2017.05.16

左利き右利き両用すり鉢―『マツコの知らない世界』から

5月9日に放送されました、TBSテレビの『マツコの知らない世界』#102「一生使える日用品」で、あるすり鉢が紹介されました。

*参照:
TBSオンデマンド『マツコの知らない世界』#102「一生使える日用品」
(放送終了後一週間は無料で視聴できます。/配信期間2017.5.16 20:56まで)

(画像:『マツコの知らない世界』#102―TBSオンデマンドより)

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 ●「一生使える日用品」すり鉢

それは、
寛政6年創業、岐阜県多治見の老舗【山只華陶苑(やまただかとうえん)】の7代目、すり鉢職人加藤智也さんが9年かけて作ったすり鉢
です。

「左利き用のすり鉢を作ってほしい」という要望に応えるために、右利きでも左利きでも使えるものを9年もかけて開発したといいます。

溝が、独特の波紋状の渦巻き模様の「波紋櫛目」になっていて、右回りでも左回りでも楽にすれるのです。


*参照:
【楽天市場】
【岐阜県/山只華陶苑(やまただかとうえん)】すり鉢 4寸 JUJU


キッチン用品は、基本的に個人で使うというより家族のような共同生活者間で使うものですから、右利きでも左利きでも使えるものがベストでしょう。

こういう左右共用品がどんどん普及して欲しいものです。


*参照:
一般的な(右利きの)すり鉢のすり方(当たり方)の動画
プロの京料理人が教えるすりこ木の回し方 - YouTube(2013.8.18)


 ●左利きの私が気になった一品

この番組で紹介された商品のなかで、一つ気になったのが、「丸ナナメ杓子」

何が気になったのかといいますと、その形状です。
右手で持って使う分には多分最高に便利なものでしょう。

でも左利き・左手使いの私には、多分かなり使いづらいものではないでしょうか。
反りが逆になってしまい、フォークの背にものをのせるようなものです。

通常のご飯をよそうしゃもじは左右対称形です。
右手で持っても左手で持っても問題なく使えます。

最高に使いやすいとは言いませんけれど、使いにくくて困る、というものでもありません。

世の中、右利きの人しかいないわけではないのです。
何でも右利き・右手用にすればいいというものではないでしょう。


 ●要望を伝えよう!

これを見て、面白くない気分でいたあとなので、よけいに加藤さんのすり鉢は魅力的でした。

やはり、黙っていてはいけないのです。
不便を感じるときは、製造者・販売者に素直に伝えるべきでしょう。

そうして要望を出せば、配慮しようと考える人が現れるものです。

伝える努力を惜しまないで、自らの左利きライフの向上を目指しましょう。

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2014.04.24

左利きのオバマ米大統領、左利きすし職人すきやばし次郎で会食

ニュースによりますと、4月23日、安倍首相がオバマ米大統領を、銀座の7年連続ミシュラン三つ星店「すきやばし次郎」で夕食会のおもてなしをされた、そうです。

ここは左利きのすし職人で有名な小野二郎さんの店。
小野さんは、お客さんの食べ方(箸で食べるか、手で食べるか/すしをとる手が右手か左手か)により握りを変えたり、置く向きをかえたりといった工夫をする、と言われています。

*参照:

左利きのお客には握りを「ノ」の字のように斜めに置き、つかみやすくする……。》宇佐美伸/著『すきやばし次郎 鮨を語る』文春新書(2009) P.205
2010.4.26 《サウスポー二郎》を読む:『すきやばし次郎 鮨を語る』 より
山本:(略)真っ直ぐに置かずに、客が手でつまみやすいように、ちょっと角度をつけて置かれます。(略)あれは意識して置かれているんですよね。
二郎:はい。
山本:その最初の一個を左利きで召し上がるお客様だったら、すかさず二個目からは……。
二郎:左に向けます。
山本:(略)どういうタイミングでどっちの方の手ですしをつまむ方なのか、さらに、手でつまむのか箸で召し上がるのかもはかってらっしゃいますよね。
二郎:はい、全部やります。手でつまむ方と箸を使われる方ではにぎりのかたさをわずかに変えます。箸の方のほうはちょっとですが堅めににぎります。それをやるのが、こちらの仕事です。(略)
》山本益博/著『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』(新潮新書、2003)
2005.7.17 『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博 より


