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2025.11.30

【編集後記】クリスマス・ストーリーをあなたに(15)-2025-ホック<怪盗ニック>3話-楽しい読書第400号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【編集後記】

2025(令和7)年11月30日号(vol.18 no.20/No.400)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(15)-2025-
エドワード・D・ホック<怪盗ニック>クリスマス・ストーリー3話」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年11月30日号(vol.18 no.20/No.400)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(15)-2025-
エドワード・D・ホック<怪盗ニック>クリスマス・ストーリー3話」
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 記念すべき400号となりました。
 記念号とするべきところですが、季節柄、例年通りということで……。 

 今年も、はやクリスマス・ストーリーの紹介の季節となりました。

 昨年の<クリスマス・ストーリーをあなたに>は、アメリカの
 ミステリ系の短篇小説作家デイモン・ラニアンの作品を紹介しました。

 今年は、正真正銘のアメリカの短篇ミステリ作家の巨匠、
 エドワード・D・ホックの人気キャラクターの一人、
 価値のないものしか盗まない、というユニークな<怪盗ニック>の
 クリスマス・ストーリーを3話まとめて紹介しましょう。

 

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-クリスマス・ストーリーをあなたに (15)- 2025

  ~ 愛あるプレゼントの物語 ~

  エドワード・D・ホック<怪盗ニック>シリーズから
   クリスマス・ストーリー3話 木村二郎/訳

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 ●過去の ~クリスマス・ストーリーをあなたに~

 ●エドワード・D・ホック<怪盗ニック>シリーズから3話

『怪盗ニック全仕事5』エドワード・D・ホック 木村二郎/訳
創元推理文庫 2018/3/22
(Amazonで見る)

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 ●「クリスマス・ストッキングを盗め」
 ●「サンタの付けひげを盗め」
 ●「錆びた金属の栞を盗め」

 

*参考:<怪盗ニック>の短編集

(創元推理文庫)版

『怪盗ニック全仕事(1)』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
2014/11/28
《「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとしないもの」だけを依頼され
 て盗む異色の怪盗ニック・ヴェルヴェット。その全短編を発表順に集成
 する日本オリジナル短編集第1弾。》
(Amazonで見る)

『怪盗ニック全仕事(2)』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
2015/8/29
《ニック自身が盗まれたり、何も盗まないことを依頼されたりの異色編
 まで15の活躍が楽しめる日本オリジナル短編集。短編ミステリの巨匠
 ホックが産み出したユニークな怪盗の全短編集成第2弾。》
(Amazonで見る)

『怪盗ニック全仕事(3)』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
2016/6/22
《ニックが日本を訪れる「駐日アメリカ大使の電話機を盗め」はじめ、文庫
版全集第3弾は本邦初訳4編、単著初収録6編を含む全14編。》
(Amazonで見る)

『怪盗ニック全仕事(4)』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
2017/4/21
《ライバル女怪盗サンドラ・パリス初登場編を含む、文庫版全集第四弾
 は本邦初訳6編、単著初収録5編を含む全15編を収録。》
(Amazonで見る)

『怪盗ニック全仕事(6)』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
2019/1/21
《さらば、怪盗ニック。「価値のないもの」だけを盗み続けた愛すべき
 泥棒の活躍もこれで見納め! 文庫版全集完結!
 1966年の初登場以来、40年以上にわたり「価値のないもの、誰も盗もう
 とは思わないもの」を盗み続けてきた怪盗ニック・ヴェルヴェット。
 ついに迎えた最終巻は、奇妙な品物を意外な方法と思わぬ理由により
 盗み出す通常営業の短編から、恋人グロリアとの出会いや〈白の女王〉
 サンドラ・パリスとの共演などファン必読のエピソードまで、本邦初訳
 8編を含む全14編を収録。唯一無二の大泥棒の活躍を残らず収めた文庫
 版全集、堂々の完結!》
(Amazonで見る)

 

(ハヤカワ・ミステリ文庫)版

『怪盗ニック登場』エドワード・D・ホック/著 小鷹 信光/編
木村 二郎/訳 2003/5/1
――日本独自編集の<怪盗ニック>短篇集第一弾だった<ハヤカワ・
 ミステリ>版の文庫化。
(Amazonで見る)

『怪盗ニックを盗め』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
2003/8/1
――日本独自編集の<怪盗ニック>短篇集第二弾の<ハヤカワ・
 ミステリ>版の文庫化。
(Amazonで見る)

『怪盗ニックの事件簿』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
2003/11/26
――日本独自編集の<怪盗ニック>短篇集第三弾の<ハヤカワ・
 ミステリ>版の文庫化。
(Amazonで見る)

『怪盗ニック対女怪盗サンドラ』エドワード・D・ホック/著
木村 二郎/訳 2004/7/15
――<怪盗ニック>のハヤカワ・ミステリ文庫版短篇集第4弾は、
 タイトル通り、怪盗ニックと女怪盗サンドラ・パリスの共演編の短篇を
 集めた、文庫オリジナル作品集。
(Amazonで見る)

 

(ハヤカワ・ミステリ Hayakawa pocket mystery books)版

『怪盗ニック登場』エドワード・D・ホック/著 小鷹 信光/編
木村 二郎/訳 昭和51年2月29日
――<怪盗ニック>の日本独自編集短編集の第一弾。
(Amazonで見る)

『怪盗ニック登場』エドワード・D・ホック/著 小鷹 信光/編
木村 二郎/訳 1998/8/1
(Amazonで見る)

『怪盗ニックを盗め』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
1979/12/1
――<怪盗ニック>の日本独自編集短編集の第二弾。
(Amazonで見る)

『怪盗ニックの事件簿』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
1983/3/1
――<怪盗ニック>の日本独自編集短編集の第三弾。
(Amazonで見る)

 

『ホックと13人の仲間たち』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
1978/1/1
――ホックの日本独自編集の<怪盗ニック>を含む、シリーズ・
キャラクター13人を集めた短編集。
(Amazonで見る)

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(画像:エドワード・D・ホックの人気<探偵>キャラクターのひとり、<怪盗ニック>の日本独自編集短編集のうち、筆者の所蔵本――
(創元推理文庫)版『怪盗ニック全仕事1』『怪盗ニック全仕事6』、(ハヤカワ・ミステリ)版『怪盗ニックを盗め』『怪盗ニックの事件簿』『ホックと13人の仲間たち』と、『怪盗ニック全仕事5』(図書館本))

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本誌では、「クリスマス・ストーリーをあなたに~(15)-2025- エドワード・D・ホック<怪盗ニック>クリスマス・ストーリー3話」と題して、短篇ミステリのクリスマス・ストーリー三話の紹介です。
今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

 ・・・

記念すべき400号でしたが、11月末は恒例の<クリスマス・ストーリーをあなたに>の号となりますので、記念号は次号で!

