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2025.12.27

【最新号】楽器における左利きの世界(36)左手のフルーティスト(後)-週刊ヒッキイ第700号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【最新号】

第700号(Vol.21 no.23/No.700) 2025/12/20
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(36)
<左利きの人の本>新規発見本紹介~左手のフルーティスト(後編)」

 

☆彡

お詫び!

またしても配信予約漏れでした。
今改めて配信します。
今年最終号だったのですが、残念なことにまたミスです。
先走りに次号次号と原稿書きに追われてときどきミスします。

来年こそは、こういうことのないように、と。
m(__)m

ついでに、来年もよろしく!

レフティやすお

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第700号(Vol.21 no.23/No.700) 2025/12/20
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(36)
<左利きの人の本>新規発見本紹介~左手のフルーティスト(後編)」
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 ついに700号到達です!
 正直始めたときはここまで続くとは思っていませんでした。
 でも来てしまいましたね。 (^0^)笑い
 で、今回は、前号の続きです。
 創刊700号突破記念号は来年のあたまに!

 

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  ★ 左手があるじゃないか ★

 <左利きの人の本>新規発見本紹介

  『左手のフルーティスト』畠中 秀幸 音楽之友社

  <左利き者の証言・左手のフルーティスト編(後編)>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●左利きの人を紹介する本(2)『左手のフルーティスト』

建築家でフルート奏者として活躍中の畠中さんが、脳出血に倒れ右半身
不随となり、左手で演奏できる特別な木管フルートを特注で作ってもらい
「左手のフルーティスト」として演奏家を再スタートした、という物語。

 

『左手のフルーティスト』畠中 秀幸/著 音楽之友社 2024/3/25
(Amazonで見る) 

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 《2011年5月、音楽を愛し、将来を嘱望された建築家が脳出血に襲われ
  る。右半身の機能を失った彼は望みを捨てず、左手のみで動かせる
  木管フルートを特注し、ついに「左手のフルーティスト」として舞台
  に立つ。/TBS全国ネットでも紹介された「左手のフルーティスト」
  畠中秀幸の、病に倒れ、それを乗り越えるまでの数々の苦悩や喜びを
  描く。巻末に左手のピアニスト・舘野泉との特別対談を収録。》

著者について
 《建築家・音楽家。1969年広島県生まれ。9歳よりフルートを始め、
  中学3年より「個人コンクール北海道大会」で3年連続1位。1994年
  京都大学工学部建築学科大学院修士課程修了。2003年建築設計・
  音楽企画事務所「スタジオ・シンフォニカ」設立。2009年札幌市
  都市景観賞を当時史上最年少で受賞。2002年から12年間北海道工業
  大学非常勤講師。2009年北海道吹奏楽プロジェクトを設立、代表を
  務める。2011年に脳卒中を患い右半身の機能を失いながらも、建築家
  ・左手のフルーティスト・指揮者として活躍中。2019年札幌文化芸術
  劇場hitaruオープニングイベント音楽監督。2022年7月札幌コンサー
  トホールkitara、2023年2月札幌時計台ホールにて公演。2023年4月
  札幌G7環境大臣レセプションにて演奏。2022年一般社団法人「結び」
  理事長に就任。2024年3月初ソロCD「音の建築」をリリース。》

目次
I 運命の日 7
II フルートとの出会い 27
「最初の知らせを聴いたとき、『畠中は死なないよ』と思いました」
 北海道北広島高等学校教諭 笠原 禎さん 53
III 建築と向き合う 59
IV 建築のような音楽、音楽のような建築 73
V 左手のフルーティストとして 97「ひとりの人生がかかっているから、できませんとも言えません」
 山田フルート・ピッコロ工房 山田和幸さん 113

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VI 目指すべきもの 123
舘野泉&畠中秀幸 特別対談
「左手になって、自分たちの音楽は変わったのか?」133
あとがき~「さかいめ」をめぐる旅~ 145

 

