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2022.04.30

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(16)漢代(7)古詩十九首-楽しい読書317号

 ―第317号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」【別冊 編集後記】

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★

2022(令和4)年4月30日号(No.317)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(16)漢代(7)古詩十九首から」

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和4)年4月30日号(No.317)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(16)漢代(7)古詩十九首から」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の16回目です。

 後漢末期、五言詩が中国の詩の中心となるきっかけとなった
 作品群の一部が、後世「古詩十九詩」としてまとめられました。
 今回はそのなかから三つほど紹介します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 知識人の悲しみ ◆
 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(16)漢代(6)
  後漢末期・古詩十九首 から
  ~ 別離の歌/七夕伝説/去る者は日に以て疎し ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社
「五、知識人の挫折――古詩十九首」より
Kansiwoyomu1-2

 

 ●古詩十九首

今回は、後漢末期に地方に潜伏していた知識人が
自らの思いを託して書いた詩の中から、
政治をになっていた宦官たちに抹殺されることもなく後世に伝えられ、
300年後の南北朝時代の後半(六世紀後半)に編纂された名作集
『文選(もんぜん)』に掲載された「古詩十九首」を取り上げます。

当時の知識人とは、中国では官僚が中心、他には学生。
後漢中頃から政治の中心にいたのは、
短命な皇帝にかわり勢力を伸ばした太后や太后の外戚たちでした。
太后は大臣や高官との仲立ちに宦官を用いたことから、
そののちには、宦官が権力を持つようになります。
そこに加わった第三勢力が官僚たち知識人でした。
知識人には、官僚の他、予備軍として書生や大学で学ぶ学生がいました。
地方の官僚たちにもそのネットワークにより、朝廷の権力闘争が伝わり、
儒教を学んだ知識人たちが「これではいけない」と思い、
政治批判、権力批判の言論活動を始めます。
このグループ化した知識人を「党人」と呼びます。
しかし、ここでは宦官が一枚上手で、「党人」一味を弾圧します。
知識人たちは地方にちりぢりに逃げ出し、政治活動は諦めても、
政治批判の言論活動を続けます。
それとともに、政治活動を立たれた絶望感や無力感を詩の形にします。
詩の表現にも本心を隠している部分があるといいます。

 

 ●古詩十九首―其の一

古詩十九首 古詩十九首 無名氏

 其一 其の一

行行重行行  行(ゆ)き行(ゆ)きて 重(かさ)ねて行(ゆ)き行(ゆ)く
与君生別離  君(きみ)と生(い)きながら別離(べつり)す
相去万余里  相(あひ)去(さ)ること万余里(ばんより)
各在天一涯  各々(おのおの)天(てん)の一涯(いちがい)に在(あ)り

道路阻且長  道路(どうろ) 阻(そ)にして且(か)つ長(なが)し
会面安可知  会面(かいめん) 安(いずく)んぞ知(し)る可(べ)けん
胡馬依北風  胡馬(こば)は北風(ほくふう)に依(よ)り
越鳥巣南枝  越鳥(えつちよう)は南枝(なんし)に巣(すく)ふ

 私はどこまでもどこまでも旅を続け、
 こうして君と生きながら別れている
 互いに一万里以上も隔たって、
 お互い大空のかなたに生きている

 二人をつなぐ道のりは険しく、えんえんと長く続いており、
 再びまみえることがあるかどうか、どうしてわかるものか
 北で産まれた馬は、大きくなっても北風に身を寄せるものだ
 南の国から来た鳥は、北へ行っても南側の枝に巣を作るものだ

 

相去日已遠  相(あひ)去(さ)ること日(ひ)に已(すで)に遠(とほ)く
衣帯日已緩  衣帯(いたい) 日(ひ)に已(すで)に緩(ゆる)やかなり
浮雲蔽白日  浮雲(ふうん) 白日(はくじつ)を蔽(おほ)ひ
遊子不顧返  遊子(ゆうし) 顧返(こへん)せず

思君令人老  君(きみ)を思(おも)へば人(ひと)をして老(お)い令(し)む
歳月忽已晩  歳月(さいげつ) 忽(たちま)ち已(すで)に晩(く)る
棄捐勿複道  棄捐(きえん)せらるるも複(ま)た道(い)ふ勿(なか)らん
努力加餐飯  努力(どりょく)して餐飯(さんぱん)を加(くは)へよ

 お互い隔たること毎日ますます遠くなり、
 私の衣の帯は日に日に緩くなって参りました
 空を流れる雲が太陽の光を蔽い隠したようにあなたの姿は見えず、
 旅するあなたの姿は見えず、旅するあなたは戻って来てくださいません

 

 あなたのことを思い詰めていると、私は一層老け込みます
 歳月はあっという間に過ぎ、すぐに年の暮れになってしまうでしょう
 あなたに捨てられてしまっても、
 もうこれ以上何も言うのをやめましょう
 ただあなたに一言申し上げたい、
 どうぞ努めてお食事をしっかり召し上がって、
 お体を大事になさってください

 

悲しみの別離の歌。
前半は夫が妻に贈るメッセージ、
後半はそれを受けて妻が夫に返すメッセージと
二段構えになっていて、当時としてもめずらしい形、といいます。

後半の妻の一人称の部分にある、
「浮雲(ふうん) 白日(はくじつ)を蔽(おほ)ふ」がここのキーワードで、
《当時流行した“邪な臣下が賢い人間を妨害すること”のたとえ》
だといいます。
(『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』江原正士、宇野直人
「五、知識人の挫折――古詩十九首」p.168)

ここまで読むとこの詩には裏があるな、と分かる人には分かるのだ、
といいます。
単に離別を悲しむ詩ではなく、そこに何かしらのニュアンスを込め、
連帯感を新たにしている。

 

 ●<諦めと無常観>七夕伝説――其の十

そういう中央の政治から切り離された知識人たちのあきらめや、
儒教を信じてきた自分たちがまちがっていたのか、という思考のあと、
仏教の伝来や道教の体系化に伴う背景から、
「無常観」という価値観が見られるようになった、といいます。

 

