齋藤孝『古典力』(3)~私のおススメ50選候補
―第104号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2013(平成25)年5月15日号(No.104)-130515-
私の読書論-45- 齋藤孝『古典力』を読む(3)
http://archive.mag2.com/0000257388/20130515120000000.html
齋藤孝『古典力』についてです。
当初は、一、二回で前半を終え、後半の「第三章 マイ古典にしたい名著五○選」および「おまけのプラス五○選」について書くつもりでした。
ところが、意外に前半を詳しく当りすぎて、三回目に突入。
しかもそれでも足りず四回目に至るという状況です。
まあ、古典の読み方について考えておくのは、よいことなので、「まあ、いいか」という感じです。
でもそろそろ飽きてきた方もいらっしゃるかも。
本当は、この「マイ古典にしたい名著五○選」&おまけ50選についてを、実は一番取り上げたかったのです。
これは言ってみれば、ベストテン・ゴッコなわけです。
ある程度本を読んできた人なら、どなたでも自分なりのベストテンなり、それこそ50選なりがあるはずです。
もちろん、私にもあるわけで、それを語りたかったのですね。
まあ、その辺はいずれ本誌で書くことになりますが。
まずは、小手調べに「私のおススメ古典50選」をリストアップしてみましょうか。
古典の定義として、本誌では、幾世代かに渡って読み継がれてきた名著・名作と呼ばれるもの、と規定しています。
具体的には、とりあえず出版以来50年以上経過して、かつ読み継がれているもの、という枠を設けて来ました。
今回は、齋藤先生の選定も鑑みて、近代のものは除けて、だいたい古代から18世紀ごろまでのものを挙げてみようと思います。
近代以降のものは、日本で言えば明治以降、西洋では、主に19世紀(1800年代)以降とします。
(「近代」の解釈も実は一様ではありません。しかしここでは私の考えで、こうしました。
理由としては、蒸気機関の発明が1695年、ワットの蒸気機関の改良が1765年、イギリスでの産業革命が18世紀後半から19世紀初め、アメリカの独立宣言雅1776年、フランス革命が1789年、スティヴンソンの蒸気機関車が1814年というように、19世紀以降急速に科学技術が進歩し、社会制度も大きな変化を起こした時期になると考えられ、著作活動も大きく花開いた時期だと思うからです。)
まずは、近代以降の著作を除外して、選んでみようと思います。
いままで本誌で取り扱ってきたものが、第一候補群です。
このうち近代以降のものを省くと―
2013(平成25)年4月30日号(No.103)-130430-
ヨーロッパ精神の始原~『アエネーイス』ウェルギリウス
2013(平成25)年3月31日号(No.101)-130331-
牧歌的恋愛小説の祖~『ダフニスとクロエー』ロンゴス
2013(平成25)年1月31日号(No.98)-130131-
真紅の外套~『ガリア戦記』ユリウス・カエサル
2012(平成24)年12月31日号(No.96)-121231-
愛から生ずる崇高な徳に勝る友情はない~
『友情について』キケロ
2012(平成24)年10月31日号(No.92)-121031-
魂の不滅~『老年について』キケロ
2012(平成24)年9月30日号(No.90)-120930-
我々は哲学すべきである:アリストテレス「哲学のすすめ」
2012(平成24)年6月30日号(No.84)-120630-
笑いの原点~ギリシア喜劇:アリストパネス「女の平和」他
2012(平成24)年5月31日号(No.82)-120531-
恋について『饗宴』プラトン
2012(平成24)年4月30日号(No.80)-120430-ギリシア悲劇:
エウリピデス「バッコスの信女(バッカイ)」
2012(平成24)年3月31日号(No.78)-120331-ギリシア悲劇:
"ギリシャ悲劇の代表作"ソポクレス「オイディプス王」
2012(平成24)年2月29日号(No.76)-120229-
ギリシア悲劇:"ギリシャ悲劇の創造者"アイスキュロス
2012(平成24)年1月31日号(No.74)-120131-
最良の処世訓『イソップ寓話』
2011(平成23)年10月31日号(No.68)-111031-《死すべき者》人間~
夫婦と家族『オデュッセイア』ホメロス
2011(平成23)年9月30日号(No.66)-110930-《死すべき者》人間~
<アキレウスの怒り>『イリアス』ホメロス
2011(平成23)年8月31日号(No.64)-110831-《死すべき者》人間
~二大英雄叙事詩~ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』
2008(平成20)年12月号(No.12)-081231-
『ソクラテスの弁明』まとわりつく虻
2008(平成20)年8月31日号(No.9)-080831-
『歎異抄』弱きを救う阿弥陀さま
2008(平成20)年5月号(No.5)-080531-
『三教指帰』空海版青年の主張
2008(平成20)年3月号(No.3)-080331-
“水”のような生き方『老子』
2008(平成20)年1月 創刊号(No.1)
『論語』―学ぶことは楽しい
―以上、ざっと19本です。
因みに2009年、2010年は、先に挙げた近代―日本では明治時代から大正時代始め、西洋では18世紀の作品を主に取り上げていました。
これに対して、齋藤先生の「マイ古典にしたい名著五〇選」を書名のみ列挙してみますと―
1)作品世界にどっぷり浸かる
○カラマーゾフの兄弟/源氏物語/千夜一夜物語(アラビアンナイト)/○百年の孤独/○嵐が丘/○ファウスト/ドン・キホーテ
2)たった一冊の本が、時代を、社会を変えた
方法序説/星界の報告/社会契約論/○共産党宣言/○種の起源/■学問のすヽめ/○生物から見た世界/○精神分析入門
3)古代の世界は骨太!
旧約聖書・新約聖書(福音書)/古事記/▼オイディプス王/ギリシア・ローマ神話/史記/万葉集/▼論語/▼饗宴
4)書き手の感性や人となりを味わう
○福翁自伝/フランクリン自伝/徒然草/枕草子/おくのほそ道/○ゴッホの手紙
5)人間のおろかさ弱さを見つめる
○阿Q正伝/○罪と罰/○変身/■赤と黒/ブッダのことば/マクベス
6)社会の中の人間
○監獄の誕生―監視と処罰/○プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/○マネジメント/風姿花伝/君主論/○悲しき熱帯
7)生きる覚悟、生の美学
○きけ わだつみのこえ/平家物語/○「いき」の構造/○存在と時間/○死に至る病/■武士道/五輪書/○ツァラトゥストラはこう言った/○夜と霧
8)おまけのプラス五〇選
<本誌で取り上げたもののみ列挙>■怪談/▼ガリア戦記/▼老子/▼歎異抄/■ポー短編集/■日本近代文学(一葉/露伴/鴎外)
(▼:第一候補群 ■:本誌の近代以降の作品 ○:近代以降の著作)
・齋藤孝『古典力』(岩波新書 2012.10.19)
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