62363a53bf4aaefe9930

・2023(令和5)年1月31日号(No.335)「私の読書論166-
私の年間ベスト3・2022年フィクション系(後編)再読編&初読編」
・『レフティやすおのお茶でっせ』2023.1.31
私の読書論166-私の年間ベスト3・2022年フィクション系(後)初読編
-楽しい読書335号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/01/post-059ad0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3d8f4210a27677ac55d433cea1778596

 

それに対して、お返しにご自分のお気に入りの作品として、
この『指輪物語』が紹介されていました。

さっそく図書館で借りて読み始めました。
長い作品でしたが、面白く読んだ記憶があります。

その後、この作品の前作というべき児童向けの『ホビットの冒険』も
楽しみました。

45年前の思い出話です。


『ホビットの冒険 上』J・R・R・トールキン/著 瀬田 貞二/訳
岩波少年文庫58 2000/8/18
(Amazonで見る)
《ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、
 ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフ小人に誘いだされて、
 竜に奪われた宝をとり返しに旅立つ。79年刊の新版。》
336ページ
『ホビットの冒険 下』J・R・R・トールキン/著 瀬田 貞二/訳
岩波少年文庫59 2000/8/18
(Amazonで見る)
《魔法の指輪を手に入れたビルボとその一行は、やみの森をぬけ、
 囚われた岩屋からもなんとか脱出に成功。ビルボたちは、
 いよいよ恐ろしい竜スマウグに命がけの戦いを挑む。79年刊の新版。》
282ページ

『新版 ホビット――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 2012/11/12
(Amazonで見る)
《映画「ロード・オブ・ザ・リング」で世界中にブームをまきおこした
 J.R.R.トールキンの『指輪物語』。 その前章の物語『ホビット』の
 定本(第四版)の新訳決定版! 著者自筆の挿絵および各国語版の挿絵を
 収録。 時代を越えて読み継がれる“名作"の理解を助ける詳細な
 注釈付の愛蔵保存版。 2012年12月、3部作の第1弾
 「ホビット 思いがけない冒険」がついにロードショー!》
470ページ

(文庫)
『ホビット〈上〉―ゆきてかえりし物語』J・R・R・トールキン/著
山本史郎/訳 原書房 2012/11/1
(Amazonで見る)
《時代を越えて読み継がれる不朽の名作『ホビット』を、
 さまざまな角度から詳細な注釈をつけた新訳決定版。
 トールキン自筆の挿絵つき。持ち歩きしやすい文庫判。》
362ページ

『ホビット〈下〉―ゆきてかえりし物語』J・R・R・トールキン/著
山本史郎/訳 原書房 2012/11/1
(Amazonで見る)
422ページ

 

 ●『指輪物語』の内容について

『指輪物語』は1960年代に欧米の若者たちのあいだで大いに読まれた、
といわれています。
1960年台後半、ベトナム戦争に嫌気したアメリカの若者たちのあいだで、
カンターカルチャーとしてファンタジーが流行し、
『指輪物語』のペーパーバックが300万部も売れたといわれています。

日本では、1972年に翻訳刊行されました。

『ゴジラ』が水爆実験の影響で出現した、とされているのに対して、
この作品は「指輪」が核兵器を表している、という読み方もあります。

実際には、戦時中から書かれた物語ということなので、
その時代背景が著者に影響している、
というのが本当のところではないか、といわれています。

 

さて、なにしろ45年ほど前に読んだっきりですので、
詳しいストーリーも今は忘れてしまい、
あらためて『ホビット』から読み直している状況で、
まだ第一巻「旅の仲間」(上)巻を読んでいるところですので、
具体的な感想などはまだ書けません。

『ホビット』も昔読んだ、岩波少年文庫版『ホビットの冒険』ではなく、
20年ほど前に手に入れたまま放置してあった旧版、
『ホビット―ゆきて帰りし物語― 第四版注釈版』のほうです。

240415-hobbit-harashobou2002

図書館で岩波少年文庫版の方ものぞいてみましたが、
Amazonのレヴューにもあるように、
ひらがなが多くおとなにはちょっと読みづらく感じました。
おとなが読むなら、
原書房版のおとな向けの翻訳の方が適しているかもしれません。