其十  其の十   無名氏

迢迢牽牛星  迢迢(ちようちよう)たる牽牛星(けんぎゆうせい)
皎皎河漢女  皎皎(きようきよう)たる河漢(かかん)の女(じよ)
纖纖擢素手  纖纖(せんせん)として素手(そしゆ)を擢(ぬき)んで
札札弄機杼  札札(さつさつ)として機杼(きちよ)を弄(ろう)す

 遙か遠くに彦星が輝いている
 明るく輝く天の娘がいる
 織姫はほっそりとした白い手を持ち上げて、
 カタコトと音を立てながら機織り機を動かしている

終日不成章  終日(しゆうじつ) 章(しよう)を成(な)さず
泣涕零如雨  泣涕(きゆうてい) 零(お)つること雨(あめ)の如(ごと)し
河漢清且浅  河漢(かかん) 清(きよ)く且(か)つ浅(あさ)し
相去復幾許  相(あひ)去(さ)ること復(ま)た幾許(いくばく)ぞ

 しかし彼女は一日中かかっても布地を織り上げることができず
 涙が雨のように流れるばかりだ
 天の川は清く澄んで浅い
 二人が隔てられていること、いったいどれくらいであろうか

盈盈一水間  盈盈(えいえい)として一水(いつすい)間(へだ)て
眽眽不得語  眽眽(みやくみやく)として語(かた)るを得(え)ず

 しかし実際には天の川には水がいっぱいにあふれ
 一筋の流れが二人を阻んでいるために
 二人はじっと見つめ合うばかりで言葉を交わすこともできないのだ

 

最初の一句と二句で、牽牛と織女(河漢の女)が出てきます。
中国の七夕伝説を扱った最初期の例。
大体この後漢時代に伝説が形にまとまった。
中国の伝説には、天帝が出てきます。

牛に農具を牽かせて畑を耕す彦星、機を織る織姫、
二人は働き者だったので、天帝は感心して二人を引き合わせる。
ところがお互いに一目惚れし、仕事をサボるようになり、
怒った天帝は二人を天の川の両岸に引き離した。
そして七月七日にだけ会えるようにした。
その晩晴れていたら、鵲(かささぎ)が飛んできて橋を架け、
それを渡って織姫が彦星に会いに来る。

日本と違って、女の方が通ってくる。
日本では通い婚の風習があったので、逆になったのかもしれません。

ところで、
日本にはこれとは別に“棚機(たなばた)”という行事があったそうです。
秋の神様を迎える祭事で、崖の棚状になった場所に小屋を建て、
選ばれた娘が籠もり、秋に神様が着る着物を織る。
文字通り「棚」で「機」を織る。
それがちょうど旧暦の七月に当たり、
そこに彦星と織姫が出てくる中国の七夕伝説が入って合体した。
《日本の機織りの行事に、
 中国の星の世界のロマンチックな伝説がミックスされた》(同書p.171)。

この詩は、連帯感の強い知識人同士を彦星と織姫に、
彼らから政治の場を奪った宦官グループを、
二人を引き裂く天の川や天帝にたとえて、
彼ら知識人たちの絶望の気分を強く表しています。

 

 ●「去る者は日に以て疏し」―其の十四

其十四  其の十四   無名氏

去者日以疏  去(さ)る者(もの)は日(ひ)に以(もつ)て疏(うと)く
来者日以親  来(く)る者(もの)は日(ひ)に以(もつ)て親(した)しむ
出郭門直視  郭門(かくもん)を出(い)でて直視(ちょくし)すれば
但見丘与墳  但(ただ) 丘(きゆう)と墳(ふん)とを見(み)るのみ

 世を去った者は日ごとにどんどん忘れられ
 生きて始終訪れのある者は日増しに親しみ深くなる それが世の常だ
 或る日、私は町外れの城壁の門を出て前をまっすぐ見つめると
 なんとまあ、見わたす限り、たくさんのお墓がみえるばかり

古墓犁為田  古墓(こぼ)は犁(す)かれて田(でん)と為(な)り
松柏摧為薪  松柏(しょうはく)は摧(くだ)かれて薪(たきぎ)と為(な)る
白楊多悲風  白楊(はくよう) 悲風(ひふう)多(おお)く
蕭蕭愁殺人  蕭蕭(しようしよう)として人(ひと)を愁殺(しゆうさつ)す

 古い墓をお参りする人もいなくなり、
  やがて掘り返されて畑となることもあるだろう
 墓に植えられたハコヤナギに悲しい秋風が盛んに吹きつけ
 寂しい音をたてて私を深く悲しませる

思還故里閭  故(もと)の里閭(りりよ)に還(かへ)らんことを思(おも)ひ
欲帰道無因  帰(かえ)らんと欲(ほつ)するも
        道(みち) 因(よ)る無(な)し

 我が故郷に帰りたいと思うのだが、
 いざ帰ろうとしても辿るべき道がとざされてしまっている

 

一句目が有名な「去る者は日に以て疎し」。

「去る者」とは死者のことで、「来る者」とは生きている人、
お墓が畑になったとあったり、
永久不変のたとえである「松柏」といった常緑樹が薪になったり、
故郷に帰りたくても帰れないといった絶望感など、
人の世のむなしさ、時間の流れの冷酷さ、
当時の死生観が表れた詩となっています。

「悲風」とは、これ以後「秋風」を言うようになるそうです。

“秋の悲しみ”を詠った宋玉にしても、ここまでの無常観ではなく、
この詩にいたって初めて無常観といったものが表現された。

そこには、仏教や道教の影響がある、と。

 《実は、“古い墓がやがて畑になり、常緑樹が薪になる”と言うのは、
  道教関係の仙女の伝説に基づいているんです。
  仙女の麻姑(まこ)が或る時、お役人に会って話すには、
  「私はもう三千年も生きていて、向こうの山が川となり、
   その川が畑になるのを三回、この目で見ました」。》同書p.176

という仙女伝説や、日常をはるかに超えた時間感覚などは、
仏教や道教の影響が感じられる、と言います。

このような無常観は、
後世の詩人たちにも受け継がれていくことになります。

 

鎌倉末期、吉田兼好の随筆『徒然草』第三十段にも引用されています。

 《年月を経ても、つゆ忘るるにはあらねど、「去る者は日々に疎し」
  といへることなれば、さは言へど、そのきはばかりは覚えぬにや、
  よしなしごと言ひてうちも笑ひぬ。
  からは、気(け)うとき山の中にをさめて、
  さるべき日ばかりまうでつつ見れば、
  ほどなく卒塔婆(そとば)もこけむし、木の葉ふりうづみて、
  夕べの嵐、夜の月のみぞ、こととふよすがなりける……》同書p.176

