文遊社ジュール・ヴェルヌ復刊第四弾『緑の光線』7月30日発売
いやあ、またまたヴェルヌの復刊です。
『緑の光線』ジュール・ヴェルヌ 文遊社(2014.7.30)
今回は、“異色の恋物語”『緑の光線』(文遊社のページ)。
《水平線に沈む夕陽が最後に放つ、翡翠のような光を探して、島から島へ 》
パシフィカ版<海と空の大ロマン>の一冊『北海の越冬/緑の光線』(1979)から、中村三郎訳。
いつも通り原著の挿絵―レオン・ベネット (Leon Benett)入り。
『緑の光線』は、1883年刊。
スコットランドの伝説で、<緑の光線>を見ると人の虚実と見抜く力と、幸福を得るという。
ヴェルヌには珍しいと言われる女性を主人公にした<緑の光線>を目撃しようと旅行する恋物語。
先に復刊された『黒いダイヤモンド』でも紹介された地スコットランドがまた登場するようです。
*『お茶でっせ』2014.5.4
文遊社版ジュール・ヴェルヌ『黒いダイヤモンド』を読む
他に、小高美保訳の“幻の初期短編”『メキシコの悲劇』を併録。(こちらもJules-Descartes Feratによるオリジナル挿画入り)
これが、今回の復刊のもう一つの目玉でしょう。
『メキシコの悲劇』は、1851年の作品。
元の題名は『メキシコ海軍最初の艦船』、1876年単行本『ミハイル・ストロゴフ』に改題加筆して収録された。
スペイン海軍の二隻の軍艦で反乱が起き、艦長が殺される。アメリカとテキサス、カリフォルニアの領有で争うメキシコ政府に売ろうというのだ…。
のちの、独立運動を支援する『海底二万里』のネモ船長にも通じるような面が見られるようです。
(あらすじや書誌情報は、杉本淑彦『文明の帝国 ジュール・ヴェルヌとフランス帝国主義文化』山川出版社 による)
・・・
もう一つ、ヴェルヌの出版物について。
『ジュール・ヴェルヌ伝』フォルカー・デース 石橋正孝訳
5月に出ています。
日本初、やっと出たヴェルヌ伝として期待は大きいのですが、お値段も格別で一万円!と破格。
こちらについてはまたの機会に―。
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