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2026.03.22

【最新号】私の読書論-著作権エージェント-楽しい読書407号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号】

 

2026(令和8)年3月15日号(vol.19 no.5/No.407)
「私の読書論-著作権エージェントについて考えてみた」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2026(令和8)年3月15日号(vol.19 no.5/No.407)
「私の読書論-著作権エージェントについて考えてみた」
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 今回は、何を書くべきかと悩んだあげく、これです。

 「著作権エージェント」というのは、
 外国の作家さんに関する話によく出てきます。
 
 たとえば作家と出版社や映画会社などとの間で、
 作品の著作権について作家にかわって交渉する代理人のことですね。

 昨今では、プロ野球の世界でも、アメリカの大リーグに移籍する際、
 代理人という職業の人物が登場します。
 選手にとってよりよい条件を球団と交渉している、
 ああいう人みたいなものですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 「著作権エージェント」という仕事 ◆

 私の読書論

  ~ 著作権契約交渉の代理人 ~ 
 
  「著作権エージェント」が日本の作家にも必要だよね!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●「著作権エージェント」

ネットで調べますと「著作権エージェント」というのは、
「リテラリー・エージェント(Literary Agent)」
というのだそうです。

日本では海外の作家の著作を翻訳する際に、
その橋渡し役としての役割が多いようです。

翻訳作品をよく読むのですが、書名の次のページぐらいに「翻訳権所有」
といった文字が印刷されていたりします。
その翻訳権を取得するための橋渡し役となっている会社があります。
それが、日本でよく知られているところでしょうか。

しかし海外では作家さんがこのエージェントと契約して、
作品を売り込んでもらうという形なんですね。

作品を売り込むというのは、やっぱり難しいものだと思うのです。
それをかわって交渉してくれるわけで、これは心強い味方でしょう。

大きな存在になると思います。

作家さんというのは、言葉の遣い手ではあるでしょうけれど、
営業といいますか交渉となりますと、これはまた別物でしょう。

作品を作るのは得意でも、いざ売り込むというのは、
なかなか難しいものです。

筆者も本を出している友人に依頼して、
出版社の人に企画書を見てもらったことがあります。
実際に商業出版となりますと、なかなか大変です。

エージェントがいれば、という気もしましたが、
まずはエージェントの人に自分を売り込むこと自体が
大変かも知れません……。

 

 ●契約社会の欧米ではあたりまえに契約している

ネットで「著作権エージェント」を調べてみますと、
海外の出版物を翻訳する際の翻訳権に関する仕事が、
一番に紹介されています。

従来は海外の作家の作品を日本に紹介する際の翻訳出版に関連しての
業務に携わる人、もしくは会社でした。
昨今では、日本の著作を海外に紹介することも多くなっており、
そういう業務も取り扱うようになって来たようです。

近年増えてきていますところのこの日本の作家の作品を海外に売り込む
業務においてもこういう人たちが関与しているのでしょう。

ところが、日本の作家ではこういった「著作権エージェント」と
契約しているという話をあまり聞きませんので、
ネットの情報でも翻訳に関したものが主流になっているようです。

しかし、海外では作家自身がある程度名前が売れてくれば、
たいていこの手のエージェントと契約するのは当然のことのようです。

作家という人物はたいていこういう交渉ごとや経済的な実務などには、
無知だったり無頓着だったりする人が多いのでしょう。
欧米は契約社会ですので、どうしてもこういう職業の専門家が必要に
なってくるようです。

 

 ●アンソニー・ホロヴィッツ『メインテーマは殺人』

アンソニー・ホロヴィッツという作家さんの『メインテーマは殺人』
という作品があります。

『メインテーマは殺人』アンソニー・ホロヴィッツ/著 山田 蘭/訳
創元推理文庫 2019/9/28
(Amazonで見る)

2019-the-ward-is-murder2017

260315-le

 

現代イギリスのミステリ界にあって、
近年、本格推理もの作品で人気作家となっている人物です。

この作品は、「作家ホロヴィッツ」自身が
「元刑事で今は警察の顧問となって働いているホーソーン」という
探偵役の人物と組んで実際に捜査し解決した事件を本にする、
という設定の物語です。

作家が探偵とともに行動して、その探偵の語り手となって、
探偵した事実をもとにして事件の解決までのいきさつを本にする、
というのです。

「15 ヒルダとの昼食」の章で、著作権エージェントついての、
あれこれが書かれています。
章題の「ヒルダ」というのが「作家ホロヴィッツ」さんが契約している
「著作権エージェント」さんの名前です。
この章で著作権エージェントについて教えてくれます。
少し長くなりますが、引用してみましょう。

 

