私の読書論182-渡瀬謙『一生使える「雑談」の技術』から-楽しい読書362号
古典から始める レフティやすおの楽しい読書 (まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】
2024(令和6)年3月15日号(No.362)
「私の読書論182-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『一生使える「雑談」の技術』から」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年3月15日号(No.362)
「私の読書論182-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『一生使える「雑談」の技術』から」
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いつも新刊が出ると本を贈っていただいている、
友人で左利き仲間の渡瀬謙さんの新刊を取り上げます。
彼の著作を取り上げるのは、昨年の6月と8月の二度ありました。
「営業のノウハウを処世術として人生に活かす」という趣向でした。
今回は「雑談術」を扱ったもので、
必ずしも「営業のための」、というものではありません。
近所付き合いでも職場での付き合いでも、またお友達付き合いでも、
その他色々な場面で応用できるかなあ、ということでご紹介します。
・2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」
・『レフティやすおのお茶でっせ』2023.6.15
私の読書論171-渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
から-楽しい読書344号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-929a0f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/59ae185f3daf8eebaec62cad6639e4f4
*渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
日本実業出版社 2023/5/26
(Amazonで見る)
2023(令和5)年8月15日号(No.348)
「私の読書論173-友人・渡瀬謙の新刊・
静かな人のための『静かな営業』を読んでみた」
2023.8.15
私の読書論173-友人の新刊・静かな人のための『静かな営業』を
読んでみた-楽しい読書348号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/08/post-a3c1f9.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/18d2f67eff14d96378e59e618cd888a3
*渡瀬謙『静かな営業 「穏やかな人」「控えめな人」こそ選ばれる
30の戦略』PHP研究所 2023/7/20
(Amazonで見る)
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◆ 平常心――「常にまわりが見える」観察の力で… ◆
~ 営業のノウハウを処世術として人生に活かす(3) ~
渡瀬謙『一生使える「雑談」の技術』(大和出版)から
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●『一生使える「雑談」の技術』全体の概要
『どんな場面でも会話が途切れない 一生使える「雑談」の技術』
渡瀬謙/著 大和出版/2024/2/16
(Amazonで見る)
目次
序章 発想さえ変えれば、誰もが“雑談上手”になれる!
第1章 これだけは押さえておきたい! 雑談の基本&大原則
第2章 最初が肝心! 話のきっかけづくりと話題の見つけ方
第3章 ストレスがかからない! 不自然にならない雑談の進め方
第4章 会話がどんどん弾む! 話の上手な広げ方・掘り下げ方
第5章 もう、あわてない! 話につまったときの切り抜け方
第6章 こんなとき、どうする? [シーン別]困った状況での雑談術
終章 雑談の技術をマスターできれば、人生が大きく変わる!
(出版社の紹介文)
--
ムリに話さなくてもOK!
生来の口下手人間が試行錯誤の末につかんだ
「話のきっかけづくりと見つけ方」「話の広げ方と掘り下げ方」
「困った状況の切り抜け方」etc.を事例とともに初公開。
「雑談が苦手な人」ほど効果がある決定版!
--
カギは「相手ファーストの雑談」にある!
◎雑談には5つの目的と効果がある
◎「相手ファーストの雑談」の構造は、じつにシンプル
◎話題に迷ったときの「新鮮なネタ」の選び方
◎オンラインでの雑談にはコツがある
◎相手がもち出した話題はこうフォローしよう
◎雑談で話が広がらない人の3つの特徴
◎自然と距離が縮まる「教えてもらう雑談」
◎雑談での沈黙には、この3つで対応しよう 他、全49項
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●著者・渡瀬謙さんからの言葉
次に、渡瀬謙さんのメールにあった文章を紹介しましょう。
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この本の特徴は、読んだ翌日からすぐに使える即効性にあります。
・雑談が苦手な人でも翌日からすぐに使える!
・練習不要!難しいセリフを憶える必要がない!
・相手からの信頼度がグンと上がる!
・人付き合いが一気にラクになる!
そもそも雑談力がゼロだった私がこの方法を実践したとたん、
「雑談が得意」と言えるようになりました。
いまでは、雑談を教える講師もやっています。
もちろん、売れない営業にもおススメです。
--
●雑談の秘訣は「相手ファースト」
序章 発想さえ変えれば、誰もが“雑談上手”になれる!
第1章 これだけは押さえておきたい! 雑談の基本&大原則
ここまでで、「雑談」とは何か、何のために行う行為か、
という大前提について語り、どのような「雑談」が正解かを説きます。
くわしい内容については本書をご覧いただくとして、
正解は「相手ファーストの雑談」。
それは、
《がんばって自分がしゃべるのではなく、
いかに相手に気持ちよくしゃべってもらうかに集中する――。》p.56
というもの。
第2章以降が、「相手ファーストの雑談」の具体的な方法の解説です。
第2章以降第6章までの35項目で、それぞれ、
雑談のきっかけや話題作りから、その後の雑談のすすめ方、
話題の広げ方、つまったときの切り抜け方、
困った状況でのシーン別対処法などの具体的な説明が続きます。
ここでも詳しい内容は本書をお読みいただくとして、
その中からいくつか気になった項目を見ておきましょう。
●「天気」の話題はなぜNGなの?