クリスマス・ストーリーも、毎年、何を選ぶか悩むのですが、今年は昨年の今頃に出版された
『聖夜の嘘』("When Christmas Comes" アンドリュー・クラヴァン/著 羽田 詩津子/訳 ハヤカワ・ミステリ 2024/11/7
《MWA賞受賞作家のアンドリュー・クラヴァンが贈る、心温まるクリスマス・ミステリ》出版社の紹介文から))
(Amazonで見る)

を紹介するつもりでした。
実際に紹介するとなりますと、結末にふれることを避けられないという感じで、謎解きもののミステリの場合は、非常に難しくなります。

結末が○○なので、紹介したいのですが、そうはいきません。
残念です。

代わりに、おなじ謎解きものなのですが、短篇ですし、ポイントは外すようにしていますので「まあ、いいか」という感じです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

 

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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2025.11.22

【最新号】ヒッキイ楽読[コラボ]第8回(後)<左利きミステリ>新規発見作-楽しい読書第399号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書
(まぐまぐ!)

【最新号】

2025(令和7)年11月15日号(vol.18 no.19/No.399)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)
<左利きミステリ>新規発見作<海外編><国内編>紹介」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年11月15日号(vol.18 no.19/No.399)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)
<左利きミステリ>新規発見作<海外編><国内編>紹介」
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第698号(Vol.21 no.21/No.698) 2025/11/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(前編)
<左利きの人の本>新規発見本紹介 <左利き者の証言・刀工編>」
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*「前編」も見てね! 「前編」はこちらで↓
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(9:40 配信)
登録はこちら

または、
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』 のサイドバーから!

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 今回も三月以来の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 この8回目は、(前半)では、左利きの刀工の本を紹介しました。
 (後編)では、新規に発見した<左利きミステリ>を紹介します。

 

 3月のコラボ――

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第682号

 

2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号

 

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  ★ 週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画 ★

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
 (後編)<左利きミステリ>新規発見作紹介

 <海外編><国内編>

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 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
(前編)<左利きの人の本>新規発見本紹介

  『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』
  <左利き者の証言・刀工編>

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 ●<左利きミステリ>

<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<海外編><国内編>の新規発見作を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

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*(新たに表示記号の追加・変更があります)

 1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 (フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編 
 エミール・ガボリオ:作者名 
 [シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
 ・特記事項
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
 [傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
 [参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表

 (探):左利きの探偵/探偵役
 (被):左利きの被害者
 (犯):左利きの犯人
 (容):左利きの容疑者
 (他):左利きのその他の事件関係者
 (脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
    ([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)

 

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

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<左利きミステリ>:<海外編><国内編>新規発見作紹介

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(新たに見つけた<左利きミステリ>)<海外編>
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まずは、<左利きミステリ>の<海外編>の新規発見作の紹介です。

 

 ●「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・フィーリンクス

(1863) (イギリス)「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・
フィーリクス (容)
<左利きの容疑者・証拠品の落ちていた場所>
――ウィルキー・コリンズ『月長石』に先立つ、最初の英国推理小説だ
 (ジュリアン・シモンズ『ブラッディ・マーダー』1972)とされる、
 短い長編。
The Notting Hill Mystery 『ワンス・ア・ウィーク』(週刊誌)1862年
11月~1863年8月(8回連載)
・『英国古典推理小説集』佐々木徹/編訳 岩波文庫 2023/4/14
(Amazonで見る)

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《看護婦も召使も、氏は左利きなので、夫人にスプーンで食べ物を与える
 ためにいつもベッドの左側に行った、と口を揃えて言いました。右手は
 不器用だったそうです。右利きの人間が左手ではスプーンをうまく扱え
 ないのと同じです。》p.451

 

 

 ●「運命の銃弾」ジョン・ディクスン・カー

1923 (アメリカ)「運命の銃弾」ジョン・ディクスン・カー
 加賀山卓朗/訳 (容) [外] 
The Marked Bullet 『ヒル・レコード』誌1923年3-4月号
<右手がない重要容疑者>
――密室の協商と呼ばれた著者が17歳の書いたときに書いた作品、自身が
 編集長を務めた雑誌に掲載、密室もの+記述トリック。
・『ミステリマガジン』2024年11月号(no.767) 早川書房 2024/9/25 
<特集:世界のジョン・ディクスン・カー>掲載
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《「その人物は銃を使ったあと、手でグリップをこすって、残っていた
 かもしれない指紋を消した。(略)だが」(略)「引き金のことを
 忘れていた。(略)犯人の右手の人差し指の指紋を半分残していたん
 ですよ、(略)」/(略)「殺したわけがない。あなたの言う状況で
 そんなことはできないからです」彼は少しためらってから、ごくゆっ
 くりとマントをめくった。「ぼくは――右手がないんです。シャトー
 =ティエリの戦いで失いました……」》p.18

 

 

 ●「フルートと短機関銃のための組曲」フレドリック・ブラウン

1942 (アメリカ)「フルートと短機関銃のための組曲」フレドリック・
ブラウン 越前敏弥/訳 [外]
Suite for Flute and Tommy Gun shoshtu 
初出:Street & Smith's Detective Story, 1942年6月
<左手フルートでアリバイ作り>
――左手だけで演奏できるフルートの曲を作曲した犯人、左手にフルート
 (左手だけで吹ける音がいくつかある)、右手に短機関銃。
・『死の10パーセント フレドリック・ブラウン短編傑作選』フレドリック・
ブラウン 小森収/編 創元推理文庫 2023/9/28
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 《「ただ、ふつうのフルートでも、左手だけで吹ける音がいくつか
  あるんですよ。それもずいぶんたくさん。第一オクターブのGから
  第二オクターブのCまで、それにいちばん上のオクターブでは
  ほとんどの音が片手で出せます。/(略)殺人は計画しただけで
  なく、そのために曲を作ったんですよ。やつの書いた組曲のほとんど
  が、片手で演奏できる高さに設定されています。(略)われわれを
  アリバイとして利用するつもりだったんです。(略)」》p.221

「編者解説」小森収
 《(略)「フルート……」は、日本の大家の有名な作品に類似の
  アイデアがあります。(略)》p.439

 

 

 ●「メビウス荘の奇妙な事件」林星晴

(c)2020 (中国)「メビウス荘の奇妙な事件」林星晴 阿井幸作/訳 (犯)
(被) [外] SF
2023年(一般文芸誌『海燕』にSF扱いで掲載、各年の優れたミステリ
短篇を集成するアンソロジー『中国縣疑推理小説精選』2023年版採録)
<メビウスの輪状の空中建造物における、左右反転人間の事件>
――メビウスの輪(帯)を活用した左右反転させた人間のSFミステリ。
・『ミステリマガジン』2024年7月号(no.765) 早川書房 2024/5/24
[華文ミステリ招待席]第15回
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 《(略)氏は一台のスノーバイクの左側に寄り、片足スタンドを足で
  上げると、バイクを我々の前まで推して説明してくれた。》p.292

 《(略)氏はほぼ何の力を込めずにスノーバイクを倉庫横に戻し、
  右側のスタンドを下ろしてから我々に向き直った。》p.295

 《まず、犯人のトリックを理解する前に、メビウスの帯とは何かを
  説明しなければならないな」》p.308

 《分かるかい? メビウスの帯そのものが逆さまになるから、二次元の
  ロバもメビウスの帯を一周すると逆さまになるのさ」》p.310

 