 ・・・

いつの世でも、人の世の営みの、時の流れのむなしさ、
というものがあります。

コロナ禍にしましても、このたびのウクライナ侵攻問題にしましても、
あるいは地震にしましても、どうしてこう次々と問題が起きてくるのか、
それでなくても、人として生きていますと、加齢に伴う病が起き、
悩まされる種の尽きぬことのおびただしさには、あきれるほどです。

四苦八苦と仏教ではいいますが、生きることもまさに苦そのもの。
なんとかならんものか、という日々を過ごしています。

さあ、最後はちょっと愚痴になってしまいましたが、
本日はこの辺で。

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 ● 漢詩の入門書等を読む

★『漢詩入門』一海知義/著 岩波ジュニア新書 1998.6.22

 

▲★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の
 『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。
 俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩
 を対話形式でわかりやすく読み解く。

 

★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。

 ▲マークは、本文で取り上げた本
 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。
 (基本的に、筆者が“偶然”手にしたものを取り上げています。)

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 ★創刊300号への道のり(16) 2021(令和3)年7-12月(14年目後半)

298.
2021(令和3)年7月15日号(No.298)
「私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
ミステリ編(2)サスペンス他」
2021.7.15
私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺ミステリ編(2)-楽しい読書298号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/07/post-6f1005.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ac35cb4854a3b92851db545567f9d4a1

299.
2021(令和3)年7月31日号(No.299)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)準古典」
2021.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)
-「楽しい読書」第299号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/07/post-38536e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/872fb55a4a5a78d989b58cf7878bc188

300.
2021(令和3)年8月15日号(No.300)
「創刊300号記念号(放談)それでもやっぱり本が好き!」
2021.8.15
それでもやっぱり本が好き!-「楽しい読書」第300号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/08/post-2ca533.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/1f45afce518bb16b6042ad18ea72819a

301.
2021(令和3)年8月31日号(No.301)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家」
2021.8.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家
-「楽しい読書」第301号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/08/post-709d62.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/76ed255eb712153d96e6ef9ca568633c

302.
2021(令和3)年9月15日号(No.302)
「私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・蔵書以外の名作傑作・SF編」
2021.9.15
私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
ハヤカワ文庫の50冊(8)拾遺SF編-楽しい読書302号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-91bb0c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5177990812901e6a5ec1c80293ea30a

303.
2021(令和3)年9月30日号(No.303)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(12)
特別編-中島敦「山月記」より」
2021.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(12)特別編-中島敦「山月記」より
-楽しい読書303号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-0666dc.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/01e422e6e9e18417a82bd6713f662e3f

304.
2021(令和3)年10月15日号(No.304)
「私の読書論148-本は<読む>もの?<見る>もの?」
2021.10.15
私の読書論148-本は<読む>もの?<見る>もの?-楽しい読書304号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/10/post-a887cc.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/f87a5a4441366c4942a89a1fd0ebf613

305.
2021(令和3)年10月31日号(No.305)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(13)漢代(4)李陵と蘇武 」
2021.10.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(13)漢代(4)李陵と蘇武
-楽しい読書305号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/10/post-0dd04c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/156f20ec8874a78841b7bb8cfe311a79

306.
2021(令和3)年11月15日号(No.306)
「私の読書論149-今年も読めない!?」
2021.11.15
私の読書論149-今年も読めない!?-楽しい読書306号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/11/post-92e47c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c4cc501456a7fc1a66046a6ca5fa0729

307.
2021(令和3)年11月30日号(No.307)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-
「パーティー族」ドナルド・E・ウェストレイク」
2021.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに~(11)-2021-「パーティー族」
-楽しい読書307号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/11/post-89135b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/18c776f043925c645747d63c43d02f2c

308
2021(令和3)年12月15日号(No.308)「私の読書論150-
私の年間ベスト3・2021年リアル系(前編)岡本太郎他」
2021.12.15
私の読書論150-私の年間ベスト3・2021年リアル系(前)-楽しい読書308号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/12/post-6520fd.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/00d4199074d690a9a06614e57c97d6f5

309.
2021(令和3)年12月31日号(No.309)「私の読書論151-
私の年間ベスト3・2021年リアル系(後編)岡本太郎他」
2021.12.31
私の読書論151-私の年間ベスト3・2021年リアル系(後)-楽しい読書309号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/12/post-ceb6fd.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b171098bc2132d4d4f7e6cd2a77c3dcd

 ・・・

今回は昨年、2021年の7-12月の後半です。
7月8月は、恒例の新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェアから、
私の選んだ各社一点ずつ計3点の紹介。
11月末は、これも毎年恒例の「クリスマス・ストーリーをあなたに~」の
11回目で、現代編としてウェストレイクのクライムコメディ、
犯罪プランナー<ドートマンダー>ものの短篇集からのクリスマス編。
12月は、<私の年間ベスト3>からでした。

それ以外の月末の「古典紹介編」は、
古代中国の文芸「漢詩を読む」編の漢代編。

月の半ばの号では、「私の読書論」として、
ハヤカワ文庫創刊50年記念の残りと、その他あれこれでした。

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(16)漢代(7)古詩十九首から」をお届けしています。

今回もまた全文転載です。

お気に召した方はぜひ、弊誌のご購読を!

