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2026.07.07

【最新号】私の読書論-2026年岩波文庫フェア『英国古典推理小説集』-楽しい読書414号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号】

2026(令和8)年6月30日号(vol.19 no.12/No.414)
「私の読書論-2026年岩波文庫フェアから『英国古典推理小説集』
作品でたどるイギリスにおける推理小説の発展史」

 

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2026(令和8)年6月30日号(vol.19 no.12/No.414)
「私の読書論-2026年岩波文庫フェアから『英国古典推理小説集』
作品でたどるイギリスにおける推理小説の発展史」
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 今月は、6月の恒例となりました岩波文庫のフェアから、
 一点を選んで紹介します。

 

 *来月以降も、例年通り<夏の文庫フェア>が実施されましたら、
  そちらを取り上げますので、
  <漢詩を読んでみよう>は、しばらくお休みとなります。

 

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 - 私の読書論 -

  ~ 作品でたどるイギリスにおける推理小説の発展史 ~

 2026年岩波文庫フェアから
 「名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」から

  『英国古典推理小説集』佐々木 徹 編訳

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 ●2026年岩波文庫フェア
「名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」

岩波文庫サイトから――

--
2026年岩波文庫フェア「名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」(5/26発売)

2026.05.07 岩波文庫

 毎年ご好評をいただいている岩波文庫のフェア「名著・名作再発見!
  小さな一冊を楽しもう!」を今年もご案内いたします。
 岩波文庫は古今東西の典籍を手軽に読むことができる、古典を中心と
 したシリーズです。できるだけ多くの皆さまに名著・名作に親しんで
 いただけるよう、本文の組み方を見直し、より読みやすい文庫をと
 心がけてまいりました。
 いつか読もうと思っていた一冊、誰もが知っている名著、意外と
 知られていない名作──岩波文庫のエッセンスが詰まった当フェアで、
 読書という人生の大きな楽しみの一つを存分にご堪能いただけましたら
 と存じます。

※2026年5月26日発売(小社出庫日)

