2025.11.01

楽器における左利きの世界(34)まつのじんさんのご意見(3)ウォーミングアップ-週刊ヒッキイ第697号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

第697号(Vol.21 no.20/No.697) 2025/11/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(34)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(3)ウォーミングアップ」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第697号(Vol.21 no.20/No.697) 2025/11/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(34)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(3)ウォーミングアップ」
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 8月以来の「楽器における左利きの世界(34)左利きの
 ヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんのご意見から考える」の
 三回目です。

第691号(Vol.21 no.12/No.691) 2025/8/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(33)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(2)右手と左手・他」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.8.2
週刊ヒッキイ第697号-
楽器における左利きの世界(34)まつのじんさんのご意見(3)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-d94232.html

 

 過去6回に渡ってご紹介しました、
 左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
 左利きに関するサイト、エッセイ集の左利きに関する文章をヒントに、
 私なりに左利きにおける楽器の演奏について考えてみよう、
 という企画です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

  左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの
   ご意見から考える(3)ウォーミングアップ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●まつのじん(松野仁)さんの左利きエッセイ

まつのじん(松野仁)さんの本とサイトの左利きエッセイは下のとおり

著作:
『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅
 未來社 1992/1/1
(Amazonで見る)

a.「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

241207sumire-no-hankago

第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)
レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a

サイト:
 まつのじんのエッセイ&書評 Essays(Japanese)
b.「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
http://mjin.m1001.coreserver.jp/2019/07/27/%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e5%b7%a6%e5%8f%b3%e8%80%83/

2019727matunojin-website

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)
レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d

c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

2019813-matunojin-lefty

 

 ●左(手)利きならでは! の動作

今回は、c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
から、主に「左利きヴァイオリニストあるある」についてのご意見を
みてみましょう。

第681号(Vol.21 no.4/No.681) 2025/3/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(29)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.1
週刊ヒッキイ第681号-告知-楽器における左利きの世界(29)まつのじん(4)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html

↑でも書いていますが、
基本的には、左手が利き手の左利きの人が、無理をして、
右手を右利きの人と同じように使って演奏することから来る、
違和感といいますか、不都合な部分が表に出ている状態を指している、
と考えられます。

私に想像できる範囲でしかお話しできませんが、
【演奏編】におけるまつのさんの「左利きアルアル」(1)~(31)

 《●左(手)利き弓弦楽器演奏者の「このような体験ありませんか?
 弓を右手にもつ「苦労」も満載ですが、左(手)利きならでは!!の
 動作もあります。》

は、ほぼ皆それに尽きるように感じられます。

上記メルマガでも筆者が書きましたように、

《左利きゆえに、利き手ではない右手に持った弓を
 繊細・微妙に動かすことは難しい》

という現実です。

 

 ●<ウォーミングアップ>が必要な左利き演奏家

次に「HOW TO PLAY for LEFTY VIOLINIST」のパートです。

例えば、弓の動きに関する項目――

冒頭、<突撃する弓>という段落で、
(1)(2)(3)について説明されています。

 《右(手)利きの方にとっては、どうして雑音が発生したり、
  演奏途中に右手の持つ位置が変わったりするのだろう》

という疑問に、

 《「着地点がわからないままジャンプしてしまったような感覚」》

と説明されています。
弓の長さの感覚が認識できていないのだ、と。

次の<ウォーミングアップ>では、
右利きの人には不要なウォーミングアップが必要だ、と。

これはよく左利きの人が右利き用の道具(例えば、一眼カメラのような)
を使うときに言う台詞「慣れればいっしょ」という言葉を連想させます。

筆者に言わせれば、右利きの人は、右利きの用の道具を使うとき、
そのような「慣れる」ための「ウォーミングアップ」は不要なのです。

それは自分の「身体に合っている」からです。

筆者が、初めて左手用のカメラ「京セラSAMURAI(サムライ)Z2-L」を
手にしたときのことを思い出します。


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その時、今までどのようなカメラを手にしたときも感じることの
できなかった「フィット感」を抱きました。
今初めて手にしたのに、もうずっと昔から使ってきたような手応えが
ありました。

新しいカメラで写真を撮るというのに、まったくの違和感なく、
手に、身体に馴染んだ状態で取ることができました。
まさに「自分のために作られたカメラだ」と実感したものでした。

「左利きの人は左利き用の道具を!」という思いを抱かせた体験でした。
左利き活動を始めるきっかけになったのは、当然のことと思えます。

それに対して、身体に合っていない道具を使う、
右弾きの左利きヴァイオリニストの場合は、
右利き用の楽器に「慣れる」ための「ウォーミングアップ」が欠かせない
ということになります。

以下まつのさんの「企業秘密」が明かされます。

例えば、

 《右手が把握(認識)できる距離感を手と脳で感じ取りながら、少しずつ
  距離を増し、弓先まで手元が認識できるよう広げてゆきます。》

とか。
そして、いよいよ、

 《仕上げのウォーミングアップ〈左(手)利き編〉の時》

が来たといいます。

 《うまくゆくと、音の出発点から〈左(手)利きコントロール〉の
  「見せ場」&「聴かせどころ」となるでしょう。》

 

 ●<自分の指なのに…>

ここで、指使いのうまい右利きの演奏家をみると、

 《手と弓が一体化している印象を受けます。》

と。

 《指先の細やかな動きが求められる楽器演奏は、
  脳と指先の関係が重要です。》

脳と指の関係、さらに、手と弓の関係についても語っておられます。

自分の指なのに、思うように動かせない、という不思議。
だからこそ、ウォーミングアップが必要なのだ、ということでしょう。

 

 ●<右手は今どこにいるのだろう…>

手(指)と空間の認識のようすを知るために、
眼を閉じて、両手の人差し指先を眼の高さで合わせてみましょう、
ぴったり合うといいですね、と。

 《どちらかというと利き手の指先の意識が高く、非利き手の指先を
  そこに近づけてゆくスタイルが多いのではないでしょうか。
  非利き手が空間をさまようことがよくあります。》

と。

 《ヴァイオリンやヴィオラ を演奏する時、音程を押さえる指や弓の
  当たるところを目視する余裕はありませんし、見たところで定まる
  というものではありません。むしろ見ない方が、
  直感力や空間の認識力が鍛えられます。》

と。

私たちは、利き手を中心に生活しているのだと思います。
利き手を意識しない人(主に右利きの人に多いようです)でも、
無意識の内に利き手を主体に使って、生活のすべてを規定している
ように思います。

一方、非利き手は、どちらかというと、見捨てられている、
あるいは、無視されていて、日常の用を満たす機会が与えられていない
ことが多いようです。

しかし、両手には、それぞれ役割があると言います。
利き手には利き手の、非利き手には非利き手の役割が。

知らず知らずに、使い分けしているのです。
右利きの人は右利きなりに。

左利きの人は左利きなりに、といいたいところですが、
左利きの人の場合は、ちょっと違ってくるようです。
それは、社会が右利き仕様になっていることが多いので、
左利き本来の姿としては、
ここで左手を利き手として使いたい場面であるのに、それができない。
そういう状況が生まれているのです。

まつのさんのヴァイオリンという楽器の場合もそうです。
本来は利き手ではない非利き手である右手を、
利き手のように使わなければいけない状況に追い込まれている。
一歩、利き手を非利き手のような使い方を余儀なくされている。

こういうケースは、楽器演奏だけではなく、
日常のありとあらゆるところで出くわしています。

筆者が問題とするのは、そういう部分です。

単なる不便で済むのなら、まだ良いのですが、
それが左利きの人の心、精神に及ぼす影響というものも、
かなりの部分あるのではないか、という気がしています。

 

 ●利き手は「心」を反映する

結論として、筆者は、当たり前と言えば、当たり前のことなのですが、

右利きの人たちと同じように、
「利き手で弓を持って演奏する」方が自然で、
左利きの人の場合は、左手に弓を持って弦を弾く、

そういう演奏スタイルこそが、自然だと思うのです。

演奏しようと思えば、利き手が先に動いてしまう、のですから。

「左利きの人は左弾きで!」

それが演奏に「心」を反映する一番の方法だ、と。
なぜなら筆者の持論、「利き手は心につながっているから」です。

無意識のうちに勝手に「心」を反映して動くのが、利き手。

「心」のままに意識的に動かそうとしないと、
意志的な動きができないのが、非利き手。

筆者はそのように理解しています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(34)左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんのご意見から考える(3)ウォーミングアップ」と題して、今回は全紹介です。

無理からに筆者の持論にもっていっているのでは? と思われるかもしれませんが、それはありません。
「利き手は心につながっている」というのは、利き手の偏りの強い人なら、誰でも感じるところではないか、と思っています。

利き手の要件として「好み」というのがあります(もう一つは「巧みさ」です)。

なにかのとき、ついつい出る手が利き手。
何かしら使ってしまうのが、利き手というものです。
眼の前にモノが飛んできたとき、身を守るべく、手を上げて払う時など。

本文でも書いていますが、左利きの人が右用の道具類を使う時に「慣れたらいっしょ」という、この「慣れ」といわれるのは、まつのさんのいう「ウォーミングアップ」のことだったのだ、と理解できました。
誰でもある程度のウォーミングアップは必要だと思われるかも知れませんが、身体のあった道具を使う時には、不要なのだと思います。
右利きの人たちはそういう風にかる~く生きているのですよ。

左利きなのに、右利き用を使うから、そういう余計な作業が必要になるのだ、と。
これは筆者の実感なのです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2025.10.18

『左組通信』復活計画(40)左利き自分史年表(6)1995.7-1996―紙の時代(3)『LL』-週刊ヒッキイ第696号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
(『まぐまぐ!』
【別冊 編集後記】

第696号(Vol.21 no.19/No.696) 2025/10/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [40]
レフティやすおの左利き自分史年表(6)1995(平成7)7.-1996(平成8)
―紙の時代(3)『LL(Lefties' life)』」

 

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第696号(Vol.21 no.19/No.696) 2025/10/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [40]
レフティやすおの左利き自分史年表(6)1995(平成7)7.-1996(平成8)
―紙の時代(3)『LL(Lefties' life)』」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「左利き自分史年表」6回目です。

 年表といいながら、前回は、一年と半年分でした。
 活動量が増えてきたからか、実質月表のようになっています。
 今回は、どの程度書けるかわかりませんが、お付き合いください。

 過去の記録は、前回分のブログ記事から御覧頂けます。

 この年表は<左利きミステリ>を含む「左利き年表」になっています。
 こちらの記録も、過去のブログ記事から確認できます。

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓

ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [40]

  <レフティやすおの左利き自分史年表>(6)
 
  1995(平成7)7(夏)-1996(平成8)―紙の時代(3)
  『LL(Lefties' life レフティーズ・ライフ)』

┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 

 ●「1995(平成7)6(春)-1996(平成 )―紙の時代(3)『LL』
  【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-5」

*(参照)――<紙の時代>

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.4
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・
紙の時代1(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-57d0e5.html
 ◆ 左利き用品の総カタログ的『モノ・マガジン』左利き特集号 ◆
  『モノ・マガジン』「左利き生活向上委員会」編集部A・K氏
 ●第二期・紙の時代―左手用カメラとの出会いに始まる
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号がスゴかった!
 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』創刊
 ●左利き関連本あれこれ
 ●「左利き生活向上委員会」のA・K氏

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第650号(No.649) 2023/10/7
「創刊19年に向けて―650号記念号―
 <左利きの人の自覚――意識の覚醒>が最も重要」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.7
<左利きの人の覚醒>左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
創刊19年記念号-第650号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-158a3d.html
 ●左利き活動の「初心」は?
 ●「来た、見た、買(こ)うた」
 ●左利き活動の始まりは、1990年末「世界初左手用カメラ」購入
 ●右手用のハンディカムの違和感
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号との出会い
 ●存在を知らなければ、「存在しない」のと同じ
 ●最初はハガキサイズの「左組通信」という紙媒体
 ●左利き活動の「初心」について――もう一度
 ●始まりは左利きの人の覚醒にある

 

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「1995(平成7)6(春)-199 (平成 ) 
  ―紙の時代(3)『LL(Lefties' life レフティーズ・ライフ)』
 【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-6」
--------------------------------------------------------------------

*(注)科学書――特に脳・神経科学に関する本につきましては、
 最も発達が著しく、発行年代の古い本の場合、情報として
 古くなってしまっているものがありますので、ご注意ください。

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(太文字=西暦(元号)年齢) レフティやすおの出来事 (茶文字=社会の出来事)(青文字=左利き・利き手関連文献
====================================================================

1995(平成7)41歳

7/1『「左と右」で自然界をきる』根平邦人/編著 三共出版
――素粒子の世界の対称・非対称から、生物界における左右性、人間の脳の
 非対称など、自然界を「左と右」のレベルから切り込む、左右学の本。
(Amazonで見る)

 

夏/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第5号
LL5 1995(平成7)年 夏号
・前説The Compliments of the Summer Issue二年目に向けて
  Toward the second year
・From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より―
  新たなる希望!THE NEW HOPE!
・From LHI (Lefthanders International/U.S.A)
 レフトハンダーズ・インターナショナル(アメリカ)より―
  左利きの人をガッカリさせるもの
  THINGS THAT ARE FRUSTRATING FOR LEFTIES!
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  こんな道具が不満です!
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その5―あなたは靴派? スリッパ派?―爪切りはさみセット
・知恵小僧の左熟語の基礎知識 なんの意味ダス!? その2
  Words & Phrase小学館『国語大辞典』より
・左利きの本だなぁ その2 激励編
  The Books on the Left-handedness―斎藤茂太著
  『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』
   KKベストセラーズ/ワニ文庫刊

 

7/31 斎藤茂太さんの著者『左ききの人はなぜ才能があるのか―
左ききの性格分析』を紹介したに『LL』第5号を送る
――まだまだ左利きには暮らしにくいが~、とお礼の葉書をいただく。

 

(1995.7)『左手のパズル』萩尾望都/文 東逸子/絵
[ファンタジー]
――チェロを弾く16歳の少年ジョシュアがたどった、数奇な運命。
 左と右を間違う左利きの少年の幼少時の秘密を解き明かす。
『左手のパズル』萩尾望都/文 東逸子/絵 新書館 1995/7/13
(Amazonで見る)

19957-hidarite-no-pazuru

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
第185号(No.185) 2009/6/20「名作の中の左利き(3)『左手のパズル』」

 

8/25 『ヒトはなぜ指を組むのか 脳とこころのメカニズム』
坂野登/著 青木書店 1995/8/25
――《指組み・腕組みが表す利き脳の働きと、脳に依存するこころの仕組み
 を探険。》
(Amazonで見る)

参考:
『かくれた左利きと右脳』坂野登/著 青木書店 1982/12/1
(Amazonで見る) ――単純に言いますと、腕を組む時どちらの腕が上になるか(腕組み)、
両手の指を交互に組み合わせるときにどちらの手の親指が上に来るか
(指組み)で、その人の「利き脳」がわかる、という研究。

220930kakuretahidarikiki-to-miginou

10/31『左右学への招待―自然・生命・文化』西山賢一/著 風濤社
1995/10/31
――自然界や文化の中に存在する左右の不思議を解明しようとする研究。
(Amazonで見る)

 

((2005)平成17 文庫化・新版『左右学への招待 世界は「左と右」で
あふれている』西山賢一/著 光文社文庫 2005/12/6)
(Amazonで見る)

 

秋/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第6号
LL6 1995(平成7)年 秋号
・前説 The Compliments of the Fall Issue道を切り開こう!
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  私の簡単“左利き判別法”
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その6Left-handed tools & goods―左利き用万年筆の使い心地良さ!
・左利きの本だなぁ その3 お楽しみ編―
  『左利きの名画』ロジャー・オームロッド著 野中千恵子訳
    社会思想社 現代教養文庫〈ミステリ・ボックス〉
・<特集:左利きアンケート>From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より―
   ザ・レフトハンダーズ・クラブ1994年アンケート調査結果

 

11?/ (アメリカ)[犯]「待ちに待ったヒット」
(「キルディア物語」より)エドワード・D・ホック/著 中井 京子/訳
“The killdear Chronicle” (初出) EQMM midDecember 1995 
(邦訳)『EQ』1996年5月号
(収録短編集)『革服の男 英米短編ミステリ名人選集V』エドワード・D・
ホック/著 中井 京子ほか/訳 光文社文庫 1999/11/1
(Amazonで見る) ――ソフトボールの試合中に起きた事件。
《「(略)頭部の左側に打ちこまれていた。つまり、後ろから力一杯バット
 を振った犯人は左利きのバッターだったわけだ」》p.25

 

11/(テニス)伊達公子 WTAランキング4位(最高位)
――5/ フレンチオープン日本人女性初ベスト4。
7/ ウィンブルドン日本人女性初ベスト8。

 

(1995) (ドイツ)[参][傍]『朗読者』ベルンハルト・シュリンク
――たとえとして「左利き」を恥じる被告がいたら……
・『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著 松永美穂/訳 新潮文庫
2003/5/28
(Amazonで見る) 《... 考えてごらん、誰かが自分の意志で破滅しようとしている。
 そしてそれを救える手だてがあるとしたら、きみはやってみるかい?
... 裁判の場面を思い浮かべてごらんよ、左利きだということを告白
 しない限り、有罪になってしまう被告がいる。犯行は右手による
 もので、左利きならその犯行はあり得ない。しかし彼は左利きだという
ことを恥じている。君は裁判官に、何がどうなっているかを言うかい?
... 左利きやホモを恥じるべきかどうかという話じゃないんだ。
 被告が恥ずかしがっているということが問題なんだ。》p.159-160

*参照:第192号(No.192) 2009/8/8「名作の中の左利き ―その5―
 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著」