 ・・・

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2022.04.16

『左組通信』復活計画[12]<左利きプチ・アンケート>(12)利き手調査(2)第22回-週刊ヒッキイ第617号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第617号 別冊編集後記

第617号(No.617) 2022/4/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [12]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(12)
「利き手調査」その2 第22回 エディンバラ利き手調査(訂正版)」

 

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第617号(No.617) 2022/4/16
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [12]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(12)
「利き手調査」その2 第22回 エディンバラ利き手調査(訂正版)」
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 <利き手調査アンケート>編の3回目です。

第607号(No.607) 2021/11/20
「2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その18)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [9]
 <左利きプチ・アンケート> 全公開(9)
利き手調査アンケート編について」

2021.11.20
『左組通信』復活計画[9]<左利きプチ・アンケート>全公開(9)
利き手調査-週刊ヒッキイ第607号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/11/post-704e5d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3b856686f18f324f7a5b3603d4f92249

第613号(No.613) 2022/2/19
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [10]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(10)「利き手調査」その1
 第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう 」

2022.2.19
『左組通信』復活計画[10]<左利きプチ・アンケート>(10)
利き手調査(1)第20回-週刊ヒッキイ第613号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/02/post-86d257.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9481895bb9dfd4e2a3c430b0a7db8e3b

第615号(No.615) 2022/3/19
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [11]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(11)
「利き手調査」その1-2(新版・再版)
第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
再版第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる」

2022.3.19
『左組通信』復活計画[11]<左利きプチ・アンケート>(11)
利き手調査(1-2)第33回 新版・再版-週刊ヒッキイ第615号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/03/post-2ef3cc.html

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(その20)
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [12]
  <左利きプチ・アンケート> 全公開(12)
  「利き手調査」アンケート編・その2
  第22回 05.10.30-11.26
  利き手調査2回目―エディンバラ利き手調査
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 ●「利き手調査」アンケート編・その2

利き手調査アンケートの第二弾です。

今回は、広く普及して利き手を調べるテストとして活用されてきた、
利き手テストの代表格の「エディンバラ利き手調査」を紹介しています。

 

 第22回 05.10.30-11.26
  利き手調査2回目―エディンバラ利き手調査

当初、「4 はさみ」の調査項目を欠落するというミスをしてしまい、
役の立たぬものを配信してしまい、
読者からのご指摘を受け、改めて「訂正版」を発行したものでした。

今回は、訂正版を初めに、
後段で「初出」版の異なる文章の部分のみ紹介しています。

 

 ●第22回 利き手調査2回目―エディンバラ利き手調査

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

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左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announcement
 
  <左利きプチ・アンケート>
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<左利きプチ・アンケート>第22回 エディンバラ利き手調査
(初出)2005.10.30(最終)
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<左利きプチ・アンケート>第22回 エディンバラ利き手調査(訂正版)
------------------------------------------------------------------
Enq22-s

(画像:今は亡きホームページ『レフティやすおの左組通信』のメイン・コンテンツの一つ<左利きプチ・アンケート>「第22回 エディンバラ利き手調査(訂正版)」のページのヘッド部分) 

10月9日のasahi.com の<be on Sunday>「ののちゃんのDo科学」で
「なぜ右利きが多いの?」という記事が掲載されました。
この中で、利き手の判定法として「エディンバラ利き手調査」が
紹介されています。

Asahi-nono-nazemigikikiga-s

(画像:asahi.com「ののちゃんのDo科学 なぜ右利きが多いの?」記事の冒頭(一部加工)) 

それぞれの項目でどちらの側(の手、足、目)を使うかを調べ、
その点数により、あなたの利き手/利き側、およびその利き手度
(ラテラリティ係数=側性係数 Laterality Quatient:LQ)
を判定するものです。

▼調査項目:
1 書く 
2 描く 
3 投げる 
4 はさみ
5 歯ブラシ  
6 ナイフ 
7 スプーン 
8 ほうき 
9 マッチをする 
10 箱を開ける 
11 蹴る時の足 
12 片目で見る時

▼判定方法:
ほとんどの場合に使う方に「1点」、
常に決まって使う、好みがはっきりしている場合は「2点」、
どちらも使う人は、 両方に「1点」。

 常に右・・・(右2)
 ほとんど右・(右1)
 両方・・・・(右1:左1)
 ほとんど左・(左1)
 常に左・・・(左2)

右左それぞれの側の点数を合計し、
その合計点の(右-左)を(右+左)で割り、
その「プラス」「マイナス」で、「右利き」「左利き」と判定。
その値が、あなたの利き手度
(ラテラリティ係数=側性係数 Laterality Quatient:LQ)です。

▼計算式:
「(右の総点数)-(左の総点数)」(これをxとする)
÷「(右の総点数)+(左の総点数)」(これをyとする)
=(+)or(-)・(x/y)

【例】
「プラス(+)何%」の場合は、右利きで、
その右利き度は、何%となります。

 +(数値a)= 右利き、右利き度 a×100 %
 -(数値b)= 左利き、左利き度 b×100 %

 ・・・ ・・・ ・・・

では、あなたの利き手度はいくらだったでしょうか。
以下の中で当てはまる番号に投票してください。

*今回は利き手調査のため、利き手別投票ではありません。(手の
不自由な方は、それぞれの判断で考慮の上、投票に参加不参加を決
定してください。)

*一言言わせて、という方は投票後に表示されます一番下の「ご意
見ボード」をご利用ください。もっと言わせて、という方は掲示板
もご利用ください。貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1 90以上~100
2 80以上
3 50以上
4 0以上
5 0
6 0以下
7 -40以下
8 -80以下
9 -90以下~-100

現在の結果をみる
________________________________________

●利き手調査テスト関連アンケート
第14回 貴方の利き目は右左どちらですか
第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう
第22回 エディンバラ利き手調査
第23回 利き手調査3回目―H.N.きき手テスト
第24回 利き手調査第4回chapman利き手テスト
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト

(自己申告による利き手別の投票アンケート)
第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
第35回 新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査
第37回 新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第39回 新版・利き手調査第4回-chapman利き手テスト
第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
第46回 利き手テストと意識の一致度は?
第49回 新版・利き目は右左どちらですか?
第51回 新版・利き足は右左どちらですか―利き足テスト

その他のアンケートを見る ↓
 <左利きプチ・アンケート>目次
________________________________________

※アンケートを訂正しました。
先のアンケートには、エディンバラ利き手調査の項目に
(4 はさみ)が抜けていました。
改めて、修正版をアップしました。

先にご協力いただきました方々には、謹んでお詫び申し上げます。
どうもすみませんでした。
修正版での再投票をお願いいたします。
 ―レフティやすお(10月30日14時14分)

*このアンケートは、10月29日発行のメルマガ
「左利きで生きるには 週刊ヒッキイ」第五号で、先行紹介、
および投票受付が実施されました。
が、調査項目の記述に不備があり、
30日午後、訂正の上、再投票をお願いしています。
*「初出」版は下に掲載しています。↓

