私の読書論133-本と読書の話題-松岡正剛、佐藤勝対論集『読む力』から(3)
―第272号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2020(令和2)年6月15日号(No.272)「私の読書論133-
本と読書の話題-松岡正剛、佐藤勝対論集『読む力』から(3)」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2020(令和2)年6月15日号(No.272)「私の読書論133-
本と読書の話題-松岡正剛、佐藤勝対論集『読む力』から(3)」
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前回までは、松岡正剛、佐藤勝の両氏の対論集
『読む力 現代の羅針盤となる150冊』中公新書ラクレ 2018/4/9
の第一章「子どもの頃に読んだのは」から、本好きであろう
ご両人の子供時代の読書経験について見てきました。
今回は、第二章以降の「本のガイド」である本書の軸の部分?
から、
私の気になった部分をピックアップしてみようと思います。
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◆ “知の系譜”をたどる ◆
私の読書論133-
本と読書の話題あれこれ
~ 松岡正剛、佐藤勝対論集『読む力』から (3) ~
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●「現代の羅針盤となる150冊」のうちの100冊
●「通俗本」
ファラデー『ロウソクの科学』
p.160
《松岡 海外でいえば、イギリスの化学者・物理学者の
マイケル・ファラデーは、電磁誘導、電気分解の法則を
発見するなど、数々の偉大な業績を上げたのみならず、
『ロウソクの科学』(1861年)のような、
一般の人の科学に対する興味をかきたててやまない名著を
残しているわけです。
佐藤 確かにファラデーは重要です。私が子どもの頃は、
読書好きの小学生は必ず読んでいた。》
p.181
《松岡 通俗本だからこそ、世界中の少年少女を、いや大人をも
科学の神髄に目覚めさせる力を持ちえたのです。》
●読書には見取り図(読書ガイド)が必要だ
【気になった部分】――
「第三章 ナショナリズム、アナーキズム、神道、仏教……」
・読書には見取り図が必要だ
p.83
《佐藤 松岡さんが一か月で精読できる本は何冊ぐらいですか。
松岡 何冊と数えたことはないですね。
僕は一冊ずつ読むというわけではなく、
関係する書物三〇冊くらいを図形のように配置して
ほぼ同時に読むような読み方をしています。
そのうち、読む必要がないと思ったものは途中でやめて、
これは重要だと思った本は、目次から最後までじっくりと
精読するような読み方です。
佐藤 そうした読み方を可能にするためにも、まず、
体系立てた学術的な知識が必要ですよね。
読書には見取り図が必要です。》
●紙の本の利用法
「第四章 民族と国家と資本主義」
・フットノート(脚注)のあるなし
p.125
《佐藤 日本のアカデミズムではフットノートがないものは
学術書として認定されない。
居酒屋談義と同じ扱いになります。》
・紙の本はなくならない
pp.145-146
《松岡 本はコストパフォーマンスもいいし、折ったり、
赤線を引いたりしながら読めます。
ダブルページ(見開き)単位で
内容を追っていけるのもいい。スクロールでは、
かなり段落を短くしないと読みにくい。
佐藤 僕も「本は汚く読め」と言っています。
松岡 賛成。『読書の技法』の冒頭に書いていましたね。
僕も「本はノートにしろ」
佐藤 どうしても綺麗に読みたければ、二冊買えと。
一冊は書き込んで、一冊は保存用にすればいいのだから。》
●翻訳について
「第五章 ラッセル、養老孟司、弘兼憲史」
・翻訳について
p.174
《佐藤 「元の言語で読むべし」などと
翻訳を否定する人もいますが、これは実に間違った話で、
絶対に必要なものだと思っています。
松岡 バベルの塔の崩壊以来、必要です。
佐藤 翻訳のなかには、必ず解釈が入ってきます。
この解釈が重要なのです。ただし、解釈は人によって違う。
ですから本当のことを言うと、
基本的な書物、重要な書物に関しては、
複数の翻訳が存在することが望ましいのです。
読み比べれば、
内容の把握を誤る危険性は低くなるでしょう。
「この翻訳者は、なぜこういう訳をしたのか」
を考えていくと、
原著がより深く理解できるかもしれません。
松岡 ロシア文学には、
米川正夫と亀山郁夫の両方が必要だということ。》
*参照:
【アリストテレス『詩学』】
2020(令和2)年2月29日号(No.265)「私の読書論128-
私の年間ベスト3・2019年(前編)リアル系」
『詩学』アリストテレス/著 三浦洋/訳
光文社古典新訳文庫 2019/3/8
『アリストテレス 詩学/ホラーティウス 詩論』松本仁助・
岡道男/訳 岩波文庫 1997/1/16
【ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』】
2019(平成31)年1月15日号(No.239)-190115-
「私の読書論115-私の年間ベスト2018(後編)フィクション系」
『ジェニーの肖像』ロバート・ネイサン 大友香奈子訳
創元推理文庫 2005/5/23
『ジェニーの肖像』ロバート・ネイサン 井上一夫訳
ハヤカワ文庫 NV 1975/03
●複数の視点を持つ
・自分たちの教義を受け入れさせるための戦略
p.179
《松岡 やはり自分たちの教義を正しく落としていくためには、
「排除」や「無視」では駄目だとわかっているのですね。》
●「読む」力が重要
佐藤優「あとがき」
《言語コミュニケーションにおいては、「読む」「聞く」
「書く」「話す」と言う四つの力が要求される。
そのうち読む力が基本になるということが
意外と理解されていない。
大人になってから外国語を習得する状況を考えてみよう。
読む力の範囲内で残りの三つの力が発揮されるのである。
外務省の研修で、ロシア語を徹底的に叩き込まれた際に、
私はそのことを痛感した。実は、母語においても、
知的に高度な操作が必要とされる分野においては、
読む力をつけることが何よりも重要なのである。》
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本誌は、「私の読書論133-本と読書の話題-松岡正剛、佐藤勝対論集『読む力』から(3)」と題して、『読む力』の第二章以降について、気になった部分を抜き出し、私のコメントを付けて説明しています。
・・・
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