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2022.12.31

私の読書論164-私の年間ベスト3・2022年リアル系(後)『生きがい』他-楽しい読書333号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2022(令和4)年12月31日号(No.333)「私の読書論164-
私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)『生きがい』他」


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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和4)年12月31日号(No.333)「私の読書論164-
私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)『生きがい』他」
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 今年もいよいよラストになりました。
 やり残したこともたくさんありますが、
 まずは、やり遂げたこと、やり通せたことを思い返し、
 自分を褒めてやりたいものです。

 「私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)」です。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 まずは、「リアル系」のその前編から。


 「リアル系」とは、いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、を言います。

 それに対して、小説や詩等の文芸作品は「フィクション系」。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 でも「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルのようになってしまうので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

 エッセイの中には、フィクションと見まがうような、
 ホラ話的な内容の境界線上の作品もありますけれど。

 まあ、ここでは、論文に準ずるような著作とお考えください。
 言わんとすることは分かりますよね。

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 - 人生を考え、哲学する人のための人生談義 -
  ~ 私の年間ベスト3・2021リアル系(後編) ~
 『生きがい』『哲人たちの人生談義』『「空気」を読んでも従わない』
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 ●まず候補から――『ロウソクの科学』

今年は本当に読んでいる冊数が少ないので、
いきなりですが、早速「ベスト3」を挙げてしまいましょう。

前回ラスト、候補を挙げておきました。

・『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業』荻野弘之 ダイヤモンド社
・『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎 新潮文庫
・『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』鴻上尚史
 岩波ジュニア新書
・『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』國方栄二 岩波新書
――(現在進行形で読書中の本ですが、入れておきます。)
・『ロウソクの科学』ファラデー 岩波文庫

古典的名著といえば、なんといっても最後の『ロウソクの科学』です。
これはやはり一度は読んでいて欲しい本といえましょう。

特に現代でも科学的思考のできない人が多いように思います。

例えば、新型コロナに関しても、
科学的思考から外れたような解説? 意見? を述べる
メディアのコメンテーターがいたりしました。

当初、全く正体不明な病気でした。
しかし、徐々にその真実の姿が明らかになってゆきました。
それでも分からないことがたくさんあり、
例えば、当初の従来種では、日本人の感染が少ないのとBCGの関係や、
人種の違いに原因があるのでは、とか色々言われました。
実際今でも分からないことが色々あります。

ワクチンに関してもそうです。
今私たちが接種しているワクチンは、
従来のものとは全く違う種類のワクチンです。
そういう意味ではもっと長いスパンでみていかなければ、
その影響がどのようなものとなるかは分からない、といえるでしょう。

しかし、これも科学的にみていかなければ、意味がありません。

では、科学的思考とはどういうものでしょうか。

それを教えてくれるのが、この『ロウソクの科学』です。
ロウソクの燃焼という日常的な題材で、
科学的にものを考えていくとはどういうことかを
順を追って紹介してくれます。


 ●人生論という哲学書

それ以外の候補は、基本的に人生論といったものです。

『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業』と
『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』は、
ローマ時代の後期ストア派の哲学者たちの著作を扱ったものです。

特にエピクトテスを扱ったものが、近年、増えています。

『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』と
『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』は、
前者は、脳科学者からみた日本人の生き方論を英語で書いた小著の翻訳、
後者はジュニア向けの日本的な悩みの解消法を説いた生き方論です。


 ●<私の年間ベスト3・2021リアル系>

今年はとにかく本を読んでいませんので、
数少ないなかでのベスト3です。
でも、前回も書きましたように、まさに少数精鋭で、
ベスト3候補はみな、かなりのハイレベルの争いでした。


(3)『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』
 鴻上尚史 岩波ジュニア新書 2019/4/20
―まわりの「空気」に惑わされず、自分らしく生きる方法を説く。

「はじめに」にこうあります。

 《よりいい生き方を見つけ、楽になるために考えるのです。/
  ですから、あなたの生き苦しさのヒミツも考えるのです。》p.vi

日本では、まわりに合わせることを強要される、といいます。
「同調圧力」という言葉は、このコロナ禍でもよく聞きました。

だれでも人なら、まわりに、世間に決められたくない、
という思いがあるものです。
それでも、それを世間が許してくれない、というムードがあり、
そこで自分を失ってしまい、結果的に生き苦しくなってしまう……。

まあ、そういう状況から逃れるための方法を教えてくれる本です。

まずは、自分を大切にすることが大事です。
自分の人生を決めるのは、自分。

実際には、他人は自分が考えているほど、
自分のことを気にしてはいない、という事実があるのです。
「世間」も同じで、大半は自分の「思い込み」だといいます。

そうはいっても、「世間」はなかなか変わらないものでもあります。
そういう「世間」を変えるためには、
小さな戦いを続けていくしかないのです。

 《「世間」はなかなか変わらないと悲しむのではなく、
  変わらない「世間」のルールをうまく使って戦うのです。》p.139

そして、

 《あなたの戦いは、あなただけの戦いではない。(略)
  あなたの「世間」や「空気」との戦いを心から応援します。》p.189


私も、もう一つのメルマガにおいて、左利きの問題で戦っています。
小さな戦いですが、もう何十年か、
メルマガだけでも18年ぐらい続けています。

いつの日か、この戦いに勝利する日を夢見て!


