2024.08.17

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』8月17日第三土曜日発行分夏休みのお知らせ

左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』8月17日第三土曜日発行分夏休みのお知らせ の(号外)です。

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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(号外)「8月17日第三土曜日発行分 夏休みのお知らせ」
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 本来は、

 「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [32]
 『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(5)LL6 1995(平成7)年 秋号」

 をお届けする予定でしたが、パリ・オリンピックや、
 (これは例年のことではありますが、)8月13日の
 「国際左利きの日」もありました。

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.13
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY
──始まりは1976年アメリカ
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-2af44d.html

2024811wikipediainternational-lefthander

(画像:Googleでの英語「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の検索結果2件目の英語版 WikipediaのInternational Lefthanders Dayの該当部分-2024.8.11)
200813dean-r-campbell-2

(画像:1993年11・12月号~1996年3・4月号 定期購読していた、アメリカ・カンザス州トピカのディーン R. キャンベルによって設立された「Lefthanders International」発行の隔月刊の雑誌「Lefthander Magazine」から、チェアマンのキャンベルさん)
 

また、わが東大阪市でも、
 8月1日には過去最高と並ぶ、最高気温38℃を記録するなど、
 連日35℃を超える猛暑が続いています。

 勝手ながら一回お休みをいただき、
 次号は、来月第一土曜日発行 とさせていただきます。

 あしからずご了承ください。

 では簡単ですが、この辺で。

 

 ちなみに、もう一つの、読書メルマガ

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
 https://www.mag2.com/m/0000257388.html(まぐまぐ!)

 8月15日号もお休みをいただきました。

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2024.08.15

メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』8月15日発行分夏休みのお知らせ

読書メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』夏休みのお知らせ の(号外)です。

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年8月15日号(vol.17 号外)
「夏休みのお知らせ」
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 本来は、毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2024から、第三回新潮文庫編をお届けする
 ところですが、パリ・オリンピックや、
 (これは例年のことではありますが、)8月13日の
 「国際左利きの日」もありました。

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.13
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY
──始まりは1976年アメリカ
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-2af44d.html

 
また、わが東大阪市でも、
 8月1日には過去最高と並ぶ、最高気温38℃を記録するなど、
 連日35℃を超える猛暑が続いています。

 勝手ながら一回お休みをいただき、
 31日月末に繰り延べとさせていただきます。

 あしからずご了承ください。

 では簡単ですが、この辺で。

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もう一つのメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ) 第三土曜日発行、17日発行分もお休みとさせていただきます。

ではまた。

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2023.11.15

私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと-楽しい読書354号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
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 先日、新聞に<読書週間>に関する記事が出ていました。
 11月3日の「文化の日」をはさんで、
 10月27日から2週間(9日まで)だそうです。

 産経新聞で見た記事をもとに、思うところを書いてみます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - <読書週間>は読書習慣を付ける機会に -

  ~ より良い人生のために ~

  「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」!? 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●月0冊が半数

2023年11月5日の産経新聞で見た記事によりますと、

活字離れ、月0冊が半数…本探しの一助に「選書サービス」
https://www.sankei.com/article/20231105-SFM3YMKRGJJZBD4YLJFOCSVJWY/

231106

(画像:2023年11月5日産経新聞記事 活字離れ、月0冊が半数…本探しの一助に「選書サービス」より あなたは一ヶ月に何冊程度本を読みますか グラフ)

 半数の人が月に一冊も読まないというのです。

《9日までの読書週間も残りわずか。
 「秋といえば…」の代表格は「読書」だったが、
 活字離れがさけばれて久しく、あるアンケートでは、
 1カ月間に全く本を読まないとする回答が半数近くを占めた。
 原因の一つは「読みたい本が分からない」こと。
 そんな状況を変え、活字離れに歯止めをかけようと、
 編集者や書店員といった本の「プロ」がお勧めを紹介するなどの
 「選書サービス」がインターネット上で展開されている。》

というのですけれど……。

記事冒頭にもありましたように、
《「秋といえば…」の代表格は「読書」だった》のですが、
昨今では色々な娯楽や時間を潰す遊びも多く、情報源としても、
パソコンやスマホを使ったネットのSNSや動画サービスなども増え、
「本」に頼らなくても良い状況になっています。

そうはいっても、まとまった内容の知識を入手しようと思ったら、
本による方が安定した結果をえられるもの、と考えますけれど、ね。

 

 ●系統だった情報を入手する方法としては本が上では?

迅速かつ断片的な情報で良いのなら、ネット検索等で得られるものが、
手っ取り早いと思います。

ただ、じっくりと取り組むつもりなら、本による情報の方が、
自分の程度に合わせることもできますし、都合がいいはずです。

自分に合うレベルの情報をネットで探す方が、かえって時間がかかり、
結果的に内容理解までにかかる総時間数では
かなり不利になるのではないでしょうか。

系統だった知識を入手する方法としては、まとまった本による方が
結果的に速くかつ的確なものを得られるでしょう。

 

 ●「読書週間」と読書習慣

「読書週間」は、

《もともとは読書の力で平和な国家をつくろうと、
 先の大戦後まもなく始まった運動だった。
 文化の日を中心とした2週間は読書週間として定着し、
 読書の習慣をつける一助となってきた。
 しかし、現在、人々の読書に対する姿勢は様変わりしているようだ。》

といいます。

戦争に負けた?――戦争に至った?のは、文化の力の差だ、
という認識だったと記憶しています。

読書によって、物事を考える力を養おうというもの。

読書は習慣化することで身につけられるという考えで、
この「週間」をそのきっかけにしてほしい、ということだったのです。

 

 ●「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」

読書について一言言いますと、勘違いしてはいけないこととして、
「本を読むから偉い」のでない、ということ。

ショウペンハウエル(昨今ではショーペンハウアーと表記するようです)
の『読書について』という名著があります。

岩波文庫他いくつかの訳書が出ています。
(私の手持ちの岩波文庫は1960年第一刷、1976年第18刷)

 

・『読書について 他二篇』ショウペンハウエル 斎藤忍随/訳 岩波文庫
改版 1983/7/1

・『読書について』アルトゥール・ショーペンハウアー 鈴木 芳子/訳
光文社古典新訳文庫 2013/5/14

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そこにある有名な言葉――

 《読書は、他人にものを考えてもらうことである。》p.91
   ショウペンハウエル「読書について」
   (『読書について 他二篇』斎藤忍随/訳 岩波文庫)

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同書収録の「思索」には、

 《読書は自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。》p.9

ともあります。

要するに、本を読むだけではダメで、
その上で自分なりに思索することで、
初めて自分の思想というものが生まれてくる。

それでこそ、読書の意義があるということなのです。

すなわち「本を読むから偉い」のでなく
「本を読んだから偉くなれた」というのが正しい理屈です。

これは一般人にも当てはまることだ、といいます。

 《作品は著者の精神のエキスである。(略)
  普通の人間の書いたものでも、結構読む価値があり、
  おもしろくて為になるという場合もある。
  まさしくそれが彼のエキスであり、
  彼の全思索、全研究の結果実ったものであるからだ。》p.99
   「読書について」

とも書いています。

私のような普通の人間の場合も同様であることを願っています。
私なりに考えた上で書いている文章ですので、
それなりに読む価値があるのでは、と。

そういう思索につながるものが本来の読書という行為です。

 

 ●「読む時間が確保できない」

さて、先の新聞記事の話題に戻って――

月に一冊も読まない、というのは、
やっぱり本好き、読書好きの私としては寂しいものがあります。

私自身、仕事で忙しかった時期でも月に一冊は読んでいたものでした。
本を読むことが私の心の安らぎでもあり、
“前進”感(物事を前に進めているという実感)
を抱かせるものでもありました。

読まない理由の最も多かったのは「読む時間が確保できない」、
3番目に多かったのが「読みたい本がない」だそうです。

時間に関しては、これは何事においても言われることですが、
要するに気持ちの問題ですね。
要はやる気があるかないか、です。
切実な理由があれば人はやるものなのです。
そういう切実な理由がない、ということでしょう。

もう一つは、先ほどもいった習慣化しているかどうか。
朝起きて顔を洗うとか、夜寝る前に歯を磨くとかと同じで、
一日に一度は本を開かないと落ち着かない、といったものです。

昨今、小学校では朝読という時間を作って、
子供たちに読書の習慣を付けようとしてきました。
小学生ではそれが一応の成果を出しているようです。
しかし、それが上の学年になるにつれて、失われてしまっている。