 

 ●おとな向けファンタジー『指輪物語』

『ホビット』と『指輪物語』の違いについて書いておきましょう。

一言でいえば、「子供向け」と「おとな向け」ということになります。
その分、ストーリーがより複雑になり、
背景となるムードもより深刻になっています。

『ホビット』は、ホビット族のビルボ・バギンズが主人公で、
ドワーフの王様とその一行がドラゴンに奪われたお宝を奪回にゆく旅に、
魔法使いガンダルフの推薦を受けて「忍び」役として同行し、
お宝を奪い返したご褒美と、偶然手に入れた指にはめると姿を消せる、
魔法の「指輪」を持って帰って来るという、副題にあるように、
文字通り<ゆきてかえりし物語>で、
その途中で出会う冒険の数々を語るものです。

『指輪物語』は、このときの「指輪」が実は、
魔王サウロンが探している魔法の指輪で、
この世界を統べることができるというしろもので、
これを奪われないようにどうにかしよう、とビルボから指輪を預かった
養子のフロド・バギンズが仲間たちと旅に出る、というものです。

「黒の乗手」という悪の一味たちから追われる旅です。

――私は、今はまだその辺までですね。

今どきの小説と違って、会話の応酬で進め、
ジョットコースターのようなストーリー展開で読者を離さない、
といったものとは異なり、
詩というか歌も交えて、ゆったりとした地の文で読ませるお話、
というイメージです。

『ホビット』も子供向けにしては長いお話でしたが、
『指輪物語』もまた長大な作品です。

残り5巻とちょっと。
何ヶ月後になるかわかりませんが、読み終えたら
具体的なストーリーの紹介や感想など書いてみたい、と思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論183-トールキン『指輪物語』(第一巻・第二巻)70周年」と題して、今回も全文転載紹介です。

『指輪物語』の映画化作品三部作もありました。
そちらで知っているよ、という人も多いかと思います。
あるいはゲームも出ているそうで、そちらで知ってるという人もいるのかもしれません。

映画にしろゲームにしろどちらにしろ、それはそれでいいのですけれど、やはり本の方を読んでいただきたいと思っています。
それがそもそもの始まりだから。
小説というのは、言葉の芸術なのです。
歌なども言葉の芸術の一つですけれど、これには音、あるいは声が伴います。
しかし、小説のほうは、言葉のみ、それも文字のみの世界です。

それは、人間だけが楽しめる世界といっても過言ではありません。

そういう頭の中だけの空想の世界で遊ぶのも楽しいものなんですよ。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2023.12.16

『左組通信』復活計画(26)左利き自分史年表(3)1980-1990―左利き用品に目覚めるまで-週刊ヒッキイ第655号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

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第655号(No.655) 2023/12/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]
レフティやすおの左利き自分史年表(3)1980-1990―
左利き用品に目覚めるまで」

 

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第655号(No.655) 2023/12/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]
レフティやすおの左利き自分史年表(3)1980-1990―
左利き用品に目覚めるまで」
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 前回は、
 「1972(昭和47)18歳-1979(昭和54)25歳 ――世界が間違っている」
 をお送りしました。

 高校卒業後、社会人となってから、「左利き友の会」を主宰していた
 精神科医・箱崎総一先生の著書『左利きの秘密』を読み、
 左利きの自分が間違っているのではなく、左利きを受け入れない
 この社会、この世界自体が間違っているのだ、と気付かされるまで、
 でした。

 

(第一回)
第651号(No.651) 2023/10/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [24]
レフティやすおの左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで」

2023.10.21
『左組通信』復活計画(24)左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで
-週刊ヒッキイ第651号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-ed7f5f.html

(第二回)
第653号(No.653) 2023/11/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [25]
レフティやすおの左利き自分史年表(2)1972-1979―世界が間違っている」

2023.11.18
『左組通信』復活計画(25)左利き自分史年表(2)1972-1979―
世界が間違っている-週刊ヒッキイ第653号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-3f10f1.html

 

 今回は、それ以後、生まれて初めての左利き用品である、
 左手用カメラ「京セラSAMURAI Z-2L」を手に入れ、
 左利きは自分の身体に合った左利き用品を使うべきだ、
 と気付くまで。

