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2012.03.15

ふさわしいタイトル(書名・題名・件名)を付ける

私の読書論-28-初心者のための読書の仕方を考える(13)
最初の一冊の選び方(10) 本選び(選書)の方法 IV 直接法(2)書名
―第77号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

★古典から始める レフティやすおの楽しい読書★
2012(平成24)年3月15日号(No.77)-120315-
私の読書論-28-初心者のための読書の仕方を考える(13)
最初の一冊の選び方(10) 本選び(選書)の方法 IV 直接法(2)書名
http://archive.mag2.com/0000257388/20120315120000000.html

本誌では、最近の本では、書名の付け方が昔と変わっているというお話、および書名で何がわかるか、という文章を書いています。
ここでは、内容にふさわしい題名をつけることがいかに大事かについて書いてみます。

 ・・・

ブログの場合でも、アクセスを増やす方法として、
「人の気を惹くタイトルをつけるとよい」
と助言している場合があります。

内容を示さず、ぼかしたタイトルを付けるようなやり方です。

「えっ、なになに?!」と思わずクリック! 
で、その実大した内容でない、という一種詐欺(?)のようなやりくちです。

あるいは「釣り」という言葉があるようで、人が引っ掛かりそうな好餌―おいしそうな餌を垂らすやり方です。
人気のあるキーワードを含む題名をつけるようなやり口です。


しかし、これは間違いです。
私はこういうやり方は好みません。
やるべきではないと思っています。

私自身何度も嫌な思いをしてきたので、あえて書くのです。

私はこれを「狼少年」と呼びたい。
「狼が来た、狼が来た」とホラを吹いて人が驚くのを見て楽しんでいたら、そのうち誰も相手にしてくれなくなって、本当に狼が来ても信用してもらえなかった、というあのうそつきの少年のことです。

こういう「釣り」の手口で一時的に人を呼び集めることができたとしても、内容がなければ、内容とかけ離れていれば、そのうち誰も相手にしてくれなくなります。

もちろん、ネットの世界は広いので、狭い村のようにたちまち正体が知れるということはありません。
かなりの間アクセス数を伸ばせるでしょう。
しかし、身近な人が誰も本気で読んでくれなくなれば、さびしいものです。

 ・・・

ブログでもそうですし、題名はあくまでも内容を示すものとすべきです。

具体的な内容を示していれば、たとえ釣りと思われるような言葉が題名に含まれていても、問題ありません。
中身と外見が違うから問題になるわけで、内容に含まれている言葉であれば、問題にならないわけです。


また、芸能人やタレントの日報的な日記ブログなら、タイトルが似たようなものばかりでも問題はありません。
「今日の衣装」とか「CM撮影」とか…。

しかし、そうでない情報発信としてのブログ記事などでは、同一タイトルは避けるべきでしょう。
他の記事との区別が付かず、どの記事が何の記事か分からなくなります。


SNSの掲示板のトピックの題名などでも同じです。
メールの件名でも同じです。


「名は体を表す」という言葉があります。

広辞苑第六版によりますと、
「名はその実体がどのような物かを示している。名と実体とはうまく合っている。」
という意味です。

題名も名前です。
どのようなものをかを示さない題名には、名前としての価値がありません。

題名は内容(実体)とかけ離れたものであってはいけないのです。

実体にふさわしい名前を与えるように心がけましょう。

何かしら自分の心の内に湧き上がる思いを言葉にして文章を綴っているとき、自分が本当に書こうとしていることが何なのか、自分でも分からないときがあります。
そんなとき、付けるべきふさわしい題名を考えているうちに、自分が本当に書きたかったことが何であったのか、が実感されるときがあります。
そうか俺はこのことを書きたかったんだ、というふうに。

そういう意味でも、ふさわしい題名をつけるという行為は、非常に大切です。


人間の場合でもそうですが、名前をつけるというのは、難しいものです。
名前によって、他人がどうのように受け取るかが変わってくるのですから。

よーく考えて、名前はつけましょう!

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※本稿は、『レフティやすおの作文工房』より
2011.12.31「ふさわしいタイトル(書名・題名・件名)を付ける」を転載したものです。
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