首相によると、大統領は「人生の中で一番おいしいすしだった」と感想を口にしたといいます。
それは、すしそのものの味のみならず、職人としての気配りや工夫によるところも大きかったのではないでしょうか。

左利きのオバマさんにとって、左利きの小野さんが握るすしは格別だったのでは、という気がします。

ちなみに、左利きのケネディ駐日米大使も同席されたとか。
ケネディさんもオバマさん同様、楽しまれたのではないか、と思います。


【左利きすし職人「すきやばし次郎」小野二郎】~『レフティやすおのお茶でっせ』記事:
2011.5.9 左利きの鮨職人小野二郎の「すきやばし次郎」、ドキュメンタリー映画に
2010.4.26 《サウスポー二郎》を読む:『すきやばし次郎 鮨を語る』
2007.11.20 「ミシュラン」三つ星に左利きのすし職人小野二郎
2007.5.9 新潮文庫 鮨に生きる男たち―左利きのすし職人もいます
2005.7.17 『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博
2005.5.23 左利きのすし職人『すきやばし次郎 旬を握る』
2005.5.21 左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その一

【ケネディ駐日米大使】の記事:
2013.11.27 ケネディ駐日大使って左利き? 左手で「友」書道

110508sukiyabasijirou


私が読んだ《小野二郎》および鮨職人に関する本
・宇佐美伸/著『すきやばし次郎 鮨を語る』文春新書(2009)
・小野二郎/著, 管洋志/写真『すきやばし次郎―生涯一鮨職人』プレジデント社(2003)

・山本益博/著『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』新潮新書(2003)
・里見真三/著『すきやばし次郎 旬を握る』文春文庫(2001)

・早瀬圭一/著『鮨に生きる男たち』新潮文庫(2007)

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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「左利きのオバマ米大統領、左利きすし職人すきやばし次郎で会食」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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2012.10.01

ガストのスープ用オタマが左右両注ぎ用に!

Otama


(画像:下の画像を無断拝借、加工しています。)

こちら↓の情報によりますと、すかいらーくグループのファミリーレストラン「ガスト」スープ用のお玉(レードル)が、右手で注ぐのに便利な片注ぎ口のものではなく、下の太田氏の表現をお借りしますと、《涙型ではなくラグビーボール型》の左右両用のものになっているそうです。

長年にわたって左利きを苦しめてきた「スープバーでスープをすくうおたま ... (画像)
太田成義 (naruyoshiohta) on Twitter

これしきのことで、どうこういうのもなんなんですが…。

とはいえ、ささやかなことではありますが、これはやはり画期的なことと言えるでしょう。
左利きの私たちが当たり前と思うことが、実は当たり前になっていないというのが実情ですから。

ガストに関わらず、他のファミレスでもぜひ実現して欲しいものです。

昨今、左利きの人への対応を示すレストランや食事処の情報をよく目にします。
これもその一つでしょう。

もっともっと増えて、文字通り当たり前のサービスとして定着することを願ってやみません。

*参考:左利き用 レードル
・左利き用 ステン横口レードル70cc(53071)
・18-8 横口レードル 左利き用 90㏄
 


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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2007.11.20

「ミシュラン」三つ星に左利きのすし職人小野二郎

11月19日に発表された「ミシュランガイド東京2008」の三つ星店8店の一つに、左利きのすし職人で有名な小野二郎さん(82歳)の銀座「すきやばし次郎」が選ばれました。