 

冬/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第7号
LL7 1995-96(平成7-8)年 冬号
・前説 The Compliments of the Winter Issue―出発点にもどって
  Get back to the starting point
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その7Left-handed tools & goods―世界初の左手用カメラ
  〈京セラSAMURAI Z2-L〉
・左利きの本だなぁ その4 雑誌/カタログ編―『モノ・マガジン』
  1991年4月2日号 No.188 ワールド・フォトプレス発行―
  特集/左を制するものは時代を制す/左利きの商品学
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  怒りをことばに―「このはさみは欠陥です!」
・左利きの本だなぁ その5 雑誌/コラム編―『モノ・マガジン』
  1994年11月2日号 モノ・インタレスティング「左利き生活向上委員会」
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats

241019-lh-7

 

(1996 平成8)42歳

1/1(音楽)globe「DEPARTURES」(作詞作曲小室哲哉)発売され
ヒットする~♪左利きも慣れたし 風邪も治った~

199611-globe-depatures

『DEPARTURES』globe (CD) エイベックス・トラックス
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12/6『左ききの神経心理学』八田武志 医歯薬出版
左利きの研究専門書。1996年刊。20年余りにわたって収集した左利き・利き手研究に関する文献と自らの研究をまとめたもの。
(Amazonで見る)

220412hidarikiki-no-sinkeisinrigaku

 

春/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第8号
LL8 1996(平成8)年 春号
・前説 The Compliments of the Spring Issue―
  見果てぬ夢を追い求めて “To dream the impossible dream,….
   This is my quest.”
・利き手差別をなくせ! Down with handism!
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その8 Left-handed tools & goods―てのひら≪掌中≫電卓/
  左利き用 ZELCO DOUBLE PLUS calculator No.10731
・左利きの本だなぁ その6 お楽しみ編―梅田香子『勝利投手』
  河出文庫/河出書房新社―≪日米プロ野球女性サウスポー対決その一≫
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats―
  右側の席から/左側の席から/左利き用品メーカーより

241116-ll8

5/ 『ひだりぐみ通信』「第10号―ウェンガー/
レフトハンダー・ポケット・ナイフ 紹介号―」発行

19965-hidarigumituusin-no10-wen_20250516171601

(1996.6)『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 (被)▲ (容)▼
――加賀恭一郎シリーズ。一部右使い左利きの妹の自殺偽装の殺人事件。
 警察官の兄が割り出した容疑者は…。容疑者も犯人も左利き?
『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社ノベルス 1996/6/1
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『どちらかが彼女を殺した』東野圭吾 講談社文庫‎ 1999/5/14
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2005-dotiraka-dsc06628-2

『どちらかが彼女を殺した 新装版』東野圭吾 講談社文庫 2023/6/15
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夏/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第9号
LL91996(平成8)年 夏号
・前説 The Compliments of the Summer Issue―
  工作から始めよう、豊かな体験! ≪ありがとう、手≫
夏休み<アイデア>紙工作特集―
その①ゴム動力紙パック外輪船/その②風力帆掛け段ボール・カー
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  あなたの刃はどっち向き? 左利き用ハサミ紹介
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その9 Left-handed tools & goods―サウスポー・カッターナイフ/
  田島製作所 LC504
・左利きの本だなぁ その7 お楽しみ編―ロスワイラー
  『赤毛のサウスポー』集英社文庫/集英社―
  ≪日米プロ野球女性サウスポー対決その二≫
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats―左利き用品メーカーより

241221-ll9

8/ 『ひだりぐみ通信』「第11号―愛妻専科 左きき調理用品
 紹介号―」発行

19968-hidarigumituusin-no11-aisaisenka

(参照)・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第686号(Vol.21 no.9/No.686) 2025/5/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [37]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(10)
LL10 1996(平成8)年 秋号(後半)」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.5.17
週刊ヒッキイ第686号-
『左組通信』復活計画[37]『LL』復刻(10)LL10 1996年秋号(後)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/05/post-e40654.html

 

8/ 朝日新聞記者から左利きの記事のための電話取材を受ける
――左利き用品のメーカーさんから新聞を出している人がいると聞いた、と
O記者から。一人で一匹狼的に手作りで小冊子を作っているだけ、と話すと
それきり二度と電話もなく、記事が出たのかも知らずにいたところ、後日、
関東在住の左利き仲間の人が「このような新聞記事が出ていた」とコピーを
送ってきてくださり、初めてこの記事のための取材だったのだと気付き、
これならもっと宣伝しておくのだった、と悔やむ。

9/10 朝日新聞朝刊〈生活〉面「左利きにもっと愛を」(大阪版)
――左利きの不便を取り上げた新聞記事。左利き調理用品も紹介。私も
 メーカーさんからの紹介で 電話取材を受けたのだが、忙しくなると
 困るのでお断りした。

 

(参照)・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第688号(Vol.21 no.11/No.688) 2025/6/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [38]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(11)
LL11 1997(平成9)年 夏号 終刊号」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.6.21
週刊ヒッキイ第688号
-『左組通信』復活計画[38]『LL』復刻(11)LL11 1996年秋号(後)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/06/post-0c787f.html

 

9/ ネット上の左利きの会Japan Southpaw club(JSC)発足。

 

(1996) (アメリカ)(探)『死因』パトリシア・コーンウェル
 [検屍官ケイ・スカーペッタ]
<左利きの探偵>(スカーペッタが左利きと分かるシーンがある作品)
――狭いことで有名だった超音速機コンコルドの機内でのシーン。
 原書名"Cause of Death"
『死因』パトリシア・コーンウェル 相原真理子/訳 講談社文庫
1996/12/1
(Amazonで見る)

《(コンコルド機内で)「それじゃ、その問題は解決したわけだな」
 アスパラをつっついている私のほうへ身を寄せながら、ウェズリーが
 話を再開した。/「その問題って?」私はフォークを置いた。
 左利きなので、彼が邪魔なのだ。/「わかってるだろう。私たちが
 すべきことと、してはいけないことだ」ウェズリーの腕が私の胸に
 ふれた。...》pp.394-395

(参考)『検屍官研究』和田 奈津子 (編集) ワニブックス (1999/12/1)
(Amazonで見る)

 

秋/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第10号
LL10 1996(平成8)年 秋号
・前説 The Compliments of the Fall Issue―
  特集“左利きを科学する”① 
特集“左利きを科学する”①―あなたの<左利き度>をしらべてみよう
・左利きの本だなぁ その8 お勉強編―前原勝也
 『右利き・左利きの科学 利き手・利き足・利き目・利き耳…』
  講談社ブルーバックス
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その10 いつもポケットにウェンガー―WENGERスイス・アーミー・
  ナイフ/レフトハンダー・シリーズ
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats―
  左利き用品メーカーより/右側の席から
・左利きについて知るための本

250419-ll10

(参照)・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第684号(Vol.21 no.7/No.684) 2025/4/19
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [36]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(9)
LL10 1996(平成8)年 秋号(前半)」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.4.19
週刊ヒッキイ第684号-告知-
『左組通信』復活計画[36]『LL』復刻(9)LL10 1996年秋号(前)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/04/post-ee5368.html

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第686号(Vol.21 no.9/No.686) 2025/5/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [37]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(10)
LL10 1996(平成8)年 秋号(後半)」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.5.17
週刊ヒッキイ第686号-
『左組通信』復活計画[37]『LL』復刻(10)LL10 1996年秋号(後)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/05/post-e40654.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [40]レフティやすおの左利き自分史年表(6)1995(平成7)7.-1996(平成8)―紙の時代(3)『LL(Lefties' life)』」と題して、今回は全紹介です。

今回は1995年の後半から1996年までの一年半となりました。
本文にも書いていますように、「年表」と言いながら、記入事項が多いこともあり「月表」のようになっています。

今後はどうなるのかわかりませんが、記入事項が増えるに付け、年表の進み方も遅々として進まないという事になりそうです。
しかしながら、後年のお役に立つように、できうる限りの事項について書き込んでおきたいという気持ちがあります。
そういう次第ですので、ご容赦を!

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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2025.10.04

親御さんへ―特別編:モノ・マガジン(特集)左利き道具指南-週刊ヒッキイ第695号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第695号(Vol.21 no.16/No.695) 2025/10/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 特別編:モノ・マガジン (2025年8-16.9-2合併号)
【特集】右利きにはわからない !? 左利き道具指南」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第695号(Vol.21 no.16/No.695) 2025/10/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 特別編:モノ・マガジン (2025年8-16.9-2合併号)
【特集】右利きにはわからない !? 左利き道具指南」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回も、前号に引き続き、
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―」の特別編
 として、8月1日に発売されました、
 『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス)2025年8-16.9-2合併号
 の<左利き特集>を、遅ればせながら取り上げます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
   ―特別編―

  ◆ 「右利きファシズム」に抗う! ◆

   モノ・マガジン (2025年8-16.9-2合併号)
   【特集】右利きにはわからない !? 左利き道具指南
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●『モノ・マガジン』左利き特集

251004-mono202581692

『モノ・マガジン: 恐竜大復活 (2025年8-16.9-2合併号)』
ワールド・フオト・プレス (2025/8/1)

【特集】右利きにはわからない !? 左利き道具指南

我々の生活空間は、ほとんどが「右利き仕様」。
一方、左利き用はというと……
時代とともに偏見はなくなってきているものの、
まだまだサイレントストレスを感じている人も多い。
そこでモノ・マガジンは身近なマイノリティーである左利きを応援する。
左利き用の便利グッズからユニバーサルデザインまで
たっぷりと集めたぞ。

251004-mono202581692-contents

(Amazonで見る)

出版社 ‏ : ‎ ワールド・フオト・プレス (2025/8/1)
発売日 ‏ : ‎ 2025/8/1

 

――という内容で、カラーで全12ページ。
まず見開き2ページで
p.80-81「日本左利き協会 大路直哉さんインタビュー」。

次のページから左利き用品の紹介が始まります。

p.82「左利き用のミニ財布」、p.83「左利き文房具カタログ」、
p.84「左ききの道具店セレクション」、p.85「左利き料理道具カタログ」、
p.86「左利き雑学事典」、p.87「左利き生活雑貨スポーツカタログ」、
p.88「左利きミュージシャンの憂鬱」、p.89「左利きギターカタログ」、
pp.90-91「左利き・右利きを問わない ユニバーサルデザイン文房具」。

 ・・・

メインの特集は、「恐竜大復活」とありますように、
『ジュラシック・パーク』の新作映画に関するものです。

これは本屋さんでチラッと見て、そうか、と思い、題字の下にあった
左利きの特集の文字を見落としました。

で、まったく知らなかったのですね。

前号前々号で紹介しました、TBSラジオ「人権TODAY」のことを
日本左利き協会のサイトで見てみようと思い、のぞいてみると、
この特集号のことが紹介されていました。

ええ~っと思い、慌てて調べてみますと、もう発売期間を過ぎ、
次号が出ていました。
仕方なく、サイトに出ていたAmazonで購入。

お高くなりましたが、<左利きライフ研究家>という看板を上げている
手前、致し方ないところでしょう。

 

 ●p.80-81「日本左利き協会 大路直哉さんインタビュー」

今回の特集の冒頭、大路さんへの取材による記事が登場します。

251004-mono202581692-p8081

大路さんの記事に関していいますと、8月30日の放送されました、
TBSラジオ「人権TODAY」の日本左利き協会の大路直哉さんの回の、
サイト版の内容とほぼ同じ、といっていいものでした。

同じ時期に同じように取材を受けていれば、
当然ご自分の思いは同じなわけで、
その回答の内容も同じになるのは無理もないところです。

例の著書

『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路直哉
 PHP新書1367 2023/9/16 
――「第六章「右利き社会」から「左利きにやさしい社会」づくりへ」
230919hidarikiki-no-iibun-600

(Amazonで見る)

<右利きと左利きが共感する社会へ>という結論が語られています。

このへんは、過去二回のTBSラジオ「人権TODAY」の方を参照ください。

 

 ●左利き用の商品カタログ

以下のページからの商品カタログに関して軽く紹介しておきましょう。

p.82「左利き用のミニ財布」

革小物メーカー「ATELIER MOKU アトリエMOKU」
https://moku.info/

の左利きのための左利き仕様の財布――ファンからの左利き仕様の
リクエストが多く制作することになった、といいます。
「小さく薄い財布SAKU」の左利き仕様は、札入れとコインケースの
向きが反転していて、左手で取り出しやすい。
新作を出す度に「左利きはないのか?」という問い合わせがあり、
現在、定番品は、原則、左利き用が最初から用意されている、とのこと。

p.83「左利き文房具カタログ」

・書き心地を追求したドイツ生まれの万年筆――シュナイダー
 「TOMO」「RAY」
・定番カッターナイフのレフティモデル――オルファ
 「カッターナイフ レフティL型」
・左利きに嬉しい鉛筆削り――ブルネン「鉛筆削り「Office」左手用」
・利き手を問わずに軽い切れ味を実現!――コクヨ
 「ハサミ<サクサ>スリム・グルーレス刃」
・左利きのメモ書きとして使えるノート――ダイアログノート
 「左ききのダイアログノート(3冊セット)」
・左利きのためのファースト万年筆――ペリカン
 「万年筆ぺりカーノジュニア左利き用」

p.84「左ききの道具店 セレクション」――2018年8月13日にオープン
 したオンラインストア。不定期営業の「ときどきストア」も。
 左利き用のみならず「左右どちらでも使いやすい道具」「使い方によっ
 ては左利きに使いやすい道具」も。オリジナルブランド「HIDARI」も。
・分解して使える左手用キッチンハサミ
・カレースプーン「カレー賢人ヒダリー」
・財布「山藤(やまとう)マルチパーパス」
・左ききの扇子「Butterfly」・万年筆「Base」左手用
・左ききの道具店 左ききの手帳

p.85「左利き料理道具カタログ」
・調理が一層はかどる左右兼用アイテム――一藤金属
 「すくいやすく注ぎやすいレードル」
・至高の皮むき器の左手用モデル――飯田屋「エバーピーラー/左手用」
・スマートでコンフォータブルなバターナイフ――燕振興工業
 「バターナイフ」
・反時計回りに回すソムリエナイフ――プルテックス
 「ソムリエナイフ プルパロット/左手用」
・専用スプーンを使って毎日の習慣を盛り上げる――ミヨシ
 「ヨーグルトスプーンSNOPPO/左手用」
・切れ味と美しさを備えた左利き用の一本――貝印
 「旬Classic三徳 左利き用175mm」

p.86「左利き雑学事典」
・なぜ左利きは生まれるのか? いつ利き手は確立する?
・日本は10人にひとりが左利きその多くは「クロスドミナンス」
・「左利きの日」は、1年に2回ある!?
・天才肌が多い!? 左利きの偉人、才人たち
・日本の文献に書かれた最も古い左利きの人物とは?
・ホッキョクグマは、みんな左利き!?
・左利きだった坂本龍一のソロアルバムのタイトルは?
・左手を上げた招き猫は、人やお客を招く

「左利きの日」を取り上げ、
8月13日「国際左利きの日」の始まりについて、
 《8月13日は「国際左利きの日」として1976年にアメリカに存在した
  「Lefthanders International」が最初に制定した。》
と正しく記載しています。

そもそも私がこの「Lefthandaers International」について知ったのは、
↓の『モノマガジン』の左利き特集号だったのですから当然といえます。

『モノ・マガジン』1991年4月2日号(NO.188)
  <特集/左を制するモノは時代を制す!>「左利きの商品学」

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*参照:
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2021.9.4
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代1
(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-57d0e5.html

・『左利きライフ研究家~レフティやすおのお茶でっせ』2025.8.13
2025年8月13日は50回目の<国際左利きの日>INTERNATIONAL LEFTHANDERS
DAY
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-7486e1.html

 

p.87「左利き生活雑貨スポーツカタログ」
・左利きがスマートにお茶を注げる急須――白山陶器「茶和急須/左手」
・ミズノ「Mizuno Pro S-3 アイアン/左用」
・ジャストフィットなグラブで気分もプレイも上がる――ミズノ
 「オーダーグラブ」
・左手用のハサミで快適な剪定を!――坂源「庭園用ハサミ/左手用」
・飛距離アップにレフティ御用達ドライバー――ミズノ
 「ST-Z 230 ドライバー/左用」
・葉っぱのカタチにはワケがある!?――Kikkerland
 「どちらの手でも見やすい葉っぱのトランプ」

p.88「左利きミュージシャンの憂鬱」
・粉砕か、共存か!?左利きと楽器の関係――「モノマガジン」で連載を
 持つ、左利き右弾きの髙木大地さんによる、左利きと楽器の話。
「右利きファシズム」として、ピアノは右利き用――
 《ピアノと同じ鍵盤を持つシンセサイザーでは、左右を逆にする設定も
  可能で、左利きのためにカスタマイズすることもできる。》
ギターは《レフティも充実》。故PANTAさんは「右利きファシズム」
に抗っていた。自分はどっぷり浸かっていたことに気付いた、と。

p.89「左利きギターカタログ」
・左利きの天才ギタリストのシグネチャーモデル――エピフォン
 「Jimi Hendrix Love Drops Flying V Left-Hand」
・グランロックの荒々しさを蘇らせるサウンドが魅力――フェンダー
 「Kurt Cobain Jaguar Left-Hand」
・オールマイティに使える定番アコギの左利きモデル――ヤマハ「FG820L」
・フェンダーの美学と日本の職人魂の融合させた一本――フェンダー
 「Made in Japan Traditional 60s Stratocaster Left-Hand」

pp.90-91「左利き・右利きを問わない ユニバーサルデザイン文房具」
「誰もが快適に使える優しい文房具を目指して」 
 《利き手に関係なく、誰もが使いやすく日常生活における効率性や
  快適性が向上する文房具を集めてみた。》
 《普段何気なく使っている文房具、しかしこれらは圧倒的に人口の多い
  “右利き”利用を基本として作られている。ただ世の中には当然、
  左利きの人もいる訳で、ストレスを抱きながら使用していることも
  多い。そこでユニバーサルデザイン文房具の登場となるワケである。》
 《左利き右利き共生の答えがここにある。文房具を新たに購入する際は
  一度、その使い心地を試してみて欲しい。》
・左利きも右利きも納得の便利な定規――HIDARI「15cm定規」
・利き手を問わず快適に使える――HIDARI「ユニバーサルメジャー」
・右手でも左手でも、スマートな使用感が○――左ききの道具店
 「ユニバーサルクリアファイル」
・安心、安全に配慮したカバー付きの優しいハサミ――HARAC「カスタ」
・落としても安心、抜くのも簡単な優しい画鋲――コクヨ
 「プニョプニョピン」
・使いやすくてエコな針なしステープラー――コクヨ「ハリナックス」
・切る、折る、交換する際に安心感をプラス――コクヨ「フレーヌ」
・切り抜きをきれいに楽しく実現!――HARAC「ライン」
・握っても、置いても使えるハンドルデザイン――HARAC「ネイルプラス」

