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2025.07.31

<夏の文庫>フェア2025から(2)集英社文庫『存在の耐えられない軽さ』

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

2025(令和7)年7月31日号(vol.18 no.13/No.393)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2025から(2)集英社文庫・
『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ~一回限りの人生~」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年7月31日号(vol.18 no.13/No.393)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2025から(2)集英社文庫・
『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ~一回限りの人生~」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2025から――。

 今年も、一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介します。

 今年のテーマは、大阪関西万博の年ということで、
 「大阪」もしくは、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」
 ということで、大阪ものの小説や「いのち」に絡んだ作品に
 取り組んでみましょう。

 二本目は、集英社文庫から、一回限りの人生についての物語、
 ミラン・クンデラさんの作品『存在の耐えられない軽さ』を。

 

角川文庫夏フェア2025 | カドブン
https://kadobun.jp/special/natsu-fair/

ナツイチ2025 広くて深い、言葉の海へ| web 集英社文庫
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
よまにゃチャンネル - ナツイチ2025 | 集英社文庫
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/yomanyachannel/

新潮文庫の100冊 2025
https://100satsu.com/

2025-natubunko-sansha

 

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 ◆ 2025年テーマ:<大阪関西万博2025> ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2025から(2)

  ~一回限りの人生~

  集英社文庫―『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ

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●集英社文庫ナツイチ2025 広くて深い、言葉の海へ

ナツイチ2025
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

250731-2025shuuei

 

2025年テーマ
言葉は海にそっくりだ。
水平線のようにつづく世界。
深海より底のしれない一行。
ビーチみたいにしずかな時間。
とおくまで泳ぐのも、じっくり潜るのもいい。
さあ、よまにゃ。

 

(対象書目 86点)

すべてを書き写すスペースはもったいないので、
気になる作品、既読作品をピックアップしてみましょう。

・映像化する本 よまにゃ (5)
水滸伝 一 曙光の章 北方 謙三

・心ふるえる本 よまにゃ (21)
塞王の楯 〈上〉〈下〉今村 翔吾
チンギス紀 一 火眼 北方 謙三
幻夜 東野 圭吾
N 道尾 秀介

・手に汗にぎる本 よまにゃ (26)
帰去来 大沢 在昌
真夜中のマリオネット 知念 実希人
布武の果て 上田 秀人
ハヤブサ消防団 池井戸 潤

・心ときめく本 よまにゃ (11)
午前0時の忘れもの 赤川 次郎
愛じゃないならこれは何 斜線堂 有紀

・じっくり浸る本 よまにゃ (23)
地獄変 芥川 龍之介
存在の耐えられない軽さ ミラン・クンデラ
星の王子さま サンテグジュペリ
人間失格 太宰 治
こころ 夏目 漱石
うまれることば、しぬことば 酒井 順子

――以上、やっぱり古典といいますか名作と呼ばれるもの以外は、
ほとんど読んでいません。

 

 ●<じっくり浸る本 よまにゃ> から『存在の耐えられない軽さ』

『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ/ 千野 栄一/訳
集英社文庫 1998/11/20
(Amazonで見る)

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 《女たらしの外科医トマーシュと純朴なテレザは愛し合うが、
  「プラハの春」へのソ連軍事介入に運命を翻弄される。
  チェコの悲劇を背景にした純愛大河小説》

とあります。

今年のテーマから「いのち」をの本としてこれを取り上げてみました。
以前私は、文学の王道は恋愛小説ではないか、というお話をしたか、
と思います。
この本を選んだ理由の一つでもあります。

Amazonには、

 《苦悩する恋人たち。不思議な三角関係。
  男は、ひとりの男に特別な感情を抱いた。鮮烈でエロチック…。
  プラハの悲劇的政治状況下での男と女のかぎりない愛と転落を、
  美しく描きだす哲学的恋愛小説。

  フィリップ・カウフマン監督、主人公トマシュに
  ダニエル・デイ=ルイス、テレーザにジュリエット・ビノシュを迎え、
  1988年に映画公開された原作小説。》

とありました。

で、まずは全巻読み終えての感想です。
読み終えての結論的なものとも言えます。

 

 ●感動的なラスト

いきなり、結末までバラしてしまうのはどうかという気もしますが、
推理小説のようなエンタメ作品ではないので、
感動した部分を素直に書いてしまってもいいのではないか、と思います。

冒頭、ニーチェの永劫回帰という言葉が出てきます。
これは結構キツいぞ、と思いながら読み続けますと、
著者と思われる“私”が登場してあれこれとものをいいます。
これが哲学的な文章です。

最初は少し戸惑いましたが、とにかく最後まで読み切ってしまおう。
評価はそれから、ということで。

で、色々と難しい文章もありますが、最終的な着地点というのが、
主人公たち二人のカップルが、女性の飼い犬と二人と一匹で、
牧歌的な田舎で暮らし、土地の人ともお付き合いをします。

しかし、二人の愛犬カレーニンが癌におかされ、
日々衰えながらもけなげに生きていき、最後には安楽死――。

この二人と一匹の悲しいけれど、美しいラストが、感動的です。

それまでの難しい政治的な論理や人の心の愛情の問題や、
何やかやの展開もすべて流し去って、
美しい思い出だけが残るラストになっています。

 

 ●登場人物とストーリー

では、簡単にストーリーを紹介しましょう。

登場人物は、登場人物表にもありますように、主な登場人物は、
外科医のトマーシュ、その恋人のテレザ、
トマーシュの愛人のサビナ、サビナの愛人のフランツ、
フランツの前妻との息子シモン、そしてテレザの愛犬カレーニン。

次に、目次 です。

第I部 軽さと重さ
第II部 心と体
第III部 理解されなかったことば
第IV部 心と体
第V部 軽さと重さ
第VI部 大行進
第VII部 カレーニンの微笑

 

「第I部 軽さと重さ」は、プラハでのトマーシュとテレザの関係。
トマーシュは優秀な外科医で、女たらしで、
愛人を次々ととっかえひっかえしています。
一方で、テレザがいないと生きていけないというのです。

 《 トマーシュは、女と愛し合うのと、いっしょに眠るのとは、
  まったく違う二つの情熱であるばかりか、対立するとさえいえるもの
  だといっていた。愛というものは愛し合うことを望むのではなく
  (この望みは数えきれないほどの多数の女と関係する)、
  いっしょに眠ることを望むである(この望みはただ一人の女と関係する)。》p.22

ソ連がチェコに侵攻したのち、二人と一匹はチューリッヒへ移ります。

 《(略)かたつむりが自分の家を運ぶように、自分の生き方を運んで
  いると彼は幸福そうにつぶやいた。テレザとサビナは彼の生活の
  二つの極、遠く離れた極、和解しがたく、しかもともに美しい極を
  代表していた。》pp.39-40

しかし、この生活は長くは続きません。
テレザは、ソ連の侵攻に抵抗する人々の姿を写真に撮ったものを、
西側の新聞や雑誌に売り込みに行きますが、相手にされません。
テレザは、祖国への思いからプラハに帰ってしまいます。
当座、独り身の「軽さ」を覚えたトマーシュでした。
サビナと会うときも嘘の出張話を持ち出す必要もないのですから。
ところが、半年もするとテレザのいない生活には耐えられず、
彼もプラハに帰って行きます。

 

「第II部 心と体」は、テレザとトマーシュとの出会いと、
テレザのそれまでのお話。
トマーシュは二人の出会いには六つのありえない偶然があった、と。
テレザは、トマーシュの《一夫多妻生活の第二の自己になる》ことを
意識して、トマーシュの愛人であるサビナに接近し、カメラに撮ります。

 

「第III部 理解されなかったことば」は、サビナと愛人のフランツとの
関係です。
サビナにとって女であることは自分が選んだ運命ではなかったのです。
フランツにとっては妻マリー=クロードのなかの女を大事にしなければ
ならないと考えていました。

 《 人生のドラマというものはいつも重さというメタファーで表現
  できる。われわれはある人間が重荷を負わされたという。その人間は
  その重荷に耐えられずにその下敷きになるか、それと争い、
  敗(ま)けるか勝つかする。しかしいったい何がサビナに起こったので
  あろうか? 何も。(略)彼女のドラマは重さのドラマではなく、
  軽さのであった。サビナに落ちてきたのは重荷ではなく、存在の
  耐えられない軽さであった。》p.156

