故事成語・名言のこと―古代中国思想編(4)易経を読む(後編)
―第170号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2016(平成28)年2月29日号(No.170)-160229-
「古代中国編―中国の古代思想を読んでみよう(4)易経を読む(後)」
本誌では、『易経』の義理の書としての側面を紹介しています。
また故事成語・名言をいくつか紹介しました。
昨今ではこれらの故事成語や名言を使う人も減っています。
日常的に使うものでなくなっているのかもしれませんが、文化的にはもったいない話です。
人間的な幅や懐の深さにも関わってくるのではないでしょうか。
教養云々とまでは言いませんが、軽薄短小といいますか、ちょっと浅薄になってきているように思います。
こういう表現を通して、ものの考え方の深さや物事の見方も変わってくるのではないでしょうか。
もちろん、単なる物まねのような言葉の上っ面だけ覚えて使うというのでは意味がないのですが、それでも覚えたものは使ってみるという態度は大切です。
そのうちだんだん身に付いて、より適切な使い方ができるようになるのです。
文化というものは累積したもので、古層から始まり歴史的に堆積してきたものなのです。
地層が逆転することがあるように、文化もあるとき逆転し、滅んだと思われたものが現代に蘇ることもあるでしょう。
古い言葉だから死んだ言葉だからといってバカにしていると、いつの間にか違った形であれ、使われるようになることもあるのではないでしょうか。
いい言葉ならドンドン使っていきたいものです。
・・・
今回は少し長くなったかもしれません。
でも、それだけ『易経』という書物は、インパクトのある古典だったということです。
最後にもう一言言えば、
『易』における、陰と陽は、マイナスとプラスというより、0と1のような関係ではないか、という説(ライプニッツの二進法的な理解)にうなずかされる気がします。
陰陽は対立する概念ではなく、二つでセットになったお互いに助け合う存在でもあるということです。
男女がそうであるように。
・・・
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(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
*本誌で参照した本:
『書経・易経(抄)』赤塚忠/訳 平凡社〈中国古典文学大系・1〉1972
―『易経』の伝のうち、「彖伝」「象伝」の一部、「文言伝」「繋辞伝」上下「説卦伝」(抄)。解説
『易の話』金谷治/著 講談社学術文庫 2003/9/11
―占いとしての易と思想としての易の両方をコンパクトにまとめた入門書。付録『易経』名言集、うらないのことば・六十四卦
『四書五経入門 中国思想の形成と展開』竹内照夫/著 平凡社ライブラリー320 2000.1.24
―「四書五経」の概説書としては唯一のもの。1981.2刊平凡社・東洋文庫・第二版の文庫化。初版1965。
『五経入門 中国古典の世界』野間文史/著 研文出版・研文選書119 2014.3.20
―中国の古典文化を学ぶ人のための経書の概説書。易(周易・易経)書(尚書・書経) 詩(毛詩・詩経) 礼(儀禮・禮記・周禮) 春秋(公羊伝・穀梁伝・左氏伝)。
*簡潔な占いの書として:
『易経 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』三浦國雄/著 角川ソフィア文庫 2010/10/23
―上記書を一部省略して、卦辞・爻辞の原文と翻訳、占例という占いの書としての易の初歩的で簡潔な入門書となっている。
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