2020.05.16

2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(5)その後の30年(4)「左組通信」-週刊ヒッキイ第571号

―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第571号 別冊編集後記

第571号(No.571) 2020/5/16
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その5)その後の30年―左利きライフ研究の30年(4)


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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第571号(No.571) 2020/5/16
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その5)その後の30年―左利きライフ研究の30年(4)
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2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その5)その後の30年―左利きライフ研究の30年(4)
 ホームページ「レフティやすおの左組通信」のこと
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 「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年」
 の4回目です。

 「その後の30年―左利きライフ研究の30年」の4回目です。

 前回は、ブランクの後のネットでの活動のお話でした。

 今回は、その中でも今はなきホームページの紹介を。


(1)
第564号(No.564) 2020/2/1
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その1)初めの30年」

2020.2.1
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(1)初めの30年
-週刊ヒッキイ第564号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-a8b3b5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/00be8ff2471350b61738e5f8e0efcae3

(2)
第566号(No.566) 2020/3/7
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その2)その後の30年―左利きライフ研究の30年(1)」

2020.3.7
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(2)
その後の30年(1)左手用カメラ-週刊ヒッキイ第566号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/03/post-fe5897.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/88bb26fc85ae82e9284a377bbcdbeaf3

(3)
第567号(No.567) 2020/3/21
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その3)その後の30年―左利きライフ研究の30年(2)」

2020.3.21
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(3)
その後の30年(2)世界に発信!-週刊ヒッキイ第567号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/03/post-e445ac.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6dc7d2cd154612ea4bcf3545240cc45c

(4)
第569号(No.569) 2020/4/18
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その4)その後の30年―左利きライフ研究の30年(3)

2020.4.18
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(4)
その後の30年(3)ブログ開設まで-週刊ヒッキイ第569号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/04/post-e8ac3c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/1557e93e24fb33b4673a8d9453edfd15

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  2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
  (その5)その後の30年―左利きライフ研究の30年(4)
   ホームページ「レフティやすおの左組通信」のこと
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 ●「目次」リスト

2016.11.10 15:00 で消滅しました
私の「左利き」に関するホームページのタイトル

 左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announncement

Hidarigumi00

Hidarigumi0002

「左組HIDARIGUMI左利きのページ Lefty's Pages」
「暗亭KURAGARITEIやすおのページ Yasuo's Pages」

左利きのページのみ紹介

--
左利きを考える レフティやすおの左組通信
Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announncement 
目次
(初出)2004.1.7(前回)2009.9.27(最終)2009.11.29

左組HIDARIGUMI左利きのページ Lefty's Pages
--

Hidarigumi-top01-01

 ●コンテンツ・その1「左利き私論」

私の左利きに関する意見、考え方を示す文章

--
【レフティやすおの左利き私論】
● <はじめに> 現状について[左利きを考える]

● <私論1>左利き宣言
左利きのやっちゃんです 私の望み 左利き宣言

● <私論2>右手使いへの変更(左利き矯正)について
・(かつては「左利き矯正」と呼ばれた)
 右手使いを試みる行為について
・「(左利きの)矯正」を死語にしよう
・再び「(左利きの)矯正」を死語にしよう
―生きた言葉として使わないようにしよう

● <私論3>左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
その1・左利きは自然のままで 
その2・左利きで困るのは…
その3・社会のあり方を変えてゆこう
その4・幼児期には利き手の確立を
その5・子供の良き味方、心の支えになろう
その6・左利きの子にやさしい環境を整えよう
その他・weblog『レフティやすおのお茶でっせ』関連記事

● <私論4>左手で字を書くために 
メルマガ『週刊ヒッキイ』掲載の
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」その13,14を
転載したものです。

●new! <私論4> 左手で字を書くために(その2)実技編
メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』に掲載した
≪左利き学入門≫「左手書字の研究―実技編」
を転載したものです。
--

ライブドア・ブログ
「左利きライフ研究家レフティやすおの左組通信ブログ」


2018年
「<はじめに>現状について」「<私論1>左利き宣言」の紹介と、
その14年後の解説・一言をつけ加えた記事をアップ

 ●コンテンツ・その2「左組通信」

左利きに関する身近な話題

--
【左組通信】- 左利きの話題
■ <左組通信1> 2004年2月 2004年1月 2003年12月
■ <左組通信2> 2004年4月 2004年5月
■ <左組通信3> 2004年6月 2004年7月
■ <左組通信4> 2005(平成17)年 新年のあいさつ
--

 ●コンテンツ・その3「<左利きプチ・アンケート>」

弊誌、メルマガ「左利きで生きるなら 週刊ヒッキイhikkii」
メイン・コンテンツの一つだった左利きに関するアンケート
第一回から最新回(第64回)まで

Hgenq000

--
【◆<左利きプチ・アンケート>◆】
(最新版は表紙で実施中)

※「R25」2007.12.6 No.170で
「第2回左利きで困ったこと」が
紹介されました! ↓
「ランキンレビュー/右利きが左利きより多いのはなぜ?」

(2009年より、 隔月で新アンケートを追加)

(2009.6.28より、隔月で
過去の受付停止アンケートの焼き直し版を「再版」として実施)

<主なアンケート>
<利き手調査・利き手テスト関連アンケート>
<最近のアンケート>
--

全9コンテンツのうちの3つまでの紹介

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本誌では、「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その5)その後の30年―左利きライフ研究の30年(4)」と題して、今はなきホームページ「レフティやすおの左組通信」のコンテンツ――左利きについての私の意見・考えをまとめた「レフティやすおの左利き私論」、メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』のメイン・コンテンツ一つだった左利きについての各種アンケートのページ「左利きプチ・アンケート」について紹介しています。

「<左利きプチ・アンケート>」各回のタイトル紹介は割愛しました。
お知りになりたい方は、本誌をご購読の上、確認してくださいね。

このアンケートに関しましては、それぞれのブログ記事からアンケート内容および現在の結果を見ることができる(はずです)。
個々のアンケートについて本誌からそれぞれのタイトルをネット検索していただければ、見つかるでしょう。

今回は、全9つのコンテンツ中の3つしか紹介できませんでした。
残りの6つ――なかでもメイン・コンテンツになっている、私の愛用左利き用品等の画像を集めた「左利きphoto gallery」、戦後左利き文化史の一面もある「レフティやすおの左利き自分史年表」などは、次回になります。

乞うご期待!

 ・・・

では詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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2020.03.21

2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(3)その後の30年(2)世界に発信!-週刊ヒッキイ第567号

―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第566号 別冊編集後記

第567号(No.567) 2020/3/21
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その3)その後の30年―左利きライフ研究の30年(2)」

 

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 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
   に変更しました。

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3月から再配信を復活させる予定でしたが、
しばらくお休みとします。

左利きライフ研究30年を記念した
“何か”に時間を割きたいので、
ご了承ください。

 

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右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第567号(No.567) 2020/3/21
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その3)その後の30年―左利きライフ研究の30年(2)」
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2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その3)その後の30年―左利きライフ研究の30年(2)
 『モノ・マガジン』左利き特集号が参考書に!
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 前々号、前号に引き続き、
 「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年」
 の3回目です。

 「その後の30年―左利きライフ研究の30年」の2回目です。

 前回は、私の左利き活動・左利き研究のきっかけとなった
 左手用カメラ「京セラ・サムライZ2-L」との出会い
 について書きました。

 今回はその続きです。

 

(前々号)
第564号(No.564) 2020/2/1
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その1)初めの30年」

2020.2.1
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(1)初めの30年
-週刊ヒッキイ第564号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-a8b3b5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/00be8ff2471350b61738e5f8e0efcae3

(前号)
第566号(No.566) 2020/3/7
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その2)その後の30年―左利きライフ研究の30年(1)」

2020.3.7
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(2)
その後の30年(1)左手用カメラ-週刊ヒッキイ第566号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/03/post-fe5897.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/88bb26fc85ae82e9284a377bbcdbeaf3

 

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  2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
  (その3)その後の30年―左利きライフ研究の30年(2)
   『モノ・マガジン』左利き特集号 ~ 世界に発信!
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 ●左利き活動のきっかけ
左手専用カメラ、
「京セラ・サムライZ-L」廉価版「Z2-L」シリーズ
《自分の能力を目いっぱい活かしたいなら、
 自分の身体に合った道具を使わなければダメだ》

 ●『モノ・マガジン』左利き特集号が参考書に!
1991年3月
『モノ・マガジン』左利き特集号 1991年4月2日号 No.188
「特集/左を制するものは時代を制す/左利きの商品学」
Mono-magazine199142

 

Mono-magazine199142-cot

 

 ●左利きライフ研究へ
《左利きの人は、身体に合った道具である、
 左手・左利き用品を使おう》という左利き用品普及運動から、
「生命」「生活」「人生」3つの領域全般に渡る左利きの研究へ

 ●きっかけはある相談

 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』創刊
1994(平成6)年40歳

 ●世界に発信!

「左組」季刊誌『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』紹介――

 

・1994年10月
『モノ・マガジン』「11月2日号 No.278」
左利き編集者氏によるコラム「左利き生活向上委員会」に

 

Mono-magazine1991112

 

・1995年6月
イギリス「Left-handers Club」レフトハンダーズクラブ
機関誌『The Left-Hander』no.20 に「LHC of JAPAN」として

 

The-lefthander-1995-no20

 

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本誌では、左手用カメラSAMURAIを手にして左手・左利き用品に目覚めた私が、左利き用品普及活動を始めたこと、
それが、心理的・精神的な面も含めた「左利きライフ研究」に進んだきっかけと、その後に始めた季刊誌「LL」のこと、
「LL」によって「世界に発信」することになったいきさつについて書いています。

ネットもない時代においては、まあまあよくやった方ではないか、と自画自賛しています。

もちろん、もっとやれたこともあったと思います。
A新聞から電話取材を受けたこともありましたし、もっと積極的になっていれば、また違った展開になっていたとも思います。

でも、性格的に前に出るタイプではなく、そこまでの行動には走れませんでした。

 

思えば何年か前も、『マツコの知らない世界』というテレビ番組からも連絡が来ていたものです。
その時も、テレビに出て話をする柄ではない、とお断りしました。

その辺が自分の弱いところでもありますが、まあ、これも左利き同様、そういう風に生まれついたのだということで……。

 

もう済んでしまったことでもあります。
今更何を言っても仕方のないことですよね。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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2020.02.24

左利き対応への要望は「理不尽なクレーム」か?