 

 ●ちょっとした工夫で……

今回の<左利き特集>を見て思うところを書いてみます。

冒頭の大路さんのお話から始まり、財布、文房具、<左ききの道具店>の
セレクション、料理道具、左利き雑学事典をはさんで、生活雑貨、
左利きミュージシャンのお話、唯一ともいうべき左利き楽器のギターの
カタログ、ユニバーサルデザイン文房具まで。

左利き用品に関して、ハサミのようなある一部の商品などは、
100円ショップでも手に入る、ともいわれます。

しかし、実態はまだまだ。
日常的に気軽に買い物ができるはずのコンビニでの普及率を見てみれば、
よくわかると思います。
ゼロに等しいのでは?(最近はあまり行かないのでよく知りませんが。)

ユニバーサル・デザインに関しても、左右性に関連する商品についての
一般の人の理解は十分ではないようです。
ちょっとした工夫で左右両用できる用になる商品というものが、
いくらでもあると思われます。
例としては、<左ききの道具店>さんのクリアファイルがあります。
切り欠きを両面にずらして入れているだけのことです。

もちろん、これだけのことでも手間は倍になるのかも知れませんけれど。

そういうように、
ユニバーサルデザインの可能性はもっと追求されるべきでしょう。

 

 ●ユーザーの使い方も十人十色

左利き専用品に関しましても、実際に使う人は、人色々です。

ユーザーの数でいえば、圧倒的に右利きの人が多いわけですが、
右利きの人がみんな、右手使いするかといいますと、
必ずしもそうとは言い切れません。
状況により、右手で使う時もあれば、左手で使うときもある、
というのが本当のところです。

私が左利きおよび左利き用品の使用に目覚めたきっかけとなった、
左手用カメラ「京セラSAMURAI Z-L/Z2-L」でも、
右利きの人が記録用に買った
(右手で作業をしながらでも左手のカメラで記録できる)、
という話をネットで知ったものです。

また、あれは右手でこれは左手、といった。
いわゆるクロスドミナンス的な使い方をする人もいます。

左利きの人が「右利き社会」になじむ過程で、右手使いになる、
という話はよく聞きますが、
右利きの人でも左手使いを強いられる場面もあります。
ケガをした場合などその例です。

故長嶋茂雄さんもそうでしたが、右半身マヒになることもあります。

半身麻痺になった場合、左利きの人ならもし利き手が使えなくなっても、
右利き用の商品はいくらでもありますから、
不得意の手でもなんとかなるかも知れません。

一方、右利きの人の場合は、利き手が使えなくなると、
代わりに非利き手である左手を使うことになります。
その時、現状のような世界では、左手用を探す必要があります。

昔のエッセイになりますが、岩井礼子さんの「はさみ」がそれです。

《脳梗塞で右半身マヒになった母が使っている左利きのはさみから
 昔の器用だった母の思い出を語る。》

「お父さん」が必死になって探してきたのがこの左手用のハサミでした。
右手で使った娘さんがこんなに切れないハサミを使っているのか、
というと、それは左用よ、左手で使うのよ、とお母さん。
改めて母の不自由さを思う、というお話でした。

*参照:
『最高の贈り物―’98年版ベスト・エッセイ集』日本エッセイストクラブ
/編 文春文庫 2001/8/1

 

(Amazonで見る)

(「文と友だち」同人・主婦)『随筆春秋』第8号

 

「多様性」がいわれる世の中ですが、
人は一様ではないのですから、誰もが取り残されることのない、
そういう世界に変えていきたいものです。

左利きも忘れずにいて欲しいものです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 特別編:モノ・マガジン (2025年8-16.9-2合併号)【特集】右利きにはわからない !? 左利き道具指南」と題して、今回は全紹介です。

『モノ・マガジン』の<左利き特集号>は、私自身3度目の紹介? です。

最初の出会いは、本文にも書いていますように、あの衝撃の大特集号でした。
あれを見て「左利き(用品)に目覚めた」という人は多いと思います。
非常に優れた特集でした。
まさに<総力特集>!? という感がありました。
二度目は、私のブログ(『レフティやすおのお茶でっせ』:現『左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃんレフティやすおのお茶でっせ』)を紹介していただいたものでした。
そして、三度目がこれ。
ずっと気にしてときどきはこの雑誌を見ていたのですが、今回は見つけられませんでした。
最近は本屋さんもすっかり減ってしまい、駅向こうまで行かないと行けない状況です。
近くのわが市の図書館にも置いているのですが、この頃は、いたずらがあるのか、開架の棚に最新号は置いていなくて、気軽に見ることができません。
難儀な時代になりました。

『モノ・マガジン』さんがかわらず、左利きをひいきにしていただけるのは、嬉しいかぎりです。
これからも定期的によろしく!

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2025.09.20

親御さんへ―特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(後)-週刊ヒッキイ第694号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第694号(Vol.21 no.15/No.694) 2025/9/20
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(後半)」

 

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第694号(Vol.21 no.15/No.694) 2025/9/20
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(後半)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回も、前号に引き続き、8月30日の放送されました、
 TBSラジオ「人権TODAY」の日本左利き協会の大路直哉さんの回の、
 サイト版を元に、私なりの解釈と感想を交えて紹介する後半です。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―特別編―

  ◆ 「左利き」と「右利き」の相互理解がある社会を目指す
    「日本左利き協会」 ◆

   ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(後半)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分

◆TBSラジオ
「人権TODAY」8月30日放送
https://www.tbsradio.jp/horio-human/

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「まとめて!土曜日」内で8時22分頃から放送中。
人権に関わる身近な話題をテーマに掲げて、
ホットなニュースをお伝えしています。
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2025.08.30 土曜日 08:45
社会・政治・経済
「左利き」と「右利き」の相互理解がある社会を目指す
「日本左利き協会」
人権TODAY
https://www.tbsradio.jp/articles/99980/

 

250830tbsjinkentoday-jla

がそれで、
《「左利き」を取り巻く環境の過去と現在について》
「日本左利き協会」発起人で、『左利きの言い分』の著者
大路直哉さんに取材したお話です。

 

 ●左利きへの寛容度が高くなった一方、新たな問題も、、、(前半)

《現在の「左利き」を取り巻く環境について》です。

大路さんのコメント――

 《左利きに対する寛容度っていうのは、私が幼少期だった1970年代と
  比べるともう雲泥の差ではあると思います。
  その一例としましても、よく左利き用品の話題が取り沙汰されます
  けど、今までは左利き用の道具は割高で困るとか、いろいろそういう
  人がいらっしゃったんですけど、今は100円ショップでも買えますし、
  選択肢はもう確実に広がってると思います。》

さて、大路さんのいう左利き用品についてですが、
一部の商品は確かに100円ショップでも買えるかも知れません。

しかし、選択肢の幅はどうでしょうか。
本当に広がっているのでしょうか?

例えば、ハサミ一つとっても、分かります。
右手用のハサミは選び放題です。
大中小から長刃のもの、シールののりが着きにくい加工をしたもの。
取っ手の部分の色一つとっても選び放題です。

ある左利きの少女の場合、親御さんは左利きだから左手用(取っ手が
黄色)をすすめました。
しかし、彼女は他の女の子たちと同じピンク(の取っ手)が欲しい
といい、右手用を選びました。

今のハサミは、二枚の刃の合わせがしっかりしていますので、
ただ切るだけなら右手用を左手で使っても問題ないでしょう。
しかし、逆の手で使うと切り取り線に沿って切ろうとするとき、
上の刃が邪魔をして線が見えません。
ハサミを傾けるか首を傾けるか、不自然な姿勢になります。

右手用というのは、
その名の通り右手で自然に持って切れる設計になっているものです。
左手用は、その通り左手で自然に持って切れるような設計になっている
ものなのです。

先日、久しぶりにホームセンターで、ハサミを調べてみました。
確かに各社から多種多様なハサミが販売されていました。
でも「左手用」と銘打たれたものは、一点だけでした。
残りの30種ほどのハサミは、みな右手用でした。
右手用に関しては、まさに選び放題です。
しかし、左手用は一種のみ、子供用と合わせても二種二点だけでした。
これが一つの現実です。

また一般的な日常の生活必需品は、左用が色々と出回ってきています。
その点はなるほど改善されてきましたよね。

しかし今、弊誌で取り上げているように、楽器などはどうでしょうか。
左用の鍵盤ハーモニカはありません。
左用のピアノもありません。
左用のヴァイオリンは、一部で発売されているのですが、
サイトを見ますと、音楽教室の先生でも知らない人が多いようで、
まだまだ一般的とはいえません。

楽器の世界で左利き用が一般化しているのは、ギターの類いぐらいです。
他はまったく右利きオンリーといっていい状況です。
この差別のひどさは、
左利きの音楽家のみなさまの多くが感じていることのようです。

しかし、世間一般では問題視されることはありません。
なぜなのでしょうか?

 

 ●道具を使うことは人間の証?

道具は、人間と他の動物を分ける象徴のようにいわれます。
道具を使うことこそが人間の証だとすれば、
その道具が右利き用しかなければ、左利きの人は人間のうちではない、
ということになるのでしょうか。

以前、私が左利きの道具の不便を右利きの人に訴えたときに、
こう言われました。

「左利きといっても右手があるのだから、右手を使えば済む問題」と。

これが、昔の世間の右利きの人たちの平均的な考え方だったように
思います。
「利き手」という性質を正しく理解されていなかったのです。

 

私の考えを書いておきます。

私は、二十代後半まで「左利きの自分が間違っているのだ」と
思い込んでいました。
なにしろ「左利きの子を右手使いになおす(直す/治す)」ことを
指して「矯正」と呼んだくらいですから。
「矯正」の正しい意味は知らなくても、「正しい」という字が
入っていますし、正しいことのように思えます。
「誤りや悪いことを正すのだ」という意味らしいということは、
小学生にも分かりますよね。
でも、本当は左利きが誤りでも悪いことでもないとしたら?

「左利きは悪いこと/誤り」という認識が「まちがい」だ、
と教えてくださったのが、1970年代に「左利き友の会」を主宰された
精神科医の箱崎総一先生でした。

「左利きがまちがっているのではなく、
 まちがっているのは左利きを受け入れない社会の方だ」

こうして私に生きる勇気を与えてくださったのは、
箱崎総一先生の著書『左利きの秘密』でした。

『左利きの秘密』箱崎総一 立風書房 マンボウブックス
(Amazonで見る)

Hidarikiki-no-himitu_20200812154601

 

そのなかで、ご自身の考える「左右同権」の物差しを示されています。

 《左利きに対する偏見と差別が真になくなるのは、左利きの人たちが
  何ら苦痛を強いられることなく生活していけるときである。
  それをはかる物差しは、結局、左利きのための道具・器具類の
  普及度である、と私は考える。/
  たとえ人々の頭の中から左利きに対するあやまった考えがなくなった
  としても、それだけでは左右同権の社会とはいえない。
  左利きの人たちが右利きのための道具や器具に囲まれて暮らしている
  かぎり、真の解放はありえないのだ。/
  こうしたことを考えるとき、わが日本の左利きにとってまだまだ
  けわしい前途が横たわっているといわねばならない。》(pp.61-62)

今現在の日本の状況と比較してどうでしょうか。
45年経っても、どこまで進展したのか、大いに疑問です。

確かに流れは“左利き解放”に向かっています。
しかしその歩みは遅々としたものである、と私には思えます。

昨年6月に出版されました
『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
(ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社)
(Amazonで見る)

240627-hidarikiki-no-rekisi

 

という本には、ヨーロッパを中心にした西欧での、
左利きのまさに迫害と解放への歴史が綴られています。
その道は決して平坦でまっすぐなものではなく、
曲がりくねり山あり谷あり行ったり来たり、の激動の歴史でした。

 

 ●左利きへの寛容度が高くなった一方、新たな問題も、、、(後半)

 《ただ、その一方で日常生活において手の器用さが問われる動作が
  減って、ボタン操作だけで用が足せること多くなってるのは、人間の
  視線がないゆえの新しい「サイレントストレス」というのがあると
  私は考えています。》

「サイレントストレス」というのが、私には今ひとつよくわかりません。
右利き用の道具や機械、システム等に囲まれて生活してるゆえに感じる
左利きの人の不便をいうのでしょうか。
新しい「サイレントストレス」があるというのも、例えばそれは、
さらに進む機械化社会における、新たなる左利きの不便を指すようです。
それは、左利きの人も気付かない形で、社会の中に浸透している。
右利きの人は自分が多数派ゆえに、
自分の設計がそのまま世間で通用することが多いのです。
ところが、実はそれが右利き用だ(=左利きには不向き/不便だ)、
という事実を忘れているケースが多い、ということではないでしょうか。

恒藤さんの文章には、こんな右利きの不便が指摘されていました。

 《一方で、最近、右利きの人でもこの現象に気づくことも増えてきて
  います。例えば、スマートウォッチで改札を通る時、右利きの人は
  左手に時計をつけていることが多いので、手をクロスしないと改札に
  かざすことができず、不便さを感じることになると思います。》

大路さんの本にもあるように、この社会が「右利き社会」だという事実
――これが、右利きの人たちには理解されていないように思われます。
「これが当たり前」の社会だ、という認識があるのです。

そしてそれは、右利きの人だけでなく、左利きの人にもあるのです。

私たちのような旧世代――左利きゆえに偏見と差別に泣かされてきた世代
――は、ある程度「社会に問題がある」という認識を持っています。
若い世代は、「左利き=悪」というレッテルや、極端な先鋭的な社会的
圧力をあまり受けてこなかったので、この社会をまるごと
「こういうものだ」と受け入れてしまっている部分があるようです。

子供の頃の私自身、右手用のハサミを左手で使っているので不便なのだ、
という事実を知らないまま、「ハサミとはこういう切れないものだ」
と受け止めていたのと同じです。

 

 ●「右利き」と「左利き」の相互理解、共感力を育んでいきたい

最後に、大路さんが目指す社会について、です。

 《やっぱり右利きと左利きの相互理解、共感力を育むことっていうのに
  まず一点集約して進めていきたいんですけども、そうした相互理解を
  深めていく上で大切にしたい心がけのポイントっていうのは、次の
  3つだと思います。
  1つ目は、左利きを特別視しない。
  2つ目が、同情や単なる関心にとどまるのではなくて、実感を通して
  右利きと左利きが共感しあえる意識を共有する。
  そして3つ目が、そこから利き手の関心を越えて、右利きにとって
  身近な隣人である左利きの存在を通して深まる社会的包摂への理解
  です。
  とくに、3つ目の考えがない限り、なかなか右利きの人に関心を続け
  てもらうことは難しいんじゃないかなとも考えるところですね。》

「右利き」と「左利き」の相互理解、右利きの人に共感してもらう、
という点を上げています。
右利きの人が社会の多数派なので、右利きの人の共感、これ抜きには、
社会を改変してゆくことはできません。

「右利き」と「左利き」の相互理解は、絶対条件です。

しかし、それ以前にやはり私が一番問題に感じていることは、
「左利きの人の自覚」です。

左利きの人自身が「この社会の在り方に問題があるのだ」としっかりと
認識していなければ、問題として発信していけない、ということです。

右利きの人に共感してもらうにも、その共感の素(もと)となるものが
なければ、どうにもなりません。
「ここに問題があるのだ」とハッキリと発信してゆかなければ、
右利きの人の理解も共感も得られません。

大路さんは、「右利き」と「左利き」の相互理解は、この社会を
左利きにとってのやさしい社会へ変えるためだけのものではなく、
もっと広く「社会的包摂への理解」につながるものだ、といいます。

 《人間の多様性を認め合い誰一人取りこぼすことのないソーシャル・
  インクルージョン、つまり「社会的包摂」の精神そのものです。》
    大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』
    PHP新書1367 2023/9/16 ――「第六章「右利き社会」から
             「左利きにやさしい社会」づくりへ」p.261
(Amazonで見る)

230919hidarikiki-no-iibun-600

 

 ●左利き専用と左右兼用

恒藤さんの文章から

 《最近では、ハサミなどの道具も左利き専用ではなく左右兼用のものが
  あり、利き手に関わらずそういった道具をシェアできたり、道具を
  通じて利き手を意識することにつながったりしています。》

