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2009.09.21

左手でもシャッターが切れるデジカメ「FinePix Z300」

Fujifinepix_z300
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『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第195号(No.195) 2009/9/5「<左利きムーヴメント>宣言!(4)左利き関連サイト-1」
のおまけコーナーで紹介済みですが、改めて少し詳しく紹介しましょう。

(左利き仲間のMさんの情報によりますと)
富士フイルムのコンパクト・デジカメ「FinePix Z300」は、モニターにタッチ・パネルを使用しており、画面にタッチすることでシャッターが切れる、という画期的なカメラです。

FinePix Z300:特長

パンフレットにも、左手でタッチする写真が入っていて、心動かされます。(画像参照)

基本構造は、当然の如く右手を主として使用し、左手は補助の役目を務める、右手主体の機種です。

しかし、タッチパネルの採用により、画面上に左手の指を置くことでシャッターが切れますし、モニターに表示されるメニューも左手の指で使うことができるようになっています。
(もちろん右手の指でも使えます。)

モニター画面のタッチした部分にピントが合うというもので、構図的に面白い写真が取れる、といった使い方も考えられ、タッチ式のシャッターを使う必然性も確保されています。

実際に電器店でさわってみましたが、これはいいですね。

基本的な持ち方・使い方としては、携帯ゲーム機のように両手で保持し、指先で画面にタッチするということになりそうです。

まずまず使えそうです。


こういう機能が標準化しますと、どのようなカメラでも左手でシャッターが切れるようになり、左右性を確保し、左右の利き手差別の減少につながるのでは、と大いに期待できます。

そうなれば、左利きの人にとっても福音となるでしょう。

最近では、ケータイのカメラ機能を使うことも多くなり、左手でシャッターを切ることに慣れてしまった人も増えていると思います。
そういう人にとっても、まさに便利なものが出てきたといえるのではないでしょうか。


また、以前、朝日新聞の投書欄「声」にあったような、右手が不自由な方にとっても、少しは役に立つかもしれません。
(7月3日大阪版掲載分「左手操作のデジカメ欲しい」―脳梗塞で右半身が不自由になり、左手で使えるデジタル・カメラを探したが、発売していないという、云々。)

ただし、あくまでもカメラの保持のために右手を使わなければなりませんので、左手一本で使えるわけではありません。
(三脚等で固定して使えば、別ですが。)

タッチパネルを使うことで、両手の役割を入れ替えられるというだけですので、基本は両手で使うカメラであることに変わりはありません。
しかも、(繰り返しになりますが)右手を主に左手を補助に、という従来通りの右手優先の作りになっています。

これらの条件は、過半数の人が「右利き」という現状では致し方ない面もあります。

しかし、こういう機能を持ったカメラが登場したことは、一つの可能性を感じさせます。

右手の不自由な人も(左利きの人たちも)諦めることなく、メーカーに希望を伝える努力を続けましょう。
いつか希望がかなえられる人が来ると思います。

 ・・・

フジでは、以前フィルム・カメラで、

「Silvi F2.8(シルヴィ F2.8)」
という、左右にシャッターがついた「ツインシャッター」(<右手でも左手でも簡単に撮影ができる画期的なツインシャッター搭載。自分撮りの時も撮りやすい方の手で撮れるので大変便利です。>)という機種を作っていました(2007年5月出荷停止)。


左手専用では、私の持っている「京セラ・サムライSAMURAI Z-L/Z-2L」といった機種がありました。
(※左手用カメラ 京セラKYOCERA サムライSAMURAI Z2-L/左利きphoto gallery<HPG4>


また、ビデオ・カメラですが、
「Creative Vado Pocket Video Cam (クリエイティブ バド ポケット ビデオ カム)」「Vado HD Pocket Video Cam Creative Vado Pocket Video Cam(クリエイティブ バド ポケット ビデオ カム)」
という、左手でも使えるポケット型の二種類の小型カメラが出ているそうです。
(『週刊ヒッキイ』読者の情報による。Sさん情報ありがとうございます!)

ちょうどケータイのカメラで動画を撮る感覚、に近いような気がします。

Creative Vado Pocket Video Cam (クリエイティブ バド ポケット ビデオ カム)

 ・・・

これも以前書いたことですが、
(2009.05.21
アニメ「けいおん」による左利き用ベース人気から思ったこと
お茶でっせ版新生活版

私は、楽器の演奏もそうですが、カメラでの撮影も、利き手で行うのがベストだと思っています。

演奏にしろ撮影にしろ、自らの心の動きを形にする作業だと思うのです。
それは言葉を換えれば、アマチュアであれプロであれ、一種の芸術といえるのではないでしょうか。
たとえ一枚のスナップ写真であっても。

それなら、自分の心が自然の動きとなる利き手で行ってこそ、そのときそのときの自分の自然な気持ちが素直に表現できるのではないでしょうか。

左手でギターを弾きたい/弦を爪弾きたい)気持ちになるのも、左手で写真を撮りたい/シャッターを切りたい気持ちも同じだと思います。


よく「慣れれば同じ」と言う人がいます。

しかし、逆に言えば、利き手なら「慣れなくてもいい」ということです。
利き手なら「慣れる」といった訓練を経なくてもできる、ということでしょう。

私たち左利きは、非利き手である右手を「慣れる」べく訓練してきたのです。
しかし、右利きの人はそのような訓練の必要なく、利き手をそのまま使えるのです。
この差はやはり大きいと思います。

もしそうでないのなら、この世の中の半数は左手用になっていてもおかしくないはずです。

でも、そうなってはいない。
これは単なる偶然の結果だけではないと思うのです。

少なくとも世の中の過半数を占める右利きの人にとっては、右手用にする価値があるからでしょう。

その辺を裏返して言えば、左利きの人の身になれば、逆のパターンもあっていい、ということになります。

そういう利き手への配慮を願っているのです、私は。
そして、右利きの人だけでなく、左利きの人にもその辺の事情に気付いて欲しいと思うのです。

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。


・PowerShotN ホワイト●Canon (中古品)

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*『お茶でっせ』左右共用カメラ「PowerShot N」の記事:
・2013.4.26 注文しました!左手でもシャッターを切れる!キヤノンPowerShot N
・2013.1.30 左利きも楽しめる新カメラ、キヤノンPowerShot N4月下旬発売
・2013.1.28 左(利き)右(利き)の手を選ばないカメラCANON PowerShot N

*『お茶でっせ』他の左手・左利き用カメラの記事:
・2004.8.5 今は昔 世界初左手用カメラ、京セラ サムライSAMURAI Z2-L
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