最初の一冊の選び方(2)若いうちに海外の翻訳ものを読もう!
:私の読書論-23-初心者のための読書の仕方を考える(5)
―第61号「古典から始める レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆
2011(平成23)年7月15日号(No.61)-110715-
私の読書論-23-初心者のための読書の仕方を考える(5)最初の一冊の選び方(2)
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本誌でも書きましたように、今回は、毎年恒例の新潮・角川・集英社各社の「夏の文庫」フェアに選ばれた本を見ながら、“最初の一冊”の選び方を考えてみました。
私の古典修行も、実は五十の手習いで、始めてまだ数年というのが偽らざるところです。
もちろん自分なりに幾つかの作品は読んでいました。
しかし実際の読書の大半は、エンターテインメントを中心にした娯楽の読書でした。
自分で自覚的に読み始めたのは、やはりネットで物を書くようになった、2004年以降です。
実際に物を書いてみて初めて、自分の教養のなさを自覚し、「古典を読まなければ、やはり話にならないなあ」と感じたからでした。
さて、そのとき、具体的に何から読むかという指針の一つになったのが、この各社の「夏の文庫」フェアに選ばれているような古典や名作群でした。
ところが、年々そういった古典や名作を読み続けても読み続けても、その年その年のフェアに占める既読本の比率が上がらなくなってきたのです。
世界・日本の文学史に残るような作品群を人っとりでも読むようにと努力を続けてきたにもかかわらず、です。
選ばれる作品群の内容が変化しているということです。
要するに、古典の名作の類から、より現代的で今売れている作家たちの本に、シフトするようになって来ている、という事実です。
これはやはりゆゆしきことと言わねばなりません。
もちろん、出版社も文化の継承ためだけに経営しているわけではありません。
お金を儲けてこそ、出版事業も続けられるのです。
その辺の事情は十分理解できます。
しかし、出版社は文化の創造者であり、かつまた、文化の継承者であることも、確かです。
やはり、売れる本にこだわるだけでなく、売れて欲しい本、読んで欲しい本にも、大いにこだわって欲しいと思います。
私は、そういう本を応援してゆこうと思います。
是非、読者諸氏も賢い判断を下していただきたいものです。
*参照:
『夏の文庫2011』フェア開催中!
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※本稿は、『レフティやすおの作文工房』より
2011.7.15「最初の一冊の選び方(2)若いうちに海外の翻訳ものを読もう!」を転載したものです。
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