その辺の事情が、他の活動や遊びの時間の増加というところに、
原因があるというのでしょう。

しかし、実際には必要性の問題があるのではないか、と考えられます。
必要性を感じさせないので辞めてしまうということ。

勉強したい、研究したいという欲求があれば、
本を読むという行動につながると思うのです。

そういう目標を持たせるものがあるかどうかではないでしょうか。

○○を究める、というものですね。

イチローさんや大谷さんも、
若い頃に目指すべきものを見つけるということが大事だ、
とおっしゃっていますよね。

そういう目標のために本を読んで勉強する、という形ですね。
これなら、時間がない、などという気持ちにはなりませんよね。

 

 ●「読みたい本がない」について

次に「読みたい本がない」についていいますと、
先ほども書きましたように、自分の求めるものがあれば、
こういう現象は起きません。
よく言われるように、一冊の本から芋づる式に
次はこれその後にあれというふうに、
読むべき本、読みたい本が出て来るものです。

そういう目標を持たない人には、自分の好みにあわせて、
自分なりにガイド本を当たってみる、という方法があります。

自分の好みすら分からない、という人には、
最近、話題が出ている選書サービスというものがあります。

「フライヤー」というのは、ビジネス本、自己啓発本などを
その道の専門家(経営者や出版業界関係者、大学教授など)が紹介する
というもの。

あるいは、書店員やさまざまな経歴を持つ選書のプロが選ぶというもの。

というふうに色々な取り組みがあるそうです。

ただ思うのですが、基本的に本を読もうという意思がなければ、
このような選書サービスも心に引っかからないでしょう。

要は、いかに興味を湧かせるか、ということでしょうか。

いくら種をまいても、条件が整わなければ、芽は出ないわけです。
しかし条件だけ整えても、肝心の種がなければ……、というところです。

 

 ●書店の新形態――無人の店舗、コンビニ併設

最近テレビの情報番組でも、取り上げていましたが、
近年、急速に減っている書店について、新たな形態の書店が現れました。

この新聞記事にも出ていました。

無人の店舗だったり、コンビニに併設されているものだったり。

人件費が一番のネックという意味では無人店舗は、
これからの商業施設での必須条件になるかもしれません。
ただ、物を買うという行為での楽しみの一つに、
店員さんとのやりとりというものもあると思います。
そういう意味ではちょっと寂しいですよね。

 

コンビニとの併設なども、昔からあります。
他の物品販売業と協業するというパターンですね。

それは前回も書いたかと思いますが、悪くはないのですが、
あまり大きな変化は期待できません。

絶対的な救世主にはなり得ない気がしています。

 

 ●本屋さんの生き残りに期待

とにかく、本屋さんがなくなるというのが一番の悲劇だと思っています。
何らかの形で残って欲しい、という強い願望があります。

ふらりと入った本屋さんであれこれ見ることで、
「あっ、こんな本が出てる!」という偶然の出会いがあります。

それが本好きにとっての一番の至福の時間かもしれません。

私は、本屋さんにいるときが一番楽しい時です。
図書館も楽しみですが、本屋さんの方が、より新しい顔を見られる、
という点で楽しみが大です。

今の私があるのは、ひとえに本屋さんあればこそ、と思っています。
私の人生の一番の友、それが本で、その友との出会いの場が本屋さん、
なんです。

最近読んだ本に著者が「謝辞」のなかで
書店員さんにお礼を述べる文章がありました。

 《書店員の方々にお礼を申しあげたい。
  みなさんは読者の手に本を届けるというすばらしい仕事に従事され、
  この一年、信じられないほどの困難に直面しながらもその仕事を
  つづけてくださった。本と読書に対するみなさんの尽きることのない
  情熱と献身、そして<自由研究には向かない殺人シリーズ>の成功に
  おいて計り知れないほど大きな役割を果たしてくださったことに、
  心の底から感謝申しあげる。》

   ホリー・ジャクソン『卒業生には向かない真実』服部京子/訳
    創元推理文庫 2023/7/18

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コロナ禍の感染拡大期には、
書店も一部では休業するところもありました。

地方の書店のみならず、都会の書店でも店舗の賃貸料の値上げ等で、
店をたたむところが増えています。

私は、書店・本屋さんは、地域の文化の担い手だと考えています。

がんばれ本屋さん!

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本誌では、「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」と題して、今回も全文転載紹介です。

今回は「読書週間」という読書の習慣を付けましょうという、年間行事に関連した新聞記事から感じること、思ったことを書いています。

私にとっては、読書=人生みたいなものがあり、月に一冊も本を読まないという人がいることが考えられない、というのが本当のところです。

そうはいいましても、私も子供の頃は必ずしもそういう人間ではありませんでした。
私が本を読む日々を過ごすようになったのは、中学3年の三学期が始まるお正月以降のことでした。
それまでは時に娯楽として本を読む時期があるという程度で、毎週漫画雑誌を読むことはあっても、毎日のように書籍を読むということはありませんでした。

そういう人間からみて、どうすれば本を読む習慣を身につけられるか、という観点から少し書いています。

どうでしたでしょうか。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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2023.08.25

左利き資料展示「左手をご覧ください!」国立国会図書館関西館で開催

8月23日の産経新聞夕刊の「山上直子の 犬も歩けば」というコーナーの国立国会図書館の記事中に、<関西館「左手をご覧ください!」展 来月21日から>というニュースが掲載されていました。

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(画像:産経新聞 8月23日夕刊の記事「山上直子の 犬も歩けば」)

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(画像:産経新聞 8月23日夕刊の記事<関西館「左手をご覧ください!」展 来月21日から>)

内容は――

「左利き」という身近な個性について、そして利き手に関わらず誰もが暮らしやすい社会について、この機会に考えてみませんか? 左利きに関する本や雑誌など約70点を、歴史、科学、社会等の切り口から紹介します。》(国立国会図書館 関西館サイトから)

 

日時は、9月21日(木)~10月7日(火)9時半~18時(日・祝 休館)。

関連講演「左利きの科学と社会 ~多様性と共生について考える~」が、9月22日(金)14時30分~15時45分、山下光氏(関西福祉科学大学教育学部教育学科長・教授)を招き、「けいはんな学研都市7大学連携 市民公開講座2023」において開催されます。

講師から――世界の人口の約10%が左手利きです。なぜ左手利きは少数派なのでしょうか? 右手利きの人と左手利きの人の脳には違いがあるのでしょうか? 右手利き社会で生活する左手利きの人にはどのような不便があるのでしょうか? 左手利きについての様々な疑問を通して、「多様性」と「共生社会」について考えます。また、最近話題になっている左右識別困難(左右盲)についてもお話ししたいと思います。》(国立国会図書館 関西館サイトから)

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(画像:「左手をご覧ください!」展関連講演「左利きの科学と社会」山下 光 /国立国会図書館 関西館サイトから)

*参照:
第31回 関西館資料展示「左手をご覧ください!-左利きというまなざしで、見えてくる風景-」(NDL) 講演会「左利きの科学と社会 ~多様性と共生について考える~」(NDL)

 

サイトから展示の一部の内容を紹介しておきましょう。

第1章 左利きをめぐる歴史
神々の左手 : 世界を変えた左利きたちの歴史 / エド・ライト 著 , ricorico [訳]. スタジオタッククリエイティブ, 2009.6 【GK11-J64】
見えざる左手 : ものいわぬ社会制度への提言 / 大路直哉 著. 三五館, 1998.10【SC71-G177】
第2章 利きとはなにか
左対右きき手大研究 / 八田武志 著. 化学同人,2008.7 【SC71-J47】
左きき学 : その脳と心のメカニズム / ジーニー・ヘロン 編集, 近藤喜代太郎, 杉下守弘 監訳. 西村書店, 1983.6【SC71-304】
第3章 左利きをめぐる現在
ユニバーサルデザイン事例集100 / 日経デザイン 編. 日経BP社, 2004.10 【DH415-H44】
》(国立国会図書館 関西館サイトから)

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(画像:『世界を変えた左利きたちの歴史』エド・ライト、『見えざる左手 ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉、『左対右きき手大研究』八田武志)

『神々の左手―世界を変えた左利きたちの歴史』エド・ライト スタジオタッククリエイティブ 2009/06

『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路 直哉 三五館 1998/10

『左対右 きき手大研究』八田 武志 DOJIN文庫 2022/5/16

 

左利きに関してこのような企画展示をしてもらえるのは、嬉しい限りです。

左利きについて、利き手について、ご興味をお持ちの方、多様性についてお考えの方は、機会を作ってぜひご観覧いただけますよう、お願い致します。

 

左利きの人にとって不便でない社会というのは、必ずしも左利きの人だけの利益につながるものではない、と私は確信しています。
それはまさに、誰にも暮らしやすい社会になると思っています。

