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2017.02.09

2月10日〈左利きグッズの日〉をまえに左来人(Right Hidari)『左利きあるある 右利きないない』を買う読む

以前、近刊の紹介をしました↓の本を購入しました。

2017.1.12 『左利きあるある 右利きないない』本が2月7日発売予定

『左利きあるある 右利きないない』左 来人/著 小山 健/イラスト ポプラ社 2017/2/7


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(画像:本書『左利きあるある 右利きないない』、左利きに不便な道具等を語る『左利きの人々』)

この本、奥付の日付が2月10日になっていまして、これは、やはり〈左利きグッズの日〉に合わせているということなんですね。

(2月10日が〈左利きグッズの日〉になった経緯:
 2月10日⇒0・2・10(れ・ふ・と)⇒レフト(左)の日⇒〈日本版・左利きの日〉
 のちに、〈左利きグッズの日〉に改称)

2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される
―〈左利きグッズの日〉の由来が書いてあります。
 また、国際版の〈左利きの日〉INTERNATIONAL LEFT-HANDERS DAYの由来も。
 後者は、『左利きあるある右利きあるある』の「左利きトリビア(94)」に“採用”されています。


「左」利きの人だけでなく「らいと→ライト→right」右利きの人にも読んでもらおうということで、「右利きの人から見た左利き観」といったものも加えるべく、左利きの人と右利きの人の共著でしょうか。》という予想通り、本書の著者名が「左・来人(ひだり・らいと)」で、右利きと左利きの人の共著でした。
(「右利きの人から見た左利き観」的なものは、今一つかな、というところ。)

右利きと左利きのライターによるユニット。右利きの人々に「左利きの世界観」を啓蒙すべく活動している。》「奥付」
そうです。
ラストページに、
世の中のさまざまな本や/ウェブサイトを参考にしながら、/何人もの左利きの方々に取材して作ったもの[...]/「これは事実とは違うのでは?」とか/「私は、こんなことないなあ」など/色んなご意見があるのではないか[...]もし、そのようなご意見や感想がありましたら、/ぜひ編集部まで[...]
とあります。

その前のページに、参考文献と参考サイトが挙がっていて、まあ、今の人ならこんなところかという気もしますが、もう少し読んでほしい本や、見て欲しいサイトもあります。

(ちなみに、大路直哉さんの本『見えざる左手』(三五館)やフェリシモとの共著『左ききでいこう』(フェリシモ出版)は、左利きについて考えるために必読。古本で手に入ります。『CLUB LEFTY』大路さんのサイト。目新しい情報はありませんが、過去を知る意味でも必見。
 イギリスの左利き研究の権威クリス・マクマナス『非対称の起源』原題 RIGHT HAND, LEFT HAND(講談社ブルーバックス) も。左利きの人の問題だけでなく、世の左利き右利き全般についても記述。
 左利きに不便な道具等を語る渡瀬けんさんの『左利きの人々』(中経の文庫)は、同じような趣旨でもある。
 「左利き解放(レフティ・リブ)」活動の歴史を知るという意味では、箱崎総一さんの『左利きの秘密』(立風書房)は重要。古本屋で購入可能。etc...)


とりあえず、私のこのブログ(『レフティやすおのお茶でっせ』)を挙げてもらっていますので、ありがとうというところです。


【内容紹介】
p.4・(代表的な左利きあるあるをイラスト付きで紹介)
p.14・まえがき「左利きの世界は、実は相当新鮮である」左来人(右利き担当)
p.16・左利きマンガ「左利き創世記」
p.19・「1左利きの日常編」(79個)
p.56・column1「左利き年表」0-30歳
p.59・「2左利きを取り巻く環境編」(80個)
p.98・column2「左利きの有名人 外国人編」
p.101・「3左利きを悩ませる道具編」(71個)
p.128・column3「左利きの有名人 日本人編」
p.131・「4カッコイイ左利き編」(47個)
p.154・「おわりに」左来人(左利き担当)
p.157・「参考文献・参考サイト」
(下欄)・「左利きトリビア」1-120


それぞれのあるあるにチェックボックスが付いていて、「おわりに」に左利き度チェックがあります。

私がざっと数えたところ、277項目ありましたので、30個以上で《かなり左利き度が高い人》というのは、遠慮しすぎな数値に思います。
私はもっと多くても大丈夫な気もしますが。
(それともこれは、第一章だけのことでしょうか。
 そんなことはないよね、つながりのあるあるがあるなので、一つ外れると、何個かずっと該当しないこともあるようです。)


前の記事でも書きましたが、《ネットから拾って来たような情報だけで作られている》、と言われてもいたしかたないような内容です。

ただ、それを実際にまとめて本にするというのは、パワーがいるというものです。
何を拾い上げ何を捨てるか、またどう配列してどのように読者に提示するかというのも、一つの技術がいります。

まあ、そういう意味ではこれも一つの著述といってよいでしょう。

それで、1000円が高いか安いかは、また別の問題でもありますけれど。


左利きの人だけでなく、右利きの人に見て欲しい、という気がします。
そうはいっても、多分左利きフェチという人以外はスルーされることでしょう。

『左利きの人々』の時もそういう傾向がなかったわけでもないですし。
ある程度は仕方ないのでしょうけれど、ね。


人間、所詮自分は自分で、自分のこと、自分の関心のあることにしか注意は向かないものです。
人のことも思いやれ、といっても難しいものです。

まあ、だからこそ、人を思いやる気持ちを持て、というのですけれど。


ぼやきで終わってしまいましたが、左利き本だからといって、差別しないで欲しいものです。

多数決原理では、少数意見は廃棄されますが、少数意見を尊重するという建前になっています。
それが、民主主義の原則のはずです。

少数派を扱った本でも、いやだからこそ、ぜひ多くの人たちに手に取っていただきたいものです。


実態は、そんな大層な御託を並べるような質の本ではないので、気軽に手に取り、単純にあるあるないないと思いつつ見てやってください。


【「参考文献」以外の私のおススメ左利き本】

*利き手と左利きの科学的研究に関する本:
(日本)
『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。
『左対右 きき手大研究』に先立つ左利き研究の学術書。

(イギリス)
『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著 大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10
―20年にわたる利き手・左利き研究の成果をまとめた本。原著"Righthand Lefthand"から英語に関する部分等を省いたという抄訳。


*左利きの研究+αの本:
『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著 三五館 (1998/10)
―左利きの著者による社会学的アプローチの本。明治以降の日本の社会での左利き受容、および現状と未来の考察。巻末に「左利き筆法」。

『左ききでいこう!!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ出版
―左利きの常識を身に付ける入門書。巻末に、実用的な左利き用品カタログや「左利き筆法」、ギター、編み物のページを収録。

『左利きの秘密』箱崎総一/著 立風書房マンボウ・ブックス 1979.6
―「左利き友の会」主宰者による「左利き解放(レフティ・リブ)」活動の歴史を知る本。

*右利き社会での左利き生活の不便さ解説本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1
―左利きの著者による、右利き偏重社会における左利きの人の不便「あるある!」エッセイ集。


*左利き「矯正」に反対する本:
『ぼくは左きき 本当の自分であるために』度会金孝(わたらいかねたか)著 日本機関紙出版センター 2014/12/18
―左利きの元教師の本。自身の書字「矯正」体験と左に戻した体験を通して語る「矯正」を否定し反対する本。

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