 

「第IV部 心と体」は、テレザとトマーシュの生活です。
テレザは、トマーシュの髪に女のデルタの臭いを嗅ぎとります。
バーで働くテレザはある時、男の誘いに乗り、浮気をします。
男の部屋でソフォクレースの『オイディプース』の翻訳本を見つけます。
テレザはトマーシュに復讐しようというわけではなかったのです。

 

「第V部 軽さと重さ」で、トマーシュは『オイディプース』にヒントを
得て書いた文章を週刊新聞に送ると、編集部から呼ばれ掲載されます。
ロシア人の軍隊による占領を招いた共産主義者たちは、公然と自分たちの
目を刺すべきだ、というトマーシュの意見に対して圧力をかけてきます。
しかし「あれ以上大事なものはありません」と拒否したトマーシュは、
外科医の職を奪われ、地位の低い地方病院の医者に、さらに窓掃除人に。
そこでも彼の名は知られていて、反体制派の人物が接触してきます。
そこにトマーシュの息子も。前妻は共産主義だが、息子は違いました。
サビナはプラハは嫌な町になったといい、トマーシュに田舎へ引っ越そう
と話します。彼にとってサビナは『饗宴』でいう片割れなのでしょうか? 

 《 トマーシュはプラトンの有名なシンポジオンという神話を思い出し
  た。人びとは最初、男女両性具有者であったが、神がそれを二等分
  したので、その半身はそれ以来世の中をさまよい、お互いを探し求め
  ている。愛とは我々自身の失われた半身への憧れである。》p.304

この後、アメリカへ移民したサビナの話や、政治的な話が出てきます。

 

 ●『存在の耐えられない軽さ』とは?

ストーリーを追うのはこのへんにして、私なりの感想を書いていこうか
と思います。

男女の愛と性をめぐるお話と、チェコの民主化を阻むソ連軍や
それに迎合する共産主義者によって、祖国を守ろうとする人々や
政治犯とされる人々が追い込まれていく政治的なお話が展開されます。

人間にとって大事なことは、男女の愛(と性)の生活なのか、政治的に
自由な生活なのか、<存在の耐えられない軽さ>とは何なのか。
正直なところ、よくわかりません。

「第VI部 大行進」で、

 《(略)テレザとトマーシュは重さの印の下で死んだ。彼女(引用者注
  ・サビナ)は軽さの印の下で死にたいのである。彼女は空気よりも
  軽くなる。これはパルメニデースによれば、否定的なものから
  肯定的なものへの変化である。》p.344

とあります。
確かに、トマーシュは発言を撤回させず、社会から抹殺されていきます。
トマーシュは銃殺され、最後にはテレザも死んでしまったようです。
それは思想的な理由で殺される重い死だったようですし、
それに比べれば、アメリカに逃れた? サビナの最期はまた違ったものに
できるのでしょう。

 

 ●「第VII部 カレーニンの微笑」

しかし、先にも書きましたように、
そのラストは非常に感動的なものでした。
その場面での存在のなかには、男女以外に愛犬がいました。

 《(略)カレーニンとテレザの愛は、彼女とトマーシュとの間のそれ
  よりもよいという考えである。よりよいのであって、より大きいと
  いうのではない。(略)》p.372

 《 犬への愛は無欲のものである。テレザはカレーニンに、何も要求
  しない。愛すらも求めない。私を愛している? 誰か私より好き
  だった? 私が彼を愛しているより、彼は私のことを好きかしら?
  というような二人の人間を苦しめる問いを発することはなかった。
  愛を測り、調べ、明らかにし、救うために発する問いはすべて、愛を
  急に終わらせるかもしれない。(略)》p.373

 《(略)テレザはカレーニンをあるがままに受け入れ、自分の思う
  ように変えることを望まず、あらかじめ、カレーニンの犬の世界に
  同意し、それを奪おうとはせず、カレーニンの秘め事にも
  嫉妬しなかった。犬を(男が自分の妻を作り直そう、女が自分の
  亭主を作り直そうとするように)作り直そうとはしないで、ただ
  理解し合っていっしょに暮せるような基本的な言語を学べるように
  と育てた。/ さらにいえば、犬への愛はだれかがテレザに強いた
  のではなく、自由意志に基づくものである。(略)》p.373

 《(略)人間の時間は輪となってめぐることはなく、直線に沿って
  前へと走るのである。これが人間が幸福になれない理由である。
  幸福は繰り返しへの憧れなのだからである。/ そう、幸福とは
  繰り返しへの憧れであると、テレザは独りごとをいう。》p.374

カレーニンとの暮らしは、基本的に毎朝、同じことの繰り返しでした。
そして、時が来てカレーニンにお迎えが来て、安楽死させた二人は
決めていたリンゴの木の間に埋葬します。

考えてみれば、私たちの暮らしというものも、基本、同じことを繰り返し
続けられるうちが花で、しあわせな日々といえるのかも知れません。

トマーシュは、外科医を辞めさせられ、愛人との生活も失われ、
テレザとカレーニンとの田舎での暮らしとなりました。

そ時には、トマーシュのために着飾ったテレザを見た若い男と農場長たちと
ホテルのバーのダンスホールに出かけ、楽しい時間をすごしました。

テレザが真に彼の失われた片割れであったかどうかはわかりません。
しかし、最終的に彼らが選んだのは、二人(と一匹)の生活でした。

 《(略)人生はたった一度かぎりだ。それゆえわれわれのどの決断が
  正しかったか、どの決断が誤っていたかを確認することはけっして
  できない。所与の状況でたったの一度しか決断できない。いろいろ
  な決断を比較するための、第二、第三、第四の人生は与えられて
  いないのである。/ 歴史も、個人の人生と似たようなものである。
  チェコ人の歴史はたった一度しかない。トマーシュの人生と同じよう
  にある日終わりを告げ、二度繰り返すことはできないであろう。》
   p.284(「第V部 軽さと重さ」)

 ・・・

色々と考えさせられる小説でした。
難しいといえば難しいですし、こういう展開の仕方はストーリーとして
どうなんだ? と問われたら、こういうのもありなんでしょうね、
としかいえません。

とにかく、一度は読んでおきたい小説です。
みなさまもどうぞ、機会があれば!

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本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2025から(2)集英社文庫・『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ~一回限りの人生~」と題して、今回も全文転載紹介です。

本文中にも書きましたように、人生というのは一回ポッキリのもので、やり直しはできません。
セカンド・チャンスはありません。

それだけにその時その時の決断というものが重要になって来ます。

しかし、考えすぎては、チャンスを逃がすことにもなりかねません。
難しいものです、何十年生きてきても。

でも、それだからこそ「人生はおもしろい」とも言えるのかも知れません。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.07.19

『左組通信』復活計画(39)左利き自分史年表(5)1994-1995.6(春)―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』-週刊ヒッキイ第690号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
(『まぐまぐ!』: )
【最新号・告知】

第690号(Vol.21 no.13/No.690) 2025/7/19
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]
レフティやすおの左利き自分史年表(5)1994(平成6)-1995(平成7)6(春)
―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第690号(Vol.21 no.13/No.690) 2025/7/19
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]
レフティやすおの左利き自分史年表(5)1994(平成6)-1995(平成7)6(春)
―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』」
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 第657号(No.657) 2024/1/20 以来の 
 「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]
 レフティやすおの左利き自分史年表」です。

 前回は、「左利き自分史年表」1991(平成3)-1994(平成6)春まで、
 「紙の時代」第一期として『ひだりぐみ通信』の時代を紹介しました。

 左手用カメラを入手、そのフィット感から左利き用品に目覚め、
 「左利きの人は、自分の身体に合った左利き用の道具を使うべきだ」
 という考えをまわりの左利きの人たちに伝えるべく、
 紙による発信を始めたのが、紙の活動の時代でした。

 今回は、1994(平成6)春以後、夏以降の「紙の時代」の第二期として、
 いよいよ季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の時代に突入です。

 先月までは、その『LL(レフティーズ・ライフ)』そのものを紹介
 してきました。ここでは年表として組み込んでいきます。

 