例えば、こんな理由があります。

右利きの人の場合、右手を使えなくなりますと、世の中は非常に生活しづらいものになるからです。
なぜなら、世の中の多くが右手で使いやすい道具や機械やシステムにできあがっているからです。
右手用の道具は選び放題ですが、左手用の道具は限られています。
それだけでも右手を使えなくなり左手を使わなければならなくなった人には、生活しづらいものになるのは火を見るよりも明らかです。

「そんなことは滅多に起きない」という人もいるかもしれません。
でもないともいえません。
私の父も自転車事故で左側頭部を打ち、脳挫傷で右半身不随のようになりました。
(参照:2023.8.10
自転車用ヘルメット買いました!Shinmax自転車ヘルメット57-62cmAFモデル (新生活版)

それが人生というものです。

どうか、一度じっくり観覧してこの問題を考えてみてほしいものです。
いえ、遊び半分でいいので、一度展示を見てほしいものです。
きっと何か心に響くものがあると思います。

私は、このイベントの回し者ではありませんが、ぜひお願いしたします。

 

 ●右利き左利きの問題における<多様性>

最後に、余談ですが――

どんな人がこの企画を話題にしているかしらと検索してみますと、いつも左と右について考えてきたガボちゃんのブログ記事ぐらいでした。

検索して…

文中、一点気になりましたので書いておきます。

何で右利きor左利きで多様になるんでしょうか?/
動作は右か左かの2種類だけで、
多様ではありません。
また左利きの不便はそこに存在しますが、
左利きがすべて左動作とは限らず
右利きがすべて右動作とも言えません。

なるほど、動作は右か左かの違いにすぎない、というのは事実です。

しかし、実際は<右利きの人>or<左利きの人>でないように――(私が呼ぶところの)<中間の人>もいるのです。
また、右利きであれ左利きであれ、それぞれに「右利きであっても右使いとは限らない」という現実があり、逆もまたありで、「手は右利きでも○○は左利き」という現象もあります。

それ故に右利き・左利きの問題もまた、人間としての<多様性>の問題なのだ、と考えています。

 

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2023.08.12

8月13日<国際左利きの日>を前に~メディアに注文-週刊ヒッキイ第647号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

第647号(No.647) 2023/8/12
「8月13日<国際左利きの日>を前に~メディアに注文」

 

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第647号(No.647) 2023/8/12
「8月13日<国際左利きの日>を前に~メディアに注文」
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 今年も、暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
 今年はまた一段と暑い夏となっています。
 大阪でも連日35度以上、37度、38度という日もあります。

 で、昨年同様、今年の八月も勝手ながら、合併号として、
 第二土曜日(12日、<国際左利きの日>の前日)にお届けします。

 ・・・

 8月13日<国際左利きの日 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY>を前に、
 この記念日について、および
 この日に対するマスメディアの報道への注文(?)を
 書いておきましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ◆ 始まりは1976年アメリカ ◆

 8月13日は「国際左利きの日 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」

-メディアに注文-
  左利き問題への本質的な取り組みを根底に置いて欲しい

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●「国際左利きの日 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」について

昨年も書いたことなのですが、
8月13日は「国際左利きの日 INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」です。

毎年この日に関しては、ブログ等で書いていますように、
日本語版 Wikipedia「左利きの日」等で紹介されている、

《1992年8月13日、イギリスにある「Left-Handers Club」により制定》

という、“1992年イギリス・レフトハンダーズクラブ”説は、
あくまでもこの会の「主張」であって、真実ではありません。

正しくは、1976年アメリカで始まった、が正解です。

英語の「International Lefthanders Day」
「International Lefthander's Day」等で検索しますと現れます、
英語版のWikipediaやその他の左利き系サイトには、

(私の英語読解力に誤りなければ)
1976年、アメリカ・カンザス州の州都トピカに開店した
左利き用品店のオーナー、ご自身左利きである、
ディーン・キャンベル(Dean R. Campbell)さんが、
開店一周年を機に左利きの人の会(Lefthanders International)を始め、
左利きの人の生活向上のために左利き用品の普及を目指し、
開店記念日にあたる<8月13日>を
「国際左利きの日」(INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY)という
記念日に制定したのです。

210813international-lefthanders-daywikip

(画像:英語版ウィキペディアの「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の項目冒頭――下線部分:「国際左利きの日」は「レフトハンダー・インターナショナル」の創設者ディーン・R・キャンベルによって1976年に最初の祝祭が行われた)

 

イギリスの「Left-Handers Club」は、
イギリスの左利き用品専門店「Anything Left-Handed」の顧客を
もとにした左利きの人の会です。
「Anything Left-Handed」は、2018年に開店50周年を迎えたという、
1968年創業の老舗ですが、
当初は右利きの人が始めた隙間狙いの業態でした。
その後、左利きの人がオーナーとなり現在に至るのでした。
ロンドンという大都会での営業ということで、
特に宣伝に知恵を絞らなくても、世界中からお客さんが集まり、
結構経営的には、そこそこだったのでしょうね。

 

一方、州都とはいえ、アメリカの田舎での営業ということで、
1975年に開業した後発のお店であるキャンベルさんの左利き用品店は、
色々な工夫と宣伝が必要だったのかもしれません。

そこで、こういうイベントを考案されたのでしょうか。

イギリスの方は、キャンベルさんちが一足先に始めた
この記念日にあとからのっかったという形でしょうか。
(ほんとうのところは存じませんが……。)

 

 ●<国際左利きの日>の日本での報道について

さて、この8月13日の<国際左利きの日>ですが、
当日、テレビのニュース番組やネットのSNS等で、
「今日は何の日?」的に紹介、取り扱われることがよくあります。

そんな今までに見たテレビや雑誌、ネットの報道や投稿等について、
私の思うところを書いてみます。

 ・・・

先ほども書きましたように、
この日のテレビ番組やネットの投稿などでよくあるのは、
「今日は何の日?」的なニュースです。
それらではもっぱら次のような扱いが為されてきました。

まずはこの記念日について、

(1)「8月13日は<国際左利きの日>ですといい、
左利き用品の普及や生活向上を考える記念日で、先に書きました、
“1992年イギリス・レフトハンダーズクラブ”説を紹介する。

次に、左利きの人の日常生活での不便について、

(2)左利きの人の日常の不便の具体的な例として、
左利きの人は右手用のハサミの扱いで困るとか、
自動改札機が使いにくいとか、ファミレスのお玉が使いにくい等――
左利きの人の証言を流す。

という形が多いのですね。

(2)に関しましては、もちろん間違いではないのですが、
そもそもなぜ子おような現象が起きるのか、
どのような理由でこれらの左利きの人の不便が生まれるのか、
という根本の考察が見られません。

現象面のみが取り上げられるだけで、
それでは根本的な解決にはつながりません。

ただ単に記念日を取り上げただけの、
「気遣いましたよ」というポーズだけの発信です。

 

 ●「左利きの日」についてのメディア・発信者への注文

ここで、私からの注文です。

(あ)“1992年イギリス・レフトハンダーズクラブ”説をやめ、
 “1976年アメリカのキャンベル”説の正しい情報に差し替える。

(い)左利き用品の紹介の前に、なぜそのようなものが必要か、
 を「利き手の違い」という本質から解説する。
  
(う)現状の社会は、右利き優先/偏重の社会――「右利き社会」だ、
 という事実を示し、右利きの人は多数派ゆえに「恵まれた存在」だ、
 という認識を明らかにする。

 

 ●誤りを正したいという願い

(あ)“1992年イギリス・レフトハンダーズクラブ”説をやめ、
 “1976年アメリカのキャンベル”説の正しい情報に差し替える。

冒頭に書きましたように、
日本語版 Wikipedia「左利きの日」等で紹介されている
「1992年イギリス制定」説を鵜呑みにしたかのような、
情報を垂れ流している人たちがいる、というのが
いつも気になっているのです。

とにかく、この日本での「1992年イギリス制定」説はなんとかしたい、
という願いです。
それは何も、イギリスの左利きの会の人がマネした、とかパクったとか、
非難するというのではなく、もっと単純に
「もっと長い歴史があるのですよ」と強調したいということです。

左利きの人たちは、
「もっと昔から不便を解消しようと努力してきたのだ」
という事実を明らかにしてほしいのです。

日本語版 Wikipediaをチェックする係の人もいるらしいのですけれど、
どこにいえばいいのかわかりません。

 

 ●利き手の違いという本質論を

(い)左利き用品の紹介の前に、なぜそのようなものが必要か、
 を「利き手の違い」という本質から解説する。

テレビ番組の「左利きの日」のトピックとして、
左利きの不便について、右利き用の道具を左手で使ったり、
左利きの人のインタヴューを交えたりした動画を流す場合もあります。

