私の高校時代の読書:私の読書論63古典を考える-少年少女もの(後)
―第140号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2014(平成26)年12月15日号(No.141)-141215-
「私の読書論-63- -古典を考える-
入門書としての少年少女名作全集(後編)」
前回は、高校生になって、毎日本を読む<読書家>になった、と言うところまでお話しました。
今回は、その続きを少し―。
高校生になって、どういう本を読んでいたかといいますと、最初は「冒険」や「探検」といったタイプの本でした。
例を挙げれば、『トム・ソーヤーの冒険』や『ハック―』、『宝島』、そして当時色々と出版されていたジュール・ヴェルヌの作品。
ほかに、『ロビンソン・クルーソー漂流記』『ガリヴァ旅行記』(これは日本でも文学作品として評価されている。)など。
そして、中学時代に学校の図書室にあった少年少女版で読んだ、一連のSFや推理小説の大人版を読み進みました。
ほかに、私は小学生時代に買ってもらった本(講談社の少年少女ものの一冊)に入っていた『雨月物語』という怪談ぽいファンタジーぽいお話が好きだったので、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)『怪談奇談』(角川文庫)や創元推理文庫から出ていた『世界怪奇小説傑作集』といった本を好んで読んでいました。
その一方で、『少年マガジン』を読んでいました。
これは中学時代から購読していました。
ここで、横溝正史の『八つ墓村』のマンガ版が掲載されました。
(以下↓に詳しく述べられています。)
これが非常に面白く、日本の作家の推理小説はそれまで読んだことがなかったので、非常に新鮮でした。
その後、角川文庫からこの本や『獄門島』が出版され、例の角川映画が始まり、一連の金田一耕介シリーズが紹介され、一大ブームが巻き起こりました。
(私は江戸川乱歩の『少年探偵団』などは子供の頃に読んだことがありませんでした。)
そして、ついに高校二年の夏休みに、その後の私の読書人生の進路を決定したといってもいい『ミステリ・マガジン』に出会います。
この雑誌はユニークな雑誌で、基本的には海外のミステリを紹介する雑誌だったのですが、当時の太田博編集長の方針で、そのミステリの範囲が非常に広く設定されていて、通常の推理小説(本格謎解きの探偵小説、サスペンス・スリラー、ハードボイルド探偵小説など)は当然ですが、それ以外に怪奇小説(ホラー)やファンタジー、「剣と魔法の国」と銘打たれたヒロイック・ファンタジー、「都会小説」と銘打たれた都会に住む人々の人情の機微を描いた普通小説なども、紹介されていました。
作家で言えば、クイーンやクリスティーといった本格推理の巨匠、短編ミステリの名手エドワード・D・ホックやウィリアム・ブルテンといった推理小説作家のほかに、H・P・ラヴクラフトのようなSFホラー系、ジャック・フィニイのノスタルジック・ファンタジーの短編、ジョン・オハラやリング・ラードナーのような現代作家、デイモン・ラニアンのように『クイーンズ・クォーラム(クイーンの定員)』にも入っている普通小説とのボーダー作家も。
英米中心(他少はフランスも)ですが、非常に広い範囲の多くの作家にふれることができました。
これは、その後の私の読書人生に大きな素地を築いてくれた、と感謝しています。
*参照:
【本誌】バックナンバーから―
2014(平成26)年5月15日号(No.127)-140515-
「私の読書論-56-「私のおススメの古典から」(3)-人生の教科書-『ミステリ・マガジン』」 2014(平成26)年6月15日号(No.129)-140615-
「私の読書論-57-「私のおススメの古典から」(4)-人生の教科書-『ミステリ・マガジン』(2)コラム編」
『レフティやすおのお茶でっせ』記事:
2014.5.7
『ミステリマガジン』2014年6月号創刊700号と思い出のコラム 2014.5.26
私の投書が『ミステリ・マガジン』読者欄に掲載されました
*本誌で紹介した作品を収録した本: 『とっぴんぱらりのぷぅ ―田中芳樹のブックガイド―』田中芳樹/著 光文社 (2009/1/21)
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詳細は本誌で!
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(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』 --
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