2月17日に見たネットニュースにカチンときたので、書いてみます。

このようなニュースの取り上げ方に、多数派・主流派の傲慢さ、おごりのようなものを感じてしまうのは、少数派・非主流派の左利きである私のひがみでしょうか。

 

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 (カチンときたニュース)
 ●左利き対応の要望は「理不尽なクレーム」か?
 ●お店の格により対応は違う?
 ●「事前に一言尋ねれば済む」問題では?
 ●「普通」って何?――
時代によって、構成員によって「標準」は変わる
 ●左利きに配慮した教科書の登場
 ●他社の左利き対応の状況について
 ●受け入れる時代――教科書採択についての議事録より
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カチンときたニュース

定食屋でクレームをつけた男性客 意味不明な内容に「出禁にすべき」

---
和食の配膳位置といえば、ご飯茶碗を左手前、汁物を右手前に配置するのが一般的だろう。
中には利き手によって配置を変える人もいるが、飲食店などで利き手を把握してもらうことは難しい。
『Yahoo!知恵袋』では定食屋で起こった出来事について相談が寄せられている。

■左利きの男性客がクレーム
定食屋で遭遇した出来事についてつづった投稿者。
隣に座った男性客が注文を済ませ、店員からトレイに乗った料理が提供された際に「ちょっと、右利き前提で置いてるけどこの置き方だと左利きの人は食べづらいでしょうが」とクレームを付けていたという。

■さらに言葉は続き…
男性の言葉はまだ続き、「左利きは茶碗を右手で持つでしょ? 
右手が味噌汁の器に当たらないようにご飯を右、味噌汁を左にして持ってくるのが普通でしょ。
おたくらは客を相手にしてるんだから」ときつく当たっていたそうだ。
もちろん、店員は男性が左利きであることは知りもしないため、「店内中がドン引きしていた」と状況を振り返り語った。

■「出禁にすべき」との意見も
サービス業とはいえ、来店する客の利き手まで気にしている余裕はないだろう。
この投稿を受けて、ユーザーからは
「単なるクレーマーです。出入り禁止にするレベルだと思います」
「世間一般は右利きが多いからご飯は左に置くのが普通でしょう」
と店員に同情する声が多く寄せられた。

■お客様は神様?
今回の件のように、客という立場を利用して理不尽なクレームをつけるケースは少なくない。
しらべぇ編集部が全国の20~60代の男女1,365名を対象に調査を実施したところ、全体の6.3%が「お客様は神様だから偉そうにしてもいいと思う」と回答。
数値としては1割以下だが、「お客様は神様」という概念を持つ人は一定数いるようだ。

男性を接客していた店員はもちろん、投稿者含め周りにいた客も不快な思いをしたに違いない。
自らの行動を省みるべきだろう。
(文/しらべぇ編集部・稲葉 白兎)
---

 

 ●左利き対応の要望は「理不尽なクレーム」か?

私自身は、「お客様は神様」だという意識はありませんが、「お客さんはみな同じ人間であり、平等な権利を持つ存在だ」というふうには考えています。

ここでは、私は、左利き対応についての要望を、単純に「理不尽なクレーム」と一緒にする感覚が怖い、と思います。

まず最初にいわなければならないことは、「同じ料金を払っていて、同じレベルのサービスを受けられないのはおかしい」ということです。

右利きの人も左利きの人も同じ料金を払っている。
にもかかわらず、左利きの人は「そのままでは食べにくい」という一段下の異なる対応をされている、というが現実です。

そもそも配膳における食器類の置き方は、食べる人が「食べやすいように、粗相をしないように」という配慮から考え出されたものです。
右利きの人が多数派なので、「右利き仕様の置き方」が「標準」とされている、ということです。

 

今回のケースのように、左利きの人への対応を求める意見を「理不尽なクレーム」と受け止める人は、たぶん右利きの人でしょう。

右利きの人の多くは、自分が運良く主流派の右利きに生まれ、主流派の右利き故に、右利き偏重の現状の社会にあって恵まれた立場にある、という事実を認識していないのです。

左利きの人は誰も、左利きに生まれようとして生まれてきたのではありません。
同様に、右利きの人もそうです。
偶然の結果です。

自分自身が、社会の主流派に属し、恵まれた立場にあると自覚していれば、おのずからその事実に感謝の気持ちを抱き、そうではない人に対する思いやりの気持ちも生まれるでしょう。

少数派の非主流派の人からの要望や要求を直ちに「理不尽なクレーム」扱いをするのは、やはり間違っているのではないでしょうか。

あまりこういう書き方はしたくないのですけれど、もしこれが障害者からのクレームならば、ネットの反応も違ったものになっているのではないでしょうか。
建前で物を言う人も多いので。

ところが、左利きの問題となりますと、左利きに対する認識不足もあり、単なるわがままとか自分勝手と受け止める人も多いようです。

 

このお客さんの言い方にも問題はあったかもしれません。

ただ、そういう事情は抜きにして、単純に「左利き対応への要望」を「不当なこと」でもあるかのように取り上げるのは間違っている、と思います。

 

 ●お店の格により対応は違う?

もちろん、店には格というものがあります。
そこらの定食屋で、左利き対応を求めるのは、現状の社会通念では、「野暮」というものかもしれません。

しかし、ある程度の格の店なら、お客さんに合わせて配慮しても罰は当たらないでしょう。

たとえば、銀座の名店、ミシュラン三つ星の常連「すきやばし次郎」は、店主自身が左利きということもあり、客をみて、左利きの客には、左向きに寿司を出すといいます。

 

--
 《左利きのお客には握りを「ノ」の字のように斜めに置き、
  つかみやすくする……。》
宇佐美伸/著『すきやばし次郎 鮨を語る』文春新書 2009.10.20

 というもの。

 ふつうにぎりずしを並べる際は、
 右手(に持った箸)で取りやすいように、

 「\\\…」

 という角度に並べます。

 ところが、二郎さんは、相手に合わせて出すというのです。

 《山本:(略)真っ直ぐに置かずに、
  客が手でつまみやすいように、
   ちょっと角度をつけて置かれます。
   (略)あれは意識して置かれているんですよね。
  二郎:はい。
  山本:その最初の一個を左利きで召し上がるお客様だったら、
  すかさず二個目からは……。
  二郎:左に向けます。》
山本益博/著『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』新潮新書 2003
--

(左利きメルマガ)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』  第539号(No.539) 2019/4/6
 「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
 左利き者の証言から~11 左利きの寿司職人・すきやばし次郎(後)」
より

Sukiyabasijirou_20200226153701

この場合は、お客さんを目の前にした寿司屋さんならでは、という特殊な条件もありますけれど。

 
 ●「事前に一言尋ねれば済む」問題では?

「店員が客の利き手を知らないのは当然」と受け取る感覚も、どうかという気がします。

「サービス業とはいえ、来店する客の利き手まで気にしている余裕はないだろう。」

なるほど、お昼時、大勢の客が殺到する様な定食屋さんではいちいちお客さんの利き手まで確認していられないかもしれません。

しかし、入店時に、「何人さまですか」とか「おタバコは?」などと確認して、席までお客さんを案内するような店なら、そのときに、あるいは、注文をとるときに、「右利きでお食べですか、左ですか」と訊いてもいいのではないでしょうか。

一人一人に「右利きか左利きか」と訊かなくても、グループなら「左利きの方はいらっしゃいますか」と訊く。

一人に訊く場合でも、「左利きで召し上がりますか」。
もっと簡単に「左で召し上がりますか」でも理解できるでしょう。

いちいち訊くのは面倒だというのなら、店頭の目に立つところに「左利き対応をお望みの方はその旨お申し付けください」と張り出すなり、メニューの始めにでも明記しておくという方法もあるでしょう。

 

もちろん現状では、「右利きに決まってるやろ、当たり前やないか」と「ふざけたこと聞くな」というバカにするようなお客さんも出てくるでしょうけれど。

 

しかし、いずれは、格の高いお店なら、お客さんの利き手を確認して配膳する、というサービスを標準とするところも出てくることでしょう。

今でも、あるレストランでは、予約の際にちゃんと「利き手は?」と訊いてくれて、当日には、ナイフとフォークを左右入れ替えてあり、食べやすく嬉しかった、という意見をネットで見かけた記憶があります。

 

そういえば、ステーキの焼き加減をお客さんの好みに合わせてくれるようなレストランなら、お客さんの利き手を確認して、ナイフとフォークの並べ方をかえるぐらいのサービスは、当然のこととして対応できるでしょう。

 

要するに、「事前に一言尋ねれば済む」問題、でもありますからね。

仮に左利き対応することになっても、現場が大混乱するということはないでしょう。

なぜなら、左利きはせいぜい10%程度といわれています。
左利き対応するお客さんの数も、それぐらいでしょう。

残りの大半のお客さんは今まで通りの対応でいいのですから。

 

結局、そういう少数派への配慮を当然のことと考えられるかどうかの人間性の問題です。

あるいは、人間としての優しさの違い、という言い方もできるでしょうか。

 

 ●「普通」って何?――時代によって、構成員によって「標準」は変わる

「世間一般は右利きが多いからご飯は左に置くのが普通でしょう」というのも、気になります。

確かにそれが多数派であることは確かですが、だからといって、常にそれが「正解」とは限らないのも事実です。

先にも書きましたが、今の「正式」とされる配膳は、必ずしも「絶対的な正しい」作法ではない、ということです。

右利きの人が多数派なので、それにあわせた一般的な場における「標準」になっているだけのことです。

 

それは、「標準語」が「正しい日本語」で、「方言」が「間違った日本語」だ、というわけではないように、一つの標準を意味しているだけのことです。

 

社会における「標準」というのは、社会における「最大公約数」ではないでしょうか。

「偶数」のみの数のグループにおける最大公約数は「偶数」です。
たとえば、6と12なら、最大公約数は6で、偶数。

しかし、一つ奇数が入ると、その数のグループの最大公約数は、「奇数」になります。
先の6と12のグループに、9という奇数が入ると、その数のグループの最大公約数は3という奇数です。

最大公約数はそのように、構成する数という要素により異なってきます。

社会の標準も、構成員が様々に変化すれば、標準も変化するのです。

 

構成員が「右利きの人のみ」なら、標準は「右利き仕様のみ」でいいでしょう。
しかし、左利きの人が加われば、それでは困ります。

「右利き仕様のみ」ではなく、左利きにも不都合のない「左右両方で使えるもの」になって欲しいのです。

これからは、多様性の時代です。

男女同権とか、障害者や社会的弱者に優しい社会になっていくべきでしょう。

 

食事の際の対応にしましても、同じです。

8月13日「国際左利きの日」に、左利きの人に敬意を表し、左利きの人が食べやすいように「お箸を左右逆さまに置くイベント」を実施する
LEFTEOUS(facebook) という活動がありました。

そういう考えを拡げ実践しようという人たちもいます。

 

私にいわせれば、こういう「○○が普通」といった物言い自体に多数派・主流派のおごりが感じられます。

昔、何かの会や団体では、(下は児童会や生徒会から始まり、たいていの男女が関わる団体では)「会長は男性、副会長が女性」というのが、当たり前だったことがあります。

さらにいえば、今たいていのお店には、「盲導犬・介助犬以外の動物の入店はお断りします」とあります。

昔は、盲導犬であろうが介助犬であろうが、動物の入店は断られたものでした。
どのような種類の動物であろうと、動物の入店がダメなのは「普通」であり「当たり前」だったものです。

 

このように時代によって、「普通」の中身は変わります。

昔は、問答無用で「左利きは直すもの」とされました。

しかし今では、左利きという性質が、脳神経系に関わる固有の性質で、意思でどうにかなるものではない、という事実が知られるようになり、左利きは左利きのままでいい、という考えが普及してきました。

 

そして、左利きの人のために左利き用に道具を普及させようと、2月10日は「左利きグッズの日」という記念日も知られるようになりました。

*参考:
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.2.8
2020年2月10日は令和初の〈左利きグッズの日〉-文末に嬉しい情報あり

 

これからの時代は、多様性の容認の時代と言われています。
「みんなのためのデザイン」を目指すというユニバーサルデザインの考え方には、左利きの人も含まれています。

ところが、まだまだ左利きへの理解が不十分なケースが見られます。
左利きへの理解も含めて、まずは「心のバリアフリー」が必要です。

 
 ●左利きに配慮した教科書の登場

左利きへの理解を進める意味でも重要だ、と私が考えていることに「学校教科書に左利きの事例を入れるという」事項があります。

学校教科書は誰もが目にするものであり、教科書に書かれていることは物事の基準となるもの、と考えられます。

そこに記載されるということは、その時点で「左利きが公認された」という意味を持ちます。

 

学校教科書、なかでも小学一年生の書写教科書に、学問の道具ともいうべき「字を書く」という技術の例として、左手書き・左利きの例を入れるということが重要だ、と考えています。

従来は、右手書き・右利きの例だけでした。
まるで、左手で字を書く人がいないかのように、もしくは、左手で字を書くことはいけないことであるかのように。

 

しかし左手書字例が実現すれば、時代を担う子供たちが教科書の左右の例を見ることで、世の中には右手で字を書く人もいれば、左手で字を書く人もいるのだという事実を知り、左利きへの理解も進むでしょう。