道具には兼用できるものもあります。
また、「兼用」と「共用」という考えもあります。

「(左右)兼用」というのは、私なりに解釈しますと、
「右用にも左用にも変えられる構造を持つ」タイプ
――ここで紹介されていたものは、
「レイメイ藤井 ペン型はさみ・ペンカット」という製品です。
刃そのものが右刃と左刃の二辺になっていて、
ハンドル部分を入れ換えることで、
右用にも左用にも変えられるもの(購入時は右用に組まれています)。

小型のカッターナイフには、刃を裏返して入れれば、
右用を左用に変えられる、というものがあります。

ここで紹介されている定規は、
板状の二辺をそれぞれ右用の目盛りと左用の目盛りにすることで、
そのどちらの辺を使うかで右用にも左用にも変えられるものです。
二辺を整形しなければいけないので、コストアップになります。

 

「共用」というのは、文字通りどっちの手でも使えるタイプのもの――
例えばお箸などは、横書き文字のロゴや横長の絵柄を入れないかぎり、
どちらの手でも使えます。左右対称のスプーンなどもそうです。

ここで紹介されているカッターは、刃の出し入れ用のスライダーが
上部にある「縦型」のカッターです。
これは、先に例に挙げたカッターとは違い、そのままの状態で
どちらの手でも使えるものなので、私は「共用」と呼んでいます。

 《<左右兼用のカッター>刃の出し入れ用のレバーが中心についている
  ので、左右どちらの手でも刃の出し入れができる》

 

恒藤さんの〆の文章です。

 《今後はこうした動きがさらに広がっていき、利き手を意識する方が
  増え、右利きと左利きの相互理解が進んでいくことを願っています。》

 

 ●私の意見

最後に、もう一度、私の意見をまとめておきましょう。

(1)左利きの人自身が、左利きの問題を自覚し、社会に発信してゆく。
 それによって初めて、右利きの人への共感を求めることができます。
(2)道具や機械類に関しては、左右性のあるものは、
 一定の比率で左用を用意する。
 その際、費用の分担は、ユニバーサル・サービス料金制を導入し、
 全体で均等に負担する。
(3)社会は、多様性について、それぞれのグループの声の大小や
 圧力の強弱に関係なく、平等に対応する。

 

具体的には――

 左利きの人たちは、8月13日の<国際左利きの日>や
 2月10日の<左利きグッズの日>のような記念日を利用して、
 「左利き用の道具展」のようなイベントを繰り返し実行し、
 「左利きの不便」や、右利き偏重社会の構造が持つ、
 左利きの人に不合理な在り方を訴える機会を増やし、
 右利きの人たちの理解と共感を得る努力をする。

ことが重要だと考えます。

 

 ●「右利き生まれ」と「右利き育ち」

ここで一つ私の持論である仮説を――。

よく、左利きは全体の10%程度、といわれます。
この場合、正確には「左利き」というより「左手利き」と呼ぶ方が
よいと思われます。

大半の場合、問題視されるのは、
「手、もしくは腕」にまつわる作業について、ですから。

「左手利き」が10%で「右手利き」が90% という場合の、
「90%の右手利き」のなかには、「本当は右手利きではなかった人」が
いるのではないかというのが、ここで紹介する私の持論です。

 ・・・

右利きの人には、二種類ある、ということ。

一つは、「右利き生まれ」=「生まれつき右利きの人」。

 

この場合の「右利き」とは、私がいつもいっている利き手/利き側
(利き足/利き目/利き耳など)のテストで、
「強い右利き」に分類される人のことです。

もう一つは、「右利き育ち」=
「生まれたのちの教育や指導により、右利きになった人」。

元は、私のいう「中間の人」、利き手/利き側テストで、
「弱い右利き」や「弱い左利き」と分類される人。

ある程度、右もしくは左が使える人が、その後の指導や教育で、
練習の結果、主に特定の動作において右使いが身についた人。

それゆえ人により、その「右利き度」は異なり、
「○○は右だが、××は左」というように「利き」が混在する、
というようなケースです。

もし社会の圧力がなければ、それらの人は「右手利き」ではなく、
「左手利き」になっていたかもしれない、という仮説です。

日本人の多くは、日本語は話せるけれど英語は話せない、
というのは、素質ではなく、環境の力です。
それと同じような理屈です。

私の仮説では、
真に「右利き」(強い右利き――手や腕だけでなく、足や眼、耳などを
含めて右優位)は、半数超(50~60%)。
「中間の人」(弱い右利きと弱い左利き)は、三分の一程度(33%)。
真に「左利き」(強い左利き)は、その残り(5~10%)。

 

 ●選べない「生まれ」の違いでの差別を解消しよう

人は「生まれ」を選べません。
人権の問題に直面している人々の多くは、
この「自分が選ぶことができない事柄」で悩まされているのです。

「左利き」も同じです。

以前調べてみましたら、障害者手帳を持っている人の数は、
たしか全人口の数パーセントでした。
LGBTの人の数も、同じく数パーセントだと聞いたことがあります。
左利きのうちでも、「強度の左利き」はやはりそれぐらいだ、
という研究がありました。

これらそれぞれ全人口の数パーセントの人のために、あれやこれや面倒を
見るのは、社会的には「非効率」なことかも知れません。
しかし効率の良さだけが社会の重要な価値ではないはずです。

ときに、非効率な生き方も、重要な生き方になるはずです。

人種や民族、文化の違いなども含めれば、多様性の多くはそうです。

 

お釈迦様、ブッダは「生きとし生けるものは、幸せであれ」
(『ブッダのことば―スッタニパータ―』中村元訳 岩波文庫
「第一 蛇の章/八、慈しみ」(147) p.37)
(Amazonで見る)

と説いたそうです。

誰彼の区別なく、人も動物も生き物すべて、みんなが幸せになる権利を
持っているのです。
基本的人権というのは、そういうものなのではないでしょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(後半)」と題して、今回は全紹介です。

人権の番組というところが、期待を抱かせるものでした。
「左利き」「利き手」の問題を、人権の立場から、取り上げてもらえるのは、うれしいことでした。

この機会に、左利きの人自身が積極的に問題点を訴えるようになっていただけると、私のいつもいうところの、「右利きだけでなく、左利きにも優しい社会」の実現に近づいてゆくのだ、と思います。

 ・・・

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2025.09.06

週刊ヒッキイ第693号-親御さんへ―特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第693号(Vol.21 no.14/No.693) 2025/9/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(前半)」

 

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第693号(Vol.21 no.14/No.693) 2025/9/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(前半)」
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 今回は、

第691号(Vol.21 no.12/No.691) 2025/8/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(33)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(2)右手と左手・他」

『レフティやすおのお茶でっせ』2025.8.2
週刊ヒッキイ第691号-
楽器における左利きの世界(32)まつのじんさんのご意見(2)右手と左手
17:38 2025/07/25
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-d94232.html

 の続きで、「ご意見から考える(3)」をお送りする予定でしたが、
 先日少し情報を頂いた、あるラジオ番組について書いておこう
 と思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
   ―特別編―

  ◆ 「左利き」と「右利き」の相互理解がある社会を目指す
    「日本左利き協会」 ◆

   ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(前半)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分

◆TBSラジオ
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2025.08.30 土曜日 08:45
社会・政治・経済
「左利き」と「右利き」の相互理解がある社会を目指す
「日本左利き協会」
人権TODAY
https://www.tbsradio.jp/articles/99980/

250830tbsjinkentoday-jla

がそれで、
《「左利き」を取り巻く環境の過去と現在について》
「日本左利き協会」発起人で、『左利きの言い分』の著者
大路直哉さんに取材したお話です。

関東中心の放送らしいので、放送は聞いていませんが、
サイトの情報を読みました。

実は、「日本左利き協会」の大路直哉さんからの紹介で、
私のところにも話を聞かせて、というお便りも頂きました。
(大路さんからはいつもお声がけいただいて恐縮です。)

今回は時間の余裕がないということで、お断りさせていただきました。
リモート等の現代的な取材にも適応できませんし、ね。

普段から考えていることを簡潔に話せばいいのでしょうけれど、
元々人前で話すのが苦手で、身構えてしまうのと、
臨機応変に対応できる人間ではないので、
こういう短期間・短時間での取材は苦痛以外の何ものでもありません。

もったいないといえばもったいない話なのですが、
致し方ない、と思っています。

あとで私がする発言――
「左利きの人自身が不都合な点をもっと社会に向かって発言すべき」
という言葉と矛盾するのですけれど、ね。

 

 ●「左利き」を人権の問題として

さて、番組内容についてです。

この番組の放送時間は、約6分と聞いています。

6分で、左利きの過去・現在・未来について語ろうというわけですので、
どうしても細部を詳細にふれて紹介することはむずかしく、
一般論的に概略することになります。

サイトでは実際の放送よりもある程度、説明できる部分もあるか
と思われますけれど、その点を踏まえてお読みください。

以下の文章で、私が突っ込み不足のように指摘し、
不満を述べることもあるかと思われますが、そういう事情があるのだ
という点をここで確認しておきたいと思います。

 ・・・

まず最初に書いておきたいことは、「人権の番組」だということ。
人権の問題について取り組んでいる人やグループについて取材して
紹介している番組だ、という点です。

なんと28年も続けている番組とのこと。

この、人権の問題として受け止める姿勢が、私にはうれしく思えました。
私には当然のことだとは思うのですが、
世の中はそんなに甘くはないのです、ホントのところ。

従来、テレビやラジオの番組といったマスコミから声がかかる場合、
たいていは、もっと単純な「一つのトピック」として、でした。

「今日は何の日? 左利きの日!」といった感じで、由来は? とか、
左利きの人に便利なグッズの紹介、とかで終わってしまう。

もちろん、それはそれで、何もないよりはいいのですけれど、
それで終わってしまって「365分の1」で済まされても困るのです。

右利きの人にとっては、たった一日だけ思い出せばいいだけの
「左利きの日」かもしれません。
しかし、私たち左利きの人にとっては、
毎日が、365日と何時間かのすべてが「左利きの日」なのですから。
それで終わらせられては……。

それはさておき、この番組の内容です。

 

 ●左利きの女性はお嫁にいけない!?

まずは、過去のお話です。

《かつての「左利き」を取り巻く環境について》――

大路さんの言うところは、

 《かつては左利きっていうのは親の躾の問題だと捉えられていて、
  異常だとかそういうことよりも、躾がなってるか、なってないか
  という観点で左利きっていうものが槍玉に挙げられていました。
  特にお見合いのときに、左利きの素振りを見せたりすると破談に
  なったりすることもあったと伝えられてます。
  また、今ではほとんどないと思うんですけど、拷問ともいえる
  左利きから右利きへの矯正の事例として、左手を使わせないように
  テープとか包帯でグルグル巻きにしたりして、左手を使うのは
  良くないっていう刻印付けみたいな感じで捉えられていた部分も
  ありました。
  大体1970年代ぐらいまでは、こういった話題が多かったと、
  いろいろな資料や私の少年期の実体験から感じますね。》

大路さんは、「親の躾の問題」とされています。
もちろん、そういう一面もありました。
「親の顔が見たい! 恥ずかしくないのか?」というような。

が、それだけではなく、
過去にはもっと強く否定的な見方があったことも事実です。

私自身、自分の小さい頃の話はあまりしたくないので、
最少限度のことしか書いてきませんでした。

大路さんは1967年生まれ、私は1954年生まれ、
と一回りほど違います。

大路さんの幼少期から小学生時代に当たる1970年代は、
日本における左利き解放の歴史における一大転換期に当たります。

アメリカ留学から帰国した精神科医の箱崎総一さんは、アメリカでは
見られなかった左利きに悩む患者さんが日本では多いことに気付き、
1968年に『左利きの世界』(読売新聞社)を出版し、
左利きについての啓蒙活動を始めました。
1971(昭和46)年には、箱崎さんは、<左利き解放運動>としての
「左利き友の会」を主宰されました(1975(昭和50)年、
左利き友の会『左利きニュース』42号をもって活動停止)。

1972(昭和47)年には、この「左利き友の会」をモデルにした、
広瀬正さんの左利きテーマのSF小説『鏡の国のアリス』出版。

さらにこの年にはイギリスの左利き研究家、マイケル・バーズリーさんの
『右きき世界と左きき人間』が翻訳出版されました。
1973(昭和48)年には、バーズリーさん『左ききの本』が翻訳出版。

そして夏に、麻丘めぐみさんの歌う「わたしの彼は左きき」
(作詞・千家和也 作編曲・筒美京平)が登場し、大ヒットします。

デパートに左利き用品コーナーができるなど、左利きがブームになり、
左利きのイメージ・アップと偏見の打破に大きな力となりました。

さらに、私もそうでしたが、左利きの子供にとって、
<左利きの英雄>の一人だった世界のホームラン王、
王貞治選手が日本で二人目、自身初の三冠王に輝きました(翌年も)。

1976(昭和51)年には、プロ野球・読売ジャイアンツに、
左打ちの安打製造機と呼ばれた張本勲選手が入団、王選手とともに、
ON砲に変わるOH砲として、〈左利きの時代〉を現す代名詞のように。

1977(昭和52)年には、大リーグ初の女性(左腕)投手の活躍を
描いた『赤毛のサウスポー』ポール・R・ロスワイラー
(稲葉明雄訳 集英社)が翻訳出版。
9月5日には、王貞治選手が、ホームラン世界新記録通算756号を達成し、
国民栄誉賞受賞の第1号に。
この年には、、日清食品のインスタントうどん「どん兵衛」が発売され、
左利きの山城新吾さんと川谷拓三さんの二人がそれぞれ左手箸で食べる、
かけ合い漫才のようなCMがヒットしました。

1978(昭和53)年には、王選手モデルにした強打者と対戦する
左腕投手を描く、ピンクレディー「サウスポー」
(作詞・阿久悠 作曲・都倉俊一)が発売され大ヒット。

1979(昭和54)年には、箱崎総一さんの
『左利きの秘密』(立風書房 マンボウブックス)が出版され、
「左利き友の会」の顛末や左利きについての解説などが語られました。
年末には、♪左ききのあなたの手紙~で知られる、
アリスの「秋止符」(作詞・谷村新司 作曲・堀内孝雄)も発売。

1980(昭和55)年末には、『左利きの本―右利き社会への挑戦状』
(ジェームス・ブリス/ジョセフ・モレラによるアメリカ版、後半は訳者
・草壁焔太による日本版の左利き本が講談社から出版されました。

 

1970年代前半の箱崎総一さんの「左利き友の会」の活動と新聞等での
報道、それに続く「わたしの彼は左きき」「サウスポー」の大ヒット、
王選手らの活躍、いくつかの左利き関連本の出版といった出来事は、
左利きの啓蒙やイメージアップに大きな影響を与えました。

*参照:
『左利きの世界』箱崎総一 読売新聞社
(Amazonで見る)

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『鏡の国のアリス』広瀬正(河出書房新社 1972/6/1)
(Amazonで見る)

 

(『広瀬正・小説全集・4 鏡の国のアリス』集英社文庫)
(Amazonで見る)

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『右きき世界と左きき人間』マイケル・バーズリー
 西山浅次郎訳 TBS出版会(発売・産学社)
(Amazonで見る)
(原著 Left-handed Man in a Right-handed World, 1970)

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『左ききの本』マイケル・バーズリー 西山浅次郎訳
 TBS出版会(発売・産学社)
(Amazonで見る)
(原著 The Left-handed Book―An Investigation
into The Sinister History of Left-Handedness,初出1966)

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麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」作詞・千家和也 作編曲・筒美京平
(Amazonで見る)

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『赤毛のサウスポー』ポール・R・ロスワイラー 稲葉明雄訳 集英社
(Amazonで見る)
(『赤毛のサウスポー』集英社文庫 1979/4/1)
(Amazonで見る)

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ピンクレディー「サウスポー」作詞・阿久悠 作曲・都倉俊一
(Amazonで見る)

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『左利きの秘密』箱崎総一 立風書房 マンボウブックス
(Amazonで見る)

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アリス「秋止符」作詞・谷村新司 作曲・堀内孝雄
(Amazonで見る)

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『左利きの本―右利き社会への挑戦状』ジェームス・ブリス/
ジョセフ・モレラ 草壁 焔太訳 講談社
(Amazonで見る) 

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第582号(No.582) 2020/11/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(2)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(1)」
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.11.7
左利きの人生を考える(2)「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(1)
-週刊ヒッキイ第582号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-2a8f44.html

第584号(No.58 x2) 2020/12/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(3)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(2)」
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.12.5
左利きの人生を考える(3)「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(2)
-週刊ヒッキイ第584号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-353947.html

第588号(No.588) 2021/2/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その24―
 左利き本のために――左利きの人生を考える(4)
 「わたしの彼は左きき」の時代:1970年代(3)」
 ――1970年代は日本における左利き観の転換期だった
『レフティやすおのお茶でっせ』2021.2.6
1970年代は左利き観の転換期「わたしの彼は左きき」の時代
-週刊ヒッキイ第588号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-be0a5a.html

 

 ●私レフティやすおの幼少期のこと

私の幼少期は、1950年代の後半から1960年代にかけてでした。
まだ戦後が色濃く残る時代――観光地など人の集まる場所には、
白装束に兵隊帽をかぶった傷痍軍人といわれる人たちがいた時代でした。
民主主義や人権、社会福祉といった“進歩的”な考え方が、
必ずしも一般的ではなかった、ともいえそうな時代でした。

そんな幼少期の私の体験からいいますと、
「左利きは片○者だ」「左利きは頭がおかしい」といった、
左利きを身体障害者・精神障害者のように考える人がいたのは事実です。
そこまでいわないとしても、
「できそこない」人間的な意識はあったように思います。

また、左利きの子は親や教師のいうことを聞かない、根性曲がりや偏屈者
といった性格に難がある子と考える人もいました。
躾に似た見方として、右手使いが正しい作法であり、
左手使いは間違った作法、悪い例であるといった見方もありました。