(2)『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』國方栄二 岩波新書
2022/7/21
―近年の哲学者が話題にしない「幸福とは何か」を古代ストア派の哲学者
 ――エピクテトス、セネカ、マルクス・アウレリウス等の言葉から
 <よく生きる>を哲学する。

「序章」冒頭、
 《哲学者が幸福について語らなくなって久しい。》(p.2)
といい、
 《巷には幸福になるための自己啓発本が溢れかえっているが、
  現今の哲学者は概して幸福論を語りたがらない。》(同)
と続け、
三木清の『人生論ノート』の「幸福について」から引用しています。

この文章は昭和13年(1938)頃のもので、
今の哲学界においてもそれほど変わっていない、といいます。
しかし、
 《古代の哲人たちは人生談義を幸福論から始めることが多かった。》(同)
と。

 《幸福の追求は過去の多くの哲学の出発点であった。》(p.4)
とも。

こうして、ヨーロッパにおいて長きにわたって読み継がれてきた
ストア派の哲人たちの著作から人生論的な哲学思想を紹介しています。

 《古代の哲学を学びたい人は
  プラトンやアリストテレスの書物を読むだろう。
  しかし、人生論といえば、ローマ時代のストア派の哲人の書物を
  繙くことが多い。それはなぜかと言うと、
  哲人たちの言葉が私たちの心の琴線にふれるからであろう。》(p.208)
と。

例えば「死」について――

 《人びとを不安にするのは、
  事柄ではなく、事柄についての思いである。
  例えば、死はなんら恐るべきものではなく――そうでなければ、
  ソクラテスにも恐ろしいと思われたであろう――、
  むしろ死は恐ろしいものだという死についての思い、
  これが恐ろしいものなのだ。》『要録』5 [下巻 364頁](p.172)

『要録』とは、
奴隷の子に生まれた元奴隷で、のちに解放され哲学者となった
足の悪いエピクテトス(後50年年頃-135年頃)、
その弟子のアリアノス(後86/90頃-175頃)が残した著作の二点のうち、
講義の内容を著作にまとめたものが『語録』と呼ばれ、
その思想の要約の方が『要録』と呼ばれるもので、その後者をいいます。

 《エピクテトスが哲学に求めたのは、
  「人はいかにして精神の自由を得ることができるか」
  という問いに尽きている。》

それは『要録』の冒頭にある、

 《物事のうちで、あるものはわれわれの力の及ぶものであり、
  あるものはわれわれの力の及ばないものである。(略)
  そして、われわれの力の及ぶものは本性上自由であり、
  妨げられも邪魔されもしないが、われわれの力の及ばないものは
  脆弱で隷属的で妨げられるものであり、本来は自分のものではない。
  『要録』1 [下巻 360頁]》(pp.101-102)

この一文に集約されます。

自分の力でコントロールできるものとできないものに分けて考えろ、
というのです。

多くの人が言い、実践していることです。

*エピクテトス『人生談義』(上下) 國方栄二/訳 岩波文庫
(上巻=『語録』第一・第二巻
 下巻=第三・第四巻、断片、『要録』を収録)
『エピクテトス 人生談義 (上)』岩波文庫 2020/12/17

『エピクテトス 人生談義 (下)』岩波文庫 2021/2/18

*参照:『要録』に関して、「ベスト3」候補の一冊――
『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業
 ――この生きづらい世の中で「よく生きる」ために』荻野弘之
  かおり&ゆかり/漫画 ダイヤモンド社 2019/9/12
―漫画と共に、元奴隷の哲学者エピクテトスの哲学を解説する。


(1)『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎
 恩蔵 絢子/訳 新潮文庫 2022.5.1
―脳科学者が英語で世界に向けて出した日本人の生き方をめぐる小著。

西欧でブームになっていたという<IKIGAI>を
日本人から説明して欲しいと、
茂木健一郎さんが英語での本をオファーされ、
2017年にロンドンで出版された

 THE LITTLE BOOK OF IKIGAI:
  THE ESSENTIAL JAPANESE WAY TO FINDING YOUR PURPOSE IN LIFE

の日本語訳の文庫版。

日本の本質を知るためには、一度日本を離れ外から見る必要がある、
英語で書くことはその一つの方法である、というのです。

こうして書かれた内容は、寿司、大相撲、雅楽、伊勢神宮、コミケ、
アニメ、ラジオ体操といった、現代日本の様々な日常を取り上げながら、
<生きがい>という概念を分析、それらを通して見える、
日本人の生活と文化といった日本らしさと、
日本人の生き方について追求し、幸福に生きる方法を考える本。

冒頭に<生きがい>に大事な五本柱として、

 柱1:小さく始める 
 柱2:自分を解放する
 柱3:持続可能にするために調和する
 柱4:小さな喜びを持つ
 柱5:<今ここ>にいる

 《それぞれの柱は、<生きがい>が花開くための支えとなり、
  <生きがい>の基礎を作るもの》(p.12)

だといいます。

<生きがい>についての研究論文(曽根ら『日本における、
生きるに値する人生の感覚(IKIGAI)と死亡率の関係:大崎研究』2008)
によりますと、

 《<生きがい>を持っていることは、
  幸せで活動的な人生を築くことができる
  と感じる精神状態にあることを指す、と言えそうだ。》(第一章p.24)

といいます。

 《<生きがい>は、あなたに頑張る力をもたらし、
  あなたの人生に目的を与えるものである。》(同p.25)

と。

<生きがい>は、自分の専門分野で成功をおさめている人でなくても
使うことのできる言葉であり、《どんな人にも開かれている》もので、
《生き方の多様性を讃美している、とても民主的な概念》だ(p.19)、と。

 《<生きがい>とは、自分にとって意味がある、人生の喜びを発見し、
  定義し、楽しむということにつきる。》(p.29)

この本で自分の人生を見直し、<生きがい>が与えてくれる
健康や長寿についてのヒントを得られる、と。

以下の二つの質問に答えることで、

 《もっと幸せで、もっと実り多い人生にするために、
  あなた自身の<生きがい>を見つけよう。》(同p.30)

・あなたが心の中で一番大事にしているものは何か?
・あなたに喜びを与える小さなことは何か?


