『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』10月18日発売
またまた左利き関連の本が出ています。
岡田崇花『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』ブティック社・ブティックムック
AB判(260mm × 210mm)
定価 1,080円(税込)
この先生(日本書蒼院副理事長(松戸会会長)。文部科学省後援書写技能検定試験千葉県審査員。きれいな字の書き方に関する多くの著書がある。)の練習帳で、かつて左利き用と銘打ったものが出版されたことがありました。
『左利き用ボールペン字練習帳』岡田崇花/著 日本文芸社 2004年5月刊(*参照(2))
がそれです。
正直なところこれは、
《右手で書く人が練習しやすいようにと工夫して作った『きれいな字が書ける。ボールペン字練習帳』(2004年3月刊)の左利き用。内容は同じですが、右ページがお手本、左ページが練習帳と、左利きの人が使いやすくなっています。》
という触れ込みのものでしたが、実際は右用の練習帳の左右のページを単純に入れ替えただけの代物で、肝心の中身の左右はそのままで、左手で書くには不便なものでした。
具体的に説明しますと、ページの中身は「左から順に3段階に練習を進めてゆく」もので、それぞれ、(左に)薄くお手本の字が印刷された行、(中に)字のバランスがわかるように真ん中に破線の入った行、(右に)白紙の升目の行です。
ページ内は右用の「左から右へ」のままだったのです。
(あえて書いておきますと、著者もその後左利きの生徒さんから指摘を受け、反省されていたようです。*参照(4))
さて、今度の本はどうでしょうか。
出版社の紹介文では――
《左ききの人が使いやすいようにお手本を書き込み欄の右側に配置。
30日間であっという間にみるみる字が上手くなる左きき専用のペン字ドリル。
この1冊で、ひらがな、カタカナ、文例、ハガキ等実用的なものまでを網羅。
無理せず毎日少しずつ進めるだけで、キレイな字が書ける。》
調べてみますと、同社から同じ先生の手になる、同じような『30日ペン字ドリル』(税込648円)というのが出ています。
これの「左利き」バージョンということでしょうか。
お値段がずいぶん違うので、新たに中身を「左用に作り直したもの」になっているのでしょうか。
表紙カバーを見ますと、左手で字を書く女性と、練習ページのます目のアップがあります。
ます目は右から薄くお手本の字が印刷されたます、字のバランスがわかるように真ん中に破線の入ったます、(左に)白紙の升目のますとなっています。
この通りの展開ならば、「左用の練習帳になっている」と言えそうです。
残念ながら実物を見ていませんので、本当のところは分かりません。
(最近は、めっきり本屋さんの数が減り、簡単に現物を見ることが難しくなっています。)
是非とも、14年前の焼き直しではなく、14年目の「名誉挽回の改訂版」であることを祈ります。
*参照:
(1)2004.6.3
『左利き用ボールペン字練習帳』 ―発売の告知。
(2)2004.6.18
『左利き用ボールペン字練習帳』再び ―現物を入手、内容を詳細に紹介。
(3)2004.6.26
『左利き用ボールペン字練習帳』「レフティサーブ」で紹介
―左利きメルマガでの紹介の報告。
(4)2004.8.24
続報『左利き用ボールペン字練習帳』 ―発売後の状況を編集者氏による報告から紹介。
【追記:14年ぶりのリベンジなる!】2018.11.26
上の記事は疑問形で終わりましたが、現物を見てわかりました。
見事に、リベンジされました。
冒頭の言葉に書かれていたように、昔は左手で字を書くことは否定されていました。
でも、そんな時代は終わりました。
もちろん左手で字を書いてもいいし、左手でもきちんと練習すれば、きれいな字を書くことができる、という事実を明記してくださった点は、左利きで左手書きで過ごしてきた私にとっては、本当にうれしいものです。
詳細は↓の記事をお読みください。
岡田崇花先生リベンジなる!『左利き専用 綺麗な字が書けるペン字ドリル』を買う
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