たとえば、故・秋山孝さん(デザイナーでイラストレーターで
多摩美術大学教授でもあった、1952年生まれ)の著書
『左手のことば』(日貿出版社 1990)の巻末のエッセイで、
先生から右手で字を書くように言われた経験を語っています。
《先生の考えの中での「左手は悪」という既成概念に対する抵抗だね。》

大路さんも発言されているように、肉体的に左手を封じられて、
というケースもよく聞いています。
私の親は「自分の子供を叩くなんてできない」という人でしたので、
左手の人差し指に小さな灸の跡があるくらいです。

とにかく、左利きに対する偏見が残っている時代でした。
偏見があるので、差別にもつながってゆきます。

左利きであるというだけで、全人格を否定するような発言が、
大人たちのあいだから聞かされることがありました。
子供たちもそういう大人たちの影響を受けて、意味も分からないままに、
「ぎっちょ、ぎっちょ」とはやし立てたものでした。

それゆえ、私自身も「左利き=できれば隠しておいた方がいいこと」
といった意識は刷り込まれていました。

このように、過去の問題について語るのは、私自身、正直心が痛むので、
(大路さんのように)躾の問題としておく方が、
私のような被害者から見ますと、精神衛生上は良いのかも知れませんね。

【追記:2025/9/6】

『左ききでいこう!―愛すべき21世紀の個性のために―』(大路直哉・フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ)の「chapter2 「フェリシモ左きき友の会」誕生以前に「左利き友の会」があった!?」の中に、箱崎「左利き友の会」のスローガン『左利き党宣言』六ヶ条が紹介されていました(p.49)。
1.一、右利きが優遇されている右手偏重の社会を改善しよう。
2.一、左利きの無理な矯正はやめよう。
3.一、左利きのための道具を安く作ろう。
4.一、左利きは異常でないという考え方を普及しよう。
5.一、左利きであるための劣等感を消し去るための精神衛生を普及しよう。
6.一、左利きの人権宣言をしよう。

昨今の左利きの状況を考えますと、これら六ヶ条のうちある程度成果が認められるものは、2番目の「矯正」云々と、3番目の「道具を安く」の一部は大路さん言うところの「100均でも」を当てはめれば、まずはありということにしておきましょう。
そして、私が左利きの過去に関して発言していたのは、この4および5「左利きは異常ではない」であり、「左利きであるための劣等感」に当たる部分です。
これが大きな問題として存在していたのです。
今ではかなり解消された、といっていいのかも知れません。
それゆえ、このへんのところを今の若い人たちはあまり意識されていないのではないか、という気がします。
過去にそういう問題があったのだという事実と、(主に年配の人で)今も苦しんでいる人が存在するということを、忘れないでいてほしいと思います。

――【追記】以上。

*参照:
『左手のことば』秋山孝 日貿出版社 1990.6
(Amazonで見る)

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『左ききでいこう!―愛すべき21世紀の個性のために―』(大路直哉・フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ出版 2000/6/1)
(Amazonで見る) 

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 ●「左利き」だけ放課後に残って、右手で文字を書く練習をしたことも

めずらしく大路さん自身の左利き体験が語られています。

3冊の本(『見えざる左手』『左ききでいこう!』『左利きの言い分』)
を見ても、ほとんどご自身について語ることがなかっただけに、
今回、過去の左利きの実状紹介ということで初めて明かされた、
といっても過言ではないかも知れません。

人に聞いた話よりご自身の話の方がよいだろう、
という選択だったかと思います。

 《小学校に入学した直後の放課後に、数回、左利きの児童だけが
  集められて、右手で文字を書く指導っていうのがあったんです。
  当時の光景を思い出すと、1年生の担任教師の多くがベテランの
  先生だったわけです。
  とくに昭和1ケタ世代の人だったので、右利き社会ゆえに左利きを
  特別視した、ある意味老婆心だったと思うんですよね。》

左利きのメンバーだけで、右手で字を書く練習をする、
というお話を聞きますと、ドイツのノーベル賞作家ギュンター・グラス
さんの短篇小説「左ぎっちょクラブ」を思い出します。

私の経験を話しますと、私の左利きが直らないので心配した母親が、
小学校入学時に担任の先生に相談したとき、
「左利きは左利きのままでいい」という回答をえて、
それ以来、私の左利きは家でも学校でも公認されたものでした。
後年、色々な人に聞いてみたところ、これは、当時としては、
かなり進歩的な考え方だったようです。

のちに聞いた話では、同年代はおろか、もう少し下の世代でも
親や先生から右手使いを指導された、という人は少なくないのでした。
そういう意味では、私は恵まれた環境育ちだった、といえる方でしょう。

*参照:
『僕の緑の芝生』ギュンター・グラス 飯吉光夫訳 小沢書店 1993.10
(「左ぎっちょクラブ」1958を収録)
(Amazonで見る)

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《僕らの綱領には、右手が左手と同じになるまで、決して怠けぬこと、
 と書いてある。/この箇条がどれほど力強く決意にみちていようとも、
 こんな申し合わせはまったくのナンセンスである。
 こんなことできようはずがない。僕たちのクラブの最右翼は
 もうしばらくここから、こんな条件は削りとって、代わりに、
 われわれはわれわれの左手を誇りに思う、われわれは生まれつきの
 左ぎっちょを恥と思わない、とでも書き直すべきである
 と主張してきた。》

 

 ●今の若い人は、左利きを気にしていない?

以下は、この記事の担当者「恒藤泰輝」さんの言葉です。

 《近年では、
  このような矯正や左利きへの蔑視はなくなりつつありますが、
  まだまだ生活環境において左利きが不便さを感じることは多いです。
  私自身も左利きで、小さい頃からいろいろと不便に感じることが
  多かったです。/とくに不便だったのが、書道の毛筆です。》

恒藤さんのお便りから私の受けた感じでは、
左利きとしての「被害者意識」がかなり薄い、というものでした。

不便さはあるけれど、自分がちょっとガマンすれば済む問題、
と考えているような印象を受けました。

最近、お医者さんの受付で、左手にボールペンを持って書いている
20歳過ぎぐらいの女性がいました。
「ひだり?」と聞いたら、ハイとの返事。
「ぼくといっしょ、全部ひだり」といい、続けて、
「昔は色々言われた」といいますと、
「へえー」と心から驚いたような反応が見られました。

それ以上のお話はできませんでしたが、改めて、
今の若い左利きの人は、左利きを気にしていないらしい、と感じました。
本人だけでなく、まわりの人たちからも。

昔のように、問答無用で「左利き」=「悪」というレッテルが貼られる、
もしくはそれに近い状況ではなくなった、ということのようです。

それ自体は良いことだとは思うのですが、
それゆえに、左利きの人自身が、左利きの不便な部分を改善してゆこう、
という意欲や熱意というものが薄れてしまうのは、
やはり問題だと思うのです。

 ・・・

この番組の紹介は、この一回で済ませるつもりでしたが、
今まであまり書かなかった昔話など長くなってしまい、
次号で後半を紹介しながら、私の感想、および私の伝えたい考えを
述べたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 特別編:ラジオ「人権TODAY」8月30日放送分(前半)」と題して、今回は全紹介です。

本文中にも書きましたが、大路さんが私のことも紹介していただき、取材の許可など連絡をいただきました。
ただ、諸般の事情もあり、残念ながらお断りしました。
一番の理由はやはり時間的な制約ですね。もうちょっと考えをまとめる時間がほしいところです。
限られた時間で簡潔に自分の考えを述べるというのは、やはり難しい。
普段から考えていることを結論だけ述べれば良いのでしょうけれど。

私は、左利きの人自身の行動が不足しているように感じています。
そこで私の結論的には、左利きの人自身がもっと発言して、右利きの人たちに状況を理解してもらい、右利きの人だけでなく左利きの人にも優しい社会、左右平等、左右共存の社会に変えてゆきましょう、となります。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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2025.08.16

<国際左利きの日>50回記念特別編―本から学ぶ左利き・オススメ左利き本2025-週刊ヒッキイ第692号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第692号(Vol.21 no.13/No.692) 2025/8/16
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―<国際左利きの日>
50回記念特別編― 本から学ぶ左利き・オススメ左利き本2025」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第692号(Vol.21 no.13/No.692) 2025/8/16
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―<国際左利きの日>
50回記念特別編― 本から学ぶ左利き・オススメ左利き本2025」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回もまた、<左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界>をお休みして、
 「<国際左利きの日>特別編」として、
 「本から学ぶ左利き・オススメ左利き本2025」年版をお送りします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ
   ―<国際左利きの日>50回記念特別編―

  ◆ 右利きも左利きも共存の社会のために、左利きを知ろう! ◆

   本から学ぶ左利き・オススメ左利き本2025
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●<国際左利きの日>について

『レフティやすおのお茶でっせ』2025.8.11
2025年8月13日は50回目の<国際左利きの日>INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-7486e1.html

にも書いていますように、

今年2025年の8月13日は、1976年の第一回から、
50回目の8月13日<国際左利きの日>になります。

<国際左利きの日>INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY の始まりは――

1976年、アメリカ・カンザス州の州都トピカの左利き用品店のオーナーで
自身左利きである、ディーン・キャンベル(Dean R. Campbell)さんが、
開店一周年を機に、左利きの人の会(Lefthanders International)を始め、
左利きの人の生活向上のために左利き用品の普及を目指し、
開店記念日にあたる<8月13日>を
「国際左利きの日」(INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY)という記念日に
制定し、行事を開催しました。

 

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(画像:英語版ウィキペディアの「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の項目冒頭――下線部分:「国際左利きの日」は「レフトハンダー・インターナショナル」の創設者ディーン・R・キャンベルによって1976年に最初の祝祭が行われた-2021.8.13)

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(画像:1993年11・12月号~1996年3・4月号 定期購読していた、アメリカ・カンザス州トピカのディーン R. キャンベルによって設立された「Lefthanders International」発行の隔月刊の雑誌「Lefthander Magazine」から、チェアマンのキャンベルさん)

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(画像:ディーン・R・キャンベル(Dean R. Campbell)さんがチェアマンを務めるアメリカの左利きの人の会「レフトハンダーズ・インターナショナル(Lefthanders International)」が発行していた左利きの人のための隔月刊の雑誌「レフトハンダー・マガジン(Lefthander Magazine)」1995年7-8月号(JULY/AUGUST 1995)の「国際左利きの日」を祝う記事の一部――《"Some 20years ago"(約20年前)》の文字が見える)

 

今年は50回目ということで、ちょっと色々ブログを書いてみました。

2025.8.1
7月31日、二宮和也さんがガンホー協賛ロッテ戦でサウスポー始球式
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-d33bb8.html

250731-ninomiya01

2025.8.3
7月12日、元SKE48須田亜香里さんのドラゴンズ戦サウスポー始球式
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-8ba161.html

250712-suda3

2025.8.8
7月25日、神戸新聞くらし欄に左利き用品オンラインストア
「左ききの道具店」紹介される
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-6ce6ba.html

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 ●<国際左利きの日>特別編―本から学ぶ左利き――2025年最新版

それでは、私<左利きライフ研究家>レフティやすおの
オススメ左利き本の2025年版を紹介してゆきましょう。

 

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【左利きライフ研究家】レフティやすおの選ぶ
オススメ「左利き」の本:2025(令和7)年最新版・ベスト5
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250816-lhb2025

(画像:下段左から(1)『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27 (2)『左対右 きき手大研究』八田 武志/著 DOJIN文庫 2022/5/16―2008年DOUJIN選書の増補文庫版 (3)『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著 PHP新書 2023/9/16
上段左から(4)『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を 120%活かす方法』加藤俊徳/著 ダイヤモンド社 2021/9/29 (5)「できるかな絵本」シリーズ『おはしを じょうずに もてるかな』深見春夫 作・絵 岩崎書店‎ 2024/11/18)

 

■1. 2024年6月 日本語版翻訳出版
『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27
(Amazonで見る)

 

著者は、1962年生まれの左利きのフランス人で、『左利き事典』
(Dictionnaire des gauchers, Imago, 2004)という著書もあり、
《フランスでは在野の歴史家として知られ、左利きの歴史をテレビや
ラジオなどで解説することもある。》という、フランスの左利き研究家。

原書は2008年の第二版で、その翻訳となり、翻訳者も左利きとのこと。

ヨーロッパ、特にフランスでの左利き差別の歴史を中心に、
時に左利き容認の時代もあったという、差別と容認、迫害と称賛
(というよりは、私の感覚では“緩和”?)とを綴った著作です。

注釈が豊富で、そのいう意味で資料としてしっかりしている印象でした。

フランス中心ですが、欧米の左利きの歴史がよくわかる一冊です。
今までに知っていたことも、改めてその時代であったり、
詳細のあれこれであったり、うわべしか知らなかったことも、
より深く理解できたように思います。

さらに、左利きに関した著作など、もっと色々と邦訳されていない
(であろう)作品のことなども知ることができて、私の作っている
(まだまだいい加減なものではありますが)<左利き文化史年表>なども
さらに充実させられそうで、うれしく思っています。

 

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.3
新しい左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
発売される
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-e66fa0.html

 

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(画像:2021年から2024年にかけて出版された左利きの本および関連本(実用書をのぞく)――
上段左から(1)八田武志『左対右 きき手大研究』DOUJIN文庫 2008年DOUJIN選書の増補文庫版 (2,3)マーティン・ガードナー『新版 自然界における左と右』(上下)ちくま学芸文庫 2021年 1992年紀伊國屋書店版の文庫化再刊
下段左から(4)加藤俊徳1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』ダイヤモンド社 2021年 (5)本書『左利きの歴史』白水社 2024年 (6)大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』PHP新書 2023年)

 

■2. 2023年9月 出版
『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著
PHP新書 2023/9/16
(Amazonで見る)

 

「日本左利き協会」発起人・大路直哉さんの、左利きの社会学的研究書
『見えざる左手』(三五館 1998/10/1)以来、25年ぶりの新著。
左利き入門的な左利きの割合や成因などを簡単にまとめた上で、
日本における左利きの歴史における“迫害と称賛”というわけでは
ありませんが、差別の歴史と現状がいかに「右利き社会」であるか、
および左利きの才人偉人たちの左利きに関する話、
さらに、今後の左利き解放への在り方についても解説しています。

巻末に「左利きのためのサポートファイル」という情報もあり、
ここに、弊誌も紹介されています。

この本も各章末に注釈が豊富にあり、巻末には参考文献も掲載されていて、
基本となる情報がしっかりしているのが特徴でしょう。

 

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.6
「日本左利き協会」発起人大路直哉さんの新著『左利きの言い分』
9月16日発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-64dede.html
2023.9.20
大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』(PHP新書)
買いました
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-78206b.html

 

■3. 2022年5月 増補文庫版出版
『左対右 きき手大研究』八田 武志/著 DOJIN文庫 2022/5/16
(Amazonで見る)

 

日本の左利き・利き手研究の第一人者・八田 武志さんの2008年刊
『左対右 きき手大研究』(DOJIN選書)の増補文庫版。1996年刊の前著
『左ききの神経心理学』以後の研究成果をもとにした、1996年刊の前著が
学術書的体裁だったのに比べ、どこからでも読める一般向けに書いた
というトピック本。

 

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2022.2.22
利き手と左利きの科学的研究書・八田武志『左対右 きき手大研究』
増補版?文庫化4月22日発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/02/post-8e1d20.html

2022.5.19
利き手と左利きの科学的研究書・八田武志『左対右 きき手大研究』
加筆・文庫版発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/05/post-c45ad7.html

『左対右 きき手大研究』八田武志 化学同人(DOJIN選書 18) 2008/7/20
(Amazonで見る)

 

■4. 2021年9月 出版
『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を
 120%活かす方法』加藤俊徳/著 ダイヤモンド社 2021/9/29
(Amazonで見る)

 

著者は左利きの「脳内科医、医学博士」で、脳科学的な見地から左利きの
人の特性を描いて、左利きの人の優秀さを示します。左利きの人を応援
する、<左利きに特化した脳科学を応用した自己啓発本>といったもの。

 

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.16
久しぶり?の左利き本近刊『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-6a4985.html

 

■5. 2024年11月 出版
「できるかな絵本」シリーズ
『おはしを じょうずに もてるかな』深見春夫 作・絵 岩崎書店‎
2024/11/18
(Amazonで見る)

 

左手右手、左右対等・平等に同じ大きさの絵で扱い、お箸の持ち方を
教える絵本。十何年か前、左手箸を「直すべき持ち方」とする本が出て
いた時代からは信じられないほどの、うれしい大変化。

 

*参照:
第689号(Vol.21 no.12/No.689) 2025/7/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―特別編―
右利きも左利きも共存のお箸持ち方絵本
『おはしを じょうずに もてるかな』」

2025.7.5
<親御さんへ>特別編―左右共存お箸持ち方絵本
『おはしをじょうずにもてるかな』-週刊ヒッキイ第689号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/07/post-1e32
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4957237300a94d9647a22df9ff910703

 

 ●オールタイム・ベスト「左利き」の本

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【左利きライフ研究家】レフティやすおの選ぶ
オールタイム・ベスト「左利き」の本・ベスト10
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◆1.『左利きの秘密』箱崎総一 立風書房マンボウブックス
 1979(昭和54)
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箱崎先生の左利きの著作第二弾。「左利き友の会」の解散の顛末なども
含めて、箱崎先生の左利きに関する活動のまとめ的な一冊。
この本を読んで、
「左利きである自分が間違っているのではなく、
 左利きを受け入れない社会の方が間違っているのだ」
と、左利きであることに自信と勇気を与えてくれた本でした。
私にとっては、いまでも大切な宝物のような一冊です。