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(新たに見つけた<左利きミステリ>)<国内編>
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次に、<左利きミステリ>の新規発見作<国内編>の紹介です。

 

 

 ●「左利き」郡順士(こおり じゅんし)

1982 「左利き」郡順士 [参] 時代小説
初出:『小説宝石』昭和57(1982)年6月号
<時代小説、士道小説 士道における左利きの扱いを描く>
――武家を継ぐため、左利きを必死で直し、役に就くが、あるとき、
 緊張のあまり思わず、刀を利き手の側の左に置いてしまうミスを犯す
 (刀を左側に置くと、右手ですぐに抜くことができるので、害意のない
 証として右側に置くのが武士の作法)。用人に事情を訴え、奉行への
 執成しをお願いすると、非礼は非礼として糺した上、許しを得る。
 昔の習慣といえば、それまでですが、伝統的な諸文化に関して左利きと
 利き手の問題を考える上で、重要な作品の一つではないでしょうか。
・『介錯人――士道小説集』青樹社 昭和61年12月10日初版 1986/11/1
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・『代表作時代小説 昭和58年度』日本文藝家協会/編 東京文藝社
 1983.6
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 《十五郎には、もっと底深い不安があった。/それは彼が、生来の左
  利き、いわゆるぎっちょであったことである。/家督を相続して
  一年有余、懸命の努力の結果、いまはもう他人には解らぬほど矯正
  されている。日常生活もほとんど右利き、つまり普通人と変わらぬ
  動作、振る舞いですごしている。/が、それでも、もしもひょっと
  無意識に顔を出すのではないか、と不安がよぎり、ひどい緊張を覚え
  ているのである。/元来武家では、左利きであったら、すでにそれ
  だけで武士にはなれぬとされていた。/第一に両刀が差せない。
  まさか右腰に差すわけにはゆかぬし、無理して左腰に帯びても、
  いざという時に役に立たぬ。またあらゆる作法、礼式、日常動作が、
  すべて右利き本位であるから、時には非礼をおかすことになる。それ
  と武家一般に、左利きを、薄気味悪い外道の人間と、忌み嫌う風習が
  古来よりあった。》p.76

 《十五郎は用人の前へ身を投げだすように両手をつくと、声をしぼっ
  て、自分が生来の左利きであり、直すため努力し、ほとんど直った
  はずだったが、今日の大事に緊張の余りつい錯覚をおかしてしまっ
  た。何卒このむねをお奉行に申し上げ、御理解をたまわれるよう
  お執成しをお願いしたい、と縷々とうったえ懇願した。/両手を膝に
  黙々と聞いていた用人は、/「左様でございましたか。さりながら
  永年の折角のご努力ご精進を、この一時の錯誤にて無になさるのも
  まことにお気の毒千万。何とおおせられるかわかりませぬが、早速に
  奉行にお執成し致してみましょう」/小皺の多い目尻に深い同情を
  ただよわせながら頷くと、静かに立って行った。》p.91

 

 ●「左きき」今江祥智

1978(1979) 「左きき」今江祥智 [参] 童話
初出:1978年『赤旗日曜版』掲載
<右利きと左利きの双子兄弟の入れ替わりのいたずらと両親との物語>
――親が子供の利き手を知らない、という状況が実際にあるのか、よく
 わかりませんが、利き手の問題が現代ではそういう無関心でも許される
 時代になったのでしょうか。お話の上、と考えておきたいものです。
・『やっぱり友だち』今江 祥智/著 長 新太/絵 筑摩書房 1979/9/1
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・『今江祥智の本 第12巻 童話集一』今江 祥智/著 理論社 1980/3/1
(Amazonで見る)

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 《ふたりにも、むろん、ちがいはあった。/じつは、マサトは右きき
  だったが、マコトは左ききなのだ。マサトは犬ずきだったが、
  マコトはねこずきだった。/そいつを、ふたりは、申しあわせて、
  うまくかくしていた。右ききのマサトは左がうまく使えないが、
  これはあたりまえのこととして、だれも気づかない。左ききの
  マコトは、右もかなりうまく使えるものだから、ふだんは右を使う
  ようにしていた。》p.96

 《参観日、母さんは妙なことに気がついた。ここはたしかにマサトの
  クラスで、いまは算数の時間だ。ところがマサトは左手に鉛筆を
  にぎって、さらさらさらさら、黒板に書かれた問題を写している。/
  母さんはそっと教室をでて、マコトのクラスへいってみた。マコトが
  右手に鉛筆をにぎって短文を書いている。まさか――と思ったが、
  よく見ると、それはまちがいなくマサトの顔だった。とすると、
  さっきのは……。/母さんは青くなった。》pp.100-101

 

 ●「第五話 殺人鬼・左利きの遣い手」佐藤雅美

2007(2008)「第五話 殺人鬼・左利きの遣い手」佐藤雅美 (犯) (容)
 [岡っ引き半次]
初出:『IN POCKET』2007年11月号(講談社)
<左利きの犯人? 左利きの容疑者>
――岡っ引きの半次の捕物帖シリーズの一編。逆の袈裟懸けで斬られた
 被害者。そんな殺しが相次いで、連続殺人事件に。
・『天才絵師と幻の生首 半次捕物控』佐藤雅美 講談社 2008/11/13 
(Amazonで見る)

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 《「袈裟懸けはふつう左肩から右脇の下までで、この袈裟懸けは逆で
  す。下手人は左利きなのかもしれませんねえ」/「左利きか。そいつ
  は気がつかなかった」/左腰に刀を差しているが、いざ勝負となった
  とき、左利きに刀を持ち替える者がたまにだがいる。》pp.156-157

 《「刀は左の腰に差す。右の腰に差す者はいない。(略)多少なりとも
  修業を積んだやつは、箸の遣い方とおなじように、左利きでも右利き
  になおされる。実をいうと、おれも左利きだが子供のころに右利きに
  なおされた」》p.168

 《右利きだって、場合によっては左から振りおろすこともあろうし、
  必ずしも左利きということにはならない。おなじ男とはいえないん
  じゃないか》p.165

 ・・・

以上、新規発見作の紹介でした。

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)<左利きミステリ>新規発見作紹介」と題して、今回は全紹介です。

左利きの人に関わるミステリ、<左利きミステリ>の新規発見作として、イギリスでの最初のミステリといわれる作品や、<密室ミステリ>の巨匠カーの若かりし頃の作品や、華文ミステリといった<海外編>「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・フィーリンクス、「運命の銃弾」ジョン・ディクスン・カー、「フルートと短機関銃のための組曲」フレドリック・ブラウン、「メビウス荘の奇妙な事件」林星晴。
童話や一般の時代小説などの参考作も含めた<国内編>「左利き」郡順士(こおり じゅんし)、「左きき」今江祥智、「第五話 殺人鬼・左利きの遣い手」佐藤雅美、という全7編の紹介でした。

<左利きミステリ>の年表もどんどん充実して生きています。
とは言え、ブラウンの「フルートと短機関銃のための組曲」に関して、解説で日本の大家に有名な作品があるそうで、国内ものはあまり読んでいないので、どういう作品か不明です。
ご存知の方は、ご教授いただければ幸いです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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【最新号】ヒッキイ楽読[コラボ]第8回(前)<左利きの人の本>新規発見本-週刊ヒッキイ第698号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!) 

