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2012.07.31

夏の読書

2012natu_bunnko

(画像:新潮社・角川書店・集英社、三社<夏の文庫>フェア小冊子)

名著・名作の“一冊”―各社<夏の文庫>フェアから
―第86号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年7月31日号(No.86)-120731- 名著・名作の“一冊”―各社<夏の文庫>フェアから

本誌本文の前半では、毎年この時期恒例となりました、新潮社・角川書店・集英社、三社の<夏の文庫>フェアについて書いています。

後半では、今年の注目作品としてマーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』を紹介しています。

実は私がこの作品を読んだのは、高校二年生の夏休みでした。
何か面白そうな本でもないかと近所の本屋さんをはしごしていて見つけたのがこれでした。

今はなき旺文社文庫版です。
箱入りできれいな本でした。
内容は、さすがに学習参考書の出版社であるだけに、中高生向けに編集された、読書初心者に優しい親切な作りの本で、挿絵付き・解説付き・著者年譜付き・著名人のおススメエッセイ付きです。

私がこの『トム・ソーヤーの冒険』を選んだ理由は、そのころ、NHKの夕方の子供の時間帯にテレビで海外制作のドラマで、『トム・ソーヤーの冒険』と『宝島』を放送していたからでした。
実際にこの二冊が旺文社文庫で出ていたので買い、読みました。

私は小学生時代はほとんど読書経験がなく、中学生ごろから少しずつ本を読むようになり、中三の冬以降だんだんと日常的に本を読むようになりました。

ですから、高校生になってやっと一般向けの本を読むようになったのです。
そうは言いましても、読書初心者ですので、本当に大人向けの活字だらけの本はちょっと手に取りがたいものがありました。

そんな中で、この旺文社文庫は、先にも書きましたように、非常に都合のいい本だったのです。
自分のレベルに合った本だったのですね。
こういう本があったということは、これは非常に幸運だったと思います。

今で言えば、ライトノベルになってしまうのでしょうね、こういう読書レベルに合致した出版物といえば。


私が読書初心者に本への、読書への入り口として、挿絵付きやテレビ・映画化作品を薦めるのは、そういう理由があります。
自分自身の体験に基づくものなのです。

ただ、テレビドラマ化・映画化作品であっても、できればオリジナルや現代作家の作品ではなく、古典や名作ものを選んで欲しいと思うのです。

それは、やはり本当に読み応えのあるものを読んでほしいと思うからです。

もちろん現代作家のものが悪いというわけではありません。
しかし、できる限り時代の洗礼を受けたもの、一時的な人気ではなく、時代を越え世代を越えて広く支持されるような作品を読んで置いて欲しいと思うのです。

そういうものを読んでおくと、次々と読書を進めていくにつれて、本が本を呼ぶという現象が起きて来たとき、役に立ってくるのです。

科学も芸術も基本的には、過去の遺物の上に積み上げられていくものなのです。

昔の有名な作品が何らかの形で引き継がれているものなのです。

人間というものは所詮、そんなに大きく変化するものではないのです。
生きる時代が違い、住む世界が異なっていても。

必ず変わらないもの、普遍的なものというのがあります。

個々の生き方考え方は違っていても、共通する何かがあるのです。


そこで、この日が長い夏の間に、じっくりと早朝から本を読んでほしいと思います。
暑いので集中しにくいとか、汗で紙の本が濡れるとか、色々不利な条件もあるでしょう。

しかし、集中できれば案外読めるものです。

そして、それがいつかあなたの力になるはずです。

あのころ本を読んだね、という思い出はそれ自体でも価値になります。
そういう経験が何かを残すでしょう。

私も夏の読書から現在に続くものを得たのです。
きっとあなたも何かしら身につけることができるでしょう。

ぜひ、夏の早朝読書を始めてください。


※参照:
★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2008(平成20)年2月号(No.2)-080229-大人も楽しい『トム・ソーヤーの冒険』


トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)/マーク トウェイン
トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)/マーク・トウェイン

トム・ソーヤーの冒険 (旺文社文庫)

*本稿は、アメブロ『レフティやすおの作文工房』より「夏の読書」を転載しています。
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