2020.09.15

私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)-楽しい読書278号

 ―第278号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」


 


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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
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 今年は、1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫
 「ハヤカワ文庫」が50周年を迎えた年です。


 ということで、今回は、
 私の読書生活51年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」を取り上げます。


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  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆


  私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)


   ――最初の6冊――


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 ●1970年以前
 ●ハヤカワ文庫の歴史


1970年8月、ハヤカワ文庫が創刊
最初は、SF文庫


1972年1月、NV文庫創刊


1973年3月、JA文庫創刊


1976年4月、ミステリ(HM)文庫が創刊


1977年4月、NF文庫創刊


1978年9月、ハヤカワ文庫Jr創刊


1979年2月、FT文庫創刊


1989年1月、ミステリアス・プレス文庫創刊


1999年10月、「ダニエル・キイス文庫」創刊


2003年10月? クリスティー文庫創刊


2001年5月、<ハヤカワepi文庫>創刊


*参照:
・『ミステリマガジン』(HMM)2020年9月号(no.742)
「特集/ハヤカワ文庫創刊50周年」


・『ハヤカワ文庫創刊30周年記念フェア解説目録』(非売品)


 


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 ●最初の6冊(創刊第一弾ラインアップ本から)


【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』ロバート・E・ハワード
2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』アイラ・レヴィン
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン
4.HM『重賞』ディック・フランシス
5.HM『死の接吻』アイラ・レヴィン
6.FT『夢の10セント銀貨』ジャック・フィニイ


1.
征服王コナン―英雄コナン・シリーズ (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 文庫 – 1970/1/1
ロバート・E.ハワード (著), 団 精二 (翻訳)


 


2.
ローズマリーの赤ちゃん (ハヤカワ文庫 NV 6) (日本語) 文庫 – 1972/1/1
アイラ・レヴィン (著), 高橋 泰邦 (翻訳)


 


3.
女王陛下のユリシーズ号 (ハヤカワ文庫 NV (7)) (日本語) 文庫 – 1972/1/1
アリステア・マクリーン (著), 村上 博基 (翻訳)


 


4.
重賞 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12-3)) (日本語) 文庫 – 1976/4/1
ディック・フランシス (著), 菊池 光 (翻訳)


 


5.
死の接吻 (ハヤカワ・ミステリ文庫 20-1) (日本語) 文庫 – 1976/1/1
アイラ・レヴィン (著), 中田 耕治 (翻訳)


 


6.
夢の10セント銀貨 (ハヤカワ文庫 FT 2) (日本語) 文庫 – 1979/2/1
ジャック・フィニイ (著), 山田 順子 (翻訳)


 ・・・


以上が私の今手元にある【最初の6冊】です。


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 ・・・


次回は、続編で【私のお気に入り7】を紹介します。


 


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本誌では、「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」と題して、ほぼ私の読書歴に匹敵するこの半世紀を、ハヤカワ文庫を通して回顧してみます。


その一回目として、ハヤカワ文庫の各ジャンル別の創刊の歴史と、それぞれのジャンルの今私の持っている本【最初の6冊】を紹介しています。


思い出深い本ばかりです。


年寄りの昔話ですが、私にとってはつい昨日のような、とても印象に残っている本達です。


本を読み始めたばかりの、若い頃の情熱といったものが、強い印象につながっているのでしょう。
何事も最初の経験というものは、大きなウエートを持っているものです。


個々の思い出話などは本誌でご確認ください。


 ・・・


では、詳細は本誌で!


*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』


 


『レフティやすおのお茶でっせ』

〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


 


 


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2020.08.15

ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号

 ―第276号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)
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左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
×
レフティやすおの楽しい読書

コラボ編

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左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】

まとめ 2 ■030 ~ ■043
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今回は、
わが左利きメルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」
とのコラボです。

「週刊ヒッキイ」で以前「名作で読む左利き」という
左利きの人が登場するいくつかの文学作品を取り上げて
紹介する企画がありました。

その発展系として、
左利きの人が登場する「左利きミステリ」
を紹介する企画を続けました。

この企画終了後に新たに発見した作品もまとめて、
改めて過去から時代を追う形で紹介する企画を
ツイッターで始めました。

まだまだ
発展途上ではありますが、
紹介済みの部分をまとめておくことにしました。

基本は「左利き」がテーマですが、
「本(主に小説)をネタにしたお話」ということで、
この読書メルマガでも取り上げておこうと思います。

 

★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡

【#左利きミステリ入門】まとめ(2) ■030 ~ ■043

★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡

 

5月16日から私のツイッター

左利きライフ研究30年☆レフティやすお
https://twitter.com/lefty_yasuo

で、「#おうち時間 は一人で #本 #読書」ということで、

【#左利きミステリ入門】
https://twitter.com/hashtag/左利きミステリ入門?src=hashtag_click

を始めました。

今回は、そちらの「まとめ」編となります。

左利きメルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」と
もう一つの読書メルマガ「レフティやすおの楽しい読書」との
コラボ編でもあります。

(メルマガ用に一部形式を改めました。)

関連する書影や該当本文の画像などは、
それぞれのツイッターのページにあります。

参考にご閲覧いただければ、嬉しく思います。

 ・・・

[まとめ(1) ■001 ~ ■022]は、

「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」577号

をご覧ください。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
https://www.mag2.com/m/0000171874.html

 

―■001~022の概要―

001,002 「#左利きミステリ入門」(とは何か、について)
003 ≪人物別≫分類 (左利きの登場人物についての5分類)
004-008 ≪人物別≫分類1-5 (分類5種とそれぞれの実作例)
009,010 ポー「黄金虫」(これより一作ずつの実例)
011,012 『旧約聖書』「士師記」(左利きの“暗殺者”)エホデ
013-016 『棠陰比事』 (中国宋時代の判例集の左利き事例)
017-022 フランクリンの(左手からの)請願書

 ・・・

■023
異色

【海外ミステリ】1841(アメリカ)
エドガー・アラン・ポー「悪魔に首を賭けるな 教訓のある話」1

習慣によって身の破滅を招く男――
原因は、母親固有の具体的欠点
左利きによる打擲と貧乏だった!

 

■024
エドガー・アラン・ポー「悪魔に首を賭けるな」2

『ポオ短編全集III』野崎孝訳 創元推理文庫

 

彼の母親の肉体的欠陥から生まれたものだ。
悲しいかな、この女は運悪く左ききだった...
子供を左から右へひっぱたいたって甲斐ないこと。

 

■025
ファンタジー

【海外ミステリ】1871(イギリス)
ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』1

ご存知『不思議の国のアリス』の作者による
鏡のなかの左右反転世界での冒険

 

■026
ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』2

矢川澄子訳 金子國義 イラスト 新潮文庫

 

「あの鏡のお家に住んでみる気はない、キティ? 
あっちでもあんた、ミルクもらえるかしら。
鏡のなかのミルクなんて、おいしくなさそう――」

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参照『非対称の起源―偶然か、必然か』帯絵
講談社ブルーバックス

 

■027
ショートショート

【海外ミステリ】19世紀?(アメリカ)
マーク・トウェイン〈玉突屋のおやじ〉
『ちょっと面白い話』大久保博編訳

 

ひと勝負やるか とおやじ
おれの腕前を見て
「よし結構。それならおれは左手で突こう」

 

■028
マーク・トウェイン〈玉突屋のおやじ〉2

「左手でもそれだけ突けるんだから、
右手で突いたら、いったいどれだけ突けるんだい?」
「いやあ、だめさ」とおやじは言った。
「おれはもともと左ギッチョなんだ」

 

■029
番外

マーク・トウェイン『ちょっと面白い話』大久保博編訳

 

多数派は常に間違っている
自分が多数派にまわったと知ったら
それは必ず行いを改める(か、一息いれて反省する)時だ

マーク・トウェインは左利き―
『神々の左手―世界を変えた左利きたちの歴史』
スタジオタッククリエイティブ

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 ・・・

*『レフティやすおのお茶でっせ』
2020.6.25
ツイッター【#左利きミステリ入門】30回、
ついにホームズものに突入!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/06/post-9d083a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c0c4c1894787d7547280b8d6d847f87c

 ・・・

■030
ホームズの名推理

【海外ミステリ】1891(イギリス)
アーサー・コナン・ドイル「ボスコム谷の謎」1
『シャーロック・ホームズの冒険』収録

左利きの犯人 外科医の傷跡証言から

 

■031
ドイル「ボスコム谷の謎」2

『シャーロック・ホームズの冒険
【新訳シャーロック・ホームズ全集】』日暮雅通訳 光文社文庫

「外科医の検死報告にあった傷の状態は...
真後ろから殴っているのに、傷は頭の左側にあった。
...これはどうみたって左ききの人物の犯行としか考えられない。」

 