==================================================================
投票結果
実施期間2005.10.30-11.26(総数:13)
------------------------------------------------------------------
1 90以上~100 2
2 80以上 2
3 50以上 0
4 0以上 1
5 0 0
6 0以下 1
7 -40以下 1
8 -80以下 3
9 -90以下~-100 3

==================================================================

1 1 90以上~100 7
2 2 80以上 12
3 3 50以上 2
4 4 0以上 4
5 5 0 3
6 6 0以下 5
7 7 -40以下 6
8 8 -80以下 5
9 9 -90以下~-100 5

==================================================================
<左利きプチ・アンケート>第22回 エディンバラ利き手調査(訂正版)
http://personal-dictionary.com/enq/view/view.asp?EID=37060

1 90以上~100 164
2 80以上 125
3 50以上 201
4 0以上 163
5 0 168
6 0以下 160
7 -40以下 182
8 -80以下 130
9 -90以下~-100 140

16:14 2012/06/21 (2016.9.11)

*参照:
・『レフティやすおのお茶でっせ』2005.10.11
「ののちゃんのDo科学」なぜ右利きが多いの?

「新生活」版

asahi.com「ののちゃんのDo科学」なぜ右利きが多いの?

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↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2022.4.7(追記)

結果について見ておきましょう。

今回は、ご意見がありませんでしたので、コメントの紹介はありません。

2012年6月の最終結果をみますと、
両端の、強い利き手の偏りのある人が少なく、どちらかといいますと、
中間的な人が多いようです。

私が思うところでは、
こういうテストを受けてみよう、という気持ちになるのは、
利き手の傾向がはっきりしている人よりも、
どちらかよくわからない人に多いのではないか、ということです。

その結果、中間的な人が多くなっているのでないか、
という疑いですね。

今後、他の調査結果も追々紹介しますので、
そういう傾向が強く出てくるのかどうか、検討してみてください。

 ・・・

次回、この利き手調査の新版を紹介します。

「第35回 新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査」

素晴らしいことに、
調べてみますと、この<プチアンケート>はまだ稼働しているようです。

まだ確認していませんが、
稼働するなら改めて受付できるように、
投票URLを公表、投票の場を設置しよう、と思います。

以前に投票済みの方もいらっしゃるでしょうけれど、
新たに読者になられた方もいらっしゃるでしょうから、
累計になりますが、少しは変化も見られるかもしれません。

現在こういう場がないようですので、おもしろいかもしれません。

昔、「ミクシィmixi」の左利きコミュニティで
私の「利き手調査」アンケートが紹介され、
大量のメンバーが参加されたことがありました。

今は稼働している投票の場がないので、投票はありませんが、
場があればまた変わるのかなと思ったりしています。

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<左利きプチ・アンケート>
●利き手調査テスト関連アンケート
------------------------------------------------------------------

第14回 貴方の利き目は右左どちらですか
第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう
第22回 エディンバラ利き手調査
第23回 利き手調査3回目―H.N.きき手テスト
第24回 利き手調査第4回chapman利き手テスト
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト

(自己申告による利き手別の投票アンケート)
第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
第35回 新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査
第37回 新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第39回 新版・利き手調査第4回-chapman利き手テスト
第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
第46回 利き手テストと意識の一致度は?
第49回 新版・利き目は右左どちらですか?
第51回 新版・利き足は右左どちらですか―利き足テスト

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 「★600号までの道のり」は、お休みです。
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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [12] <左利きプチ・アンケート> 全公開(12)「利き手調査」その2 第22回 エディンバラ利き手調査(訂正版)」と題して、今回も全紹介です。

利き手調査(利き手テスト)の第二弾、エディンバラ利き手調査のアンケートです。

今回のものは、asahi.com の<be on Sunday>「ののちゃんのDo科学」で掲載されました「なぜ右利きが多いの?」という記事から流用しました。

八田武志『左ききの神経心理学』(医歯薬出版 1996/11/1)

などで紹介されている利き手調査のみの10項目のものとは異なり、利き足や利き目についての項目を含めた12項目の調査です。

220412hidarikiki-edinburgh

220412hidarikiki-no-sinkeisinrigaku

(画像:八田武志『左ききの神経心理学』の本と、そこに紹介されているエディンバラ利き手テスト) 

利き手と利き足・利き目は連動している人が多く、60~70%程度の相関関係にあるといいます。
そういう意味では、身体全体の「利き側」を調査する部分があり、そういう意味ではこちらの方が少し興味深いかもしれません。

今では、利き手だけのバージョンも必要かもしれない、という気持ちになっています。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

 

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2022.04.15

私の読書論156-読書家・蒐書家・愛書家-『ミステリマガジン』[本の話]第5回から-楽しい読書316号

 ―第316号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2022(令和4)年4月15日号(No.316)
「私の読書論156-読書家・蒐書家・愛書家
―『ミステリマガジン』連載コラム[本の話]第5回から」

------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2022(令和4)年4月15日号(No.316)
「私の読書論156-読書家・蒐書家・愛書家
―『ミステリマガジン』連載コラム[本の話]第5回から」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 今回は、私の愛読誌の一つである『ミステリマガジン』(早川書房)に
 連載されている湯川豊さんのコラム[本の話]の連載第5回
 「内田魯庵・本を読む人」から、
 <読書家・蒐書家・愛書家>の違いについてを紹介しましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 私の読書論156 -
  ◆ 本の価値 ◆
  ~ <読書家・蒐書家・愛書家>の違い ~
  ――『ミステリマガジン』連載コラム[本の話](湯川豊)
  第5回「内田魯庵・本を読む人」から
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●内田魯庵―<読書家・蒐書家・愛書家>の違い

湯川豊さんの『ミステリマガジン』連載コラム[本の話]の
第5回「内田魯庵・本を読む人」(HMM2021年9月号(no.748))に
こんな話が出てきます。

<読書家・蒐書家・愛書家>の違いです。

「東西愛書趣味の比較」(『魯庵随筆 読書放浪』所収)に――

 《読書家と蒐書家がどう違うか。読書家はややもすれば
  「つんどく先生」である蒐書家を軽侮するが、それはどうか。
  本が保全され、善書が読書家に届くのは
  ともすれば蒐書家がいるからではないか。》

