東野圭吾『容疑者Ⅹの献身』、米MWA・エドガー賞を逃す!
まあ、ある意味ではいたしかたないかもしれません。
だって外国語の翻訳作品なので、大賞の候補に挙げてもらえるだけで、よしだと思うのです。
なにしろ<アメリカ探偵作家クラブ(MWA)>の大賞ですからね。
私ならやはり「外国語部門」といったくくりにする方がふさわしいと思います。
外国の作品でも同じ英語圏ならいざ知らず、元は日本語作品ですから。
でも、こうして日本のミステリが、大賞候補として取り上げてもらえるだけ、進歩でしょう。
因みに、日本人作家の作品がノミネートされるのは、2004年の桐野夏生『OUT』以来の二度目。
前回、桐野さんも受賞は「アウト」でした。
いずれそのうちどなたかが…、という気になります。
私個人としては、大賞に決まったというモー・ヘイダーさんの「Gone」が気になりますね。
《東京でのクラブホステスなどアジア滞在を経て作家となり、在日体験を元にした「TOKYO」という著作もある。》(読売新聞【ニューヨーク=柳沢亨之】2012年4月27日(金)12時7分配信)
翻訳が待たれます。
最近の日本人―特に若者が“内向き志向”といわれています。
翻訳ものも売れないと言われます。
外国が身近になり、あこがれの対象ではなくなった、という面も大きいのでしょう。
しかし、外国には日本にはないものが、当然いっぱいあります。
それらの中には、すばらしいものが沢山あります。
日本のよさを知る意味でも外国のものを知る必要もあります。
食わず嫌いでなく、翻訳ものも試していただければ、と思います。
アメリカの人たちも日本語の作品を翻訳ものとして受け入れ、大賞の候補に挙げてくれているのですから、日本の我々もドンドン海外の作品にふれて行きたいものです。
●容疑者Xの献身 (文春文庫)
●OUT 上 (講談社文庫) 桐野 夏生
*関連記事:
・2012.1.24 東野圭吾『容疑者Xの献身』が米エドガー賞候補に
・2004.3.5 『OUT』桐野夏生
・2004.5.2 OUTはアウト/桐野夏生「OUT」エドガー賞逃す
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※本稿は、レフティやすおの他のブログに転載しています。
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