左利きの不便について、現象面として確かにそのとおりなのですが、
そもそもなぜそういう状況になっているのか、
という本質について考えて欲しいのです。

 

前号

第646号(No.646) 2023/7/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
 新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2023から(1)新潮文庫
 左利きライフ研究家が読む――ブレイディみかこ
 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』」
2023.7.15
左利きライフ研究家が読む――ブレイディみかこ『ぼくはイエローで…』
-週刊ヒッキイ第646号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/07/post-e456f6.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bef4ad5a52cfa242388eb430fbc39b3f

 

で、ブレイディみかこさんの
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のなかの、
エンパシーについて「自分で誰か人の靴を履いてみること」
という場面があります。

それに対して左利きの問題は、
「靴の左右を入れ替えて履く」ようなものだ、と書きました。

「右利き優先/偏重社会」で生きてゆく左利きの生活は、
左右の靴を入れ替えて履くような違和感があるものだ、という意味です。

以前、音楽に関しての号では、『マンウォッチング』にあった、
指組の例を挙げました。

第627号(No.627) 2022/10/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(6)左利きは楽器演奏に不利か?」
2022.10.1
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(6)不利な楽器-週刊ヒッキイ第627号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-6d2221.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7142edd7f782a8478966aa6006f16d06

 

指組も人により、決まった組み方があり、右手の親指が上になる人、
逆に左手の親指が上になる人がいます。
それを逆に組むと何かしら違和感があり、しっくりきません。
それが利き手の違いに似たようなものだ、と説明しました。
 

『マンウォッチング(上)』デズモンド・モリス 藤田統/訳
 小学館ライブラリー13 1991/11/1
「動作」p.20の指組イラスト

220930manwatching-yubigumi 220930manwatching-yubigumi-2

 

 

昔、左利きの不便について右利きの人に話した際に言われたことは、
「(左利き用の道具がなくて不便だというけれど、
 右手があるのだから、右手用を)右手で使えば済む問題」と。

「利き手・利き側とはなにか」という本質を知解していない発言です。

右利きの人に「どうして右手を使うのですか」と問いかけたとき、
こう答える人がいました。
「右手を使うように教えられたから」と。

例えば箸を使うとか字を書くとかの場合は、
そういうこともあるかもしれません。

実際に、字を書くのは右だけれど、箸は左という左利きの人がいます。
箸を使うというのは食事の際の行動で、早い段階から利用するものです。
一方、字を書くのは小学校に入る前、4、5歳ぐらいからでしょうか。

しかし、そもそも右利きの人の場合は、教えられなくても、
まず右手でものをつかむという行動に出ます。
左利きの子は、自然と左手が出ます。

教える教えないという段階よりも前に、そういう動作をするものです。

そういう利き手・利き側の性質をまずはしっかり理解できるように、
解説してほしいものです。

その上で、「右利き優先/偏重社会」で生きている
左利きの人の不便を伝えて欲しいのです。

 

 ●現状は「右利き優先/偏重社会」という「右利き天国」

(う)現状の社会は、右利き優先/偏重の社会――「右利き社会」だ、
 という事実を示し、右利きの人は多数派ゆえに「恵まれた存在」だ、
 という認識を明らかにする。

「左利きの不便」を裏から見れば、それは「右利きの便利」そのもので、
社会のあらゆる場面で、右利きを想定した状況が作られているのだ、
という事実をしっかり示し、右利きの人がいかに廻られた存在であるか、
ということを明確に示して、理解してほしいものです。

人は、自分が恵まれていると自覚したとき、余裕を持てたとき、
初めて人に「施す」という気持ちになるものです。

恵まれているからこそ、その一部でも人に分けてあげたい、
人と分かち合いたい、と思うものなのです。

右利きの恵まれた現状を知ることで、
他の立場の人への思いが生まれてくるものなのです。

 

今、右利きの人たちの多くは、自分たちの置かれている状況を、
「ふつう」と捉えているのではないでしょうか。

実は、それは「ふつう」ではなく、
主流派の、多数派の、優遇された立場なのだということを、
しっかり自覚して欲しいものです。

そういう報道をメディアの人たちには、心掛けて欲しい、
と私は思います。

 

 ●最後に――左利きの人のための実用書をもっと出版して欲しい

この手のニュースなどでは、
左利き用品のあれこれが紹介されるケースもあります。
それはいいのですけれど、たいていはありきたりなもので、
そんなの知ってるよ、というものも結構あります。

反面、左利きの本の紹介などはほとんど見られません。
その点をいつも残念に思ってきました。

ネットで、YouTubeなどの動画で、
なんでも勉強できる時代ではありますが、
いつでも手元に置いて参照できる紙の本の力は、
まだまだ捨てきれないものがあります。

 

昔から、左利きや利き手・利き側に関する科学的な研究本は
色々と出版されています。
とはいえ、最新の本といえるものがほとんどない状況です。

(2022年)
『左対右 きき手大研究』八田 武志/著 DOJIN文庫 2022/5/16
――日本の利き手研究の第一人者による、2008年発行のDOJIN選書版の
 増補文庫版

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(2021年)
『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き
「選ばれた才能」を120%活かす方法』加藤俊徳/著 ダイヤモンド社
2021/9/29
――左利き・利き側の科学解説書というより、<左利きの脳内科医>に
 よる“左利き応援本”というのが本当のところでしょうか。

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ただ最近では、ポツポツとではありますが、
左利き用の実用書の類いが出るようになっています。

左利き用のペン字練習帳とか、ギターのコード・ブックとか。

こういう本の方が、まさに実用性が高く、
科学的な解説書より需要があって、便利なものかもしれません。

 

(2021年)
『左利きギター専用! ギターコードブック』
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス 2021/3/14

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(2020年)
『左利き用 誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』
萩原 季実子/著 アスコム 2020/7/23

210218hidarikiki-penji_20230809170801

 

今年7月には、編み物の本が出ました。

編み物というのも、左利きの人にはむずかしいところがあるようです。

両手に針を持って編むものもあるでしょうけれど、
片手に針を持ってするという編み方もあるようです。

その場合、右手に針を持ってどうするこうする――
という教え方が基本になっているため、
左利きの人は二の足を踏むことも多いようです。

そういう人に朗報ですね。

(2023年)
『左利きさんのためのはじめてのかぎ針編み』佐野 純子/著
日東書院本社 2023/7/19

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《手芸好きの左利きさん必携の一冊ができました!
 【左利き専用】かぎ針編み入門書
 編み物を諦めていた左利きの担当編集者が、
 どうしても編めるようになりたくて作った一冊》

 

著者は、《右利きの母から初めて編み物を習》ったという、
文部省認定毛糸編物技能認定1級で、人形作家、左利きの佐野純子さん。

 ・・・

今後ともこういう左利きの人のための実用書が、
様々ジャンルにおいて出版されることを期待します。

 ・・・

毎年書いてきました過去の
<8月13日国際左利きの日>に関するブログ記事は、
以下↓のカテゴリからご覧になれます。

*『レフティやすおのお茶でっせ』〈8月13日国際左利きの日〉カテゴリ 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「8月13日<国際左利きの日>を前に~メディアに注文」と題して、今回も全紹介です。

<国際左利きの日>を前に、この記念日をニュース等で取り上げてくださるテレビ番組や、メディア、SNS等で個人的に発信してくださる人たちには、感謝の気持ちを表明しておきましょう。

しかし、これらのせっかくの好意に、どうしても素直になれない自分がいます。

それはなぜかと考えますと、やはり本当のところ、どうも当事者である私の心に響かない部分がある、ということです。

正確な事実が反映されていなかったり、現象面を撫でるだけで、本質に踏み込まない報道になっているからではないか、と思います。

そこで、今回こういう注文を書いてみました。

ご理解いただけると嬉しいのですけれど……。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2021.08.25

笑福亭仁鶴さんの思い出―ラジオで“デビュー作”を朗読してもらう

上方落語を代表する関西芸能界の大御所、
笑福亭仁鶴さんが17日にご逝去されました。
謹んで哀悼の意を表します。

YouTube
【訃報】上方落語の発展に生涯を捧げた落語家 笑福亭仁鶴さん死去
2021/08/20

さて、私にとって仁鶴師匠は、私の“デビュー作”を朗読してくださった方でした。
私が何歳だったでしょうか。
二十歳前後でしょうか。

ラジオの番組――深夜(といっても午後11時から翌1時まで、だったと思います。)の
OBCラジオ大阪の「ヒットでヒット バチョンといこう」(だったかな)の
パーソナリティーをされていたとき、
「メルヘン・コーナー」という聴取者からの投稿作品を朗読するコーナーがありました。
400字詰め原稿用紙二、三枚程度の作品です。