■032
ホームズの名推理

【海外ミステリ】1893(イギリス)
アーサー・コナン・ドイル「黄色い顔」1
『シャーロック・ホームズの回想』

留守中に来た依頼人の忘れ物から 左利きだ、と

 

■033
ドイル「黄色い顔」2

『シャーロック・ホームズの回想
【新訳シャーロック・ホームズ全集】』日暮雅通訳

「しかも焦げているのはパイプの右側だから、左ききだ。
きみのパイプをランプにかざしてごらんよ。
右ききだから、左側を火にさらすことになるだろう。」

 

■034
ドイル「黄色い顔」3

2005.9.17
依頼人は左利き―ホームズの名推理「黄いろい顔」より
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2005/09/post_4893.html

2011.9.24
推理小説と左利き:週刊ヒッキイhikkii278名作の中の左利き
~推理小説編1
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/09/hikkii2781-f03e.html

依頼人の忘れ物から推理

 

■035
ホームズの名推理

ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』1

彼はエディンバラ大学医学生時代、外来診療実習生として、
エディンバラ病院の外科医でもあった恩師
ジョーゼフ・ベル博士の診療室での“講義”で
推理法を身につけた。

 

■036
ホームズの名推理

ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』2
深町真理子訳 創元推理文庫

新しい患者がはいってくると、ベル博士はずばりと言う。―
「この人は #左利き で、靴直し職人だ」それから、
それを説明して... (続く)

 

■037
ホームズの名推理

ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』3

恩師の推理―
「この人は #左利き で、靴直し職人だ」
「ズボンのひざ...右側のほうが、
左側よりもはるかにすりきれかたが激しい...
底革を打つのに、左手を使っている証拠だよ」

 

■038
ホームズ・パスティーシュ

【海外ミステリ】1899年クリスマスデイ[1999(アメリカ)] 
エドワード・D・ホック「クリスマスの陰謀」1

『エドワード・D・ホックの
シャーロック・ホームズ・ストーリーズ』日暮雅通他訳

 

■039
エドワード・D・ホック「クリスマスの陰謀」2

『エドワード・D・ホックの
シャーロック・ホームズ・ストーリーズ』日暮雅通訳 原書房

「でも、執事があの人だということが、
どうやってわかったんですか?」
「彼が左利きだという...

 

■040
ホック「クリスマスの陰謀」3

「左利きだという明らかな事実が...
首攻めをしたときも、左手を使って...
写真でも...左手に銃を持って」

 

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■041
SFファンタジー

【海外ミステリ】1896(イギリス)
H・G・ウェルズ「プラットナー先生綺談」1
『バベルの図書館8白壁の緑の扉』収録

四次元世界に飛ばされたのち戻ってきたら
右利きから左利きへ肉体の左右が逆転した男の話

 

■042
H・G・ウェルズ「プラットナー先生綺談」2

ボルヘス編『バベルの図書館8白壁の緑の扉』
小野寺健訳 国書刊行会

ゴットフリート・プラットナーの体が
解剖学的に左右逆転しているというくらい
厳然たる事実も例がないのだが

 

■043
ウェルズ「プラットナー先生綺談」3

私のメルマガで紹介
2020年2月15日
左利きで生きるには週刊ヒッキイhikkii 565号
レフティやすおの楽しい読書 264号

左右反転小説-左利きになった男
(楽しい読書/週刊ヒッキイ・コラボ編)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-386af3.html

 ・・・

[043-]インターバル

7/9
【左利きミステリ入門】【海外ミステリ】編

前回で、19世紀までの部が終了しました。

今までに発見したものはすべて紹介しました。

私の知らない抜けがあると思います。
お気づきの方はご連絡ください。

20世紀の部まで、しばらくお休みをいただきます。

よろしく!

 

7/13
【左利きミステリ入門】【海外ミステリ】インターバル

19世紀末から20世紀初頭にかけて、
ドイルのホームズものの雑誌連載短編探偵小説の成功により、
二匹目のドジョウを目指す多くの模倣者が出現しました。
いわゆる シャーロック・ホームズのライヴァル たちです。

 ・・・

以上、「左利きミステリ入門」まとめ(2) でした。

 

 ●多様性に一つとしての左利き

 ●優れた作家は左利きの特徴を捉えている

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本誌では、「左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)」と題して、ツイッターで発表した「左利きミステリ入門」の23回~43回までを紹介しています。

最後の〆の言葉「●多様性に一つとしての左利き/●優れた作家は左利きの特徴を捉えている」を除いてすでに公開済みの内容ですので、ここにもすべて転載しました。

最後の部分だけは、本誌でご閲読をお願いいたします。

特別なことは書いていません。
普段から口にしているような内容です。

でも、いいたいことは書いています。
ぜひ、お読みください。

 ・・・

詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』

〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

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ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第577号 別冊編集後記

第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)

 

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◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆ 
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)
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左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
×
レフティやすおの楽しい読書

コラボ編

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左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】

まとめ 1 ■001 ~ ■029
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今回は、
わが読書メルマガ「レフティやすおの楽しい読書」
とのコラボです。

以前「名作で読む左利き」という
左利きの人が登場するいくつかの文学作品を取り上げて
紹介する企画、そして、それに続いて、
左利きの人が登場する「左利きミステリ」
を紹介する企画を続けました。

企画終了後に新たに発見した作品もまとめて、
改めて過去から時代を追う形で紹介する企画を
ツイッターで始めました。

まだまだ
発展途上ではありますが、
紹介済みの部分をまとめておくことにしました。

基本は「左利き」がテーマですが、
「本(主に小説)をネタにしたお話」ということで、
読書メルマガの方でも取り上げておこうと思います。

 

★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡

【#左利きミステリ入門】まとめ(1) ■001 ~ ■029

★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡 ★☆彡

 

5月16日から私のツイッター

左利きライフ研究30年☆レフティやすお
https://twitter.com/lefty_yasuo

で、「#おうち時間 は一人で #本 #読書」ということで、

【#左利きミステリ入門】
https://twitter.com/hashtag/左利きミステリ入門?src=hashtag_click

を始めました。

今回は、そちらの「まとめ」編となります。

左利きメルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」と
もう一つの読書メルマガ「レフティやすおの楽しい読書」との
コラボ編でもあります。

(メルマガ用に一部形式を改めました。)

関連する書影や該当本文の画像などは、
それぞれのツイッターのページにあります。

参考にご閲覧いただければ、嬉しく思います。

 ・・・

●5/16
https://twitter.com/lefty_yasuo/status/1261558636200857600

自粛一部解除とはいえ

#おうち時間 は一人で #本 #読書 !

#左利きライフ研究家 らしく私の趣味を活かして
#海外ミステリ #国内ミステリ から
#左利き の登場人物たちの左利きらしい動作を描いた
#左利きの人 が活躍?する
#左利きミステリ
について紹介する【#左利きミステリ入門】を始めます。

 ・・・

~~【#左利きミステリ入門】~~

■001
左利きミステリとは、左利きの人が主要登場人物である物語や
左利きの性質をトリックに活用した推理小説等の
ミステリの総称をいう。


国内ミステリ ― 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
海外ミステリ ― エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』
など

 

■002
個々の作品を「左利きを扱うミステリ」と分類することで、
一部ネタバレになる場合があります。

ただ、謎解きものでも、
大半の作品ではメイン・トリックよりも
サブ・トリックとして使われるケースが多く、
鑑賞上、一番のおいしいところでは問題ない、と考えています。

 

■003
左利きミステリ ≪人物別≫分類

左利き の登場人物を分類すれば、
以下の5つのタイプが考えられます――

◆左利きの探偵
◆左利きの被害者
◆左利きの犯人
◆左利きの容疑者
◆左利きのその他の事件関係者
例:
○依頼者 ○名画の本当の画家 ○謎の本の著者 等々

 

■004
左利きミステリ ≪人物別≫分類 1 ◆左利きの探偵

【海外ミステリ】
○検屍官 ケイ・スカーペッタ コーンウェル『死因』

【国内ミステリ】
○サウスポー(左腕投手)・沢村 水原秀策『サウスポー・キラー』
○青年へルパー・神原淳 愛川晶『ヘルたん』

 

■005
左利きミステリ ≪人物別≫分類 2 ◆左利きの被害者

【海外ミステリ】
アガサ・クリスティー「厩舎街(ミューズ)の殺人」
『死人の鏡』収録

【国内ミステリ】
東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
齋藤栄『春夏秋冬殺人事件』冬の部

 

■006
左利きミステリ ≪人物別≫分類 3 ◆左利きの犯人

【海外ミステリ】
ドイル「ボスコム谷の謎」
『シャーロック・ホームズの冒険』収録

ルブラン「赤い絹の肩掛け」
『リュパンの告白』/旧版『世界短編傑作集2』江戸川乱歩編
収録

 

■007
左利きミステリ ≪人物別≫分類 4 ◆左利きの容疑者
―左利きの犯行と推測され、容疑者とされるが……。

【海外ミステリ】
アガサ・クリスティー『ゼロ時間へ』
同『検察側の証人』戯曲

【国内ミステリ】
我孫子武丸『8の殺人』

 

■008
左利きミステリ ≪人物別≫分類 5
 ◆左利きのその他の事件関係者

【#海外ミステリ】
○依頼人 ドイル「黄色い顔」『ホームズの回想』収録

○画家 オームロッド『左ききの名画』

【#国内ミステリ】
○作家 恩田陸『三月は深き紅の淵を』

 

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 ・・・

●5/23
https://twitter.com/lefty_yasuo/status/1264099137047474176

いよいよ全国的に外出自粛も解除目前!