 《また愛書家というのがいて、
  これは読書家とも蒐書家とも違っている。
  この種の人は、わずかに二、三冊の本を限りなく熱愛する。
  そしてだんだんに成長して読書家や蒐書家になるばあいもあるが、
  そうでないこともあり、とにかく見つめているほかはない、
  というのだ。》

*参考:
『ミステリマガジン』2021年9月号(no.748) 早川書房 (2021/7/21)

Hmm20219-honno

(画像:『ミステリマガジン』2021年9月号(no.748)(早川書房 2021.7.25)連載コラム・湯川豊[本の話]第5回の冒頭部分)

 ●<読書家・蒐書家・愛書家>―私のイメージ

(略)

 ●私の場合は……

(略)

 ●愛書家として

(略)

 ●本についての私の格言――【どんな本でも役に立つ】

十分書き切れたかどうか分かりませんが、
最低限度書きたかったことは書けたかな、と思います。

いつもの比べてちょっと短いので、
最後に私なりの本に関する格言を紹介しましょう。

 ・・・

本についての格言――その一

 【どんな本でも役に立つ】

 

《どんな本にも役に立つ部分があるよね》というもの。

ちょっとカッコイイ言葉、決まる表現にはなっていませんが、
私のいいたいことは伝わっていると思います。

前回、紹介しました
荒俣宏さんの『喰らう読書術』(ワニブックスPLUS新書 2014/6/9)
にも、

 (4)本はクズでも毒でも、思いがけない価値がある

というくだりがありました。

それに共通する部分ですが、これはいえることです。
一見ムダな本、役立たずな本に思えても、よくよく読んでみると、
役に立つフレーズの一つや二つは見つかるものです。

 

 ●例「欠点を気づくことも才能のうち……」

例を一つあげましょう。

ここでこの本のことをその例――一見クズ本でも実は役に立つ――
としてあげると、著者や出版社の方々に申し訳ないのですけれど、
偏見を持っているつもりはありません。

世間的な見方によれば、そういう目で見る人も居るよね的な本です。
「たかがAV女優ごときの書いた本」などと。

それは、元AV女優(今風にいいますとセクシー女優)の
蒼井そらさんの『ぶっちゃけ蒼井そら』というエッセイです。

私が見つけた名言――

 《欠点を気づくことも才能のうち。下手なら努力すればいい。》p.89

このまえに、

 《でも「下手」がわかってよかったと思う。/
  自分の下手さや欠点がわからず
  「こんなものだよね」と自己満足してたら、
  その先に成長はなかったと思います。》

とあります。

どんな分野でも、成長できる人とできない人がいるものです。
その差はどこにあるのか、というと、こういうところなのでしょう。

*参考:
蒼井そら『ぶっちゃけ蒼井そら』ベスト新書 2009/9/9

200999aoi-sora

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 ★創刊300号への道のり(15) 2021(令和3)年1-6月(14年目前半)

(下段URL:ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』、
 goo版『レフティやすおの新しい生活を始めよう』
 掲載【別冊 編集後記】)

 

286.
2021(令和3)年1月15日号(No.286)
「私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後編)フィクション系
『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロッグ」

2021.1.15
私の読書論140-私の年間ベスト3・2020年(後)
フィクション系-楽しい読書286号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/01/post-50c1d0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/77189c18b01371dbeee3c48a7451aecf

287.
2021(令和3)年1月31日号(No.287)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)
『楚辞』(4)屈原の他の作品「九章」」

2021.1.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(6)『楚辞』(4)-楽しい読書287号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/01/post-62755d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5df8119cefb5cbb6eeda8bb493d59085

288.
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」

2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8

289.
2021(令和3)年2月28日号(No.289)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)
『楚辞』(5)屈原「九歌」「漁父」」

2021.2.28
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(7)『楚辞』(5)-楽しい読書289号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-361c76.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6e9eaaa081df9735e2be1975a9d0ff57

290.
2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」

2021.3.15
私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/03/post-0574cb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5fb379dedfe0c35721ff8cc2b4dbabd4

291.
2021(令和3)年3月31日号(No.291)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6) 宋玉」

2021.3.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(8)『楚辞』(6)宋玉
-楽しい読書291号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/03/post-03ddff.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6b35c57d2c3bdf25c3158e78ff4a85a5

292.
2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」

2021.4.15
私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5)NF他-楽しい読書292号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-cde3df.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7a3190d6f5084d5747d6d068bbe27bee

293.
2021(令和3)年4月30日号(No.293)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦」

2021.4.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(9)漢代(1)項羽と劉邦
-楽しい読書293号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-4b639f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6dfa35eb01ce468d12a1b6e80ba0e6c7

294.
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」

2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

295.
2021(令和3)年5月31日号(No.295)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(10)漢代(2)武帝」

2021.5.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(10)漢代(2)武帝-楽しい読書295号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-f8c653.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d31b50fcf279c28162a752e01ad8b80e

296.
2021(令和3)年6月15日号(No.296)
「私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
 ミステリ編(1)本格ミステリ」

2021.6.15
私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺ミステリ編(1)-楽しい読書296号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/06/post-04b31f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a9e30ce5eb0f87cf109b659f937f17e3

297.
2021(令和3)年6月30日号(No.297)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(11)漢代(3)司馬相如」

2021.6.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(11)漢代(3)司馬相如
-楽しい読書297号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/06/post-aa5f70.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3785ab87310dd8b989acb0d12f973c69

 ・・・

2021年前半の1-6月分です。

この年の月末「古典紹介編」は、古代中国の文芸、
「漢詩を読む」編で、『楚辞』を終え、漢代の詩を取り上げています。

月半ばの「私の読書論」号では、引き続き、
「私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年」と題して、
1970年に創刊され、私の一般向け読書の期間とほぼ同じ、
50年を迎えたハヤカワ文庫から、
今現在も手持ちの「お気に入り」の本を紹介しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論156-読書家・蒐書家・愛書家―『ミステリマガジン』連載コラム[本の話]第5回から」をお届けしています。

今回も一部見出しだけで、全文紹介ではありません。
あしからず!