さて、あなたにとっての<生きがい>とは何でしょうか。

私の場合は、このメルマガ(ともう一つのメルマガ)でしょうか。

とにもかくにも、このメルマガが300号超、もうひとつの方がが600号超、
10年以上続けています。

何かしら自分に「生きる力」を与えてくれています。
(これもひとえに、読者の皆様の存在のお陰ですけれど。)
「自分のために、(かつ)誰かのために」という。


 ●私の年間ベスト3・2021年〈フィクション系〉ベスト1――

今年のベスト1は、やはりこれでしょう。

小著にこそ価値がある、といいますと、言い過ぎな感じですが、
簡潔にまとめるという面からいいますと、
やはり小著が優るという気がしませんか。

小説より詩、詩の中でも短詩系の究極的な短歌や俳句となりますと、
簡潔にズバリとポイントを押さえている表現になります。

で、一見そのようでありながら、
一語一語に創造力の広がりがある表現にもなっています。
読む人それぞれに受け止め方が変わってきます。
自分で想像する余地も生まれてきますよね。

小著には、そういう部分もあります。
要点を押さえながらも、
読者自身が過去の経験に照らして、読み取れる部分が。


うすっぺらい本だと何かしら頼りない印象があるでしょうね。
分厚い本で活字がぎっしり詰まっている本は、
確かに充実感があり、頼りがいがあるように思えます。

しかし、その分読み終えるのに、ハードルが高くなります。

どんなにいい本でも、最後まで読み終えなければ、価値は半減します。

一冊通して書かれたものですから、
部分だけでは理解できなくても当然でしょう。

ポイントだけ拾い読めばいいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どこを読めばいいのか、などということは、
実際に読み込んでみないと分かりませんよね。
どこに大事なことが書かれているか、読んでみないと分かりませんから。


なにしろ、小著には、まず一番に、
とにかく、早く読み終えられる、という利点があります。

多少読みづらく感じても、一息ガマンするだけで読み終えられます。
読み終えてみれば、あれこれいいところが見つかり、読んでよかった、
という気になれるでしょう。

ムダな文章が少なく、
ポイントだけを取り上げて書かれていることが多いので、
要点を取りやすい、というのも小著の利点です。

例を挙げて説明するのは、一見わかりやすそうに思えますが、
ポイントのずれた例だったりすると、マイナスにしかなりませんし、
適切な例でなければ、話がまわりくどくなったり、
冗長になってしまうこともあります。

念のためにと例外事項まで羅列した結果、
ムダに話の展開が間延びすることもあります。


要点だけを順序よくまとめられた小著を読むのが、
一番手っ取り早いものです。

物事を初めて勉強するときも、
微に入り細を穿つような、すべてを網羅したゴッツイ教科書より、
ますは、小著を読んでみましょう。
ポイントだけをコンパクトに押さえた本で、
全体像のイメージを知ってから個々の部分に進んで行くのがベストです。


そこで、この『生きがい』という、
薄っぺらい本を
「私の年間ベスト3・2021年〈フィクション系〉ベスト1」
に挙げておきましょう。


 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

 (1)『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎
      恩蔵 絢子/訳 新潮文庫 2022.5.1

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡


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 ★創刊300号への道のり はお休みです

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本誌では、「私の読書論164-私の年間ベスト3・2022年リアル系(後編)『生きがい』他」と題して、今回も全文転載紹介です。

今年はとにかく数を読んでいないので、まさに少数精鋭の中からの「ベスト3」ですので、意外にレブエルは上がっているようです。

騙されたとおもって一度読んでいただきたいものです。

で、今号で創刊以来333号となりました。
東京タワー到達です。
次は、スカイツリーの634号を目指します!

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
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2022.12.17

『左組通信』復活計画<左利きプチ・アンケート>(18)利き手調査(5)第41回新版マクマナスの利き手テスト-週刊ヒッキイ第632号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第632号 別冊編集後記

第632号(No.632) 2022/12/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [18]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(18)「利き手調査」その5
 第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト」

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第632号(No.632) 2022/12/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [18]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(18)「利き手調査」その5
 第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト」
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 今回は、<利き手調査アンケート>編の5種類目の利き手テスト
 新版の<マクマナスの利き手テスト>を取り上げます。

 <マクマナスの利き手テスト>とは、イギリスの利き手研究の権威
 クリス・マクマナスさんの著書『非対称の起源―偶然か、必然か』
 に紹介されていました利き手テストです。

 新版は、「自己申告による利き手別の投票アンケート」です。

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その25)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [18]
  <左利きプチ・アンケート> 全公開(18)
  「利き手調査」アンケート編・その5
  第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛

 ●第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

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左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announcement
 
  <左利きプチ・アンケート>
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<左利きプチ・アンケート>
第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
(自己申告による利き手別の投票アンケート)

(初出)200 7.4.26 (最終)201 6.9.19
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Enq41

<左利きプチ・アンケート>
第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト

 第33回新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
 第35回新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査
 第37回新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
 第39回新版・利き手調査第4回―chapman利き手テスト」 
 に続く、利き手別に投票する利き手調査アンケートの第五弾!

 過去四回は、以前に紹介した利き手テストの焼き直し版でした。

 今回は、利き手研究30年という、
 マクマナス教授の研究の成果をまとめた著書
 当メルマガの企画、
 「第一回LYグランプリ(2007)読者大賞」を受賞した、
 『非対称の起源』(講談社ブルーバックス刊) 
 で紹介されていた、利き手テストを紹介します。

 従来のテストで多用された、「マッチをする」という項目に替え、
 テレビのリモコンやプルトップという今風の項目を入れています。

・『非対称の起源―偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著
大貫 昌子/訳 講談社 ブルーバックス 2006/10/21

200215kagamino-2

 ● 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト ●

次の動作をするのにいつも使う手はどちらですか。
右手・左手のどちらかを選んでください。

▼調査項目―
1 文字を書く
2 絵をかく
3 ボールを投げる
4 歯をみがく
5 はさみを使う
6 ナイフをもつ(フォークを使わないとき)
7 スプーンを持つ
8 コップを持つ
9 テレビのリモコンを使う
10 炭酸飲料のカン(取っ手リングつき)を開ける

▼判定方法―
「左手」と答えた項目の数を数える

▼解説―
読者は、
0(強い右利き)から10(強い左利き)まで
のどこかにいる。

右端に0をおき、順に1,2,3,…、左端に10をおくと、

「全体として右が高く(強い右利き)、それから徐々に下がり、
左端(強い左利き)で再び上昇する、「J型」曲線を描く。」

「強い右利きと強い左利きの間にいる人は中間的で、
上記の動作の6~9種を左手を使う人は、弱い左利き、
1~5種の場合には、弱い右利きと呼ばれる。」

では、5種に左手、残り5種に右手を使う人
(100人に1人ぐらい)は、両手利きなのか?