――過去の「レフティやすおの左利き自分史年表」――

(第一回)~(第三回)分は、(第四回)の冒頭を参照してください。

 

(第四回)
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第657号(No.657) 2024/1/20
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [27]
レフティやすおの左利き自分史年表(4)1991(平成3)-1994(平成6)春
―紙の時代(1)『ひだりぐみ通信』」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.1.20
『左組通信』復活計画(27)左利き自分史年表(4)1991-1994春―
紙の時代(1)『ひだりぐみ通信』-週刊ヒッキイ第657号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/01/post-36d5d0.html

 

 今回は、第四回の「1994(平成6)春」の分を付加しておきます。

 この年表は<左利きミステリ>を含む「左利き年表」になっています。

*(参照)<左利きミステリ>

■第4回
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」1900年代
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.4.15
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-d5c13e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/131b4f7933014dcedf057c75702ff28e

・メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』
2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.4.15
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-5b4e1e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d0e3f19af79760633cbcc87cac454f96

■第5回
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第666号(Vol.20 no.11/No.666) 2024/6/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論185-<左利きミステリ>第5回 海外編
(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.15
[コラボ]私の読書論185-
<左利きミステリ>第5回海外編(前)ホームズ以前-週刊ヒッキイ第666号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-d87703.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d7779b9ff44e6ebb34960bcf9883dd82

・メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年6月15日号(vol.17 no.11/No.368)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論186-<左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.15
[コラボ]私の読書論186-
<左利きミステリ>第5回海外編(後)ホームズ以後--楽しい読書368号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-47adad.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3f2d372ae2e8a3073e2e853317ca3c76

■第6回
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.15
[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(前)新規発見作
-週刊ヒッキイ第680号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-d8dc24.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/04302ce47c2cbca53937e7490e74f91e

・メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』
2025(令和6)年2月15日号(vol.18 no.2/No.382)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.15
[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(後)再発掘作-楽しい読書382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ebac165aacd639b4e357741dc40953b6

 

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]
  <レフティやすおの左利き自分史年表>(5)
 
  1994(平成6)-1995(平成7)6(春) ―紙の時代(2)
  『LL(Lefties' life レフティーズ・ライフ)』
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 

 ●「1994(平成6)-1995(平成7)6(春)―紙の時代(2)『LL』
  【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-5」

*(参照)――<紙の時代>

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.4
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・
紙の時代1(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-57d0e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e2aaaa56a6400bcc04d24d46a47d1d03
(2)第二期・紙の時代から―その1―
 ◆ 左利き用品の総カタログ的『モノ・マガジン』左利き特集号 ◆
  『モノ・マガジン』「左利き生活向上委員会」編集部A・K氏
 ●第二期・紙の時代―左手用カメラとの出会いに始まる
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号がスゴかった!
 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』創刊
 ●左利き関連本あれこれ
 ●「左利き生活向上委員会」のA・K氏

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第650号(No.649) 2023/10/7
「創刊19年に向けて―650号記念号―
 <左利きの人の自覚――意識の覚醒>が最も重要」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.7
<左利きの人の覚醒>左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
創刊19年記念号-第650号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-158a3d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8396e0fae38c6eeab56013360f58d18e
 ●左利き活動の「初心」は?
 ●「来た、見た、買(こ)うた」
 ●左利き活動の始まりは、1990年末「世界初左手用カメラ」購入
 ●右手用のハンディカムの違和感
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号との出会い
 ●存在を知らなければ、「存在しない」のと同じ
 ●最初はハガキサイズの「左組通信」という紙媒体
 ●左利き活動の「初心」について――もう一度
 ●始まりは左利きの人の覚醒にある

 

--------------------------------------------------------------------
「1994(平成6)-1995(平成7)年6(春) 
  ―紙の時代(2)『LL(Lefties' life レフティーズ・ライフ)』
 【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-5」
--------------------------------------------------------------------

*(注)科学書――特に脳・神経科学に関する本につきましては、
 最も発達が著しく、発行年代の古い本の場合、情報として
 古くなってしまっているものがありますので、ご注意ください。

====================================================================
(太文字=西暦(元号)年齢) レフティやすおの出来事 (茶文字=社会の出来事)(青文字=左利き・利き手関連文献
====================================================================

 

--1994(平成6)40歳

1/1『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン/著
 石山鈴子訳 文藝春秋 1994/1/1

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(Amazonで見る)

――出版社のセンセーショナルな宣伝の結果、左利きの人は右利きの人より
 9歳寿命が短いという「左利き短命説」で有名になった本。統計の処理に
 問題があると言われけなされたり、左利きの人から嫌われることが多いの
 ですが、著者の言いたいことは、左利きの人たちが、右利き社会のなかで
 右利き用の道具を左使いすることの危険性について警鐘を鳴らし、左利き
 の人たちに結束して、左利き用品の普及と社会変革を促すように助言する
 内容の書。右利き社会に生きる左利きの危険性を訴える左利き応援本。

 

1/21『ひだりぐみ通信』「創刊3号」発行

 

1/(テニス)伊達公子WTAランキングトップ10入り(9位)

――NSWオープンで海外ツアー初優勝。オーストラリアンオープンで初の
 四大大会ベスト4。左利きだが、子供のとき見よう見まねで始めたため
 右手打ちになったという話を聞いたことがある。

 

2/ “Lefthanders International”より左利き用品を購入
――1991(平成3)年発行の『モノ・マガジン』左利き特集号(1991年4月2日
 号 No.188)で紹介されていた、アメリカ、カンザス州トピカに本部を
 置く、左利きの会“Lefthanders International”入会後、送ってもらっ
 ていた隔月刊の会誌「LEFTHANDER MAGAZINE」の通信販売コーナーに紹介
 されていた左手・左利き用品を購入(子供用ハサミ2点、逆立ちしない
 “Lefthanders International”のロゴ入り消しゴム付鉛筆、左利き電卓
 ZELCO DOUBLE PLUS calculator No.10731(手のひらに入るもので、右手
 で持ち、左手でキーを打つ)、左利き用フォルダー(右に開くと左側に
 用紙が配置されている)。

 

3/1『ひだりぐみ通信』「創刊4号」発行

 

3/『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)で、
「左利き生活向上委員会」というコラム(隔号連載)開始

――左利きの編集者A・K氏による文字通り、左利きの人の生活の質を向上
 させられるような新たな左手・左利き用品を探し出そう、という内容の
 コラムです。同志を見つけたという思いから、ここに「LL」を送る。

 

4/「Anything Left-Handed」の通信販売で左利き用品を購入
――『週刊プレイボーイ』1993年12月21・28日号の特集記事<「個人輸入
 作戦」、いよいよ出動! 海外28店アドレス付き>で、イギリスの左利き
 用品専門店「Anything Left-Handed」の存在を知り、左利きの子供向け
 缶ペンケース入り文具セット(子供用ハサミ、15センチ定規、万年筆、
 シャープペンシル、鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、スペアインク、レフト
 ハンダーズ・クラブのバッジ)、パーカー万年筆左利き用、30センチ
 定規、ドイツ製手回し鉛筆削り、などを購入し、顧客が参加できる
 「Left-handers Club」の会員になる。会員向け雑誌「The Left-hander」
 を「No.16」から定期購読。(1997年10月No.27まで、LHIの場合と同様
 英語力の欠如からコミュニケーションが取れず立ち消えに。のちにこの
 小冊子no.20で“LHC of JAPAN”として当時私が活動していた紙の季刊誌
 「Lefties Life(LL)」および私の活動が紹介される。)

 

*参照:
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2018.8.29
8月16日イギリスの左利き専門店“Anything Left-Handed”50周年
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2018/08/816anything-lef.html

 

 

夏/季刊誌『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』創刊
(1996年秋・第10号まで季刊、1997(平成9)年夏号 終刊号)
LL1 1994(平成6)年 夏号 A4版1ページ
・前説―To Live In The Right-Handed World―右利き社会を是正する
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その1 Left-handed tools & goods―筆記具・定規・はさみ
・私のお気に入り左利き用品 ベストテン
――新たに手に入れた左利き用の商品紹介だけでなく、左利きについて語り
 たいこともあり、はがきサイズでは多くを伝えられないと思い、もう少し
 分量のある小冊子を出すことにしました。とは言え、仕事が忙しく休みも
 少なく、時間的に難しく、季刊誌に落ち着きました。ワープロ原稿を切り
 貼りし、コピーしたものをホッチキスでとめた手作り感満載の小冊子。

