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2026.04.22

【最新号】私の読書論-<町の本屋>論(10)思いつくあれこれ-楽しい読書409号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号】

2026(令和8)年4月15日号(vol.19 no.7/No.409)
「私の読書論-<町の本屋>論(10)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』(飯田一史)より
思いつくあれこれ」

 

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2026(令和8)年4月15日号(vol.19 no.7/No.409)
「私の読書論-<町の本屋>論(10)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』(飯田一史)より
思いつくあれこれ」
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 一昨年9月から散発的に綴ってきました、本屋さん減少を嘆く
 <元本屋の兄ちゃん>による<町の本屋>論の、昨年4月以来の
 10回目となります。

 今回は、前回9回目でふれました飯田一史さんの著書

『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか 知られざる戦後書店抗争史』
 飯田 一史/著 平凡社新書
(Amazonで見る)

Dsc06323-matinohonya

 を基に書いていく予定でしたが……。

 

 (第9回)

2025(令和7)年4月15日号(vol.18 no.6/No.386)
「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」

2025.4.15
私の読書論195-<町の本屋>論(9)『町の本屋は~』(飯田一史)より-レフティやすおの楽しい読書386号

 

 【過去8回の<私の「町の本屋」論>】は、上記の第9回の号冒頭を
 ご参照ください。」

 

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 - 私の読書論 -

  ~ がんばれ!町の本屋さん <「町の本屋」論>10 ~

  『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』飯田一史 より

   思いつくあれこれ……
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 ●力作だけど売れそうもない本

前説にも書きましたように、『町の本屋~』を読んで、
その感想や思ったことを書いていくつもりでしたが、
正直読み切れませんでした。

力作で、相当なボリュームもあります。
通常の新書の場合、うすっぺらい本ですと150ページから200ページ
程度で、ちょっとがんばった本でも250から300ページ程度です。
この本は、350ページ。
中身を見ましても、表やグラフなどもありますが、ほぼ一面黒い字
ばっかりという感じです。

力作ではありますが、決して売れる本ではない、
絶対ベストセラーにはなり得ない、でも必要な本、そういう本です。

《出版業界や図書館業界の少なからぬ人たちから煙たがられそうな話も
 含むこの企画を平凡社が引き受けてくれたことには、大変感謝している
 (本が出る前から「介入」はあったが……)。》p.338

と「あとがき」にもありますように、こういう企画の商品をよく出版した
な、というのが正直なところです。
一時期町の本屋さんで働いていて、多少は実状を知っている人間でも、
ここまでは知らない、という事実が色々と書かれています。
特に歴史的な事実に関しては、これは調べていただかないと、
分からないことばかりです。

扱っている内容ですが、日本の書店業の「基本構造」を知るための営業や
経理関係、関係法規などにもふれており、ちょっとシンドイ部分があり、
業界用語などの説明は入っていますが、難しい用語も頻発です。

「まえがき」末尾に本書を読むための注意書きが入っています。

《しんどいと感じたら「戦後書店経営史」の本編である第三章から、
 あるいは比較的時代が近い第六章の郊外型複合書店や第十一章の
 ネット書店の話から、または興味のある話題からよんでもらいたい。
 出版業界の制度や法律、公取の言い回しは複雑だから、「よくわから
 ない」「つまらない」と思う部分はどんどん読み飛ばしてもらって
 かまわない。ただ各章末尾には「まとめ」を置いているから、そこは
 読んでほしい。先に各章まとめと、「終章」を読んでもらえれば
 全体の見通しがよくなるかもしれない。》

 

思いのほか手応えのある読書となり、時間までには到底読み切れず、
「パラパラッと通し読みしてみた」だけで終わりました。

というわけで、
内容に本格的に踏み込んだ感想や意見を述べることができません。

本格的な内容紹介は、また次回あるいはいずれ、ということになります。

今回は、申し訳ないですが、
ただただ思いつくままに愚痴をこぼすような回になってしまいそうです。

 

 ●「目次」

まずは、今回も「目次」を転載しておきましょう。

 

《目次》
まえがき
第一章 日本の新刊書店のビジネスモデル
 コラム1 本屋の動向と読書の動向は必ずしも一致しない
第二章 日本の出版流通の特徴
 コラム2 書店の注文・取引方法あれこれ
第三章 闘争する「町の本屋」――運賃負担・正味・新規参入者との戦い
 コラム3 見計らいの重視、予約と客注の軽視
第四章 本の定価販売をめぐる公正取引委員会との攻防
 コラム4 返品条件付販売への切り替えはいつ起こり、
  いつ委託ではないと認識されたのか
第五章 外商(外売)
 コラム5 取次からの請求への書店の入金率の変化と返品入帳問題
第六章 兼業書店
 コラム6 信認金制度
第七章 スタンドと鉄道会社系書店
 コラム7 出版物のPOSの精度を高めるのはなぜむずかしいのか
第八章 コンビニエンス・ストア
 コラム8 書籍の客注と新刊予約注文の歴史
第九章 書店の多店舗化・大型化
 コラム9 共同倉庫構想の挫折史
第十章 図書館、TRC(図書館流通センター)
 コラム10「送料無料」と景表法規制
第十一章 ネット書店
 コラム11 2020年代の「指定配本」の増加
終章
あとがき