【最新号】


第698号(Vol.21 no.21/No.698) 2025/11/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(前編)
<左利きの人の本>新規発見本紹介 <左利き者の証言・刀工編>」

 

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第698号(Vol.21 no.21/No.698) 2025/11/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(前編)
<左利きの人の本>新規発見本紹介 <左利き者の証言・刀工編>」
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2025(令和7)年11月15日号(vol.18 no.19/No.399)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)
<左利きミステリ>新規発見作紹介」
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 今回も三月以来の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 この8回目は、(前半)では、左利きの刀工の本を紹介します。
 (後編)では、新規に発見した<左利きミステリ>を紹介します。

 

 3月のコラボ――

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第682号

2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号

 

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  ★ 週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
(前編)<左利きの人の本>新規発見本紹介

  『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』

  <左利き者の証言・刀工編>

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 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
 (後編)<左利きミステリ>新規発見作紹介

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 ●左利きの人を紹介する本(1)『刀に生きる』

(前編)は、左利きの人を紹介する本から、
左利きの刀工の宮入小左衛門行平さんについての本です。

<左利き者の証言・刀工編>というところです。

 ・・・

『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』塩野米松
(聞き書き)角川書店 2016/10/22

(Amazonで見る) 

251115-katana-ni-ikiru

 

 《聞き書きの名手が描き出す、いま日本刀に生きる職人たちの姿。/
  高倉健が愛した刀工・宮入小左衛門行平。左利きというハンデを克服
  し、人間国宝の父の跡を継いで刀工として生きる彼と、第一線の刀職
  者たちへの10年以上に及ぶ取材から、現代の刀作りにおける「美」
  「哲学」「技」を描く。/日本刀剣界の第一人者が集った、日本刀の
  魅力が詰まった一冊。》

取り上げられている人達は、六つの職人さんたち

 刀工・宮入小左衛門行平 研ぎ師・本阿弥光洲(人間国宝)
 鞘師・高山一之 塗師・川之辺朝章 白銀師・宮島宏
 柄巻師・岡部久男

  (※正しくは、本阿弥の弥、川之辺の辺は旧字体、
    高山の高は「はしごだか」の漢字を使用)

第一部は、刀工の宮入さん、後半の第二部がその他の刀職人さんたち。

今回、筆者が取り上げるのは、第一部の左利きの刀工・
宮入小左衛門行平(みやいり こざえもん ゆきひら)さんです。

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 ●『刀に生きる』から、宮入小左衛門行平さん

宮入小左衛門行平さんは、人間国宝(重要無形文化財保持者)の
宮入行平の次男で、父の後を継いで刀鍛冶になった人です。
俳優の高倉健さんが信頼する職人さんで、友人知人に贈る日本刀は、
みなこの人の作だった、といいます。

(目次)
第一章 生い立ち
第二章 修業時代
第三章 刀とは
第四章 刀を作る
第五章 高倉健さんと刀工

 ・・・

宮入さんは、昭和32(1957)年8月26日、長野県坂城(さかぎ)生まれ。
先にも書きましたように、刀工の次男、五人兄弟の四番目(本名 恵けい)。
当時、父親は人間国宝に認定される前で、敗戦後のため、刀を作れる
状況ではなく、鉈や農具を作っていたそうですが、
家には多くのお弟子さんがいた、という環境でした。
15歳の時に母親と死に別れた。
兄弟は、一番上が兄、それから姉が二人、そして妹。
父は10歳上の兄に期待していたようですが、父の偉大さに
押しつぶされたのか、継ぐのを断念。
父親は、後継者はあきらめていたようだといいます。
一つは左利きだったこともあるのかも知れません。

 

 ●左利きについて

 《刀鍛冶は左利きではできないので直すのに、僕は苦労しましたが、
  左利きなのは彫金をやっている姉もそうです。左利きは器用だ
  といいますが、僕はそれほど器用とは思っていません。
  姉も特別器用というわけじゃないです。》p.17

宮入さんは、家系(遺伝性)としての左利きのようですね。

 《父も母も子どもの頃は僕の左利きを直そうとはしなかったです。/
  僕が刀鍛冶を継ぐとはおもってなかったからですね。兄に継がせよう
  と思っていたんじゃないですか。》p.17

刀鍛冶を職業として意識したのは、高校を卒業する直前、といいます。
ものを作ったり絵を描いたりするのが、《嫌いじゃなかった》。
絵でコンクールに入賞したり、上手い方だった、と。

すでに人間国宝となっていた父のそばで、子供の頃から刀には日常的に
ふれていたし、手が足りないときには、炭切りとか鞴を吹く手伝いを
やらされていたこともあったそうです。

 《なぜか炭切りは右手でやらされましたね。左利きなのに右で
  やるんですから、しょっちゅう指を切っていました。今思えば、
  父は、僕に刀鍛冶をやらせるつもりがあったのかもしれません。
  わざわざ炭切りを右でやらされたんですから。その時は、なんにも
  思いませんでした。それか、左利きの弟子たちもみんな厳しく
  直されていましたから、僕にもそうさせたのか。なぜだったのか、
  わかりません。》pp.17-18

そんな門前の小僧でした。
兄が跡を継ぐのを断念したとき、父はまだ元気だったから、
もしかしたら僕を継がせるのに間に合うかなくらいには思っていたの
かもしれない、と。
そして、20歳の時に父が亡くなります。

第一章の後半は、刀鍛冶だったお祖父さんとお父さんのお話です。
お二人とも時代のせいで作刀できなくなりました――お祖父さんは
明治維新による廃刀令で、お父さんは軍刀などを作っていたのが敗戦で。
そういう時期を乗り越えて、お父さんは刀鍛冶として人間国宝に。

 

 ●修業時代

第二章は、修業時代のお話です。
高校時代は、のびのびと地元の高校でハンドバールでインターハイ出場。
スポーツといい先生に出会えた、といいます。

高校卒業後は、家を離れ、距離を置いてみたいと思っていたそうで、
ハンドボールの監督の紹介してくれた北海道の牧場へ。
一年半ののち、刀鍛冶になろうと決心。
父はまだ元気で、お弟子さんがいるなか、自分にやらせようとするのを
嫌がり、よそで修業すると言うと、父の独立したお弟子さんの一人で、
小学生のときに住み込んでいて、兄弟のように育った、藤安将平
(ふじやすまさひら)さんのもとへ。

父の弟子のなかでも「宮入の三羽がらす」と呼ばれていた、上林恒平
(かんばやしつねひら)、河内國平(かわちくにひら)と藤安さん。
当時の若手では抜きん出ていた人。
昭和52(1977)年9月に弟子入り。その11月に父が倒れ、
心臓でぽっくり……。家を継ぐことに決まります。

藤安さんの元で修業を続けます。他に弟子はおらず、藤安さんと二人。
勉強する機会がいっぱいあった。刀剣博物館にも行き、勉強会にも。
また、藤安さんは仕事以外にも余暇を大切にする人で、楽しい生活だった
そうです。