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*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第43号(No.43) 2006/8/12
<「国際左利きの日」記念号>「私にとっての左利き活動(3)」
 ■レフティやすおの左利き活動万歳■ ―隔号掲載―
私にとっての左利き活動(3)『LL』の時代
第660号(Vol.20 no.5/No.660) 2024/3/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [28]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次/LL1・LL2」

 

 

8/21 『ひだりぐみ通信』「第5号―特別編―」発行(A5版2ページ)
――左利きアンケート編(1.ハンディズム(利き手差別)イメージ調査
  2.利き手・利き足・利き眼・利き耳調査 3.左利きで困ったことは?
  ・嫌なことは?・不利なことは?・右利き社会と思うか?・新しい
  習い事を始めるときは?(a.何も考えず左手で、b.手本が右手なら
  右手で、c.手本が右手なら頭の中で左右を入れ換えて左手で)

 

9?/ 岐阜県関市の川嶋工業(株)、調理用品<愛妻専科>シリーズで
左利き用11点を発売。高齢者用も同時発売。

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(「産経新聞」平成6年9月27日(火)、記事掲載)

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*参照:『左組通信』第11号(愛妻専科 左きき調理用品紹介号)
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第686号(Vol.21 no.9/No.686) 2025/5/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [37]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(10)
LL10 1996(平成8)年 秋号(後半)」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2025.5.17
週刊ヒッキイ第686号-
『左組通信』復活計画[37]『LL』復刻(10)LL10 1996年秋号(後)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/05/post-e40654.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6bee2c2cc9d5fd9c8b63de8a5bb9af9e

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10/『モノ・マガジン』1994年11月2日号(NO.278)、編集部
A・K氏の左利きコラム「左利き生活向上委員会」に「LL」紹介される
――同志を見つけたという思いから「LL」を送っていたら紹介される。
 これが私の「国内」メディアでのデビューということになります。

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(画像:『モノ・マガジン』1994年11月2日号(NO.278)に掲載された編集部A・K氏の左利きコラム「左利き生活向上委員会」の記事)

 

秋/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第2号
LL2 1994(平成6)年秋号 A4版1ページ
・前説―To Live In The Right-Handed World―左右共用の製品を
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その2―はさみ

*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第660号(Vol.20 no.5/No.660) 2024/3/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [28]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次/LL1・LL2」
・『レフティやすおのお茶でっせ』2024.3.16
『左組通信』復活計画(28)『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次-週刊ヒッキイ第660号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/03/post-4ddd3a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d31a2f5c2182c628280422c8cfa8e866

 

 

11/1『【右】の不思議?【左】のナゾ! おもしろショックの
隠れた法則』不思議データ調査室編 青春出版社 青春BEST文庫 1994/11/1

――左右にまつわる雑学本。
(Amazonで見る)

 

冬/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第3号
LL3 1994-95(平成6-7)年冬号 A5版4ページ
・前説 The Compliments of the New Year
新年明けましておめでとうございます。
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―鍋を囲む
・知恵小僧の左熟語の基礎知識 なんの意味ダス!? その1
 Words & Phrases―小学館『国語大辞典』より
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その3―はさみ(つづき)
・よい品がいつでも 手軽に 購入できるようにしよう!
―いろんな用途のはさみ
・左利きの本だなぁ その1 お勉強編
 The Books on the Left-handedness―
 スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』

 

*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第662号(Vol.20 no.7/No.662) 2024/4/20
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [29]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(2)LL3」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.4.20
『左組通信』復活計画(29)『LL』復刻(2)LL3-週刊ヒッキイ第662号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/04/post-26b0e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c44afca336774c5604749e1af1962327

 

--(1995 平成7)41歳

1/17(火曜日)5時46分 (日本時間)阪神・淡路大震災起きる

――淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3、最大震度7の大地震。
大阪のほうは震度4でほぼ無事。早朝からの大きな揺れに飛び起き、
タンスを押さえたが、我が家の被害は屋根瓦が一部ずれただけだった。

春/『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ(LL)』第4号
LL4 1995(平成7)年 春号 A5版8ページ
・前説 The Compliments of the Spring Issue 発信し続けること
・From LHI (Lefthanders International/U.S.A)
  レフトハンダーズ・インターナショナル(アメリカ)より
・From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
 (1)私のいちばん嫌(いや)~なことば――
  「○○君は、ぎっちょか。器用やなぁ。」
 (2)「転びキリシタン」あるいは「隠れキリシタン」のように
≪スタート! 新学期≫子供用品特集
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その4〔子供用左利き用品の紹介〕―
  文具(はさみ・鉛筆・鉛筆削り・定規・缶ペンケース入り文具セット)、
  野球/ソフトボール用グラブ・ヘルメット・手袋
〔手を使い分けよう〕
 久保田競著『手と脳―脳の働きを高める手』紀伊国屋書店より
〔左利きの子供に対する接し方〕
 箱崎総一著『左利きの秘密』立風書房より

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*参照:
・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第664号(Vol.20 no.9/No.664) 2024/5/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [30]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(3)LL4 1995(平成7)年 春号」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.18
『左組通信』復活計画(30)『LL』復刻(3)LL4 1995年春号
-週刊ヒッキイ第664号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-4ee9c2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/95b09d26c72d1aca35574e10b700d653

 

4/3 斎藤茂太さんに『LL』第5号で著者『左ききの人はなぜ
才能があるのか―左ききの性格分析』を紹介すると報告したところ、お葉書
をいただく

4/30『左手のシンボリズム: わが国宗教文化に見る左手・左足・
左肩の習俗の構造とその意味』松永 和人/著 九州大学出版会 1995/4/30

(Amazonで見る)

――副題にもありますように、日本の宗教文化に見る左右の研究。
(新版)『左手のシンボリズム「聖」-「俗」:「左」-「右」の二項対置の
認識の重要性』松永和人/著 九州大学出版会 2001/4/1
(Amazonで見る)

 

6/28 私の手紙と小冊子『LL』が紹介されたイギリスの左利き
の会“Left-handers Club”の会報「The Left-hander」No.20が届く
――『LL』の本文に、簡単な英語で内容をメモして送っていたところ、
「The Left-hander」第一面で、「A warm welcome to the LHC of JAPAN」
として紹介された。私の世界デビュー?
(後年、左利きの人のオフ会に誘われた際、この事実を紹介した次号の
『LL』のコピーを持っていったところ、現・日本左利き協会発起人の
大路直哉さんから、元の会報を見たことがあるとのお言葉をいただく。)

Ll-the-lefthander-1995-no20

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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [39]レフティやすおの左利き自分史年表(5)1994(平成6)-1995(平成7)6(春)―紙の時代(2)『LL(Lefties' life)』」と題して、今回も全紹介です。

この当時の年表では、左利き活動を始めるにつれて年表に記入する事柄が増え、特に後年の参考のためにと詳細なメモを付けるようにしたところ、年表というより月表のようになってしまっています。
まあ、それでもいいかと思います。
いつか役に立つこともあるか、と。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ

 

--
※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
--

 

 

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2025.07.15

<夏の文庫>フェア2025から(1)角川文庫『天衣無縫』織田作之助-楽しい読書392号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)

【最新号・告知】

 

2025(令和7)年7月15日号(vol.18 no.12/No.392)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫・
『天衣無縫』織田作之助~大阪の作家~」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年7月15日号(vol.18 no.12/No.392)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫・
『天衣無縫』織田作之助~大阪の作家~」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2025から――。

 今年も、一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介します。

 今年のテーマは、大阪関西万博の年ということで、
 「大阪」もしくは、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」
 ということで、大阪ものの小説や「いのち」に絡んだ作品に
 取り組んでみましょう。

 一本目は、角川文庫から「大阪」ものの作家とされる、
 織田作之助さんの作品集『天衣無縫』を。

 