 

前回も書きましたように、

《新書版ながら、350ページ超というかなりゴツい本で、
 出版業界における新刊書店の立場や、環境の変化や、
 その衰退の歴史を追った本》

で、

《元(町の)本屋の兄ちゃんとしては、気になる本です。》

 

 ●未必の故意か怠慢か

正直読んでいますと、そんなにずっと昔から問題があったのだ、
というのが偽らざるところです。

筆者が現役の<本屋の兄ちゃん>時代から、気になっていたこと、
はもちろんですが、それ以前からの構造的な問題点が、
いつまでも改善されることなく続いてきた、ということになります。

もちろん、だれもがみな放置していたというわけではありませんが、
肝心要の構造的な部分――委託販売、再版制度などなど――に本格的に
メスを入れることができないままにズルズルと来てしまった、
というのが現状のようです。

そういう未必の故意のような、怠慢のような業界の在り方に、
腹が立ってしまって、どうも冷静に読み進めることができませんでした。

もう腹が立ってきて、こんなことをしているからダメになるんだ、
と怒り心頭に、というところですね。

 

 ●委託販売について

本屋さんは基本的に「委託販売」だということは、
多くの方がご存知のようで、またどの店で買っても同じ値段(定価販売)
だ、ということもご存知でしょう。

ただ「委託販売」といっても、実際には、
書店には毎月毎月在庫分の支払いの請求が来ます。
日銭が入るいい商売のように思われがちですが、売れた本だけ帳合が
発生するわけではなく、取次(本の卸売)から送られてきた本のすべての
代金が請求されます。
返品すれば、その分は返してもらえるわけですが、即日返品しても、
実際にはその金額が還ってくるのは、一定期間先になります。
また返品手数料というものもかかってきます。
このタイムラグのせいで、資金繰りに困り倒産する例も少なくない、
というのが現状です。

 

 ●本が売れても赤字になる構造

本が売れなくなっている、といわれますが、
書店経営が苦しくなっている理由は必ずしもそれではないというのが、
本当のところです。

根本的に商品価格と、その掛け率の問題、粗利そのものが少ない、
という問題があります。

定価販売で競争から守られている、といわれたりしますが、
実際には、自分が売る商品の売値を自分で付けられない、
というのは小売業として困った点です。

安く仕入れて高く売れば、儲けは増えます。
しかし本屋は、仕入れ価格も販売価格も出版社や取次によって、
支配されています。
本屋が勝手に、これは数売れるから安く設定してやろうとか、
逆に、これは売れないから高くしてもいいやとか、
そういうわけにはいかないのです。

客集めのために、売れ行き良好書を多数仕入れて目玉商品にしてやろう、
儲けはついで買いのほかの本で、という作戦は取れません。

しかも、売れ行き良好書というのは、返品を嫌う取次により、
売上の大きい大書店に集中的に配本されます。
中小の書店は、思うように仕入れることはできません。

「今、置いておけば売れる!」本が手に入らないのが、町の本屋です。

お客様は、ここになければよそで探す、という人が大半です。
なぜかといえば、ここにはなくても「あるところにはある」からです。

町の本屋さんが無理して注文を出しても、よそで売れなくなってから、
やっと回ってくるというのが、実状です。
そういう本はもちろん並べて置いてもまず売れません。
売れ時を過ぎてしまったからです。

そして売れ残ったから、賞味期限が近いから、季節外れになったから、
と安売りしたり、ワゴンセールに出すというわけにはいかないのです。

「本は腐らないから」いつまでも市場価値は変わらない、と思われる
かも知れませんが、実は本も「生もの」なのです。
売れどき、旬というものがあるのですね。

○○で取り上げていたからとか、映画やドラマ化で人気が出ているとか、
新刊といってもホントに出たばっかりの時もあれば、一ヶ月過ぎたあと
とか、様々です。
「今月の新刊」として今売れてます、といわれた本でも一ヶ月後には
だれも見向きもしない、というケースもよくあります。

そして、仕入れすぎた本は、支払いに困るだけです。

 

また最近では、売れてるのにどうして? という閉店が増えています。
店舗の家賃が高騰して――特に一等地の商業地は、どことも高騰して、
家賃の改正を機に閉店という例も多々あります。
貸し手もテナントとしてもっと売上を出せる店に入ってもらいたい、
と考えるのは当然のことでしょうから。

本屋は小売店の取り分が少ないため、経費倒れになってしまうのです。

 