 

 ●左利きを直す

 《ただ、僕は左利きだったもんで手鎚で叩くのはまるで下手だった。/
  鍛冶場の作業の配置が全部右利き用にできているので、それに慣れ
  なきゃいけないでしょ。/鞴(ふいご)を左で吹いて、箸で挟んだ鉄を
  右に回して、持ち替えて、金敷(かなしき)(刀床)に載せたらぱっと
  こう叩けるようにできてるんです。逆だと動作が倍くらいかかっちゃ
  うんです。/(略)職人の仕事って無駄があっちゃダメなんです。/
  初めは、そんなことは訓練すればなんとかなると思ってました。
  もっと大変なこといっぱいあるんだろうなって。実際、左利きを直す
  のは大変でした。/一所懸命直しましたが、今でも完全には直って
  いません。まだっていうか、たぶんこれで一生いくんでしょう。
  今でも火造りやってると右の腕がパンパンに張ります。だから、自分
  では火造りなんかはあまり上手いとは思わないです。》p.34

今どきなら、自分流に置き換えるなんて方法を考える人も出てくるのかも
知れません。しかし、当時は作業場の配置を根本的に変えるというのは、
ちょっと難しい注文だったのでしょう。

 

 《藤安さんのところではご飯も右で食べていましたが、今は箸は左に
  なっちゃいました。無理やり直したことへの反動かもしれません。
  父がいたら、許さなかったでしょうね。字は右で書きます。》p.34

昭和32年生まれですから、私より3歳年下になりますが、
職人さんの世界では、当時はまだそういうものだったのでしょう。

左利きでの良いこともあると――

 《左利きでいいこともあるんです。銘は、僕は左で切るんです。
  鏨(たがね)で切るんですが、右利きだと自分の切った線が見えない
  んです。左利きは見える。》p.34

文字は、特に漢字は、左上から右下へ、各々の画を綴って行くわけです
から、右手に鏨を持ち左手の鎚で打つ左利きの方法は、先の打った画を
視界に入れながら次の画を打てるわけです。
それに対して、右利きの場合は、左手に鏨を持ち右手の鎚で打つわけで、
前に打った部分が鏨で隠れてしまうのですね。

 

利き手の性質は簡単には変わらないという証として、

 《今でも、ちょっと微妙な作業は左じゃないと無理です。最後の茎
  (なかご)の手鑢(てやすり)も左やるし、先手も左じゃなきゃダメ。
  できません。力の加減が難しいんです。/先手が3人も並んで、一人
  だけ左利きだと、ぶつかることがあるんです。向こう鎚は、親方が
  叩く手鎚の調子に合わせて、指示されたところを正確に打たなくては
  ならないんです。藤安さんのところに行ったときはいきなり向こう鎚
  やらされました。一応できたんですが、それでもやっぱり、変なとこ
  に当たったり、角が入ったりしました。それは危険なことなんです。
  思いっきり思い鎚を振るんですから。》p.36

細かい作業、巧みさを必要とする作業を行うことは、やはり利き手が一番
ということなんでしょう。これはどなたも理解できると思います。

左利きの人の苦労――不利の克服という山を越えることが、
その人の力を伸ばすことにつながったのでしょうけれど、
本当のことを言えば、その人の自然な姿で実力を伸ばしていけることが、
ベストだろうと思うのです。

しかし、社会の状況というものは、個人の力だけでは変えていくことは
非常に難しいもので、どうにもできないことが多いものです。
それゆえに、限られた環境のなかで鍛えられる部分があるのでしょう。

 《父のお弟子さんのなかにも左利きがいましたけど、みんな苦労して
  直していました。父のお弟子さんの三羽がらすと言われたうちの
  二人、上林さんも河内さんも左利きでした。みんな素晴らしい作品を
  作っています。不利を克服するというのも試練ですから。》p.36

 

 ●刀工としての理想形をめざす

修業から5年、文化庁の許可を得て、昭和57年に美術刀剣類製作承認、
翌58年に新作名刀展に初出品で努力賞を得て、家に戻り、父の遺した
鍛刀道場の再興を始めます。
刀工としての理想形をめざし、刀作りには正解はないという考えで、いろ
いろなものから学ぼうと、作刀の合間にも海外を放浪し、様々な芸術作品
を見てまわったり、南北朝や鎌倉時代の刀を再現するとか、新素材の鉄で
作るとか、アニメ『エヴァンゲリオン』に登場する刀を作るなど。

 《僕はけっして上手くないし、左利きだし、弟子の頃は藤安さんの
  仕事を毎日見てると自信なくすんです。》

現代は刀を使う時代ではなく、芸術性や精神性を求められる。
作品の完成度は、仕事の上手さだけではない、完成形が頭の中にあれば、
何度でも試みることができる、と。

 

 ●現場作業での左利きのポイント

「第四章 刀を作る」からは、実際の現場での作業における左利きなら
では、のポイントを見ておきましょう。

火の温度の調節をために加減する鞴(ふいご)の位置は、横座の左。

 《鍛冶屋ならみなこの位置です。左利きでも右利きでも同じ。基本は
  鍛冶場は右利きようにできていますから、僕らのような左利きは
  右利きに修正させられたんです。》p.68

火造りでできたものを、鑢(やすり)と銑(せん)を使って表面を調えます。

 《片手鑢は僕の場合、左手でやります。微妙な調整が必要なところは
  やっぱり右じゃダメです。》p.96

刀の焼き入れのとき、焼きの入りをよくするために、土置きという作業を
する際も(写真で見ますと)、左手でやっているようです。

刀身を柄に差し込む部分の、茎(なかご)に化粧鑢をかけるときも、

 《これも僕は左手じゃないとできないですね。左利きだから人と鑢目が
  逆なんです。これが僕の特徴となるわけです。》p.109

 《銘を切ると完成です。銘は墨で下書きして鏨(たがね)で切ります。
  僕はこれも左手です。おかげで切った跡を見ながら作業できます。/
  銘の切り方や深さ、鏨の使い形、切り口。みんな鑑賞の対象です。
  刀工の人間性が見えますからね。銘を切ったら刀工の仕事はおしまい
  です。》p.112

 

 ●利き手の特性を活かせる現場へ

以上で左利きの刀工・宮入さんの作業は終了です。

ご自身の言葉にもありますように、《微妙な調整が必要なところ》は、
利き手でないと難しいようです。

昔から基本的に鍛冶屋さんは、「左利きは直された」そうです。

大正生まれの筆者の父親も、小学生時代から鍛冶屋に丁稚奉公して、
一人前の職人になった人でした。
それゆえ、日曜大工も得意でしたが、金槌や鋸など工具類を使うのは
すべて右手でした(字や箸はもちろん右でした)。
亡くなる前年、左側頭部の脳挫傷で右半身不随になったとき、「自分は
左利きだ」と告白するまで、筆者の左利きのルーツを知らずにいました。

従来は、このように職人さんの利き手を無視した作業現場でした。

しかしこれからは、左利き職人さんの増加(左利きのまま育つ人が増加)
や、作業現場における技術革新(設備機器が進化する)により、
それぞれの職人さんの利き手という特性に応じた、道具や機器類の配置と
いう作業現場の変革の可能性がある、と思われます。