角川文庫夏フェア2025 | カドブン
https://kadobun.jp/special/natsu-fair/

ナツイチ2025 広くて深い、言葉の海へ| web 集英社文庫
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
よまにゃチャンネル - ナツイチ2025 | 集英社文庫
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/yomanyachannel/

新潮文庫の100冊 2025
https://100satsu.com/

2025-natubunko-sansha

 

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 ◆ 2025年テーマ:<大阪関西万博2025> ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2025から(1)

  ~大阪の作家~ 角川文庫―『天衣無縫』織田作之助
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●角川文庫夏フェア2025 | カドブン

まずは、<角川文庫夏フェア2025>の対象94点を見ておきましょう。
といっても全部紹介するのはスペース的にキツくなりますので、
私の気になった作品、読んだ作品を上げておきます。

 ・・・

【角川文庫夏フェア2025】 対象94件

▼感 ヒューマンドラマ!――泣いたり、笑ったり、怒ったり 12件
・この夏の星を見る 上下(辻村 深月)
・オオルリ流星群(伊与原 新)

▼怖 こわ~い本!――蒸し暑い夏、冷や汗がポトリ 8件
・おそろし 三島屋変調百物語事始(宮部 みゆき)
・火喰鳥を、喰う(原 浩)

▼謎 ミステリ&サスペンス!――謎、心理戦、どんでん返しの嵐 12件
・黒牢城(米澤 穂信)

▼懐 あの頃流行ったベストセラー~時代を彩る名作たち~
 ――年代別にプレイバック
--1970年代 5
・復活の日(小松左京)・時をかける少女〈新装版〉(筒井康隆)
--1980年代 4
・セーラー服と機関銃(赤川次郎)
あわせて読みたい名作!1950〜1960年代 2
・女生徒(太宰治)・銀河鉄道の夜(宮沢賢治)
--1990年代 4
・リング(鈴木光司)・キッチン(吉本ばなな)
あわせて読みたい名作!1990年代 1
・アルケミスト 夢を旅した少年(パウロ・コエーリョ)
--2000年代 4
・バッテリー(あさのあつこ)
--2010年代 6
・小説 君の名は。(新海誠)
--2020年代 3
・小説 すずめの戸締まり(新海誠)
あわせて読みたい名作!2010〜2020年代 3
・ナミヤ雑貨店の奇蹟(東野圭吾)

▼細田守監督 原作小説特集 4件
・おおかみこどもの雨と雪(細田 守)

▼「かまわぬ」和柄カバー 6件
・こゝろ(夏目 漱石)・吾輩は猫である(夏目 漱石)
・注文の多い料理店(宮沢 賢治)

▼おすすめファンタジー3選
・烏衣の華(白川 紺子)
▼おすすめ時代小説2選
・江戸の探偵(鈴木 英治)
▼おすすめ100分読書4選
・100分間で楽しむ名作小説 人間椅子(江戸川 乱歩)
・100分間で楽しむ名作小説 瓶詰の地獄(夢野 久作)
▼おすすめまなびの2選
・(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、
あの名作小説を面白く読む方法(三宅 香帆)
▼「文豪ストレイドッグス」コラボカバー 8件
・羅生門・鼻・芋粥(芥川 龍之介)・D坂の殺人事件(江戸川 乱歩)
・青春の逆説・可能性の文学(織田 作之助)
・天衣無縫(織田 作之助)・斜陽(太宰 治)・晩年(太宰 治)

 

 ●『天衣無縫』――アニメ「文豪ストレイドッグス」コラボカバー

アニメ「文豪ストレイドッグス」コラボカバー
『文豪ストレイドッグス』は、横浜を舞台に、文豪をモチーフにした
キャラクターたちが繰り広げる異能バトルアクション漫画。
そのアニメ版のキャラクターが角川文庫の文豪名作とコラボ!
©️朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグス製作委員会

 ・・・

天衣無縫
著者 織田 作之助
定価: 704円 (本体640円+税)
発売日:2016年10月06日 判型:文庫判 ページ数:304
ISBN:9784041049136

戦中・戦後に無頼派として活躍した著者の、大阪の魅力溢れる名短編集!
太宰治、坂口安吾とともに無頼派として活躍し、大阪という土地の空気と
そこで生きる人々の姿を巧みに描き出した短編の名手による表題作を始め
「夫婦善哉」「俗臭」「世相」など代表的作品を集めた傑作選。

 

――以上、サイトより。

本書のカバー見た目は、劇画かなにかのようですが、
主人公たちは、そこまでかっこいいか、といいますと……。

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 ●「大阪の作家」の作品集――『天衣無縫』織田 作之助

『天衣無縫』織田 作之助 角川文庫 (2016/10/6)

(Amazonで見る)

 

さて、まずは目次を――。
底本の、岩波文庫版『夫婦善哉 正続 他十二篇』(1.2.4.収録)と
『六白金星・可能性の文学 他十一篇』(5.-9.収録)を参考に、
それぞれの発表誌と発表年代、初出単行本をメモしておきました。
(「天衣無縫」は、ちくま文庫『名短篇ほりだしもの』2011年1月刊より)

1.夫婦善哉(めおとぜんざい):「海風」昭和15年4月、
 『夫婦善哉』創元社 昭和15年刊
2.俗臭:「海風」昭和14年9月、『夫婦善哉』創元社 昭和15年刊
3.天衣無縫:「文芸」1942(昭和17)年4月、
 『天衣無縫』新生活社 昭和22年刊
4.放浪:「文学界」昭和15年6月、『夫婦善哉』創元社 昭和15年刊
5.女の橋:「漫画日本」昭和21年4月
6.船場の娘:「新生活」昭和21年1月
7.大阪の女:発表誌未詳、昭和21年頃か、
  以上三作『船場の娘』コバルト社 昭和22年刊
8.世相:「人間」昭和21年4月
9.アド・バルーン:「新文学」昭和21年3月
  以上二作『世相』八雲書店 昭和21年刊

 

*参照:(底本)
・『夫婦善哉 正続 他十二篇』織田 作之助 岩波文庫 2013/7/18
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・『六白金星・可能性の文学 他十一篇』織田 作之助 岩波文庫 2009/8/18
(Amazonで見る)

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次に、作者・織田作之助について――

戦後、太宰治、坂口安吾らと共に「無頼派」「新戯作派」と呼ばれ、
「オダサク」の愛称で親しまれました。
大阪の市井の人々を大阪弁の台詞を交えたテンポの良い文体で活写した
「大阪の作家」と認められています。

大阪市南区生玉前町(現・天王寺区)の生国魂神社近くの裏店「魚鶴」の
子として生まれ、大阪府立高津中学(現・高津高校)卒業まで、この地で
育ち、京都の第三高等学校(現・京都大学)に進学します。
家業を嫌い、生育環境からの脱出を図ったのでした。
そこで、様々な人と出会い、作家へと進んでゆきます。
卒業を前に結核にかかり、白浜で転地療養をしますが、
そのまま中途退学したそうです。
のちに東京に出て行きますが、結核で享年33歳で亡くなりました。
実働7年ほどの作家生活となります。

オダサクの生まれ育った地、高津や生国魂神社周辺などは、
私も多少は知っている土地でもあります。
作品の舞台となっている難波や道頓堀、心斎橋、日本橋、黒門市場周辺
なども知っています。
そういう親近感から、彼の作品に親しめる下地となっているのでしょう。

 

 ●『天衣無縫』9篇から「夫婦善哉」

内容について書いておきます。
なんといっても代表作とされる「夫婦善哉」があります。

蝶子は、天麩羅屋・種吉とお辰の娘。小学校を出ると女中奉公に出され、
その後、持ち前の陽気好きの気性が環境に染まって芸者に――。
妻子持ちの三十一歳の維康柳吉(これやす りゅうきち)という、
梅田新道にある安化粧品問屋の息子といい仲になりますが、
遊び好きの柳吉は父親から勘当され、二人は東京へ駆け落ちします。
東京で集金した金で熱海に芸者遊びに行き、関東大震災に遭遇、
大阪に帰ることに。避難列車でやっと大阪に帰り、種吉の元へ。
蝶子は抱主(かかえぬし)に無断で飛び出したため、借金の300円を
種吉は月賦で払うといいます。
二人は黒門市場の路地裏に二階借りして所帯を持つのですが、
柳吉に職がないので暮らしに困り、蝶子が稼ぎに出ることになりました。
おきんという年増芸者でヤトナ芸者(芸者の花代より安い、臨時雇の
宴会の有芸仲居)の周旋屋の世話になるのでした。