小野二郎氏については、今までにも何度も書いてきました。

左利きらしい左勝手の握り方、左利きのお客様に対しても食べやすいように向きを工夫してすしを出す気配りなど紹介してきました。

和食の料理人に対して、左利きはどうこうという人はまだまだ少なくありません。
小野二郎氏も庖丁は十代に入ってから右手で修行したといいます。

しかし、それは戦前のお話(70年ほど昔)。
今や左手庖丁の職人も増えています。

盛り付け方に難をつける人もいますが、すべては工夫でしょう。
第一、右利きのお客様はそれでいいでしょうが、左利きの客もいます

食べる人の身になって提供できるのが真の職人ではないでしょうか。


話が横道にそれました。

小野二郎さん、ミシュラン三つ星店おめでとうございました。
まさに左利きの星です。

調べてみれば、他のお店の店主やシェフにも左利きの方がきっといらっしゃるかも…。

(※参照)「左利きのすし職人小野二郎」に関する記事:
・2005.5.20 左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その一
 お茶でっせ版新生活版
・2005.5.23 <左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その二>左利きのすし職人『すきやばし次郎 旬を握る』
 お茶でっせ版新生活版
・2005.7.17 <左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その三>『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博
お茶でっせ版新生活版
・2007.5.9 新潮文庫 鮨に生きる男たち―左利きのすし職人もいます
 お茶でっせ版新生活版
・2005.6.8「TOKIMEKIママ倶楽部」のママのお悩み
 お茶でっせ版新生活版

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。

「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」
―左利きの人、左利きに興味のある人のためのメールマガジン発行中!
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2007.06.08

100円ショップの左きき用カレースプーン

100yenlhspoon
5月26日発行の左利きメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第83号(No.83) 2007/5/26「<左利きプチ・アンケート>第41回」

「左手・左利き用品ニュース/百円ショップ、ダイソー「左ききカレースプーン」」で既に紹介しましたが、こちらでも画像を入れて紹介しておきましょう。

少し訂正する部分もあります。

 ・・・

4月の、週刊ヒッキイ
第79号(No.79)2007/4/28「<左利きプチ・アンケート>第40回」
で、
百円ショップの左手・左利き用品情報として、キャンドゥ「左ききはさみ」を紹介しています。
(こちらはブログでは未紹介。そのうち書きます。)

今回は、ダイソー「左きき用カレースプーン」

もうかなり以前から出ているという情報は、聞いていました。
が、今回初めて目にしました。

すくう部分に少し角度が付けられ、左手で持ってすくうのに都合のよい角度になっています。

メルマガには、

「右手用と左手用が二つ並んでいる、といった状況なら、不思議でもないのですが、

なぜ左利き用のカレースプーンなのか?
カレースプーンにだけ、左手用が必要なのか?
(右手用はないのか?)

―などなど、疑問は多々あります。」

と書きました。

今回買いに行ったお店には、ちゃんと右利き用といっしょに並んでいました。

右利き用は、青文字で右きき用
左利き用は、赤文字で左きき用と明記されています。


それにしても、どうしてカレー用のスプーンだけが利き手別のものが作られているのでしょうか。
これは依然疑問です。


うわさで聴いた話では、世には右利き用のスプーンを用意して、

右利きの人専用か? 

と思われる、カウンターだけのカレー屋さんがあるようです。

狭いスペースでひとりでも多くの人が腰掛けられるように、みんな半身になって、身体を斜めにしてカウンターに並んで座るのです。

その逆に、左利き専用カレー屋さんがあってもいいかもしれません!?

まあ、しかし、週刊ヒッキイ
第82号(No.82) 2007/5/19「私にとっての左利き活動(13)」
「レフティやすおの左利き活動万歳/私にとっての左利き活動(13)左手・左利き用品を探す」
の中でもふれましたように、
まずは、「ある」ということが重要です。

左手・左利き用は、通常「ない」のが標準?になっていますから。


使いようによっては、介護用等にも使えるかもしれません。

対面で(多数派の右利きの人が)右手で食べさせるときは、こういう角度のついたものは、便利そうです。


何はともあれ、100円ショップに、左利きを意識したものづくりを考える人がいらっしゃるのなら、喜ばしいこと、心強いことです。

ぜひ、がんばって欲しいものです。

色々な可能性があります。
ぜひ、百円ショップの販売の人も、商品を卸すほうの人も、いろんな商品の開発を試みて欲しいものです。

お客さんは待っていますよ!