 《作家と著作権エージェントとは、奇妙な間柄にある。わたし自身、
  きちんと理解できているかどうか、いまだに自信がない。まず基本と
  して、エージェントは作家にとって必要な存在だ。契約や取引、請求
  などの手続きにおいて――それどころか、実務や常識にかかわる
  全般についても――作家というものは、悲しくなるくらい無能なの
  だから。エージェントは利益の十パーセントと引き替えに、こうした
  手続きをすべて代行してくれる。売れっ子作家になるまでは、それは
  ごく妥当な料金にすぎないし――いったん売れっ子になってしまえ
  ば、手数料がふくれあがろうとけちけちする必要もない。
  エージェントのしてくれることは、それがほぼすべてといっていい
  だろう。実際に仕事をとってきてくれるわけではない。前渡し金の
  額を交渉によって引きあげてくれたとしても、おそらくは
  エージェント自身が受けとる額のほうがはるかに多いだろう。》

 

《エージェントは作家にとって必要な存在だ》といいます。
確かに交渉ごとというのは、結構時間を取られる作業でしょう。
作家さんはそういう下世話なことには関わりたくない、といいますか、
それよりも創作自体に時間をさきたいというのが本音でしょう。
実際には、経済的な問題は大きな問題なのですが、
そればっかりにかかわっているのは、気が滅入る部分もありましょう。

《実際に仕事をとってきてくれるわけではない》というのは、
ちょっと意外といいますか、そうなんだ、と思いました。
新規のオファーを取ってきてはくれないということなんでしょうか。
既存の作品を他社や他のジャンルに売り込みするのは、
ありなんでしょうね。

 

 ●作家とエージェントとの関係

次の段落では、エージェントとの人間的な関係について語っています。

 

 《エージェントはけっして作家の友人というわけではない――あるい
  は、おそろしく気が多く、ほかの何十人もの顧客にも、同じように
  いい顔をしたがる友人というところだろうか。(略)エージェントは
  そんなことより、新しい作品の執筆がどれくらい進んでいるかという
  ほうに、はるかに大きな関心を抱いているのだ。ひとつのことしか
  頭にない人種ともいえ、その興味の対象は、英国の本の売上を調査
  しているニールセンのチャートと完全に一致している。わたしの本が
  出版されて一週間が経つと、ヒルダは必ず電話をかけてきて、
  わたしが嫌がると知っていながら、売上の順位を教えてくれるのだ。
  「売上がすべてじゃないんだ」と、いつもわたしは答える。これこそ
  が、わたしとヒルダの立ち位置のちがいということなのだろう。》

 

《けっして作家の友人というわけではない》とか、興味の対象は
本の売上調査のチャートと一致しているとか、経済的な問題だけ。
まあ、それが仕事といえば仕事なのですから、致し方ないともいえます。

しかし作家としては「売上がすべてじゃないんだ」というのも、
本音でしょう。
特に、ベストセラー作家ではない場合には。

それでも、そのあとの段落では、

 

 《言っておくが、ヒルダの抱えている作家の顔ぶれを見れば、わたし
  より大物はぞろぞろいる。だが、自分がいちばんの大物だと思わせて
  くれるところが、ヒルダの才能というものなのだろう。》

 

と。
きっと嬉しくなってしまうのでしょうね。
作家をその気にさせてしまうところが、ヒルダさんの腕なのでしょう。

エージェントの持つべき才能のひとつといえそうです。

 

 ●日本でも「著作権エージェント」が活躍する場が生まれてきた

はっきりしたことは知りませんが、毎年ノーベル文学賞の候補として
メディアで取り上げられる村上春樹さんには、
エージェントのような存在があるとか。
海外で評判が良いというのも、
そういう存在を確保しているのも大きいのではないでしょうか。

先ほども書きましたように、近年、日本人作家の作品が海外で文学賞の
候補になったり、実際に受賞したりしています。
今までのように、谷崎潤一郎や川端康成、三島由紀夫といった
純文学系の作家だけでなく、エンタメ系の作家も多くなっています。

これも海外に翻訳紹介する人たちがいての結果でしょう。
現時点では、日本の出版社関係の人や作家の海外のファンが、
仲立ちとなっているようです。

これからは、もっと本格的に「著作権エージェント」が活躍するように
なる余地が生まれるのではないでしょうか。

文学好き小説好きだけれど、自分で書くのはどうも、という文系・芸術家
タイプではない、理系で交渉など対人関係に自信のあるタイプの人に
とって、新たなる職業の選択肢として「著作権エージェント」というもの
もあり、かも知れません。

 

 ●「著作権エージェント」として自分の夢を実現する

やっぱり情報が少ないので、適当に書いてしまったところがあります。
今回は小説や文学の出版関係のお話をしましたが、
漫画の世界などでは海外進出もかなり早くから浸透しています。

まだまだその作家さんのファンであったり、出版社の関係者であったり、
といった人たちがこの「著作権エージェント」として活躍しているのが、
現状のようです。

ある作家のファンで、もっと多くの人に知ってほしいとか、
こういう作品があるよ、と広く世界に紹介したいと考える人など、
それぞれ、ご自分の思いを実現できる場でもある、と思います。

「著作権エージェント」は、作家にとっても大きな存在であり、
プラスになる人財です。

これからは、もっと色々なジャンルから「著作権エージェント」となる
人が誕生する可能性があると思います。

こういう仕事にもどんどんチャレンジしてほしいものです。

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2026.3.15
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