柳吉というだらしない、遊び好きの坊ん坊ん(ぼんぼん)と、一回り年下の
しっかり者の蝶子という夫婦の物語です。
蝶子は、柳吉の実家の父親に嫁として認めてもらおうと、
二人で店を持ち独立しようと頑張ります。
柳吉のほうは、機会を見ては実家の跡継ぎに戻ろうという魂胆。
店を始めてもすぐに飽きてしまい、稼ぎも蝶子の貯金も遊びに費やす。
その都度、蝶子は昔の仲間から借金しては、何度もお店を出しては売り、
を繰り返します。
そうこうするうちに、実家では柳吉の娘の母親代わりの妹が婿をもらって
跡を継ぎます。そして、父親が危篤と呼びに来ました。
女と別れるといっては実家からお金をせびっていた柳吉。
いろんなつてをたどっては、お金を工面して、ダメな夫をもり立て、
嫁として認めてもらおうとしていた蝶子。
死の間際に認められることを願っていたものの夫は女と別れるといって、
遺産を分けてもらうつもりだった、といいます。蝶子は本当だと思った。
そして二人は、「うまいもん食いにいこか」という柳吉の誘いで、
法善寺境内の「めおとぜんざい」へ食べに行きます。

《(略)「こ、こ、ここの善哉はなんで、二、二、二杯ずつ持って来よる
  か知ってるか、知らんやろ。こら昔何とか大夫ちゅう浄瑠璃のお師匠
  はんがひらいた店でな、一杯山盛にするより、ちょっとずつ二杯に
  する方が沢山(ぎょうさん)はいってるように見えるやろ、そこを
  うまいこと考えよったのや」蝶子は「一人より女夫の方がええいう
  ことでっしゃろ」(略)》

なんともいえぬ関係の夫婦。

とにかく、この柳吉という男は、ええとこの坊ん坊ん(ぼんぼん)ゆえに、
芸者遊び好きで、食べ物にもうるさく、といっても高級料理というより、
南の庶民的な名店の名物料理をよく知っています。
ラストの「夫婦善哉」もそんな一つ。
他には「自由軒」のカレーもあります。

 

 ●「俗臭」「放浪」、表題作「天衣無縫」

「俗臭」は、和歌山県有田郡の魚問屋の息子が様々な仕事に手を出し、
金を儲けて、父の放蕩でちりぢりになった家族を、「俗臭」溢れる野心で
再興する、めずらしいことにサクセス・ストーリーです。

「放浪」は、両親が亡くなり、弟は大阪の仕出し屋の叔父叔母にもらわれ
板場の修業。娘の妊娠から名だけの夫となりますが、兄の死などがあり、
嫌になった順平は家を出、チンピラと知り合い、というふうに放浪――。
しかし板場の腕があれば生きていける、と。

表題作「天衣無縫」は、友だちに誘われて断れず、見合いの席に遅れて
くるような頼りない、お人好しで爺むさい男と所帯を持つ娘が主人公。

《 私は生まれて来る子供のためにもあの人に偉くなって貰わねばと
 思い、以前よりまして声をはげまして、あの人にそう言うように
 なったが、あの人はちっとも偉くならない。(略)》

そんなにまでして偉くならんといかんのか、といつになく怖い顔をして
私をにらみつけた、というラスト。

 

 ●「女の橋」「船場の娘」「大阪の女」

この三作は、一つずつ独立した短篇であり、かつ女三代の連作。

「女の橋」――伊吹屋の番頭は坊ン坊ン(ぼんぼん)恭助の遊び相手の
芸者小鈴を遠ざけ、嫁を探し、器量は悪いが家柄のいい嫁を取らせます。
が、小鈴は妊娠し、その娘を引き取ります。何も知らずに育った娘雪子、
女学校の卒業と共に名取になる披露の席で、話を聞いた小鈴は病の身を
おし三味線を弾きたいと申し出、身代わりとなりますが、死んでしまい
ます。そのとき、事情を知った雪子は、太左衛門橋を渡りながら、

《「うちは阿呆やった。うちは阿呆やった……」と、呟きながら、
 自分はもう船場とは何の縁もない人間だという想いが、
 ふっと頭をかすめた。》

 

「船場の娘」――伊吹屋の一人娘(実は妾の子・芸者の子)雪子と、
前科者の息子の丁稚秀吉の恋物語。父が弁護士を雇えていたら、という
思いから弁護士をめざし英語の勉強をしている秀吉に雪子は好意を持ち、
縁談を前に駆け落ちしようとします。が直前に、番頭に阻止されます。
東京へ行った秀吉から電話が来ます。住所を告げる前に、関東大震災。
五年後、雪子は芸者の子と知られ、嫁入り先から離縁され、実家も没落、
芸者になっていました。ある日、太左衛門橋で、ルンペンとなり大阪に
戻った秀吉と出会います。しかし、秀吉はすでに妻帯者……。

《 雪子は何ごともなかったような表情で、大和屋の玄関にはいって
 行った。》

 

「大阪の女」――戦後大阪に復員してきた、大阪船場道修町の薬屋の息子
島村は、雪子の喫茶店「千草」に来ます。雪子は娘の葉子と空襲のなか
太左衛門橋を渡って避難し生き延びたと話します。常連となった島村は
葉子が目当て。理想の仕事が見つかったので東京へ行くという島村。
島村は葉子に芸者の子でもかまわない結婚しよう、親は説得するというの
ですが、いつになっても報告に来ません。雪子は自分の過去の経験から
船場の坊ン坊ンとの結婚は難しいと分かっていたので、反対でした。
二人は駆け落ちしようとします。反対していた雪子でしたが、葉子の
「行きたい、行かせて!」の言葉に、考えを改め送ってゆきます。

《(略)雪子はふと葉子の覚悟や島村の理想はたとえ夢であるにしても、
 今はこの夢のほかに何を信じていいのだろうか、そうだ、自分はこの
 夢を信じようと、呟いた。》

 ・・・

底本となっている岩波文庫版『六白金星 可能性の文学 他十一篇』の
佐藤秀明さんの巻末解説「可能性の「織田作」」には、

《(略)いずれも通俗味の勝った読み物小説だが、女の一生を左右する
 微視的な時間と、それを時代の流れの一齣に見せてしまう巨視的な時間
 とをより合わせたところに、織田作ならではの手法を感じ取ることが
 できよう。(略)》

その背後の構造に船場の商家の伝統がある、といいます。
また、太左衛門橋が点景として描かれ、移りゆく時代と人の定点として、
効果を上げている、とも。

三作中では、やはり最後の「大阪の女」がいいですね。
先の二篇を踏まえて、戦後の自由と民主主義の新時代に期待する、
という当時の時代の気風を受けた、苦労人の雪子の、
「この夢を信じ期待する」という希望を感じさせるところが、
美しいラストでした。

先の佐藤秀明さんの解説では、代表作ではない、ということですが、
この短編集中でも気持ちよく読めた一篇でした。

 

 ●「世相」「アド・バルーン」

「世相」は、織田作之助自身を語り手に、「阿部定」事件を小説にしよう
と考え、公判記録を持つ男に借りるが、時が経ちすぎていることで、
結局は書けないという。文学論的な様々な小説のパターンを示しながら
構想を語り、作家としての悩みや事情を描くお話。

「アド・バルーン」は、人生双六のドラマを描き、オダサクの小説には
珍しい幸福なラストの美談です。落語家の息子に生まれたものの、里子に
出され、丁稚となっても店を転々とする私。そして、お金もなく、死のう
と思っていたとき、拾い屋の男に助けられ、仕事を始め、禁酒会に入り、
貯金の紙芝居をするのならと貯金もし、いつか命の恩人に会ったときに、
この貯金通帳を渡そうと心に決めます。この話を聞いた人から新聞記者に
話が伝わり、五年後、ついに恩人と出会うことに。そして再び、十年後の
約束を取り付けて……。

 