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。

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2006.12.12

左右ユニバーサルデザインのビン:磯じまん

Isojiman
旧聞になりますが、わが家でも愛用の
♪いーそいそいそいそじまん、でおなじみの海苔の佃煮「磯じまん」のビンがユニバーサルデザインになりました。

11月24日の新聞広告(産経新聞)によりますと、

保存性に優れ、環境にやさしいガラスビンには、すべり止めとして波形デザインを! キャップには、未開封がひと目でわかるセーフティボタン付です。

もちろんキャップにも、開栓時に指のかかりが良いように凸凹が点けられているユニバーサルデザインです。

ビンの波形は、磯じまんのデザインの波模様を映したもので、浮き彫りの高さはさほど大きな凸凹ではありませんが、指がかりとしては左右の偏りなく使用できます。

この磯じまんのビンは、右利きの人でも左利きの人でも同じように指がかりとして使える、左右ユニバーサルデザインといえるでしょう。


私は左利きなので、ユニバーサルデザインにおいてもその左右性に目がゆきます。

以前、2005.12.22「左利きに使いづらい?ユニバーサルデザインびん:アヲハタ55」(お茶でっせ版)(新生活版)という記事で、ユニバーサル・デザイン化された新型のジャムのビンについて書きました。

このビンは、左右のUDという観点から見た場合、必ずしもUDとはいえないのではないか、少なくても左利きの私にとってはちょっと不便を感じる点がある、と述べました。

それは、ビンの上部の肩にあたる部分にある楕円形の凹(へこ)みが、斜めに付けられていて、その角度は右手にキャップ左手にビン本体を持つ場合に指がそうように作られている、と思われる点でした。

これは右利きの人の持ち方にそったもので、左利きの人の場合には、その逆で、指に楕円形のへこみの縁が食い込むような感じがして、あまり心地よくないのです。
凹みに指を合わせるとビンの口が右側に傾いてしまい、左手から遠くなります。

この凹みに角度がついていなければ、指がかりとしての機能がどちらの手でも満足できたのでは、と思われました。


この磯じまんのビンではそういう左右性がなく、左右ユニバーサルデザインとしてみた場合、一歩優れているように感じました。

右利きの人が多数を占めるのは事実ですが、右利きの人の使い方がすべてではない、という点もUDにおいては考慮して欲しいものです。

一見ささいなことと思われるかもしれませんが、こういうことの積み重ねも日常生活では非常に大きなものとなるような気がします。

UDを考える方々の参考になれば、幸いです。


磯じまん

磯じまん大瓶140g


※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。

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2006.04.05

左利きアンケートのお知らせ第27回洋食のマナーは利き手に合わせるべきか

『レフティやすおの左組通信』恒例の<左利きプチ・アンケート>の更新のお知らせです。

今回はトラブルで3週遅れの更新となっています。

<左利きプチ・アンケート>第27回 洋食のマナーは利き手に合わせるべきか

和食のマナーについても色々な考え方があるようです。
たとえば箸遣いに関して、依然伝統的な作法として、右手を使うことを求める人もいます。
和食の配膳に関しては、「第17回 学校での配膳は左利きの子も伝統的ルールに従うべきか」で、少しふれています。

では、洋食のマナーはどうでしょうか。

マナーをクイズ形式で扱うテレビのバラエティ番組でも活躍している、近藤珠實氏の著書『なぜそうするのかがわかる 心に響く 大人の新常識』オレンジページムック 保存版マナーの本(監修/『清紫会』新・作法学院学院長 近藤珠實 2005年刊)によりますと、左利きでも伝統的な作法にそって、右手にナイフ左手にフォークを、と説いておられます。

また、右利きでも食べやすいからと、ナイフで切ったあとでフォークを右手に持ち替えて食べることは、英国式の伝統的マナーでは、食い意地の張ったガツガツした人とみなされるので、やめましょう、とあります。(米国式では、許容されるようです。)