「もっとくわしい調査票では、
その人たちも必ずどちらかに偏る傾向があるのがわかった。」

※参照―
『非対称の起源―偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著
  大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス(2006年刊 原著2002)
 「第7章 右と左を決める遺伝子」
   <あなたは右利き、左利き?> 235-237p より

さて、あなたは右利き、それとも左利き、いずれに判定されましたか。
以下の中で当てはまる番号に投票してください。

*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。
 ご自身でご自分の利き手を右もしくは左と、
 どちらか判断した上で投票してください。

*一言言わせて、という方は投票後に表示されます一番下の
 「ご意見ボード」をご利用ください。
 もっと言わせて、という方は掲示板もご利用ください。
 貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1 (右利きの投票者)0点
2 (   〃   )1-5点
3 (   〃   )6-9点
4 (   〃   )10点
5 (左利きの投票者)0点
6 (   〃   )1-5点
7 (   〃   )6-9点
8 (   〃   )10点


現在の結果を見る(ご意見ボードはこちらから)
________________________________________
●利き手調査テスト関連アンケート
第14回 貴方の利き目は右左どちらですか
第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう
第22回 エディンバラ利き手調査
第23回 利き手調査3回目―H.N.きき手テスト
第24回 利き手調査第4回chapman利き手テスト
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト
(自己申告による利き手別の投票アンケート)
第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
第35回 新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査
第37回 新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第39回 新版・利き手調査第4回-chapman利き手テスト

第46回 利き手テストと意識の一致度は?

(最新版)「表紙」で受付中!

その他のアンケートを見る ↓
 <左利きプチ・アンケート>目次

------------------------------------------------------------------
投票結果
実施期間2007.5.27-6.23(4週間・総数24/R9:L15)
------------------------------------------------------------------

1 (右利きの投票者)0点   1
2 (   〃   )1-5点 8
3 (   〃   )6-9点 0
4 (   〃   )10点  0
5 (左利きの投票者)0点   1
6 (   〃   )1-5点 1
7 (   〃   )6-9点 7
8 (   〃   )10点  6

------------------------------------------------------------------

ご意見ボードへの書き込み から――

≫文字に関しては(お箸もそうですけど)子供のころ、
 無理やり右に変えられたという経緯を持つ人が
 (ある程度の年齢以上の人には)多いと思うので、
 それで左利き度合いが強いとか弱いとかを判断されるのは
 いかがなものかと思ったりします。

≫このお考えは決して間違いとはいえません。
 そういう事情を考慮した項目設定をしている学者さんもいます。
 H.N.利き手テストはそういうものです。
 しかし、左利きの度合の強い人の場合、
 右手を使うように指導されてもできないものです。
 右手が使えるにはそれなりの素質が必要、と考えれば、
 こういう判断が生まれてきます。
 【レフティやすお│07/09/13 23:30:10】

≫どちらかを選べというのは、
 人は大なり小なりどちらかに偏っているものだ、という前提なんだな。
 しかし右か左かの二分法だけでなく、現実に弱い傾向の人もいるので、
 偏りの強い人と偏りの弱い人という二分法もおもしろいと思うが、
 いかがか。


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<左利きプチ・アンケート>
第41回新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト

16:04 2007/12/22 (t=253,R=132,L=121
------------------------------------------------------------------
1 (右利きの投票者)0点    24
2 (   〃   )1-5点  42
3 (   〃   )6-9点  36
4 (   〃   )10点   30
5 (左利きの投票者)0点    26
6 (   〃   )1-5点  27
7 (   〃   )6-9点  38
8 (   〃   )10点   30
------------------------------------------------------------------

------------------------------------------------------------------
<左利きプチ・アンケート>
第41回新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト

16:56 2009/01/22 (t=585, R=295, L=290 
------------------------------------------------------------------
1 (右利きの投票者)0点    60
2 (   〃   )1-5点  80
3 (   〃   )6-9点  77
4 (   〃   )10点   78
5 (左利きの投票者)0点    62
6 (   〃   )1-5点  73
7 (   〃   )6-9点  81
8 (   〃   )10点   74
------------------------------------------------------------------

------------------------------------------------------------------
<左利きプチ・アンケート>
第41回新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト

15:53 2011/12/01 (t=1,433, R=619, L=814 
------------------------------------------------------------------
1 (右利きの投票者)0点    143
2 (   〃   )1-5点  154
3 (   〃   )6-9点  158
4 (   〃   )10点   164
5 (左利きの投票者)0点    324
6 (   〃   )1-5点  161
7 (   〃   )6-9点  177
8 (   〃   )10点   152
------------------------------------------------------------------

------------------------------------------------------------------
<左利きプチ・アンケート>
第41回新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
http://personal-dictionary.com/enq/view/enq.asp?EID=52676
http://personal-dictionary.com/enq/view/view.asp?EID=52676
------------------------------------------------------------------
(初出)2007.6.23(最終) (t=2,004, R=892, L=1,112 
------------------------------------------------------------------
1 (右利きの投票者)0点  216
2 (   〃   )1-5点  217
3 (   〃   )6-9点  228
4 (   〃   )10点  231
5 (左利きの投票者)0点  402
6 (   〃   )1-5点  239
7 (   〃   )6-9点  243
8 (   〃   )10点  228
------------------------------------------------------------------
Enq41-kekka

------------------------------------------------------------------
~過去に実施した主な<左利きプチ・アンケート>~

第1回 左利きイメージ調査
第2回 左利きで困ったこと(物理的バリア編)
第3回 左利きの子に右手使いを試みるか否か
第5回 左利き?と思うのはどんな仕草ですか
第7回 左利きでも字は右手で書くべきか
第11回 「利き手(左利き)の矯正」という言葉をどう思いますか
第17回 学校での配膳は左利きの子も伝統的ルールに従うべきか
第29回 左手での毛筆(習字/書道)は是か非か?
第32回 非利き手使い指導を受けたことがありますか