とはいえまだまだ油断大敵!

#おうち時間 は一人で #本 #読書

#左利きライフ研究家 らしく
#左利き の登場人物たち
#左利きの人 が活躍?する
#左利きミステリ を紹介する

【#左利きミステリ入門】

[009]からは個別の作品を!

まずは #海外ミステリ から。


『レフティやすおのお茶でっせ』2020.5.24
ツイッターで【左利きミステリ入門】始めました
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/05/post-781897.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/36f14c0868ce07b4ed38c644742c980c

 ・・・

■009
ここでもポーは先駆者だった!?

【海外ミステリ】1843年(アメリカ)
エドガー・アラン・ポー 暗号解読宝探し小説「黄金虫」1

左利きの従僕の左右取り違えで、一度は宝探しに失敗するが……

『ポオ短編全集IV』丸谷才一訳

 

■010
ポー「黄金虫」2

「おまえ、自分の右手と左手の区別がつくか?」
「...薪を割るのがおらの左手ですだ」
「なるほど、#左利き だもんね。
じゃあ、お前の左の眼は左手と同じ側にあるんだ。」

 

■011
世界最古級? 左利きミステリ

【海外ミステリ】紀元前
『旧約聖書』「士師記」第3章12-30
左利きの暗殺者〈モアブの王エグロン殺し〉

マイケル・バーズリー『左ききの本』TBS出版会 西山浅次郎訳
十三章「エホデ――ベンヤミンのジェイムズ・ボンド」

 

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■012
『旧約聖書』「士師記」左利きのエホデ 2

第3章
15 ベニヤミン人ゲラの子なる左手利捷のエホデ是なり
16 両刃の剣を作らせ...
21 エホデ左の手を出し右の股より剣を取りてその腹を刺せり

『文語訳旧約聖書II歴史』岩波文庫

 

■013
裁判実例集

【海外ミステリ】1207年(中国・南宋時代)
『棠陰比事』1 
桂万栄/編纂 駒田信二/訳「9 利手の左右」「10 傷跡の深浅」

江戸時代「本朝棠陰比事物語」として翻訳され、
翻案ものが編まれた

『棠陰比事』岩波文庫

 

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■014
『棠陰比事』2
桂万栄/編纂 駒田信二/訳

「9 利手の左右」
囚人たちに食事をさせてその利手(ききて)を調べたところ、
彼だけが左手で匕(さじ)や箸を使ったので、
この男が殴り殺したと...

平凡社『中国古典文学大系39』

 

■015
『棠陰比事』3

「10 傷跡の深浅」
傷が右臂(ひじ)にあるのが不審であった。
そこで食事をあたえて利手を調べてみたところ、
誣告であることが明らかになったのである。

 

■016
『棠陰比事』4
左利きミステリ 情報源

有栖川有栖『ミステリ国の人々』日本経済新聞出版社
「ディー判事――ロバート・ファン・ヒューリック」

「この中でただ一人、左利きのお前が犯人だ」
などという推理が出てくるのだから。

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■017
ショートショート

【海外ミステリ】18世紀(アメリカ)
ベンジャミン・フランクリン
「フランクリンの請願書(左手からのお願い)」1

バーズリー『左ききの本』
ブリス、モレラ『左利きの本』草壁焔太訳
コレン『左利きは危険がいっぱい』

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■018
フランクリンの請願書 2

バーズリー『左ききの本』TBS出版会 西山浅次郎訳

「教育の監督権を有する関係者に対する請願書」

「私の不幸な運命に対して情深い配慮を...
すべての子どもに同等に注意と愛情を...左の手拝」

 

■019
フランクリンの請願書 3

ブリス、モレラ『左利きの本』講談社 草壁焔太訳

 

“教育を監督主導する人々への嘆願書”

左手についての...深刻な問題をとりあげ軽いタッチで、
彼は左利きへの合理的な理解と同情を訴えた。

 

■020
フランクリンの請願書 4

コレン『左利きは危険がいっぱい』文藝春秋 石山鈴子訳

左手利き(の彼は)...
左手利きの人々にのしかかるプレッシャーに抗議して、
「教育を監督する方々へのお願い」と題した文章を書いている。

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■021
フランクリンの嘆願書 5

1971(昭和56)年
阿刀田高 ショートショート「兄弟」が類似した内容だ!

...双生児の兄弟、
姿形だって真実鏡に映したように二人はよく似ていた。

『新装版・最期のメッセージ』講談社文庫

 

 

■022
フランクリンの請願書 6

阿刀田高「兄弟」
親の愛情の優劣の例の元ネタ?

参照:
<右手と左手>の立場を語る「兄弟」~
『イソップを知っていますか』阿刀田高
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/07/post-6a7a.html

阿刀田高「兄弟」とLYGP2012...
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/12/lygp2012-hikkii.html

 ・・・

*『レフティやすおのお茶でっせ』
2020.6.25
ツイッター【#左利きミステリ入門】30回、
ついにホームズものに突入!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/06/post-9d083a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c0c4c1894787d7547280b8d6d847f87c

 ・・・

以上で、22回分まで終了です。

「まとめ(2) ■023 ~ ■043」は、
本日12時発行の「レフティやすおの楽しい読書」No.276で、
ご覧ください。

『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
https://www.mag2.com/m/0000257388.html

―■023~043の概要―

023,024 エドガー・アラン・ポー「悪魔に首を賭けるな」
025,026 ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』
027-029 マーク・トウェイン「(玉突屋のおやじ)」

[6/25] #左利きミステリ入門 030(いよいよホームズものに突入)

030,031 アーサー・コナン・ドイル「ボスコム谷の謎」
032-034 アーサー・コナン・ドイル「黄色い顔」
035-037『コナン・ドイル』ジュリアン・シモンズ (伝記から)
038-040 エドワード・D・ホック「クリスマスの陰謀」
 (ホームズ・パスティーシュ)
041-043 H・G・ウェルズ「プラットナー先生綺談」

[7/9] インターバル (前回で、19世紀までの部が終了)
[7/13] インターバル
(いわゆる シャーロック・ホームズのライヴァルたち へ)

 ●左利きの痛み

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

本誌では、「左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)」と題して、ツイッターで発表した「左利きミステリ入門」の1回~22回までを紹介しています。

最後の〆の言葉「●左利きの痛み」を除いてすでに公開済みの内容ですので、ここにもすべて転載しました。

最後の部分だけは、本誌でご閲読をお願いいたします。

特にこれといった特別な内容ではありません。
普段から書いていることばかりですけれど……。

 ・・・

では詳細は、本誌で。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

 

 

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2020.06.25

ツイッター【#左利きミステリ入門】30回、ついにホームズものに突入!

以前、↓で紹介しましたように、

2020.5.24
ツイッターで【左利きミステリ入門】始めました


ツイッター左利きライフ研究30年☆レフティやすおで5月16日からは始めました
【#左利きミステリ入門】
ですが、

ついに30回となり、いよいよアーサー・コナン・ドイルのホームズものに突入しました。

最初のホームズものは、左利きが犯人の「ボスコム谷の謎」。

【#左利きミステリ入門】030/#アーサー・コナン・ドイル「#ボスコム谷の謎」1

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これは、世界三大推理小説名短編集の一つ、ホームズもの最初の短編集『シャーロック・ホームズの冒険』の一編です。

また、この作品は「犯人が左利き」とバラしてもなんの問題もない、数少ない?作品の一つです。

次のホームズものは、第二短編集から「依頼人が左利き」の「黄色い顔」です。


ホームズ関連第三弾は、35回からジュリアン・シモンズの伝記『コナン・ドイル』から、ホームズの推理法を学んだ恩師の講義についてです。

第四弾は、1999年のクリスマス・デイの犯罪を描く、エドワード・D・ホックのホームズ・パスティーシュ「クリスマスの陰謀」です。

お楽しみに!