 ●大阪と放浪の物語

歴代の大阪の作家といえば、江戸時代の井原西鶴の名がまず上がりそう
です。代表作は『好色一代男』(1682年)『好色五人女』(1686年)
『好色一代女』(1686年)『日本永代蔵』(1688年)『世間胸算用』
(1692年)、生国魂神社で発句をしたことでも知られています。

そして、戦前・戦中・戦後の数年という短い時期でしたが、織田作之助が
います。

当時の特に、生玉から難波にかけての繁華街を舞台にした一連の作品。
おおむね頼りない男としっかり者の女の組み合わせが、下町の風情と
ともにおもしろい夫婦の物語となっています。

通俗的な物語を材に取りながら、そこに「可能性の文学」をめざそうと
する、オダサクの世界があるようです。

《一つの偶然が一人の人間の人生を変えてしまう可能性》
を書こうとした「アド・バルーン」のような作品。

「夫婦善哉」もまた、同じような変転の物語です。

《人生の変転は必ずしも転落にはならない》という物語。
 (岩波文庫版『六白金星 可能性の文学 他十一篇』佐藤秀明さんの
  巻末解説「可能性の「織田作」」より)

 

面白く読ませる小説が多く、底本となった文庫の作品なども、
少し読んでみました。

将棋の坂田三吉を扱った作品「聴雨」「勝負師」も楽しめました。

ただ、男たちの頼りなさと大阪弁で言う「へんこ」さ加減が、
人間的な魅力にもつながっているようで、
その辺がオダサクのおもしろさの一つかも知れません。

自分のことで精一杯という男の生き方の下手さ加減が、
頼りなさの原因なのでしょうけれど、そういう男に愛想を尽かさず、
付き合ってくれる女がいれば、そこに一つの夫婦ができるのでしょうか。

まあ、そんな気がします。

とにかく、男と女の間は難しいものです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2025から(1)角川文庫・『天衣無縫』織田作之助~大阪の作家~」と題して、今回も全文転載紹介です。

今年のテーマは、大阪関西万博の年ということで、「大阪」もしくは、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」です。
そこで、大阪ものの小説や「いのち」に絡んだ作品を、と考えていました。
角川文庫の夏フェアの小冊子を見ますと、「大阪の作家」として知られる、織田作之助の本が出ていましたので、これを採用しました。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

 

『レフティやすおのお茶でっせ』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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2025.07.05

<親御さんへ>特別編―左右共存お箸持ち方絵本『おはしをじょうずにもてるかな』-週刊ヒッキイ第689号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!) 【最新号の告知】

第689号(Vol.21 no.12/No.689) 2025/7/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―特別編―
右利きも左利きも共存のお箸持ち方絵本
『おはしを じょうずに もてるかな』」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第689号(Vol.21 no.12/No.689) 2025/7/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―特別編―
右利きも左利きも共存のお箸持ち方絵本
『おはしを じょうずに もてるかな』」
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 今回は、<左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界>をお休みして、「特別編」として、
 お箸の持ち方絵本を紹介しましょう。

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 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―特別編―

  ◆ 右利きも左利きも共存のお箸持ち方絵本 ◆

 『おはしを じょうずに もてるかな』深見春夫/作・絵 岩崎書店

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 ●お箸の持ち方を教える絵本

タイトル通り、お箸の持ち方を教える絵本です。

うまくお箸が使えない<みぎてちゃん>に、
<ひだりてちゃん>が、お箸の持ち方を教える、という内容の絵本です。

昨年の11月に出版された本でした。
まったく知らなかったのですが、最近ちょっと左利きの検索をしていて、
たまたま見つけました。

最近はあまりこういう検索をやってませんでした。
「必要な情報は必要とするときに手に入る」といった信念があり、
実際にけっこううまくいくのですね。
でもやっぱりそれは、絶え間ない努力の結果であって、
偶然手に入る、という生やさしいものでありません。

 ・・・

「できるかな絵本」シリーズ
『おはしを じょうずに もてるかな』深見春夫 作・絵 岩崎書店‎
2024/11/18
(Amazonで見る)

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岩崎書店サイトを見ますと、

2024118-ohasi-04_83131_960

 

おはしを じょうずに もてるかな
https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b10092368.html

《左ききも大丈夫!箸の持ち方がわかる絵本》
《おはしの正しい持ち方をわかりやすく、ていねいに伝えます。/
 右きき、左きき、どちらでもおはしをじょうずに持てるようになる、
 画期的な絵本!》

動画で見る
https://youtu.be/oBtAd5Z80nQ?list=TLGGGhiOhBF6smsyMDA2MjAyNQ

中面を見る
https://www.iwasakishoten.co.jp/news/n106633.html

 

絵本ですので、内容に関しましてはそのまま画像を出すのは、
著作権的にどうかよくわかりませんので、書影はともかく、
ブログにもサイトからの画像のみを勝手に転載紹介しよう、と思います。

 ・・・

本文の引用ではなく、
私流に言葉を換えて内容をおさらいしますと――

お箸の使い方がわからない<みぎてちゃん>が、
自己流でご飯を食べようとします。

お箸を突き立てようとしたり、色々挑戦します。
そのたびに食べられる方のご飯やおかずのハンバーグたちが、
意地悪をします。
そんな持ち方で食べられたくはない、というわけです。

そこへ(お姉さんふう?の)<ひだりてちゃん>があらわれて、
意地悪しないでと、正しいお箸の持ち方を教えてあげるのです。

250705-ohasi1-20241118

250705-ohasi-20241118

まずは、上のお箸を動かす練習です。

親指・人差し指・中指の三本指でつまむように一本のお箸を持ち、
お箸の先を上下に動かします。

次に、下のお箸を動かす練習です。

下の方に当たるお箸を一本、薬指の先の方にある、
第一関節と指先の間の横の方にのせるようにします。
薬指には、下から支えるように小指を添えます。
お箸の上の方を親指と人差し指の間で固定します。

こうして、上の一本目のお箸は三本指で、
下の二本目のお箸は薬指で動かします。

というように、お箸の持ち方を教える、という内容の絵本です。

 

 

 ●【絵本レビュー】から

3歳男の子と6歳女の子のママが読み聞かせてきた絵本を紹介する
「はむはむ絵本 ~2児のママがおすすめする絵本のご紹介~」

2025-01-15
【絵本レビュー】おはしをじょうずにもてるかな / 深見春夫
https://mama-ehon.hateblo.jp/entry/4265831311_1

によりますと、

 《右利き、左利き両対応の配慮と、箸の持ち方の丁寧な解説/
  この絵本の一番の特徴は、右利きと左利きの子ども、
  両方に対応している点です。
  多くの箸の持ち方に関する解説書は、
  右利きを前提としたものが多い中、
  この絵本は、左利きの子どもにも同じように分かりやすく、
  正しい持ち方を教えてくれます。
  これは、子どもたちの個性と可能性を尊重する姿勢の表れであり、
  非常に重要な点だと考えます。
  左利きの子どもが、箸の持ち方に苦労する場面を何度も
  目撃してきた私にとって、この配慮は、感動的でさえありました。》

とありました。

その通りで、右利き・左利きの両対応の配慮がうれしい絵本です。

見る人の左側と右側にそれぞれのお箸を持つ手を配置して、
まったく対等の大きさで扱っています。

 

 

 ●従来の教本では

従来、こういった教本では、
右手例だけをのせてあることがほとんどでした。

()にくくって「右利きの場合」と注意書きがあればいい方でした。

例えば、岩波ジュニア新書の

『行儀作法の教科書』横山 験也/著 2010/08/21
(Amazonで見る)

 

 

「5章 食事 <(2)箸の扱い方>」において、
右利き用のお作法が示され、そのような表記がなされています。

そして、それは、「じゃあ、左利きの場合はどうすればいいの?」
に対する回答がないものでした。

左利きの場合は自分で考えるしかない、ということでしょう。
そのような場合、
たいていの左利きの人は「左右を入れ換えて解釈」したものです。
「右手」を「左手」に、「左手」を「右手」に、と。

たぶんこのような著書の場合、著者には適切な「解答」がない――
なぜなら左利きのための決まったルールが確立されていないので、
“現時点”でこれが「正解」といえる「答え」がないからでしょう。

 

 ●「左手箸」は「直したいお箸の持ち方」?