それだけではなく、左利き以外の様々な多様性への理解にもつなげて行くことができるのではないでしょうか。

 

そして今年初めて、東京書籍の令和2年版小学一年書写教科書で、左手に鉛筆を持つ左利きの写真例が掲載されたものが登場します。

『レフティやすおのお茶でっせ』2020.2.9
左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」

に書いています。

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(画像:東京書籍令和2年版小学一年書写教科書の左手書き・左利き例) 

右手・左手どちらの持ち方も掲載
 右利きの持ち方の写真のみが掲載されていたこれまでの教科書では、左利きの子供たちは写真を頭の中で反転させて、それを自分の手指で再現しなければなりませんでした。
 そこで、左利きの写真を載せることで不要な負担をなくすよう配慮しました。

東京書籍の書写教科書サイトにあります。

私にいわせれば、当たり前のことなのですが、それがやっと実現したというのが、現状です。

 

 ●他社の左利き対応の状況について

左利き対応に限って、小学書写教科書を五社についてネットで見てみました。

東京書籍は、すでに報告していますように、左手書字例を写真で入れる等の対応をしています。

学校図書は、「硬筆学習用の書き込み欄を、教材文字の真下に配置することで、利き腕を問わず、教材文字が手で隠れないようにしました。」 日本文教出版は、「教科書への書き込み欄を手本文字の下に配置し,右利きでも左利きでも手本を見ながら書けるようにレイアウトが工夫されている。」

この二社は、書き込み欄の位置を工夫しています。

教育出版は、「教師向け指導資料」としてPDFで、「〔硬筆編〕見落としがちな左利きの持ち方の指導」「〔毛筆編〕姿勢,筆の持ち方,左利きの指導例」というように、教師向けの資料でのみ対応しています。

光村図書出版は、特に記載がありませんでした。

 

これだけでいうのはどうかという気もしますが、世間の左利きへの関心はまだまだ低く、左利きに対する正しい認識も不足していると、私には思われます。

 

 ●受け入れる時代――教科書採択についての議事録より

最後に、こういう言葉を紹介しておきましょう。

こちらの小学校教科書採択についての議事録より

掛川市教育委員会定例会議事録
(1) 令和2~5年度使用の小学校教科書採択について
【家庭】「東京書籍」

委員:右利きの包丁の使い方、左利きの包丁の使い方それぞれが載っている。
 委員:一昔前なら修正しなければいけないとされたものが、現在では多様性、違うものを受け入れられる時代となった。
  今までは駄目と言われたことでも、今からは受け入れる時代になっていることがしっかりわかった。

 

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(画像:東京書籍の家庭科の教科書の左手例) 

 

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2020.02.09

左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」

先の
「「2020年2月10日は令和初の〈左利きグッズの日〉-文末に嬉しい情報あり」」
で、書きましたように、
左利きメルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」で、長年訴え続けてきた「小学書写教科書に左手書字例を!」を実現させた教科書が誕生しました。

先日、久しぶりにネット検索したところ、以下のようなものを見つけました。

 

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新しい書写 | 2年度用 小学校教科書のご紹介 | 東京書籍 - 東書Eネット 東京書籍が発行する,2年度用 小学校教科書「新しい書写」についてのご紹介ページです。
... ○1年P28-29. 教材文字に集中できる.
「毛筆教材の周りに、イラストなどほかの要素があると集中できない子がいる」との現場の先生方の声を受け、毛筆教材文字の周囲には他の要素は置かず、毛筆教材 ...
右手・左手どちらの持ち方も掲載 ... 水書用筆で運筆を体感することで、硬筆での適切な書字動作が身につくことが期待できます。
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(画像:東京書籍 2年度用小学一年「あたらしい しょしゃ」表紙)

 

「特色3 書くことが楽しくなる教科書- 学びに向かう力が養われます -」のページの冒頭にこうあります。

1全ての子供の学びやすさのために
特別支援教育
ユニバーサルデザイン
特別な教育的ニーズのある子供に分かりやすく工夫した紙面は、特性の有無に関わらず誰もが学びやすい、
東京書籍がめざすのはそんな教科書です。
左利きの子供にとっての学びやすさにも向き合いました。

なんと、《左利きの子供にとっての学びやすさにも向き合いました。》と言う言葉通り、「特別支援教育への配慮」「色覚多様性への配慮」とともに「左利きへの配慮」という項目ができています。

右手・左手どちらの持ち方も掲載
右利きの持ち方の写真のみが掲載されていたこれまでの教科書では、左利きの子供たちは写真を頭の中で反転させて、それを自分の手指で再現しなければなりませんでした。そこで、左利きの写真を載せることで不要な負担をなくすよう配慮しました。

 

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(画像:上記サイトより無断拝借 ●1年P4-5、下は黄色枠「左手例」の拡大図)

 

左手書きの写真には、

ひだりてで もじを かく ひとも、えんぴつの さきが みえるように きを つけよう。

と注意書きがあり、
字を書く時のそれぞれの手の位置を示すイラストに添えられた紙を押さえる左手には、

えんぴつを もたない ほうの てで、かみを おさえよう。

とあり、「ひだりてで」といった右手書き特有の決めつけはなく、あくまでも「えんぴつを もたない ほうの てで」と、左右の区別のない表現で指定しています。

 

3年用の教科書では、毛筆の際の用具の配置について「左手で書く場合 用具を左右入れかえるとよい。」という注意書きとともに、右側にお手本、左側に筆と硯を置いた写真で示されています。

 

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(画像:同 ●3年P5)

書き込み欄の配置も工夫
左に教材文字、右に書き込み欄。教科書によくある配置ですが、左利きの子供の場合、書くときに手で教材文字が隠れてしまいます。
『新しい書写』は、教材文字と書き込み欄を上下に配置したり、書き込み欄を左右両方に配置したりして、利き手に関わらず教材文字が見えやすい工夫をしています。

 

2年用には、「左右の どちらの 行に 書いても いいよ。」とあります。

 

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(画像:同 ●2年P18)

 

昨今の市販の文字練習帳の類いでも、圧倒的に右手書きに便利な右側に練習スペースを置いたものになっています。
右手で書く場合には便利かもしれませんが、左手で書く子には全く不便なものになります。
市販のものなら、各自がベストのものを選べば済むこと、という言い方もできます。

しかし、誰もが用いる学校教科書では、そういうわけにはいきません。
不平等になるからです。

これは絶対に必要な配慮だと思います。

 

 ●私の夢の一部がかなった教科書

令和2年度版ということで、今年からの教科書に掲載されるということです。

従来民間の幼児向け教材では、左手書きの写真なりイラストなりが掲載されていました。

しかし、肝心の学校の教科書では、一部の教科で左利き対応が為されていただけで、書写の教科書では、右手書き一本でした。

字を書くという行為は、学問の道具そのものと言っても過言ではないでしょう。

 

先の記事でも書きましたが、

--
今の学校教科書、特に小学一年生の書写の教科書には、初めて字を書くことを学ぶ子供に向けて、字を書くときの鉛筆の持ち方や字を書くときの姿勢を、写真やイラストを交えて説明しています。

しかし、その写真やイラストは、性差別に配慮して男児と女児をモデルに使い分けしているのですが、字を書くモデルは右利き・右手書きのみになっています。

この世の中には、左手で字を書く人がいないかのように。
あるいは、左手で字を書くことはいけないことでもあるかのように、とも言えるでしょうか。

これでは、左利きの子を持つ親御さんが不安になるのは当然のことでしょう。

この学校の教科書に、右利き・右手書き例でだけでなく、左利き・左手書き例を載せることが重要だ、と考えています。

なぜなら、現実のこの世の中には、右手で字を書く人もいれば、左手で字を書く人もいる/いてもいいのだ、という多様性の容認の証の一つになるからです。

さらにいえば、左手で字を書く子の存在を知らしめることで、右利きの子にも自分とは異なる書き方をする人もいるのだ、ということを知らしめ、人間の多様性を知る一助にしてもらえるだろうということです。
--

 

それが、いよいよ実現しました。
一社とはいえ、令和2年版から左利きに配慮した書写教科書が登場するというのは、大きなニュースです。

さすがに、かつて左利きの子供のための生活支援のガイド本
『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009.4
―左利きの子を持つ親で自身左利きの著者によるイギリスの有名左利き用品専門店オーナーによる、今までの日本になかった、左利きの子供を持つ親・先生へ向けた、左利きの子の生活支援のための手引書。

を出版した会社です。

 

まだまだ私の考える理想的な「完全左右平等」「完全左右同権」というレベルではありませんが、この最初の一歩は重要です。

「人類にとっては大きな一歩だ」といったのは、月着陸に成功し、月面に降り立ったニール・アームストロング船長の言葉でした。
(「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ。」)

 

各社の教科書では、字を書く姿勢のモデルに男児と女児を併用したり、色覚に異常のある人へのカラーユニバーサルデザインが当たり前のことになっているのですが、左手書き・左利きへの配慮も為されるようになってほしいものです。

この教科書がその突破口になり、他社の教科書にも普及することを願ってやみません。

 

 ●改善してほしい点をいくつか

と、ここまで書いたところで、最後にもう一度、私の理想とするところと比較して、の改善すべきと思う点を説明しておきましょう。

あくまでも理想ですので、こうでなければダメだというわけはありません。
駆け引きもありますからね。

 

【私の考える理想的な「完全左右平等」「完全左右同権」の書写教科書への改善点】

・イラストや写真について
(1)右手書き・右利き例と左手書き・左利きの例の写真の大きさを同じにする
―左ページと右ページの見開き2ページで並列に配置し、比較しやすくする
(2)机上の手の置く位置を示す写真も左右用意する
―上下2段配置でいいので、左手書きと右手書きでそれぞれの手の役割の違いを明らかにする
(3)上半身の書く姿勢も左右両タイプ入れ、客観視できるようにする
―(2)では、自分から見た位置が理解できるが、それとは別に他人の視線からの画像があれば、左右の違いがより明らかになる

・書くときの用紙の位置について
左手書きの場合、縦書きは特に気にならないが、横書きはむずかしいので、アドバイスが必要でしょう。
(4)右手書きの横書きは、中央に用紙を置いて書いても問題はないが、左手書きの場合は、用紙を全体に左に寄せて置く
―用紙を左寄りに置くことで、右方向へ書き進める際に、左腕の可動域の範囲内で書けるように、右側に余裕を持たせることができる
(5)用紙を右端を下げた斜めに配置する
―左手書きの場合、右方向に行けば行くほど、腕の自然な動きで手の位置が下がってくるので、その動きをカバーするため

・書くときの鉛筆やペンの持ち方について
左手で横画を左から右へ書く場合、押し書きになり、鉛筆やペンの先が紙に引っかかることがあります
(6)ペン先の角度を左下から右上方向(時計でいう1時~2時の方向)にするのではなく、なるべき垂直方向(12時方向)にする
(7)左手をよりスムーズに動かせるように、手のひらの側面をべったりつけるのではなく、手のひらの角の骨(豆状骨?)と小指の第1関節より先の2点で支える

 

以上、今思い当たるポイントを書き出してみました。

 

教科書会社の皆様、
これらの意見を参考にして、より良い教科書作りに反映させてください。
よろしくお願い申し上げます。

 

*参考:左手で字を書く方法等〈左手書字〉に関する記事

2011.4.21
左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)1ペンを持つ手の構え

2017.4.29
左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)2ペン(筆記具)の持ち方

 

*参考:他の教科における左利きへの配慮の例

東京書籍・家庭 教科書 「基礎・基本をくり返し確かめよう」では、ネットに接続して動画が見られると説明があり、そこに「例」として「皮のむき方(右きき)/皮のむき方(左きき)」が示されています。

 

