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2016.07.08

女性セブン2016年7月14日号左利き特集・内容紹介

(画像:女性セブン2016年7月14日号左利き特集の1ページ目と関連本)
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7月3日に紹介しました『女性セブン2016年7月14日号』の左利き特集(*)について、
ネットにも、次々と記事内容がアップされています。

簡単に紹介しておきましょう。

(*)『レフティやすおのお茶でっせ』2016.7.3
女性セブン7月14日号に左利き特集


 ●ネットから内容紹介

・2016.07.02 左利きの人は1割強 時代・国・地域問わず常にそう
小栗旬、二宮和也、水卜麻美、剛力彩芽、北川景子らも左利き

『左対右 きき手大研究』(化学同人刊)や『選ばれし民 左利き』(インフォレスト刊)著者で関西福祉科学大学学長・八田武志さんの話

「ざっくりいうと1割強です。... 」
 1993年八田さん調査(国内大学生専門学校生1700人)左利き・男子12.8%、女子7.8%(両利きも含む)。
「利き手を決める要因は諸説あります。胎児期に左脳を損傷して右脳に依存したことによる『脳損傷説』や親や血縁関係による『遺伝説』などです。さらに、なぜ1割という一定数なのかは、謎なんです」

「...日本では1980年代頃から、左利きの子供を親が矯正しなくなりました」

・2016.07.05 はなわが語る左利きの辛さ カウンター席で客の目が冷たい

左利きのあるあるネタ『つらいぜ!ダリヒー』が話題のお笑い芸人で左利きのはなわ(39才)が、「ダリヒー」のつらいあるあるを教えてくれた。

◆字を書くと手が汚れる
◆ベースは右利き用です
◆お寿司が食べにくい
◆食事の席位置は左端
◆腕相撲大会はいつも変な空気

・2016.07.06 左利きあるある おたまもトランプも右利き用でツラい!

左利きが語る右利き用道具への不満

国や時代にかかわらず、約1割が左利きなのだという。とはいえ9割が右利きなのだから、自然と世間では右利き用の道具が多くなり、左利きの人はつらい思いをすることも少なくないという。『悲しくも笑える左利きの人々』(KADOKAWA/中経出版)著者で、自身も左利きだった渡瀬けんさんに、世間でいかに右利き用の道具が多いかを語ってもらった。

■はさみ
■定規
■包丁
■おたま
■トランプ
■パソコンのマウス


 ●内容について

詳細は、それぞれのリンク先でお楽しみください。

月曜日に買ってきました。
5ページのために、410円は安くはないですが、研究家を自称する身としては、持ってた方がいいか、という感じですね。

内容は、まあこんなもんでしょうか。

ただ表題として、《“左利き不利社会”を徹底検証 「左利きは9年早死にする」は本当か?》という点は感心しません。
昔も「左利きは9年早死にする」で、某週刊誌がセンセーションに報道したことがありました。

この情報の発信源となった元の本(**)は、一部怪しげなデータを利用しているとしても、世間で言われるほどひどい内容とはいえず、一書を通して言わんとするところは正論であったでしょう。
どちらかと言えば、最初の日本での宣伝報道の仕方や書名に問題があったと考えています。

寿命に関して言いますと、純粋に利き手・利き側の要素のみを抽出してデータを取れるならば、多分、左利きは短命なのではないでしょうか。
理由は、現状の社会はまだまだ右利き偏重の社会であり、男尊女卑ならぬ「右尊左卑」の社会であり、その中で生きていくということは、やはり色々な面で不利だと考えられるからです。

もう一つ気になったことを言いますと、「左利きの日」について、です。

8月13日の左利きの日を「イギリスの左利き支援団体『Left-Handers Club』などが提唱した」としている点。
「など」と表記しているので、一概に間違いとは言えませんが、アメリカのDean R. Campbellさんが創設した、左利きの人のための専門雑誌"Lefthander Magazine"を発行する左利きの人たちのための組織『Lefthanders International』が最初の言いだしっぺで、1976年のことです。(***)

もう一つは、2月10日を日本の左利きの日としている点。
こちらは正確には、「左利きグッズの日」です。
8月13日の「左利きの日」と趣意は同じです。

まあ、その辺でしょうか。

(**)
『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン 石山鈴子訳 文藝春秋1994/1

(***)
『レフティやすおの左組通信』「左利きの日を祝おう!」(左利きの日のページ)
8月13日は「国際版・左利きの日」

 ・・・

最後に私から一言――

強度の左利きの私から見ますと、「利き手は心につながっている」ということ。
利き手は心の延長であり、それ故に利き手を使うことは心の表現であり、自分らしさは利き手に現れるということです。

逆に利き手が思うように使えない状況とは、心を縛られるのと同じだということです。

現状の右利きに優しい「右利き偏重社会」や「右尊左卑」の思想が残る世界は、左利きの私たちにとって決して生きやすいものではないのですけれど、先人達がガンバって少しずつ改善してきた結果であることも事実です。

いつの日か利き手によって差別されることのない、右利きだけでなく左利きにも優しい左右平等な社会になればいいなあ、と願ってやみません。


*記事で紹介された、関西福祉科学大学学長・八田武志さんの著作:
『左対右 きき手大研究』八田武志/著(化学同人刊)

『選ばれし民 左利き』八田武志/監修(インフォレスト刊)


*左利き生活の不便を語る本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1


*こんな本も読んでほしい:左利きの子供のための子育て・教育ガイド本:
『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009.4
―左利きの子を持つ親で自身左利きの著者によるイギリスの有名左利き用品専門店オーナーによる、今までの日本になかった、左利きの子供を持つ親・先生へ向けた、左利きの子の生活支援のための手引書。巻末資料作成に協力させていただきました。

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