 <左利きミステリ>を含む「左利き年表」になっています。

*(参照)
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」1900年代
2023.4.15
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-d5c13e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/131b4f7933014dcedf057c75702ff28e

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]

  <レフティやすおの左利き自分史年表>(3)
 
  1980-1990―左利き用品に目覚めるまで
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

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(画像:本編の元となった、今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き自分史年表」のページ冒頭)

 ●「1980-1990―左利き用品に目覚めるまで
  【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-3」

*(注)科学書――特に脳・神経科学に関する本につきましては、
 最も発達が著しく、発行年代の古い本の場合、情報として
 古くなってしまっているものがありますので、ご注意ください。

====================================================================
(太文字=西暦(元号)年齢) レフティやすおの出来事 (茶文字=社会の出来事)(青文字=左利き・利き手関連文献
====================================================================

1980(昭和55)26歳 4/5(映画)『ミスターどん兵衛』山城新吾企画・製作・脚本・監督・主演、共演川谷拓三、他 ――山城新吾と川谷拓三の日清どん兵衛のCMがヒットし、映画に。

1980-mrdonbei-p
(画像:映画『ミスターどん兵衛』ポスター、チラシ)

(参照)『レフティやすおのお茶でっせ』2009.8.16
8月14日「どん兵衛」CM等で活躍の山城新伍さん(70歳)死去
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2009/08/814cm70-86f5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/08876f2f71e930b97c821bbd6a163650

2009814yamasiro

(画像:産経新聞2009年8月14日 訃報欄より)

⇒1977(昭和52) (TV CM)日清食品「どん兵衛」 テレビCM始まる  「きつねうどんから おあげとったら何になると思う」…
 「ただの素うどん」出演:山城新吾、川谷拓三
――左利きコンビが左手にお箸を持って「どん兵衛」を食べるCMは
とても好ましく、左手箸の左利きの人に大いに勇気を与えた。
日清食品「どん兵衛きつね」――

「どん兵衛」はヒットした。最大の要因はテレビCMだった。山城新伍と川谷拓三のひょうきんコンビのCMが人気を呼び、売り上げが急上昇したのである。小品を擬人化したどん兵衛というネーミングがあったからこそ、あのかけ合い漫才のCM世界が生まれたのだと思う。山城新伍の突っ込みと川谷拓三のぼけ具合が絶妙だった。
 / 発売二年目の一九七七(昭和五十二)年に売り上げ数量が一億食を超えた。きつねうどんの発祥の地は大阪である。根強いうどん人気もあってか、その年の二月の調査で、西日本ではカップヌードルを抜き第一位になってしまった。もちろんしばらくして巻き返しにあったが、一瞬でもカップヌードルの牙城を崩したのはすごいことだった。...
》p.78

――『カップヌードルをぶっつぶせ!――創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀』安藤宏基(あんどう・こうき) 中央公論新社 2009.10.7
「第2章 創業者とうまく付き合う方法/パッケージ戦力第二弾。ドンブリ型容器の「どん兵衛きつね」がヒット。「どんくさくてもいい」。社内の猛反対を押し切って商品名に。」より

 

『右手の優越』R・エルツ 吉田禎吾、内藤莞爾訳 垣内出版 (2001/6/1 右手の優越―宗教的両極性の研究 ちくま学芸文庫 ロベール エルツ (著), Robert Hertz (原著), 吉田 禎吾, 板橋 作美, 内藤 莞爾 訳)

(左利きミステリ、ショートショート)「最期のメッセージ」阿刀田高 『瑠伯』1980(昭和55)年夏季号 ――左利きの被害者の残したダイイング・メッセージの謎解き。
(収録短編集)『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 2009.1.15

12/20『左利きの本―右利き社会への挑戦状』ジェームス・ブリス/ジョセフ・モレラ 草壁焔太訳 講談社 The Left-Handers’ Handbook ――前半が、私が手に取った初めての翻訳ものの左利きの本。
後半は、翻訳を担当された草壁氏による日本編でした。