●利き手調査テスト関連アンケート
第14回 貴方の利き目は右左どちらですか
第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう
第22回 エディンバラ利き手調査
第23回 利き手調査3回目―H.N.きき手テスト
第24回 利き手調査第4回chapman利き手テスト
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト

(自己申告による利き手別の投票アンケート)
第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
第35回 新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査
第37回 新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第39回 新版・利き手調査第4回-chapman利き手テスト
第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
第46回 利き手テストと意識の一致度は?
第49回 新版・利き目は右左どちらですか?
第51回 新版・利き足は右左どちらですか―利き足テスト

○最近のアンケート
第34回 あなたの父母は右利きor左利き?
第36回 利き手は変えられると思いますか
第38回 LYグランプリ2006 があったら…
第40回 スポーツで左利きは有利だと思いますか
第42回 左利きの日はどっちがいい?
第43回 タレントさんの左手使いは気になりますか
第44回 じゃんけん、ポン!はどっち?
第45回 左利きのための生活技術指導者・コーチは必要か?
第47回 左利き(利き手)研究会は必要?参加協力する?
第48回 「ぎっちょ」は差別的な言葉だと思いますか?
第52回 利き手をケガしたとき不便を感じましたか?

------------------------------------------------------------------

↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2022.12. (追記)

「解説」にもありましたように、人はみな、
「0(強い右利き)」から「10(強い左利き)」までのどこかにいる
わけです。

その分布を、右端に0をおき、順に1,2,3,…、
左端に10とおくグラフに描くと

「全体として右が高く(強い右利き)、それから徐々に下がり、
左端(強い左利き)で再び上昇する、「J型」曲線を描く。

というのが一般的な分布(右利きが多数派)になるそうです。

「強い右利きと強い左利きの間にいる人は中間的で、
上記の動作の6~9種を左手を使う人は、弱い左利き、
1~5種の場合には、弱い右利きと呼ばれる。」

これを最終投票に当てはめますと、

1 (右利きの投票者)0点 【強い右利き】 216 ・最少
2 (   〃   )1-5点 【弱い右利き】 217
3 (   〃   )6-9点 【弱い左利き】 228
4 (   〃   )10点 【強い左利き】 231 ◎最多

5 (左利きの投票者)0点 【強い右利き】 402 ◎最多
6 (   〃   )1-5点 【弱い右利き】 239
7 (   〃   )6-9点 【弱い左利き】 243
8 (   〃   )10点 【強い左利き】 228 ・最少


となり、
これは、かなり偏りのある結果になっています。

2009年1月22日までのアンケート結果は、
必ずしも「J」ではないものの、
先の平均的な「J字曲線」(右利き多数派)に近いものになっている
といってもよい結果になっていました。

このアンケート結果でいいますと、「て」の字に近いような形です。
イメージとしてはこんな感じでしょうか。


(右利き多数派)
【強い右利き】●●●●●
【弱い右利き】●●●

【弱い左利き】●
【強い左利き】●●
(左利き少数派)

16:56 2009/01/22 (t=585, R=295, L=290 
------------------------------------------------------------------
1 (右利きの投票者)0点  【強い右利き】 60 ・最少
2 (   〃   )1-5点【弱い右利き】 80 ◎最多
3 (   〃   )6-9点【弱い左利き】 77
4 (   〃   )10点 【強い左利き】 78

5 (左利きの投票者)0点  【強い右利き】 62 ・最少
6 (   〃   )1-5点【弱い右利き】 73
7 (   〃   )6-9点【弱い左利き】 81 ◎最多
8 (   〃   )10点 【強い左利き】 74
------------------------------------------------------------------

ところがその後は全くこのパターンから外れる結果になっています。

最終結果はご覧のように、

(右利きの投票者)0点 【強い右利き】 216 ・最少
(   〃   )10点【強い左利き】 231 ◎最多

自称「右利き」の投票者では、「強い右利き」が最少で、
逆に「強い左利き」が最多になっています。

(左利きの投票者)0点  【強い右利き】 402 ◎最多
(   〃   )10点 【強い左利き】 228 ・最少

自称「左利き」の投票者では、その逆で、

利き手の認識に相当なずれがあるように思われます。
どういうことなのかよく分かりません。

何かアンケートの設定が間違っているのでしょうか。

 ・・・

次回は、
「第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト」
を紹介する予定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「★600号までの道のり」は、お休みです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [18] <左利きプチ・アンケート> 全公開(18)「利き手調査」その5 第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト」と題して、今回も全紹介です。

前回も書きましたように、自己申告制の利き手別投票という点が新版の工夫です。
結果だけ見ますと、疑問ばかりです。

アンケートの仕方に問題があるのか、利き手・利き側という要素には非常にむずかしい問題があり、私の考える以上に、「利き手」と実際の「使い手」とのあいだの相関関係は複雑だということでしょうか。

とにかく毎回上記の如く同じような感想を並べています。
なんとか解決したいとは思うのですけれど……。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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2022.12.15

私の読書論163-私の年間ベスト3・2022年リアル系(前)幸福論を読む-楽しい読書332号

古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2022(令和4)年12月15日号(No.332)「私の読書論163-
私の年間ベスト3・2022年リアル系(前編)幸福論を読む 」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和4)年12月15日号(No.332)「私の読書論163-
私の年間ベスト3・2022年リアル系(前編)幸福論を読む 」
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 今年も早12月半ば、ということで、年末年始恒例の
「私の年間ベスト3」を。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 まずは、「リアル系」のその前編から。

 

 「リアル系」とは、いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、を言います。

 それに対して、小説や詩等の文芸作品は「フィクション系」。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 でも「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルのようになってしまうので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