 ●原価と定価とその差額の分配について

「第一章」にあったのですが、アメリカでは本の原価は20%ぐらいで、
だから40%引きや50%引きといった値引き販売も可能なのだ、
というのです。
これは正直驚きでした。

外国の本の値段に比べて日本の本の値段が安い、という話は聞いていま
した。
この企画の過去の回でも紹介していましたが、ここまでとは。

現状の再販制度を続けるのなら、本の値段を上げて、
その分配の比率を変えて、本屋さんと著者に厚く配分しようというのが、
筆者の考えでした。

*参照:
2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」
『レフティやすおのお茶でっせ』
2024.11.15
レフティやすおの楽しい読書377号-告知-
私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞10/27朝刊記事より

 

 ●根本的改革の時

再販制度や委託販売制度など、従来の販売方法を根本的に変えるしかない
というのが、本当のところだと思います。

とにかく小売店が自分で商品の値付けをできないのでは、お話にならない
という気がします。

何を売りたいかとか、どういう風に売りたいのか、どれぐらいの値段で
売りたいのか、そういうことぐらいは自分で決めたいものです。

それぞれに経営状況というものは異なっています。
立地条件とか、顧客層とか。

本も普通の商品と同じように売れるように変えていくのが一番だ、
と思います。

自分の店では売れない本は仕入れない、などというのは、
基本中の基本でしょう。
現状では、仕入れの大半は、取次に支配されていて、
書店側ではどうにもできません。
売りたくない本でも大量に送ってきたりするのですから。

 

 ●昔の思い出話

筆者の働いていた本屋さんのお話をしますと、
近隣に公立私立の中高校がある文教地区の駅前(というか駅裏?)の
店舗で、筆者が高校生のときに開店し、よく通った店で、
隣駅に本店のある書店の支店でした。

そういう土地柄、エロ本の類いは極力置かない――ただライバル店が
スーパー内の店舗で、当時スーパーは七時閉店でしたので、その分、
夜のお客様が多い当店では夜客用に多少は置く、という方針。

店長は基本的に送られてきた本はみな店に並べるタイプの人で、
一方筆者は過去のデータから実際に売れる数量にこだわるタイプで、
特に昼のお客様重視で見栄えを気にする本の並べ方をする人間でした。
そこで、エロ本系は実売数ギリギリまで即返するやり方でした。
ライバル店がスーパー内店舗ということで、婦人客・ママさん客、
子供客に強く、当店には来てもらえない傾向がありました。
その点を少しは改善したい、という考えがありました。

『週刊少年ジャンプ』が好調な時代で、初めて100冊仕入れたときは、
店長から大丈夫かと言われたものでしたが、あそこならある、と
いつしか噂が広がったのか、子供客が増え、即日完売の連続でした。
ところが、それ以上の数量はどうしても入れてもらえない状況でした。

児童書や小学生用のドリルなどにも力を入れ、婦人客や女性客向けの
編み物の季節物なども力を入れたものでした。

高校生客は三年で卒業してしまうのですが、一年目につかめばあと二年は
期待できるということで、「客を育てる」ことを考えていました。
そこで、男子高校生向けにバイク雑誌やバイクもののコミックを充実
させたり、親しくなったクラブの上級生に下級生に来てもらえるように
頼んだりもしたものでした。

元々多かった夜の会社帰りの男性会社員やOL(当時は若い女性会社員
さんをこう呼んだ)のお客様向けにも、雑誌など力を入れたものでした。
50冊売れる雑誌をいくつ作れるか、等々。

当時は、一般書店では書籍と雑誌の売上の比率が半々程度といわれ、
当店は雑誌が弱いといわれていたものでした。

 

 ●時代について行くのがしんどくなる

まあ、そんな思い出話はこの辺にして、とにかく、努力は報われる、
というのが楽しい毎日でした。
しかし、それも最初の何年間かの話でした。
いつしか、世間の本屋同様、当店の売上も頭打ち状態になり始めました。
一つはコンビニ、もう一つは郊外の複合店の登場です。

さらに、ファミコンの登場などもあり、
子供たちや若者の好みの変化が激しくなり、お客様に着いていくのが
しんどくなったものでした。
私は年齢を感じてしまい、天職だと思っていた仕事を辞めることに
しました。
本、特に書籍中心の店なら、それほど若い感性は必要ではなかったのかも
しれません。
しかし、雑誌を中心に、コミックやゲームが登場したり、
タレントさんやテレビの影響が大きくなったりするようになりますと、
時代に着いていくのが難しくなります。

 ・・・

ということで、今回はこのへんで。

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本誌では、「私の読書論-<町の本屋>論(10)『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』(飯田一史)より 思いつくあれこれ」と題して、今回も全文転載紹介です。

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2026.4.15
【編集後記】私の読書論-<町の本屋>論(10)思いつくあれこれ-楽しい読書409号

 

 

 ・・・

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