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第503号(No.503) 2017/10/7
「創刊500号突破!“13年目に向けて”特別号(3)」
 ●勇気を与えられた本
《この本で、“右利き社会と「闘う」”
 という行き方(方法)のあることを学んだ気がします。》
『レフティやすおのお茶でっせ』2017.10.19
創刊500号突破!13年目に向けて(3)-
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第503号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2017/10/500133--hikkii5.html

 

1981(昭和56)27歳
5/31(左利きミステリ、ショートショート)「兄弟」阿刀田高  東京新聞等に掲載
――えこひいきされる兄弟のお話。
ネタバレになりますが「ぼく左手・兄右手」という設定。
ベンジャミン・フランクリンの左手からの手紙という
<教育監督者への請願書>を連想させる作品です。
(のちに『新装版・最期のメッセージ』講談社文庫 収録、

同書には、1980年『琥珀』夏季号初出の左利きネタの
ミステリ・ショートショート「最期のメッセージ」も併録。
*「兄弟」は『イソップを知っていますか』新潮文庫(2012/6/27)、
 『アイデアを捜せ』文春文庫(1999/2/1) でも紹介されています。

(左利きミステリ・番外SF)「ブルー・シャンペン」
Blue Chmpagne ジョン・ヴァーリイ 浅倉久志/訳
原著初出オリジナル・アンソロジー『ニュー・ヴォイスIV』(1981)
→(1985)邦訳収録短編集『スター・シップ―宇宙SFコレクション(2)―』
伊藤典夫、浅倉久志/編 新潮文庫 1985(昭和50)12/1
――脳の言語中枢に働きかけて言葉の混乱を起こす幻覚剤と
左利きの人の場合の反応の違い。

 

1982(昭和57)28歳 4/30(参考書)『手と脳―脳の働きを高める手』久保田競  紀伊国屋書店
――利き手(作用の手)と非利き手(感覚の手)の役割の違いなど。

『手と脳 増補新装版』2010/12/24
――《【旧版との違い】脳科学の新たな成果をアップデートするとともに、
読みやすいレイアウトに。/第2章、9章は全面的に書き下ろし》

6/『春夏秋冬殺人事件』「冬の部 団地警察殺人事件」齋藤栄

――右使いの左利きの被害者、自殺偽装殺人事件。連作短編集のラスト。
 左利きならではの場面はなく、<左利きミステリ>としては名目だけ。
『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄 双葉社 1982/6 

『春夏秋冬殺人事件』 祥伝社 ノン・ポシェット 1995/4

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第420号(No.420) 2014/6/21 「名作の中の左利き~推理小説編27~
齋藤栄『春夏秋冬殺人事件』」
『レフティやすおのお茶でっせ』2014.6.25
左利きミステリ『春夏秋冬殺人事件』齋藤栄~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii420号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2014/06/hikkii420-a208.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/2479f287f13c41d921ee64bb97abd4db

 

10/(左利きミステリ)「停電にご注意」鮎川哲也 『小説推理』昭和57年10月掲載
――安楽椅子探偵<三番館>シリーズ。
 アリバイの時刻を示す証拠の写真の人物がみな左利きという謎。
(収録短編集)
『クライン氏の肖像―三番館の全事件III』<鮎川哲也名探偵全集>出版芸術社(平成15年4月)収録。

『材木座の殺人』鮎川哲也 創元推理文庫 2003/8/1

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第364号(No.364) 2013/5/18「名作の中の左利き
~推理小説編16~全員が左利きの謎「停電にご注意」鮎川哲也」
『レフティやすおのお茶でっせ』2013.5.22
名作~推理編16~全員が左利きの謎・鮎川哲也~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii364号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/05/16-hikkii364-3b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/cf81d782cad9508f380fe8b154670cb5

 

12/1『かくれた左利きと右脳』坂野登 青木書店

――指組み、腕組みでどちらの手が上側に来るかの違いが「利き脳」に関係しているという。

(文庫化・再刊)『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫

 

 

1983(昭和58)29歳 6/1『左きき学―その脳と心のメカニズム』ジーニー・ヘロン編 近藤喜代太郎、杉下守弘訳 西村書店  NEUROPSYCHOLOGY OF LEFT-HANDEDNESS(1980)
――近年の脳・神経科学の発達は著しく、情報としては古いが、第一章の左利き研究の歴史は目を通す価値はある。
「まえがき」近藤喜代太郎