第一短編集:
『シャーロック・ホームズの冒険【新訳シャーロック・ホームズ全集】』日暮雅通訳 光文社文庫

第二短編集:
『シャーロック・ホームズの回想【新訳シャーロック・ホームズ全集】』日暮雅通訳 光文社文庫

ドイル伝記:
ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』深町真理子訳 創元推理文庫

ホームズ・パスティーシュ:
『エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ』日暮雅通他訳 原書房

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2020.05.24

ツイッターで【左利きミステリ入門】始めました

私のツイッター
左利きライフ研究30年☆レフティやすお
で、

「#おうち時間 は一人で #本 #読書」ということで、


【#左利きミステリ入門】

を始めました。

Hidarikiki-mystery-oversea-3
海外ミステリ

Hidarikiki-mystery-2
国内ミステリ

 ・・・


●5/16

自粛一部解除とはいえ

#おうち時間 は一人で #本 #読書 !

#左利きライフ研究家 らしく私の趣味を活かして
#海外ミステリ #国内ミステリ から
#左利き の登場人物たちの左利きらしい動作を描いた
#左利きの人 が活躍?する
#左利きミステリ
について紹介する【#左利きミステリ入門】を始めます。



●5/16

【#左利きミステリ入門】001
 
#左利きミステリ とは
#左利きの人 が主要登場人物である物語や
#左利き の性質をトリックに活用した推理小説等の
#ミステリ の総称をいう。


#国内ミステリ ― #東野圭吾『#どちらかが彼女を殺した』
#海外ミステリ ― #エラリー・クイーン『#シャム双子の秘密』
など



●5/16

【#左利きミステリ入門】002

個々の作品を「#左利き を扱うミステリ」と分類することで、一部ネタバレになる場合があります。

ただ、謎解きものでも、大半の作品ではメイン・トリックよりもサブ・トリックとして使われるケースが多く、
鑑賞上、一番のおいしいところでは問題ない、と考えています。



●5/16

【#左利きミステリ入門】003

#左利きミステリ
≪人物別≫分類

#左利き の登場人物を分類すれば、以下の5つのタイプが考えられます――

◆#左利きの探偵
◆#左利きの被害者
◆#左利きの犯人
◆#左利きの容疑者
◆#左利きのその他の事件関係者
例:
○依頼者
○名画の本当の画家
○謎の本の著者
等々



●5/17

【#左利きミステリ入門】004

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 1

◆#左利きの探偵

【#国内ミステリ】
○検屍官 #ケイ・スカーペッタ
#コーンウェル『#死因』

【#国内ミステリ】
○サウスポー(左腕投手)・沢村
#水原秀策『#サウスポー・キラー』
○青年へルパー #神原淳
#愛川晶『#ヘルたん』



●5/18

【#左利きミステリ入門】004
#左利きミステリ
≪人物別≫分類 1
◆#左利きの探偵

で、間違いがありました。

(×)
【#国内ミステリ】
○検屍官 #ケイ・スカーペッタ
#コーンウェル『#死因』


【#海外ミステリ】です。
失礼しました。

(○)
【#海外ミステリ】
○検屍官 #ケイ・スカーペッタ



●5/19

【#左利きミステリ入門】005

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 2

◆#左利きの被害者

【#海外ミステリ】
#アガサ・クリスティー「#厩舎街ミューズの殺人」
『#死人の鏡』収録

【#国内ミステリ】
#東野圭吾『#どちらかが彼女を殺した』
#齋藤栄『#春夏秋冬殺人事件』冬の部

#本
#読書
#左利き



●5/20

【#左利きミステリ入門】006

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 3

◆#左利きの犯人

【#海外ミステリ】
#ドイル「#ボスコム谷の謎」
『#シャーロック・ホームズの冒険』収録

#ルブラン「#赤い絹の肩掛け」
『#リュパンの告白』
旧版『#世界短編傑作集2』江戸川乱歩編
収録

#本
#読書
#左利き



●5/21

【#左利きミステリ入門】007

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 4

◆#左利きの容疑者
―左利きの犯行と推測され、容疑者とされるが……。

【#海外ミステリ】
#アガサ・クリスティー『#ゼロ時間へ』
同『#検察側の証人』戯曲

【#国内ミステリ】
#我孫子武丸『#8の殺人』

#本
#読書
#左利き



●5/22

【#左利きミステリ入門】008

#左利きミステリ
≪人物別≫分類 5

◆#左利きのその他の事件関係者

【#海外ミステリ】
○依頼人
#ドイル「#黄色い顔」
『#ホームズの回想』

○画家
#オームロッド『#左ききの名画』

【#国内ミステリ】
○作家
#恩田陸『#三月は深き紅の淵を』

#本
#読書
#左利き



●5/23

いよいよ全国的に外出自粛も解除目前!

とはいえまだまだ油断大敵!

#おうち時間 は一人で #本 #読書

#左利きライフ研究家 らしく
#左利き の登場人物たち
#左利きの人 が活躍?する
#左利きミステリ を紹介する

【#左利きミステリ入門】

[009]からは個別の作品を!

まずは #海外ミステリ から。


 ・・・

一日一ツイートでやっています。

これから23日のツイートにもありますように、次回[009]からは、それぞれ個別の作品を取り上げてゆきます。

まずは海外ミステリを。

原則として、今私の知っている範囲で、年代順にツイートしていく予定です。


「左利きミステリ」に関しましては、メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』で、以前「名作の中の左利き」というテーマで何回か書き、その発展系として、「推理小説編」を二十数回続けたことがありました。

まあ、それらを元にその後に発見した作品を追加してゆきます。

お楽しみに。

--

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2020.03.31

私の読書論130-私のベスト3[2019]フィクション系(2)~横田順彌明治小説コレクション全3巻

―第267号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2020(令和2)年3月31日号(No.267)「私の読書論130-
私の年間ベスト3・2019年フィクション系(2)」

 

------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------
2020(令和2)年3月31日号(No.267)「私の読書論130-
私の年間ベスト3・2019年フィクション系(2)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前回は、
「私の年間ベスト3・2019年フィクション系(1)」
 でした。

2020(令和2)年3月15日号(No.266)「私の読書論129-
私の年間ベスト3・2019年フィクション系(1)」

2020.03.15
私の読書論129-私のベスト3[2019]フィクション系(1)
~ベスト3ぐらい
―「レフティやすおの楽しい読書」第266号
『レフティやすおのお茶でっせ』版

『新生活』版

 

 今回は、「フィクション系」の2回目、終了です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 現代の古典SF -
  ~ 私の年間ベスト2019 フィクション系 (2)~
  横田順彌明治小説コレクション全3巻
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

前回のおさらい――
 ●(1)メルマガ用のお勉強の本
●(2)それ以外の古典の名作
 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
 ●(4)個人的な趣味の作品
 ●2019年に読んだ〈フィクション系〉ベスト3ぐらい
--
というわけで、
いよいよベスト3の紹介です。

 

 ●1位―横田順彌明治小説コレクション全3巻

(1)横田順彌明治小説コレクション全3巻 日下三蔵編 柏書房 2017

『時の幻影館・星影の伝説』 2017/8/1
―≪日本SFの祖・押川春浪と門人・鵜沢龍岳が遭遇する数々の摩訶
 不思議―SFの奇才にして古典SF研究の第一人者・横田順彌が贈る、
 科学と綺想、怪奇と幻想に満ちた“空想科学探偵譚”!≫

『夢の陽炎館・水晶の涙雫』 2017/9/1
―≪永久機関研究者の執念、日露戦争生還兵の予言、絵から抜け出
 す幽霊、南極探検に端を発する怪事件、押川春浪と鵜沢龍岳が挑
 む超常現象!SF、ミステリ、幻想…“空想科学探偵譚”復刻第2弾! ≫

『風の月光館・惜別の祝宴』 2017/10/1
―≪帝都を襲う怪事件―SFミステリ連作ここに大団円。科学か?迷
 信か?押川春浪、鵜沢龍岳が挑む不可思議事件簿。そして伊藤博
 文、乃木希典ら明治の英傑を巻き込む陰謀の驚愕の真相とは―
 “空想科学探偵譚”最終章。≫

 

 ●2位―『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ

(2)『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ/著
 土屋政雄/訳 ハヤカワepi文庫 2008.8 [2005]

 

語り手キャシーの友人でもあるトミーへのルーシー先生の言葉――

 

「大して助けにはならないかもしれないけれど、
  覚えておいて、ヘールシャムにも少なくとも一人、
  別の考えの人がいる。絵が描けても描けなくても、
  物が作れても作れなくても、あなたはとてもいい生徒。
  これまで出会った誰にも負けないいい生徒。
  そう思っている人間が一人いるということをね」
》p.46