(ちなみに、この本の和食のマナー[箸の扱い方-基本編]では、「日本の古くから伝わる配膳の位置等の伝統(配膳に基づいて箸は右手で持つのがマナーとされています)を大切にしていきたいという方針のもと、左利き用の箸使いは製造しておりません。」という箸メーカー、兵左衛門の練習用お箸「箸使い」を紹介しています。)

しかし、私の聞いた話では、一流のレストランなどでは、お客様が左利きとわかればそれにあわせた給仕をしてくれるそうです。
礼儀作法を教える他の先生の話では、相手の身になって給仕する、思いやりの気持ちが礼儀というものだといいます。

あなたは洋食のマナーは利き手に合わせるべきだと考えますか、左利きでも従来通りの右利きの作法に合わせるべきだと思いますか。各自で持ち替えてもよいと思いますか。

下の選択肢のなかからひとつを選んで投票してください。

*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。ご自身でご自分の利き手を右もしくは左と、どちらか判断した上で投票してください。(どちらかの手が不自由等で必ずしも利き手を使っていない人は、実際に使っている手の方で投票にご参加ください。)

*一言言わせて、という方は投票後に表示されます一番下の「ご意見ボード」をご利用ください。
もっと言わせて、という方は掲示板もご利用ください。貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1 (右利きの投票者)人により利き手に合わせる
2 ( 〃 )右利き設定でよいが、自由に持ち替えてもよい
3 ( 〃 )右利き設定のまま勝手に持ち替えてはいけない
4 ( 〃 )よくわからない
5 (左利きの投票者)人により利き手に合わせる
6 ( 〃 )右利き設定でよいが、自由に持ち替えてもよい
7 ( 〃 )右利き設定のまま勝手に持ち替えてはいけない
8 ( 〃 )よくわからない

 ※ メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』第24号から投票できます。(今回もメルマガからの先行投票を実施しました。)

 ※ お手数をおかけしますが、投票は『レフティやすおの左組通信』表紙<左利きプチ・アンケート>

 ※ 現在の結果を見るのは、こちら

*このアンケートは、2006.4.9-5.6まで(4週間)に渡って実施されます。(その後は、表紙からそれぞれのページに移動します。すべて投票できます。)

今までに実施した利き手調査の結果を見る場合は、お手数ですが以下のページから、それぞれのページへお進みください。↓
『レフティやすおの左組通信』<左利きプチ・アンケート>目次

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載して、gooブログ・テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。

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2005.12.22

左利きに使いづらい?ユニバーサルデザインびん:アヲハタ55

最近はあまり食べなくなったのですが、わが家でもジャムといえば、キューピーの「アヲハタ55」ジャムを愛用しています。
久しぶりに買いに出かけてみました。
するとビンが変わっているではありませんか。

ビンの上部の肩にあたる部分に凹(へこ)みが付いています。キャップも凸凹が付いていかにも開けやすそうです。さらに、両側に二箇所ずつあるへこみの間に点字が刻まれて(盛り上がって)います。
ユニバーサル・デザイン容器になっているのです。

ホー、やるもんだ、と思ってよーく見るとへこみに角度が付いています。右肩上がりの楕円形です。グルグルッと回すと皆そうです。
左手で取り上げたのでそのまま指をあてがうとピタリときます。なるほど! ようできてる。右手でキャップを持つといかにも開けやすそう!

で、ふと思いました。
これって、右利き用?