 ●左手のフルーティストとして

前号では、IV章までの紹介でした。
今回はそのあとの、V章以降および対談からの紹介です。

 ・・・

指揮者として――

 《最初は右手で振ってみた。でも自分が思っているタイミングで手が
  振れない。脳から送られる指令の量が少ないので、どうしてもずれて
  しまう。結果的に左手だけで振るしかない。そうすると、左手だけで
  拍を出しながら同時に表現も付けていくことになる。これは結構面白
  かった。》p.98

見栄っ張りで、ステージに出て行くときも車椅子や杖を突くのは嫌で、
指揮も座ってではなく、立って行いたかった。
それが、リハビリのモチベーションになっていた、と。

さらに、独立10周年を記念して、「ここまで元気になりましたよ」
という意味で、左手一本でフルートを吹いてみることに。

 《左手一本だけで出る音、G-Dur(ト長調)の曲だったらなんとか
  吹けるので、「ふるさと」を選んだ。編曲もして、指揮をしながら
  一節だけ吹いた。》

余興のつもりだったが、その後も機会がある度に「ふるさと」を吹いた、
といいます。
そのころから、ピアニスト・作曲家のjaXon(ジャクソン)さんと出会い、
曲を作ってもらい、コンサートに呼ばれ、フルートを吹いた。
また、北海道吹奏楽プロジェクトの活動も増え、メインの編曲・指揮・
プロデュース以外にも、フルート演奏も。

その後、建築の仕事でトラブルが起き、精神を病んでしまった、と。
その時、引きこもりとなり、誰とも会いたくないなかで、フルートを
吹いていた。
建築はダメでも音楽があると、コンサートをすることに。

自分のフルートの音の足りない部分を妻のクラリネットで補い、
ピアノを頼んで。

その時に「山田フルート・ピッコロ工房」の山田和幸さんと出会い、
左手一本ですべての音が出るフルートを作ってもらうことに。

 《「Fis(嬰へ)とF(ヘ)のキーを付けてくれませんか」とお願い
  した。左手だとG(ト)までしか出ない。左手の小指でそうさして
  このふたつの音が出せれば、G-dur(ト長調)の曲が完璧に吹ける
  のだ。》p.107

 《「それをやることであなたの音楽性が戻ってくるのなら、いいで
  しょう、お手伝いしましょう」》pp.107-108

 

 ●世界でひとつだけのフルート

さすがに山田さんでも、すべての音を出すフルートは作れなかった。
そのとき、「実は右手の小指が少し動くんですけど」と伝え、わずかに
動く右手の小指の先にキーを付け、すべての音を出せるように。

 《このフルートで、僕は左手の小指で五つのキーを、右手の小指で
  ひとつのキーを触っている。右手の手のひらでフルートを支え、
  なおかつ小指でひとつのキーを触っているから、厳密には「左手の
  フルーティスト」ではないのかもしれない。/さらに言うと、最高音
  (上のハ)と最低音(下のハ)、そしてその上の音(嬰ハ)はあきら
  めた。全部の指を使わなくてはいけないので、物理的に無理なのだ。
  /それでも、曲がりなりにもすべての曲が演奏可能な「世界にひとつ
  だけのフルート」は二〇二一年秋に完成した。》p.109

こうして多くの人に支えられながら、コンサート活動を。
二〇二三年には、「左手のピアニスト」有馬圭亮(ありま・けいすけ)さん
とも。

 

 ●山田フルート・ピッコロ工房 山田和幸さん

「ひとりの人生がかかっているから、できませんとも言えません」山田
フルート・ピッコロ工房 山田和幸さん の言葉――

 《「世界に一本しかないフルートです。特許を取らないのかって? 
  そんなこと、必要ありません。やってみようという方がいれば、
  是非挑戦してみてください。ほかにも不自由さを抱えている人たちが
  いると思いますから」》p.119