これを投稿して採用され、仁鶴師匠に朗読していただいたのです。

「ブタとサルの話」という「さるかに合戦」風の昔話的な作品でした。

腹を減らしたサルが柿の実のなった木の下を通ったとき、
サルが枝の上で柿の実を食べているを見て、一つおくれと頼んだのに、
食べかけた実を投げつけてきたので、
怒ったブタがそれを投げ返すと見事命中し、サルはお尻から落下。
それ以来、ブタはブーブーと鳴き、サルのお尻は真っ赤っか。
――といったお話でした。

今でもはっきり覚えているのは、読み終えた仁鶴師匠の感想です。

本当に腹が減っていたら、たとえかじりかけの実でも、
投げ返さずに食べてしまうものだろう、
という意味の発言をされました。

なるほど。

戦後の食糧難の時代に育ち盛りをすごされた方の言葉として、
実感がありました。


その時にもらったデニム生地の手提げ袋「バチョンバッグ」は
今もどこかに大切にしまってあります。
番組名と当時の各曜日のパーソナリティの名前が印刷されていました。

当時もう一人の人気若手落語家、
大学出でスマートな印象の桂三枝さん(現・六代目桂文枝師匠)とは違って、
仁鶴師匠は、エラの張った四角い顔でちょっと泥臭いようなイメージがあり、
私と同じ左利きで工業高校出身ということも手伝って、
あの独特のキャラクターが好きでした。

人間国宝の桂米朝師匠ともども「上方落語の四天王」と称された
師匠の六代目松鶴さんがなくなられたとき、七代目襲名の話があったのに、
「松鶴」は松竹芸能の看板だから吉本興業の自分が継ぐものではない、
と仁鶴師匠が固辞されたそうです。
筋を通すというのか、誠実な性格を著わすエピソードでしょう。

米朝師匠同様、自分の手で「仁鶴」という名を大きくしたいと思われたのか、
あるいは単に自分の名に愛着があったということかもしれません。

昔あったという歌声喫茶でロシア民謡をよく歌っていたという仁鶴師匠。
大ヒット曲「おばちゃんのブルース」とか
深夜の定期便トラック運転手の歌「花の定期便」とかも味があります。

大塚食品「ボンカレー」のCMとか、
NHKの土曜日お昼の「バラエティー生活笑百科」もよく見ていました。

今でも読売テレビの「大阪ほんわかテレビ」のタイトルコールは
仁鶴師匠の声のまま放送されています。

次回の放送はどうなるのか、楽しみ半分寂しさ半分です。

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読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」

笑福亭仁鶴師匠のご逝去にあたり、心からご冥福をお祈り申し上げます

突然の悲報に接し、悲しみにたえません。1993年の番組開始当初からご出演いただき、 番組の父のような存在として、 出演者・スタッフ全員を温かい笑顔で包み込んでくれていました。
2017年より番組への出演をお休みされており、 再び元気な姿で仁鶴師匠が戻って来られる日を、皆心待ちにしておりましたが、 残念ながらこのようなことになり、あまりにも突然のことで言葉が見つかりません。
謹んでお悔やみ申し上げます。

大阪ほんわかテレビ スタッフ一同

8月27日(金)放送
なお、今週の放送は1時間全編に渡り、 仁鶴師匠のこれまでの様々な名場面とともに、出演者の皆様と ほんわかテレビらしく明るく仁鶴師匠を偲ぶ特別企画をお送りする予定です。


YouTube
おばちゃんのブルース(1969年12月)

大阪は第二の故郷 笑福亭仁鶴(1970年11月)

男・赤壁周庵先生 笑福亭仁鶴(1971年11月)

花の定期便 (笑福亭仁鶴)(1972年4月)

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2021.04.02

左利きの女優・森七菜さんのサウスポー始球式

久しぶりにタレント・有名人さんのサウスポー始球式ものを!

ヤフーニュースによりますと――

森七菜さんの「フォームきれい」 ZOZOマリンで“希少なレフティ始球式”披露 3/31(水) 7:10配信 Full-Count編集部

女優や歌手として活躍する森七菜さんが30日、ZOZOマリンスタジアム初戦となるロッテー楽天戦で始球式を務めた。「パーソル パ・リーグTV」が公式YouTubeにその様子を投稿し、ファンからは歓喜の声が寄せられている。

森七菜さんをよく知らないのですが、久しぶりに目にする若手女優さんのサウスポー投球でした。

中日スポーツのよりますと、

名前と同じ「7」の背番号が入ったユニホーム姿で登場。髪もショートカットにイメージチェンジした。左投げでセットポジションから投球。スリーバウンドしながらもロッテの田村龍弘捕手(26)のミットに何とか届き、笑顔でガッツポーズ。詰め掛けた観客の喝采を浴びた。

YouTube映像はこちら↓

背番号「7(ナナ)」のユニホーム姿で登板した
始球式に登場した森七菜さん【画像:パーソル パ・リーグTV】

 

 

無断拝借したメディアの画像はこちら↓
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(画像:1.リリーフカーで登場)
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210330morinana3

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(画像:2.-4.投球)
210330morinana5

(画像:5.投げ終えて)

 

*【過去の<サウスポー始球式>】:

・2018.4.19
地元アイドルNegiccoのKaedeさんが左投げで新潟知事の代役始球式 「新生活」版

・2017.10.30
吉高由里子がサウスポーで伸びやか始球式 日本シリーズ第2戦

・2017.6.15
左利きの女優・剛力彩芽さん、四度目の始球式登板も…

・2017.5.26
サッポロビールイメージガール川辺優紀子さんの左利き始球式

・2017.5.7
女優の松井愛莉さんがサウスポー始球式

・2017.5.2
ピンクラインのサウスポー、女優でモデルの新川優愛さんが始球式

・2016.8.17
左利きのSKE48日高優月(ひだかゆづき)が始球式

・2016.7.23
左利きの女優すみれさん左腕で始球式

・2016.6.29
左利きの剛力彩芽さんの3度目の始球式は大暴投: レフティやすおのお茶でっせ

・2016.6.5 AKB48Team8/AKB48TeamB兼任の坂口渚沙さん (画像のみ)
AKB48選抜総選挙、暫定21位倉野尾成美・同53位坂口渚沙はTeam8の左利き

・2016.3.7
左利きのあっちゃん前田敦子の始球式

・2014.8.6 右利きの石原さとみさんの左投げ(撮影で右腕を痛めたということで「サウスポーでやります」と宣言。)
終わったはずのクチコミ「右利き? 左利き?」がまた

・2013.12.4 体操新技「シライ」の白井健三選手
体操新技「シライ」の白井健三選手は左利き

・2011.5.12 『五体不満足』の著者の乙武洋匡さん
乙武洋匡さんのサウスポー始球式

・2004.11.11 アテネオリンピック女子マラソン金メダリストの野口みずき選手
素敵な光景:野口選手の左利きの始球式

 

 

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2020.02.24

左利き対応への要望は「理不尽なクレーム」か?

2月17日に見たネットニュースにカチンときたので、書いてみます。

このようなニュースの取り上げ方に、多数派・主流派の傲慢さ、おごりのようなものを感じてしまうのは、少数派・非主流派の左利きである私のひがみでしょうか。

 

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 (カチンときたニュース)
 ●左利き対応の要望は「理不尽なクレーム」か?
 ●お店の格により対応は違う?
 ●「事前に一言尋ねれば済む」問題では?
 ●「普通」って何?――
時代によって、構成員によって「標準」は変わる
 ●左利きに配慮した教科書の登場
 ●他社の左利き対応の状況について
 ●受け入れる時代――教科書採択についての議事録より
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カチンときたニュース

定食屋でクレームをつけた男性客 意味不明な内容に「出禁にすべき」

---
和食の配膳位置といえば、ご飯茶碗を左手前、汁物を右手前に配置するのが一般的だろう。
中には利き手によって配置を変える人もいるが、飲食店などで利き手を把握してもらうことは難しい。
『Yahoo!知恵袋』では定食屋で起こった出来事について相談が寄せられている。

■左利きの男性客がクレーム
定食屋で遭遇した出来事についてつづった投稿者。
隣に座った男性客が注文を済ませ、店員からトレイに乗った料理が提供された際に「ちょっと、右利き前提で置いてるけどこの置き方だと左利きの人は食べづらいでしょうが」とクレームを付けていたという。

■さらに言葉は続き…
男性の言葉はまだ続き、「左利きは茶碗を右手で持つでしょ? 
右手が味噌汁の器に当たらないようにご飯を右、味噌汁を左にして持ってくるのが普通でしょ。
おたくらは客を相手にしてるんだから」ときつく当たっていたそうだ。
もちろん、店員は男性が左利きであることは知りもしないため、「店内中がドン引きしていた」と状況を振り返り語った。

■「出禁にすべき」との意見も
サービス業とはいえ、来店する客の利き手まで気にしている余裕はないだろう。
この投稿を受けて、ユーザーからは
「単なるクレーマーです。出入り禁止にするレベルだと思います」
「世間一般は右利きが多いからご飯は左に置くのが普通でしょう」
と店員に同情する声が多く寄せられた。

■お客様は神様?
今回の件のように、客という立場を利用して理不尽なクレームをつけるケースは少なくない。
しらべぇ編集部が全国の20~60代の男女1,365名を対象に調査を実施したところ、全体の6.3%が「お客様は神様だから偉そうにしてもいいと思う」と回答。
数値としては1割以下だが、「お客様は神様」という概念を持つ人は一定数いるようだ。

男性を接客していた店員はもちろん、投稿者含め周りにいた客も不快な思いをしたに違いない。
自らの行動を省みるべきだろう。
(文/しらべぇ編集部・稲葉 白兎)
---

 

 ●左利き対応の要望は「理不尽なクレーム」か?