 エッセイの中には、フィクションと見まがうような、
 ホラ話的な内容の境界線上の作品もありますけれど。

 まあ、ここでは、論文に準ずるような著作とお考えください。
 言わんとすることは分かりますよね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 少数精鋭? -
  ~ 私の年間ベスト3・2021リアル系(前編) ~
  哲人たちの「幸福論」を読む
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●2022年の傾向

2020年のコロナ禍からこっち読書量が減っています。
それまでの年間100冊以上から、およそ半減、
せいぜい60冊程度です。
特に今年の場合は、リアル系の本の読書量が激減。

今年はなんと10冊程度。

例年通り内訳を振り返るにも数が少なくて……。

 

 ●(1)メルマガ用のお勉強本―中国漢詩、読書、左利き関連

(★:読みかけ)

【読書】
・『喰らう読書術――一番おもしろい本の読み方』荒俣宏
  ワニブックスPLUS新書 2014/6/9

2022(令和4)年3月15日号(No.314)「私の読書論155-
荒俣宏『喰らう読書術』から~本の価値」
2022.3.15
私の読書論155-荒俣宏『喰らう読書術』から~本の価値-楽しい読書314号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/03/post-c33fbc.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/1cfcd5bcb6d62b6a070756144306bac1

 

【哲学・思想】
・『90分でわかるアリストテレス』ポール・ストラザーン/著
 浅見昇吾/訳 WAVE出版 2014/5/1
―こちらは<90分でわかる哲学者>シリーズの一冊。「生涯と作品」
 「言葉」など小著ながらそれなりにポイントを抑えている。

★『トマス・アクィナス 理性と神秘』山本芳久 岩波新書 2017/12/21
―下のNHKテキストの参考ともなる山本さんの著作。

・『NHK100分de名著 アリストテレス ニコマコス倫理学』
山本芳久 (NHKテキスト) NHK出版 2022/4/25
―NHK番組のテキスト、アリストテレス『ニコマコス倫理学』を読み解く。

2022(令和4)年5月31日号(No.319)
「私の読書論158-アリストテレス『ニコマコス倫理学』
―<NHK100de名著>から」
2022.5.31
私の読書論158-アリストテレス『ニコマコス倫理学』
―<NHK100de名著>から-楽しい読書319号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/05/post-3cd76c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/25a944dfa2089cd33359bb104ed0c522

 

【科学】
★『マンウォッチング(上)』デズモンド・モリス 藤田統/訳
 小学館ライブラリー13 1991.12.20(1991/11/1)
―動物行動学の権威が人間の行動を観察し、日常生活の中の見慣れた
 ジェスチャーや表情の意味を解き明かす世界的ベストセラー。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第627号 別冊編集後記
2022.10.1
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(6)不利な楽器-週刊ヒッキイ第627号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-6d2221.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7142edd7f782a8478966aa6006f16d06

 

【歴史】
★『世界の音 楽器の歴史と文化』郡司すみ/著
(講談社学術文庫 2022/11/10)

第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」
2022.12.3
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(8)利き手の役割-週刊ヒッキイ第631号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/12/post-a25936.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c81018b1d59dc648cf8da15566740dc2

 

 ●(2)その他の古典系のお勉強本

【哲学・思想】
★『教養としての世界の名言365』佐藤優/監修 宝島SUGOI文庫
 2021/11/5
―偉人・有名人の名言を10のカテゴリーごとに見開き2ページで解説。

 

・『何のための「教養」か』桑子敏雄 ちくまプリマー新書 2019/7/5
―教養とは命綱だというアリストテレスの言葉をもとに、教養を説く。

・『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業
――この生きづらい世の中で「よく生きる」ために』荻野弘之
 かおり&ゆかり/漫画 ダイヤモンド社 2019/9/12
―漫画と共に、元奴隷の哲学者エピクテトスの哲学を解説する。

・『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎 恩蔵 絢子/訳 新潮文庫
 2022.5.1
―脳科学者が英語で世界に向けて出した日本人の生き方をめぐる小著。

・『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』鴻上尚史
 岩波ジュニア新書 2019/4/20
―まわりの「空気」に惑わされず、自分らしく生きる方法を説く。

★『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』國方栄二 岩波新書
2022/7/21
―近年の哲学者が話題にしない「幸福とは何か」を古代ストア派の哲学者
 ――エピクテトス、セネカ、マルクス・アウレリウス等の言葉から
 <よく生きる>を哲学する。

 

【科学】
・『ロウソクの科学』ファラデー 竹内 敬人/訳 岩波文庫 2010/9/17
―一本のロウソクの燃焼から科学する方法を解説する古典の名著。
 新訳版で、現代の読者のための解説付き。

 

 ●(3)小説や左利き本等著作のためのお勉強本

【小説・書くこと】【ブック・ガイド】
(x未読)『あなたの小説にはたくらみがない 超実践的創作講座』
佐藤誠一郎 新潮新書 2022/9/20
―ベテラン編集者が解説する「小説家には書けない」小説の書き方。

 

 ●(4)個人的な趣味、仏教や空海・弘法大師に関する本

【仏教】【空海】
(x未読)『空海』松永有慶 岩波新書 2022/6/21
―密教研究の第一人者によるロングセラー『密教』『高野山』に続く、
 第三弾。空海の思想を解き明かす。

以上共に、今年はなし。
本は買っていますが、まだ読んでいません。

 

 ●今年の傾向

傾向といいましても、とにかく本を読めていないので、
【哲学・思想】系の本がその中でも多かったということになります。

國方栄二さんのストア派哲学に関する本を、2020年の後半に読み、
その後、エピクテトスの著作(正確いいますと、弟子がまとめたもの)
の國方さんの翻訳本も含めて、ここ2年ほど、ストア派、なかでも
エピクテトスの著作に関する本をよく読んでいます。

実際に、エピクテトス関連の本が最近、よく出ています。

セネカの本も含めて、ストア派哲学が見直されている、
という印象を受けます。

コロナ禍といい、日本の経済状況も長年、デフレで所得が減少気味、
今年はさらにロシアによるウクライナ侵攻もあり、
北朝鮮のミサイル発射など、世界平和が脅かされています。