 《「フルートはメロディー楽器なので、ひとつの音が魅力的な音色で、
  それが何小節か続けば、それだけでいいんです。彼の音は、いままで
  の集約というより、1ランクも2ランクも上がったような表現なん
  です。これからが本当に楽しみです」》pp.120-121

フルートはメロディ楽器なんですね、で、左手の役割が多い、という
楽器のようです。

ある意味では左利き向けの楽器という面もあるのかも知れません。

以前紹介しました、「フルートを吹く少年」の絵がありました。
あれは、我々左利きの楽器好きにとってのひとつの理想の姿だった? 
といってもいいのかも知れませんね。

 

*参照:
オランダの画家、ユディト・レイステル
(Judith Jans Leyster:1609ー1660)「フルートを吹く少年」

220602-2019128furuuto

 

フルートを吹く少年
2019-12-08 01:13:44
https://blog.goo.ne.jp/m-fluteangel16/e/34a22e4fe56a8adeb0b6cf2de2dbe8b6

 《この少年が吹いているフルートは一時期物議をかもしました。
  フルートの構えが左右逆であることで、
  反転しているのではないか?と言われたのです。

  現代のフルートはキーが複雑で右に構えるしかありません。

  この作品が作られた1630年頃はバロック時代。
  バロックフルートが発明されていました。

  四つに分かれて、金属キー
  がついています。

  それよりも古い時代
  ルネサンスのフルートトラヴェルソは

  こんな感じ 
  穴が空いているだけなので、左右どちらにも構えられます。
  この少年の吹いているのは、ルネサンスフルートに近いものでは?

  フルートは新しい楽器の発達ともに
  古いタイプの楽器は忘れさられた。
  というわけではなく、
  実際には国ごと、地域ごと、町ごとに横笛があり、
  現代でもそういう楽器が人の生活に根差して活躍しています。》

 

第620号(No.620) 2022/6/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(4)昔の楽器」
2022.6.4
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界
(4)昔の楽器-週刊ヒッキイ第620号

 

 ●目指すべきもの

 《昔は上手な演奏を聴きたいと思っていた。/最近はそう思わない。
  上手とか下手とか全然関係ないし、一生懸命音楽と向き合っている
  かどうかのほうが重要だ。中学生みたいにいまにも止まりそうな演奏
  でもいいと思うし、大人になるまで楽器を続けていれば必ずいいこと
  があるよと教えてあげるのが、大人としての義務だと思っている。/
  たとえ障がいを負っても楽器を続けたいと思うことは、子どもたちに
  とっても絶対プラスになるはずだ。》p.127

大人になってから楽器を始めたい、という大人もいるのです。
子供の頃は貧しくて、あるいはそのような環境になくて、楽器を手にする
機会がなかった人は大勢います。

筆者は上手いも下手もない、音楽が好きかどうか、だと思っています。

音楽が好きな人が気持ちよく音楽と取り組める、という環境を作るのが
大人の義務であり、第一の仕事だ、と思っています。

そのためにも、左利きの人が左利きのままで、自然な姿で楽器演奏が
できる世界になってゆくべきだ、と思っています。

 

 ●音楽は両手とか左手とかじゃなくて、もっと本質的なこと

舘野泉&畠中秀幸 特別対談
「左手になって、自分たちの音楽は変わったのか?」から――

251220-hidarite-hatakenaka-tateno

 《畠中 (略)肺活量が減っているので、ヴィブラートがかけられ
   ない。仕方なくヴィブラートを捨ててみると、音楽のシンプルな
   構成がわかるようになりました。/いまは、昔よりいい演奏だと
   言われることが多くなりました。自分でもそう思います。病気を
   していなかったら気づかなかったことです。
  舘野 専門家がよく言っています。左手だけだと表現が狭くなる。
   華麗ではなくなると。でも僕は一切感じたことがない。例を挙げ
   ます。病気になる前に、シサスクというエストニアの作曲家の
   「銀河巡礼」という曲を日本で初演しました。ウミヘビ座のうね
   うねした動きを両手のユニゾンでダダダーンと弾く、そういう
   音楽。それで、右手が使えなくなってから、二〇一二年に彼がその
   曲を左手用に編曲したんです。二本あった線が一本になった。そう
   したらシサスクが「一本のほうがいいな。二本だからいいってわけ
   じゃないんだ。迫力とか緊張感とか中身とか、全然違う」と言った
   んですよ。
  畠中 音楽は両手とか左手とかじゃなくて、もっと本質的なことなん
   ですね。》pp.137-138