左利きに対応した現場が実現することで、作品の質の向上や、そもそもの
職人さんのなり手の増加も期待できるのではないでしょうか。

 

*参照:
現代刀匠 宮入小左衛門行平(長野県)/ホームメイト - 刀剣ワールド

刀工 宮入小左衛門行平 氏 - わいがや倶楽部

全日本刀匠会 会長宮入小左衛門行平 - リーダーナビ 100

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)<左利きミステリ>新規発見作紹介」と題して、今回は全紹介です。

久しぶりに<左利き者の証言・刀工編>ということになります。

<左利き者の証言>は、左利きの先人たちの利き手の違いでの苦労話を中心に、「ハンディズム(利き手差別)はアカン!」と訴えるための基礎資料として、今までいくつか紹介してきました。
左利きで知られる有名人のエッセイを繙きながら、左利きゆえに苦労した話、左利きが原因と思われる様々な差別、左利きゆえに生じる? 性格の違いや特徴など、左右盲(右と左が分からなくなる/右と左を取り違える、言い間違う)などの一種の病気? に関する話題などを取り上げてきました。

*参照:
第513号(No.513) 2018/3/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~ 左利き先輩たちの足跡(1)」
2018.3.13
左利き者の証言から~髙橋幸絵枝『こころの匙加減』-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第513号

今回は、日本刀作りという伝統的な工芸品の作業現場における、左利きの人の難しい点や有利な点という製作苦労話でした。

ここでもやはり、《微妙な作業は左じゃないと無理》という言葉が出てきます。
これが、利き手の特性の一つだ、ということがハッキリします。

昭和32(1957)年生まれということで、私より3歳年下になります。
職人さんの家に生まれたけれど、当初は左利きのままで育ったということです。
その後、後を継ぐことになる時点から、本人も意識的に右に変えるようになられたようです。

手作業の伝統的な世界、特に鍛冶屋の世界では、まだまだ左利きは肩身の狭い状況にあるようです。
しかしこれからは、まだ違った展開がなるのでは、と筆者は期待しています。

 ・・・

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2025.11.15

【編集後記】ヒッキイ楽読[コラボ]第8回(後)<左利きミステリ>新規発見作-楽しい読書第399号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

2025(令和7)年11月15日号(vol.18 no.19/No.399)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)
<左利きミステリ>新規発見作<海外編><国内編>紹介」

 

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2025(令和7)年11月15日号(vol.18 no.19/No.399)
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<左利きミステリ>新規発見作<海外編><国内編>紹介」
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第698号(Vol.21 no.21/No.698) 2025/11/15
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 今回も三月以来の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 この8回目は、(前半)では、左利きの刀工の本を紹介しました。
 (後編)では、新規に発見した<左利きミステリ>を紹介します。

 

 3月のコラボ――

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第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
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<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」

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2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第682号 

 

2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号 

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  ★ 週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画 ★

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
 (後編)<左利きミステリ>新規発見作紹介

 <海外編><国内編>

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 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
(前編)<左利きの人の本>新規発見本紹介

  『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』
  <左利き者の証言・刀工編>

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 ●<左利きミステリ>

<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<海外編><国内編>の新規発見作を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

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*(新たに表示記号の追加・変更があります)

 1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 (フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編 
 エミール・ガボリオ:作者名 
 [シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
 ・特記事項
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
 [傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
 [参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
------------------------------------------------------------------

<左利きミステリ>の登場人物・分類表

 (探):左利きの探偵/探偵役
 (被):左利きの被害者
 (犯):左利きの犯人
 (容):左利きの容疑者
 (他):左利きのその他の事件関係者
 (脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
    ([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)

 

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>:<海外編><国内編>新規発見作紹介

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
(新たに見つけた<左利きミステリ>)<海外編>
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

 

まずは、<左利きミステリ>の<海外編>の新規発見作の紹介です。

 

 ●「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・フィーリンクス
(1863) (イギリス)「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・
フィーリクス (容)
・『英国古典推理小説集』佐々木徹/編訳 岩波文庫 2023/4/14
(Amazonで見る)

251115-eikoku-koten-suiri

 

 ●「運命の銃弾」ジョン・ディクスン・カー
1923 (アメリカ)「運命の銃弾」ジョン・ディクスン・カー
 加賀山卓朗/訳 (容) [外]
・『ミステリマガジン』2024年11月号(no.767) 早川書房 2024/9/25
<特集:世界のジョン・ディクスン・カー>掲載
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 ●「フルートと短機関銃のための組曲」フレドリック・ブラウン
1942 (アメリカ)「フルートと短機関銃のための組曲」フレドリック・
ブラウン 越前敏弥/訳 [外]
・『死の10パーセント フレドリック・ブラウン短編傑作選』フレドリック・
ブラウン 小森収/編 創元推理文庫 2023/9/28
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 ●「メビウス荘の奇妙な事件」林星晴
(c)2020 (中国)「メビウス荘の奇妙な事件」林星晴 阿井幸作/訳 (犯)
(被) [外] SF・『ミステリマガジン』2024年7月号(no.765) 早川書房 2024/5/24
[華文ミステリ招待席]第15回
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(新たに見つけた<左利きミステリ>)<国内編>
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次に、<左利きミステリ>の新規発見作<国内編>の紹介です。

 

 ●「左利き」郡順士(こおり じゅんし)
1982(1986) 「左利き」郡順士 [参] 時代小説
・『介錯人――士道小説集』青樹社 昭和61年12月10日初版 1986/11/1
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 ●「左きき」今江祥智
1978(1979) 「左きき」今江祥智 [参] 童話
・『今江祥智の本 第12巻 童話集一』今江 祥智/著 理論社 1980/3/1
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 ●「第五話 殺人鬼・左利きの遣い手」佐藤雅美
2007(2008)「第五話 殺人鬼・左利きの遣い手」佐藤雅美 (犯) (容)
 [岡っ引き半次]
・『天才絵師と幻の生首 半次捕物控』佐藤雅美 講談社 2008/11/13
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 ・・・

以上、新規発見作の紹介でした。

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)<左利きミステリ>新規発見作紹介」と題して、今回は本文の見出しのみの紹介です。

左利きの人に関わるミステリ、<左利きミステリ>の新規発見作として、イギリスでの最初のミステリといわれる作品や、<密室ミステリ>の巨匠カーの若かりし頃の作品や、華文ミステリといった<海外編>「ノッティング・ヒルの謎」チャールズ・フィーリンクス、「運命の銃弾」ジョン・ディクスン・カー、「フルートと短機関銃のための組曲」フレドリック・ブラウン、「メビウス荘の奇妙な事件」林星晴。
童話や一般の時代小説などの参考作も含めた<国内編>「左利き」郡順士(こおり じゅんし)、「左きき」今江祥智、「第五話 殺人鬼・左利きの遣い手」佐藤雅美、という全7編の紹介でした。

詳細は、本誌で! 