これらの不安を乗り越えるための方策として、
このストア派の哲学――なかでもエピクテトスの
「自分の力の及ぶものと及ばないものとを分けて考える」
というものの考え方、取り組み方が
脚光を浴びる状況になっているのかもしれません。

 

 ●私の2022年〈リアル系〉ベスト3候補

221214-2022real-best

『奴隷の哲学者エピクトテス 人生の授業』荻野弘之 ダイヤモンド社
『生きがい―世界が驚く日本の幸せの秘訣―』茂木健一郎 新潮文庫
『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』鴻上尚史
 岩波ジュニア新書
『哲人たちの人生談義 ストア哲学をよむ』國方栄二 岩波新書
――(現在進行形で読書中の本ですが、入れておきます。)
『ロウソクの科学』ファラデー 岩波文庫

以上、この辺が今年の候補ですね。

昔から私は「幸福論」と呼ばれるものが好きで、よく読んできました。

哲学書の三大「幸福論」と呼ばれる、
ヒルティ『幸福論』(全三巻、幸福に関する短文集、仕事の有用性、他)、
アラン『幸福論』(幸福をテートとするプロポと呼ばれる短文集)、
ラッセル『幸福論』(幸福は自分の力で得られるという長編論文)
を筆頭に、ショーペンハウエルの『幸福について』という本もあります。
古代ギリシアの哲学者プラトンの、<よく生きる>について書いた
初期ソクラテス対話集の「クリトン」や、
幸福は<最高善>であるというアリストテレスの『ニコマコス倫理学』、
自分の力の及ぶものと及ばないものを分けるのが大事というストア派の
エピクテトス『人生談義』等々、読んできました。

哲学的な「幸福論」というだけでなく、
ごく一般的な「人生論」「処世論」といったものも含めて、
心理学系の本も好きで読んできました。
また、宗教書になる、初期仏教や空海に関する本も、
たぶんに「幸福論」的に読んできました。

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今回も、そういう本が気になっています。

この中では『ロウソクの科学』だけが純粋な科学解説本ですね。

あとは、哲学・思想といったものです。

さて、次回はこの中からベスト3を選んでみます。

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 ★創刊300号への道のり はお休みです

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本誌では、「私の読書論163-私の年間ベスト3・2022年リアル系(前編)幸福論を読む」と題して、今回も全文転載紹介です。

2013年から毎年毎年紹介してきた<○○年に読んだ本から>~<私の年間ベスト3>ですが、今年で10年になります。

その間にオススメした本は何冊になるのでしょうか。
当初は数を絞らずに紹介していました。
その後、「ベスト1」になり、「ベスト3」になってからはまだ四回目ですね。

50歳になって、ブログを始めて、自分の教養のなさにガックリし、改めて読書と取り組んだわけです。
朝読を始めて年間100冊超の本を読むようになりました。
そのうちの半分を<リアル系>の本を読むようにしました。

それまでは、もっぱら小説ばかり読んでいました。
それも、SFやミステリといったエンタメ系のものばかりでした。

これではやはりダメで、もっと硬い本を読もうと考えたわけです。
同じ小説を読むのでも、古典の名作を、といったように。

50歳から19年たちました。
コロナ禍になってから読書量が激減し、三桁に届かなくなったのですが、19年でのべ2000冊超の本を読んだ計算になります。
その内の約訳半分がリアル系で、主に哲学・思想・宗教系の本になっています。
哲学にしろ宗教(主に仏教)系の本にしろ、たいていはまだ古代編で、哲学などは全く近代以降のものは未読に近い状態です。
その辺は反省すべきところでしょうか。

また一般の教養としては、科学系も歴史系もその他諸々の分野も全くといっていいほど未開拓なので、この辺は将来への宿題でしょう。

 

*参照:
・一番初めの年間読書オススメ紹介~<○○年に読んだ本から>――
2013(平成25)年12月31日号(No.119)-131231-  
“今年(2013年)読んだ本・買った本”から (1)教養編
(別冊 編集後記)2013.12.31
“今年(2013年)読んだ本・買った本”から (1)教養編
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2013/12/2013-1-236b.html
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-11739419082.html

・最初の<私の年間ベスト3>紹介――
2019(令和元)年12月15日号(No.261)「私の読書論126-
読書生活書籍購入50年(5)リアル編
-50代以降・世界の四聖編ベスト3(前編)」
(別冊 編集後記)2019.12.15
私の読書論126-読書生活書籍購入50年(5)リアル編-50代以降世界の四聖編ベスト3(前)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/12/post-cd9e66.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/15c4e4828b0055d6ddf7d0c0807508d8

 ・・・

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2022.12.03

左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(8)利き手の役割-週刊ヒッキイ第631号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第631号 別冊編集後記

第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前回は、ネットのサイトにあった、
 ギター講師さんのご意見を紹介しました。 

 今回も引き続き、
 ネットで見たギター演奏に関するご意見を紹介します。

 「知恵袋」の中のご意見を紹介するのは、トラウマがあり、
 正直、ちょっと怖いのですが……。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界 (8)
  ◆ 利き手と非利き手の役割 ◆
   ~ 「知恵袋」の相談から ~  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●「知恵袋」の相談から――右利き演奏へ変えることは可能か?