ⅰp《利き手も脳の左右分化のひとつの表現であり、その研究を通して脳の神秘に迫るひとつの手掛かりでもあります。/左利きは古くから人々の注意を引き、それぞれの国や時代の水準を反映して種々の憶測が加えられ、また、少数者への寛容度を反映してさまざまに処遇されてきました。その意味で、左利きの問題は文化史の一側面ですし、それが脳機能の左右分化という立場から理解されるようになったのは、決してそう古いことではありません。》
〈近藤は自身が左利きで、それぞれ深い関心と同感をこめて本書の翻訳に当たりました。》

「序」J・へロン

ⅳp《嘲笑され、叱られ、物差しで打たれ、後ろ手に縛られもした悪い手。左利き者は辱められ、非難され、悪意に満ちた攻撃を受けた。こうした歴史にもかかわらず、左利き者は静かに朽ち果てるどころか、生き残っている。ではなぜか? それは、本書が示すように、彼らが好んでではなく、“神経学的命令”によって左手を用いているからである。》
ⅴp《原理の解明は例外を通じて行われることが多いので、左利き者の研究はこれら脳研究で重大な役割を果たしている。左利き者の仲には脳の非対称性の様相の異なる集団があり、様々の左利きの類型を調べ、個々の検討を加えて脳の機構について多くを学ぶことができる。/これらの研究の対象が左利き者であっても、真の設問は左利きそれ自体ではなく、ヒトの脳がどのように機能するかに向けられている。/本書を左利き者にささげる。ヒトの脳の神秘への疑問に回答をもたらす、最も重要な手掛かりになる近代的研究によって、ついには左利き者のユニークな特性が見出されるだろう。》

「第1章 左利き:初期の学説、事実、空想」ローレン・ユリウス・ハリス

(参照)『レフティやすおのお茶でっせ』2004.8.27
左利きの本だなぁ『左きき学 その脳と心のメカニズム』ジーニー・ヘロン編
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2004/08/post_3.html

 

1985(昭和60)31歳 4/11(TVドラマ)『スケバン刑事』主演斉藤由貴 フジテレビ系~85/10/31(全25話)

『スケバン刑事 VOL.1』 [DVD] 斉藤由貴, 林美穂 (出演)

11/7(TVドラマ)『スケバン刑事Ⅱ少女鉄仮面伝説』主演南野陽子 フジテレビ系~86/10/23(全42話) ――初代二代目と左利きの女優によるドラマ、武器の左投げのヨーヨーが決まってました。
『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説 VOL.1』 [DVD] 南野陽子 (出演), 相楽ハル子 (出演)

 

1/15(参考書)『左の脳と右の脳』サリー・P・スプリンガー、ゲオルク・ドイチュ(Springer, Deutsch) 監訳・福井圀彦、河内十郎 訳・宮森孝史、松嵜英士 医学書院
――第1章で「利き手と大脳半球」について、第5章「左利きのなぞ」で「左利きについての考え方の歴史」「利き手を決定することの難しさ」「利き手は遺伝により決まるのか」「なぜ双生児には左利きが多いのか」「利き手と機能的非対称性」「利き手と高次精神機能」など左利きに関する研究結果が示されている。

第2版 (1997/10/1)

 

12/1(左利きミステリ・番外SF)「ブルー・シャンペン」Blue Chmpagne ジョン・ヴァーリイ 浅倉久志/訳

邦訳収録短編集『スター・シップ―宇宙SFコレクション(2)―』伊藤典夫、浅倉久志/編 新潮文庫 1985(昭和50)12/1
→(1981)原著初出オリジナル・アンソロジー『ニュー・ヴォイスIV』(1981)
――脳の言語中枢に働きかけて言葉の混乱を起こす幻覚剤と
左利きの人の場合の反応の違い。

 

 

1986(昭和61)32歳 12/1『勝利投手』梅田香子 河出書房新社

――日本のプロ野球に左腕女性投手が入団。星野中日ドラゴンズがドラフト会議で指名した新人投手は、甲子園を沸かせたあのピッチャーだったが……。

 