私は左利きで、右手にビンを持って、左手でキャップを持ち、ひねって開けます。

今度はいつも開けるときのように、右手に持ち替えてみました。
指をへこみに合わせて持つと、少しビンが傾いてキャップが右側を向きます。左手から遠くなっています。

もう一度左手で持ってみますと、なるほどビンのキャップは右手のほうに傾いています。右手でどうぞ開けてください、というように。

再度右手に持ってみました。へこみに指を合わすのでなく、ビンを真っ直ぐ持つようにしながらへこみに指を置いてみました。
すると向こう側の人差指はまず問題はありません。でも、こちらの親指はへこみの下辺の縁の立った部分に当たり少し痛いのです。

小さい方(170gと335gの二種類ある)のビンでも試してみました。やはり多少の違いはあるものの同じように親指が、左手で持つときのようなピッタリ感がなく、指に当たり不快です。

aohata-ud

*
家に帰って「アヲハタ」のサイトを見ました。

アヲハタのこだわり ユニバーサルデザインびん採用
1. 瓶の上部に、握りやすいへこみリブを採用し、開けやすくしています。へこみリブは人間工学に基づき設計され、力のかかる方向を考え斜め左下がりの形状としています。
2. 瓶の上部に、「アヲハタ」「ジャム」という点字を入れ、より多くのお客様に判別しやすいようにしています。
3. へこみリブや点字など、通常ガラス瓶に凹凸をつけると強度が低下しますが、今回はユニバーサルデザインに配慮しながらも、継続している瓶の軽量化を進めました。
アヲハタ|アヲハタ商品紹介|アヲハタ 55ジャム より

今年2005年2月22日から全国で新発売、となっています。
点字の採用や凹みをつけて開けやすさを考えた点は、大いに評価できます。
ユニバーサル・デザインを採用する企業がドンドン増えることは喜ばしいことだと思います。

ただ、先ほども述べたように、私にはどうも気になる点があります。

「へこみリブは人間工学に基づき設計され、力のかかる方向を考え斜め左下がりの形状」―逆に言えば、右(肩)上がりです―とありますが、開ける方向に逆らうような向きにへこみがあればいいのであって、この角度はどうも左手でキャップ右手でビンを持つ左利きの人には不向きな気がします。

まだ現物を実際に使用していないので、正確なところはなんともいえません。
しかし、もうひとつしっくりしませんでした。
結局、今回は購入を見送りました。

皆様はいかがお考えでしょうか。

*
実は左利きの人のなかには、「人間工学に基づき」という言葉を目にすると、ちょっと眉に唾をつけたくなる人がいます。私もそういうひとりです。
どうもこの「人間」という言葉には、「右利きの」という修飾語が脱落しているような気がするのです。

なるほど右利きの人が右手で(あるいは右手を主に左手を従―補佐役として)作業するには適切でも、左利きの人には不適切になる場合もあるという、そういう左右のユニバーサル・デザインの視点の欠けたものが往々にして存在するように思います。

もう一度、ユニバーサル・デザインの基本精神を思い起こして、設計に当たって欲しいと思います。

※画像は、上記および下記のアヲハタのサイトより借用したものを適宜加工作成しました。
アヲハタ55ジャムおいしさナチュラル製法|キユーピーより
キューピー トップ > ジャム・ワールド > アヲハタ55ジャムおいしさナチュラル製法

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2005.07.17

『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博

*左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その三*
過去に二度記事にした、左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」こと、小野二郎氏についての三番目の記事となります。

・2005.5.20<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その一> お茶でっせ版新生活版
・2005.5.23<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その二>左利きのすし職人『すきやばし次郎 旬を握る』 お茶でっせ版新生活版

『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博・著 (新潮社・新潮新書 2003年12月発行)を手に入れ、そこで二郎氏の左利きに関する疑問が解決されました、と前回書きました。
その疑問とは、氏の包丁使いは右か左かということでした。既に<その一>でも書いているように、氏は包丁を右手で使っています。
その辺の事情をこの本から拾ってみましょう。

氏は、小学校二年生(八歳)のときに地元天竜市の割烹旅館に奉公に出され、小学校卒業後、昭和十六年(1941年、十六歳)で軍需工場に徴用されるまで料理人として働く。

「十六歳で、庖丁はもう一人前に持てました。刺身の盛り込みだって出来ました。いまから思えば、庖丁の腕前なんか、十六の頃からあまり進歩してないと思えるくらい使えていましたね。わたしは左利きでしたから、箸は小学一、二年で右に直しましたし、庖丁も十三歳のときに右で使えるようにしました。十代のうちに身体に覚え込ませた技術というのは、一生の財産になるもので、腕前だって本当はその頃が一番なんじゃないですか……」

