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2016.04.08

左利き不便あるある動画2本-土屋礼央編、はなわ編

いつも楽しく左利きの話題を提供してくださるガボちゃんのブログから、左利きの芸能人による「左利き不便あるある動画」を二本紹介しておきましょう。

2016年3月28日 動画感想文から
土屋礼央の左利き哀愁物語

2016年04月04日 もしかして、これ?から
ネプ&ローラの爆笑まとめ!2016春 20160402 はなわ 左利きのあるあるソング

 ・・・

【左利き不便あるある動画】

(1)[レオなるど]土屋礼央の左利き哀愁物語

◆取り上げている事柄◆
ハサミ(の刃)・自販機(コイン投入口)・(片口注ぎ口の)お玉・机付き椅子・急須・放送のキュースイッチ(?)の位置


*【土屋礼央さんに関する『お茶でっせ』記事】
2011.12.18 左利き初心者は覚悟が必要!『男35歳、そばを打つ』土屋礼央


(2)ネプ&ローラの爆笑まとめ!2016春 20160402 はなわ 左利きのあるあるソング

◆取り上げている事柄◆
横書きで書いた字を擦っちゃう・自分の誕生会で左端に坐る・自動改札を左手で通ろうとして取らされている変身ポーズ・自販機もパソコンのマウスも駐車場の料金所もウォシュレットもパチンコも全部変身ポーズ・(ゴルフの)打ちっぱなしで隣の人と目があって照れちゃう・映画館のドリンクホルダー、隣の人のを飲んじゃう

こういう話をすると、にやけた顔して上から
「っていうかさ、それなら右でやればいいんじゃない」
なんでこっちがそっちに合わせなきゃいけねえんだよー
坂上忍、杉田かおる、IZAM、エミネム、朝青龍、全員なんかやばいやつ

 ・・・

左利きの人自身が、「左利き不便あるある」を描いているのですが、よくあるものばかりです。

表現がそれぞれに違っているので見れますが、それでもやっぱり何か物足りなさが残ります。

私いつも感じることですが、ガボちゃんも書いていらっしゃるように、

この手の訴え動画って、どうして左利きの人が大げさ気味に失敗するシーンばかりなのでしょう?
です。

笑いで釣る・注目してもらう、あるいはソフィスティケートしているつもりかしれませんが、私にはもう一つ?なんですね。

お笑いは所詮お笑いとして処理されてしまうのではないか、という危惧があるのです。

本当に言いたい・伝えたいのなら、正直に真面目に真っ当に真正面から訴えるべきだ、と思います。

本当の悩み、真剣な悩みなのだから、真剣な態度で訴える。

そうだからこそ、人に心に伝わるのではないでしょうか。
私はそういう訴えも増えて欲しいと願っています。


 ●右利きの人の無頓着な発言

今も強烈に記憶に残っている右利きの人の発言があります。

堀井憲一郎『落語の国からのぞいてみれば』(講談社現代新書1947 2008年6月)に書かれていた左利きの話題(「第14章 左利きのサムライはいない」)に関する記事に書いたことなのですが、改めて掲載しておきます。

2009.6.19 『落語の国からのぞいてみれば』から左利きを考える

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巻末の参考資料編の中での発言です。

「参考文献的おもしろかった本解説」での大路直哉/著『見えざる左手』の感想がそれ。

これは左利きの人からの提言で、右利きが見落としそうな部分の指摘はおもしろかったが、読んでて、でも申し訳ないがおれは右利きなんで、と思ってしまったのも事実。

当然といえば当然の話ですが、いかにも左利きで困った経験を持たない右利きの人らしい意見?が読み取れ、<右利きだけでなく左利きにも優しい左右共存共生社会の実現を目指す>私にとっては、ちょっと残念な気がします。

右利きの人の素直な感想といえば、そうなのでしょう。
たぶん多くの右利きの人は、このような感想をお持ちなのかもしれません。

しかし、素直な意見なら良い、というものでもないでしょう。

本として公刊するということは、社会的な意見の表明でもあるわけで、当然その発言には、社会的な責任というものもついて回るはずです。

「申し訳ないがおれは右利きなんで」と締めてしまったのでは、世の中の大半の少数派や弱者といわれる人たちは浮かばれません。

たとえば、このを「申し訳ないがおれは右利きなんで」の「右利き」を他の言葉に置き換えて考えてみればどうなるでしょうか。

有色人種の苦難の歴史は知っているが「白人なんで」、障碍者の大変さも認めるが「健常者なんで」、高齢者の気持ちはわかるが「まだ青年なんで」、女性の立場も理解できるが「男性なんで」、云々。

今どきこんなことを発言をすれば、マスコミからも世間一般からも、袋叩きにあったり総スカンを食らってもおかしくないでしょう。
無責任な発言と、良識が疑われかねません。

でも、左利きのことだから、マスコミからも世間の誰からも非難されずに済んでいるのではないでしょうか。

いくら落語の話を扱っているからといって、何でもかんでも軽く冗談半分におもしろおかしく締めればいい、というものではありません。
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*参考:
堀井憲一郎著『落語の国からのぞいてみれば』(講談社現代新書1947 2008/6)


大路直哉著『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』(三五館 1998/10)


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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