 ・・・ 

そのとき、
  わたしは胸に赤ちゃんを抱いているところを想像しながら、
  曲に合わせてゆっくり体を揺らしていました。
  いえ、単なる想像だけならまだよかったのですが、
  極り悪いことに、赤ちゃんに見立てた枕を抱いていました。
  そして、目を閉じ、リフレーンを一緒に歌いながら、
  スローダンスを踊っていました。/
  「オー、ベイビー、ベイビー、わたしを離さないで……」/
  (略)マダムが立っていたではありませんか。/
  一瞬、わたしはショックで硬直しました。(略)
  実に奇妙なことが起こっていました。(略)
  その位置から頭を一方に傾げ、
  ドアの内側を覗き込むようにして、わたしを見ていました。
  そして……泣いていたのです。/
  わたしを夢見心地から引き戻したのは、いま思うと、
  マダムのしゃくりあげるような
  泣き声だったのかもしれません。
》pp.112-113

 

老夫婦の冒険行『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ/著
 土屋政雄/訳 ハヤカワepi文庫 2017.10 [2015]

 

「教えておくれ、お姫様」爺さんが言っている。
  「おまえは霧が晴れるのを喜んでいるかい」/
  「この国に恐怖をもたらすものかもしれないけど、
   わたしたち二人には、ちょうど間に合ったって感じね」/
  「わたしはな、お姫様、こんなふうに思う。
  霧に色々と奪われなかったら、私たちの愛は
  この年月をかけてこれほど強くなれていただろうか。
  霧のおかげで傷が癒えたのかもしれない」/
  「いまはもうどうでもよくなくって、アクセル? (略)
  島へ渡してもらいましょう。最初一人なら、つぎはもう一人。」
  (略)
  「わかったよ、お姫様。
   だが、もう一度だけ抱きしめさせておくれ」
  (略)
  「じゃ、さようなら、アクセル」/
  「さようなら、わが最愛のお姫様」
》p.477

 

連作短編集
『夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』
カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/訳 ハヤカワepi文庫 2011/2/4

 ●3位―『ブロードウェイの天使』デイモン・ラニアン

『ブロードウェイの天使』デイモン・ラニアン 加島祥造/訳
 新潮文庫 1984.8

今回は、正統派で、「ブロードウェイの天使」を推しましょう。

その小さな女の子(ドール)ってのは
  まさしくちっちゃな人形(ドール)で、(略)
  こんなチビだけども、またえらくかわいいんだ。(略)
  その子はまるで歩道を引きずられるみたいな様子さ。
  それなのにその小さな子が泣きわめくどころか、
  にこにこ笑っているんだ。どうも不思議に思えるほどさ。

 

おれたちが誰だかわかったらしい。
  マーキーはおれたちひとりひとりに順ぐりに笑いかけるぜ。
  それからその小っちゃな手をベソ公にさしのべようとする。/
  (略)なぜってマーキーはそのほうへ首をめぐらして、
  いかにも耳をすましている様子なんだ、
  そしてそれからおれたちにもう一度ほほえんで、
  はっきりとこうささやくのさ――「マーキーのダンス」/
   それから手を伸ばして、いつも彼女が踊るときのように、
  自分のスカートをつまみあげようとする。
  だけどその雪みたいに白い手は雪みたいに軽くゆっくりと
  胸の上に落ちる。そしてマーキーはこの世じゃあ二度と
  ダンスを踊らなくなっちまうのさ。

 ・・・

ポプラ社〈百年文庫〉第40巻『瞳』収録

(紹介文)

人間の心をみつめる濁りのない目。愛しいいのちの物語。
競馬の「ノミ屋」をしている「ベソ公」は、
 名も知らぬ小さな女の子をとつぜん預けられ途方に暮れる。
 少女の純真な心が大人を動かしていくラニアンの『ブロードウェイの天使』

『百年文庫 40 瞳』ラニアン/著 チェーホフ/著 モーパッサン/著 ポプラ社 2010/10/12

『短編ミステリの二百年1』小森収編 創元推理文庫 2019/10/24

「ブッチの子守歌」(直良和美訳)収録
解説「短編ミステリの二百年/第一章 雑誌の時代に」
<2 アメリカン・ユーモアとミステリの接近>で、
ラニアンについて約9ページ

 

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*参照:『ブロードウェイの天使』について
2019(令和元)年6月15日号(No.249)-190615-
「私の読書論 120-読書生活&書籍購入50年(2)私のお気に入り」

2019.6.15
私の読書論120-読書生活&書籍購入50年(2)私のお気に入り
―第249号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
『レフティやすおのお茶でっせ』版
『新生活』版

 

 ●私の今年2019年〈フィクション系〉ベスト1
 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
  ~ 現代の古典SF ~
  横田順彌明治小説コレクション全3巻 日下三蔵編 柏書房
   第一巻『時の幻影館・星影の伝説』

 

   第二巻『夢の陽炎館・水晶の涙雫』

 

   第三巻『風の月光館・惜別の祝宴』

 

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

 

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鵜沢龍岳、黒岩四郎、黒岩時子ら、押川春浪とその仲間たちが
初登場するシリーズ短編第一作「蛇」 

「〈冒険世界〉の鵜沢龍岳です」/
  「やあ、きみが龍岳君か。いつも、小説を読んでいるよ。
  きみのことは、春浪さんから聞いている」/
  黒岩が、にこやかに答えた。/
  「あっ、いかん。自己紹介をするのを忘れた。黒岩四郎です。
  これは、妹の時子といって、女子高等師範の学生です」/
  「はじめまして」/時子と紹介された女学生が、
  小さな声でうなずきながらいった。
》p.19

 

「龍岳君。時子は女のくせに、
  〈冒険世界〉を読んでおってね。
  きみの小説にすっかり夢中になっておるのだよ。
  前から、会ってみたいといっておったが、
  こんなところで会えるとは思わなかったな。
  時子、どうだ、龍岳君は想像以上にいい男ではないか?
  押しかけ女房になるか」/黒岩が、妹を冷やかした。
》p.19

 

長編第一作『星影の伝説』より 

「ぼく自身は、長くて、あと五年の命と思っています。
  静乃さん、あなたは、今度の危機を乗り越えるのに、
  ぼくの何年分の精気を必要とするのですか? 
  三年分で足りませんか。もし足りるなら、それをあげます。
  ぼくは、あなたと二年だけ一緒に暮らせれば、
  もう思い残すことはない」/潮風がいった。/
  「ぼくの精気を吸収なさい。
  ぼくは、あなたのために死ぬのなら、なんの悔いもない。
  そのかわり、ひとつだけ、あなたにおねがいがあります」/
  「なんでしょうか?」/静乃がいった。/
  「ぼくという人間が、この世の中に存在したという証を、
  あなたの手で残していただきたいのです」/
  潮風が、思いきったように、語気強くいった。/
  「……はい。よろこんで」/
  静乃が、溢れる涙の顔で、うなずいた。

 

長編第三作『惜別の祝宴』  
全レギュラー総出演の完結編

 

龍岳が緊張した表情で、呟きながら春浪の顔を見た。/
  「またもや、大事件だよ」/
  春浪が、相変わらず重い口調でいう。/
  「わたし、新婚旅行は取り止めにしましてよ。
  ねえ、龍岳さん」/時子が目を輝かせて、龍岳にいった。/
  「いや、その必要はありませんよ。
  時子さん、ひっかかりましたな」/
  春浪の声が明るくなり、笑顔になった。/
  「咢堂先生たちは、ぜひ黒岩君と龍岳君の結婚を、
  われわれと一緒に祝わせてくれと、のことです。
  時子さんは、また首無美人の死体発見でも
  期待しておったのでしょう」/
  「そんなこと、ありませんでしたよ」/
  みごとに、心の中を見抜かれた時子が、
  顔を赤くしてうつむいた。
》p.431

 

以下、略――

 

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本誌では、2019年に読んだ本のなか――2019年に刊行された本というわけではありません、念のため――フィクション系の60冊ほどから、私のオススメのベスト3を紹介しています。

ここでは、引用部分の一部を紹介しています。

それ以外の文章は本誌で!