「3 実践的・体験的に楽しく学びながら,生活の自立を目指します/誰もが学びやすく基礎・基本が確実に習得できます。」

巻末資料「いつも確かめよう」p.132〜133では、イモの皮むきの左右例が示されています。

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(画像:イモの皮むき 左右両方の実寸大写真を掲載 青枠が左手例)

 

 

*参照:【私が過去に実施した「小一書写教科書に左手書字例を!」プロジェクトの例】

・第258号(No.258) 2010/4/30 「<左利きプチ・アンケート>
第68回 小1書写教科書に左手書き(左利き)例を入れるべきか?」

<左利きプチ・アンケート>
第68回 小1書写教科書に左手書き(左利き)例を入れるべきか?
※ 現在の結果を見るのは、こちら

20200768

1(右利きの人)左右対等にのせる     208
2(  〃  )右手(大)左手(小)でもよい 111
3(  〃  )左手例はいらない     152
4(中間的な人)左右対等にのせる     149
5(  〃  )右手(大)左手(小)でもよい 102
6(  〃  )左手例はいらない     132
7(左利きの人)左右対等にのせる     117
8(  〃  )右手(大)左手(小)でもよい 122
9(  〃  )左手例はいらない     130
17:02 2020/02/07

2011.5.4
週刊ヒッキイhikkii258 左利きアンケート68回小1書写教科書に左手書き(左利き)例を入れるべきか?(先週号の案内)

 

・第259号(No.259) 2011/5/7 「学校教科書に左利き(左手)例を!」
――――――――――――――――――――――――――
 ◆なぜ、学校教科書に左利き(左手)例を掲げるのか◆
――――――――――――――――――――――――――
学校教科書に、左利き(左手)例を掲載する意義は、
大きく二つあります。

【1】左利きの子供の理解を助ける
【1'】子供たちが自分とは異なる立場の人の存在を知ることで、
    自分たちの住んでいる世界の多様性を認識し、
    共存・共生への道を考えさせる
【2】左利きの認知、啓蒙を促進する

 

・第361号(No.361) 2013/4/27「<左利きプチ・アンケート>
≪教科書プロジェクト・アンケート・1≫どちらの手で…」

≪教科書プロジェクト・アンケート・1≫
あなたは普段どちらの手で字を書きますか?
※ 現在の結果を見るのは、こちら

202007

1(右利きの人)右手 28
2(  〃  )左手 39
3(  〃  )どちらともいえない 41
4(中間的な人)右手 43
5(  〃  )左手 41
6(  〃  )どちらともいえない 46
7(左利きの人)右手 46
8(  〃  )左手 41
9(  〃  )どちらともいえない 37
17:02 2020/02/07

 

・第369号(No.369) 2013/6/22「≪教科書プロジェクト≫
【小学書写教科書に左手書字例を!】プロジェクト・3」
 6社教科書をのぞいてみる (1) 東京書籍「新しい書写」

2013.6.26
小学書写教科書左手例PJ-3-東京書籍~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii369号

 

・第459号(No.459) 2015/12/19「≪教科書プロジェクト≫
【小学書写教科書に左手書字例を!】PJ24
左手書字例を考える(14) 最終回に当たって~総ざらい」

2016.2.4
左手書字例(最終回)きれいに見えるコツ-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第459号

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2020.02.08

2020年2月10日は令和初の〈左利きグッズの日〉-文末に嬉しい情報あり

今年の2月10日〈左利きグッズの日〉は、私にとっては、小学校入学時からの左利き公認60年、36歳にして生まれて初めての左手・左利き用品としての「京セラサムライZ2-L」を手にして以来の左利き研究30年の区切りの年の――そして令和の時代になって初の記念すべき日となります。

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2月10日は〈左利きグッズの日〉について

●記念日の由来●

社会生活で左利きの人が感じているさまざまな道具の使いづらさ。それを解消するための左利き用グッズの普及を目指し、左利きグッズを扱う神奈川県相模原市の菊屋浦上商事株式会社が制定。日付は2月10日を0210として「0(レ)2(フ)10(ト)」と読み、レフト=左の発想から。

といって、特に何をしようと言うこともないのですけれど……。

 ・・・

今では多くの人が左利きを容認する傾向にあります。
しかし、「私は左利きじゃないから」とか「私のまわりには左利きの人がいないから」という理由で、左利きというものを黙認しているだけであったり、もしくは単なる無視や放置で終わっていたりする可能性もあるように思えます。

私の願いは、もう一歩進めて、左利きを多様性の一つとして、右利きの人と同じように「一個の人間」として考えてもらえる世の中にしたい、というものです。
右利き偏重の右利き仕様のみの世界ではなく、当然、左利きであれ、左手・左利き用品がなくて困るということもない、という世界です。

そのためには、いつも書いていることですが、「心のバリアフリー」が大切です。

昨年も「ノーマライゼーション」について書きました。

ノーマライゼーション【normalization】

(通常化の意)障害者などが地域で普通の生活を営むことを当然とする福祉の基本的考え。また、それに基づく運動や施策。1960年代に北欧から始まる。》(『広辞苑』第六版 より)

左利きを別個の存在として、社会から隔離してしまうことのない、多様性に対して、発想や考え方という意味での精神の自由が確保された世界であることです。

 

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 ●左利きは個性か?

今回は、こんな話をしましょう。

よく「左利きは個性として尊重しましょう」という言い方をされます。

なんとなく、それでいいような気もします。
左利きを容認しようという姿勢があるから。

また、人は一人一人違うものでもあるし、それらの違いを「個性」と呼ぶのだから、左利きも誰にでも見られる性質でもないから、「左利きは個性」でいいんじゃないだろうか、と。

 

私はちょっと違うような気がするのです。

こういう考え方があります。
(普段、私は「左利きは障害ではない」という意見なのですけれど、ここでは一つのものの考え方として引用しています。)

孫引きで申し訳ないのですが、
私の敬愛する串崎真志という心理学の先生の著書
『悩みとつきあおう』(岩波ジュニア新書 2004)

にこんなことが書かれていました。

浜田寿美男さんは、著書『ありのままを生きる――障害と子どもの世界』(岩波書店 1997、39p)
{「読書案内」の串崎先生のコメント:自閉症のたかし君、右手に障害のあるみつこさんのエピソードが印象的でした。}

で、障害は「生きるかたち」であると捉えているそうです。

 

(以下孫引き)

たがいの違いを前提に、それぞれが対等な異文化を生きるものとして出発し、違いを違いとして認めて生き合うなかで、やがてそこから人どうしとして、あるいは生き物どうしとして、たがいの同じさに気づいていく、そういう流れになる。こうした異文化接触の流れにこそ、なにか人どうしの出会いの原点がある。

そして、「障害は個性である」という言い方では、このような「共同的な生き方」が見えてこないといい(41p)、「障害の克服」という発想も、ありのままを否定して、かえってその人の生活を生き苦しくさせてしまうと指摘している(96p)そうです。

串崎先生は、バリアフリーもユニバーサルデザインも広がってきたけれど、「共同的な生き方」には《まだまだ「惜しい」ものがたくさんあります》と続けます。

例として、視覚障害者の三宮麻由子さんの著書『眼を閉じて心開いて――ほんとうの幸せって何だろう』(岩波ジュニア新書 2002)
{「読書案内」の串崎先生のコメント:幸福と不幸は「プラスマイナスゼロ」という言葉が印象的でした。}

から、スーパーでほとんどの商品がはラップに包まれていて中身がわからない、バーコードをチェックすれば音声で説明してくれるそうちがあればいいなとか、「表示された料金をお入れ下さい」と言いながら、音声では金額を言わず画面に表示する精算機等が示されています。

 

 ●左利きの場合は

左利きに置き換えていえば――
「左利きは個性だ」ということで、それぞれを別個の存在として認めてしまうと、同じ人間としての立場が見えなくなってしまい、ともに生きる者としての「共同的な生き方」が見えにくくなる、ということでしょう。

「左利きの人」という特別な人間がいるのではなく、動作が基本的に左利きだというだけのことです。

動作以外には、特に違いがあるわけではないのです。
外見的に違いはないですし、内面的にも明らかな違いがあるというものでもありません。

左利きは天才だとか、逆に左利きは発達障害が多いとか、昔言われたように犯罪者が多いとか、右脳がどうの左脳がどうのとかいうよりも、もっと日常的・平均点的な見地から、人間として見てゆく方がいいでしょう。

 

動作に入る前の構えが違うとか、動かす側や動かす方向や動き自体が違うとか、動作的な面で変化が起きるだけです。

特別に「おれは右利き、おまえは左利き」と分類する必要はないのです。

ただ相手の動きを見て「違和感がある」というのは理解できますが、それを一方的な思い込みで「左利きはおかしい」とか「右使いが正しい」とか言い始めると問題になります。

あくまでも人間という総合的な見地からは、右利きも左利きも関係ないのです。
そこから、たがいの違いを発見しながら、協調できる部分を模索する、そういう流れが必要なのです。

 

16世紀フランスのモラリスト、モンテーニュの『エセー』の手引きとして、その全訳者である宮下志朗さんの書いた好著
『モンテーニュ 人生を旅するための7章』(岩波新書 2019)

にこんなことが書かれています。

モンテーニュにおける世界の「多様性」と言う認識は、人間存在の多様性という認識と表裏一体だ。「どんなできごとも、どんなかたちも、どれひとつとして完全に似たものがないように、完全に異なるものだってひとつもない。自然による混合のわざとは、なんと巧妙なものであろう」(3・13「経験について」)。大いなる自然がミキシングという技を駆使して、似て非なるものを創り上げている。だからこそ、「人間はだれでも、人間としての存在の完全なかたちを備えているのである」(3・2「後悔について」)。》「第3章 旅と経験」<3-4旅は人間を知るための最高の学校>

完全に似た人もいなければ、完全に異なる人もいない、というのです。

私たちは単純に「右利き」「左利き」と二分することがあります。
さも正反対の存在でもあるかのように。

しかし実態は、そんな単純ものではありません。
ちょっとした違いを拡大して強調しているだけのことです。

一人一人人は違うし、案外みんな似ているものでもあるのです。

 

 ●「利き手テスト」分布図と道具の右用左用

たとえば、「利き手テスト」の結果の分布図を、右端に右利き100%左端に左利き100%に置いたグラフに表すと、「J」の字のような曲線を描くグラフになるといいます。
「J」の長い棒に当たるのが(1)「強い右利き」傾向を示す人々で、「J」の字のピンと跳ね上がった部分は(4)「強い左利き」傾向を示す人々で、その中間の鍋底に当たる部分の右半分は(2)「弱い右利き」、反対側の部分は(3)「弱い左利き」の人々を示します。
この鍋底に当たる人たちを、私は「強い右利き」と「強い左利き」の間なので、そのまま「中間の人」と呼んでいますが、これは世間的には「クロスドミナンス」「混合利き」等と言われる人たちです。

私の考えでは、(1)「強い右利き」が約50%、(2)が20%、(3)も20%、そして(4)10%ぐらいではないか、と考えています。
よく「左利きは10%」程度といわれるのはこの辺のことで、アメリカの学者などが「左利きは30%」ぐらいいるというのは、この(3)と(4)を併せた数字ではないか、と考えています。

また、利き手ではなく、利き足や利き目に関しては、「60-70%が右利き」と言われるのは、(1)と(2)を併せた数字に近いものがあり、その辺のところで説明できそうな気がします。

利き足などは、利き手に比べますと単純な動きが主で、(ボールを)蹴るか(ペダルを)踏む程度のことでしょう。
それでは単純な違いしか出ないと思われます。

 

次に、道具や環境面でいいますと、左利きだから、左手・左利き用品を使うのはいいことですし、必要なことです。

自分の身体に合った道具を使うのが、いちばんいいことです。

たとえば、サイズの合わない靴では、思いっきり走れません。
左利きの場合も同じです。

 

