左利き吉高由里子、NHKテレビ小説「花子とアン」で右利き役に挑戦
ここんところ、左利き記事を書いていませんでしたので、ちょっと書いておきます。
NHK朝の連続テレビ小説が人気だそうです。
この春から始まった「花子とアン」も好調なようです。
連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド)
アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)
花子とアンへの道: 本が好き、仕事が好き、ひとが好き (新潮社 2014/3/27)
今回のヒロイン役・吉高由里子さんは、左利きで有名ですが、今回右利きの役に初挑戦しているそうです。
吉高由里子「花子とアン」への愛貫く でも助監督の言葉には怒った!? デイリースポーツ 3月22日(土)6時58分配信
上のニュースによりますと、
《8カ月に及ぶ長丁場の現場、英語のレッスン…。吉高にとっては、初めて尽くしの作品だ。実は、右利きの役も初。これまで普段の左利きのまま演じていたが、初めて日常生活から右手を使うよう矯正。「ダイエットになりました」と笑う。》とのこと。
●左利きにおける「矯正」という表現の問題
いつも書いていることですが、左利きの人が右手を使うようにすることを「矯正」と呼ぶのは、問題があります。
過去にいろいろ書いていますので、そちらを見ていただければ幸いです。
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左利きに関して、
「矯正」という言葉を使わないようにお願いしています。
(詳細はこちら)↓
『レフティやすおのお茶でっせ』2004.11.26
「利き手(左利き)の矯正」という言葉の使用について
※参照―レフティやすおの左利き私論
<私論2>右手使いへの変更(矯正)について
・(かつては「左利きの矯正」と呼ばれた)
右手使いを試みる行為について
・「(左利きの)矯正」を死語にしよう
・再び「(左利きの)矯正」を死語にしよう―
生きた言葉として使わないようにしよう
●「矯正」という言葉の不使用のお願いアピール についてのアンケート
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【その他】
第207号(No.207) 2010/4/3
「《矯正/直す》表現に思う(1)なぜ使ってはいけないのか?」
etc...
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簡単に書いておきますと、「矯正」とは、「欠点を正すこと」を言います。
左利きは「欠点」ではありません。
ましてや「病気」ではありません。(世の中には「左利きを治す」と書く人もいます。)
一つの身体的な性質です。
身長や体重といった体型や顔形が人により違うように、あるいは血液型が異なるように、身体的な好みや器用さ等の性質が右側に偏っている人がいたり、逆に左側に偏っている人がいたり、どちらとも言えない人がいたりするだけのことです。
左利きにおける「矯正」という表現は、<右手使いが正しい作法であり、左手使いはまちがった作法だから正さねばならない>という、昔は正統とされた考えに立った表現なのです。
左利きが右利きと同じく自然な身体的性質の一つと認知される時代には、ふさわしくない表現で、誤用なのです。
私は左利きは、単なる<個性>ではなく、一つの<才能>だと思っています。
人は、<個性>を活かすことも大事ですが、固有の<才能>を活かして生きるのが最良の生き方です。
●役者には右使いが必要
さて話を戻して、吉高さんです。
日常の動作から右使いの練習をされたようです。
役者さんの場合、これはどうしようもないことです。
右利きの俳優さんでも、左投げの投手の役で、左投げの練習をしたという人がいらっしゃいました。
元AKB48のあっちゃん前田敦子さんも、以前ドラマのために右手で箸を使う練習をしていると、ブログに書かれていました。
《私は『左利き』/ペンもハサミもお箸もすべて左 [...] お箸を『右』で持てるようにするが新しい課題です [...] お箸をちゃんともつ練習ようのお箸を使いながら毎日特訓して行きたいと思います》(当時のブログ)2009-12-11「課題」より(参照画像)
特に時代劇、あるいはひと昔前の時代のお芝居をやる場合には、右使いは必要となります。
昔は、左利きでも右手を使うように強要されたという事実があるからです。
女性は特に「お嫁にいけませんよ」というふうにうるさく言われたものでした。
そういう時代背景がありますので、右利きの役に限らず、今後とも女優さんを続けていかれるのなら、右手使いは習得すべきでしょう。
吉高由里子さん、頑張ってください。
●ダイエット
吉高さんの「ダイエットになりました」との言葉は、こういうことでしょう。
以前私が書いた記事にこういうものがあります。
2007.3.24ダイエットするなら左手箸
利き手とは違う方の手で箸を持つと、一回に運ぶ量が減り、時間をかけて食べることになり、じっくりと噛み、食事を味わうことができるようになった。
すると、少ない量で満腹感を得られるという理屈です。
●右利きの人へ―
この右利き偏重社会では、日常生活では左利きの人の場合、否応なく右を使うことが多いものです。
それに対して、右利きの人では何をするにしても右手だけで事足りる状況です。
そのため、右側を使いすぎる傾向にあります。
そこで、バランスをとるためには、意識的に左を使うべきだと言われています。
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※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
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