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2022.04.02

左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(2)-週刊ヒッキイ第616号

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第616号 別冊編集後記

第616号(No.616) 2022/4/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」

 

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  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第616号(No.616) 2022/4/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」
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 「左手・左利き用楽器」による左利き楽器演奏について考える、
 の2回目です。

 演奏の際の腕を動かす方向という観点から、
 右手・右腕演奏と左手・左腕演奏の違いについて考えてみます。

 

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 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界 (1)
  ◆ 左手・左腕の流れは「右から左」 ◆
   ~ 左利き演奏という選択肢 ~  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●左利き用ピアノ

今回は、初めに「左利き用ピアノ」について少し書いておきます。

「鳥」さんのブログ↓

左利き用ピアノ
2020-08-13 12:26:00
https://ameblo.jp/haibisukasu-kawaii/entry-12617423050.html

には、
左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏している
クリストファー・シード(Christopher Seed)さんを紹介しています。

220401christopher-seed-the-left-handed-p

 

シードさんの演奏動画も紹介されています。

Left-Handed Piano
https://youtu.be/uIgO4LqvU-0

The Left Handed Piano
https://youtu.be/v8wCS4d02TU

左利き用のピアノは、世の中にないわけではないのです。
しかも、シードさんは何の苦もなく弾き分けておられるように感じます。

鍵盤の配置についてはよく観察できませんが、
左用は、逆転しているのでしょう。
右用で習得した技術・技能であっても、
左利きの人は、左用が自然と弾けるのではないでしょうか。

要は、「ないからできない」というだけの話のようです。

 

 ●演奏時の腕の移動方向

ピアノ演奏で思うことは、
メロディラインを右手で伴奏を左手で、といったこともですが、
音階のキーボードの並び順についてです。

音階を弾くとき、「ドレミ~」と上がって行き、
「ドシラ~」と戻って(下がって)きます。

これはあくまでも私の個人的な感じ方かもしれませんが、
「ドレミ~」と上がってゆくときは、
心が伸びやかに上昇してゆくような高揚感を持ちます。

一方、「ドシラ~」と下がってくるときは、
逆に気分が落ちてゆくような、沈んだ感じを受けます。

で、ピアノを弾く場合、音階を上がってゆくのは、
「左から右へ(⇒)」と鍵盤を移動してゆきます。
右腕を「引く」ような方向に動かします。

 

【右用ピアノの鍵盤】

(音階が上がる)⇒⇒⇒
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(左)ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド(右)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(音階が下がる)←←←
   
(左腕を押す)⇒┃    ┃⇒(右腕を引く)
(左腕を引く)←┗(身体)┛←(右腕を押す)

 

字を書くときの横画や横書きの時の方向と同じです。
この方が右腕の自然な滑らかな動きになるように思います。

一方、左利きの場合、
この「左から右へ(⇒)」の方向は腕を押すように動かします。

字を書くときも、左から右へ横画を引いたり、横書きする場合、
ペンを押すような「押し書き」になり、
左手や左腕に必要以上に力が入るような書き方となりがちです。

ピアノで鍵盤を弾く場合も、「左から右へ」の場合は、
どうしても左手や左腕に力が入る動きになるように感じます。
滑らかさよりも力強さが勝ってしまうような気がします。

右利きの人は、この「左から右へ音階を上がっていく」方が
演奏の方法として正解のように思います。

しかし、左利きの場合は、ぎこちなさが出やすいように思います。

 

 ●<きき手による運動機能の違い>

視覚と運動の面でこういう説があります。

八田武志さんの『左ききの神経心理学』の「第2章 きき手について」
[5.きき手と動作]<きき手による運動機能の違い>p.31 によりますと、

 《きき手による運動機能の違いは左右手や足だけにとどまらない》

といい、眼球の動きについての研究についても記述されています。

読書の際の眼球の動きは、滑らかに文字を追うのではなく、
所々で停留したり飛越したりするのがふつうで、

 《この眼球の飛越運動は読書習慣によって
  左から右方向へ向かう方が逆の方向よりも速いのであるが、
  (略)
  その運動潜時すなわち飛越運動が生じるまでの反応時間を、
  左ききと右ききの成人で比較したのである。
  その結果、右ききの被験者は
  左から右方向への飛越運動の潜時が速かったが、
  左ききでは運動方向による差異がみられなかった。》

といいます。

 《このような結果を
  右ききでは右方向への眼球の運動系を支配している左脳が、
  逆方向の運動を支配している右脳よりも優れるが、
  左ききでは
  眼球の運動系に関係する左右の脳機能に差がないためである
  と説明している。》

とあります。

外国の研究ですので、当然読書の習慣は左から右への横書きです。
日本でも近年、学校の教科書などは、
国語科以外は横書きになっているようですので、
同じ傾向だろうと想像できます。

特に音楽では和楽器以外は、みな横書きの楽譜です。

 

で、手や腕、足だけでなく、眼球の動きにも、
利き手の違いによる運動能力の左右差が生まれる、
という考えは興味深いものがあります。

ここでも右利きの人においては、
「左から右への方向性」が有利だとされています。

 

この研究では眼球の運動に関して、
左利きの人の場合、右利きの人の場合ほどの偏りはないといいますが、
それでも全くゼロとはいえないのではないか、
という疑問が私にはあります。

左が利き目だとしますと、視覚的にも右方向に進むよりは、
左方向への進行の方が左利きには向いているように思われます。

左利きの人において、視覚的にも左優位が存在するとすれば、
腕や指の動きという面でも左方向への進行が優位と思われますので、
左方向に音階を挙げてゆくという音階順のキーボード配置の方が
左利きの演奏者には向いているように思うのですけれど、
どんなものでしょうか。

 

*参照:
『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。
 20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。

211119-hidarikiki-no

 

 ●左利き演奏者の場合の音階順

音階の並び順を左右逆の入れ替えてみればどうなるでしょうか。

 

【左用ピアノの鍵盤】

(音階が上がる)←←←
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(左)ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド(右)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(音階が下がる)⇒⇒⇒
   
(左腕を押す)⇒┃    ┃⇒(右腕を引く)
(左腕を引く)←┗(身体)┛←(右腕を押す)

 

左利きの人の場合、音階の方向を、
「左から右へ(⇒)」「ドレミ~」と上がっていくのではなく、
逆に、左から「ドシラ~」と下がっていく逆の配置にすると、
左手で弾くとき、腕を引く方向で「~ミレド」と
滑らかに上がってゆくことができるのではないでしょうか。