本誌をご購読の上でご覧いただけると、嬉しく思います。
(やっぱり購読してほしいですからね。)

 ・・・

本誌でも書いていますが、1位が三巻本というのはどうなのか、と。

でも、昨年読んだ本の中で、このシリーズがいちばん楽しかったというのも事実です。
ならば、それでいいのではないでしょうか。

著者の横田さんが亡くなられた年ということもあり、感謝の気持ちも働いている、とも言えそうです。

2位のイシグロの『わたしを離さないで』も、ベタな感じもしますが、よいと思ったので、これでいいでしょう。
他にも『日の名残り』や『忘れられた巨人』も非常によいお話でした。
『わたし――』がこの二編を上回ったのは、老人の思い出話より、若い人の成長の日々を描いたものの方が、読者として心に痛いからでしょうか。

3位の再読からの『ブロードウェイの天使』デイモン・ラニアンも、お気に入りの作家の作品で、これにこだわるのも、初めて出会った高校生時代のことを思い出してしまうから、かもしれません。

人生は(曖昧となった/なりつつある?)記憶のなかにある、のでしょう。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

 

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2020.03.15

私の読書論129-私のベスト3[2019]フィクション系(1)~ベスト3ぐらい

―第266号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2020(令和2)年3月15日号(No.266)「私の読書論129-
私の年間ベスト3・2019年フィクション系(1)」

 

 

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例年、この時期、大阪のまちでは、
お相撲さんの姿をよく目にするものです。

でも今年は、2月までは見かけましたが、
3月に入ってからは目にしていません。

新型コロナウイルスの影響のようです。

学校だけではなく、図書館も休館しています。

本屋がどんどんなくなっている現状で、
まちの図書館までお休みでは、
本・読書が趣味の私にとっては、
非常につらい状況となっています。

読む本はあります。
買ったきりで読んでいない本や、
老後に読もうと置いてある本もあります。

半年ぐらいはそれだけでも十分です。
再読したい本を入れれば、一年でも持つでしょう。

でもそういうものではなく、
やっぱり古今東西の色んな本、古い本も新しい本も
目にしたいし、手に取りたいのです。
そして読みたいのです。

一日もはやくこの感染症が終息することを祈っています。

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2020(令和2)年3月15日号(No.266)「私の読書論129-
私の年間ベスト3・2019年フィクション系(1)」
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 前回は、
「私の年間ベスト3・2019年(前編)リアル系」でした。

2020(令和2)年2月29日号(No.265)「私の読書論128-
私の年間ベスト3・2019年(前編)リアル系」

 - 物語創作についての哲学的考察 -
  ~ 私の年間ベスト3・2019(前編)リアル系 ~
  『詩学』アリストテレス/著 三浦洋/訳
    光文社古典新訳文庫 2019/3/8

私の読書論128-2019年私のベスト3(前)リアル系~『詩学』アリストテレス
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-095a24.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b678190edc9fd8d4c70c5476c71ffde9

 

 今回は、「フィクション系」編です。

 「フィクション系」とは、小説等の文芸作品です。

 一部の思想・哲学書などで小説や戯曲風の著作もありますが、
 その辺は、世間的には内容により分類されるようで、
 こちらでも世間的な分類に準じています。 

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 - 選考がむずかしかった3位のあたりは… -
  ~ 私の年間ベスト2019 フィクション系 (1)~
  〈フィクション系〉約60冊からベスト3ぐらい
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2019年に読んだ本は、リアル系は50冊程度でしたが、
フィクション系は60冊ほどとなりました。

今年も例年同様に、分類してみます。

(1)メルマガ用のお勉強の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強の本
 ●(2)それ以外の古典の名作
 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

〈「記憶の曖昧さ」というテーマを追いかける〉
【ノーベル文学賞作家】カズオ・イシグロ

「(略)あんたの態度は間違っとるよ。いいかい、
  いつも後ろを振り向いていちゃいかんのだ。
  後ろばかり向いているから、気が滅入るんだよ。(略)
  そりゃ、あんたもわしも、必ずしももう若いとは言えんが、
  それでも前を向き続けなくちゃいかん」
  そして、そのときだったと存じます。男がこう言ったのは――
  「人生、楽しまなくっちゃ。
  夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、
  のんびりするのさ。夕方がいちばんいい。わしはそう思う。
  みんなにも尋ねてごらんよ。
  夕方が一日でいちばんいい時間だって言うよ」
》pp.350-351

『日の名残り』土屋政雄/訳 ハヤカワepi文庫 2001.5 [1989]

 

過去は夢と同じようなものです。思い出そうとしても、
  その記憶には常に曖昧さが付いてまわるのです。
》「詩帆が去る夏」pp.44-45

『美亜へ贈る真珠〔新版〕』梶尾真治 ハヤカワ文庫JA 2016/12/20

 

 ●(4)個人的な趣味の作品
 ●2019年に読んだ〈フィクション系〉ベスト3ぐらい

「おれは核を見つけたんだ」/「核?」/
  「自分という存在の中心となるものだ。
  形而上学的でたわごとに聞こえるが、そうじゃない。
  自分が何者かという核を見つけ、それとともに歩み、
  それを受け入れることを学べば、心が穏やかになる。
  ハリケーンの目になったようなものだな。
  まわりの世界は回転しているが、自分はその中心になる。
  なにものにも動じない。おれはそうだった。
  なにものにも動じなかった。どんなものも人も、
  おれの核を崩壊できなかったと思う」
》p.128
「核を手に入れればそうは思わないはずだ。
  彼女との仲はうまくいかないかもしれないが、
  感じかたは変わるはずだ。痛みへの対処法がわかるはずだ」
》p.187
「人間だれしも、幸せが永遠に続くものと考える。だが、
  幸せとは、延々とバランスを取りつづけることなんだ。(略)
  バランスを保つために絶えず姿勢を変えることになる。
  だれしもそうしている。徐々に姿勢を変えている。
  ある立ちかたをしつづけて疲れれば姿勢を変える――
  理由は、バランスを取り直す必要があるからだ。
  人生についても同じことが言える。
  幸せとは、バランスを取り直すことなんだ」
》p.188
「どんなことも、自制心の問題だ、ハリー。
  規律。体系化。独創力さえ必要だ。なすがままではだめだ。
  自分の感じたいとおりに感じ、
  不要なものを拒むことができるところまで
  自分を律することが必要なんだ。
  さ、やるのか、やらないのか?」
》p.192

『ロスト・エコー』ジョー・R・ランズデール 北野寿美枝/訳
 ハヤカワミステリ文庫 2008/5/9 [2007]

その他:
(初読)池井戸潤『陸王』、パトリシア・ハイスミス『見知らぬ乗客』
(再読)高千穂遙『魔道神話』、フィリップ・ロス『さよならコロンバス』、H・P・ラヴクラフトの作品集 など

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本誌では、2019年に読んだ本のなか――2019年に刊行された本というわけではありません、念のため――フィクション系の60冊ほどから、私のオススメのベスト3の候補および、3位ぐらいの著作を2、3点紹介しています。

ここでは、引用部分を紹介しています。

それ以外の文章は本誌で!

本誌をご購読の上でご覧いただけると、嬉しく思います。
(やっぱり購読してほしいですからね。)

 ・・・

ベスト3のうち、1、2位はすぐに決まりましたが、3位を決められず、色々迷った上で、いくつかの本を紹介しました。

一つはここに引用を紹介した『ロスト・エコー』でした。

他には、パトリシア・ハイスミス『見知らぬ乗客』、池井戸潤『陸王』等がありました。
再読ものからは高千穂遙『魔道神話』やフィリップ・ロス『さよならコロンバス』。

また、ラヴクラフトについて書いています。
新潮文庫から選集が出たのは意外でしたね。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

 

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2019.11.30

クリスマス・ストーリーをあなたに(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ

―第260号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

 

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2019(令和元)年11月30日号(No.260)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)
『その雪と血を』ジョー・ネスボ」

 

◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2019(令和元)年11月30日号(No.260)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)
『その雪と血を』ジョー・ネスボ」
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 毎年、この時期恒例の
 「クリスマス・ストーリーをあなたに」の9回目です。

 昨年は、正確には「クリスマス・ストーリー」ではなく、
 ディケンズの『クリスマス・キャロル』以前の古典、
 小説といいますか、エッセイ風の作品、
 ワシントン・アーヴィングの『昔なつかしいクリスマス』
 を紹介しました。

 今回は、また現代編で、しかもエンタメ。

 昨年文庫化された翻訳作品です。

 

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-クリスマス・ストーリーをあなたに (9)- 2019

  ~ クリスマスの夢…と悲劇 ~

   『その雪と血を』ジョー・ネスボ

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~過去の私のおススメの〈クリスマス・ストーリー〉~

【短篇】
トルーマン・カポーティ
 「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」

1◆2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節
『あるクリスマス』カポーティ

・『誕生日の子供たち』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹/訳
文春文庫 2009.6.10
―クリスマス短編「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」収録
 「―思い出」はクリスマスの懐かしい、でもちょっと切ない思い
 出を振り返る愛情あふれる物語で、少年に与えられたクリスマス
 の贈り物、「ある―」は逆に、少年が与えたクリスマスの贈り物
 の思い出話といえる抒情的名編

 

アガサ・クリスティー「水上バス」

2◆2012(平成24)年11月30日号(No.94)-121130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 アガサ・クリスティー『ベツレヘムの星』から

・『ベツレヘムの星』アガサ・クリスティー/著 中村能三/訳
ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003/11/11)
―おススメ短篇「水上バス」を含む、クリスマスにまつわる小説と
 詩を集めた、クリスティーが読者に贈るクリスマス・ブック

