日テレZIP!ハテナビ左利き特集~「左利き男子」萌え~に思う
3月2日、日本テレビの番組「ZIP!」の「ハテナビ」のコーナーで、「左利き」が特集されたそうです。
ZIP!で左利き特集、「左利き男子」に萌える女子が登場も「バカにしている ...
一部の画像が見られるこちら↓
お前ら左利きだとモテるらしいぞwwwwww
(引用元: ・お前ら左利きだとモテるらしいぞwwwwww)
日テレ「ZIP!Web」でも、
左利き増加のハテナ
●「個性の尊重」というより「自然な対応」
この「左利き増加のハテナ」でも、
《かつて、右利きに直されていた左利ききの子供たち。/しかし今は、個性を尊重し、直す親が減ってきているというのが、左利き増加の理由の一つなんです!》
とあります。
私に言わせると、「個性の尊重」というより、「自然な対応」だと思うのです。
右利きの場合、右利きで何も言われないのは、右利きが個性だから尊重している訳ではなく、単にその姿のままで―自然な姿のままで「良し」と考えられているからでしょう。
左利きも右利きと同様、自然な現象であり、左利きは左利きのままの「自然な姿でいい」はずなのです。
左利きの場合も、自然なままの対応が許されるようになってきただけのことでしょう。
男尊女卑の世の中だから、女も男並みに生きるには、男のように振る舞わなければいけない、とか。
人種差別があるから、黒人も白人のように、縮れた髪をストレートにし、肌も白くしなければいけない、とか。
かつてはそういうことがありました。
今ではそれはおかしい、と考えられるようになっています。
左利きもかつては何が何でも右使いにさせなければ、という考えが主流でした。
でも今ではそういうことは必要では無いと考えるように変化しています。
それは「自然なままでいいじゃないか」、「無理やり変える必要はないじゃないか」という意味だと思うのです。
相田みつを風にいえば、「トマトはトマトでいい」のです。
トマトがねえ/トマトのままでいれば/ほんものなんだよ/トマトをメロンに/みせようとするから/にせものに/なるんだよ/みんな それぞれに/ほんものなのに/骨を折って/にせものに/なりたがる相田みつを「みんなほんもの」より
『育てたように子は育つ―相田みつをいのちのことば』相田みつを/書 佐々木正美/著 小学館文庫(2007)
●左利き萌の女子について
私自身も以前40代のころ、30代の会社の左利き萌という女性パートさんらとお昼を食べにいったこともあります。
実際にそういう人がいるのもわかります。
ただどういう理由かというと、それはパンダが珍しいというような、アルパカがかわいいというのと同じような印象を受けます。
普段目にすることのない珍現象のような、目新しさだけのような。
橋本環奈ちゃんがかわいい、広瀬すずちゃんがかわいい、宮脇咲良ちゃんがかわいいとその時ごとに目新しいアイドルが登場するようなことと同じ心の持ち方なんじゃないか、と。
みんなそれぞれにかわいいし、だからファンだといったとしても、それでその本人自身の気持ちになって本気でその人の生き方を、出会う物事それぞれについてを考えているわけではないのです。
それと同じことでしょう。
表面的な関わりに過ぎないのです。
実際、左利きの人の反響(2ch「・お前ら左利きだとモテるらしいぞwwwwww」)を見ても「所詮は他人事だよね」という醒めた感じがします。
左利きにいい印象を持ってくださることは嬉しいのですが、こういう人たちが本気で左右平等を考えているとか、左利きの人権を! と共に訴えてくれているわけではないのでしょう。
そうは言っても「左利きは気持ち悪い」とか左利きを忌避する人もいることを思えば…。
●左利きは増えているか
さて、これはどうなんでしょうか。
確かに昔と比べれば「左利きは増えている」ように見えます。
左使いの人は確実に増えているとは思いますが、左利きそのものが増えているかどうか、という問題はまた別物でしょう。
左利きが日本では5%と言われるときでも、イギリスなどで10%、アメリカの調査では30%ぐらいという説もありました。
この幅が何を意味するのかはわかりませんが、ある程度の比率で左利きが存在し、それでも全体から見れば少数派だというのは事実です。
仲間?が増えているのなら、それはそれでやはりうれしいことです。
そして、左使いが増えていることは事実ですので、「社会全体もそれに対応していってほしい」というのが、私の願いです。
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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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