1987(昭和62)33歳 『右利き・左利きの科学』前原勝矢 講談社/ブルーバックス

――手軽に手に取れる新書で、本格的な左利き・利き手の科学解説書。

 

9/ 『左ききの人の本 右にでるモノがない!』斎藤茂太 エムジー
――精神科医で性格の本などの当時の人気著述家<モタ先生>の左利き応援本。今では右利きから転換の左投手と知られる江夏豊さんを左利きの人の代表として、その性格を左利きの性格として解説している。

 

 

1988(昭和63)34歳 7/何度目かの就職先、電子機器製造の会社でハンダ付けの仕事を覚える。最初は見よう見まねで右手で始めるが、ある程度慣れたところで左手を使う。基本的にはどちらでもほとんど変わりなくできるようになる。みんなと流れ作業などするときは右手で、ひとり作業のときは左手で行うようになる。
――左手の方が細かい作業には向いている様子、スピードも若干速いか?
道具はペン型、ピストル型ともに右手でも左手でも使える対象形。 

 

9/ (SF、左右)『白壁の緑の扉』H・G・ウェルズ ボルヘス編バベルの図書館8 小野寺健訳国書刊行会
――「プラットナー先生綺譚」収録
「プラトナー物語」The Plattner Story (The New Review 1896/4)

 

(家電)シャープ、業界初、左右両開き冷蔵庫発売。

――<どっちもドア>、本来は置き場に困らない、出し入れ自由などキッチンでの使い勝手の向上という発想で作られたものだが、左利きにも便利で、家族で使う商品だけに、共用性のあるこの製品は好都合。
(参照)
SHARP > 冷蔵庫 > どっちもドア 選ばれ続けて35年
https://jp.sharp/reizo/door/

1988-sharp-dottimodoor

 

1989(昭和64/平成元)35歳 4/(左利きミステリ)『8の殺人』我孫子武丸 講談社
――“8の字屋敷”で起きた連続殺人。左肩にボウガンを構えた犯人…?
『新装版 8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(2008/4/15)

『8の殺人』我孫子武丸/著 講談社文庫(1992.3.15)

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第382号(No.382) 2013/9/21「名作の中の左利き
~推理小説編20~左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸」
『レフティやすおのお茶でっせ』2013.9.26
左利きの容疑者『8の殺人』我孫子武丸~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/09/hikkii382-d77d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56e12e92f4f6e9b32b29cf54de39238a

 

7/(カメラ)世界初左手用カメラ「京セラSAMURAI Z-L」発売。片手保持による縦型フォルムのニューコンセプト・カメラ、SAMURAI Zの左利き用。

 

9/(カメラ)「京セラSAMURAI Z」の一部機能を省略した廉価版「Z2」、左手用「Z2-L」発売。

(画像)1990のカタログから、左が左手用Z-L

 

4/1(プロ野球小説、文庫化再刊)『勝利投手』梅田香子 河出書房新社/河出文庫

 

 

1990(平成2)36歳 12/30左手用カメラ京セラ サムライSAMURAI Z2-L を買う。

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(画像:今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』の「左利きphoto gallery〈HPG4〉世界初 左手用カメラ/京セラKYOUCERA サムライSAMURAI Z2-L」のページから――hg.hph4(ページ冒頭)、hg.hph4 1(京セラSAMURAIZ製品カタログ)、2(雑誌の紹介記事より―『週刊プレイボーイ』1990年12月頃?、『モノ・マガジン』1991年4月2日号no.188)、3(添付の取扱説明書 専用アクセサリー 価格票) )

――生れて初めての左利き用品。当時各社からいろいろ出ていたニューコンセプト・カメラのひとつ。どれを買うか迷ったが最終的にはやはり左利きの私が買うならこれでしょう、ということで。まさにベスト・パートナーと呼ぶにふさわしい、フィット感。このときから、私は真に左利きに目覚めました! 左利きは左利き用のものを使わなきゃ、って。
ちなみに、これを買ったお店(大阪で一番有名なカメラ屋さんの日本橋店)の人に聞いてみたところ、左手用を売るのは3台目、引渡し前に動作チェックをするのだが右利きには扱いにくい、という話だった。