 

◆2.『左ききの神経心理学』八田武志 医歯薬出版 1996(平成8)/12/6
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2025年版オススメの左利きの本の3.『左対右 きき手大研究』で書名
のみ紹介しました八田さんの前著。左利きの研究専門書。20年余りにわた
って収集した左利き・利き手研究に関する文献と自らの研究をまとめた
もの。学術的な内容でちょっと難しいのですが、左利きや利き手・利き側
というものの性質を知る上で読んでおくべきかな、という一書です。1996
年刊と出版からかなり経っていますが、基本は理解できると思います。

 

◆3.『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路 直哉 三五館
1998/10/22
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この本も、2025年版オススメ本の2.『左利きの言い分』でもふれて
いますが、日本での左利きの迫害の歴史や現状認識、将来への展望など、
社会的文化的な面での研究書。題名に「左利き」とないので損をした本。
巻末に、左利き筆法等の実用情報も。

 

◆4.『左ききでいこう!!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・
フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ出版 2000(平成12)/6/1
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左利きの私は今までに何冊かの左利きの本を読んできました。それらは、
医科学的研究書・解説書、精神科医や左利き自身による左利きを応援し
激励する本の二つに大別できるようです。本書は後者です。しかし今まで
の本とは少し違います。前半は、左利きを社会学的に考察した書
「見えざる左手」の著者で左利きの大路氏による、左利きの歴史と現状を
コンパクトにまとめた左利き入門書。そして後半は本書の目玉ともいう
べき、左利き用品を製作販売していた通販のフェリシモの担当者とその
購入者の声からなる、この右利き社会で少数派の左利きが生きていく上で
必要ないくつかの技術(左利き筆法、左利き編み物法、左利きギター奏法
)と、左利き生活を便利で豊かにする左利き用品(フェリシモ左利き用品
カタログ)を紹介する実用書です。左利きに勇気と希望と、実用的な知識
と技術を与える、まさに左利き必見必読必携の書です。

 

◆5.『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著
講談社ブルーバックス 2006/10/21
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イギリスの利き手研究20年の権威による、左利き・利き手の研究を中心に、
左右に関する話題を含めた科学研究書。一部抄訳。「利き手と社会」
「左利きの苦悩」といった章を含み、左利きには興味深い本。

 

◆6.『左利きの人々 悲しくも笑える』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009/1/1
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かつて週刊で発行された左利きメルマガ「レフティサーブ」の書籍化。
家庭で学校で街中でファッションで趣味で、と各項目ごとに1ページで
綴る、よくぞ集めた右利き仕様の社会における左利きの不便を紹介する
短文エッセイ集。こんなものも右利き用だったんだ? と気付かせられ、
<右利き社会>の現実を教えてくれます。

 

◆7.『神々の左手―世界を変えた左利きたちの歴史』エド・ライト
‎ スタジオタッククリエイティブ 2009/6/1
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「左利きの著名人/偉人」本。左利きの特徴(性格的・器質的な)を挙げ
て、それが成功の一因であるとして、ラムセス大王からホワイトハウスの
4人(原書発刊当時直近の米歴代大統領)まで、世界を動かしてきた
左利きの偉人たちの歴史を描く。歴史上の人物の場合、本当のところ、
その利き手を知るのは難しいのですが、どうなんでしょうか。

 

◆8.『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』
ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009/4/28
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イギリスの左利き用品専門通販ANYTHING LEFT-HANDEDのオーナーで、自身
左利きで左利きの子を持つ母親でもある著者の経験に基づく、左利きの
子供のための教育保育ガイド。左利き用品の紹介、学校への要望など、
いかにしてまわりのものが左利きの子供たちに配慮し支援して、右利き
仕様偏重の社会に順応させていくか、その方法を様々な場面に応じて
解説。左利きの子を持つ親だけでなく、教育・保育関係者も必読。
一般の人にも読んで欲しい一冊。筆者が巻末資料作成に協力した本。
訳者も左利きで、左利きと右利きの子の母でもある。

 

◆9.『「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎』デイヴィッド・
ウォルマン/著 梶山 あゆみ/訳 日本経済新聞社 2006.7
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自身左利きの科学ジャーナリストが、左利きの謎に挑み世界を駆け巡る
サイエンス・ノンフィクション。著者自身も参加した、日本での左利き
ゴルフ大会や日本人研究者も登場。

 

◆10.『新版 自然界における左と右(上下)』マーティン・ガードナー/
著 坪井 忠二, 藤井 昭彦, 小島 弘/訳 ちくま学芸文庫 2021/1/9
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1992/5/1刊の紀伊國屋書店版『新版 自然界における左と右』の文庫化。
上巻では「9 人のからだ」「10 少数派の左利き」という人体における
非対称(左利き)に関する章があり、「9 人のからだ」p.162 に、
日本の左利き事情として「左利き友の会」を主宰された箱崎総一先生や
麻丘めぐみさんのヒット曲「わたしの彼は左きき」の話などが登場。

 

(元の単行本)『新版 自然界における左と右』マルティン・ガードナー
坪井忠二・小島弘訳 紀伊國屋書店 1992/5/1(原著:1990年刊)
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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―<国際左利きの日>50回記念特別編― 本から学ぶ左利き・オススメ左利き本2025」と題して、今回は全紹介です。

本文でも書いていますように、今年2025(令和7)年の8月13日は、1976年の第一回から数えて50回目の「国際左利きの日」に当たります。

というわけで、このメルマガもその特別記念として、最近出版された左利き関連本を5冊取り上げてみました。

また、私のオールタイムベスト10冊も並べてみました。
ほかにも、歴史的に重要勝つ、今も読む価値あり、と思えそうな本もあります。
そちらはスペース的なこともあり割愛しました。

この機会に一冊でも手に取ってみて頂けたら、と思います。

 ・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.08.13

2025年8月13日は50回目の<国際左利きの日>INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY

今年2025年の8月13日は、1976年の第一回から、50回目8月13日<国際左利きの日>になります。
(詳細は、以下に↓)

 ・・・

毎年書き続けていることですが(継続は力、といいます)、
8月13日の<国際左利きの日>を日本語でGoogle検索しますと、
《イギリスにある「Left-Handers Club」という団体により、1992年に制定》といった結果が上位に登場します。
以前は上位10件すべてこの調子、ということもありました。

でも今年は違いました。
7番目にこういうのが出ていました。

8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL ...

https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0c08203a44b3c0b279250570c69aa9d2

元の記事は、
「レフティやすおのお茶でっせ」版 2024.08.13
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY――始まりは1976年アメリカ

https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-2af44d.html

 

次に<左利きの日>で検索しますと、こっちは残念ながら大半が「1992年イギリス説」でした。

私の上記のブログ記事は、14番目でした。

8月13日「(国際)左利きの日」について調べるのなら、英語の<INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY>で、検索していただくのが一番です。
外国で始まった行事ですので。
イギリスにしろ、アメリカにしろ、英語の国ですので、英語で調べるのがベストでしょう。

もちろん、現役で頑張っているイギリスの「Left-handers Club」は偉大ですが、先駆者も忘れて欲しくはありません。

 

 ●イギリスの「Left-handers Club」からのメールには――「our first ~ 」

ついでに書いておきますと、今年8月3日に届いたイギリスの「Left-handers Club」からのメール「Lefthanders Day 2025 - Special Offers & more」には、

This August 13th, Anything Left Handed is celebrating 33 years since we launched our first Left Handers Day,
(筆者訳)この8月13日、エニシング・レフト・ハンデッドは、33年お祝いし続けています、私たちの最初の「レフトハンダーズ・デイ」を始めてから。

とあります。
続けて以下の商品を、8月1日から14日までの2週間「信じられない33%のディスカウント」で販売するとも、ありましたね。

ここで、明確に書かれていますように、「Anything Left Handed(エニシング・レフト・ハンデッド)」が、「our first Left Handers Day(私たちの最初のレフトハンダーズデイ)」を始めてから33年祝い続けている、ということです。
あくまでも「私たちの~」であって、何も「世界で最初に私たちが始めてから」と書いていない、という事実です。

 

 ●世界で最初の「レフトハンダーズ・デイ」

話を戻して、世界で最初の「レフトハンダーズ・デイ」について書いておきます。 

昨年の上記記事から、そのまた前年(2023年)の文章を孫引きしておきます。

『レフティやすおのお茶でっせ』2023.8.12
8月13日国際左利きの日を前に~メディアに注文-週刊ヒッキイ第647号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/08/post-dd7ed1.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b11781e6833732e47b64409bf34f9f78

--
 英語の「International Lefthanders Day」
 「International Lefthander's Day」等で検索しますと現れます、
 英語版のWikipediaやその他の左利き系サイトには、

 (私の英語読解力に誤りなければ)
 1976年、アメリカ・カンザス州の州都トピカに開店した
 左利き用品店のオーナー、ご自身左利きである、
 ディーン・キャンベル(Dean R. Campbell)さんが、
 開店一周年を機に左利きの人の会(Lefthanders International)を始め、
 左利きの人の生活向上のために左利き用品の普及を目指し、
 開店記念日にあたる<8月13日>
 「国際左利きの日」(INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY)という
 記念日に制定したのです。
--

昨年の記事の写真も再掲しておきます。

210813international-lefthanders-daywikip

(画像:英語版ウィキペディアの「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の項目冒頭――下線部分:「国際左利きの日」は「レフトハンダー・インターナショナル」の創設者ディーン・R・キャンベルによって1976年に最初の祝祭が行われた-2021.8.13)
200813dean-r-campbell-2

(画像:1993年11・12月号~1996年3・4月号 定期購読していた、アメリカ・カンザス州トピカのディーン R. キャンベルによって設立された「Lefthanders International」発行の隔月刊の雑誌「Lefthander Magazine」から、チェアマンのキャンベルさん)

2025813-lhd-lm1995ja

(画像:ディーン・R・キャンベル(Dean R. Campbell)さんがチェアマンを務めるアメリカの左利きの人の会「レフトハンダーズ・インターナショナル(Lefthanders International)」が発行していた左利きの人のための隔月刊の雑誌「レフトハンダー・マガジン(Lefthander Magazine)」1995年7-8月号(JULY/AUGUST 1995)の「国際左利きの日」を祝う記事の一部――《"Some 20years ago"(約20年前)》の文字が見える)

 

来年は、この「goo」ブログ版の記事は消滅してしまいますので、どうなるかわかりません。

この記事なり、過去の私の記事なりが上位に入ってくることを祈っています。
っていうか、何年も前から言っている、たぶん日本における誤認識の元凶だと思われます、日本語版ウィキペディアの記述が改められれば済む問題、だと思うのですけれど。

 

ちなみに、左利きの本の類いで、この「国際左利きの日」の情報を正しく記述している日本人による著作は、私の知るところでは、

『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著 PHP新書 2023/9/16
(Amazonで見る)
230919hidarikiki-no-iibun-600

250813-iibun-lhd1976

『左利きあるある 右利きないない』左 来人/著 小山 健/イラスト ポプラ社 2017/2/7
(Amazonで見る)
200811

200811-200811

ぐらいでしょうか。

 

*参照:上記昨年の記事より

『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著 PHP新書 2023/9/16
――旧著『見えざる左手』から二十数年、新たに「日本左利き協会」を設立された発起人の一人として、左利きの問題に取り組んだ著作。
 「国際左利き日」については、イギリス「Left-Handers Club」による活動を紹介する箇所の注に、始まりは1976年アメリカのキャンベルさんによると明記している。

 

 ●50回目の記念日

1976年の第一回から数えますと、今年はなんと50年、50回目となります。

50年記念といいましても、私は別になにもいたしませんけれど。
どなたが何かしていただければ、幸いです。

ちなみに、8月13日の「国際左利きの日」の行事で記憶に残っているのは、飲食店でお箸を右向き(⇒)に置く運動を続けておられた「レフチャス」という活動がありました。

2007年8月13日から始まり、2019年8月までは、Facebookに情報が残っています。
しかし「レフチャス」サイト(http://www.lefteous.jp/)は消えています。
2020年に始まったコロナ禍により外食産業や旅行業界は大きな被害を受けました。
「レフチャス」運動も被害を免れなかったようで残念なことです。

*参照:
LEFTEOUS - Facebook

100810-lefteous

『レフティやすおのお茶でっせ』の「レフチャス」過去記事

・2007.8.14
少数派の気持ち伝える「左利きの日」企画開催される
・2013.8.18
レフチャス(LEFTEOUS)day2013:<国際左利きの日>情報2

■ お箸を左右逆さまに置くイベント/お箸をいつもと反対に置くことで、左利きの人たちの感じる違和感を右利きの人たちに楽しんでもらうイベント》【レフチャスDAY2013】fecebookより

・2016.8.10
今年もやります!8月13日レフチャス(LEFTEOUS)の日―国際左利きの日

今年もやらせてもらいます!8月13日レフチャスの日。
今年は、「れふ茶す」!みなさんをレフチャスのお茶の世界へご招待します。
(略)お散歩がてら、マイノリティの気持ちを体験にいらっしゃいませんか?

 

 

 ●この一年に出版された<左利き関係の本>を紹介

最後に、この一年のうちに新たに出版された<左利き関係の本>を紹介しておわりにします。

「できるかな絵本」シリーズ
『おはしを じょうずに もてるかな』深見春夫 作・絵 岩崎書店‎ 2024/11/18
(Amazonで見る)

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岩崎書店サイトより

おはしを じょうずに もてるかな

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左ききも大丈夫!箸の持ち方がわかる絵本
おはしの正しい持ち方をわかりやすく、ていねいに伝えます。/
 右きき、左きき、どちらでもおはしをじょうずに持てるようになる、
 画期的な絵本!

右手例と左手例が対等に、同じ大きさで説明されています。
しかも、ちょっとお姉さんふうの「左手」さんが幼児ぽい「右手」ちゃんに教えるという設定になっています。
この点は、いつも嫌な思いをしてきた私のような左利きさんには、少しですが優越感のようなものを感じさせてくれて、ちょっと溜飲が下がるといったところでしょうか。

*参照:
メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

第689号(Vol.21 no.12/No.689) 2025/7/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―特別編―
右利きも左利きも共存のお箸持ち方絵本
『おはしを じょうずに もてるかな』」

ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.7.5
<親御さんへ>特別編―左右共存お箸持ち方絵本『おはしをじょうずにもてるかな』-週刊ヒッキイ第689号

 


参照:ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』―過去の「8月13日は<国際左利きの日>」の関連記事

・2024.8.13
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY――始まりは1976年アメリカ
goo「新生活」版

・2023.8.12
8月13日国際左利きの日を前に~メディアに注文-週刊ヒッキイ第647号
goo「新生活」版

・2022.8.13
2022年8月13日左利きの日INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY合併号-週刊ヒッキイ第624号
goo「新生活」版
メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
 第624号(No.624) 2022/8/13
 「2022年8月合併号―「8月13日は国際左利きの日」―」

・2021.8.12
8月13日「国際左利きの日」を前に、左利きメルマガ「週刊ヒッキイ」創刊600号達成
goo「新生活」版

・2021.8.7
「左利き差別」問題と「みにくいアヒルの子」-週刊ヒッキイ創刊600号記念号
goo「新生活」版

・2020.8.12
2020年8月13日は1976年の制定から45回目の国際左利きの日

・2019.8.13
8月13日は国際左利きの日-1976年の制定より今年は44度目

・2018.8.13
8月13日国際左利きの日ILHDとAKB48Team8左利き選抜のことなど

・2017.8.13
8月13日はハッピーレフトハンダーズデー!

・2016.9.1
8月13日は〈国際左利きの日〉特別編-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第474,475,476号

・2016.8.14
昨日(8月13日)アメブロで「今日は左利きの日」をやってました

・2016.8.10
今年もやります!8月13日レフチャス(LEFTEOUS)の日―国際左利きの日

・2015.8.12
明日8月13日は1976年制定から40回目の国際左利きの日

・2014.8.12
8月13日は39回目の国際的な<左利きの日>&LEFTEOUS2014年

・2013.8.13
8月13日<国際左利きの日>企画「ヒダリキックマガジン」で始まる!

・2013.9.2
『グリグリくりぃむ』左利き選手権:<国際左利きの日>情報5

・2013.8.28
ブログネタ「両利きになる練習したことある?」:<国際左利きの日>情報4

・2013.8.19
雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3

・2013.8.18
レフチャス(LEFTEOUS)day2013:<国際左利きの日>情報2

・2013.8.13
8月13日<国際左利きの日>企画「ヒダリキックマガジン」で始まる!

