中国の古典編―漢詩を読んでみよう(2)『詩経』から-「楽しい読書」第271号
―第271号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2020(令和2)年5月31日号(No.271)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(2)『詩経』から」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2020(令和2)年5月31日号(No.271)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(2)『詩経』から」
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今回は、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の2回目。
前回は、
2020(令和2)年4月30日号(No.269)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(1)漢詩とはなにか」
2020.4.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(1)漢詩とはなにか
-「楽しい読書」第269号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/04/post-4871b8.html
で、「漢詩とはなにか」について見てきました。
今回は、中国最古の詩集『詩経』を取り上げます。
『詩経』は、以前「中国の思想編」で、
四書五経の一つとして紹介しました。
2016(平成28)年4月30日号(No.174)-160430-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(6)詩経を読む(前編)」
2016.4.30 古代中国思想編(6)詩経を読む(前編)
―第174号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2016/04/6-a99b.html
2016(平成28)年5月31日号(No.176)-160531-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(7)詩経を読む(後編)」
2016.5.31 古代中国思想編(7)詩経を読む(後編)
―第176号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2016/05/7-1014.html
今回は、文学書の一つの詩集として取り上げてみます。
今回も、一海知義さんの『漢詩入門』を参考に書いてゆきます。
*
一海知義『漢詩入門』岩波ジュニア新書 1998.6.22
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◆ 中国最古の詩集 ◆
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(2)
『詩経』から
~ 桃と花嫁―「桃夭」 ~
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●『詩経』とは何か
2016(平成28)年4月30日号(No.174)-160430-「古代中国編―
中国の古代思想を読んでみよう(6)詩経を読む(前編)」
から
--
●『詩経』の解釈
《... 『詩経』の歌は神々の物語を欠く代わりに、人間は、
個人的にも集団的にも、実に多様また詳細に観察され、あ
るいは民謡として、あるいは抒情詩として、あるいは風刺
詩として表現されている。... 》p.127-8
(竹内照夫『四書五経入門』)
--
●『詩経』の基本型
●『詩経』「桃夭」
『白川静 漢字の世界観』「第四章 古代歌謡と興の方法」
《... 謡(うた)ってみようと感じた「そのこと」「そのおも
い」を詠むために、まず歌い手や詠み手が何かを思いおこ
すことがおこります。このとき先行するイメージや言葉の
動きの初動が「興」というものです。》p.121
《... 歌謡にはそれが生まれたときのさまざまな本来の原風
景や原体験のようなものがあるはずなのですが、その原風
景や原体験は【興的な方法】(原文傍点)によって、当時の
呪能性とともによびおこせるようになっているのだろうと
いうことです。》p.132
一海知義『漢詩入門』より
「桃夭」
(原文) (読み下し)
桃之夭夭 桃(もも)の夭夭(ようよう)たる
灼灼其華 灼灼たり 其の華
之子于帰 之(こ)の子(こ) 于(ゆ)き帰(とつ)ぐ
宜其室家 其(そ)の室家(しつか)に宜(よろ)しからん
桃之夭夭 桃の夭夭たる
有■(ふん)其実 有(まこと)に蕡(ふん)たり 其の実
之子于帰 之の子 于き帰ぐ
宜其家室 其の家室に宜しからん
桃之夭夭 桃の夭夭たる
其葉蓁蓁 其の葉 蓁蓁(しんしん)たり
之子于帰 之の子 于き帰ぐ
宜其家人 其の家人(かじん)に宜しからん
(訳)
桃の木の若々しさよ。燃え立つようなその花よ。
桃の花のようなこの娘は、いまお嫁にゆく。
とつぎ先にふさわしいいい嫁御(よめご)になることでしょう。
桃の木の若々しさよ。はちきれんばかりのその実よ。
桃の実のようなこの娘は、いまお嫁にゆく。
とつぎ先にふさわしいいい嫁御になるでしょう。
桃の木の若々しさよ。ふさふさと繁ったその葉よ。
桃の葉のように豊かなこの娘は、いまお嫁にゆく。
その嫁ぎ先にふさわしいだろう。
とつぎ先の人々にもいい嫁御になるでしょう。
《三千年も前の人々なのに、
たいへんよく計算して詩を作っていることがわかります。》
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本誌は、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(2)『詩経』から」と題して、『詩経』の一編「桃夭」を例に取り上げて説明しています。
『詩経』は以前「中国古代思想」編で取り上げています。
それを振り返りながら、漢詩の一例という文学作品として解釈しています。
・・・
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● 漢詩の入門書を読む
★一海知義『漢詩入門』岩波ジュニア新書 1998.6.22
★『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
―漢詩の歴史をたどるシリーズ全4巻。第1巻は『詩経』から屈原の『楚辞』、漢や三国時代を経て東晋の陶淵明まで。俳優・声優の江原正士が専門家の宇野直人を相手に、代表的な詩を対話形式でわかりやすく読み解く。
★『漢詩入門』入谷仙介/著 日中出版 1979/01
―漢詩の有名作をたどりながら、その歴史と構造を解く漢詩入門。
● 『詩経』の概説書・その他を読む
○『中国の古代文学(一)神話から楚辞へ』白川静/著 中公文庫BIBLIO 1980.9.10
―中国文学の原点『詩経』と『楚辞』の古代歌謡を『記紀万葉』と対比して考察する。文学の原点である神話が、中国では『書経』に人間の歴史として書き変えられ定着していると解説する。
○『白川静 漢字の世界観』松岡正剛/著 平凡社新書440 2008.11.14
○竹内照夫『四書五経入門 中国思想の形成と展開』平凡社ライブラリー320 2000.1.24
「第四章 風雅の起り―『詩経』」
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