--

<対象書目> 60点

1 「いき」の構造 他二篇【青146-1】 九鬼周造
2 君たちはどう生きるか【青158-1】 吉野源三郎
・3 忘れられた日本人【青164-1】 宮本常一
◆4 老子【青205-1】 蜂屋邦夫 訳注
◆5 新訂 孫子【青207-1】 金谷 治 訳注
■6 ブッダのことば――スッタニパータ【青301-1】 中村 元 訳
7 史的システムとしての資本主義【青N401-1】
 ウォーラーステイン/川北 稔 訳
◆8 ソクラテスの弁明・クリトン【青601-1】 プラトン/久保 勉 訳
◆9 饗宴【青601-3】 プラトン/久保 勉 訳
■10 マルクス・アウレーリウス 自省録【青610-1】 神谷美恵子 訳
▼11 方法序説【青613-1】 デカルト/谷川多佳子 訳
12 永遠平和のために【青625-9】 カント/宇都宮芳明 訳
■13 読書について 他二篇【青632-2】
ショウペンハウエル/斎藤忍随 訳
・14 死に至る病【青635-3】 キェルケゴール/斎藤信治 訳
▼15 ツァラトゥストラはこう言った (上)【青639-2】
 ニーチェ/氷上英廣 訳
▼16 ツァラトゥストラはこう言った (下)【青639-3】
 ニーチェ/氷上英廣 訳
17 精神と自然――生きた世界の認識論【青N604-1】
 グレゴリー・ベイトソン/佐藤良明 訳
▼18 ロウソクの科学【青909-1】 ファラデー/竹内敬人 訳
19 生物から見た世界【青943-1】
 ユクスキュル,クリサート/日高 敏隆 訳,羽田 節子 訳
▼20 古事記【黄1-1】 倉野憲司 校注
▼21 源氏物語 (一) 桐壺―末摘花【黄15-10】 柳井 滋,室伏信助,
大朝雄二,鈴木日出男,藤井貞和,今西祐一郎 校注
22 西行全歌集【黄23-2】 久保田 淳,吉野朋美 校注
▼23 新訂 方丈記【黄100-1】 市古貞次 校注
24 芭蕉 おくのほそ道――付 曾良旅日記 奥細道菅菰抄【黄206-2】
 松尾芭蕉/萩原恭男 校注
■25 雨月物語【黄220-3】 長島弘明 校注
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▼26 こころ【緑11-1】 夏目漱石
27 柿の種【緑37-7】 寺田寅彦
▼28 濹東綺譚【緑41-5】 永井荷風
▼29 蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇【緑70-7】 芥川竜之介
▼30 童話集 銀河鉄道の夜 他十四篇【緑76-3】 宮沢賢治/谷川徹三 編
■31 山月記・李陵 他九篇【緑145-1】 中島 敦
32 桜の森の満開の下・白痴 他十二篇【緑182-2】 坂口安吾
33 茨木のり子詩集【緑195-1】 谷川俊太郎 選
34 大江健三郎自選短篇【緑197-1】 大江健三郎
35 折々のうた 三六五日――日本短詩型詞華集【緑202-5】 大岡 信
36 まっくら――女坑夫からの聞き書き【緑226-1】 森崎和江
37 詩集 いのちの芽【緑235-1】 大江満雄 編
38 危機の二十年――理想と現実【白22-1】 E.H.カー/原 彬久 訳
39 政治的なものの概念【白30-2】
 カール・シュミット/権左 武志 訳
▼40 日本国憲法【白33-1】 長谷部恭男 解説
41 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神【白209-3】
 マックス・ヴェーバー/大塚久雄 訳
42 大衆の反逆【白231-1】 オルテガ・イ・ガセット/佐々木 孝 訳
43 女らしさの神話 (上)【白234-1】
ベティ・フリーダン/荻野美穂 訳
44 女らしさの神話 (下)【白234-1】
 ベティ・フリーダン/荻野美穂 訳
・45 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇――吶喊【赤25-2】
 魯迅/竹内 好 訳
▼46 ホメロス オデュッセイア (上)【赤102-4】 松平千秋 訳
▼47 ホメロス オデュッセイア (下)【赤102-5】 松平千秋 訳
■48 イソップ寓話集【赤103-1】 中務哲郎 訳
▼49 ギリシア・ローマ神話――付 インド・北欧神話【赤225-1】
 ブルフィンチ/野上弥生子 訳
50 サロメ【赤245-2】 オスカー・ワイルド/福田恆存 訳
51 新編 イギリス名詩選【赤273-2】 川本皓嗣 編
52 英国古典推理小説集【赤N207-1】 佐々木 徹 編訳
▼53 白鯨 (上)【赤308-1】 メルヴィル/八木敏雄 訳
▼54 白鯨 (中)【赤308-2】 メルヴィル/八木敏雄 訳
▼55 白鯨 (下)【赤308-3】 メルヴィル/八木敏雄 訳
56 チャーリーとの旅――アメリカを探して【赤327-4】
 ジョン・スタインベック/青山 南 訳
■57 星の王子さま【赤N516-1】 サン=テグジュペリ/内藤 濯 訳
■58 タタール人の砂漠【赤719-1】 ブッツァーティ/脇 功 訳
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59 伝奇集【赤792-1】 J.L.ボルヘス/鼓 直 訳
60 やし酒飲み【赤801-1】 エイモス・チュツオーラ/土屋 哲 訳

 

■:以前弊誌、もしくはブログで取り上げた作品
◆:同、他社の本による
▼:既読、本文庫・他社本等による
・:部分読み、本文庫・他社本等による

こんな感じでしょうか、既読は半数弱。
一昨年の『タタール人の砂漠』その前年の『雨月物語』とか、
弊誌で取り上げた作品もかなりあります。
『星の王子さま』は、当時文庫版はまだ出ていなく、少年文庫版でした。

 

*参照:
2023(令和5)年6月30日号(No.345)
「私の読書論172- 2023年岩波文庫フェア「名著・名作再発見!
 小さな一冊をたのしもう」から 上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」」
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.6.30
私の読書論172-2023年岩波文庫フェアから上田秋成『雨月物語』「蛇性の婬」-楽しい読書345号

2024(令和6)年6月30日号(vol.17 no.12/No.369)
「私の読書論187-2024年岩波文庫フェアから『タタール人の砂漠』」
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.30
私の読書論187-2024年岩波文庫フェアから『タタール人の砂漠』-楽しい読書369号

 

 

