左手書きにも新感覚ボールペン「ユニボール エア」uni-ball AIR 11月26日発売
ボールペンの進化が続いているようです。
インクも油性・水性・ゲルといったものがあります。
それぞれに進化して昔よりずっと書きやすくなっているようです。
それでも、やはり(というべきか)左手書きの場合には、色々と厄介な問題があります。
たとえば、油性インクの場合は
(1)どうしても途中でインクの出が悪くなる。
(2)インクの出のいいものを選ぶと、ボテ(ペン先のインク溜まり)がボタ(溜まったインクが玉になって落ちる)になる。
左から右への線を押し書きすると、ボールの回転が逆(ボールの下端からインクが引き出される形が通常の回転)になり(インクが上から下りてくる形となり、ボールの隙間に空気が入りやすくなるのか)インクが出なくなったり、下端に余分なインクが溜まり、限度を超すと玉になって落ちたりするのです。
そこで、どうしても選択肢が、万年筆のように比較的さらさら書ける水性かゲルになってきます。
(もちろん、油性も改良され、 「ぺんてる・ビクーニャ」「三菱鉛筆・ジェットストリーム」などは新インクを開発し、かなりの書き味だそうです。まだ試していませんが。本体定価各150円。)
そんななかで、このたび11月26日発売されたのが、今回紹介する《新感覚 空気のように軽く書ける》ボールペン「三菱鉛筆・ユニボール エア」。
●水性インク【uni-ball AIR ユニボール エア】
《「ユニボール エア」は、ペン先内部が筆圧に合わせて上下に作動し、インクの流量を最適にコントロールする新開発チップを搭載。チップを覆うソフトカバーが紙との摩擦を軽減し、力を入れなくても濃くはっきりと、スムーズに書くことができ、書き癖にあった形状になじんでいくため、左利きでも右利きでも、使い込むほどさまざまな持ち方の書き手に合ったペンになる。/ボールペンでありながら、世界で初めて持ち方や筆圧に合わせて描線幅が変化し、トメ・ハネ・ハライなどメリハリのある文字や、抑揚のある表現力豊かな描線を書くことができる。》
《今までにない軽い書き味、自由な表現ができる描線、使い込むほど書く人になじむ新発想のペン先。世界初のペン先がボールペンの常識を変える、全く新しい筆記体験の提案》
ボール径: 0.5mm(描線幅0.3mm~0.5mm) 0.7mm(描線幅0.4mm~0.6mm)
インク色: 黒・赤・青
本体価格: 200円+消費税
*参照:
『ユニボール エア』|2015年|プレスリリース|三菱鉛筆株式会社
【三菱鉛筆】ユニボールエア 水性 黒 ボール径:0.5mm(描線幅0.3mm~0.5mm)
メーカーさんの宣伝文中で、《左利きでも右利きでも、使い込むほどさまざまな持ち方の書き手に合ったペンになる》という件が気になりました。
万年筆の代わりになるかと思い、0.5mmの青色を買ってみました。
水性インクなので、さらっとした書き味です。
ボールペンだけれど、万年筆のような書き味。
(サインペン的とも言えますが。)
まだ試し書き程度ですが、気に入っています。
問題があるとすれば、一点。
少しですが、裏抜けすること。
(裏移りとまでは行かないのですが、これは用紙によって違ってくるでしょう。)
水性インクの欠点の一つですが、もう少し何とかして欲しい感があります。
普段、パイロットのボトルインクを万年筆で使っていますが、ここまで裏移りはしません。
私は筆圧を書けない書き方をするせいか、油性のボールペンはあまり得意でないので、こういう軽いなぞるようなタッチの書き味のものがいいですね。
忘れていましたが、もう一つ気になると言えば、お値段。
「200円で使い切り」というのは、構造上の問題もあるのでしょうけれど、他のボールペンと比べてちょっとキツイかもしれません。
(画像:左から、ユニボール・エア、ゼブラ・サラサ・クリップ、ぺんてるエナージェル、スタビロ・スムーズイージー左手用)
●私のおススメ左手用ボールペン
以前買ったものは、ゲルインクのもので「ぺんてる・エナージェル」、水性インクで「ゼブラ・サラサ」辺りはよかった印象があります。
外国製では、水性の「スタビロ スムーブイージー STABILO 's move easy」(スタビロ・イージーオリジナル・ローラーボールペンSTABILO EASY original)が、当時お気に入りでした。
〈子供用の万年筆〉とも言われているそうです。
確かに、ボールペンとは思えない書き味でした。
このボールペンの特徴は、左手用と右手用が用意されていること。
グリップに三本指で保持する際の指位置を示すへこみがついていて、それぞれの持ち方を身に付けることができます。
(ただし、左手書きの場合、右手の反転形である鏡映像の指位置が正解かどうかは、難しいところです。)
私個人の今までの経験から言いますと、左手書きのボールペンとしては、油性と水性のいいとこどりをしている感のある、ゲルインク系のボールペンが一番書きやすく、使いやすいという印象です。
・・・
それにしても、最近、いいボールペンが色々出ています。
最初にボールペンを手にしたときは、万年筆と違い、ペン先が引っ掛かることもなく、「非常によい筆記具が出てきたものだ」と感じました。
それでも使っているうちに先に上げたような問題を感じ、「左手書きとボールペンは決して相性がいいとは言えない」と思ったものでした。
ところが水性やゲル・インクの登場で、印象が変わりました。
これからももっと勉強して、左手書きにより良いボールペンを見つけてゆきたいと思います。
メーカーさんもさらに努力して欲しいものです。
*『お茶でっせ』のボールペン記事:
2014.5.27 左利きの人からも支持されるゼブラ「サラサ」が最優秀筆記具に
2006.1.17 速乾性が欧米の左利きにも大ヒット、ぺんてるボールペン―エナージェルENERGEL
2005.12.2 Stabilo 's Move easy左手用ボールペン
*参照:
ゼブラ 水性ボールペン サラサクリップ0.5 P-JJ15-BK 黒
ぺんてる ゲルインキボールペン ノック式エナージェル 0.5mm ブルー軸 黒インキ BLN75-A
ぺんてる ゲルインキボールペン エナージェル・ユーロ 0.35mm ブルー軸 黒インキ BLN23-A
―インクの速乾性が売りということで、キャップ式とノック式では、インクを変えているそうです。
私の持っているのはキャップ式のもので、「ユーロ」となります。
STABILO シャープペン イージーエルゴ 3.15mm 左手用 7891-002 ブルー
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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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