 

コニー・ウィリス
 「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」「まれびとこぞりて」

4◆2014(平成26)年11月30日号(No.140)-141130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』コニー・ウィリス」
5◆2015(平成27)年11月30日号(No.164)-151130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『まれびとこぞりて』コニー・ウィリス」

「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」収録短編集:
・『マーブル・アーチの風』コニー・ウィリス/著 大森望/編訳
早川書房・プラチナ・ファンタジイ(2008.9.25)
―もう一つのクリスマス・ストーリー「ニュースレター」も収録

「まれびとこぞりて」収録短編集:
・『混沌【カオス】ホテル (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)』
 コニー・ウィリス/著 大森望/訳 ハヤカワ文庫SF1938 2014.1.25

 

【中編】
チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』
チャールズ・ディケンズ『鐘の音』

0◆2008(平成20)年12月クリスマス号(No.11)-081206-
『クリスマス・キャロル』善意の季節

6◆2016(平成28)年11月30日号(No.188)-161130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
ディケンズ『クリスマス・ブックス』から『鐘の音』」

・『クリスマス・キャロル』ディケンズ/著 中川敏/訳 
集英社文庫 1991/11/20
―訳者の解説と木村治美の鑑賞など、資料も豊富。

・『クリスマス・ブックス』ディケンズ/著 ちくま文庫 1991/12
―落語調訳「クリスマス・キャロル」小池滋/訳、
 「鐘の音」松村昌家/訳

・『クリスマス・ブックス』田辺洋子/訳 渓水社 2012
―前期(1843-48)のクリスマス中編5編を収録。「クリスマス・キャ
 ロル」「鐘の音」「炉端のこおろぎ」「人生の戦い」「憑かれた男」

 

【長編】
ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』

3◆2013(平成25)年11月30日号(No.117)-131130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム

・『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム/著
田村隆一/訳 扶桑社エンターテイメント(1994.10.30) [文庫本]
―『オズの魔法使い』の作者ライマン・フランク・ボームの描く
 サンタ・クロースの生涯を描く、サンタさん誕生物語

 

【追記】2019.12.1-----
新潮文庫12月の新刊で、この作品が新訳で登場しています。

『サンタクロース少年の冒険』
ライマン・フランク・ボーム/著 畔柳和代/訳 矢部太郎/イラスト 2019/11/28

 

カバーと挿絵はなんと矢部太郎さんが担当。

以下に、動画でコメントが!

サンタクロース少年の冒険 新刊案内のサイト

-----

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

~「クリスマス・ストーリーをあなたに」9 [2019] ~

『その雪と血を』ジョー・ネスボ/著 鈴木恵/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2018/11/20

―ノルウェーを代表するサスペンス作家が描くパルプ・ノワール。
 第8回翻訳ミステリー大賞および第5回読者賞をダブル受賞した。

 

 

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 ●『その雪と血を』ジョー・ネスボ
 ●犯罪小説×クリスマス・ストーリー
 ●雪のオスロの街で……
 ●悲しいけれど美しいラスト
 ●「物事は解釈である」――自分の物語を生きる
 ●まずは読んでほしい

 

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―『その雪と血を』の続編ではないが、共通する世界の物語―

『真夜中の太陽』ジョー・ネスボ/著 鈴木恵/訳
ハヤカワ・ミステリ 2018/8/7

 

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本誌では、毎年この時期恒例の、私のお気に入りの、あるいは「これは」という代表的なクリスマス・ストーリーを紹介しています。

今年は「クリスマス・ストーリーをあなたに~(9)『その雪と血を』ジョー・ネスボ」」と題して、ノルウェーの世界的ベストセラー・ミステリ作家の評判の高いパルプ・ノワールを紹介しています。

ミステリのあらすじ紹介は、ネタバレとしてあまり書けないものなのです。
でも書かないと伝えられない。
痛し痒しというところで。

今回は、かなりのところまで書いてしまいました。
そうしなければ、良さを伝えることができないからです。

 

この小説の主人公のように、人間は皆、自分なりに物語を作って生きているのでしょうか。

人生も歴史も、この世の出来事も世界そのものも、「何事も解釈だ、解釈に過ぎない」という考え方があります。

人は自分なりの解釈で物語を作り主人公を演じている――それを生きているのでしょうか。

うーん、わかりません。

 ・・・

では、詳細は本誌で!

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

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2019.02.15

私の読書論116-楽しみのための読書〈怪盗ニック〉退場

―第241号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記


★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2019(平成31)年2月15日号(No.241)-190215-
「私の読書論116-楽しみのための読書〈怪盗ニック〉退場」


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 ●エンタメ小説のすすめ
 ●読書の楽しみ
 ●著者紹介
 ●ユニークな怪盗
 ●高二の出会い
 ●なぜ98セントで買えるおもちゃのネズミを盗むのか
 ●ホワイダニットの推理物語
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Kaitounikku2


(画像:創元推理文庫版「全仕事」第1集と第6集)


 


Kaitounikku


(画像:今手元にある〈怪盗ニック〉本。ポケミス版2弾3弾とホックのオールスター・キャラクター集合版)


 


本誌は、「私の読書論116-楽しみのための読書〈怪盗ニック〉退場」と題して、
サマセット・モームの『読書案内』にある〈楽しみのための読書〉をテーマに、私の思い出のエンタテイメント小説の一つである、アメリカの短編推理小説の巨匠だったエドワード・D・ホックの人気シリーズ・キャラクター〈怪盗ニック〉のついて書いています。


「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」しか盗まない、というユニークな怪盗。
怪盗ルパンの昔から、怪盗は一流の探偵に変身するものです。
ニックもその例にもれず、謎めいた盗みの依頼のうらにある秘密を暴きます。


40年に渡る全仕事87編を全6冊に収録した『怪盗ニック全仕事』も、今年1月に出た第6巻にて完結。
高校生時代から読み始めた思い出の〈怪盗ニック〉ともついにお別れの時が来ました。


さびしいような残念なような……。
でも私には読み返すという楽しみが残っています。


 ・・・


では、詳細は本誌で!


 


*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』


 


*参照: 『読書案内 ―世界文学―』サマセット・モーム 西川正身訳 岩波文庫 1997.10.16 "BOOKS AND YOU" 1940


 


『怪盗ニック全仕事1』エドワード・D・ホック 木村二郎訳 創元推理文庫 2014.11.28


 


『怪盗ニック全仕事6』エドワード・D・ホック 木村二郎訳 創元推理文庫 2019.1.25 


 


 

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2019.01.10

ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションV(カルパチア)と(シュトーリッツ)を読む

↓の記事で紹介しました、ヴェルヌの本をお正月に読みました。

2018.10.29
おまたせ!ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションV 第三回配本10月31日発売

 

『カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密 (ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション)』ジュール・ヴェルヌ 著 新島進 訳

 

インスクリプトのサイト

Carpathes_storitz

 

(画像:100ページ超の〈驚異の旅〉あらすじ紹介掲載『文明の帝国』、ヴェルヌの作品と時代を図版で紹介『ジュール・ヴェルヌの世紀』、集英社文庫ヴェルヌ・コレクション版『カルパチアの城』と第9章を抜粋した吸血鬼アンソロジー『ドラキュラドラキュラ』)

 

上の画像にある本で、あらすじは知っていたものの、いざ読むとやはりヴェルヌらしい作品です。

初期のいわゆる“SFの父”的な科学冒険小説の名作群(『地底旅行』・『海底二万海里』・『月世界』二部作・『八十日間世界一周』など)とは確かに一味違う内容ですが、ヴェルヌ印といったものがきちんと刻されています。
科学とイマジネーションとの融合とでも言えばいいのでしょうか。

 

でも、それだけではありませんでした。
ヴェルヌの作家としてのもう一つの顔とも言うべきものを見た気がします。
(これは、近年翻訳された『二十世紀のパリ』ほか、いくつかの作品等でも言えることですけれど……。)

 

『カルパチアの城』は、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』でドラキュラの里?として有名な地、カルパチアにある古城を舞台に迷信に生きる村人たちを恐怖に落とし込む(ことで隠棲を隠ぺいする)貴族との対決を描いています。
最初の主人公・林務官ニック・デックはあえなく打ちとられますが、もう一人の主人公となる、結婚相手の歌姫ラ・スティラを亡くしたフランツ・ド・デレク伯爵は、この城がラ・スティラを追い回していた因縁の男ロドルフ・ド・ゴルツ男爵の居城と知り、城に向かいます。
そこで彼が目にしたものは、亡くなったはずの歌姫の最後の舞台の場面と同じ歌う姿……。

読んでいる途中で、ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』(1910年刊で、ずっと後のこと)を思い出しました。