そして、かつては、ズバリ「左手箸」は「間違った持ち方の例」として
表現されることも多々ありました。

20年前に出版された、お箸の持ち方に関するお作法の教本

『箸づかいに自信がつく本 美しい箸作法は和の心』
小倉朋子・監修(リヨン社 2005/12/1)
(Amazonで見る)

 

 

「第1章 箸づかいってそんなに大事?」の 
<こんなお箸の持ち方していませんか?> で、
「直したいお箸の持ち方」として、
「平行型(スプーン型)」「交差箸」「つかみ箸」と並べて、
「左手箸」が紹介されています。

その説明は
 《食卓のマナーや配置などは、
  右手でお箸を持つことを前提に決められています。
  お箸は右手で持てるように練習しましょう。》
というものです。

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(画像:左手箸を「直したい持ち方」と紹介する 2005年刊
『箸づかいに自信がつく本 美しい箸作法は和の心』小倉朋子・監修)

 

*参照:『箸づかいに自信がつく本 美しい箸作法は和の心』の
「左手箸」についての筆者の意見

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
(レフティやすおの左組通信メールマガジン)』
・第42号(No.42) 2006.8.5 「左手で字を書くために(3)」
「左利き子育て一口メモ マナー本・作法本」

《悲しいけれど、これがひとつの現実です。

 正しい箸使いは、必ず身に付けるべき技術です。
 美しい箸使いもまた、身に付けておきたいものです。
 しかし、正しい美しいという価値判断に、右手使いか左手使いかが
 含まれるとは、私は考えていません。

 左利きの何たるかを知らないがゆえの偏見にとらわれて、伝統を守
 らんがために、人間としての本質を見落としてしまっている、とい
 うところでしょう。》

 

・第555号(No.555) 2019/11/2
「GO!GO!GO!号―15年目の左利き事情[左手箸について]」
『レフティやすおのお茶でっせ』2019.11.2
GO!GO!GO!号―15年目の左利き事情[左手箸について]
左利きで生きるには週刊ヒッキイ555号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/11/post-af53c0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/1c41fb11890585350d2278a6599b451c

――日本左利き協会のリツイート
https://twitter.com/japan_lefthand/status/1187710343109201920

を紹介しながら、上記の筆者の意見を引用紹介し、日本左利き協会発起人
大路直哉さんの著書
『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著
 三五館 1998/10
(Amazonで見る)

 

の意見や、

小笠原敬承斎(おがさわら・けいしょうさい)氏のサイトにおける挨拶
http://www.ogasawararyu-reihou.com/message/index.html

筆者のブログ記事↓の一部など紹介しています。

『レフティやすおのお茶でっせ』2007.6.30
「横澤彪氏「国分太一くん、箸は右手で…」発言に思うこと」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2007/06/post_dade.html

 

 ●右利きにこだわる人は「伝統、伝統」というけれど……

伝統に関していいますと、
日本語表記の伝統は縦書きで、文章は右から左へ改行してゆくものです。
私の子供の頃は、ほとんどの教科書は縦書きでした。
横書きは、算数や理科、音楽の楽譜面ぐらいでした。
中学になって英語が横書きでした。

ところが、昨今の学校教科書は、国語以外はみな、
“西洋伝来”の横書きになっています。
国語の教科書だけは、伝統に則って縦書きです。

しかし、漢字の練習帳ではどうでしょうか?
大半の練習帳は縦書きで、ページは右から左へ進みます。
国語の伝統に則っています。
一方、ページ内では左から右へ展開する、
右手書きに都合のいい形にアレンジされています。

右手で書くときに、常にお手本の文字が見えるように左端にあり、
そこから順に左から右へ、なぞる枡、位置関係が分かる罫線の入った枡、
まったくの白紙の枡というように並んでいます。

日本語の伝統などどこへ行ったのやら……。

都合のいいときだけ「伝統、伝統」といいながら、
自分に都合の悪いときは、勝手に変えてしまう
「右利き偏重社会」の悪いところです。

 

 ●「同じ大きさ」という現実

絵本に戻りましょう。

左利きが少数派ではあるけれど、
ごく「普通の存在」となってきた時代ですので、
こういう本が出てきても不思議ではないのです。

しかし、長年左利きの問題と取り組んできたものとしましては、
非常にうれしいものがあります。

 

筆者の年上の知り合いに、
ご飯を食べるときになると一人で隠れて食べる人がいました。
「字は右になったけれど、箸は直らなかった」というのです。

食は、本能でもあり、生まれてすぐに必要になる技術です。
当然、利き手が優先的に使われ、発達するでしょう。
書字は、もう少し後に必要となる技術です。
まわりの大人たちの教えに左右される可能性が高くなります。
それゆえ、このふたつの技術の間には、
実際に使う手に違いが生まれても不思議ではないでしょう。

 

筆者も子供の頃は左手で箸を持って食べていると、
まわりの大人の人から色々と言われたものでした。

親戚の家でも、日常的に親しくしている人たちはいいのですけれど、
お正月など普段から付き合いの少ない方々も寄り合う場合は、
けっこうキツいものがありました。

今でも外食をほとんどしないのも、
一つにはそういうことが理由としてありました。

 ・・・

先のママさんのご意見にもありますように、
左右平等に行われる持ち方の説明は、

 《子どもたちの個性と可能性を尊重する姿勢の表れであり、
  非常に重要な点だと考えます。
  左利きの子どもが、箸の持ち方に苦労する場面を何度も
  目撃してきた私にとって、この配慮は、感動的でさえありました。》

ほんとうのその通りで、始めにルールありきではなく、
子供ファースト、子供本位の扱い方であり、
こういう本が「当たり前」のこととなったという現実が、
筆者には未だに嘘のように思われます。

もちろん、本当のことです。
2005年出版の『箸づかいに自信がつく本』から、19年――。
感慨無量!

 

 ●6年前の教科書の左手書字例と比べてみると

令和2年用の東京書籍から出版された、小学生一年生用の書写教科書で、
鉛筆の持ち方の説明図に、左手の図が初めて入りました。
ただそれは、右手よりも一回り小さいものでした。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2020.2.9
左利きへの配慮がなされた東京書籍・小学校教科書
「新しい書写 2年度用」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-0fbe38.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/dd08c16d81a211f5c60266bf57191f20

『あたらしいしょしゃ 1 [令和2年度]
(小学校国語科書写用 文部科学省検定済教科書)』東京書籍 2019/3/1
(Amazonで見る)

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(画像:東京書籍 2年度用小学一年「あたらしい しょしゃ」表紙)

 

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(画像:上記サイトより無断拝借 ●1年P4-5、下は黄色枠「左手例」の拡大図)

 

それを思いますと、まったく同じ大きさで示されている、
本書のお箸の絵は、本当に画期的といっていいように思います。
これが6年の変化でしょうか?

「左利きは少数派だから(=多くの人にとっては不要なものだから)
小さな図でもいいだろう」ではなく、
左利きであろうと右利きであろうと同じ「人間」で、
それぞれの手なのですから、同じ大きさでいい、のです。

この絵本の登場は、大げさに聞こえるかも知れませんが、
筆者の願いである、
「右利きだけでなく、左利きにも優しい、左右平等・左右共存の社会」
への大きな一歩だ、と感じました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―特別編―右利きも左利きも共存のお箸持ち方絵本『おはしを じょうずに もてるかな』」と題して、今回は全紹介です。

元々は、見つけたときブログですぐに紹介しようかと思っていました。
でもその時点で半年が過ぎていましたので、今さら「すぐに」といっても、すでに半年が過ぎているので、即時性という点はどうにもなりません。

じゃあ、メルマガで紹介すればいいじゃないか、ということで。

最初は図書館で探してみたのですが、結構閲覧・貸出されているようでした。
やっぱり支持されているようだ、と思い、本屋さんで買うことにしました。
いつもの本屋さんに行くと、ありました。
児童書は今まで持っていませんでした。
こういう本も資料の一つとして持っていてもいいのかな、と思いました。

実を言いますと、改めて自分の持ち方を確認しました。
この本のような持ち方をしていました。

私自身、玉子の黄身をつまめるほど、じょうずな持ち方ではありませんが、割といい方だと思います。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

 

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