・2012.8.12
8月13日は37度目の“左利きの日”

・2011.8.13
国際“左利きの日”を迎えて&週刊ヒッキイ273号特別編「個人モデル」から「社会モデル」へ

・2010.8.21
今週の-週刊ヒッキイhikkii225名作の中の左利き(番外編)はさみ

・2010.8.14
今週の-週刊ヒッキイhikkii224《矯正/直す》表現に思う(5)前編

・2010.8.13
13日の金曜日はナント…左利きの日

・2009.8.22
今週の週刊ヒッキイ―第193号「<左利きプチ・アンケート>再版第33回」

・2008.8.13
33回目の8月13日国際左利きの日

・2007.8.14
少数派の気持ち伝える「左利きの日」企画開催される

・2006.8.13 
きょう8月13日は≪国際≫左利きの日です

・2005.8.13 
今年も今日8月13日はINTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY

・2004.8.13 
きょう8月13日はINTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY 「左利きの日」

・2004.8.12 
明日8月13日は「左利きの日」

 

カテゴリ:8月13日国際左利きの日

カテゴリ:2月10日左利きグッズの日

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.08.08

7月25日、神戸新聞くらし欄に左利き用品オンラインストア「左ききの道具店」紹介される

【1976年から、50回目の8月13日<国際左利きの日>をまえに】
(※末尾に詳細を↓ )

 ・・・

兵庫県の30年来の右利きの“支援者”である友人からの一報です。
(この方は、現在、聴覚障害者の支援を仕事にされています。
 筆者と知り合い、「左利き」という「少数派」の「社会的弱者」に接したことが、「社会的弱者」の存在に気付き、その支援者となる決心をするきっかけになったのかも……、と勝手に想像しています。)

 ・・・

神戸新聞7月25日(金)の“くらし”欄に、「左ききの道具店」(オンライン販売、岐阜県各務原市に実店舗)の店長・加藤礼(あや)さんが登場。
お店や左利き用品と共に紹介されていました。

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左ききの道具店(https://hidari-kiki.jp/) 

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左利き、専用グッズで快適に》の見出しのもと、前説として

 左利きの人にとって、左利き用の使いやすい道具は重宝されるアイテム。そんな人向けに実用的でおしゃれな用品を扱う「左ききの道具店」(岐阜県各務原市)が人気を集めている。自身も左利きという店長の加藤礼(あや)さん(46)は「暮らしが快適になったり、料理や勉強などが少しでも楽しいものになったりすればうれしい」と笑みを浮かべる。

とあります。

次に《オンライン販売、岐阜に実店舗》と小見出しが出ています。
まずは、日本人の約一割は左利き、右利きを前提に製造された道具は多いが、左利き用は数もバリエーションも少ないという現状を紹介しています。
さらに、《左右兼用も》と小さく、《台所用品や文房具100種以上》と大きめの見出し。

内容は、

 昔は、左利きの子どもが親に右利きに強制されるケースが珍しくなかった。加藤さん自身も箸は右手に持てるように直したが、筆記はどうしても左手の方が書きやすく、変えられなかった。「隠れて左手で書いて、怒られたこともあった」

といいます。

この「お箸は右で筆記(書字)が左」というのは、筆者の経験からいいますと、非常に稀な例ではないか、と思います。
筆者の知る“どちらかのみ左右転換成功派”(元々左利きだけれど、○○は右使いになった)の人の場合、「お箸など食べるのは元々の左使いで、字は右使いに変わった」という人が多かったものです。
やはり食べるのは本能的な行動で早い時期から始まりますが、字を書くのはある程度年齢がいってから始まる教育的な行動です。
そのへんに原因があるのでは、と筆者は考えています。
「隠れて左手で書いて、怒られたこともあった」という経験は、本当に悲しいものです。
右利きの人でこういう経験をする人はまずいないでしょう。
上に紹介したお箸を変えられなかった人のなかには「隠れて弁当を食べていた」という人がいました。
これも悲しい経験でしょう。
筆者は、外食が苦手でした、人前で字を書くのも嫌なものでした。

 

さて、こうして加藤さんは、自身の経験や

買いたいと思える左利きの道具があまり見つからなかったことから、2018年に左利き御人のためのオンラインショップをオープン

しました。
加藤さん自身が使って良かったという製品や、

品質やデザインが良い100種類以上を販売している

2023年に実店舗での営業も始めましたが、月に4、5回程度の不定期とのこと。

「みんなが使いやすければそれがベスト」

という加藤さんのお考えで、

左利き、右利きどちらでも使いやすい商品も積極的に取り扱っている

という方針のようです。

 

この点ですが、左右性のある道具類では、左用が絶対必要です。
例えばハサミや片刃の刃物類、料理道具ではフライ返し(ターナー)、バターナイフなど。
しかし、左右性のない道具、例えばお箸などは絵柄さえ横配置でなければ、どちらでも使えます。
スプーンなどの左右対称の道具類は、そのままで右手左手に関係なく使えます。
(ただし、へんに角度をつけた右手用のようなスプーンも時にはありますが。)

そういう観点から「何が何でも左利き専用」と力み返ると、かえって消費者に優しくない価格になってしまうケースもあります。
どうしても譲れない部分と譲り合える部分をうまく調整することが重要でしょう。

このお店特有の「左右兼用の商品」例として、初期に発売されていたシロクマさんの「左右兼用オリジナルクリアファイル」というのがありました。
切り欠き部分が左右にあり(位置が上下にずらしてある)、どちらからでも利用できるというものでした。

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(画像:シロクマの左右兼用「左ききの道具店」オリジナル・クリア・ファイル)

 

「左利き専用の商品」例として、このお店オリジナルの商品の一つとして有名な「左利き用の手帳」があります。

この新聞紙上では、「左利き用の手帳」や左右どちらでも使いやすいレードルや左利き用のフライ返し等が写真で紹介されていました。

 

この「左利き用の手帳」は、初めはクラウドファンディングで製作されたと記憶しています。
新規に左利き用の商品を開発するというのは、メーカーさんにとっても冒険のようで、左利きのユーザーの意見は通りにくいものです。

左利き用品店の場合、どうしても取り扱う商品の性質上、一般人のお客様にとって消耗品ではないものが多く、どうしても一回ポッキリの購入が多くなります。
経営上、左利きという限られたユーザーが顧客となりますので、常に新鮮な商品の確保というのが、ポイントになると思われます。

新商品に果敢に挑戦する姿勢は、これからも大事にしていただきたいものです。
また、私たち左利きのユーザーも、メーカーさんや販売店さんの心意気をむだにしないように、できる範囲で協力したいものです。

 

このお店も、8月13日の<国際左利きの日>にオープンだった、と記憶しています。
今年もその記念日が近づいています。
この機会に大いにお店の存在と商品のあれこれを大いにアピールしてほしいものです。

(ちなみに、『左ききのブログ』の「みんなで祝おう! 8月13日は「左利きの日」」の説明に誤りがあります。訂正をお願い致します。
 詳細は↓に書いております。)

 

今後もかわらず、新商品の開発や世界中からの発掘、そして第一に永年継続しつづける安定経営を期待しています。

世界的に見ましても、左利き用品のお店というのは、かつて結構ありました。
1990年代の半ば過ぎぐらいが一つのピークだったかも知れません。
当時筆者が定期購読していたイギリスの左利きの会「Left-Handers Club」の雑誌「The Left-hander」のなかで世界各地の支店? の紹介が出ていたものがありました。
その後、こういうお話は出なくなり、たぶんその多くが閉店されたのではないか、と考えています。
海外旅行者の間でもあそこにあった、ここにあったといった情報が飛び交っていたものでしたが、いつしか聞かなくなりました。
それらも、たぶん閉店の憂き目に遭ったということではないか、と考えています。
どうしても左利き用品店の場合、主だった製品がお客さまに一巡してしまいますとリピーターではなくなってしまう、という事情があるのではないでしょうか。

「左ききの道具店」さんの今後の方向性として、できれば文具や調理道具といった生活用品のみならず、もっと広く「趣味」の世界の道具類にも領域を広げてもらえれば、うれしく思います。
今、筆者は、楽器類の左用について、メルマガで可能性を探っています。
そういう展開も考えてもらえればいいなあ、という思いがあります。
例えば、子供用の鍵盤ハーモニカのような商品を!

 ・・・

「国際左利きの日」(INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY)の始まり――
1976年、アメリカ・カンザス州の州都トピカの左利き用品店のオーナーで自身左利きである、
ディーン・キャンベル(Dean R. Campbell)さんが、開店一周年を機に、
左利きの人の会(Lefthanders International)を始め、
左利きの人の生活向上のために左利き用品の普及を目指し、
開店記念日にあたる<8月13日>を「国際左利きの日」(INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY)という記念日に制定し、行事を開催した。

210813international-lefthanders-daywikip

(画像:英語版ウィキペディアの「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の項目冒頭――下線部分:「国際左利きの日」は「レフトハンダー・インターナショナル」の創設者ディーン・R・キャンベルによって1976年に最初の祝祭が行われた-2021.8.13)

200813dean-r-campbell-2
(画像:1993年11・12月号~1996年3・4月号 定期購読していた、アメリカ・カンザス州トピカのディーン R. キャンベルによって設立された「Lefthanders International」発行の隔月刊の雑誌「Lefthander Magazine」から、チェアマンのキャンベルさん)

2025813-lhd-lm1995ja
(画像:ディーン・R・キャンベル(Dean R. Campbell)さんがチェアマンを務めるアメリカの左利きの人の会「レフトハンダーズ・インターナショナル(Lefthanders International)」が発行していた左利きの人のための隔月刊の雑誌「レフトハンダー・マガジン(Lefthander Magazine)」1995年7-8月号(JULY/AUGUST 1995)の「国際左利きの日」を祝う記事の一部――《"Some 20years ago"(約20年前)》の文字が見える)

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.08.02

週刊ヒッキイ第691号-楽器における左利きの世界(33)まつのじんさんのご意見(2)右手と左手

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

第691号(Vol.21 no.12/No.691) 2025/8/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(33)
過去のブ左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(2)右手と左手・他」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第691号(Vol.21 no.12/No.691) 2025/8/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(33)
過去のブ左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(2)右手と左手・他」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前々回、過去6回に渡ってご紹介しました、
 左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
 左利きに関するサイト、エッセイ集の左利きに関する文章をヒントに、
 私なりに左利きにおける楽器の演奏について考えようという企画の下、
 私自身の「うれしかった情報」について書きました。
 今回は、その二回目です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

  左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの
   ご意見から考える(2)右手と左手・他

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●まつのじん(松野仁)さんの左利きエッセイ

まつのじん(松野仁)さんの本とサイトの左利きエッセイは下のとおり

著作:
『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅
 未來社 1992/1/1

 

(Amazonで見る)

 

a.「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a

 

サイト:
 まつのじんのエッセイ&書評 Essays(Japanese)
b.「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
http://mjin.m1001.coreserver.jp/2019/07/27/%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e5%b7%a6%e5%8f%b3%e8%80%83/

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d

 

c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

 

 ●利き手は、「好み」と「巧みさ」

b.「ゴーシュからの左右考」から――

 《わたくし、まつのじんは、
  幼い頃からヴァイオリンを演奏してまいりました。
  楽器(Violin)を左手に、弓(Bow)を右手に持って演奏しています。
  (略)
  幸せなことに私は左利きで、同時に「左手利き」です。
  ヴァイオリンを演奏する際、私の右手が持つ弓はなかなか思い通りに
  動いてはくれません。私はそれもひとつの個性と捉えながら、
  今もなお楽しく、時に厳しくつきあっています。》

2019727matunojin-website

「左手利き」なので、

 《私の右手が持つ弓はなかなか思い通りに動いてはくれません。》

といいます。

当然といえば当然のことでしょう。
だって、「左手利き」なんだもん! です。

利き手というものには、二つの性質があります。
一つは「好み」といわれるもの。
もう一つは「巧みさ」です。

「好み」というのは、
特に理由はない(理由は利き手だから、です!)のですが、
「つい使ってしまう側の手」ということです。

「巧みさ」は、説明の必要はないでしょう。

で、この二つの性質を鑑みて、先のまつのさんの言葉がいかに当然か、
は分かりますよね。

利き手ではない右手が思い通り動いてくれない、当然のことでしょう。

 

 ●「まつのじん稽古場」

このあと、

 《「まつのじん稽古場」には、左(手)利きの方々が
  自然に参集しています。》

とあります。

これも当然のことでしょう。

 《楽器や社会、そして人間関係と向き合う中で、各々が悩みと苦闘の
  体験の末に出逢った、かけがえのない接点を持っているのです。》

同じ悩みを共有できる「仲間」「同志」なのですから。

私にもこれだけの師匠がいれば、もっと活躍できたのでしょうけれど、
残念ながら、出会う機会がありませんでした。

今ならいろんなSNSなどでつながりを持つ機会がありますけれど。
昔は今のように知らない人同士で出会う機会が少なかったのです。

左利きは「組織化されていない数少ない少数派」といった言い方を
されます。
しかし、それはあくまでも、漠とした共通性のない現場でのことです。

「まつのじん稽古場」のような親密な集団が生まれるケースは、
実際の仕事上の困難さによるのでしょう。
音楽家、なかでもヴァイオリニストのような人々は、
非常に限られた職人さんというイメージですので、
そういう特殊な職業の場合には、また違うのかも知れません。

次に紹介します、まつのさんの著作にこうあります。

 《 左利き特有の演奏上の苦労は、本当は左利き同士でないと
  分かり合えないだろうと思う。》

 《 人知れぬ苦労を
  胸にしまって、左利きは成長していくのだ。》p.100

 

 ●左利きのままで育つ

a.『すみれのスミレの花かご』
「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>から――

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241207sumire-no-hankagohidarikiki

 《 小学校に入る前から、僕は左利きだった。文字を書くのも、
  絵を描くのも、箸を持つのも左である。それで、
  不自由を感じたことは、子供の頃はただの一度もなかった。
   しかし、いろんな人から言われて戸惑った記憶はある。
  「お箸を持つ手が右手で、お茶碗を持つのが左手でしょ」。
  その度に、ずいぶん困ったのである。》p.96

子供の頃から「左利き」で、
字も箸もという典型的な「左利き」だったようです。
「右と左」の混乱は、左利きの子供によくある悩みですね。

左利きの子にとっての最初で最大の危機というものがあります。
それは、左利きの「矯正」(右手使いへの転換させられること)、
もしくは「強制」です。

 《さいわい、僕には誰も、そんな強制はしなかった。》

これはよかったですね、と私は思います。
人間として当然のことなのですけれど、自然なままで育つのが一番です。

「社会がこうだから~」云々ではなく、自分本位でいいのです。

だって、右利きの人はそういう風に育っているわけじゃないですか。
それで誰も「アカン!」とか、何もいわないわけですから。

右利きが右利きのままでいいのなら、
左利きも左利きのままでなぜいけないのでしょうか?

 

 ●右利き社会の実態と左利き

 《左利きの人間は、右利きの人が気づかないところで、
  右利き社会のギャップとたたかいながら、
  さまざまな不便さを味わっているのである。》p.97

例として、よくあることですが、ハサミがあげられています。
まつのさんは、左手ではなく右手で使うそうです。

こういう人も多いようです。
子供なりの知恵なのでしょう。

通常のハサミは右手用ですので、右手用なので右手で使う、というのは、
当然のことなのでしょうけれど、私には思いつかないことでした。

 

ヴァイオリンもまた右利き用なので、左利きとの関係は?

 《 じつは、関係がないどころか、大ありなのである。
  ヴァイオリンをはじめ、すべての楽器の演奏が、右利きに適した
  構造になっている。とりわけ弦楽器は、
  左手で弦を押さえるだけでは音は出ない仕掛けになっている。
  弓で弾いたり、弦をはじいたり……、
  つまり右手が音を出す手段となっているのである。》p.99

音を出すのが、音楽の基本です。
“音を楽しむ”と書くぐらいですから。

そして、“音を楽しむ”のは心の作用です。
私の持論は、いつもいいますように、「利き手は心につながっている」。
すなわち心の作用を演じるのは、利き手です。

「利き手で音を出せない楽器」=「楽器ではない」
といっても過言ではない、というのが私の考えになります。

 

左手の動きと右手の動きについては、こうあります。

 《 ヴァイオリン演奏は、左手が細かく動くので、右手より左手の
  ほうがむずかしいように見えるのだが、じつは逆なのだ。》p.99

 《 右手、つまりヴァイオリニストにとっては弓を持つ手の方が、
  音量、奏法ともにむずかしいのである。だから右利きの人なら、
  何も考えなくてもできるテクニックが、左利きの僕らには、
  ときに非常に困難なものになったりもする。》p.99

右利きの人なら《考えなくても》勝手にできてしまう演奏テクニックが、
左利きの人には難しい、といいます。

なるほど、ですね。
この《考えなくても》という点がポイントです。

自然にできてしまう、これが利き手の不思議なのです!

 《 その代わり、左手のビブラートなどの、細かい音色の変化を
  表現することなどでは、何の不自由も感じないのである。》

このへんが、
「“左手の方が難しいから”左利きの人でも右利き用でいいのだ」
といった右利きの人の発言につながってきます。

しかし、何度も言いますが、音を出す方の手が本来の主役です!

左手でいかに巧みに弦を押さえて見せても、音は鳴りません。
巧みに弓を弾いてこそ、音が出て、名演奏ともなるのです。

 

 ●左用のヴァイオリンとその演奏へのまつのさんの感想

ヴァイオリンにも、左用に作り替えた楽器がある、といいます。

 《 弦を左右張り替えたり、内部の魂柱(こんちゅう)(表板と裏板を
  つなぐ柱。これによって音の振幅を広げる)やバスバー(力木=
  低音を響かせるために表板の裏につけられた板)をチェンジしたり
  しなければならないそうだ。/ でも、そのために名器を改造した、
  などという勇ましい話は聞いたことがない。》p.100

こういう事情もあってか、「名器を弾きたければ右利きで」といった
「迷言?」が出て来るのでしょうか。

名器といっても、所詮は人間が作ったもの、
今後はどうなるのかわかりません。

ストラディヴァリウスも、世界中で数百台とか。
いってみれば、メジャーリーグのレギュラー選手の数ぐらいでしょうか。
日本のプロ野球選手にも、
メジャー級の選手もいるのではないでしょうか。
メジャーだけがメジャー級ではないはずです。
さらに、準メジャー級といえる選手も、当然いるでしょう。

名器だけが名器ではないのでは?
少なくともストラディヴァリウスだけが名器ではないでしょう。

どこかのだれかのお言葉ではありませんが、「二番じゃダメなんですか」
ならぬ「名器でなくちゃダメなんですか?」みたいな。

もちろん、実力があれば試してみたいと思うのが人情です。
でも「オレが名器を作る」ぐらいの意気込みではダメなのでしょうか。

名器を上回るほどの左弾きの名手になる、というのでは?