「第2章 01 雑談で「天気」の話をするのはNG」とあります。
私は雑談の第一歩は「天気」の話題だろうと考えています。
雑談の話題としては、
(1)誰もが知っていること・感じていること・興味があること
(2)相手がよく知っていること・感じていること・興味があること
(3)話者本人がよく知っていること・感じていること・興味があること
(4)本人と相手だけが知っていること・感じていること・興味があること
といったことでしょう。
「天気」の話題は最もポピュラーなもので、
いつでもどこでも可能なもので、一番手っ取り早いものです。
これを利用しない方法はありません。
これは、軽い立ち話で終わる日常的な挨拶の次の雑談の話題として、
最適かつ有効な話題です。
ところが、この本書に於いては、
必ずしもそういう「軽い雑談」について論じているわけではないので、
ここでは「NG」だというわけでしょう。
「天気」の話題が有効なのは「異常気象」の時だ(p.72)というのです。
そういうときこそ、誰もが話したくなるものですからね。
●「平常心」が良いパフォーマンスを生む
次に大いに気になった項目は、同じ第2章の
「09 まわりを観察するために必要なのは“平常心”」です。
渡瀬流の雑談のポイントは、この「平常心」をいかに保つか、です。
雑談のきっかけとなる話題を見つける上で大切なことで、
それは、広い視野でまわりを見られるかどうか、
そうして、いかに相手にふさわしい内容の話題を見つけられるかどうか、
という面で。
さらに、実際に雑談に入ってからのパフォーマンスにおいても重要です。
雑談が緊張したものでは、何のための雑談か分からず、
そのあとに続く本題の商談への逆効果となり、本末転倒です。
《「自分が平常心でいられるときに、
最も高いパフォーマンスを発揮できる」》p.98
からです。
昔読んだ松井秀喜さんの本
(『不動心』新潮新書 2007/2/16)
(Amazonで見る)
の中で、「平常心」について書いておられたと記憶しています。
メジャリーガーとしてワールド・シリーズでMVPとなった、
あの松井秀喜さんの言葉です。
自分がチャンスに強いのではなく、相手の方が負けているだけ。
相手がピンチだと思って、勝手に追い込まれていて、
平常心を保てずにふだんの実力を発揮できないでいる。
一方、自分は平常心で、普段通りの実力を発揮できている、
その差が出るのだろう、と言った内容の言葉でした。
どんなときも動じない、平常心でいられる『不動心』が大事なのだ、
といったお話でした。
このお話を渡瀬さんにしますと、
イチローさんも同じような話をしているとのこと。
名選手、天才、偉大な才人等々と呼ばれる人たちはみな、
チャンスに実力を発揮できるように、
どんなときも平常心を心掛けて実践している、ということなのでしょう。
●「営業に雑談は不要」と考える人もいる
実は、私は「営業に雑談は不要」と考える人間です。
よく「会話が途切れない雑談のコツ」等の文字が並ぶ
『雑談術』の本があります。
あれっ、この本の副題? にも
「どんな場面でも会話が途切れない」とありましたね。
私は「会話が途切れて何が悪い」とも考えています。
が、それはさておき、まずは「雑談不要論」について――。
私は昔、下請けの町工場で「工場長兼雑用係」のような立場でした。
仕事の最中に飛び込みで営業に来る人がいますと、
甚だうっとしいものでした。
こちらは一個組み立てて工賃がいくらといった仕事をしています。
時間=工賃、すなわち「時は金なり」の仕事です。
時間泥棒はお金泥棒です。
営業なら、雑談する閑があるのならさっさと商談を始めなさい、
というわけです。
もちろん、すべての雑談を排除する気はありません。
ルートセールスのような、すでに取引関係がある場合なら、
新商品の紹介とか、偶然近くに来たので挨拶に、とか、
関係を維持するための潤滑剤としての訪問ならば、
相手のようすを伺ったうえで、余裕がありそうなら、
ちょっとした雑談をはさむというのは、有効です。
あくまでも人間関係の潤滑剤が雑談です。
で、大いに感心したのが、
「第3章 06 こんな人には雑談は禁物」p.118 という項目です。
雑談をしていけない場面を説明しています。
忙しい人には雑談をしない、というわけです。
ほかの著者が書いた雑談術の本を読んだことはないのですが、
当たり前と言えば当たり前のことですが、
こういう雑談は禁物発言は、意外と書かれていないような気がします。
●しゃべりが止まらない人
次にその逆? で、
しゃべりすぎる人を相手にしたときの対処法が次の項目です。
「第3章 07 しゃべりが止まらない人への対処法」p.120
詳しくは本書をご覧ください。
一言言えば、私はこんな言葉を知っています。
《誰かと会話をはじめる時は、
まずその相手がこっちの話を聞く性質の人か、
それともこっちがそのお喋りを聞くほかない人か、
見きわめることが大切だ。 ――リチャード・スチール――》
加島祥造『会話を楽しむ』岩波新書 2004/10/20
(Amazonで見る)
(加島さんは、英米文学者で、