明くる昭和二十年に徴兵され、終戦後、浜松の料理屋で働くうちに「自分でやるなら、料理屋よりすし屋がいい」と思うようになり、東京へ出てすし屋の職人への道を進む。昭和二十六年、二十六歳という遅いスタートであった。

*
ここで注目しておくべきことは、当時の風潮からいって箸使いを右手に変えさせられるのは当然のことだった、と考えられるということです。それが二郎氏の場合は小学校一、二年とのこと。左右の脳の成長のバランスもあり、潜在的な利き手が誰の目にも明らかになるのが、だいたい七、八歳といわれていますので、ほぼその時期にあたるかと思われます。

さらに、二郎氏が包丁使いを非利き手の右手に変えた時期を十三歳と発言されています。これは、物心ついて、自ら料理人として生きることを決心してからのことと考えられます。即ち自らの意志で自ら進んで行った変更で、当然問題なく身に付けることができたのでしょう。
「十代のうちに身体に覚え込ませた技術というのは、一生の財産になる」という言葉どおり、その技術が必要でかつその意志があれば、十代以降に身に付けても遅くないということです。

*
昔(いつ頃まで、と特定するのは難しいことです。なぜなら、今でも皆無ではないので)は、「矯正」と呼んで、左利きの子は左手使いを右手使いに変えるように躾されていました。ごく稀に左手使いのままの子がいると、親の躾がなっていない、と批判されたといいます。利き手というものが何であるかという、科学的な認識がないままに、右手使いこそ正しい作法と考え、左利きであっても左手使いを戒め、右手を使うように指導するのが当たり前のこととして行われていました。

今でも、このように左利きの子に右手使いをさせようと考える人がいます。現在ではもっと早い段階で、小学校入学以前になんとかしようという考えがあるようです。これは、かなり危険なリスクを背負う行為であると考えられています。利き手の確立以前に利き手を使わせないで非利き手を使わせていると、利き手の神経が発達せず、どちらの手もうまく使えない"非利き手"状態になってしまうといいます。

どうしても非利き手使いをさせたいと望むなら、二郎氏のように、利き手が確立してのちに本人を納得させた上で、本人の意志で自ら進んで非利き手を使うように指導すべきでしょう。これなら強制的な変更ではないので、利き手の変更による弊害(ストレスから来る吃音やチック症状等)の心配も少なくなると考えられます。

*
左利きに関して、もうひとつこの本でふれられているのは、二郎氏の接客の際の利き手対応です。お客様の様子を見て左利きとわかったら、その後は必ず左手で取りやすいように出す、というのです。

山本:(略)真っ直ぐに置かずに、客が手でつまみやすいように、ちょっと角度をつけて置かれます。(略)あれは意識して置かれているんですよね。
二郎:はい。
山本:その最初の一個を左利きで召し上がるお客様だったら、すかさず二個目からは……。
二郎:左に向けます。
山本:(略)どういうタイミングでどっちの方の手ですしをつまむ方なのか、さらに、手でつまむのか箸で召し上がるのかもはかってらっしゃいますよね。
二郎:はい、全部やります。手でつまむ方と箸を使われる方ではにぎりのかたさをわずかに変えます。箸の方のほうはちょっとですが堅めににぎります。それをやるのが、こちらの仕事です。(略)

この話は、2005.06.04記事「左利きの子にやさしい環境を整えよう―左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―その6」お茶でっせ版新生活版左組通信・左利き私論3―左利きのお子さんをお持ちの親御さんへのなかでも配膳に関するくだりで利き手への気配りの例として紹介していますが、さすがに左利きの人らしい、非常に優しい心遣いだと感じました。

