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2019.02.17

内向型ビジネスライター渡瀬謙の集大成的?新著『コミュ力ゼロからの「新社会人」入門』

久しぶりに友人で左利き仲間の渡瀬謙さんの新刊が出ました。
(といってもほぼひと月経ってしまいましたが……。)

内向型の人向けのビジネス自己啓発書で有名になった彼が、今度は「内向型人間」(コミュ力不足もその一面である)を「コミュ力(りょく)ゼロ」と言い換えて、社会人となる不安を解消させる「新社会人」入門書として、コミュ力養成および働く人としての心掛けをまとめたものです。

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(画像:本書とあいさつ文)

『コミュ力ゼロからの「新社会人」入門』渡瀬 謙・インプレス 2019.1


まずはご本人からの告知文―

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『コミュ力ゼロからの「新社会人」入門』(渡瀬 謙・インプレス)
__________________________________

人づきあいに自信のない人が、
いかにしてコミュニケーション能力を身に付けるかを徹底解説。
もともと口下手・あがり症・内向型の著者が身に付けた、
意外に簡単な人づきあいの方法とは?
・会話が苦手で悩んでいる・・・
・イヤな上司とどう付き合うか?
・そもそも社会に適応できるか不安・・・
そんな方にお勧めします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

目次
第1章 社会に出る不安がなくなる7つの考え方
第2章 コミュニケーションがラクになる7つのメソッド
第3章 これで安心! しゃべりが苦手な人のための7つの「会話の基本」
第4章 職場で「適度な距離感」をキープする9つの「人間関係のつくり方」
第5章 苦手なシチュエーションを乗り切る8つの会話テク
第6章 口ベタ・人見知りでも自信を持って成果を出せる5つの視点
第7章 不安があるからこそ成長できる6つの心構え

 ・・・

本書は、社会人になる自覚が十分にできていなかった――人付き合い苦手でコミュ力不足で就職するのが不安だった彼が、実際に就職してから学んだ社会人としての「働く人」として必要な心構えを、新社会人のためにわかりやすくレクチャアする、という内容です。

細目が示されていないのでわかりにくいのですが、内容的には、彼の過去の著作に書かれていた事柄が多数出てきます。

それらのことがらは、彼の過去の著作で何度も繰り返し語られてきた“真実”だったということです。

目次を見て、それらをまとめている、という印象を持ったので、敢えて彼の「集大成的な著作」と呼んでみたのです。


彼の主な著作から本書に関連するものを見ておきましょう。

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(画像:渡瀬謙の代表的な本)

【内向型人間】の代表的な本、および営業職に関する本、会話系のいくつかの著作です。

【内向型人間】の本:

『内向型営業マンの売り方にはコツがある―ムリに自分を変えないほうがうまくいく!』大和出版 2009

『お茶でっせ』記事:2009.3.4
お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」

『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版

『お茶でっせ』記事:2009.12.12
今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある

『“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラクに話せる51のルール』大和出版 2010

『お茶でっせ』記事:2010.6.18
渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く

『仕事・人間関係・人生が好転する!「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』 大和出版 2017

『お茶でっせ』記事:2017.1.30
なりたい自分になる『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』渡瀬謙


【営業系】:

『「しゃべらない」営業の技術』PHPビジネス新書 PHP研究所 2010
 

『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』日本実業出版社 2017.6


【会話系】:

『相手が思わず本音をしゃべり出す「3つの質問」』日本経済新聞出版社

『お茶でっせ』記事:2011.7.13
渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く

『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』WAVE出版 (2012/5/16)

『お茶でっせ』記事:2012.5.23
小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』

『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』永岡書店 (2014/2/17)

『お茶でっせ』記事:2014.3.16
なんための会話か?~渡瀬謙『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』

『口ベタ、あがり症、人見知りのための「質問」で会話を盛り上げる方法』渡瀬謙(大和書房 2016/6/22)

『お茶でっせ』記事:2016.7.5
内向型トップセールスマン渡瀬謙の新刊『―「質問」で会話を盛り上げる方法』

――他多数。

 ・・・

本書では基本的に「営業社員」を例に説明されています。
それは「コミュ力」が一番必要と考えられている職種だからです。

しかし、本書は必ずしも営業職に限られるものではありません。

社会人の窮極の目的である、「働き続ける人」としての考え方(第1章)、会話の基本・場面場面でのテクニック(第2,3章)、人間関係の築き方(第4章)、成果を出せる視点(第5章)、成長できる心構え(第6章)を解説しています。

彼は、普段は社会人向けの営業職に関するセミナーの講師をしていますが、高校生相手に講演したこともあれば、大学生に営業を教えたこともあるといい、そこに本書が生まれた要因の一つがあります。


そういえば、こういう本も出していました。

『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』集英社(2011.3.4)
(ラノベふうに描いた新入社員の一年の成長物語を通して営業職とは何かを教える。)

