本屋の魅力-(私の読書論53)年末年始の本屋さんの思い出から
―第120号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2014(平成26)年1月15日号(No.120)-140115-
私の読書論-53- 年末年始の本屋さんの思い出から
弊誌も、6年目突入です。
自分ながらよくやっていると思います。
読者は増えていませんが、その辺はまあ、いたしかたないものとしておきましょう。
120号では、1980年代前半の私の本屋さんで働いていた時代の思い出から、物としての本という存在について話が展開されてきました。
詳細は本誌で!
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
●本屋は楽しい
いやあ、それにつけても、本屋というのは楽しいものです。
今になって見ますと、天職だったかなあ、という気がします。
昔本屋さんで働いていたと言いますと、「わかる。本屋さんらしい」とよく言われました。
世間一般の人が抱く本屋さんのイメージというものに合っている、ということでしょう。
まあ、学校の先生ですか、と言われることもありましたが…。
●本屋が減ってきた
自慢?はそれぐらいにして、本屋さんと言えば、最近めっきり減ってきました。
町の新刊書店が減っています。
近所にあったパパママストア的本屋さんがどんどん減っている。
それだけではなく、古本屋も減ってきました。
こちらも大型のチェーン店―ブックなんとか風のリサイクル系の店をのぞいて、どんどん減ってきているように思います。
いえ、そういう本屋でも出店と閉店を繰り返しています。
私の生活圏内にあった本屋も、ここ数年のうちに半減しています。
アマゾン始めネット書店は、商品も豊富ですし、発送も早く確かに便利です。
再販制度に守られた定価販売の本はどこで買おうと同じ価格です。
これでは、一般の町の書店は太刀打ちできません。
当然、+αの魅力のない書店は潰れていくしかありません。
客側には、まだまだ経済的な余裕はあると思います。
ですから経済的な理由だけではないと思います。
●リアルな本屋の魅力
では、+αの魅力とはなんでしょうか。
まずは、単純ことですが、あそこに行けば自分の欲しいと思うものが必ず見つかる、これが一番です。
次が、人間的な関わり合いです。
あの人がいるから行ってみたい、というものです。
場合によっては、こちらが一番になることもあるかもしれません。
ポイントは、自分の欲しいものなり人なりが、あるいる、ということです。
●人の魅力
では、最終的に最大のリアルな本屋の魅力とは、結局人の魅力ということではないでしょうか。
ものの充実は、資金を投入して店舗や倉庫を巨大化することによって満たせるかもしれません。
しかし、人としての店員の充実は、資金の投入によって、より善き人材を確保したとしても、一概に満たせるものではないでしょう。
それはなぜかと言いますと、人には相性というものがあるからです。
誰にでも好かれやすい人はいるかもしれません。
しかし、誰もが必ず好意を抱くという保証はありません。
そこが人間のおもしろいところです。
Aさんはいいと思う人が、Bさんには胡散臭く見えるということもあります。
結局生き残るのは、人を得た店ということではないか、という気がします。
人との関わり方が巧みな人と言ってもいいかもしれません。
こういう言い方をすると、勘違いされるかもしれませんが、別に詐欺師的なもの、たくまれた物としての関わり方と言うのでありません。
もっと自然な人付き合いのできる人という意味合いです。
人間としての様々な魅力、豊かな感性や情感を持った人。
商店街がすたれてきている、と言います。
これも結局は人の魅力が薄れてきた、ということと関係があるのかもしれません。
人の持つ魅力が生きがいになる、そういう精神的な豊さを忘れているのが、現状なのでしょう。
そここそに何かがあると思います。
期待したいものです。
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