右手はそれを追うように、
右腕を押すように動かすので、伴奏の際も力が弱くならないで、
力を入れやすい形になる(?)のではないでしょうか。

そういう風に考えてゆきますと、
左利きの演奏者の場合は、従来の音階順ではなく、
その逆の左方向に音階を上がってゆく
逆転型のキーボードが適切ではないか、と考えます。

 

 ●利き手別理想の音階順キーボード例

利き手別の理想の音階順キーボードの例を下に示してみます。

 

<右利きの演奏者の場合>
(右手・右腕)【右に引く方向(⇒)】
ド⇒レ⇒ミ⇒ファ⇒ソ⇒ラ⇒シ⇒ド

 

<左利きの演奏者の場合>
(左手・左腕)【左に引く方向(←)】
ド←シ←ラ←ソ←ファ←ミ←レ←ド

 

こういうキーボードが誕生すれば、
左利きの人はきっとこちらの方が扱いやすい、
と感じるのではないでしょうか。

当初は、違和感があるかもしれませんが、
しばらくいじっていれば、自然となじんでしまうのではないか、
と思います。

これは私自身の経験から感じることでもあります。

私自身は、右用のハサミ(を左手で使う)で育ち、
30代半ば過ぎから左用を使うようになって、
その時の経験では初めの数回はうまく使えなかったのですが、
すぐに慣れてしまいました。
特に線にそって切るという場合などは、
線を自然な角度で実際に見ながら切れるので、感激でした。

また、半田付けなどの作業でも、初めは右手で教えられ、
その方法を身につけましたが、
すぐに自己流に左手でやる方法に慣れました。

左手は利き手なので、右手でやるうちに、
自然に脳内で左手でのやり方もマスターできているように思います。

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 「★600号までの道のり」(12)第231号 ~ 第240号

第231号(No.231) 2010/10/2「創刊6年目に当たって」
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
  創刊6年目に当たって

第232号(No.232) 2010/10/9
「《矯正/直す》表現に思う(6)親御さんへ」
▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ..第ニ土曜日掲載
 ―その17― 《矯正/直す》表現に思う
  (6)左利きの子を持つ親御さんへお願い

第233号(No.233) 2010/10/16
「名作の中の左利き(10)「左ぎっちょクラブ」ギュンター・グラス」
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■ ..第三土曜日掲載
  ―その10― 「左ぎっちょクラブ」ギュンター・グラス
ギュンター・グラスの短編小説「左ぎっちょクラブ」
  (『僕の緑の芝生』飯吉光夫訳 小沢書店 1993.10.20)

第234号(No.234) 2010/10/23
「<左利きプチ・アンケート>第67回50年後21世紀後半はどんな社会?」
 ●<左利きプチ・アンケート>● ..第四土曜日掲載
第67回 50年後21世紀後半はどんな社会?

第235号(No.235) 2010/10/30
「<LYグランプリ>2011候補・2010年左利きの人・事・物」
 第5回<LYグランプリ>2011読者大賞候補・
  2010年左利きの人・事・物 総ざらい(part1)
   <LYグランプリ>2011候補を総点検。2010年ここまでの
   左利きの人・事・物を総ざらいしてみましょう。

第236号(No.236) 2010/11/6
「<LYグランプリ>2011候補・2010年左利きの人・事・物(2)」
 第5回<LYグランプリ>2011読者大賞候補・
  2010年左利きの人・事・物 総ざらい(part2)
   <LYグランプリ>2011候補を総点検。2010年ここまでの
   左利きの人・事・物を総ざらいしてみましょう。(part2)

第237号(No.237) 2010/11/13「左利きの教本について考える(1)
 ある幼児向け生活技術教本の不思議(前編)」
▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲ ..第ニ土曜日掲載
 ―その18― 左利きの教本について考える
  (1)ある幼児向け生活技術教本の不思議(前編)
内容:某社から出版されて、好評だという生活技術を教える図鑑。
   この本の目次にはある注意書きが示されています。
   これが一見当然? その実、非常に恐ろしい!内容で…。

第238号(No.238) 2010/11/20
「名作の中の左利き―番外編―2 夏目漱石『坊っちゃん』は左利き?」
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■ ..第三土曜日掲載
  ―番外編―2 夏目漱石『坊っちゃん』は左利き?

第239号(No.239) 2010/11/27「<左利きプチ・アンケート>
再版 第4回 貴方の好きな左利きの呼び名は何ですか?」
 ●<左利きプチ・アンケート>● ..第四土曜日掲載
再版 第4回 貴方の好きな左利きの呼び名は何ですか?
 前回の●<左利きプチ・アンケート>●
  第67回 10.10.23 50年後21世紀後半はどんな社会?

第240号(No.240) 2010/12/4「<LYグランプリ>2011候補・
2010年左利きの人・事・物(3)」
 「第5回<LYグランプリ>2011読者大賞候補・
  2010年左利きの人・事・物 総ざらい(part3)」 
内容:
   <LYグランプリ>2011候補を総点検。2010年ここまでの
   左利きの人・事・物を総ざらいしてみましょう。7-8月。

 

――10号ずつの紹介です。
 第一土曜は、<LYグランプリ>2011候補の紹介
 第二土曜は、<左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ>
《矯正/直す》表現に思う → 左利きの教本について考える
 第三土曜は、≪左利き学入門≫ 番外編
 第四土曜は、<左利きプチ・アンケート>
 第五土曜があるときは、臨時増刊で、バックナンバーの紹介

引き続き、この時期は欄外で、【おまけコーナー】として、
最新の左利き情報をメモ的に紹介していました。

 

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 というものがございましたら、リクエストをお願いいたします。
 再配信なり、現時点での加筆・修正を行っての配信など、
 改めてお届けすることも考えています。
 リクエストは、本誌に返信してください。

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」と題して、今回も全紹介です。

今号もバックナンバーの紹介は、10号ずつとしました。

内容は、音楽・楽器と左利き対応についてで、ピアノのキーボード――音階の配置についてです。

初めに左利き用のピアノについて書かれているブログを紹介し、そこに東上する左利きのピアニスト、クリストファー・シードさんにふれています。

この方については、もうずいぶん昔に一度紹介した記憶があります。
調べ直すのが面倒でチェックをおこたっていますが、どこかでまたチェックし直しておこうと思います。

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