でも、ことさらに左用としなくてもいい場合もあります。
たとえば、お箸は、それだけなら左右どちらの手でも使えます。
右利き用・左利き用と区別する必要はありません。

しかし、横向きに絵や字をプリントすると、どうでしょうか。
プリントの方向で、右手用と左手用に分裂します。

Hidaritehasi-f-v-usagi

Hidaritehasi

*参照画像:(左手用箸)(1)昔百均で買った箸(2)一般商店で買ったウサギ模様

 

でも縦にプリントすれば、左右性は消えます。

右・左専用は、それぞれの人にとっては有用ですし、必要なときもあります。
しかし、常に絶対条件となるわけではない、ということです。

 

たとえば、誰もが遊ぶトランプ。

ババ抜きの時、右利きの人は、左手にカードを持って右手で右方向に拡げ、相手にとらせます。
しかし、左利きの人は、右手に持ったカードを左手で開き、相手に差し出します。

そのため大抵のトランプは、マークと数字の表示が向かって左側の隅になる対角にしかありません。
右利きの人がプレイするときに便利なようになっているのです。

ですから、左利きの人にはちょっと不便です。

そこで左利きの人にも右利きの人と同じように楽しめるようにした、四隅に表示のついたトランプが発売されています。

 

もしここで、右専用と左専用に分けたらどうでしょうか。
常に右利きは右利きの人としか、一方左利きの人は左利きの人としか遊べなくなります。
それで楽しいと言えるでしょうか。

 

 ●教科書に左手書字例を

話があちこちしているかもしれません。

私の願いをもう一度書けば、左利きの人も右利きの人と同じように生活できる世界にしたい、ということになります。
「男女同権」ふうにいえば、「左右同権」です。
あるいは「男女平等」なら、「左右平等」です。

まずは、左利きに対する無知や誤解、偏見をなくし、それら無知や偏見から生まれる差別をなくす、という流れです。

誤解や偏見についていえば、モンテーニュはこんなこともいっています。

真実と虚偽は、顔も似ているし、物腰も、好みも、歩き方もそっくりなので、われわれは両者を同じ目で眺めている。われわれは、欺瞞を拒むだけの根性がないばかりか、むしろ、自分から進んでそうした罠に飛び込んでいくような気がする。》『モンテーニュ』「第4章 裁き、寛容、秩序」(3・11「足の悪い人について」)

宮下さんは、《真実と虚偽はそっくりなことも多くて、理性も経験も騙されかねないのだ、と》説明されています。

また、多様性と寛容について(長くなりますが引用を続けますと)、モンテーニュはこんなことも書いています。

「世間の人は、自分という存在にしたがって、他人に判断をくだすけれど、わたしはこうしたまちがいはしない。他人については、自分と異なることがずいぶんあるんだなと思ってしまうのだ。自分が、ある型にがちっとはまっていると感じてはいても、だれもがそうするように、それを人々に押しつけることはなくて、異なる生き方がたくさん存在するのだと思って、そのように了解する。世間一般とは反対に、われわれのあいだの類似よりも、差異のほうをすんなり受け入れるのだ」》同上「第4章 裁き、寛容、秩序」(1・36/37「小カトーについて」)

宮下さんは、自分の「型」を他者に押しつけたり、自分の「型」から他者を判断して排除したりするというありがちな所作を退けて、「差異」を受け入れる考えの裏には、《「人間はだれでも、人間としての存在の完全な形を備えている」(3・2「後悔について」)》からだ、といいます。
さらに、宮下さんは、

各人が人間存在として十全なかたちを備えているということは、人間の条件について、その多様性を担保していることになる。人間はさまざまな文化や環境のもとに生を享け、実人生を生きていくが、そのだれもが人間としての十分条件を備えているということだ。ハンディキャップを負っている人も、逆に、「文化資本」に恵まれた人もいる。人さまざまなのである。/そうした多様な「個」が、普遍的な人間存在を支えている。そうであるならば、そんな人間社会に寛容性があることは、当然の結果ということになるであろう。要するに、個の尊重が全体の尊重に、あるいは、モンテーニュ的にいうならば、「わたし」を重視することが、「あなた」を、つまり「他者」を尊重することと表裏一体となっているのである。》同上「第4章 裁き、寛容、秩序」

 

そして、

「類似」にこだわって群れを作り、「壁」を作り、「差異」を排除するほうが、ある意味で楽なのかもしれない。差異のある人々や、彼らの生活習慣を受け入れて共生すべきだと、口でいうのは簡単だが、真に実行するのはむずかしい。でもモンテーニュは、自分とは異なる人々に「好意を抱いて」、「想像力で、すんなりと彼らの立場に入りこんでいく」。各人を、「彼自身という型に合わせて肉付け」してやるのだ。モンテーニュが願うのは、なによりも各人が「別々に判断される」ことなのだった(1・36/37)》同上

といいます。

 

 

右利き左利きに関していいますと、右利きだ左利きだと、それだけで何か人格の全てであるかのように、人を決めつけるあり方に疑問を持ち、各人一人一人が多様性の持ち主として受け入れられるそういう社会になればいいなあ、という気がします。
(先ほども書きましたように、「左利き」と一口にいいましても、いろいろなパターンがありますから。)

 

そこで大切なのは、左利きについての認知、啓蒙活動です。
その重要な一歩が、いつもいっている学校の教科書の改革です。

 

今の学校教科書、特に小学一年生の書写の教科書には、初めて字を書くことを学ぶ子供に向けて、字を書くときの鉛筆の持ち方や字を書くときの姿勢を、写真やイラストを交えて説明しています。

しかし、その写真やイラストは、性差別に配慮して男児と女児をモデルに使い分けしているのですが、字を書くモデルは右利き・右手書きのみになっています。

この世の中には、左手で字を書く人がいないかのように。
あるいは、左手で字を書くことはいけないことでもあるかのように、とも言えるでしょうか。

これでは、左利きの子を持つ親御さんが不安になるのは当然のことでしょう。

 

この学校の教科書に、右利き・右手書き例でだけでなく、左利き・左手書き例を載せることが重要だ、と考えています。

なぜなら、現実のこの世の中には、右手で字を書く人もいれば、左手で字を書く人もいる/いてもいいのだ、という多様性の容認の証の一つになるからです。

さらにいえば、左手で字を書く子の存在を知らしめることで、右利きの子にも自分とは異なる書き方をする人もいるのだ、ということを知らしめ、人間の多様性を知る一助にしてもらえるだろうということです。

 

実は、家庭科の教科書などでは、左手対応されているものもあるそうです。
家庭科の裁縫セットの購買の際に、右利き左利きの別があるともいいます。

しかし、学校で一番大切なはずの最初の学問の道具である字を書くという行為において、「左右同権」「左右平等」が実現されていないのです。

ネットを調べてもこういう訴えをしている人はほとんど見たことがありません。
(私の知っている限りでは「3人産んでこうなりました」〈左右平等作戦in小学校〉のガボちゃんぐらいです。)

どうしてなんでしょうか、不思議です。
当然のこと過ぎて、思いつかないのでしょうか。

「小学一年書写教科書に左手書字例を!」

 

*参照:
【過去の主な「小一書写教科書に左手書字例を!」プロジェクト】

・第258号(No.258) 2010/4/30 「<左利きプチ・アンケート>
第68回 小1書写教科書に左手書き(左利き)例を入れるべきか?」

※ 現在の結果を見るのは、こちら

1(右利きの人)左右対等にのせる     208
2(  〃  )右手(大)左手(小)でもよい 111
3(  〃  )左手例はいらない     152
4(中間的な人)左右対等にのせる     149
5(  〃  )右手(大)左手(小)でもよい 102
6(  〃  )左手例はいらない     132
7(左利きの人)左右対等にのせる     117
8(  〃  )右手(大)左手(小)でもよい 122
9(  〃  )左手例はいらない     130
16:45 2020/02/05

2011.5.4
週刊ヒッキイhikkii258 左利きアンケート68回小1書写教科書に左手書き(左利き)例を入れるべきか?(先週号の案内)

 

・第259号(No.259) 2011/5/7 「学校教科書に左利き(左手)例を!」
――――――――――――――――――――――――――
 ◆なぜ、学校教科書に左利き(左手)例を掲げるのか◆
――――――――――――――――――――――――――
学校教科書に、左利き(左手)例を掲載する意義は、
大きく二つあります。

【1】左利きの子供の理解を助ける
【1'】子供たちが自分とは異なる立場の人の存在を知ることで、
    自分たちの住んでいる世界の多様性を認識し、
    共存・共生への道を考えさせる
【2】左利きの認知、啓蒙を促進する

 

・第361号(No.361) 2013/4/27「<左利きプチ・アンケート>
≪教科書プロジェクト・アンケート・1≫どちらの手で…」

※ 現在の結果を見るのは、こちら

1(右利きの人)右手 28
2(  〃  )左手 39
3(  〃  )どちらともいえない 41
4(中間的な人)右手 43
5(  〃  )左手 41
6(  〃  )どちらともいえない 46
7(左利きの人)右手 46
8(  〃  )左手 41
9(  〃  )どちらともいえない 37
16:50 2020/02/05

 

・第369号(No.369) 2013/6/22「≪教科書プロジェクト≫
【小学書写教科書に左手書字例を!】プロジェクト・3」
 6社教科書をのぞいてみる (1) 東京書籍「新しい書写」

2013.6.26
小学書写教科書左手例PJ-3-東京書籍~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii369号

 

・第459号(No.459) 2015/12/19「≪教科書プロジェクト≫
【小学書写教科書に左手書字例を!】PJ24
左手書字例を考える(14) 最終回に当たって~総ざらい」

2016.2.4
左手書字例(最終回)きれいに見えるコツ-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第459号 --

 

 ●東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」

今回、改めて調べてみました。
すると、こんな結果が出ました。

--
新しい書写 | 2年度用 小学校教科書のご紹介 | 東京書籍 - 東書Eネット 東京書籍が発行する,2年度用 小学校教科書「新しい書写」についてのご紹介ページです。
... ○1年P28-29. 教材文字に集中できる.
「毛筆教材の周りに、イラストなどほかの要素があると集中できない子がいる」との現場の先生方の声を受け、毛筆教材文字の周囲には他の要素は置かず、毛筆教材 ...
右手・左手どちらの持ち方も掲載 ... 水書用筆で運筆を体感することで、硬筆での適切な書字動作が身につくことが期待できます。
--

1全ての子供の学びやすさのために
特別支援教育
ユニバーサルデザイン
特別な教育的ニーズのある子供に分かりやすく工夫した紙面は、特性の有無に関わらず誰もが学びやすい、
東京書籍がめざすのはそんな教科書です。
左利きの子供にとっての学びやすさにも向き合いました。

なんと、《左利きの子供にとっての学びやすさにも向き合いました。》と言う言葉通り、「特別支援教育への配慮」「色覚多様性への配慮」とともに「左利きへの配慮」という項目ができています。

右手・左手どちらの持ち方も掲載
右利きの持ち方の写真のみが掲載されていたこれまでの教科書では、左利きの子供たちは写真を頭の中で反転させて、それを自分の手指で再現しなければなりませんでした。そこで、左利きの写真を載せることで不要な負担をなくすよう配慮しました。

なんと、《右手・左手どちらの持ち方も掲載》とあるように、左手で鉛筆を持つ写真が掲載されています!
ついに夢が一つ現実になりました。

 

以下詳細は、別稿「左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」」で。

 

ようやく一つ段階を越えることができました。

私と同じ考えで、実践している教科書会社もあるのだと思うと、もう一踏ん張りしてみようという気持ちになります。

東京書籍の皆様、ありがとうございます!