晩年は信州に住み「伊那の老子」と呼ばれた詩人でした。
現代語の自由詩訳の『老子』で有名です。)
この『会話を楽しむ』では、
会話というものは、二つの基本認識が必要だ、と言います。
対等観と心を開くこと。
この対等観とは、福沢諭吉の有名な『学問のすすめ』の冒頭の、
「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」という時の
「人間としての平等」としての対等な関係という意味です。
目上とか年上とか上役であるとかの形式とは別の意味でのこと。
たかが雑談といえども、本格的な会話と同じことだと思っています。
一人の人間として対応して相手の考えをつかみ、自分の考えを伝える。
それが大事だといいます。
雑談でも、技術的な雑談ではなく、
心のこもった雑談であって欲しいなあ、と私は思いますね。
●沈黙を恐れるな
次に沈黙について。
「第5章 01 雑談での沈黙には、この3つで対応しよう」
沈黙には、「いい沈黙」と「悪い沈黙」と、
さらには「必要な沈黙」がある、といいます。
私も、沈黙を恐れるな、と言いたいですね。
特に「考えている間」というものは絶対必要です。
お互いに考えなしにダラダラ話し合っても意味はありません。
さきほども言いましたように、会話とは互いの考えを披露し合うもので、
理解し合う手段です。
当然、相手の言葉に対しても、考える時間も必要になります。
考えている間の沈黙は、必要な沈黙となります。
●自分で動く
「第6章 05 大勢の飲み会で孤立しそうなとき」の中にあった言葉が、
ガーンときています。
それは、
《孤立するのがイヤだったら、自分で動くこと。》p.191
ここでは、パーティーなどでの対応を述べています。
しかし、人生に置き換えてもいいかもしれません。
私は<左利きライフ研究家>を自称しています。
もう34年ほどになります。
その間、はじめの頃も今も、ほぼ一人で動いてきました。
残念ながら、思うほどには同志は得られませんでしたが、
それは動き方が足りなかったからか、と思われます。
動いた分だけ、何かを得たことは事実です。
もう一度、動いてみたほうがいいのかなあ、という反省はあります。
●「自信」があれば何でもできる
最後に、「おわりに」にあった言葉「自信」について。
まあ、何事もそうなのですが、人間にとって一番大事なのはこの「自信」。
どんなときも「平常心」でいられるというのも同じで、
これも「自信」にもつながることです。
自分は今までこれだけのことをしてきたのだから――といった意識が、
そのまま自信につながっていて、それがそのまま自分の力になっている。
自信があるので、常に平常心でいられ、何事にも積極的に挑んでいける。
雑談に於いても、
本人の精神状態というものが如実に現れてしまうものなのですね。
「平常心」とか「自信」とかは、いきなり身につくものではありません。
色々と経験を積むことで、自然と生まれてくるものなのでしょうけれど、
意識的に極めることはできると思います。
渡瀬さんは、雑談によって人生にこんな変化が生まれた、
といくつかの嬉しい成果を上げています。
しかし、これを見て打算的に雑談の腕を上げようとするのではなく、
人間としてのグレードを一段階上げるのだという、
真摯な気持ちで取り組んでほしいと思います。
この本を読んで各項目の内、一つでも納得のいくことがあれば、
それを実践してゆく。
その結果、何かしら一つでも身につける事ができれば、
それでいいのではないでしょうか。
雑談に関して、その方法論を書いた本でした。
・・・
えっと、私から最後に一言――
私は、日々きちんと状況に応じた「挨拶」ができるならば、
その延長として、「雑談」もクリアできるように思いますけれど、ね。
「挨拶から始めよう!」って。
*参照:「コラム4 “あいさつ言葉”はありがたい」p.124
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本誌では、「私の読書論182-渡瀬謙のビジネス書の新刊『一生使える「雑談」の技術』から 」と題して、今回も全文転載紹介です。
本文でも書いていますが、私は基本的に「雑談」というのが嫌いです。
なんとなく「雑な談話」みたいで。
本当の意味は、雑誌の「雑」で、いろんなジャンルのものといった意味なのでしょう。
でもね。
できるなら、意味のある「会話」、もしくは「対話」にしたいものです。
とはいえ、雑談は「挨拶」同様、「人間関係の潤滑剤」なのでしょう。
有効な雑談術を身につけましょう。
おしまい。
・・・
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
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※本稿は、レフティやすおの他のブログ『レフティやすおの新しい生活を始めよう』に転載しています。
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