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2007.03.16

左利き用メモ台付折り畳み式パイプ椅子

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の第14号(No.14) 2006/1/1「お正月臨時増刊号/かなちゃんのひだりて」 に掲載した、左利きの少女のお話にこんなくだりがあります。

... そのいすが変わっていた。いすから前のほうにパイプが出ていて、その先に、板がついている。それはノートをのせるのにちょうどいい広さで、立てたり平らにすることができる。これが右がわだけについている。... するとふと、かなは左手で字を書くじぶんは、この右がわだけのつくえで字が書けるのだろうかと思い、...
  宮川集造/作「かなちゃんのひだりて」より (原題「右手ひだりて」/宮川集造氏のホームページ「パオしゅう 宮ちゃん文庫」内の「作品」に収められている一編で、氏のご好意により『週間ヒッキイ』臨時増刊号に改題の上、転載しました。)


私が高校生時代、実習の授業の際に初めて「メモ台付折り畳み式パイプ椅子」(正式にはなんと呼ぶのでしょうか?)というものを知りました。

それは、一応右から左まで椅子と同じ幅の台がついたものでしたが、右側には肘を乗せるのに都合のよいような、ちょうど舞台の花道のようなアームが伸びていました。さらに台の手前の方も斜辺になっていて左に行くほど奥行きが狭くなっていました。

そのため、左手で字を書く私には、腕を宙に浮かせたような感じで書かねばならず、使いにくいと感じました。

アメリカの大学などでは、このようなメモ台付椅子でも、右利き用だけでなく左手書字者用を一定の割合で用意しなければならない決まりになっている、と聞いたことがあります。

残念ながら日本にはこのような椅子自体がなさそうで、私が使ったようなもので我慢しなければならないのか、と思っていました。

ところが今年の初めに、これの左利き用版を左利きグッズの専門店でもある、神奈川県の菊屋浦上商事さんが某大学からの注文で納品した、という朗報を耳にしました。

さっそく浦上裕生氏にお話をうかがいました。

企業秘密等さまざまな制約がある中でお聞きした事実を紹介しましょう。


●【左利き用のメモ台付チェア】情報提供:
ユニバーサルデザイン文房具・左利き専用グッズ・オフィス文具の専門店:
きくやねっと
・菊屋浦上商事 神奈川県相模原店 TEL 042(754)9211

Lhchair

※画像は、菊屋さん提供のものに、比較のために右利き用を合成しました。

▼まず価格ですが、予想通りといいますかやはり受注生産で、その分右利き用と比べると割高になるようです。
「30%ぐらい高い」とのこと。

▼注文は?
「学校からの問い合わせはありますが、注文は無い」

学生さんからの要望があれば、動く、ということのようです。

昨今の大学は、少子化の影響で学生の声には敏感なようですので、ぜひ、学生諸氏が自らの勉学の環境の改善に立ち上がって欲しいものです。
実際に学生さんの間では導入を望む声が多いようです。

▼注文から納品までの時間は?
「約1ヶ月です」

学校としては、予算の都合などで要望即発注とはならないようです。

しかし、こういう製品が存在するということは、大きな前進です。
そして、大学だけでなく、一般にもこういう備品を用意する必要のある施設がたくさんあります。
広く普及して欲しいものです。

普及には、やはり多くの人の声―要望がなければ、動きません。

私たちも、積極的に声を届けてゆきましょう。

※本稿は、gooブログ「レフティやすおの新しい生活を始めよう!」に転載しています。

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