200204-toushoatarasiishoshapage03_ph112x

(画像:上記サイトより無断拝借 ●1年P4-5 )

 

*『レフティやすおのお茶でっせ』過去の2月10日「左利きグッズの日」の記事:
・2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される

・2009.2.10
今日2月10日は“左利きグッズの日”

・2011.2.8
左手書字考(1)左手で字を書くこと―再考:週刊ヒッキイhikkii249

・2011.2.9
「左利きグッズの日」記念「第5回<LYグランプリ>2011」読者大賞アンケート

・2012.2.9
2月10日は「左利きグッズの日」ですが…メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」298号告知

・2012.2.10
2月10日「左利きグッズの日」記念<LYGP>第6回2012:メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」299号予告

・2013.2.10
今年もまた<左利きグッズの日>でした

・2015.2.10
2月10日は改称7年目の〈左利きグッズの日〉

・2016.2.9
2月10日は左利きグッズの日

・2016.2.10
2月10日は左利きグッズの日―普及の前提

・2017.2.9
2月10日〈左利きグッズの日〉をまえに左来人(Right Hidari)『左利きあるある 右利きないない』を買う読む

・2017.2.10
左手左利き専用グッズ開発「レフティー21プロジェクト」菊屋浦上商事呼びかけ

・2018.2.10
2月10日は「左利きグッズの日」―どこまで進む「左利き」容認―産経新聞投書から

・2019.2.10
2月10日は「左利きグッズの日」―に思うこと

(新生活版)2月10日は「左利きグッズの日」―に思うこと

 

[カテゴリ] 2月10日左利きグッズの日 

 

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2020.02.01

2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(1)初めの30年-週刊ヒッキイ第564号

―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第564号 別冊編集後記

第564号(No.564) 2020/2/1
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その1)初めの30年」

 

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 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。
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(上記発行日程への正式復帰は、3月からです、念のため。
 2月は、第一・第二土曜のみの暫定復帰です。)

 

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右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第564号(No.564) 2020/2/1
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その1)初めの30年」
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2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
(その1)初めの30年
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世間的には、今年2020(令和2)年は、
東京オリンピックの年というところでしょうか。

しかし、私にとっては、タイトルにもありますように、

 左利き公認60年

 左利きライフ研究30年

の年に当たります。

 

過去にもあれやこれや書いてきましたが、
ホームページの「左利き自分史年表」が事情で消滅し、
私が自分の仕事として書き残したかった
「左利き文化史年表」的なものが、
今ではこれというものがなくなっているので、
まあ、それに変わるものとして
ちょっと書いておこうと思います。

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
  2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年
  (その1)初めの30年
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛

200130hidarikiki60nen2

(画像:後年買った本と麻丘めぐみベストCD) 

 

 ●小学校入学時に“公認”される

 ●心の奥のコンプレックス

 ●まわりの人とは別種の人間

 ●左利きブーム

1971(昭和46)17歳
箱崎総一「左利き友の会」

1973(昭和48)19歳のとき、
麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」
(7/5発売 作詞・千家和也 作編曲・筒美京平)

 

 ◆麻丘めぐみさんのこと

麻丘めぐみ『Premium BEST』

「あの頃は左ききをネガティブに見る空気がありましたから、
最初は『歌ってもいいのかしら』と不安でした。
でもメロディがついたら繰り返しのフレーズが印象的で
とても歌いやすかった。それほどよくできた曲だったんですね」

※週刊ポスト2020年1月31日号

Kindle版(小学館 2020/1/20)

NEWSポストセブン
「麻丘めぐみが29年ぶり新曲発表 アイドル絶頂期を語る」
より

 

 ●世界が間違っている

1979(昭和54)25歳
『左利きの秘密』箱崎総一 立風書房 マンボウブックス

 ●「左利き」商品をレジに運ぶ勇気

1980(昭和55)26歳
ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ
『左利きの本――右利き社会への挑戦状』草壁焔太訳 講談社
 (原著 The Left-handaers' Handbook 発行年月不明)

 ●普通な生活

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

私の人生の、左利き公認の日々から前半の30年を、左利きの話題に絞って綴ってみました。

私は小学校入学時から左利きを公認されたという、当時としてはかなり恵まれた環境で生きてきました。
それでも、世間の圧力から全く自由だったわけではありませんでした。
無言の圧力というのでしょうか、そういうものは、人一倍感じていたように思います。

また、公認されたといっても、実際には、左使いを容認されたというだけで、左利きのための特別な配慮や指導があったというわけではありません。
その点は明確にしておきたいと思います。

野球を例に説明すれば、左右の打席が用意されているというだけで、左利きの子のために左打ちの指導があったというわけではない、といった意味です。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

 

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2019.12.28

(再配信)2005.11.5 第6号から「左利き用品は…」―左利きで生きるには週刊ヒッキイhikkii562号

―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第562号 別冊編集後記

 

第562号(No.562) 2019/12/28
「(再配信)2005/11/5 第6号から 左利き用品は……」

 

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第562号(No.562) 2019/12/28
「(再配信)2005/11/5 第6号から 左利き用品は……」
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(再配信)2005/11/5 第6号から 左利き用品は子供を甘やかす?
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以下の文章は、
2005年11月5日にアップしたメルマガ第6号です。

本文

▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
   ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

を紹介します。

 

今回も、表題を含めて。

 

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

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左利きで生きるには
(レフティやすおの左組通信 メールマガジン)
週刊ヒッキイhikkii

世界の片隅で左手と左利きを考える

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    第6号(No.6) 2005/11/5
     「左利き用品は子供を甘やかす?(1)」

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左利きで生きる、ってどうなんだろう?
世界の片隅で左利きと左手使いの問題を考えるレフティやすおが、
自らの左利き体験を基に左利きの人の生活の実態を語る、左利きを
メインテーマにしたホームページ『レフティやすおの左組通信』か
ら、左利きで生きるための実用メールマガジンを発行します。
左手や左利き、利き手に興味のある人、左利きの人、左手が利き手
でない人のための、左手・左利き生活にまつわるお話満載のメルマ
ガです。 

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─目次―
 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
  ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす? 
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

 ■マイ・ファースト・レフティ・グッズ■ 読者のお便り募集中
 ●レフティやすおのサイト案内●・・更新情報・・
 ▼次号案内▼
 ▼バックナンバーの閲覧▼
 ●レフティやすおの編集後記●

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 ▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
   ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

 

 ◆左手用はさみを使かわせるべきか◆

「―その6―左利きの子にやさしい環境を整えよう」でお話したよ
うな、幼いうちから左利き用品を与えることに不安を抱く親御さん
も稀に見受けられます。

一歩家の外に出るとそこは左手・左利き用品のない右利きの社会。
左手・左利き用に慣れた子では右手・右利き用を使えず、苦労する
だろう。
常に自分用に左手・左利き用品を持っていなければならないのでは
ないか、という心配です。

そこで、家でも左手・左利き用を与えずに右利き用に慣らさせる、
というのですが…。

 

 ◆「レフティサーブ」に寄せられた意見◆

2005年6月14日発行の「レフティサーブ[90号]左利き用ハ
サミ」でも、次の意見が紹介されていました。

/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\

 ※ 左利きからみた気づきのエッセイ「レフティサーブ」
  http://www.mag2.com/m/0000116367.html
  バックナンバー > No.090 2005年06月14日号 

\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/

 

■ 「左利き用ハサミ」に関して

  「小さい頃から左用のはさみを与える事に疑問がわいてきまし
  た。
  それに慣れると一生左手用はさみしか使えなくなる可能性があ
  ります。

  左手用はさみで軽やかにサクサク切るのと、
  右手用はさみでサクサク慣れてしまうのとどちらがよいのでし
  ょう?」

このような「一生左手用しか使えなくなる」という不安は、左利き
のお子さんをお持ちの親御さんのあいだでも少なからず感じる人が
いるようです。

以前も聞いたことがあります。
そのお母さんは左手を使うことは認めてはいるが、絶対に左手用品
は買い与えない、という意見でした。

世の中は右利き社会で、右手・右利き用が使えないと大人になって
から苦労するから、いつもマイ左手・左利き用品を持っていなけれ
ばならなくなるから、というのです。

確かにその可能性がまったくないとは断言できないでしょう。
生まれたときから左手・左利き用品を使っていると、右手・右利き
用品が使えなくなる、ということはあるかもしれません。

しかし、本当にそれで不都合があるのでしょうか。

 

*    

まずひとつは、本当に右手用が使えなくなるのかどうかです。

もうひとつは、もし右手用が使えなくなったとして、それが問題に
なるのか、という点です。

そして最後に、本当に大事なことは何か、ということです。

まず一回目は、本当に左手・左利き用品で育った子は、右手・右利
き用品が使えなくなるのか、その点を考えてみましょう。

 

 ◆大人になって身に付ける技術はたくさんある◆

たとえば、私たちの世代も昔は右手用のハサミを使うのに苦労した
わけですが、結局使えるようになりましたね。

なぜか? 
使っているうちに要領を覚えたわけです。慣れたのです。
最初は誰だってむずかしいのです。なにごとであれ。

ところで、何事も小さい頃に覚えないと身に付かない、というのは
ただの思い込みです。
大人になってから身に付ける技もたくさんあります。大人になって
からでも身に付くものは身に付くのです。

第一、大人になってからのそのような多少の不便は、子供の頃のよ
うに理屈もわからず、使えないのは自分が不器用なせいだと思い込
んでしまうことに比べれば、なんということもありません。

 

 ◆右手用のハサミは右手で使うことを想定して作られている◆

本来、右手用のハサミというのは右手の自然な動きで切れるように
設計されたものです。
同じように左手用のハサミというのは、左手の自然な動きに対応し
たものです。

即ち右手用は右手で使用するものであり、左手用は左手で使用する
ものだ、ということです。

もうお分かりでしょう。
左手用を使うことを覚えた子は右手用を使えなくなる、というのは
誤解(発想の誤り?)で、右手用は右手で使えばいい、ということ
になります。
現実に右手で右手用のハサミを使う左利きの人は少なくありません。

ちょっと詭弁ぽくなりましたが、言わんとすることは理解していた
だけるでしょう。

右手用なら右手で使ってみてもいいのです。
あるいは、左手で使ううちに慣れることもあるのです。

 

 ◆予感の怖さ◆

出るぞ出るぞ、来るぞ来るぞ、起きるぞ起きるぞ、という予感に対
する恐怖、というものが実は一番怖いのです。

そういう悪い予感、恐怖の観念を子供に与えないことが大切です。
親の不安は子供に伝染します。

なーんも怖いことなんかないさ、万事うまく行くさ、そういう太
っ腹な、ちょっと能天気なぐらいでいいのではないでしょうか。

元々、子供は不安を持っていません。
子供の力を信じて精一杯出し切る姿を見守ってあげればよいので
はないでしょうか。

それに、社会は変化しています。
左利きにやさしい時代が来ています。

その辺は、また次回で。

   
―今回の文は、「レフティサーブ[90号]左利き用ハサミ」の感想
として、渡瀬さん宛てにメールしたものを基に、加筆修正したもの
です。


このシリーズ「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」は、
レフティやすおがウェブログ「お茶でっせ」で始めた、左利きのお
子さんをお持ちの親御さんへの左利きの問題にどう対処すべきかに
ついての独断的アドヴァイス、および提案です。
(既発表分は、「その6」まで「レフティやすおの左利き私論3」
として、『レフティやすおの左組通信』に掲載しています。)
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.siron03.html

 

 次回の予定は→
 「―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
   (2)社会は変化している」
  第8号掲載予定。このシリーズは、隔号掲載です。

------------------------------------------------------------

 

●レフティやすおの編集後記●

毎回、青息吐息になりつつあります。
今回は、以前に書いた文章を基に加筆修正するだけだからと軽く考
えていたのですが、いざ書き始めると、いつまでたっても終わらな
い、まるでネヴァー・エンディング・ストーリイのよう…。

もう少し文章のテーマに合わせてポイントを絞る練習をしたほうが
いいのかもしれません。

さて、きょうはこんな言葉を―

Do all the good you can,
By all the means you can,
In all the ways you can,
At all the times you can,
To all the people you can,
As long as ever you can.

