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2014.06.04

この世は左利きに厳しすぎる?渡瀬けん(謙)著『左利きの人々』紹介

昨日(6月3日)辺りからでしょうか、下↓に記事にアクセスが増えています。

2011.12.31雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…

どうしたのかなと調べてみますと、こんな記事が出たのが原因のようです。


「BOOKSTAND(ブックスタンド)」という《~旬の出版ニュースから、世の中を読み解く~》サイトに、6月2日、「この世は左利きに厳しすぎる?」なる渡瀬けん著『左利きの人々』(中経の文庫 2009.1)を紹介する<ニュース>記事が出ました。

この本が出版されたのが、2008年末ですので、すでに5年半がたとうとしています。
今頃、ニュース枠でこの本を紹介するのもどうかという気がしますが、実はこの本、左利きの本にはめずらしく初版発行以来重版を続けています。
5月1日発行の渡瀬(謙)さんのメルマガ「サイレントセールスのススメ」[494号]によりますと、11刷だそうです。

これだけ売れているのは、比較的手に取りやすい廉価の文庫本という点もありますが、やはり内容が左利きの人にとっても、<一般>の多数派を占める右利き・右使いの人にとっても、新鮮な驚きを与えるものだからでしょう。

<左利きの苦悩>といった解釈(参照↓)もあります。

『レフティやすおのお茶でっせ』2013.12.10
<左利きの苦悩>「少数派の不便」中学生人権作文コンテスト産經新聞社賞

そこまで言いますと、反発される方もあるかもしれません。
もっと単純に<不便さ>で通じる事柄でもあると思います。
(ただし、あえてこのような注釈を付ける心のうちは、汲んで頂けたら、と願います。)

さて、この本ですが、大阪にある毎日放送局のアナウンサーさんの朗読の会「おはなし夢ひろば21」2009.8.1でも取り上げられたことがありました。
招待を受けた渡瀬さんと友人である私とで観覧に行ったものでした。


『レフティやすおのお茶でっせ』2009.8.8
今週の週刊ヒッキイ―第191号「生活技術(9)渦巻切取課題(後)」
おまけコーナー
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第191号(No.191)
2009/8/8「初めての生活技術(9)ハサミ..渦巻切取課題(後)」
おまけコーナー

それほどに、いかにこの世の中が右利き仕様の道具・機械・システムから成り立っているかという現実が、多くの人にインパクトを与える事実なのだ、ということでしょうか。

これを機に、左利きに対してももう少し注意を払っていただけると、幸いです。


それからもう一言、二言。

「だから左利きは損、右利きに…」という発想はやめてください。

この<左利き>と<右利き>の部分を他の言葉に置き換えたらどうでしょうか。

例えば、<男性>や<女性>でもいいですし、<痩せ>や<デブ>、<男前>や<ブサイク>、<日本人>や<外国人>、<青年>や<老人>、<健常者>や<障碍者>でもいいでしょう。
対になりそうな二元論的な言葉を代入した際、あなたはどう感じるかを考えてみてください。

それと、「両方使えれば、便利/カッコイイでしょう」というのも。


いつも言うことですが、<左利き>というのは、一つの天性であり、身体的な性質にすぎません。
どちらがどうというものではなく、人それぞれに、自然に存在することなのです。

もしどちらかがどうだという現実があるとすれば、それは人為的に拵えられたことなのです。
『左利きの人々』に書かれているような。

人の決めたことなら変更できます。
右利きに有利で左利きに不利な世の中なら、そうでないようにすればいいだけのことです。

左利きであれ、右利きであれ、それらの中間的な存在であれ、人はみな平等なのです。

<ありのままの姿>で生きてゆけばいいのです。
みなが皆、<ありのままの自分>で生きてゆける世の中に変えればいいのです。


『レフティやすおのお茶でっせ』【渡瀬けん著『左利きの人々』】に関する記事:
○2013.8.19 雑学フェアにて~渡瀬けん著『左利きの人々』:<国際左利きの日>情報3
○2011.12.31 雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…
○2008.12.29 左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著


★私のおススメの左利きの本 あれこれ★
*利き手と左利きの研究に関する本:
(日本)『左ききの神経心理学』八田武志/著 医歯薬出版 1996.11
―左利き研究の専門書。20年余の左利き・利き手研究を研究をまとめたもの。
『左対右 きき手大研究』八田武志/著 化学同人(DOJIN選書 18) 2008.7.20
―『左ききの神経心理学』以降、世界で研究された成果を一般向けに読み物とした本。

(イギリス)
『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著 大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10
―20年にわたる利き手・左利き研究の成果をまとめた本。原著"Righthand Lefthand"から英語に関する部分等を省いたという抄訳。
(世界)
『「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎』デイヴィッド ウォルマン/著 梶山 あゆみ/訳 日本経済新聞社 2006.7
―自身左利きの科学ジャーナリストが、左利きの謎に挑み世界を駆けるサイエンス・ノンフィクション。日本での左利きゴルフ大会や日本人研究者も登場。


*左利きの研究+αの本:
『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著 三五館 (1998/10)
―左利きの著者による社会学的アプローチの本。明治以降の日本の社会での左利き受容、および現状と未来の考察。巻末に「左利き筆法」。
『左ききでいこう!!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ出版
―左利きの常識を身に付ける入門書。巻末に、実用的な左利き用品カタログや「左利き筆法」、ギター、編み物のページを収録。


*左利きの子供のための本:
『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009.4
―左利きの子を持つ親で自身左利きの著者によるイギリスの有名左利き用品専門店オーナーによる、今までの日本になかった、左利きの子供を持つ親・先生へ向けた、左利きの子の生活支援のための手引書。

*左利き生活の本:
『左利きの人々』渡瀬 けん/著 中経の文庫 2009.1
―左利きの著者による、右利き偏重社会における左利きの人の不便「あるある!」エッセイ集。


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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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