 ●『英国古典推理小説集』佐々木 徹 編訳

『英国古典推理小説集』佐々木 徹 編訳

赤N207-1 (刊行日)2023/04/14

・『英国古典推理小説集』佐々木徹/編訳 岩波文庫 2023/4/14
(Amazonで見る)

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《「殺人があったのは二十二年前の今日――」。
 ディケンズ『バーナビー・ラッジ』とポーによるその書評、英国最初の
 長篇推理小説と言える「ノッティング・ヒルの謎」を含む、古典的傑作
 八篇を収録(本邦初訳を含む)。読み進むにつれて、推理小説という
 形式の洗練されていく過程がおのずと浮かび上がる、画期的な選集。》

(目次)
 はじめに
『バーナビー・ラッジ』第一章より(チャールズ・ディケンズ)
 (付)エドガー・アラン・ポーによる書評
有罪か無罪か(ウォーターズ)
七番の謎(ヘンリー・ウッド夫人)
誰がゼビディーを殺したか(ウィルキー・コリンズ)
引き抜かれた短剣(キャサリン・ルイーザ・パーキス)
イズリアル・ガウの名誉(G・K・チェスタトン)
オターモゥル氏の手(トマス・バーク)
ノッティング・ヒルの謎(チャールズ・フィーリクス)
 訳者あとがき

 

推理小説の歴史を、本場英国の古典推理小説を辿りながら紹介する、
というコンセプトの作品集。

「はじめに」や「訳者あとがき」の中で、
訳者による「推理小説」の定義が紹介されています。

《犯罪(あるいは何らかの事件)が発生し、それを探偵役の人物(素人
 もしくは玄人)が論理的な推理を働かせて解決するプロセスを主眼と
 した物語》「はじめに」p.3

で、「犯罪」「探偵」「推理」の三条件を満たす最初の作品が、
ポーの「モルグ街の殺人」だと。

確かに一般的に、推理小説は、アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの
「モルグ街の殺人」に始まる、とされています。

 

*参照:
原題“THE MURDERS IN THE RUE MORGUE”
『グレアムズ・マガジン』1841年4月号掲載
--
世界初の推理小説「モルグ街の殺人」! 既訳では訳されてこなかったデュパンと主人公の二人の関係【ポーの謎に迫る解説 連載第4回】

文庫解説より 2022年03月28日 河合 祥一郎

『ポー傑作選2 怪奇ミステリー編 モルグ街の殺人』
エドガー・アラン・ポー/著 河合 祥一郎/訳 角川文庫 2022/3/23
(Amazonで見る) --

それ以前には、殺人事件や犯罪にまつわるお話や、
さまざまな事件にまつわる恐怖を描く一連の小説はありましたが、
知的な探偵役が論理的な推理によって事件を解決する、
その過程を描いた小説はありませんでした。

その後、このジャンルはイギリスに渡って、
<名探偵シャーロック・ホームズ>の生みの親として知られる、
サー・アーサー・コナン・ドイルによって、一連の<ホームズもの>と
して一つの頂点を極めることになります。
それを契機に、他の作家が追随し、後に英国のF・W・クロフツや
アガサ・クリスティーやドロシー・セイヤーズ、米国のヴァン・ダインや
エラリイ・クイーン、ジョン・ディクスン・カーといった作家たちが
活躍する1920年代から30年代の黄金時代と呼ばれる時代が来るのでした。

そこに至る過程のなかに、この小説集に収録されているディケンズや
コリンズなどの作家たちによる作品があった、ということでしょう。

 

発表年代順に並べてみましょう。

・1841年:『バーナビー・ラッジ』第一章より(チャールズ・ディケンズ)
・1841年5月1日「サタデイ・イヴニング・ポスト」フィラデルフィア:
(付)エドガー・アラン・ポーによる書評(一)
 『バーナビー・ラッジ』月刊第一~三分冊
・1842年2月「グレアムズ・マガジン」:〃(二)『バーナビー・ラッジ』
★1849年8月25日号「チェインバーズ・エディンバラ・ジャーナル」:
有罪か無罪か(ウォーターズ)
★1862年11月-63年1月「ワンス・ア・ウィーク」週刊誌、8回連載
ノッティング・ヒルの謎(チャールズ・フィーリクス)
★1877年1月「アーゴシー」誌: 七番の謎(ヘンリー・ウッド夫人)
・1880年12月25日号「スプリット・オブ・ザ・タイムズ」ニューヨーク:
誰がゼビディーを殺したか(ウィルキー・コリンズ)
―シャーロックホームズのライヴァルたち―
★1893年6月号「ラドゲイト・マンスリー」:
引き抜かれた短剣(キャサリン・ルイーザ・パーキス)――女探偵
・1911年3月15日号「サタデイ・イヴニング・ポスト」フィラデルフィア:
イズリアル・ガウの名誉(G・K・チェスタトン)――<ブラウン神父>
もの第一短編集『ブラウン神父の童心』創元推理文庫ほか収録の名編。
―創元推理文庫『世界推理短編傑作集〈4〉【新版】』収録の名編―
・1929年:オターモゥル氏の手(トマス・バーク)