知恵袋トップ>カテゴリ一覧>エンターテインメントと趣味>音楽>
楽器全般
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1433114104

--
kei********さん
2009/11/18 15:35

私は左利きなんですが、
右利き用のギターで上手くなりたいと思っています。
利き手と同じように上達することは可能なんでしょうか?
今私は、左利き用のギター(4万円程度)を持っています。
・・・が、右利き用のギターに変えようかなと思っています。
理由は、左利き用のギターがお店(イオン)に少ないからです。
お店の店員の方が、(品数が少ないということで)
「右利き用のギターで弾いても上達するよ」と言ってくれたのです。
そこで質問なのですが、
この店員の方が言ってくれているのは信じていないわけじゃないんですが
一応聞いてみたいと思って聞いてみました。
利き手とは逆の手でも上達するんでしょうか?
左利きのギターは買って8ヶ月程度なんですが、
正直言うと未経験者と変わらないレベルです。
それでも今から買い換えて練習していきたいと思っています。
今持っている左利きのギターを売ってそのお金を足して分割払いで
右利きのギター(10万程度)を買いたいと思っています。
回答よろしくおねがいします。
--

 

 ●「左利きのまま技術を伸ばしたほうが・・・」

回答の中の一つで、私が一番気に入ったのが、下のご意見でした。

 

--
Pieceさん
2009/11/18 16:13

できますよ。練習さえすれば必ず弾けます。
松崎しげる氏は、
右用のギターを逆さまにして左に持ち替えて上手に弾きます。
彼曰く「他の人と違うことをしなければ芸能界にはいられない
と思ったから」だそうです。

左利きの方でしたらもちろん利き手で弾いた方が上達が早いです。
利き手じゃないほうで文字を書く、球を投げる、球を蹴る・・・
それと同じです。
逆の手足を使ったらめちゃくちゃやりづらいですよね?
でも、練習すれば上達はします。ただし道のりがかなり険しいです。

確かに左利きは楽器選びでハンディがありますが、
見た目のインパクトは左利きのほうがあります。
昔、某楽器屋さんのキャッチフレーズに
「左利きはマネのできない才能」と書いてありました。
まぁマネできないことはないのですが、非常に大変です。なので、
左利きも才能の一つとしてそのまま練習したほうが私はいいと思います。

余談ですが、バクチクの今井さんというギタリストは、
右利きですが左で弾いています。彼も相当練習したでしょう。
何度も繰り返しますが、出来ないことはありません。
でも、私個人の意見としては、
左利きのまま技術を伸ばしたほうが後々ライブとかでも目立ちますし
いいのではないかな、と。
--

 

 ●出発点の違い

前回も書きましたが、利き手というものは、もうその時点で、
出発点が違っているのです。

Pieceさんも書いていらっしゃるように、
《練習すれば上達はします。ただし道のりがかなり険しいです。》

富士山に登るとき、ふもとから登るのと
バスで五合目まで行って、そこから登るのとでは、全然違いますよね。

まあ、人により異なりますが、五合目ではないにしても、
左利きとして何年なり何十年なりか生きてきた人は、
当然その分だけ、利き手も成長しているので、
出発点が違うということは当然でしょう。

 

もちろん、達成感という点では、
ふもとから登ったときの方が大きいかもしれません。
それだけの苦労をしたのですから。

ただ、一時的な達成感
(もちろん、それが「生涯の糧」(!)になる可能性もありますけれど)
よりも、実利を取る方がいいでしょう。

 

 ●「音苦」にならないために

特に、音楽というものは、「音を楽しむ」と書くように、
楽しくなければ演奏する意味がない、と思うのです。
心の高まりが演奏に伝わるのではないでしょうか。

窮屈な「非利き手」で一生懸命がんばるというのは、
「音苦」にはなっても「音楽」にはならないのではないでしょうか。

音楽は心の表現です。

私の持論は、「利き手は心につながっている」です。

その利き手で演奏したとき、最も心が表現できるのではないでしょうか。

 

最近本屋で見つけた本
(「楽器の歴史」と副題にあるので、参考になるかと思い、
 買ってみました。)

『世界の音 楽器の歴史と文化』郡司すみ/著
(講談社学術文庫 2022/11/10)

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この本の「はじめに」に、こんなことが書いてありました。

(本書で扱う)
 《“音”とは第一に人間が“心の耳”で聞くものを指している。》

といい、

 《“音”はそれが意識されなければ存在し得ないものである。》

と。

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心の耳で聞くという音を作るのが演奏なのですから、
心がこもりやすくなる演奏の仕方を心掛けるべきでしょうね。

 

仮に、左利きの人が非利き手を鍛えて、
右手で演奏できるようになったとしても、
「人一倍」苦労しても、
結果は「人並み」にしかならないのではないでしょうか。

「Piece」さんのご意見にもありましたように、
《左利きの方でしたらもちろん利き手で弾いた方が上達が早いです。》

しかも、

《見た目のインパクトは左利きのほうがあります。》

まさにその通りです。

 

上記の本には、こんなことも書かれていました。

 《楽器の音は人間が思想や感情など心に浮かぶもの(心像)を
  表現する際に使用するメディアの一つであり、
  楽器はその音というメディアを作るために人間の抱いている心像と
  音との間に立つもう一つのメディアである(略)》

といい、

 《心像は、聴覚的に具体化されるばかりでなく、
  視覚的な具体化も可能で(略)》

とも書かれていました。

ここでの視覚的な具体化の指摘は、
単純な右演奏と左演奏といった意味ではないのですけれど、
演奏というものは、
やはり単に聴覚だけの問題ではない、
ということは間違いではないでしょう。

 

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(ポール・マッカートニーの左演奏が写っているCD)

 

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(ジミー・ヘンドリックスの左演奏が写っているCD)

 

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(松崎しげるの左演奏が写っているCD)

 

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(アニメ「けいおん!!」の恥ずかしがり屋の左弾きベーシスト秋山澪が表紙に出ているコミック第2巻表紙)

 

 ●利き手と非利き手の役割

結論として、Pieceさんは、

 《左利きも才能の一つとしてそのまま練習したほうが
  私はいいと思います。》

まさに正論でしょう。

上達までの時間や練習量という部分、実際に演奏するときのインパクト
――等々、左利きには左利きならでは道があり、
結果としての演奏に魅力が出てくるのではないでしょうか。

 

もし利き手にそういう力がないのなら、
右利きの人も右演奏ばかりではなかったはずでしょう。

演奏するにあたって、演奏する手/腕にも主役と脇役があり、
そこに利き手と非利き手の役割がある、と私は思います。

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 「★600号までの道のり」は、お休みです。

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」と題して、今回も全紹介です。

前回も書きましたが、利き手とそうでない方の手(非利き手)の役割分担については、次回にでも説明しようと思います。

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