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第566号(No.566) 2020/3/7
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その2)その後の30年―左利きライフ研究の30年(1)」
 ●運命の時――
1990(平成2)36歳の年末12月30日
 ●『週刊プレイボーイ』の記事
「ぐぁんばれカメラ」
《ニューコンセプトカメラの元祖、サムライの第2世代。
 すっごくコンパクトになったボディは、
 とても持ちやすいカタチだ。(略)
 (左利き用のZ2-Lも同価格であるぞ)》
 ●生まれて初めての左手・左利き用品との出会い
今は消滅したホームページに掲載した文章を再録しましょう。
(この文章は、元々は、
弊誌『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第144号(No.144) 2008/8/2
「<左利きQ&A>(21)カメラと左利き」
「左利き講座<左利きQ&A>(21)カメラと左利き」
より転載したものです。)
 ◆左手用カメラの使用感
<左手用「京セラKYOCERA サムライSAMURAI Z2-L」
 を使ってみて思うこと>
 ●<利き手は心につながっている>
脳科学者・久保田競先生の著書『脳を探検する』によりますと、
利き手と非利き手の役割分担というものを考えますと、
利き手は「作用する手」、非利き手は「感覚の手」だそうです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4062085801/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
 ◆利き手では、反復練習で身につく作業より、心の作業を!
 ●自分が自分らしくなる
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.3.7
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(2)その後の30年(1)左手用カメラ-週刊ヒッキイ第566号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/03/post-fe5897.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/88bb26fc85ae82e9284a377bbcdbeaf3
 

 

  6/『左手のことば』秋山孝 日貿出版社

1952年生まれ(2022年没)のデザイナーでイラストレーターで元・多摩美術大学教授。擬人化された「左手」がペンを持っているイラストが表紙。
巻末に英語対訳の著者インタヴューで、「矯正」指導を受け苦しんだ話がある。

ぼくが小学校1年生のころに、ぼくは昭和27年生まれだから……昭和33年前後かな?。
 まあ昭和30年代のはじめにいろいろな人に左ききというのは、一般人のモラルに反していて、いやしいものであるというふうに教えを受けて、直すように強要されたというのがあって。
 でもぼくは左手のほうが使いやすいしね、細かい仕事をする、つまり字を書くのも絵を描くのも左手のほうが非常にうまくいくと。
 でもぼくの先生たちは直させるのに何と言ったかというと、文字は右利きの人にしか描けない図形であると。
 そうすると草書体が書けないだとか、英語は左から右へ行くものだから直しなさいだとかいわれたんだけれども、ぼくはそれに対して納得ができなかった。
 使いやすい手を替えて不自由な手を持つということにものすごく抵抗を感じたし、本当に納得がいかなかった。
 そこでぼくは左手を使っているのがそんなにみっともないのかと思って鏡に映しながら手を書いてみたら非常にスムーズにね、自然な感じで鏡に映っているわけ。
 で、また学校に行くと先生がのぞき込んで「左手を使うのをやめなさい!」と怒鳴る。
 「右利きに変えなさい、それは片輪なんだよ」ってね。
 その片輪ということもぼくには理解できなかった。
 心の底からの理解や納得がないことはやってはいけないよね、子供でも。
 悪くいうと頑固なんだけれども理解して納得できれば頑固は直るわけ、でも納得できなくてぼくは使ってる。
 先生の考えの中での「左手は悪」という既成概念に対する抵抗だね。


 

(1990・原著発行)(左利きミステリ、番外編)「呪われたティピー」エドワード・D・ホック 
収録短編集『革服の男―英米短編ミステリー名人選集〈5〉』光文社文庫 1999/11/1
――<左利きの探偵>西部探偵ベン・スノウ

 

-- 1980-1990 ――左利き用品に目覚めるまで --

 

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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [26]レフティやすおの左利き自分史年表(3)1980-1990―左利き用品に目覚めるまで」と題して、今回も全紹介です。

今回は、私にとって生まれて初めての左利き用品である、左手用カメラを手にしたときの感動から、左利きは自分の身体に合った左利き用の道具や機械を使うべきだと、目覚めたときまでの年表です。

また長くなっていますが、そのまま全文転載です。

これらの年表は、いずれさらに手を入れて個別にアップしてゆく予定です。

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弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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