私自身は、「お客様は神様」だという意識はありませんが、「お客さんはみな同じ人間であり、平等な権利を持つ存在だ」というふうには考えています。

ここでは、私は、左利き対応についての要望を、単純に「理不尽なクレーム」と一緒にする感覚が怖い、と思います。

まず最初にいわなければならないことは、「同じ料金を払っていて、同じレベルのサービスを受けられないのはおかしい」ということです。

右利きの人も左利きの人も同じ料金を払っている。
にもかかわらず、左利きの人は「そのままでは食べにくい」という一段下の異なる対応をされている、というが現実です。

そもそも配膳における食器類の置き方は、食べる人が「食べやすいように、粗相をしないように」という配慮から考え出されたものです。
右利きの人が多数派なので、「右利き仕様の置き方」が「標準」とされている、ということです。

 

今回のケースのように、左利きの人への対応を求める意見を「理不尽なクレーム」と受け止める人は、たぶん右利きの人でしょう。

右利きの人の多くは、自分が運良く主流派の右利きに生まれ、主流派の右利き故に、右利き偏重の現状の社会にあって恵まれた立場にある、という事実を認識していないのです。

左利きの人は誰も、左利きに生まれようとして生まれてきたのではありません。
同様に、右利きの人もそうです。
偶然の結果です。

自分自身が、社会の主流派に属し、恵まれた立場にあると自覚していれば、おのずからその事実に感謝の気持ちを抱き、そうではない人に対する思いやりの気持ちも生まれるでしょう。

少数派の非主流派の人からの要望や要求を直ちに「理不尽なクレーム」扱いをするのは、やはり間違っているのではないでしょうか。

あまりこういう書き方はしたくないのですけれど、もしこれが障害者からのクレームならば、ネットの反応も違ったものになっているのではないでしょうか。
建前で物を言う人も多いので。

ところが、左利きの問題となりますと、左利きに対する認識不足もあり、単なるわがままとか自分勝手と受け止める人も多いようです。

 

このお客さんの言い方にも問題はあったかもしれません。

ただ、そういう事情は抜きにして、単純に「左利き対応への要望」を「不当なこと」でもあるかのように取り上げるのは間違っている、と思います。

 

 ●お店の格により対応は違う?

もちろん、店には格というものがあります。
そこらの定食屋で、左利き対応を求めるのは、現状の社会通念では、「野暮」というものかもしれません。

しかし、ある程度の格の店なら、お客さんに合わせて配慮しても罰は当たらないでしょう。

たとえば、銀座の名店、ミシュラン三つ星の常連「すきやばし次郎」は、店主自身が左利きということもあり、客をみて、左利きの客には、左向きに寿司を出すといいます。

 

--
 《左利きのお客には握りを「ノ」の字のように斜めに置き、
  つかみやすくする……。》
宇佐美伸/著『すきやばし次郎 鮨を語る』文春新書 2009.10.20

 というもの。

 ふつうにぎりずしを並べる際は、
 右手(に持った箸)で取りやすいように、

 「\\\…」

 という角度に並べます。

 ところが、二郎さんは、相手に合わせて出すというのです。

 《山本:(略)真っ直ぐに置かずに、
  客が手でつまみやすいように、
   ちょっと角度をつけて置かれます。
   (略)あれは意識して置かれているんですよね。
  二郎:はい。
  山本:その最初の一個を左利きで召し上がるお客様だったら、
  すかさず二個目からは……。
  二郎:左に向けます。》
山本益博/著『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』新潮新書 2003
--

(左利きメルマガ)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』  第539号(No.539) 2019/4/6
 「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
 左利き者の証言から~11 左利きの寿司職人・すきやばし次郎(後)」
より

Sukiyabasijirou_20200226153701

この場合は、お客さんを目の前にした寿司屋さんならでは、という特殊な条件もありますけれど。

 
 ●「事前に一言尋ねれば済む」問題では?

「店員が客の利き手を知らないのは当然」と受け取る感覚も、どうかという気がします。

「サービス業とはいえ、来店する客の利き手まで気にしている余裕はないだろう。」

なるほど、お昼時、大勢の客が殺到する様な定食屋さんではいちいちお客さんの利き手まで確認していられないかもしれません。

しかし、入店時に、「何人さまですか」とか「おタバコは?」などと確認して、席までお客さんを案内するような店なら、そのときに、あるいは、注文をとるときに、「右利きでお食べですか、左ですか」と訊いてもいいのではないでしょうか。

一人一人に「右利きか左利きか」と訊かなくても、グループなら「左利きの方はいらっしゃいますか」と訊く。

一人に訊く場合でも、「左利きで召し上がりますか」。
もっと簡単に「左で召し上がりますか」でも理解できるでしょう。

いちいち訊くのは面倒だというのなら、店頭の目に立つところに「左利き対応をお望みの方はその旨お申し付けください」と張り出すなり、メニューの始めにでも明記しておくという方法もあるでしょう。

 

もちろん現状では、「右利きに決まってるやろ、当たり前やないか」と「ふざけたこと聞くな」というバカにするようなお客さんも出てくるでしょうけれど。

 

しかし、いずれは、格の高いお店なら、お客さんの利き手を確認して配膳する、というサービスを標準とするところも出てくることでしょう。

今でも、あるレストランでは、予約の際にちゃんと「利き手は?」と訊いてくれて、当日には、ナイフとフォークを左右入れ替えてあり、食べやすく嬉しかった、という意見をネットで見かけた記憶があります。

 

そういえば、ステーキの焼き加減をお客さんの好みに合わせてくれるようなレストランなら、お客さんの利き手を確認して、ナイフとフォークの並べ方をかえるぐらいのサービスは、当然のこととして対応できるでしょう。

 

要するに、「事前に一言尋ねれば済む」問題、でもありますからね。

仮に左利き対応することになっても、現場が大混乱するということはないでしょう。

なぜなら、左利きはせいぜい10%程度といわれています。
左利き対応するお客さんの数も、それぐらいでしょう。

残りの大半のお客さんは今まで通りの対応でいいのですから。

 

結局、そういう少数派への配慮を当然のことと考えられるかどうかの人間性の問題です。

あるいは、人間としての優しさの違い、という言い方もできるでしょうか。

 

 ●「普通」って何?――時代によって、構成員によって「標準」は変わる

「世間一般は右利きが多いからご飯は左に置くのが普通でしょう」というのも、気になります。

確かにそれが多数派であることは確かですが、だからといって、常にそれが「正解」とは限らないのも事実です。

先にも書きましたが、今の「正式」とされる配膳は、必ずしも「絶対的な正しい」作法ではない、ということです。

右利きの人が多数派なので、それにあわせた一般的な場における「標準」になっているだけのことです。

 

それは、「標準語」が「正しい日本語」で、「方言」が「間違った日本語」だ、というわけではないように、一つの標準を意味しているだけのことです。

 

社会における「標準」というのは、社会における「最大公約数」ではないでしょうか。

「偶数」のみの数のグループにおける最大公約数は「偶数」です。
たとえば、6と12なら、最大公約数は6で、偶数。

しかし、一つ奇数が入ると、その数のグループの最大公約数は、「奇数」になります。
先の6と12のグループに、9という奇数が入ると、その数のグループの最大公約数は3という奇数です。

最大公約数はそのように、構成する数という要素により異なってきます。

社会の標準も、構成員が様々に変化すれば、標準も変化するのです。

 