初めから聞けばいいじゃないか、という意見もあるかもしれません。しかし、これはあくまでカウンターを挟んですしを握る、対面で接する職人ならではの奥ゆかしさではないでしょうか。
専門の接客係がいて作り手は陰に隠れているレストランなどと違い、カウンターのすし屋では、あらかじめ利き手の確認を取って給仕するというのもちょっとよそよそしい感じがします。ここは黙って相手の様子をうかがって気を配るというやり方がふさわしいように思われます。

一方、レストランなどではやはりあらかじめお客さんの利き手―あるいは実際に使う手がどちらかを確認した上で、それに応じた給仕をして欲しいものです。
分煙の進んだ今日、喫煙するのか否かを尋ねるのと同じことです。サービスの一環として、標準化されるべきではないでしょうか。

*
私は、氏は職人として仕事のためにすべてに気を使って生きている、という感じを受けました。たとえば、お客さんが口に入れるものを直接素手で扱っているので、夏でも手袋をして手のケアを心がけている、と。これは握りすし職人なら当然の心がけかもしれません。しかし、徐々にそういう職人気質を持った人が減り、皆良くも悪くもサラリーマン化してきているように感じます。反面、最近また、こういう古風ともいうべき職人のあり方が見直されつつあるように思います。
ぜひ良い面は残して、今様の現代版職人さんが増えてゆくことを祈っています。

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載して、gooブログ・テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。

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2005.05.23

左利きのすし職人『すきやばし次郎 旬を握る』

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*左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その二*

今回紹介するのは、見ているだけで生唾が湧いて来るという、江戸前握り鮨の名店「すきやばし次郎」の主人、小野二郎が一年間に供する握り鮨、酒肴、小鉢などの全点を網羅した、"江戸前握り鮨技術教本"、里見真三著・丸山洋平写真『すきやばし次郎 旬を握る』文春文庫(2001)です。元の本は1997年文藝春秋から出版されています。

これ一冊読めば鮨通になれるといったものでしょう。仕込から作り方から一切合財が図入り、写真入りで紹介されています。

62pの写真や、274-5pにかけて見開き二ページを使って連続写真で紹介している「鮨の握り方」(画像参照)をご覧になればわかるように、ここに登場するすし職人、小野二郎氏は左利きです。

右手で包み込むようにすしを持ち、左手の指で上から押さえるように整えてゆく、という左構えで鮨を握る左利きのすし職人です。

とはいえ、残念ながら左利きに関する記述は、この「鮨の握り方」のページの「(小野二郎は左利きである)」という注釈だけのようです。
左利きのすし職人の苦労を聞きたいという興味は満たされませんでした。
しかし握り方はよくわかります。右利きの人との違いがわからないのが、残念ですが…。

私は以前、左利きのすし職人さんと少しお話したことがあります。ネタを切る包丁だけは左利き用の片刃を使っておられました。
また、左利きではすしの並べる方向が逆になるそうです。
右利きの人のものと並ぶと一目で違いがわかります。
反面、それだけで出されると気付かぬ人も少なくないそうで、おもしろいものです。食べるのに夢中になるのでしょうか。

小野二郎氏は、大正生れで、元は板前さんで後にすし職人になったという方です。
そのせいか包丁はみな右手使いになっています。あるいは何本もの腕が写っているシーンもありますので、握る場面以外は他の職人さんが仕事されているのかもしれません。その辺は確認できません。

左利きの興味だけで見ると今ひとつ面白味に欠けますが、なかなかよくできた本です。
改めて料理は、すしは芸術だな、と感嘆します。
スーパーや回転寿司も悪くありませんが、一生に一度ぐらいはこういうところで心ゆくまで舌鼓を打ってみたいものです。

そういえば、小学校時代の級友もすし職人です。もう一度自分のお店を持てるよう、捲土重来を心から祈っています。がんばってね!

*
以上の文章は、4月の初めに書いたものです。
その後、『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博・著 (新潮新書) を手に入れ、そこで二郎氏の左利きに関する疑問が解決されました。それはまた次回―。

*左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」の記事*
・2005.5.20<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その一> お茶でっせ版新生活版
・2005.7.17<左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その三>『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』山本益博 お茶でっせ版新生活版

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載して、gooブログ・テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。

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