イギリスの神学者、ジョン・ウェズリーの言葉です。

ここで大事なのは、you can「あなたができる」ことを Do「やれ」
ということです。
all「すべて」はあくまでも理想でしょう。ひとつでもいいと思い
ます。

私はそういうつもりで日々暮らしてゆきたいと願っています。

では、次週まで、さいならサイナラさいなら /~~~

 

------------------------------------------------------------

 

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【2019年12月21日 追記】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

本誌では、再配信として、「2005.11.5 第6号」から

 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
   ―その8― 左利き用品は子供を甘やかす?
    (1)一生右手用が使えなくなるのか

を、上のように紹介しました。

以下、「追記」として現在から振り返ってみた印象などを書いています。
そちらの方は、本誌読者だけに許されたお楽しみですので、弊誌をご購読(無料です!)の上、ご確認ください。

 ・・・

「追記」から、一言だけ書けば、

世の中は右利きと左利きだけではなく、その間には、

 弱い左利きから弱い右利きまでの「中間の人」がいる

ということです。

そして、各自がそれぞれの得意とするところの特徴を活かして行くべきだし、親御さんはその子の特徴をしっかりつかみ、伸ばして上げるようにしてほしい、ということ。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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2019.12.27

左手で字を書く左利きに優しい伝統的!縦書き幼児向けひらがな練習本

今年の忘れ物第二弾。

今年知った、左利きの子に優しい――左手で書きやすそうな、幼児向けのひらがな練習の本をいくつか紹介しましょう。

従来紹介してきたものは、

『ひらがなれんしゅうちょう』小野村 哲 (著), 特定非営利活動法人リヴォルヴ学校教育研究所 (編集), 平石 哲 (イラスト)

ぐらいでした。

*参照:『お茶でっせ』2013.10.29
左手書き(左利き)に適した『ひらがなれんしゅうちょう』

日本語の伝統通りの右縦書きで展開されていますので、左手書きのハンディキャップがありません。/文字の構造や書き方の説明、練習の進め方など内容的に優れていても、肝心かなめのこのポイントが押さえられていなければ、左手書き(左利き)用としては不向きな練習帳となり、文字の練習になりません。

と、書いていますように、
左利きの子の場合、「左手で書きやすいかどうか」がいちばんの課題です。

 

130430hiraganarenshuuchou

(画像:練習ページ―Amazonより)

 

最近の文字練習帳には、一応、伝統的な縦書きの体裁になってはいても、肝心の練習部分では、右手で書きやすいように、

左上側にお手本の字、練習スペースは左から順に

「なぞる」マス目 → 「けい線付き」マス目 → 「白紙」マス目

となっているものが増えています。

右利き右手書きの場合は、これならお手本を見ながらなぞり書きし、次に先に書いたものを見ながらけい線付きのマス目、白紙のマス目と書くことができ、流れに沿って練習できるので非常に便利です。

逆に言いますと、左利き左手書きの場合、こういうものを利用しますと、ペンを持つ手でお手本が隠れたり、先に書いた字が隠れたりで、続けて練習していても、一回一回の勝負になり、上達しづらいものになります。

(私が「伝統的」にこだわる理由は、「伝統」の名のもとに、「左使い」を否定する人たちがいたからです。
 たとえば「日本の伝統では、字は右手で書くもの、箸は右手で使うものです」といった考え方です。
 そういう人たちは、最近の上のような右手書き対応の練習帳を否定してくれるのでしょうか?)

そこで、左利きのお子さんのための練習ドリルとしては、左手書きにふさわしい筆記順を採用しているものを探す必要があります。

下に紹介します商品は、どれもネットで確認しただけですので、全ページの内容まではわかりませんが、大体のところは使えそうです。

(1)『特別限定版 3~4歳 はじめてのひらがな (特典つき) (学研の幼児ワーク)』 学研プラス (2019/3/12)

 

◆セット内容◆
【1】『3~4歳 かいてけせる ひらがな 新装版』1冊
【2】特製ホワイトボードマーカー(3本)
【3】ひらがなおけいこプリント(4ページ)
【4】はじめてのお手紙シート(2種)

ホワイトボードのような練習帳で繰り返し練習できるというのがいちばんの売りでしょう。

 

(2)『6歳 くせのないきれいな字になるひらがなれんしゅうちょう 学研の頭脳開発』学研プラス (2014/3/25)

 

ていねいなポイント説明と「よくない例」がある
という点と、
最初のページでしっかり練習→次のページで練習成果チェックという2段階ステップ
というところが売りでしょうか。

レヴューに

一年生の左利きの娘に購入しました[..]やり始めてから字がグングン上達していきました。

とあります。

 ・・・

どちらの本も学研のもので、練習ページの画像に、右から順に

「白紙」マス目 ← 「けい線付き」マス目  ← 「なぞる」マス目 

となっているものがあり、

この点、伝統的な右から左への縦書きで構成されていて、左手書きにふさわしいものになっています。

 

(1)
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2019312-34hajimeteno-hiragana3

 

(2)
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2014325-6sai-hiragana-renshuuchou2

(画像:表紙、練習ページ―Amazonより)

 

 

(3)『ユーキャンの正しくきれいに! かきかたれんしゅうちょう【ひらがな・カタカナ・すうじ】』和田 康子 (著) U-CAN (2014/7/18)

 

「ひらがな」「カタカナ」は1ページで1字
◆手書き文字のお手本だから、きれいな字形がわかりやすい!
◆1枚ずつはがしても使えて、書きやすく練習しやすい!
◆ていねいに書く練習を重視した、3ステップのオリジナルフォーマット!

というところが売りでしょうか。

「練習しやすい工夫がいっぱい! 」の「(3)手で隠れない位置に書き順を表示」とあります。

お手本や書き順の表示は上側にあり、右から順に一画目から左へ進んでいます。

「四画目」←「三画目」←「二画目」←「一画目」

これなら、左手書きにもちょうどよいものになります。

 

2014718ucan-kakikata

 

2014718ucan-kakikata2

 

2014718ucan-kakikata3

(画像:表紙、練習ページ―Amazonより)

 

 

*参照:【大人のための左利き・左手書きペン字練習帳】

岡田崇花『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』ブティック社・ブティックムック

2018.11.26
岡田崇花先生リベンジなる!『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』を買う 2018.10.24
『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』10月18日発売
『お茶でっせ』 『新生活』

 

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『左利き用 誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』萩原季実子著 アスコム (2020/7/23)

 

 

2020.9.1
萩原季実子著『左利き用 誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』アスコムより発売
『お茶でっせ』

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2019.12.07

左利き者の証言から16書家・鈴木金造-左利きで生きるには週刊ヒッキイ559号

160909-344

―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第559号 別冊編集後記

第559号(No.559) 2019/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~16 書家・鈴木金造 1980年」

 

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左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第559号(No.559) 2019/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~16 書家・鈴木金造 1980年」
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 過去の左利きの人たちの言葉を紹介しながら、
 先輩の証言から学ぼう、というテーマの
 9月以来の久しぶりの16回目です。

 今回は、書家・鈴木金造さんを紹介しましょう。

 

 「書家・鈴木金造といわれても?」
 というのが正直なところでしょう。

 この方は、ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
 (原著 The Left-handaers' Handbook)
草壁焔太訳(講談社 1980(昭和55).12)
160909-345

 の「第二部日本編/第五章左尊右卑の国・日本」の冒頭で
 「左利き書道教室を開いたことのある書家」
 と紹介されている人物です。

 それでは、鈴木さんのお話をお聞きしましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
  左利き者の証言から ~快適左利きライフのために~ 16

  ◆ 1980(昭和55)年の左利き書道事情 ◆
  「左利き書道教室を開いたことのある書家」鈴木金造
ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著
 『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
 草壁焔太訳 講談社 1980(昭和55).12より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●左で書く書道家がいない

 

書道家のほとんどは「左手の書道など考えられない」
  と思っている
》p.152 
左で書くことが、
  あたかも罪悪視されているかのようである。
》p.175
「それというのも、左で書く人がいないからです」》p.175

 ●左手の書道教室を始める

鈴木さんは、大正10年の生まれで、生まれつきの左利きだった。

小学校のころ、右手で字を書くとあまりに悪筆なので、
  特別の指導を受けたほどだった。
》pp.175-176

 

 ●左手で書いてもいわなかった

左利きの子供たちに左手で書かせる運動を中断した悩みとは、

「左利きの子どもに、左で書かせることが、
  ほんとうにいいことなのかどうか、
  責任がもてないような気がしたからです」
》p.176

 

書道家の人に相談してみたところ――

「書を左手で書くなんて考えられない。
  そんなばかなことを考えるな」というのが、
  書道家たちの一致した意見だった。
》p.176 
「君は左利きなのに、右手で立派に書いているんだろう。
  君がいい手本じゃないか」
》p.176

鈴木さんは、書に関しては左右利きで、
...
書道展に出した作品にも左手で書いたものがあるそうで、
それを明言しないのは、 

左手で書くことが一種のむほん行為とみなされ、
 書道界で孤立してしまうからにちがいない。
》p.177

 

 ●戦前にもいた左手書家 

書道界は右手のない人、
  右手に障害のある人の左手書きは認めるようだ。
》p.177

 

 ●指導者のとるべき態度 

しかし、ふしぎなことに、
  左手を使うように生まれついている人々に
  右手書きを強制しておきながら、
  自ら左手で書いてみてその苦痛をおしはかるような
  研究をした人など一人もいない。
  左利きが右手で書くことは、
  右利きが左手で書くことと同じなのであるから、
  左利きを指導するときは、自ら左手でよい書を書き、
  「自分も左手でこれだけ書けるのだから
  キミも右手で書けるはずだ」というのが、
  指導者のとるべき態度であろう。
》p.177

 

 ●漢字の成り立ちと右手左手 

漢字が銅器や石碑に刻まれた
  篆書(てんしょ)の段階にあったころは、
  左手でも、右手でも書けるものだった。
  それが八分(はつぶん)あたりの装飾文字から、
  右利きの癖をつけたものになってきて、
  今日のいわゆる明朝体になってきた。
》p.177 
だから、刻字の仕事で篆書を書くときは、
  自然に左手を用いるという。
  仕事上、鈴木は看板を描く人をよく知っているが、
  看板を描く人には両手利きが多く、
  とくにゴシック文字は左で書く人が多いという。
》p.177

 

 ●左手で字を書くときの注意 

半紙をやや左の方向にずらして書くようにするとよい。
  半紙を四十五度から九十度、横むけにして書く方法もある。
  右利きが左から右へ引く横線を、斜めか、
  あるいは真下に近く引くことになる。
》pp.177-178

 

日本左利き協会「左利き筆法」 左利き友の会発行『左利き書道教本』に掲載されている
「左きき書道教室」のダイジェスト

1. 斜め書き筆法
2. 横書き筆法
3. 正座筆法

*「左利き筆法」を紹介している本:
・『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著 三五館(1998.10)

・『左ききでいこう!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・フェリシモ左きき友の会/共著 フェリシモ出版(2000.6)

 ●左利きの人だけが苦しまなければならない理由はない

著者草壁の最後の結びの言葉―― 

鈴木は右手で書家になったために苦悩している。
  しかし、右利きの人で
  そういう苦しみをした人はほとんどいない。
  左利きの人だけが、右手を事故で失った人と同様の苦しみを
  一様に強制されなければならない理由はないはずである。
》p.178

 

