2013年読んだ本・買った本から(2)娯楽編『時の地図』
(画像:『時の地図 上下』フェリクス・J・パルマ)
(画像:『宙の地図 上下』フェリクス・J・パルマ)
―第121号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★ 2014(平成26)年1月31日号(No.121)-140131-
“今年(2013年)読んだ本・買った本”から (2)娯楽編『時の地図』
古典の勉強が進まず、場つなぎの第二弾。
「“今年(2013年)読んだ本・買った本”から (2)娯楽編」として『時の地図』を紹介しています。
・『時の地図 上下』フェリクス・J・パルマ/著 宮崎真紀/訳 ハヤカワ文庫 NV 2010/10/8
詳しくは本誌をお読みいただくとして、この続編である『宙の地図』は昨年初めに買っているのですが、実はまだ未読で、これをいつか読んでみたいと思っています。
なかなか読む機会がなくて、困っています。
『時の地図』も、きっと出たときに見ているはずなんのですが、なぜ買わなかったか、読まなかったか?
それは私が、ウェルズ派ではなく、ヴェルヌ派だからでしょう。
ヴェルヌは私の一番好きな作家です。
昔もそして今も。
最近、復刊がいろいろ出ていますが、ボチボチ読んでいます。
一方、ウェルズも一応主だった長編タイムトラベルもの『タイムマシン』、動物を人間に“進化”させる怪物もの『モロー博士の島』、火星人によるロンドン襲来を描く『宇宙戦争』、人体が透明になる『透明人間』、その他「くぐり戸」「魔法の店」等の短編をいくつか読んでいます。
ヴェルヌは、その当時の科学技術の延長線上に想像力を働かせた作品を書いています。
それに対してウェルズは、思弁的、観念的な想像力による作品を書いています。
とはいえ、短編では、「くぐり戸」「魔法の店」を先ほど挙げましたが、これらの作品のように、ファンタジー系のものも書いています。
この二つは特に私の好きなもので、そういう意味では決して嫌いな作家ではないのです。
でも、どうしてもヴェルヌのほうが好きだし、ウェルズは…という感じで、そのせいで、この本も手に取らなかったのでしょう。
やっぱり損しましたね。
好き嫌いは辞めた方がいいですね。
それと食わず嫌い。
この『時の地図』という作品も、いつも言うように、古典や先立つ作品を継いでその延長線上に立つものになっています。
文学のみならず、芸術というものは先人の作ってきた歴史、伝統につながるものなのです。
だから、古典を食わず嫌いしたり、毛嫌いせず、今自分の読める範囲で読み継いで欲しいと思います。
決して損はない、と保証します。
新しいものを読むのもいいけれど、本当の意味でそれらを味わうためにも、古典を知っておくということは重要なのです。
・『宙の地図 上下』フェリクス・J・パルマ/著 宮崎真紀/訳 ハヤカワ文庫NV 2012/11/22
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