(★:本邦初訳)

《順番に読んでいくと、段々「推理」の要素が強くなって、推理小説と
 いう形式が洗練されていく過程がおのずと浮かび上がるはずである。》

 

 ●本書の言う「古典」とは――

《十九世紀を中心に、黎明期から黄金時代に至るまでの間を漠然と指して
 いる。「オターモゥル氏の手」(1931)は黄金時代に入ってからの作品
 だが、かねてから評価の高い名品であるので、出版年代にこだわらずに
 採択した。》(「はじめに」p.4)

冒頭に『バーナビー・ラッジ』の一部を配した理由は、

《これが推理小説の原始的な一形態を示しているとともに、まさにこの
 部分が「モルグ街」の時期のポーの目にとまり、付録として収めた
 書評の呼び水となったからである。この書評は、「訳者あとがき」で
 詳しく述べるように、ポーが早くもこの時点で、やがて推理小説という
 名で呼ばれる文学形式についてどれほど明確な理解を持っていたかを
 はっきり示す貴重な資料になっている。》

「ノッティング・ヒルの謎」は、

《もしこれを長篇と認めるならば、コリンズの『月長石』(1868)を押し
 のけて、英国最初の長篇推理小説という栄に浴する可能性を持つ特別な
 作品だから》(同上)。

《「古典」というと、干からびたものが想像されるかもしれないが、
 こと推理小説の場合はむしろ人間味が濃く、そのあたりもたっぷり
 楽しんでいただきたい。》(同上)

本格的な推理小説は理知的な論理が行き過ぎますと、
人間的な情の部分が欠落して、極端な表現でいえば、
単なる謎解きパズル的なものになりかねない場合があります。

その点まだ推理小説になりきっていない頃の小説は、
情の部分が表に出た小説になっている、と言えそうです。

 

 ●なぜ「英国」なのか

では、なぜ英国で推理小説が発展したのでしょうか。

田村隆一さんによりますと(「第二章 ミステリは特別料理」)――

『ぼくのミステリ・マップ―推理評論・エッセイ集成』田村隆一/著 
中公文庫 ‎ 2023/2/21
(Amazonで見る)

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《探偵小説は、もともとアングロ・サクソンの特産物で、一種の科学的な
 知的ゲームです。》p.56
《根底には裁判の仕組み、警察組織が大きく影響していると言っていい
 でしょう。こうしたものが、アングロ・サクソン独特のスタイルなん
 です。拷問・自白で犯人を追いつめず、理づめで証拠第一主義にのっと
 って行なうという点です。》p.56
《裁判のやり方も、被告側と検察側が、証人と物証によって進めていき、
 最後には事件と無関係な十二人の陪審員の評決によって、有罪か無罪か
 が決まる。つまり、一般市民が直接、裁判に関わって、被告のシロ、
 クロについて真剣に機会考えるという機会が与えられる――だから、
 いやでも、一般市民は刑事事件に関心をもつようになるわけです。こう
 いう点が、探偵小説を生む土壌となったと考えられますね。》pp.56-57

本書「有罪か無罪か」の解説にもありますように、イギリスで警察組織が
誕生し、刑事課が設置され、プロの“探偵”が生まれ、プロに対して
素人の私立探偵が登場する余地が生まれます。

田村さんの文章には「探偵小説」とありますが、「推理小説」と同じもの
を指しています(戦後の国語改革による「当用漢字」に、探偵の「偵」の
字がなく、新たに作られたのが「推理小説」という言葉でした)。

 

