東野圭吾『容疑者Xの献身』が米エドガー賞候補に
1月20日に飛び込んだニュースです。
エドガー賞候補に 東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」- MSN産経ニュース
アメリカMWAの選定する「エドガー賞」の今年の最優秀小説賞候補として、東野圭吾『容疑者Xの献身』を選んだと発表したそうです。
選考結果の発表は4月26日の予定。
『容疑者Xの献身』は2005年に出版され、翌年、直木賞を受賞しました。
「文春ベスト10」2005年1位、「このミス」2005年1位にも選ばれています。
テレビドラマ『ガリレオ』シリーズのキャスト・スタッフにより、映画化もされています。
容疑者Xの献身 (文春文庫)
容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]
容疑者Xの献身 ブルーレイディスク [Blu-ray]
英語版も出版されていたそうです。
2009年「CREA」(文藝春秋)版東野圭吾作品人気ランキングでは、『白夜行』に次いで第2位を獲得。
ともに、テレビドラマ化や映画化の影響もあるようですが。
著者いわく、
《『ガリレオ』『予知夢』では謎解き装置にすぎなかった湯川ですが、一応、探偵役のキャラクターとして出す以上は、どんな人間かそろそろ肉付けしようと言うことで、彼を主人公に一回、長編を書いてみようということになったんですよね。》という作品。
(「全著作 自作解説クロニクル」p.130より―『東野圭吾公式ガイド』東野圭吾作家生活25周年祭り実行委員会/編 集英社 2011.9.9・非売品)
【予約受付中】2012.2.16発売予定
『東野圭吾公式ガイド 読者1万人が選んだ 東野作品人気ランキング発表』東野圭吾作家生活25周年実行委員会/編 (講談社文庫)
期待にたがわず、探偵役・湯川学の人間性が浮かぶ作品となったようです。
・・・
世界的に見ましても、日本の小説は技術的にも優れているそうで、内容的にもかなりの水準にあるものが少なくないようです。
ただ、惜しむらくは、言語の壁があり、広く知られ、読まれる状況にはない、というのが残念です。
今後さらに、広く世界中で読まれるとよいのに、と思います。
因みに、過去に日本の作家がノミネートされたのは、2004年の桐野夏生『OUT』以来のこと。
このときは候補に終わりました。
2004.3.5 『OUT』桐野夏生
2004.5.2 OUTはアウト/桐野夏生「OUT」エドガー賞逃す
OUT 上 (講談社文庫 き 32-3) 桐野 夏生
『浪花少年探偵団』のタイトルにもあるように、また、『白夜行』の冒頭に近鉄・布施駅云々という記述が出てきますように、東野圭吾氏は、地元大阪出身の作家ということで、親近感を持って見ていました。
ぜひ、大賞を手にして欲しいものです。
一海外ミステリ・ファンとしても、期待するところ大です。
--
※本稿は、レフティやすおの他のブログに転載しています。
--
「趣味」カテゴリの記事
- レフティやすおの楽しい読書381号-告知-私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』(2025.01.31)
- 週刊ヒッキイ第678号-告知-新春放談:最後の挑戦!? 左利き用楽器の普及と啓蒙にご協力を!(2025.01.18)
- レフティやすおの楽しい読書380号-告知-私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉『都筑道夫の小説指南』(2024.12.31)
- レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより(2024.12.15)
- レフティやすおの楽しい読書378号-告知-クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-デイモン・ラニアン「三人の賢者」(2024.11.30)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- レフティやすおの楽しい読書381号-告知-私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』(2025.01.31)
- 2025(令和7)年、明けましておめでとうございます。(2025.01.07)
- レフティやすおの楽しい読書380号-告知-私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉『都筑道夫の小説指南』(2024.12.31)
- 週刊ヒッキイ第677号-告知-『左組通信』復活計画[35]『LL』復刻(8)LL91996年夏号(2024.12.21)
- レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより(2024.12.15)
「海外ミステリ」カテゴリの記事
- レフティやすおの楽しい読書381号-告知-私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』(2025.01.31)
- 2025(令和7)年、明けましておめでとうございます。(2025.01.07)
- レフティやすおの楽しい読書378号-告知-クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-デイモン・ラニアン「三人の賢者」(2024.11.30)
- レフティやすおの楽しい読書375号-完訳版ヴェルヌ『十五少年漂流記 二年間の休暇』を読む【別冊 編集後記】(2024.10.15)
- 『左組通信』復活計画[32]『LL』復刻(5)LL6 1995年秋号-週刊ヒッキイ第671号(2024.09.21)
「国内ミステリ」カテゴリの記事
- レフティやすおの楽しい読書380号-告知-私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉『都筑道夫の小説指南』(2024.12.31)
- <夏の文庫>フェア2024から(2)集英社文庫『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎-楽しい読書371号(2024.07.31)
- <夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾-楽しい読書370号(2024.07.15)
- 私の読書論181-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(後)初読編-楽しい読書360号(2024.02.15)
- 私の読書論180-私の年間ベスト3・2023年〈フィクション系〉(前)総リスト&再読編-楽しい読書359号(2024.01.31)
Comments