構成員が「右利きの人のみ」なら、標準は「右利き仕様のみ」でいいでしょう。
しかし、左利きの人が加われば、それでは困ります。

「右利き仕様のみ」ではなく、左利きにも不都合のない「左右両方で使えるもの」になって欲しいのです。

これからは、多様性の時代です。

男女同権とか、障害者や社会的弱者に優しい社会になっていくべきでしょう。

 

食事の際の対応にしましても、同じです。

8月13日「国際左利きの日」に、左利きの人に敬意を表し、左利きの人が食べやすいように「お箸を左右逆さまに置くイベント」を実施する
LEFTEOUS(facebook) という活動がありました。

そういう考えを拡げ実践しようという人たちもいます。

 

私にいわせれば、こういう「○○が普通」といった物言い自体に多数派・主流派のおごりが感じられます。

昔、何かの会や団体では、(下は児童会や生徒会から始まり、たいていの男女が関わる団体では)「会長は男性、副会長が女性」というのが、当たり前だったことがあります。

さらにいえば、今たいていのお店には、「盲導犬・介助犬以外の動物の入店はお断りします」とあります。

昔は、盲導犬であろうが介助犬であろうが、動物の入店は断られたものでした。
どのような種類の動物であろうと、動物の入店がダメなのは「普通」であり「当たり前」だったものです。

 

このように時代によって、「普通」の中身は変わります。

昔は、問答無用で「左利きは直すもの」とされました。

しかし今では、左利きという性質が、脳神経系に関わる固有の性質で、意思でどうにかなるものではない、という事実が知られるようになり、左利きは左利きのままでいい、という考えが普及してきました。

 

そして、左利きの人のために左利き用に道具を普及させようと、2月10日は「左利きグッズの日」という記念日も知られるようになりました。

*参考:
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.2.8
2020年2月10日は令和初の〈左利きグッズの日〉-文末に嬉しい情報あり

 

これからの時代は、多様性の容認の時代と言われています。
「みんなのためのデザイン」を目指すというユニバーサルデザインの考え方には、左利きの人も含まれています。

ところが、まだまだ左利きへの理解が不十分なケースが見られます。
左利きへの理解も含めて、まずは「心のバリアフリー」が必要です。

 
 ●左利きに配慮した教科書の登場

左利きへの理解を進める意味でも重要だ、と私が考えていることに「学校教科書に左利きの事例を入れるという」事項があります。

学校教科書は誰もが目にするものであり、教科書に書かれていることは物事の基準となるもの、と考えられます。

そこに記載されるということは、その時点で「左利きが公認された」という意味を持ちます。

 

学校教科書、なかでも小学一年生の書写教科書に、学問の道具ともいうべき「字を書く」という技術の例として、左手書き・左利きの例を入れるということが重要だ、と考えています。

従来は、右手書き・右利きの例だけでした。
まるで、左手で字を書く人がいないかのように、もしくは、左手で字を書くことはいけないことであるかのように。

 

しかし左手書字例が実現すれば、時代を担う子供たちが教科書の左右の例を見ることで、世の中には右手で字を書く人もいれば、左手で字を書く人もいるのだという事実を知り、左利きへの理解も進むでしょう。

それだけではなく、左利き以外の様々な多様性への理解にもつなげて行くことができるのではないでしょうか。

 

そして今年初めて、東京書籍の令和2年版小学一年書写教科書で、左手に鉛筆を持つ左利きの写真例が掲載されたものが登場します。

『レフティやすおのお茶でっせ』2020.2.9
左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書「新しい書写 2年度用」

に書いています。

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(画像:東京書籍令和2年版小学一年書写教科書の左手書き・左利き例) 

右手・左手どちらの持ち方も掲載
 右利きの持ち方の写真のみが掲載されていたこれまでの教科書では、左利きの子供たちは写真を頭の中で反転させて、それを自分の手指で再現しなければなりませんでした。
 そこで、左利きの写真を載せることで不要な負担をなくすよう配慮しました。

東京書籍の書写教科書サイトにあります。

私にいわせれば、当たり前のことなのですが、それがやっと実現したというのが、現状です。

 

 ●他社の左利き対応の状況について

左利き対応に限って、小学書写教科書を五社についてネットで見てみました。

東京書籍は、すでに報告していますように、左手書字例を写真で入れる等の対応をしています。

学校図書は、「硬筆学習用の書き込み欄を、教材文字の真下に配置することで、利き腕を問わず、教材文字が手で隠れないようにしました。」 日本文教出版は、「教科書への書き込み欄を手本文字の下に配置し,右利きでも左利きでも手本を見ながら書けるようにレイアウトが工夫されている。」

この二社は、書き込み欄の位置を工夫しています。

教育出版は、「教師向け指導資料」としてPDFで、「〔硬筆編〕見落としがちな左利きの持ち方の指導」「〔毛筆編〕姿勢,筆の持ち方,左利きの指導例」というように、教師向けの資料でのみ対応しています。

光村図書出版は、特に記載がありませんでした。

 

これだけでいうのはどうかという気もしますが、世間の左利きへの関心はまだまだ低く、左利きに対する正しい認識も不足していると、私には思われます。

 

 ●受け入れる時代――教科書採択についての議事録より

最後に、こういう言葉を紹介しておきましょう。

こちらの小学校教科書採択についての議事録より

掛川市教育委員会定例会議事録
(1) 令和2~5年度使用の小学校教科書採択について
【家庭】「東京書籍」

委員:右利きの包丁の使い方、左利きの包丁の使い方それぞれが載っている。
 委員:一昔前なら修正しなければいけないとされたものが、現在では多様性、違うものを受け入れられる時代となった。
  今までは駄目と言われたことでも、今からは受け入れる時代になっていることがしっかりわかった。

 

200207tousho-kateika 

(画像:東京書籍の家庭科の教科書の左手例) 

 

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2018.08.13

8月13日国際左利きの日ILHDとAKB48Team8左利き選抜のことなど

 ●8月13日国際左利きの日


本日8月13日は、世界的な左利きの日「国際左利きの日」International Left-Handers Day です。


2007年から昨年まで年に一度この日に活動していた、LEFTEOUS(レフチョス)も、残念なことに今年は動きがないようです。


LEFTEOUS - ホーム | Facebook


 


それでも、この日を期にいくつかの動きがありました。


8月1日には、今後の活動が期待される「日本左利き協会」のサイトがプレオープンし、お披露目されました。


*『レフティやすおのお茶でっせ』2018.8.11
8月13日「国際左利きの日」を前に「日本左利き協会」プレサイトがオープン!


 


11日には、The Japan Times に“Lefties push back against Japan’s ‘righteous’ spin”という記事が出ました。
(「左利きの人たちは日本の“正しい(右)”への偏向に対抗して押し戻す」とでも訳すのでしょうか?)


ここには、国内随一の“左利き専門店”でもある文具店・菊屋浦上商事(神奈川県・相模原市)浦上裕生さん(42)が登場します。


ジャパンタイムズでは、“SURVEY FOR LEFT-HANDED PEOPLE IN JAPAN”という、左利きの人への右使いへの「矯正」経験や左利きで不便を感じること等に関するアンケート調査もやっています。


 


12日には、ジャパンタイムズに登場していた菊屋浦上商事の三代目・浦上裕生さんは、↓でも登場。


文春オンライン “レフティ”稲垣吾郎も驚いた 左利きグッズの奥深い世界 左利きの人は「右利き中心の社会」に気づいていない


 


裕生さんが目立っていますが、それよりも、左手・左利き関連商品および左利き生活そのもの、さらにそこから陸続きで、様々なのマイノリティの存在へと目を広げてほしいですね。


 


以前、「LGBTは生産性がない」というような発言をした国会議員さんがいた、とかいいます。


なにごとでも即物的・単一的な価値観で捉えるのは、どうでしょうか。
人間の価値、人間が生きてゆくというのは、そういうものではなく、もっと大きく総合的なものです。


右利き左利きの問題でもそうです。
その一面だけを取れば、なんとでも言えます。


しかし、実際に人が生きるということは、大変難しいものです。
総合的に判断してゆかなければ、意味のある答えは出ません。


しかも、生きてみなければ、やってみないことには分からないことでもあるのです。


 


*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』↑で裕生さんがふれている「レフティー21プロジェクト」紹介記事 左手左利き専用グッズ開発「レフティー21プロジェクト」菊屋浦上商事呼びかけ


 


 


 ●AKB48チーム8の左利きさん


8月4日発行の左利き無料メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


第523号(No.523) 2018/8/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~ (特別編)AKB48チーム8の左利き」


は、8月13日の「国際左利きの日」ILHD 間近ということで、
「AKB48チーム8の左利き」さんを紹介しました。


 