<左利きミステリ>の年表もどんどん充実してきています。
とは言え、ブラウンの「フルートと短機関銃のための組曲」に関して、解説で日本の大家に有名な作品があるそうで、国内ものはあまり読んでいないので、どういう作品か不明です。
ご存知の方は、ご教授いただければ幸いです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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【編集後記】ヒッキイ楽読[コラボ]第8回(前)<左利きの人の本>新規発見本-週刊ヒッキイ第698号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】


第698号(Vol.21 no.21/No.698) 2025/11/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(前編)
<左利きの人の本>新規発見本紹介 <左利き者の証言・刀工編>」

 

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  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第698号(Vol.21 no.21/No.698) 2025/11/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(前編)
<左利きの人の本>新規発見本紹介 <左利き者の証言・刀工編>」
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2025(令和7)年11月15日号(vol.18 no.19/No.399)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)
<左利きミステリ>新規発見作<海外編><国内編>紹介」
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*「後編」も見てね! 「後編」はこちらで↓
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』(12:00 配信)
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または、
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のサイドバーから!

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 今回は、三月以来の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 この8回目は、(前半)では、左利きの刀工の本を紹介します。
 (後編)では、新規に発見した<左利きミステリ>を紹介します。

 

 3月のコラボ――

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第682号

 

2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」

【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.15
[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号

 

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  ★ 週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
(前編)<左利きの人の本>新規発見本紹介

  『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』

  <左利き者の証言・刀工編>

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 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
 (後編)<左利きミステリ>新規発見作<海外編><国内編>紹介

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 ●左利きの人を紹介する本(1)『刀に生きる』

『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』塩野米松
(聞き書き)角川書店 2016/10/22
(Amazonで見る)

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 ●『刀に生きる』から、宮入小左衛門行平さん
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 ●左利きについて
 ●修業時代
 ●左利きを直す
 ●刀工としての理想形をめざす
 ●現場作業での左利きのポイント
 ●利き手の特性を活かせる現場へ

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:第8回(後編)<左利きミステリ>新規発見作紹介」と題して、今回は見出しのみの紹介です。

(*注:今号から、メルマガの本文は、一週間後にこのブログで別途全文公開します。)

久しぶりに<左利き者の証言・刀工編>ということになります。

<左利き者の証言>は、左利きの先人たちの利き手の違いでの苦労話を中心に、「ハンディズム(利き手差別)はアカン!」と訴えるための基礎資料として、今までいくつか紹介してきました。
左利きで知られる有名人のエッセイを繙きながら、左利きゆえに苦労した話、左利きが原因と思われる様々な差別、左利きゆえに生じる? 性格の違いや特徴など、左右盲(右と左が分からなくなる/右と左を取り違える、言い間違う)などの一種の病気? に関する話題などを取り上げてきました。

*参照:
第513号(No.513) 2018/3/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~ 左利き先輩たちの足跡(1)」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2018.3.13
左利き者の証言から~髙橋幸枝『こころの匙加減』-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第513号

 

今回は、日本刀作りという伝統的な工芸品の作業現場における、左利きの人の難しい点や有利な点という製作苦労話でした。

ここでもやはり、《微妙な作業は左じゃないと無理》という言葉が出てきます。
これが、利き手の特性の一つだ、ということがハッキリします。

昭和32(1957)年生まれということで、私より3歳年下になります。
職人さんの家に生まれたけれど、当初は左利きのままで育ったということです。
その後、後を継ぐことになる時点から、本人も意識的に右に変えるようになられたようです。

手作業の伝統的な世界、特に鍛冶屋の世界では、まだまだ左利きは肩身の狭い状況にあるようです。
しかしこれからは、まだ違った展開がなるのでは、と筆者は期待しています。

 ・・・

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2025.11.01

楽器における左利きの世界(34)まつのじんさんのご意見(3)ウォーミングアップ-週刊ヒッキイ第697号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)

【別冊 編集後記】

第697号(Vol.21 no.20/No.697) 2025/11/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(34)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(3)ウォーミングアップ」

 

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第697号(Vol.21 no.20/No.697) 2025/11/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(34)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(3)ウォーミングアップ」
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 8月以来の「楽器における左利きの世界(34)左利きの
 ヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんのご意見から考える」の
 三回目です。

第691号(Vol.21 no.12/No.691) 2025/8/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(33)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
ご意見から考える(2)右手と左手・他」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.8.2
週刊ヒッキイ第697号-
楽器における左利きの世界(34)まつのじんさんのご意見(3)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/08/post-d94232.html

 

 過去6回に渡ってご紹介しました、
 左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんの
 左利きに関するサイト、エッセイ集の左利きに関する文章をヒントに、
 私なりに左利きにおける楽器の演奏について考えてみよう、
 という企画です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

  左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの
   ご意見から考える(3)ウォーミングアップ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 ●まつのじん(松野仁)さんの左利きエッセイ

まつのじん(松野仁)さんの本とサイトの左利きエッセイは下のとおり

著作:
『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅
 未來社 1992/1/1
(Amazonで見る)

a.「II マイ・プライベート・ライフ」<涙のひだりきき>

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第676号(Vol.20 no.21/No.676) 2024/12/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(27)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(2)」
【最新号・告知】『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)
レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.07
週刊ヒッキイ第676号-告知-楽器における左利きの世界(27)まつのじん(2)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-55f0a7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b193894c6d7a3499fa16569f8282e7a

サイト:
 まつのじんのエッセイ&書評 Essays(Japanese)
b.「ゴーシュからの左右考」2019年7月27日
http://mjin.m1001.coreserver.jp/2019/07/27/%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e5%b7%a6%e5%8f%b3%e8%80%83/

2019727matunojin-website

第674号(Vol.20 no.19/No.674) 2024/11/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(26)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(1)」
【最新号・告知】『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)
レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.02
週刊ヒッキイ第674号-告知-楽器における左利きの世界(26)まつのじん(1)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-9afc9f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c61c87eab970c035e076d6c9e5e0876d

c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
(2019年8月13日)
http://mjin.m1001.coreserver.jp/%e3%83%92%e3%83%80%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88/

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 ●左(手)利きならでは! の動作

今回は、c.「左ききは、アカン!? WHO is LEFTY■(?の倒立像)」
から、主に「左利きヴァイオリニストあるある」についてのご意見を
みてみましょう。

第681号(Vol.21 no.4/No.681) 2025/3/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(29)
左利きのヴァイオリニストまつのじん(4)」
『左利きライフ研究家(元本屋の兄ちゃん)レフティやすおのお茶でっせ』
2025.3.1
週刊ヒッキイ第681号-告知-楽器における左利きの世界(29)まつのじん(4)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html

↑でも書いていますが、
基本的には、左手が利き手の左利きの人が、無理をして、
右手を右利きの人と同じように使って演奏することから来る、
違和感といいますか、不都合な部分が表に出ている状態を指している、
と考えられます。

私に想像できる範囲でしかお話しできませんが、
【演奏編】におけるまつのさんの「左利きアルアル」(1)~(31)

 《●左(手)利き弓弦楽器演奏者の「このような体験ありませんか?
 弓を右手にもつ「苦労」も満載ですが、左(手)利きならでは!!の
 動作もあります。》

は、ほぼ皆それに尽きるように感じられます。

上記メルマガでも筆者が書きましたように、

《左利きゆえに、利き手ではない右手に持った弓を
 繊細・微妙に動かすことは難しい》

という現実です。

 

