トリンプ『マイ箸(はし)ブラ』と配膳のこと
別にブラに興味があるとか、環境問題に関心があるというわけではなく、
興味を持ったのは、ご飯茶碗と味噌汁椀の位置です。
トリンプのプレス・リリース
2007/11/07「世相を反映させたユニークなブラジャーシリーズ 最新作 トリンプ『マイ箸(はし)ブラ』」
の画像を見ますと、モデルさんを正面から見て、向かって左にご飯茶碗(モデルさんの右側)、右側に味噌汁椀(モデルさんの左側)があります。
しかし、この配置(ご飯お茶碗が右、汁椀が左)は、モデルさんから見た場合は明らかに伝統の和食の配膳とは逆になります。
これは、「逆さ膳」と呼んで仏様にお供えするときのスタイル、といわれるそうです。
(PHP研究所刊『和食ワザあり事典』「ご飯茶碗と汁椀の正しい位置」による)
もちろん、われわれ観客側から見ると正しい配置(左にご飯茶碗、右側に汁椀)となります。
見せるためのものですから、きっと観客側に合わせたセッティングなのでしょう。
ところで、私は左利きには左利きの常識を、との考えから配膳も基本的に、利き手に合わせるべきだろうと考えています。
左利き仕様の配膳では、先に書きましたように、仏様に出す膳であり、宗教的なタブーにふれると考える方もいます。
日本の伝統を守るべきだ、とおっしゃる方もいます。
しかし、左利きは個性として尊重される時代です。
箸遣いも左手箸がごく普通に認められるようになっています。
(一部には伝統を守って、左手箸は誤った持ち方とする人もいますが、少数派になりつつあります。)
特に、まだ幼い左利きの子供の場合は、利き手に合わない配膳では、つい手が当たって汁をこぼすとか粗相をするケースが多いといいます。
そういう場合はやはり利き手に合わせることで、左利きの子供も右利きの子供と同じように、楽しく食事できるように配慮してやるほうが先決であり、大事なことではないか、と思います。
大人でももちろん同じことで、食べやすさが違ってきます。
私の母は私が子供の頃はいつも、「お母ちゃんにはわからないから(適当に並べるけれど)、自分の食べやすいように並べ替えたらいいんだよ」、と言ってくれました。
なじみの左利きのお客さんに対して、ご飯茶碗を逆に置く気の利いたお店もあります。
公式の場と日常とを使い分けすればいい、という方もいます。
なるほどそれも一つの考え方でしょう。
気になる方はそのように解釈していただいてもよいでしょう。
ただ、
私個人としては、やはり「利き手本意」が新たな伝統として定着してくれるといいと思うのですが…。
※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。
◆「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」
―左利きの人、左利きに興味のある人のためのメールマガジン発行中!
(最新号はこちら)
「ニュース」カテゴリの記事
- 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』8月17日第三土曜日発行分夏休みのお知らせ(2024.08.17)
- メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』8月15日発行分夏休みのお知らせ(2024.08.15)
- 私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと-楽しい読書354号(2023.11.15)
- 左利き資料展示「左手をご覧ください!」国立国会図書館関西館で開催(2023.08.25)
- 8月13日<国際左利きの日>を前に~メディアに注文-週刊ヒッキイ第647号(2023.08.12)
「左利き」カテゴリの記事
- <親御さんへ>特別編―左右共存お箸持ち方絵本『おはしをじょうずにもてるかな』-週刊ヒッキイ第689号(2025.07.05)
- 週刊ヒッキイ第688号-『左組通信』復活計画[38]『LL』復刻(11)LL11 1996年秋号(後)(2025.06.21)
- 週刊ヒッキイ第687号-楽器における左利きの世界(32)松野迅さんから(2025.06.07)
- 週刊ヒッキイ第686号-『左組通信』復活計画[37]『LL』復刻(10)LL10 1996年秋号(後)(2025.05.17)
- 私の読書論196-<後世への最大遺物>としての紙の本を!-楽しい読書388号(2025.05.15)
「左利きを考える」カテゴリの記事
- <親御さんへ>特別編―左右共存お箸持ち方絵本『おはしをじょうずにもてるかな』-週刊ヒッキイ第689号(2025.07.05)
- 週刊ヒッキイ第688号-『左組通信』復活計画[38]『LL』復刻(11)LL11 1996年秋号(後)(2025.06.21)
- 週刊ヒッキイ第687号-楽器における左利きの世界(32)松野迅さんから(2025.06.07)
- 週刊ヒッキイ第686号-『左組通信』復活計画[37]『LL』復刻(10)LL10 1996年秋号(後)(2025.05.17)
- 私の読書論196-<後世への最大遺物>としての紙の本を!-楽しい読書388号(2025.05.15)
Comments