 ●『バーナビー・ラッジ』について

『バーナビー・ラッジ』の翻訳は、集英社ギャラリー世界の文学版(1960)
の文庫版が、今年2026年に中公文庫から上下二巻本で出ています。

1780年の「ゴードン騒乱」と呼ばれる事件を描く歴史小説です。
バーナビー・ラッジは、物語の主人公の名です。

中公文庫:バーナビー・ラッジ(上)

――イギリスのある村で二十二年前に起こった殺人事件と、
 心優しき青年バーナビー出生の謎。
〈世界初の長篇推理小説〉とも称される、文豪の代表作を初文庫化。
バーナビー・ラッジ(下)――青年バーナビーをめぐり再び動き始めた
 物語は、人々を「ゴードン騒乱」へと巻き込んでゆく。
 巻末に、E・A・ポーの長文書評を付す。〈解説〉廣野由美子

 

『バーナビー・ラッジ(上)』ディケンズ/著 小池 滋/訳 中公文庫
テ 8-1 2026/3/24
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『バーナビー・ラッジ(下)』ディケンズ/著 小池 滋/訳 中公文庫
テ 8-2 2026/3/24
(Amazonで見る)

 

ちなみに弊誌前号で、紹介しました『ミステリマガジン』2026年7月号
の書評欄で、新保博久さんが取り上げていました。
260630hmm70-br

本書「訳者あとがき」の『バーナビー・ラッジ』の項で、
ポーの「推理小説」関連著作の年表が示されています。
訳者のお考えでは、全体の六分の一程度しか出版されていない連載中の
小説を取り上げ、その内容を詳しく紹介しながら殺人事件の解決まで
予想してしまうのは、自己顕示欲の強さであり、推理小説的技巧に関して
ディケンズを遙か凌ぐものを持っていることを示した、と。
この時期、ディケンズはアメリカを訪問し、ポーとも会って話している
といいます。その結果、ディケンズは、ポーのものとは異なる結末へと
書き換えたのかも知れません。

「推理小説」の発明者としてのポーの自負が、このような行動に駆り立て
たのでしょうか。

 

 ●<左利きミステリ>「ノッティング・ヒルの謎」

『英国古典推理小説集』の最後に収録されている短い長編
「ノッティング・ヒルの謎」は、<左利きミステリ>として、
弊誌で紹介しています。

2025(令和7)年11月15日号(vol.18 no.19/No.399)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)
<左利きミステリ>新規発見作<海外編><国内編>紹介」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフやすおのお茶でっせ』
2025.11.15
【編集後記】ヒッキイ楽読[コラボ]第8回(後)<左利きミステリ>新規発見作-楽しい読書第399号

2025.11.22
【最新号】ヒッキイ楽読[コラボ]第8回(後)<左利きミステリ>新規発見作-楽しい読書第399号
[hatena版]

 

<左利きミステリ>
--
 ●「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・フィーリンクス

 

(1863) (イギリス)「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・
フィーリクス (容)
<左利きの容疑者・証拠品の落ちていた場所>
――ウィルキー・コリンズ『月長石』に先立つ、最初の英国推理小説だ
 (ジュリアン・シモンズ『ブラッディ・マーダー』1972)とされる、
 短い長編。
The Notting Hill Mystery 『ワンス・ア・ウィーク』(週刊誌)1862年
11月~1863年8月(8回連載)
・『英国古典推理小説集』佐々木徹/編訳 岩波文庫 2023/4/14
(Amazonで見る)

《看護婦も召使も、氏は左利きなので、夫人にスプーンで食べ物を与える
 ためにいつもベッドの左側に行った、と口を揃えて言いました。右手は
 不器用だったそうです。右利きの人間が左手ではスプーンをうまく扱え
 ないのと同じです。》p.451

--

他の作品についても書いておこうと思いましたが、
そろそろスペースも尽きたようです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論-2026年岩波文庫フェアから『英国古典推理小説集』作品でたどるイギリスにおける推理小説の発展史」と題して、今回も全文転載紹介です。

【最新号】編は、メルマガ本文の全文転載です。

【別冊 編集後記】は、【編集後記】編↓ で、

2026.6.15
【編集後記】私の読書論-2026年岩波文庫フェア『英国古典推理小説集』-楽しい読書414号

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
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--
※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
--

 

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