 ●<ウォーミングアップ>が必要な左利き演奏家

次に「HOW TO PLAY for LEFTY VIOLINIST」のパートです。

例えば、弓の動きに関する項目――

冒頭、<突撃する弓>という段落で、
(1)(2)(3)について説明されています。

 《右(手)利きの方にとっては、どうして雑音が発生したり、
  演奏途中に右手の持つ位置が変わったりするのだろう》

という疑問に、

 《「着地点がわからないままジャンプしてしまったような感覚」》

と説明されています。
弓の長さの感覚が認識できていないのだ、と。

次の<ウォーミングアップ>では、
右利きの人には不要なウォーミングアップが必要だ、と。

これはよく左利きの人が右利き用の道具(例えば、一眼カメラのような)
を使うときに言う台詞「慣れればいっしょ」という言葉を連想させます。

筆者に言わせれば、右利きの人は、右利きの用の道具を使うとき、
そのような「慣れる」ための「ウォーミングアップ」は不要なのです。

それは自分の「身体に合っている」からです。

筆者が、初めて左手用のカメラ「京セラSAMURAI(サムライ)Z2-L」を
手にしたときのことを思い出します。


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その時、今までどのようなカメラを手にしたときも感じることの
できなかった「フィット感」を抱きました。
今初めて手にしたのに、もうずっと昔から使ってきたような手応えが
ありました。

新しいカメラで写真を撮るというのに、まったくの違和感なく、
手に、身体に馴染んだ状態で取ることができました。
まさに「自分のために作られたカメラだ」と実感したものでした。

「左利きの人は左利き用の道具を!」という思いを抱かせた体験でした。
左利き活動を始めるきっかけになったのは、当然のことと思えます。

それに対して、身体に合っていない道具を使う、
右弾きの左利きヴァイオリニストの場合は、
右利き用の楽器に「慣れる」ための「ウォーミングアップ」が欠かせない
ということになります。

以下まつのさんの「企業秘密」が明かされます。

例えば、

 《右手が把握(認識)できる距離感を手と脳で感じ取りながら、少しずつ
  距離を増し、弓先まで手元が認識できるよう広げてゆきます。》

とか。
そして、いよいよ、

 《仕上げのウォーミングアップ〈左(手)利き編〉の時》

が来たといいます。

 《うまくゆくと、音の出発点から〈左(手)利きコントロール〉の
  「見せ場」&「聴かせどころ」となるでしょう。》

 

 ●<自分の指なのに…>

ここで、指使いのうまい右利きの演奏家をみると、

 《手と弓が一体化している印象を受けます。》

と。

 《指先の細やかな動きが求められる楽器演奏は、
  脳と指先の関係が重要です。》

脳と指の関係、さらに、手と弓の関係についても語っておられます。

自分の指なのに、思うように動かせない、という不思議。
だからこそ、ウォーミングアップが必要なのだ、ということでしょう。

 

 ●<右手は今どこにいるのだろう…>

手(指)と空間の認識のようすを知るために、
眼を閉じて、両手の人差し指先を眼の高さで合わせてみましょう、
ぴったり合うといいですね、と。

 《どちらかというと利き手の指先の意識が高く、非利き手の指先を
  そこに近づけてゆくスタイルが多いのではないでしょうか。
  非利き手が空間をさまようことがよくあります。》

と。

 《ヴァイオリンやヴィオラ を演奏する時、音程を押さえる指や弓の
  当たるところを目視する余裕はありませんし、見たところで定まる
  というものではありません。むしろ見ない方が、
  直感力や空間の認識力が鍛えられます。》

と。

私たちは、利き手を中心に生活しているのだと思います。
利き手を意識しない人(主に右利きの人に多いようです)でも、
無意識の内に利き手を主体に使って、生活のすべてを規定している
ように思います。

一方、非利き手は、どちらかというと、見捨てられている、
あるいは、無視されていて、日常の用を満たす機会が与えられていない
ことが多いようです。

しかし、両手には、それぞれ役割があると言います。
利き手には利き手の、非利き手には非利き手の役割が。

知らず知らずに、使い分けしているのです。
右利きの人は右利きなりに。

左利きの人は左利きなりに、といいたいところですが、
左利きの人の場合は、ちょっと違ってくるようです。
それは、社会が右利き仕様になっていることが多いので、
左利き本来の姿としては、
ここで左手を利き手として使いたい場面であるのに、それができない。
そういう状況が生まれているのです。

まつのさんのヴァイオリンという楽器の場合もそうです。
本来は利き手ではない非利き手である右手を、
利き手のように使わなければいけない状況に追い込まれている。
一歩、利き手を非利き手のような使い方を余儀なくされている。

こういうケースは、楽器演奏だけではなく、
日常のありとあらゆるところで出くわしています。

筆者が問題とするのは、そういう部分です。

単なる不便で済むのなら、まだ良いのですが、
それが左利きの人の心、精神に及ぼす影響というものも、
かなりの部分あるのではないか、という気がしています。

 

 ●利き手は「心」を反映する

結論として、筆者は、当たり前と言えば、当たり前のことなのですが、

右利きの人たちと同じように、
「利き手で弓を持って演奏する」方が自然で、
左利きの人の場合は、左手に弓を持って弦を弾く、

そういう演奏スタイルこそが、自然だと思うのです。

演奏しようと思えば、利き手が先に動いてしまう、のですから。

「左利きの人は左弾きで!」

それが演奏に「心」を反映する一番の方法だ、と。
なぜなら筆者の持論、「利き手は心につながっているから」です。

無意識のうちに勝手に「心」を反映して動くのが、利き手。

「心」のままに意識的に動かそうとしないと、
意志的な動きができないのが、非利き手。

筆者はそのように理解しています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(34)左利きのヴァイオリニストまつのじん(松野迅)さんのご意見から考える(3)ウォーミングアップ」と題して、今回は全紹介です。

無理からに筆者の持論にもっていっているのでは? と思われるかもしれませんが、それはありません。
「利き手は心につながっている」というのは、利き手の偏りの強い人なら、誰でも感じるところではないか、と思っています。

利き手の要件として「好み」というのがあります(もう一つは「巧みさ」です)。

なにかのとき、ついつい出る手が利き手。
何かしら使ってしまうのが、利き手というものです。
眼の前にモノが飛んできたとき、身を守るべく、手を上げて払う時など。

本文でも書いていますが、左利きの人が右用の道具類を使う時に「慣れたらいっしょ」という、この「慣れ」といわれるのは、まつのさんのいう「ウォーミングアップ」のことだったのだ、と理解できました。
誰でもある程度のウォーミングアップは必要だと思われるかも知れませんが、身体のあった道具を使う時には、不要なのだと思います。
右利きの人たちはそういう風にかる~く生きているのですよ。

左利きなのに、右利き用を使うから、そういう余計な作業が必要になるのだ、と。
これは筆者の実感なのです。

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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおブログ【左利きライフ研究家:元本屋の兄ちゃん】』に転載しています。
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