音楽の本質は使う手がどうとかではなく、もっと根源的な何かがある
のではないでしょうか。

音楽は音を出すことが大事なわけで、どのように出すかは、
右手でとか左手でとかの問題ではない、ということでしょう。
当たり前のことと言えば当たり前のことなのですけれど。

右利きの人は、右利きで演奏しているのですから、
左利きの人は左手、左利きでいいじゃないか、筆者は思うのです。
どうでしょうか?

 

 ●世界に一本だけのフルート

  《舘野 ところで、僕は左手になって演奏できるのはピアノだけだと
    思っていました。管楽器は無理じゃないかと。だからフルートが
    吹けるというのは驚きました。
   畠中 左手一本で吹けるように、フルートを改造しました。それを
    作れる人が北海道にいたのです。(略)見てください。この木管
    フルート、世界に一本だけなんですよ。指使いはブラインド
    タッチ。僕の小指の長さに合わせて、キーの位置を少しずらして
    もらいました。/養護学校や障がい者施設で演奏すると、音楽を
    完全にあきらめていた人がもう一度楽器を出してみようと思った
    とか、澄んだ音色にとても勇気づけられましたなんているお話を
    いただいて……。》pp.138-139

 

 ●音楽は、命の軸

 《舘野 僕はあまり感じないなあ。ただ負担と言っても、左手で弾く
   ためにはそれは当然ついてくるもの。当たり前というか、自分で
   解決していけばいいことですよ。/音楽とは生きているという
   こと。命の軸です。毎朝起きて、ピアノの前に座って、音が出ると
   パッと花が咲く。それを毎日、繰り返しているだけなんです。
  畠中 舘野さんのそんな姿を見て、僕らがどれだけ勇気づけられて
  いることか。僕は病気の前は他人の声がとても気になるタイプで、
  評価されたいといつも感じていました。でも病気を経験したことで
  自分の音も変わり、いまは単純に楽器を吹きたいとだけ思っていま
  す。》p.140-141

 

《音楽とは生きているということ。命の軸です。》という言葉が
ビンビンときますね。
人にとって音楽というものは、他の芸術より、
もっと身近な存在なのではないか、と思います。

本能的な何かがあるような気がします。

それだけに、左利きの人の自然なスタイルで演奏できる楽器の存在が
大切なのだ、と思うのです。

 

《毎朝起きて、ピアノの前に座って、音が出るとパッと花が咲く。
 それを毎日、繰り返しているだけなんです。》

こんな生活を送ってみたい気がします。

 

 ●自分でこれは正しいんだ、と思ったことをやれ

 《舘野 アドバイスなんてとんでもない。人がなんと言おうが、自分
   でこれは正しいんだと思ったことをやっていければ最高ではない
   ですか。だからこれは孤独な世界。絶対にね。自分で切り開いて
   いかなくちゃいけないものです。》p.142

これって、まあ、何ごとにも通じることですよね。

人は皆それぞれ異なる部分があるので、人の意見など気にせずに、
自分の在り方、自分の思うまま、自分の自然な生き方でやっていく、
自分を信じて生きていくしかないのでしょう。

そう思います。

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(36)<左利きの人の本>新規発見本紹介~左手のフルーティスト(後編)」と題して、【最新号】版ブログは本誌全文転載紹介です。

「別冊 編集後記」は、【編集後記】版で↓

2025.12.20
【別冊 編集後記】楽器における左利きの世界(36)左手のフルーティスト(後)-週刊ヒッキイ第700号

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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