 ●字の書き方教室の昨今の状況

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本誌では、「左利き者の証言から~(16)書家・鈴木金造」と題して、1980(昭和55)年発行のジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ著『左利きの本――右利き社会への挑戦状』草壁焔太訳(講談社)から「左利き書道教室を開いたことのある書家」鈴木金造三の言葉を、「第二部 日本編」の著者である草壁焔太三の言葉を交えて、「1980(昭和55)年の左利き書道事情」を紹介します。

今回は、引用部分を全て紹介しています。

私のコメントをのぞき、ほぼ本文の全容がご理解いただけるでしょう。

このブログ記事をご覧になり、弊誌にご興味をお持ちになられた方は、ぜひ、定期購読の手続きをとっていただければ、嬉しく思います。

購読者が増えたからといって、無料メルマガですので、私が経済的に豊かになるわけではありませんが、継続するモチベーションは高まります。
よろしくお願いいたします。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

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2019.11.23

(再配信)2005.10.22 第4号から-左利きで生きるには週刊ヒッキイ558号

―『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第558号 別冊編集後記

 

第558号(No.558) 2019/11/23
「(再配信)2005.10.22 第4号から」

 

今回は「再配信」号ですので、その部分のみ全文掲載、公開します。

現時点での「追記」文は、本誌でご確認をお願いいたします。
(やっぱり毎号定期購読してほしいですから。)

 

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第558号(No.558) 2019/11/23
「(再配信)2005.10.22 第4号から」
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(再配信)2005.10.22 第4号「左利きの良いお手本を」から
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以下の文章は、
2005年10月22日にアップしたメルマガ第4号です。

本文

「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
 ―その7― 左利きの良いお手本を」

「マイ・ファースト・レフティ・グッズ
 ―私の最初の左利き用品―」

を紹介します。

 

今回も、表題を含めて。

 

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

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左利きで生きるには
(レフティやすおの左組通信 メールマガジン)
週刊ヒッキイhikkii

世界の片隅で左手と左利きを考える

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         第4号(No.4) 2005.10.22 
         「左利きの良いお手本を」

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左利きで生きる、ってどうなんだろう?
世界の片隅で左利きと左手使いの問題を考えるレフティやすおが、
自らの左利き体験を基に左利きの人の生活の実態を語る、左利きを
メインテーマにしたホームページ『レフティやすおの左組通信』か
ら、左利きで生きるための実用メールマガジンを発行します。
左手や左利き、利き手に興味のある人、左利きの人、左手が利き手
でない人のための、左手・左利き生活にまつわるお話満載のメルマ
ガです。 

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─目次―
▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載―
 ―その7― 左利きの良いお手本を

■マイ・ファースト・レフティ・グッズ■
 ―私の最初の左利き用品― (読者のお便り募集)

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▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ―隔号掲載― 
 ―その7― 左利きの良いお手本を

―その6―「左利きの子にやさしい環境を整えよう」で、左利きの
子にも不都合でない環境を整えようと書きました。

環境は整えたとしても、具体的な生活の技術を教える際に、右利き
と左利きでは勝手が違うためどうしたらよいのか、という疑問が浮
かびます。

左利きの子に色々な技術を教える場合の便利な方法はないのでしょ
うか。
答え、それはやはりお手本です。
何事を学ぶにも良いお手本があると便利です。

左利きのお手本といえば、当然経験者―左利きの大人です。

 

 ◆良いお手本を見る◆

プロ野球広島カープでエースとして大活躍した左腕投手、大野豊氏
の著書『全力投球 我が選んだ道に悔いはなし』(宝島社文庫 新
版2005.7刊)の中の二宮清純氏との「スペシャル対談」で、二宮氏

「大野さんも江夏さんという大先輩を見て育ったところがあると思
うんですけど左ピッチャーの芸というのは投げる遺伝子みたいなも
のだと思うんです。いい見本がいたら変わりますよね。」

と、いい左腕投手はいい先輩左腕投手がいるチームに育つ、という
内容の発言をされています。

左投手というのは右投手に比べて数が少ないので、どうしてもその
いいお手本にふれる機会が少なく、結果としてなかなか上達しない。
ところが、いいお手本になる人が一人でもいると、自然にその姿を
目にするうちに上達するということでしょう。

同じように、箸使いにしろ、鉛筆の持ち方にしろ、紐の結び方にし
ろ、何をするのにもお手本となる人がいるのは都合がいいものです。

身近に左利きの人がいれば、些細なことでも相談してみましょう。
きっと良いアドバイスがいただけると思います。

ちょっとしたことに意外な発見があるものです。
こんなことが…、と思うようなところに落とし穴があるものです。
利き手の違いから来る相違に新たに気付くことも少なくないと思い
ます。

 

 ◆鏡のように向かい合ってお手本を見せる◆

しかし、実際には左利きの人は数が少ないので、適任者が見つから
ない場合もあるでしょう。
そんなときはどうするか。

右利きの親が左利きの子の後ろから二人羽織のように子供の手をと
って、あれこれと注意を与えるというのはむずかしいものです。左
右がごっちゃになりわけがわからなくなったりします。並んで手取
り足取り、も同様です。

では、どうすればいいのか。
方法として、ひとつは鏡を使いましょう。
鏡の中では右利きの人もみな左利きです。鏡に映した姿を見せて説
明するのもいい方法です。

しかし、鏡のなかはさわれません。
そのときは、互いに向かい合って手と手をつき合わせて、まるで鏡
に映っているような状態で教える方法があります。
あなたの右手が相手の左手の鏡像です。しかもこの鏡像は手に取る
ことができます。
あなたは得意な右手で作業をするだけでいいのです。相手も自分の
得意な左手で作業をまねればいいのです。

実際に、右利きのはずなのに向かい合って相手の仕草をまねている
うちに左手使いになってしまったという例もよく聞きます。

たとえば2004年のマスターズ・ゴルフ・トーナメントで優勝し
た、左打ちのプロゴルファー、フィル・ミケルソン選手は小さい頃
に親と向かい合ってそのプレーをまねるうちに左打ちになった、と
いう話で有名です。

 

 ◆愛する気持ちをお手本を通して示してあげよう◆

こうして親御さんに教えてもらったことはいつまでも体に染み付い
て一生忘れないものになるでしょう。
物心つかないうちでも心のどこか深いところに残って、確かな愛情
の記憶が刻み込まれるはずです。

たとえあなたが右利きであっても、どうせ私には手に負えぬ、まる
でエイリアンかなにかのように、異なる世界の住人、技術を教える
方法もわからない、私はこの子に何も教えてあげられない、とあき
らめるのではなく、根気よくねばり強くお手本を示して教えてあげ
て欲しいと思います。

 

 ◆子供はみんな天才だ◆

子供はみんな天才です。みんな等しく才能を持って生まれてきます。
でも、その方向がそれぞれ少しずつ違っていることがあるのです。

何も恐れることはありません。

あなたの持てる力で、あなたのお子さんを世界にデヴューさせてあ
げましょう。

そして、世界で生きる力を与えてあげましょう!

 


このシリーズ「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」は、
レフティやすおがウェブログ「お茶でっせ」で始めた、左利きのお
子さんをお持ちの親御さんへの左利きの問題にどう対処すべきかに
ついての独断的アドヴァイス、および提案です。
(既発表分は、「その6」まで「レフティやすおの左利き私論3」
として、『レフティやすおの左組通信』に掲載しています。)
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.siron03.html

 

 次回の予定は→
 「―その8―左利き用品は子供を甘やかす?」
  第6号掲載予定。このシリーズは、隔号掲載です。

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■マイ・ファースト・レフティ・グッズ■
 ―私の最初の左手・左利き用品― (読者のお便り募集)

「左組通信」や「お茶でっせ」「新しい生活」等でも、紹介してい
ますように、今やお子様向けの左手・左利き用品は、ハサミを筆頭
に、文具品でいうと鉛筆の持ち方練習具や定規など、またお箸の練
習具なども数々出ています。

一般用でも、刃物類をはじめ、様々なものが出回り始めました。
今や最初に手にする左手・左利き用品といっても、ワン・パターン
かもしれません。

しかし、一世代以上前の左利きの人にとっては、けっこう色んな思
い出があるのではないでしょうか。

 

 *** 京セラ・サムライ ***

私にとっての「マイ・ファースト・レフティ・グッズ」は、『左組
通信』「左利き自分史年表」等でも書いていますように、それは、
京セラの左手用カメラ、サムライSAMURAI Z2-Lでした。

1990(平成2)年、36歳のことでした。
当時そのお店で三台目とのことでした。

/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\

 

・レフティやすおの左利き自分史年表 
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.jibunsi.html
・左利きphoto gallery〈HPG4〉
 世界初 左手用カメラ/京セラKYOCERA サムライSAMURAI Z2-L
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/hg.hph4.z2-l.html

 

\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/

初めて手にしたのに、まるで何年も前から使っているかのように、
身体にフィットするその感覚はなんともいえないものでした。
今までカメラを手にするたびに感じていた、あのなんともいえない
違和感、人様のものをお借りしているといった、そういうワン・ク
ッション置いた感じがまったくありませんでした。

これだ、という感覚は今でも忘れられません!

そうか、右利きの人っていつもこんないい思いをしてるんだ、と心
からそう思いました。

それがきっかけになって、私の左利き活動は始まったのでした。

 

 *** 読者のお便り募集 ***

あなたの「マイ・ファースト・レフティ・グッズ」を教えてくださ
い。
それは何年ごろ、何歳ぐらいのことで、どんなものでしたか。
そして、あなたはどんな感想を持ちましたか。
良かったら、教えてください。

宛先は、↓をご覧ください。

私の世代ぐらいの男の子にとっては、「マイ・ファースト・レフテ
ィ・グッズ」といえば、野球のグローブだったかもしれません。

 

------------------------------------------------------------

 

●レフティやすおの編集後記●

朝晩はグッと肌寒くなってきました。例年ならそれでもアサガオが
最後の頑張りを見せている頃です。ところが今年は早々に台風の影
響で命がついえてしいました。その代わり、今年初めて挑戦したジ
ャガイモが立派に育っています。毎日、これでもかというぐらいに
日々成長しています。
私のこのメルマガもこのジャガイモのように大きく成長し、いつの
日にか人々に収穫の喜びを与えてくれますように、と心から願って
います。
さて、読書の皆様にお願いがあります。あなたの「マイ・ファース
ト・レフティ・グッズ」を教えてください。楽しみにしています。

では、次週まで、さいならサイナラさいなら /~~~

------------------------------------------------------------

 

↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

 

【2019年11月21日 追記】

 

*参考文献:
『全力投球 我が選んだ道に悔いはなし』大野豊/著 宝島文社庫 2001/2

 

*参照:京セラの左手用カメラ「サムライSAMURAI Z2-L」

Dsc060

『レフティやすおのお茶でっせ』
・2004.8.5
今は昔 世界初左手用カメラ、京セラ サムライSAMURAI Z2-L

130906kyocerasamurai-z2l

 

・2014.10.20
左利きの憂鬱における左手・左利き用カメラの情報

1305saurai-z2lpowershot-n

(画像:左手用カメラの京セラサムライZ2-Lと左手右手どっちでもシャッターリングのキヤノンパワーショットN)


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以下、「追記」として現在から振り返ってみた印象などを書いています。
そちらの方は、本誌読者だけに許されたお楽しみですので、弊誌をご購読(無料です!)の上、ご確認ください。

 ・・・

ただ、「これだけは」という一言だけ書いておきます。

「右利きの人っていつもこんないい思いをしてるんだ!」でしたね。

これは、私が生まれて初めて手にした左利き用品である、36歳の時の、京セラ左手用カメラ「サムライSAMURAI Z2-L」を手にしたときに感じた諸々の印象(初めてなのに長年使い込んだような最高のフィット感ほか)のなかの一つです。

 ・・・

では「追記」は、本誌で。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

 

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より以前の記事一覧