北杜夫著『船乗りクプクプの冒険』集英社文庫新装版で復刊
実は、先日この本の昔の版を古本屋さんの100円のワゴンで見つけ買ったばかりでした。
最近は北さんの本を全く買っていませんでした。
作品もほとんど読んでいない状況です。
それなのにどうしてまた、この本を買う気になったかといいますと、そのまた少し前に、文春文庫
で『怪盗ジバコ〈新装版〉』(「快盗」ジバコじゃなかったっけ?)が再刊されていたの
を目にし、懐かしく思ったからでした。
『ジバコ』は、北さんの数ある“軽小説”―ユーモア小説の一つであり、そのまたベスト・スリーに入るものでしょう。
で、ベスト・スリーの一番の作品こそ、この『クプクプ』なのです。
(ちなみに、もう一つは『さびしい王様』です。)
それで、もし見つけたら欲しいなあ、と思っていたのでした。
まさかこんなに早々と復刊するなんて!
でも、私の買った古本は、ヒサ・クニヒコ氏のイラストがカバーの本で、これは大のお気に入りです。(画像左、右は新刊の新聞広告)
今度の方・荒川良二氏のイラストも可愛いのですが、やはり私には、あの『さびしい王様』のヒサさんのイラストがいいですね。
もちろん本文イラストもヒサさんが描いているのです。
今回のものには、本文挿絵がありません。
非常に、残念です。
私が昔持っていたのは、確か角川文庫版でした。
そのカバー・イラストは、お魚が海上を跳びはねているイラストだったように記憶しています。
著者自身が「キタ・モリオ」として登場し、無責任な?この作家の書いた本(『船乗りクプクプの冒険』)の世界に読者だった少年が入り込んでしまい、冒険が始まるという奇想天外なファンタジー。
その昔一世を風靡したテレビ人形劇『ひょっこりひょうたん島』の元ネタにもなったといわれるチョー名作です。
それなのに、手放してしまいました。
そのときの事情です。
手放したときは、きっと他にもっとスゴイと思う本があって、そちらを手元に置いておくために処分せざるをえなかったのでしょう。
今でも私の手元における本の総容量は、横に並べて「15メートル程度」が限度です。
文庫本で平均1メートルに付き50冊として、750冊。
四六版単行本で1メートル35冊、525冊。
平均40冊強として、600冊超というところです。
今までに買った本は千冊超。
400冊あまりは処分したことになります。
そのうちの1冊だったのです。
でもこの頃、昔持っていた本を(版は異なってはいても)買い直すようになっています。
本当に手元に置いておきたい本が、わかってきたのでしょうか。
単なるノスタルジアではないように思います。
まあ、そんなこんなです。
この本がハリー・ポッターを読んでいるような若い世代の人にどのように受け取られるのか、ちょっと楽しみです。
日本にもこういうSFっポイユーモア・ファンタジーを書く人がいたのだと、改めて北さんが見直されるのを期待しています。
でね、この人は、「どくとるマンボウ」シリーズというユーモア・エッセイの書き手でもあり、短編「夜と霧の隅で」、長編『幽霊』『楡家の人々』等々といった純文学の書き手でもある、スゴイ人なのです。
・怪盗ジバコ〈新装版〉(文春文庫)
・船乗りクプクプの冒険(集英社文庫)
(旧版)
※本稿は、レフティやすおの他のブログに転載しています。
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