ちなみにブラム・ストーカーの『ドラキュラ』は1897年、本書はそれより前の1892年刊。

『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』は、画家マルク・ヴィダルの兄アンリが、弟の結婚に立ち合うために向う旅の移動の道筋をたどるヴェルヌらしい地理的紹介に始まり、船旅の途中で見かける不審な人物の登場で、今後の展開をうかがわせます。
親フランスで反ドイツ/プロシアのハンガリー人の心情を背景に、結婚を申し込み断られたドイツ/プロシア人の伝説の科学者の息子シュトーリッツの横恋慕による、マルクと許嫁のハンガリー人医師の娘ミラへの復讐の物語。

すでにネタバレになっていますが、ウェルズの『透明人間』(1897)に対してヴェルヌの透明人間物語(執筆は最晩年―1905年死去。死後の1910年に息子のミシェルによる改作版。ヴェルヌのオリジナル版は1985年刊―本書はこちらの翻訳、ミシェル版の終章も収録)です。

 

 ●それぞれの結末

この2作、それぞれに結末に特徴があります。

ヴェルヌの諸名作では、基本的に行って戻る物語で、主人公は人間的に変化しません。
単なる観察者として〈驚異の旅〉を経験するだけです。

しかし、この二つの作品で主人公(または中心人物)は、意外な事態を迎えます。
そういう点では悲劇といってもいいでしょう。

 

『カルパチアの城』では、一人目の主人公ニックは危機に直面しつつも幸い恋人の看病もあり回復しますが、二人目の主人公デレク伯爵は、歌姫の二度目の死に直面する悲劇に見舞われます。

『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』では、中心人物である花嫁ミラは、透明人間になって復讐をしかけるシュトーリッツの餌食となり、何と透明人間になってしまします。
張本人は、花嫁の兄との戦いに敗れ、透明人間の秘密とともに死に絶えます。

かくして美貌の花嫁は、声とふれることのできる実体とを残して、その姿は誰の目にも映ることのできない身となります。

 

物語の結末には、二つあると言えるでしょう。

一つは、「取ってつけた結末」――結末のための結末。
物語の結構をつけるためだけの形の上での結末。
おとぎ話の「めでたしめでたし」的なもの。

言ってみれば、『シュトーリッツ』におけるヴェルヌの息子ミシェルが手を入れたバージョン(ミシェル版)の結末がそれ。

二つ目は、「行き着くべきゴールとしての結末」――それを示したいがためにここまで物語ってきたという内容的な〆となる結末。
『シュトーリッツ』ヴェルヌ版のラストはそういうものでしょう。

 

私の個人的な感想ですが、多分ヴェルヌは問題提起として、こういう状況を書きたかったのではないでしょうか。
いかなる悲劇的状況をもかえることができるのが、人の思いというものだと。
人間の、家族の絆というものだ、と。

人の目に見えない身体のヒロインが、輝ける一家の魂となるのです。

今の暮らしにも慣れていくだろうし、くり返すが、誰の眼にも、淑やかにほほ笑むミラが見えるようなのだ……。ミラは言葉をかけたり、手で触れたりすることで自分がそこにいることを示した!(略)彼女は家の魂だった――魂のように眼には見えないのだ!》「19章」p.329

人は慣れるものなのです。
そして、姿が見えないといっても、人の心も所詮は見えないものなのです。
見えないものであっても見えるように思うのが、人の心――気持ちであり思いでしょう。

 

そういえば、ヴェルヌと同様、私の大好きなもう一人のフランス人作家サン=テグジュペリは、『星の王子さま』(内藤濯訳 岩波少年文庫)の中にこんなことばを書き残しています。

王子さまはキツネから《「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」》と教えられ、“ぼく”に《「だけど、目では、なにも見えないよ。心でさがさないとね」》。さらに《「たいせつなことはね、目に見えないんだよ……」》と伝えます。

 

このヴェルヌの“見えない花嫁”こそ、“永遠の美女”そのもの――記憶のなかの美女――であり、それは『カルパチアの城』のラ・ティスラ像にもいえることで、“あの一瞬”を記録した録音と画像がこわれる運命のモノ(物体)であるのに対して、人の頭の中の記憶は決してこわれることのない理想的な“永遠の像”なのではないでしょうか。

 ・・・

従来、ヴェルヌは晩年になって厭世的になったとされてきました。
しかし、『二十世紀のパリ』を読んでから、実は初期から厭世的といいますか、楽観的な科学信奉者ではなかったと知り、さらにいくつかの新たな邦訳作品を通して、ヴェルヌの作家としての真情といったものが単純なものではなかったと思うようになりました。

本当のヴェルヌ像を教えてくれる、さらなる邦訳作品の出現を期待してやみません。

 ・・・

(インスクリプトのサイトより)
元祖ヴァーチャルアイドルと見えない花嫁……。本巻では、東欧を舞台にしたゴシック小説的幻想味あふれる後期の傑作二篇を収録。「カルパチアの城」はブラム・ストーカーの「ドラキュラ」に先立つこと五年、吸血鬼伝説の本場トランシルヴァニアを舞台に、作家が推敲を重ねた自信作。ホフマン、ポーやルルーの「オペラ座の怪人」などを好む方々には特におすすめの完訳版。レオン・ブネットの挿画40枚収録。
「ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密」は、H・G・ウェルズ「透明人間」の向こうを張ってヴェルヌが書いた透明人間もの。本作は息子のミシェル・ヴェルヌが書き換えた版(未訳)が長く読まれてきたが、今回がジュール・ヴェルヌのオリジナル版本邦初訳となる。唖然呆然の最終章のみ、ミシェル・ヴェルヌ版を併録した。
二作ともに、不在の女性への狂恋が物語を貫いており、美しきヴォーカロイドとも言うべきラ・スティラを追い求める二人の男(「カルパチアの城」)、完璧な令嬢ミラへの倒錯的愛に身を捧げるヴィルヘルム・シュトーリッツの、身の毛もよだつ透明人間ストーカーなど、さまざまな意味での現在性を孕んだ「〈独身者機械〉小説」(新島進)であり、ヴェルヌの最も21世紀的な小説。面白さ抜群の二篇を練り上げられた訳文と詳細な註を付して贈る。

両篇が秘めるヴェルヌらしさは決して他に引けをとらず、そして、なにより作品がきわめて現代的な、それもまさに今、二一世紀に通じるテーマを扱っていることを強調しておかなければなりません。[…]見えない花嫁と元祖ヴァーチャル・アイドル。[…]この二篇に共通かつ中心的なモチーフはなにかと問われれば、それは「不在の女性への熱情」ないしは「男性の一方的な女性への情念」ということになるはずです。二作合わせて四人の独身者と、独身者機械となった二人の花嫁[…]。この究極の独身者性は、視覚と聴覚による仮想現実に囲まれているわれわれ現代人の「戸惑い」を先どりしているのではないでしょうか。(「訳者あとがき」より)

【目次】
カルパチアの城
ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密
ミシェル・ヴェルヌ版第一九章
訳註
解説 石橋正孝
訳者あとがき
細目次

 

*『お茶でっせ』ジュール・ヴェルヌの記事: 【ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション】
・2018.10.29 おまたせ!ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションV 第三回配本10月31日発売 ・2017.11.21 ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション第2回配本『蒸気で動く家』を読む ・2017.4.7 『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション II 地球から月へ 月を回って 上も下もなく』を読む ・2017.1.23 『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション II 地球から月へ 月を回って 上も下もなく』1月20日発売

【文遊社<ヴェルヌ>の過去の記事】:
・2014.7.19 文遊社ジュール・ヴェルヌ復刊第四弾『緑の光線』7月30日発売 ・2014.1.13 文遊社ヴェルヌ復刊シリーズ第3弾『黒いダイヤモンド』年末に発売 
・2013.10.17 ジュール・ヴェルヌ『ジャンガダ』を読む ・2013.8.6 ジュール・ヴェルヌ『永遠のアダム』を読む&『ジャンガダ』出版 【その他の<ヴェルヌ>の過去の記事】:
・2017.1.22 ヴェルヌ『名を捨てた家族 1837-38年ケベックの叛乱』を読む ・2016.7.25 角川文庫から新訳ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』(上下)7月23日発売 ・2015.8.10 ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』椎名誠、渡辺葉・父娘共訳31日発売 ・2013.6.2 ジュール・ヴェルヌの本2点『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険』『永遠のアダム』 ・2012.10.25 テレビの威力か?HPジュール・ヴェルヌ・コレクションにアクセス急増! ・2007.8.24 ジュール・ヴェルヌ『海底二万里(上)』岩波文庫 ・2004.10.18 偕成社文庫版ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』と映画『80デイズ』
・2004.7.2 復刊された『グラント船長の子供たち』

 

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