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2016.07.25

角川文庫から新訳ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』(上下)7月23日発売

以前から情報は入手していましたが、発売されましたので書いておきます。

私の大好きな作家のひとりヴェルヌの『海底二万里』の新訳が角川文庫から出ました。

 

『海底二万里 (上・下)』ジュール・ヴェルヌ/著 redjuice/イラスト 渋谷 豊/訳 角川文庫 2016/7/23

 

 

 

従来角川文庫からは花輪莞爾氏の訳本が出ていました。
(当初は一巻本、のちに上下二巻本に)
原書挿絵が何枚入ったもの―昔の印刷なので、解像度が悪かった―で、私が若い頃に読んだものでした。

少なくとも40年はたっているはずで、新訳版の登場もやむを得ないところです。

巻末の渋谷豊氏の訳者あとがきにも、古典の名作の叢書シリーズに入ったことが書かれていましたように、本国フランスでも評価されている作品であり、老舗文庫の一冊として収録されていて当然というものです。

原書挿絵は今回は入っていません。
この辺はちょっとさびしい印象があります。

 

しかし、映画化なり何なりの理由があるのでしょうけれど、ヴェルヌと言えば、『地底旅行』『海底二万里』『八十日間世界一周』というのはいかがでしょうか。
日本ではこれら三大名作にプラス『十五少年漂流記(二年間の休暇)』がありますが。

私自身、この作品は、先に上げた角川文庫版、集英社文庫〈ジュール・ヴェルヌ・コレクション〉版、岩波文庫版二巻本、新潮文庫版二巻本の4種持っています。

Jvkaiteinimanri

 

Kaiteinimanri

 

(今まで出た中では、原著挿絵をすべて収録している点では、岩波文庫・新潮文庫版がいい。
集英社と角川の新訳版は、挿絵ゼロ。訳注の充実ぶりでは、新潮文庫版。)

いかに名作でも、そんなに数はいりません。
(誰も買うてなんてゆうてへんて? ホンマや!)

上記の三大名作+ワンの他にもこれらほどの名作ではないけれど、現代でも十分読むに堪える作品があります。

角川文庫さんで言えば、昔出していた『悪魔の発明』(他社からも出ていますが、併載の「氷海越冬譚」は〈驚異の旅〉以前の冒険ものの傑作中編でした。)や、『地の果ての燈台』(これは優れた冒険小説です。再刊して欲しい一番手かも。)といった作品を再刊して欲しいですね。
Tinohatenotoudai

 

ヴェルヌの大ファンとしましては、いい加減ヴェルヌのこれら名作以外の作品を発掘出版していただきたいものです。

文遊社さんの復刊シリーズも楽しかったので、復刊でもいいんです。

出版社各社さま、よろしくお願い致します。

 

*『お茶でっせ』【ジュール・ヴェルヌ】の記事:

【文遊社<ヴェルヌ>の過去の記事】:
・2014.7.19 文遊社ジュール・ヴェルヌ復刊第四弾『緑の光線』7月30日発売

・2014.1.13 文遊社ヴェルヌ復刊シリーズ第3弾『黒いダイヤモンド』年末に発売 
・2013.10.17 ジュール・ヴェルヌ『ジャンガダ』を読む
・2013.8.6 ジュール・ヴェルヌ『永遠のアダム』を読む&『ジャンガダ』出版

【その他の<ヴェルヌ>の過去の記事】:
・2015.8.10 ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』椎名誠、渡辺葉・父娘共訳31日発売

・2013.6.2 ジュール・ヴェルヌの本2点『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険』『永遠のアダム』
・2012.10.25 テレビの威力か?HPジュール・ヴェルヌ・コレクションにアクセス急増!
・2007.8.24 ジュール・ヴェルヌ『海底二万里(上)』岩波文庫
・2004.10.18 偕成社文庫版ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』と映画『80デイズ』
・2004.7.2 復刊された『グラント船長の子供たち』

 

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