昨年夏のエイトの日で、左利き選抜8人でSKE48の曲「キスだって左利き」をやったそうです。


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(画像:AKB48Team8、2017年「エイトの日」左利き選抜メンバー8人 tweeter)


その当時、47都道府県の代表47人中8人が左利きだったそうです。


左利き率が約17%


これは一般的な左利き率からはるかに高い数値となっています。


 


しかも、その後の9月新加入の徳島県代表の「春本ゆき」さんが、左利きらしい、といいます。


すると、左利き率はさらに上がり、9/47で、約19%


 


これはすごい時代になってきたということでしょうか。


 


[都道府県名・氏名(読み)・生年月日]


1.熊本県代表・倉野尾成美(くらのお・なるみ)2000年11月8日
  字も箸もボール投げもけん玉も左


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2.北海道代表・坂口渚沙(さかぐち・なぎさ)2000年12月23日
  字も箸もボール投げも左


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3.東京都代表・小栗有以(おぐり・ゆい)2001年12月26日
  字も箸も左
  でも右投げ右打ち(参照:
   千葉テレビ『AKB48チーム8のKANTO白書 バッチこーい!』)
  ブレイブボードも右(左足が前になるレギュラースタンス)


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4.大阪府代表・永野芹佳(ながの・せりか)2001年3月27日
  箸は左、字は右
  ボール投げは右のときあり
  ピンセットを使って細かい作業をするときは左
 (参照:『AKB48team8の神戸でぶらりPR大作戦!』)


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5.福井県代表・長久玲奈(ちょう・くれな)2000年5月11日
  箸は左
  ギターは右


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6.長崎県代表・寺田美咲(てらだ・みさき)1999年12月28日
  食べるのは左
 (フジテレビ『ミライ☆モンスター』2017年2月)


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7.香川県代表・行天優莉奈(ぎょうてん・ゆりな)1999年3月14日 
  字も箸も左。


Gyouten


 


8.新潟県代表・佐藤栞(さとう・しおり)1998年2月3日
  字も箸も左
  左投げ左打ち
 (千葉テレビ『AKB48チーム8のKANTO白書 バッチこーい!』)


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9.徳島県代表・春本ゆき(はるもと・ゆき)1999年12月24日


【左打者】チーム8が新加入メンバーにより、
ついに左利きが9人揃う!【打線組んでみた】-2017年10月04日


 


(未確認メンバー)
福島県・伊藤きらら(いとう・きらら)2004年5月19日
島根県・奥原妃奈子(おくはら・ひなこ)2003年11月18日
広島県・奥本陽菜(おくもと・ひなの)2003年10月9日
佐賀県・川原美咲(かわはら・みさき)2002年4月3日
高知県・立仙愛理(りっせん・あいり)1999年3月18日
山形県・御供茉白(みもと・ましろ)2005年11月25日


 


【チーム8の『レフティやすおのお茶でっせ』記事】 2016.6.5
AKB48選抜総選挙、暫定21位倉野尾成美・同53位坂口渚沙はTeam8の左利き


2018.5.13
左利きのAKB48Team8佐藤栞がエア・バイオリン演奏で左弾き


 


*参照:「レフティやすおのお茶でっせ」
 過去の「8月13日は<国際左利きの日>」の関連記事


カテゴリ:8月13日国際左利きの日


[29]・2021.8.12
8月13日「国際左利きの日」を前に、左利きメルマガ「週刊ヒッキイ」創刊600号達成

goo「新生活」版


[28]・2021.8.7
「左利き差別」問題と「みにくいアヒルの子」-週刊ヒッキイ創刊600号記念号

goo「新生活」版


[27]・2020.8.12
2020年8月13日は1976年の制定から45回目の国際左利きの日


[26]・2019.8.13
8月13日は国際左利きの日-1976年の制定より今年は44度目


[25]・2018.8.13
8月13日国際左利きの日ILHDとAKB48Team8左利き選抜のことなど


[24]・2017.8.13
8月13日はハッピーレフトハンダーズデー!


[23]・2016.9.1
8月13日は〈国際左利きの日〉特別編-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第474,475,476号


[22]・2016.8.14
昨日(8月13日)アメブロで「今日は左利きの日」をやってました


[21]・2016.8.10
今年もやります!8月13日レフチャス(LEFTEOUS)の日―国際左利きの日


[20]・2015.8.12
明日8月13日は1976年制定から40回目の国際左利きの日


[19]・2014.8.12
8月13日は39回目の国際的な<左利きの日>&LEFTEOUS2014年


[18]・2013.8.13
8月13日<国際左利きの日>企画「ヒダリキックマガジン」で始まる!


[17]・2013.9.2
『グリグリくりぃむ』左利き選手権:<国際左利きの日>情報5


[16]・2013.8.28
ブログネタ「両利きになる練習したことある?」:<国際左利きの日>情報4


[15]・2013.8.19
雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3


[14]・2013.8.18
レフチャス(LEFTEOUS)day2013:<国際左利きの日>情報2


[13]・2013.8.13
8月13日<国際左利きの日>企画「ヒダリキックマガジン」で始まる!


[12]・2012.8.12
8月13日は37度目の“左利きの日”


[11]・2011.8.13
国際“左利きの日”を迎えて&週刊ヒッキイ273号特別編「個人モデル」から「社会モデル」へ


[10]・2010.8.21
今週の-週刊ヒッキイhikkii225名作の中の左利き(番外編)はさみ


[9]・2010.8.14
今週の-週刊ヒッキイhikkii224《矯正/直す》表現に思う(5)前編


[8]・2010.8.13
13日の金曜日はナント…左利きの日


[7]・2009.8.22
今週の週刊ヒッキイ―第193号「<左利きプチ・アンケート>再版第33回」


[6]・2008.8.13
33回目の8月13日国際左利きの日


[5]・2007.8.14
少数派の気持ち伝える「左利きの日」企画開催される


[4]・2006.8.13
きょう8月13日は≪国際≫左利きの日です


[3]・2005.8.13
今年も今日8月13日はINTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY


[2]・2004.8.13
きょう8月13日はINTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY 「左利きの日」


[1]・2004.8.12
明日8月13日は「左利きの日」 

 


 

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2018.08.11

8月13日「国際左利きの日」を前に「日本左利き協会」プレサイトがオープン!

遅くなりましたが、報告です。
いつも左利き関連情報を教えてくださるガボちゃんの8月2日のブログ記事で紹介されていました。


日本左利き協会
THe Left Handers Association of Japan

180801the_left_handers_association_

2018年8月1日にプレサイトが開設されました。

誰もが参加できるオープンなものにしようという願いを込めて、あえてこの大きな名称にされたそうです。


私も、かつては勝手に名乗ろうとしたことがありました。
でも、個人的に作ってしまうのは、やはり気がとがめました。

(お話としては、かまわないのですけれど。
 現実に、鮎川哲也さんのミステリ「停電にご用心」には、“NHK”の略称で「日本左利き協会」が登場します。)

*参照:『お茶でっせ』
・2005.10.26
そして誰もが左利きだった?「停電にご用心」鮎川哲也

・2013.5.22
名作~推理編16~全員が左利きの謎・鮎川哲也~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii364号

・『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第364号(No.364) 2013/5/18「名作の中の左利き~推理小説編16~全員が左利きの謎「停電にご注意」鮎川哲也」

 ・・・

発起人は、左利き本『見えざる左手』(三五館)『左ききでいこう!』(フェリシモ出版)の著者で、左利きサイト「クラブレフティ」管理人でもある「大路直哉」さんと、映像クリエイター兼カメラマン「masajiro」さん。

8月13日「国際左利きの日」を前にアップしておけば、「左利き」検索からの訪問者があるだろうと、この日の開設となったのでしょう。

今後の発展を大いに期待しています。


また、協会員ならびに協会ボランティアスタッフに、「我こそは」という方は、是非名乗りを上げていただきたいものです。

そして、「左利きのお悩み119番(Q&A)」への質問も受け付けされているようです。
どしどしお便りしましょう。

声をあげなければ、無視されても致し方ありません。
サイレント・マイノリティから脱却することが、改善への第一歩です。

今まではそれらの声をまとめる場がありませんでした。
こちらがそういう場になることを期待しています。

過去にもいくつかの試みがありました。
しかし、なかなか続かない。

理由はそれぞれにあるのでしょう。

一番の問題は、商業ベースにのりにくいということでしょうか。
熱意だけではどうにもならない、個人的な裁量ではどうにもならない、ということでしょう。

それら過去の反省を含めて、今回は、それなりに準備もなされているようです。

(始まってもいないのに、こういう言葉はどうかとも思いますが……。)

末永く続けてほしいものです。

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