米山公啓(監修)『左手でなぞって物忘れ防止記憶力アップ!!』(マガジンランド)
お医者さんの著述家・米山公啓さん監修の本だそうです。
『左手でなぞって物忘れ防止記憶力アップ!! 毎日楽しめる脳活トレーニング帳 「逆手」を使うことで、あなたの脳がぐんぐん活性化します!』マガジンランド(2017/02)
《左利きなら右手。「逆手」を使うことで、脳がぐんぐん活性化!》だというのですけれど。
今の世の中、多数派の右利きの人たちが自分にとって生活しやすい、右利き仕様の右利き偏重社会を作り上げたため、かえって身体の使い方が右手・右側に偏ってしまい、身体の変調をきたしているというのが本当のところです。
で、利き手と逆の手を使うことで、脳を活性化しようという本だそうです。
脳の活性化については、専門家ではない私には何とも言えません。
ただ、脳科学の研究者の先生方が言うところでは――『脳科学の教科書 神経編』理化学研究所脳科学総合研究センター編(岩波ジュニア新書)など――両脳は統合されて機能しているので、左脳がどう右脳がどうとかそういう単純なものではないそうです。
少なくとも、身体の左右のバランスという点では、両側を均等に使う方がいいのは確かなようです。
これは整体の先生が発言されているので、間違いないところでしょう。
また、左右の脳の運動野が刺激される点は確かでしょう。
右利きの人の場合は、先ほども書きましたように、右利き仕様の社会になっているため、右手一本でも大抵のことができてしまうものです。
しかし、左利きの人の場合は、嫌でも右手を使わざるを得ないケースがあります。
それもしばしば。
朝起きて顔を洗うにしても、水道の蛇口の栓を開こうとすれば、右手側にある。
おトイレで水を流そうとしても、水洗のレバーは右手側。
朝食はトーストを焼こうとすると、オーブン・トースターのタイマー・スイッチは右側にあり、右回しです。
バターやジャムを塗ろうと、冷蔵庫の扉を開けるのはやっぱり右手で。
テレビを見ようと電源を入れるときも、電源スイッチは右側。
パソコンで仕事しようとすると、ここでも電源スイッチは右側。
etc...(左利きあるある!?)
その結果、右利きの人たちは右に偏った使い方になるのに対して、左利きの人の場合は、右も使う(というか、使わされる)ため、そのような偏りはさほどひどくはならないのです。
基本的には簡単なことばかりともいえますが、それでも使っている事実は変わりません。
左利きの人の中には、字を書くことや箸使いなどは、右という人もいます。
そういう人は「両利き」と自称するぐらい(実際は「両使い」だろうと思いますが)です。
まあ、左利きの人にはあまり意味のないトレーニングだろうと思いますが、右利きで日常生活は右使いばかりの人は、こういうトレーニングは必要かもしれません。
一度立ち読みぐらいはしてみても損はないかもしれません。
昨今では、「非利き手で字を書きたい」といった人も増えているようです。
そういう人には、字を書く練習の助けにもなりそうな内容です。
試してみてもいいかもしれませんね。
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