そして、
ドイツの楽団の中に左利き用のヴァイオリンで演奏している人を見た、
まつのさんの感想です。

 《(隣りの人と弓がぶつからないかなぁ?)などと、余計な心配ばかり
  しながら、演奏を聴いたのを覚えている。》p.101

このへんは、事情を知っているゆえの心配ごとなのでしょう。
それで演奏を聞くのに身が入らない、ということはあるかも知れません。

右利きの人たちも、そういう余計な“雑音”に気を取られてしまう、
ということはあるかも知れませんね。
だから、(右利きとは違う“異端”? の存在の「左利き」は)嫌だと。

 ・・・

――次回は、c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
から、主に「左利きヴァイオリニストあるある」についてのご意見を
みてみましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(33)左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんのご意見から考える(2)右手と左手・他」と題して、今回は全紹介です。

左利きのまつのじんさんの左利きエッセイから、左弾きのヴァイオリニストとしての左利きに関する専門的なご意見を、<左利きライフ研究家>としての左利きの観点から改めて紹介しています。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.07.19

『左組通信』復活計画(39)左利き自分史年表(5)1994-1995.6(春)―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』-週刊ヒッキイ第690号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
(『まぐまぐ!』: )
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第690号(Vol.21 no.13/No.690) 2025/7/19
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]
レフティやすおの左利き自分史年表(5)1994(平成6)-1995(平成7)6(春)
―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』」

 

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  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第690号(Vol.21 no.13/No.690) 2025/7/19
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レフティやすおの左利き自分史年表(5)1994(平成6)-1995(平成7)6(春)
―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』」
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 第657号(No.657) 2024/1/20 以来の 
 「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]
 レフティやすおの左利き自分史年表」です。

 前回は、「左利き自分史年表」1991(平成3)-1994(平成6)春まで、
 「紙の時代」第一期として『ひだりぐみ通信』の時代を紹介しました。

 左手用カメラを入手、そのフィット感から左利き用品に目覚め、
 「左利きの人は、自分の身体に合った左利き用の道具を使うべきだ」
 という考えをまわりの左利きの人たちに伝えるべく、
 紙による発信を始めたのが、紙の活動の時代でした。

 今回は、1994(平成6)春以後、夏以降の「紙の時代」の第二期として、
 いよいよ季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の時代に突入です。

 先月までは、その『LL(レフティーズ・ライフ)』そのものを紹介
 してきました。ここでは年表として組み込んでいきます。

 

――過去の「レフティやすおの左利き自分史年表」――

(第一回)~(第三回)分は、(第四回)の冒頭を参照してください。

 

(第四回)
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第657号(No.657) 2024/1/20
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [27]
レフティやすおの左利き自分史年表(4)1991(平成3)-1994(平成6)春
―紙の時代(1)『ひだりぐみ通信』」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.1.20
『左組通信』復活計画(27)左利き自分史年表(4)1991-1994春―
紙の時代(1)『ひだりぐみ通信』-週刊ヒッキイ第657号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/01/post-36d5d0.html

 

 今回は、第四回の「1994(平成6)春」の分を付加しておきます。

 この年表は<左利きミステリ>を含む「左利き年表」になっています。

*(参照)<左利きミステリ>

■第4回
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」1900年代
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.4.15
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-d5c13e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/131b4f7933014dcedf057c75702ff28e

・メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』
2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.4.15
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-5b4e1e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d0e3f19af79760633cbcc87cac454f96

■第5回
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第666号(Vol.20 no.11/No.666) 2024/6/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論185-<左利きミステリ>第5回 海外編
(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.15
[コラボ]私の読書論185-
<左利きミステリ>第5回海外編(前)ホームズ以前-週刊ヒッキイ第666号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-d87703.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d7779b9ff44e6ebb34960bcf9883dd82

・メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年6月15日号(vol.17 no.11/No.368)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論186-<左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.15
[コラボ]私の読書論186-
<左利きミステリ>第5回海外編(後)ホームズ以後--楽しい読書368号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-47adad.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3f2d372ae2e8a3073e2e853317ca3c76

■第6回
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.15
[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(前)新規発見作
-週刊ヒッキイ第680号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-d8dc24.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/04302ce47c2cbca53937e7490e74f91e

・メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』
2025(令和6)年2月15日号(vol.18 no.2/No.382)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.15
[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(後)再発掘作-楽しい読書382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ebac165aacd639b4e357741dc40953b6

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]
  <レフティやすおの左利き自分史年表>(5)
 
  1994(平成6)-1995(平成7)6(春) ―紙の時代(2)
  『LL(Lefties' life レフティーズ・ライフ)』
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 ●「1994(平成6)-1995(平成7)6(春)―紙の時代(2)『LL』
  【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-5」

*(参照)――<紙の時代>

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.4
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・
紙の時代1(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-57d0e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e2aaaa56a6400bcc04d24d46a47d1d03
(2)第二期・紙の時代から―その1―
 ◆ 左利き用品の総カタログ的『モノ・マガジン』左利き特集号 ◆
  『モノ・マガジン』「左利き生活向上委員会」編集部A・K氏
 ●第二期・紙の時代―左手用カメラとの出会いに始まる
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号がスゴかった!
 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』創刊
 ●左利き関連本あれこれ
 ●「左利き生活向上委員会」のA・K氏

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第650号(No.649) 2023/10/7
「創刊19年に向けて―650号記念号―
 <左利きの人の自覚――意識の覚醒>が最も重要」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.7
<左利きの人の覚醒>左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
創刊19年記念号-第650号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-158a3d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8396e0fae38c6eeab56013360f58d18e
 ●左利き活動の「初心」は?
 ●「来た、見た、買(こ)うた」
 ●左利き活動の始まりは、1990年末「世界初左手用カメラ」購入
 ●右手用のハンディカムの違和感
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号との出会い
 ●存在を知らなければ、「存在しない」のと同じ
 ●最初はハガキサイズの「左組通信」という紙媒体
 ●左利き活動の「初心」について――もう一度
 ●始まりは左利きの人の覚醒にある

 

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「1994(平成6)-1995(平成7)年6(春) 
  ―紙の時代(2)『LL(Lefties' life レフティーズ・ライフ)』
 【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-5」
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*(注)科学書――特に脳・神経科学に関する本につきましては、
 最も発達が著しく、発行年代の古い本の場合、情報として
 古くなってしまっているものがありますので、ご注意ください。

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(太文字=西暦(元号)年齢) レフティやすおの出来事 (茶文字=社会の出来事)(青文字=左利き・利き手関連文献
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--1994(平成6)40歳

1/1『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン/著
 石山鈴子訳 文藝春秋 1994/1/1

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(Amazonで見る)

――出版社のセンセーショナルな宣伝の結果、左利きの人は右利きの人より
 9歳寿命が短いという「左利き短命説」で有名になった本。統計の処理に
 問題があると言われけなされたり、左利きの人から嫌われることが多いの
 ですが、著者の言いたいことは、左利きの人たちが、右利き社会のなかで
 右利き用の道具を左使いすることの危険性について警鐘を鳴らし、左利き
 の人たちに結束して、左利き用品の普及と社会変革を促すように助言する
 内容の書。右利き社会に生きる左利きの危険性を訴える左利き応援本。

 

1/21『ひだりぐみ通信』「創刊3号」発行

 

1/(テニス)伊達公子WTAランキングトップ10入り(9位)

――NSWオープンで海外ツアー初優勝。オーストラリアンオープンで初の
 四大大会ベスト4。左利きだが、子供のとき見よう見まねで始めたため
 右手打ちになったという話を聞いたことがある。

 

2/ “Lefthanders International”より左利き用品を購入
――1991(平成3)年発行の『モノ・マガジン』左利き特集号(1991年4月2日
 号 No.188)で紹介されていた、アメリカ、カンザス州トピカに本部を
 置く、左利きの会“Lefthanders International”入会後、送ってもらっ
 ていた隔月刊の会誌「LEFTHANDER MAGAZINE」の通信販売コーナーに紹介
 されていた左手・左利き用品を購入(子供用ハサミ2点、逆立ちしない
 “Lefthanders International”のロゴ入り消しゴム付鉛筆、左利き電卓
 ZELCO DOUBLE PLUS calculator No.10731(手のひらに入るもので、右手
 で持ち、左手でキーを打つ)、左利き用フォルダー(右に開くと左側に
 用紙が配置されている)。

 

3/1『ひだりぐみ通信』「創刊4号」発行

 

3/『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)で、
「左利き生活向上委員会」というコラム(隔号連載)開始

――左利きの編集者A・K氏による文字通り、左利きの人の生活の質を向上
 させられるような新たな左手・左利き用品を探し出そう、という内容の
 コラムです。同志を見つけたという思いから、ここに「LL」を送る。

 

4/「Anything Left-Handed」の通信販売で左利き用品を購入
――『週刊プレイボーイ』1993年12月21・28日号の特集記事<「個人輸入
 作戦」、いよいよ出動! 海外28店アドレス付き>で、イギリスの左利き
 用品専門店「Anything Left-Handed」の存在を知り、左利きの子供向け
 缶ペンケース入り文具セット(子供用ハサミ、15センチ定規、万年筆、
 シャープペンシル、鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、スペアインク、レフト
 ハンダーズ・クラブのバッジ)、パーカー万年筆左利き用、30センチ
 定規、ドイツ製手回し鉛筆削り、などを購入し、顧客が参加できる
 「Left-handers Club」の会員になる。会員向け雑誌「The Left-hander」
 を「No.16」から定期購読。(1997年10月No.27まで、LHIの場合と同様
 英語力の欠如からコミュニケーションが取れず立ち消えに。のちにこの
 小冊子no.20で“LHC of JAPAN”として当時私が活動していた紙の季刊誌
 「Lefties Life(LL)」および私の活動が紹介される。)

 

*参照:
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2018.8.29
8月16日イギリスの左利き専門店“Anything Left-Handed”50周年
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2018/08/816anything-lef.html

 

 

夏/季刊誌『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』創刊
(1996年秋・第10号まで季刊、1997(平成9)年夏号 終刊号)
LL1 1994(平成6)年 夏号 A4版1ページ
・前説―To Live In The Right-Handed World―右利き社会を是正する
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その1 Left-handed tools & goods―筆記具・定規・はさみ
・私のお気に入り左利き用品 ベストテン
――新たに手に入れた左利き用の商品紹介だけでなく、左利きについて語り
 たいこともあり、はがきサイズでは多くを伝えられないと思い、もう少し
 分量のある小冊子を出すことにしました。とは言え、仕事が忙しく休みも
 少なく、時間的に難しく、季刊誌に落ち着きました。ワープロ原稿を切り
 貼りし、コピーしたものをホッチキスでとめた手作り感満載の小冊子。

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*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第43号(No.43) 2006/8/12
<「国際左利きの日」記念号>「私にとっての左利き活動(3)」
 ■レフティやすおの左利き活動万歳■ ―隔号掲載―
私にとっての左利き活動(3)『LL』の時代
第660号(Vol.20 no.5/No.660) 2024/3/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [28]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次/LL1・LL2」

 

 

8/21 『ひだりぐみ通信』「第5号―特別編―」発行(A5版2ページ)
――左利きアンケート編(1.ハンディズム(利き手差別)イメージ調査
  2.利き手・利き足・利き眼・利き耳調査 3.左利きで困ったことは?
  ・嫌なことは?・不利なことは?・右利き社会と思うか?・新しい
  習い事を始めるときは?(a.何も考えず左手で、b.手本が右手なら
  右手で、c.手本が右手なら頭の中で左右を入れ換えて左手で)

 

9?/ 岐阜県関市の川嶋工業(株)、調理用品<愛妻専科>シリーズで
左利き用11点を発売。高齢者用も同時発売。

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(「産経新聞」平成6年9月27日(火)、記事掲載)

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*参照:『左組通信』第11号(愛妻専科 左きき調理用品紹介号)
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第686号(Vol.21 no.9/No.686) 2025/5/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [37]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(10)
LL10 1996(平成8)年 秋号(後半)」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.5.17
週刊ヒッキイ第686号-
『左組通信』復活計画[37]『LL』復刻(10)LL10 1996年秋号(後)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/05/post-e40654.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6bee2c2cc9d5fd9c8b63de8a5bb9af9e

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10/『モノ・マガジン』1994年11月2日号(NO.278)、編集部
A・K氏の左利きコラム「左利き生活向上委員会」に「LL」紹介される
――同志を見つけたという思いから「LL」を送っていたら紹介される。
 これが私の「国内」メディアでのデビューということになります。

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(画像:『モノ・マガジン』1994年11月2日号(NO.278)に掲載された編集部A・K氏の左利きコラム「左利き生活向上委員会」の記事)

 

秋/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第2号
LL2 1994(平成6)年秋号 A4版1ページ
・前説―To Live In The Right-Handed World―左右共用の製品を
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その2―はさみ

*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第660号(Vol.20 no.5/No.660) 2024/3/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [28]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次/LL1・LL2」
・『レフティやすおのお茶でっせ』2024.3.16
『左組通信』復活計画(28)『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次-週刊ヒッキイ第660号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/03/post-4ddd3a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d31a2f5c2182c628280422c8cfa8e866

 

 

11/1『【右】の不思議?【左】のナゾ! おもしろショックの
隠れた法則』不思議データ調査室編 青春出版社 青春BEST文庫 1994/11/1

――左右にまつわる雑学本。
(Amazonで見る)

 

冬/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第3号
LL3 1994-95(平成6-7)年冬号 A5版4ページ
・前説 The Compliments of the New Year
新年明けましておめでとうございます。
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―鍋を囲む
・知恵小僧の左熟語の基礎知識 なんの意味ダス!? その1
 Words & Phrases―小学館『国語大辞典』より
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その3―はさみ(つづき)
・よい品がいつでも 手軽に 購入できるようにしよう!
―いろんな用途のはさみ
・左利きの本だなぁ その1 お勉強編
 The Books on the Left-handedness―
 スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』

 

*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第662号(Vol.20 no.7/No.662) 2024/4/20
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [29]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(2)LL3」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.4.20
『左組通信』復活計画(29)『LL』復刻(2)LL3-週刊ヒッキイ第662号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/04/post-26b0e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c44afca336774c5604749e1af1962327

 

--(1995 平成7)41歳

1/17(火曜日)5時46分 (日本時間)阪神・淡路大震災起きる

――淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3、最大震度7の大地震。
大阪のほうは震度4でほぼ無事。早朝からの大きな揺れに飛び起き、
タンスを押さえたが、我が家の被害は屋根瓦が一部ずれただけだった。

春/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第4号
LL4 1995(平成7)年 春号 A5版8ページ
・前説 The Compliments of the Spring Issue 発信し続けること
・From LHI (Lefthanders International/U.S.A)
  レフトハンダーズ・インターナショナル(アメリカ)より
・From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
 (1)私のいちばん嫌(いや)~なことば――
  「○○君は、ぎっちょか。器用やなぁ。」
 (2)「転びキリシタン」あるいは「隠れキリシタン」のように
≪スタート! 新学期≫子供用品特集
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その4〔子供用左利き用品の紹介〕―
  文具(はさみ・鉛筆・鉛筆削り・定規・缶ペンケース入り文具セット)、
  野球/ソフトボール用グラブ・ヘルメット・手袋
〔手を使い分けよう〕
 久保田競著『手と脳―脳の働きを高める手』紀伊国屋書店より
〔左利きの子供に対する接し方〕
 箱崎総一著『左利きの秘密』立風書房より

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*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第664号(Vol.20 no.9/No.664) 2024/5/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [30]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(3)LL4 1995(平成7)年 春号」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.18
『左組通信』復活計画(30)『LL』復刻(3)LL4 1995年春号
-週刊ヒッキイ第664号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-4ee9c2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/95b09d26c72d1aca35574e10b700d653

 

4/3 斎藤茂太さんに『LL』第5号で著者『左ききの人はなぜ
才能があるのか―左ききの性格分析』を紹介すると報告したところ、お葉書
をいただく

4/30『左手のシンボリズム: わが国宗教文化に見る左手・左足・
左肩の習俗の構造とその意味』松永 和人/著 九州大学出版会 1995/4/30

(Amazonで見る)

――副題にもありますように、日本の宗教文化に見る左右の研究。
(新版)『左手のシンボリズム「聖」-「俗」:「左」-「右」の二項対置の
認識の重要性』松永和人/著 九州大学出版会 2001/4/1
(Amazonで見る)

 

6/28 私の手紙と小冊子『LL』が紹介されたイギリスの左利き
の会“Left-handers Club”の会報「The Left-hander」No.20が届く
――『LL』の本文に、簡単な英語で内容をメモして送っていたところ、
「The Left-hander」第一面で、「A warm welcome to the LHC of JAPAN」
として紹介された。私の世界デビュー?
(後年、左利きの人のオフ会に誘われた際、この事実を紹介した次号の
『LL』のコピーを持っていったところ、現・日本左利き協会発起人の
大路直哉さんから、元の会報を見たことがあるとのお言葉をいただく。)

Ll-the-lefthander-1995-no20

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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]レフティやすおの左利き自分史年表(5)1994(平成6)-1995(平成7)6(春)―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』」と題して、今回も全紹介です。

この当時の年表では、左利き活動を始めるにつれて年表に記入する事柄が増え、特に後年の参考のためにと詳細なメモを付けるようにしたところ、年表というより月表のようになってしまっています。
まあ、それでもいいかと思います。
いつか役に立つこともあるか、と。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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