『ミステリマガジン』2014年6月号創刊700号と思い出のコラム
(画像:(上)HMM700号+500号+400号、(下)500号+400号)
『ミステリマガジン』2014年6月号<創刊700号記念特大号>を購入しました。
実は、『ミステリマガジン』を買うのは、2010年6月号<ディック・フランシスの弔祭>追悼号以来です。
高校二年の夏休み、1970年9月号<E・S・ガードナー追悼特大号>より十一、二年にわたって定期購読を続けていました。
その後だんだん仕事が忙しくなって本を読む暇がなくなったり、クリスティーやクイーン、カーといった黄金時代の巨匠たちが相次いで物故したり、モダン・ホラーが流行って推理小説に興味を持てなくなったり、といった理由で、購読をやめました。
今は、図書館に置いているのをたまに月遅れで借りてきて、情報欄やコラムにパラパラと目を通したり、気になる小説を読んだりしています。
それでも1988年1月「ポケミス1500番記念」号、400号、500号(601号は買いそびれ)は持っています。
『ミステリマガジン』2014年6月号(700号)
創刊700号記念特大号
71人が語るミステリマガジン思い出のコラム
〈座談会〉ミステリマガジンの存在意義とは? 小鷹信光×松坂健×日下三蔵×杉江松恋
〈傑作コラム・プレイバック7〉 新パパイラスの船 小鷹信光/ ほか。
〈資料と研究〉ミステリマガジンの700号の歩み 新保博久、三橋曉/ ほか。
〈特別付録〉ミステリマガジン1~700号掲載短篇総目録
○小特集/ロング・グッドバイ
TVドラマ「ロング・グッドバイ」最新情報/ ほか。
特別付録の永久保存版「掲載短篇総目録」はなかなかの充実ぶりですね。(でも、500号の延長戦でもあるので、その点割り引くべきか。)
編集に携わられた皆さま、ご苦労様でした。
●思い出のコラム:太田博編集長<前節>
71人の著名な作家・評論家の愛読者による「思い出のコラム」に関するエッセイも、楽しめます。
やはり私と同世代の方々のものを読むとキュンとします。
私も作家・評論家の愛読者の皆様と同様に、都筑道夫さん、瀬戸川猛資さん、青木雨彦さん…、小鷹信光パパイラス船長といった面々のもの。
他には、やはりジョン・ディクスン・カーの「陪審席」―これは何と言っても、あの巨匠カーの見識に基づくお話が楽しめました。
次に思い起こされるのが、片岡義男「『マッド』自身」他、平尾圭吾「紐育の日本人」(BNで読んだ?)―アメリカおよびアメリカ文化を感じさせるコラムですね。当時はまだ一ドルが360円の時代で、外国は遠く“あこがれ”の存在でした。
なかでも私のとっておきの思い出の「コラム」を紹介しましょう。
正確に言えば、私の場合はコラムではなく、購読し始めたころの太田博編集長による各号<前節>です。ここで、ミステリのなんたるかを教えられました。
例を挙げますと、
《ミステリの中に探偵小説あり、サスペンス小説あり、クライム・ストーリーあり、ハードボイルドあり、幻想と怪奇を専らにする小説などがあると考えたほうが、英米の形にこだわらないアンソロジストたちが現実に考えているように、無理がないと思われます。》『ミステリマガジン』1970年9月(173)号こんなふうに。
・・・
『ミステリ・マガジン』創刊700号記念アンソロジーが海外編・国内編の二冊出ています。
これもちょっと気になりますね。
特に海外編は、単行本未収録短編を集めたとあり、ジャック・フィニイなど異色系の作家も収録されています。
掲載号数を確認すると読んでいてもおかしくない作品がいくつかあるのですが、記憶にないですね。
忘却とは忘れ去ることなり。
国内編は、結城昌治の第一回日本コンテスト入選デビュー作から最近の作品まで、『ミステリマガジン』にふさわしいメンバーによる傑作選になっています。“当時”のコラムも収録。
『ミステリ・マガジン700【海外編】』杉江松恋/編
『ミステリ・マガジン700【国内編】』日下三蔵/編
(ハヤカワ・ミステリ文庫)
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