*『お茶でっせ』記事:2011.3.4
新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』

 ・・・

会話に関して言いますと、「会話上手は聞き上手」という言葉があります。

こんな名言もあります。

自然は人間に舌をひとつ、耳をふたつ備えてくれた。なぜかというと、人は自分の喋る量の二倍だけ相手の話を聞くように、つくられたからだ。―エピクテイタス―》(加島祥造『会話を楽しむ』より)

本書でも、聞き上手はコミュニケーション上手と書いています(p.45)。
きっかけは「過去の質問」とも。

そして、

話題を提供して聞くことに徹すれば、理想の会話ができる》「第三章」p.99
とも。

こういうテクニックの会話は、仕事上の付き合い――適度な距離を持った関係には良いのですが、もう一歩進んだ関係をつかむには、すなわち信頼感の伴う会話には今一つでしょう。


英米文学者で詩人、のちに『タオ―老子』(ちくま文庫)の現代詩訳で〈伊那谷の老子〉と呼ばれた、私の敬愛する加島祥造さんの(先にも挙げた)『会話を楽しむ』(岩波新書 1991)

にこう書いています。

いい会話に必要なのは知性ではなく、開いた心――受け入れる心だ、と。

開いた心は、相手の人を自分と対等のものとして受け入れる。同じ人間どうしと認め合う。/「会話」という尊い人間交流の磁場は、「人間対等観」と「開いた心」の二本柱が大切なのだ。この二点をわずかでも心にしまっている人たちが、会話の生命力を維持してゆく。

本書でも、

良好なコミュニケーションというのは、相手に対する思いやりが必要だということです。》「第四章」p.113
といい、
相手から信頼されるために、相手の気持ちにフォーカスすることといいます。
真のコミュニケーション能力というのは、相手から信頼される力のことです。》「第七章」p.210
と。

そして、「おわりに」にこんな文章があります。

自分の個性を認めて等身大でいることこそが、自分にもストレスがなく、相手からも受け入れてもらえる最大のコツなのです。》p.222
じっくりとかみしめたいものです。

 ・・・

私が「いいなあ」と思った点は、朝のあいさつをきっかけとして紹介していること。

AKB48のチーム8に「挨拶から始めよう」という曲があります。
(歌詞を引用すると著作権に触れるのできませんけれど。)


とにかく、人生で一番大事なポイントかもしれません。
あいさつとは、あなたという存在を認めましたよ、という合図なのです。


そして、一番印象に残ったのは、何と言っても最後の「第七章のまとめ」《得意を伸ばすことがゴールへの近道》という一言です。

人はどうしても欠点に気を取られがち、特に若い人はまわりの大人から「欠点を直せ」という指導を受けがちです。
しかし、どうしてもそれは回り道になりやすいものです。

欠点を直そうとして、本来の持ち味(長所)を殺してしまったという話は、プロ野球のコーチ経験者からもよく聞きます。
二軍の若手選手を早く一軍に送り出すには、まず長所を伸ばす――「○○ができる」といったセールスポイントを持たせることだといいます。

 ・・・

本書を読み終えて――「新社会人として大事なことは何か」といいますと、それは「自分にウソをつかず、ありのままの姿で、与えられた仕事を全力でやりぬくこと」ということでしょうか。

そして、一人前の社会人となるために一番大切なことは、自分の得意を伸ばすことだ、と思います。


左利き仲間で友人・渡瀬謙の著書についての記事
(◆印:ビジネス書/□印:口ベタ・あがり症の“内向型”営業マンのための営業本
○『左利きの人々』渡瀬けん=名義)
◆□2016.7.5 内向型トップセールスマン渡瀬謙の新刊『―「質問」で会話を盛り上げる方法』
◆□2016.3.11 相手の話を引き出す渡瀬謙〈無敵〉雑談術の本『超一流の 相手にしゃべらせる雑談術』『負けない雑談力』
◆2014.12.7 買い手の気持ちに寄り添う商談術:渡瀬謙『相手の「買う!」を自然に引き出す4ステップ商談術』を読む
◆2014.3.16 なんための会話か?~渡瀬謙『朝5分! 読むだけで「会話力」がグッと上がる本』
◆2013.10.7 臆病は慎重!… 渡瀬謙『内向型人間のリーダーシップにはコツがある』
・2013.8.19 雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3
◆2013.3.7 渡瀬謙『元リクルートNo.1の 日本で一番"効率"のよい営業法 このムダをなくすだけで、グングン売上が伸びる!』
◆2012.5.23 小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』
◆□2012.2.26 克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』
・2011.12.31 雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…
◆2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く
◆2011.6.10 流れ星に願い事…渡瀬謙『たった5秒のあいさつでお客様をザクザク集める法』
◆【渡瀬謙/監修『毎日役立つ!もう悩まない!!即効ビジネスマナー』日本文芸社2011.1】
・2011.5.19 週刊ヒッキイhikkii260左利き教本について考える(2)おさらい
◆2011.3.4 新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』
◆□2010.6.28 実践で学ぶ本、渡瀬謙『営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく』
◆□2010.6.18 渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く
◆□【『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版】
・2009.12.12 今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 ★左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある
◆□2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」
・2008.12.29 左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著

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